テープ結束装置
【課題】 構成が簡素化され、かつ高速化を図ることができるテープ結束装置を提供する。
【解決手段】 上下に2個重ねられた状態の物品X,Xに、物品搬送方向dの上流側と下流側とに跨って巻き掛けられた粘着テープの両端部を物品Xの底面に貼り付けるテープ貼付装置16に、結束位置P1の上流側に備えられ、モータで駆動されて下流側へ移動することにより粘着テープの上流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けるブラシ部材でなる上流側撫付部材85と、結束位置P1の下流側に固設され、搬送装置11による物品X,Xの移動により粘着テープの下流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付ける撫付ローラ97とを設ける。
【解決手段】 上下に2個重ねられた状態の物品X,Xに、物品搬送方向dの上流側と下流側とに跨って巻き掛けられた粘着テープの両端部を物品Xの底面に貼り付けるテープ貼付装置16に、結束位置P1の上流側に備えられ、モータで駆動されて下流側へ移動することにより粘着テープの上流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けるブラシ部材でなる上流側撫付部材85と、結束位置P1の下流側に固設され、搬送装置11による物品X,Xの移動により粘着テープの下流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付ける撫付ローラ97とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に複数個重ねられた物品をテープで結束するテープ結束装置に関し、物品包装の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、図18に示すように、上下に複数個(図例では2個)重ねられた物品X,Xに粘着テープTを巻き付けて結束した商品X′がある。このような商品X′を生産するために用いられるテープ結束装置としては、例えば特許文献1に開示のものがある。
【0003】
図19に示すように、この特許文献1に記載のテープ結束装置は、2個の物品X,Xを上下に重ねた状態で矢印x方向に搬送する搬送装置201と、該搬送装置201の上方に設けられて、図示しない駆動手段によって昇降するフレーム202とが備えられている。該フレーム202に、上下流一対のエアシリンダ203,203が備えられており、所定長さの粘着テープTを前記物品X,Xの搬送方向xの上流側と下流側とに跨って巻き掛けるためのものとして、前記エアシリンダ203,203の上下に進退するロッドの先端に、前記粘着テープTを非粘着面側から吸着保持する吸着ヘッド204,204と、前記粘着テープTを物品X,Xの上下流側の側面に撫で付けながら貼り付ける第1撫付部材205,205とが取り付けられている。また、両エアシリンダ203,203間に、前記粘着テープTの長手方向中央部を上側の物品Xの上面に押し付ける押圧板206が備えられている。
【0004】
一方、搬送装置201の下方に備えられた搬送方向xに延びる上下一対のガイドロッド207,207に、搬送方向xに沿ってスライド可能に上下流一対のスライダ208,209が支持されており、各スライダ208,209の上端部にそれぞれ第2撫付部材210と第3撫付部材211とが取り付けられている。
【0005】
第2撫付部材210は、エアシリンダ212に連結されて支軸213aを中心に揺動するレバー部材213を介して、ホームポジションと結束位置Pとの間を、実線と鎖線、及び矢印yで示すように往復動する。そして、第2撫付部材210は、実線位置から鎖線位置への移動時に、上流側吸着ヘッド204による吸着力に抗して粘着テープTの上流側端部を下側の物品Xの底面に撫で付けながら貼り付ける。
【0006】
また、第3撫付部材211は、エアシリンダ214に直接連結されて、ホームポジションと結束位置Pとの間を、実線と鎖線、及び矢印zで示すように往復動する。すなわち、粘着テープTの上流側端部の貼り付け後、第2撫付部材210がホームポジションに戻ると、第3撫付部材211は、実線位置から鎖線位置への移動時に、下流側吸着ヘッド204による吸着力に抗して粘着テープTの下流側端部を下側の物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けて、当該物品X,Xに対する結束は終了する。
【0007】
【特許文献1】特開平9−156611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記特許文献1に記載のテープ結束装置では、一対の第2及び第3撫付部材210,211をそれぞれ移動させる必要があることから、おのおのに駆動手段としてのエアシリンダ212,214が備えられており、構成が複雑化すると共にコスト面で問題がある。
【0009】
また、上流側の第2撫付部材210が下流側に移動することにより粘着テープTの上流側端部を物品Xの底面に貼り付けたのち、結束位置Pからホームポジションに戻るのを待って、下流側の第3撫付部材211が上流側に移動することにより粘着テープTの下流側端部を物品Xの底面に貼り付けるため、粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるのに相当時間がかかり、さらなる高速化を図る場合に問題がある。
【0010】
さらに、第2及び第3撫付部材210,211は、吸着ヘッド204,204による吸着力に抗しながら粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるため、該粘着テープTに過大な張力が負荷されて、強度的に弱い粘着テープTを使用する場合に破断等の不具合が生じることがある。その場合、吸着力を調節して前記不具合を解消することが考えられるが、そのためには制御が複雑化するという問題が生じることになる。
【0011】
そして、第2及び第3撫付部材210,211はガイドロッド207,207とスライダ208,209とを介して移動する構成とされており、これら撫付部材210,211の高さ位置は往復動中不変である。そのため、特に鎖線位置から実線位置への移動時に、折角物品Xの底面に貼り付けられた粘着テープTの端部が、該第2及び第3撫付部材210,211との接触によって剥がされることが懸念される。
【0012】
そこで、本発明は、構成が簡素化され、かつ高速化を図ることができるテープ結束装置の提供を課題とする。併せて、貼り付け時のテープ張力の軽減やテープ剥がれの防止も図る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0014】
まず、請求項1に記載の発明は、複数の物品を上下に重ねた状態に保持して搬送する搬送装置と、所定長さのテープの両端部を保持し、所定の結束位置において、該テープを前記物品の搬送方向の上流側と下流側とに跨って巻き掛けるテープ巻掛装置と、該巻掛装置によって物品に巻き掛けられたテープの両端部を物品の底面に貼り付けるテープ貼付装置とを有するテープ結束装置であって、前記テープ貼付装置は、結束位置の物品搬送方向上流側に備えられ、駆動手段で駆動されて下流側へ移動することによりテープの上流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける上流側撫付手段と、結束位置の物品搬送方向下流側に固設され、前記搬送装置による物品の移動によりテープの下流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける下流側撫付手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のテープ結束装置において、前記テープ巻掛装置は、テープの両端部を吸着保持した状態で物品の上流側及び下流側に沿ってそれぞれ下降することにより該テープを物品に巻き掛けるテープ保持手段を有すると共に、これらの保持手段は、下降完了前にテープの保持を解除するように構成されており、かつ、物品の上流側及び下流側の下方に、前記保持手段による保持が解除されて垂下したテープの両端部をそれぞれ挟持する上流側挟持手段及び下流側挟持手段が備えられていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のテープ結束装置において、前記上流側挟持手段は、前記上流側撫付手段に下流側から対接することによりテープの上流側端部を挟持すると共に、該上流側挟持手段の上流側撫付手段への対接動作を、前記駆動手段による上流側撫付手段の下流側への移動に連動して行わせる連動機構が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載のテープ結束装置において、前記上流側撫付手段を昇降させる昇降手段が備えられ、該昇降手段は、上流側撫付手段が下流側へ移動するときには該手段を物品の底面に沿う高所に位置させ、下流側から上流側へ戻るときには該手段を物品の底面より下方の低所に位置させることを特徴とする。
【0018】
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載のテープ結束装置において、前記上流側及び下流側撫付手段は、テープの端部を物品に撫で付けるブラシ部材を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
まず、請求項1に記載の発明によれば、テープ貼付装置の一方を構成する上流側撫付手段を移動させ、他方を構成する下流側撫付手段を移動させないため、移動のための駆動手段は1つで済み、もって構成が簡素化されたテープ結束装置が実現される。
【0020】
さらに、従来のように結束位置にテープ貼付装置の上流側及び下流側撫付手段が入れ替わるように出没するのではなく、上流側撫付手段が結束位置に進出することで、テープの上流側端部が物品の底面に貼り付けられると、搬送装置が物品を下流側に搬送することで、固設された下流側撫付手段によりテープの下流側端部が物品の底面に貼り付けられるので、テープの両端部を物品の底面に貼り付けるのに余り時間がかからず、高速化を図ることができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、テープ巻掛装置の構成が具体化される。すなわち、テープ保持手段が設けられ、しかもこの保持手段は、下降完了前つまりテープ貼付装置による物品の底面へのテープ端部の貼り付けに先立ってテープ端部の保持を解除するので、物品の底面へのテープ端部の貼り付け時に、テープに過大な張力が負荷されることはない。したがって、強度的に弱い粘着テープを使用する場合に破断等の不具合が生じることはない。
【0022】
さらに、前記保持手段による保持が解除されて垂下したテープの両端部はそれぞれ上流側及び下流側挟持手段によって挟持されるので、当該端部近傍がもつれることはなく、安定したテープの貼り付けが確保される。なお、前述したテープ端部の貼り付け時には、該端部は上流側及び下流側挟持手段によって挟持されているが、テープに過大な張力を負荷させるものではない。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、上流側挟持手段の動作が具体化される。すなわち、上流側撫付手段に対接する際の上流側挟持手段の動作を、上流側撫付手段の下流側への移動に連動させるので、テープの端部の挟持と該端部の物品の底面への貼り付けとが確実かつ効率的に行なわれるようになる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、上流側撫付手段は昇降手段を介して、上流側から下流側へ移動するときには物品の底面に沿う高所に位置することによりテープの端部を該物品の底面に確実に貼り付けた上で、下流側から上流側へ戻るときには物品の底面より下方の位置を通過するので、物品の底面に貼り付けられたテープの端部にいたずらに接触することはなく、もって貼り付けたテープの端部が剥がされる懸念は解消される。
【0025】
そして、請求項5に記載の発明によれば、上流側及び下流側撫付手段は、ブラシ部材を介してテープの端部を物品の底面に撫で付けるので、テープは物品の形状に沿ってしっかりと貼り付けられると共に、貼り付ける際のテープ、包材、内容物等の損傷が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態に係る箱詰ラインについて説明する。
【0027】
図1に示す箱詰ライン1は、袋詰物品Xを上下に2個重ねて結束した上で、複数個の結束商品X′を段ボール箱Yに箱詰めした箱詰商品Y′を連続生産するもので、主たる構成要素として、物品供給装置2、テープ結束装置3、空箱供給装置4、箱詰装置5、及び排出装置6を有している。
【0028】
物品供給装置2は、上流側工程から矢印aで示すように供給された袋詰物品Xを受け取って矢印b方向に搬送するもので、該物品Xを一旦テープ結束装置3に矢印cで示すように受け渡し可能、かつ、該テープ結束装置3から粘着テープTで結束された結束商品X′を矢印eで示すように受け取り可能に構成されている。その場合、物品供給装置2からテープ結束装置3の上流側に、図示しない移載機構により物品Xは向きが90°変えられ、かつ、物品X,Xは上下に2個重なるように受け渡され、また、テープ結束装置3の下流側から物品供給装置2に、図示しない移載機構により結束商品X′は受け渡される。
【0029】
テープ結束装置3は、前記物品供給装置2の一側方に並設されており、2段重ねで物品X,Xを矢印d方向へ搬送中に、結束位置P1で前記物品X,Xを粘着テープTで結束して結束商品X′とする。
【0030】
空箱供給装置4は、前記テープ結束装置3の下流側に設けられており、空の段ボール箱Yを矢印g方向に搬送すると共に、図示しない移載機構により箱詰装置5の上流端に該段ボール箱Yを矢印hで示すように受け渡す。
【0031】
箱詰装置5は、前記物品供給装置2の他側方に並設されており、図示しない移載機構により物品供給装置2から矢印fで示すように受け渡される複数の結束商品X′…X′を、箱詰位置P2で空の段ボール箱Yに箱詰めする。得られた箱詰商品Y′は、矢印i方向に搬送される。
【0032】
排出装置6は、前記箱詰装置5の下流端に直交して設けられており、箱詰装置5から受け取った箱詰商品Y′を矢印j方向に搬送して排出する。
【0033】
次に、本発明の特徴部分であるテープ結束装置3について詳しく説明する。
【0034】
図2〜図4に示すように、このテープ結束装置3は、搬送装置11を有しており、該搬送装置11の上方には、結束位置P1の上流側のテープ繰出装置12と、結束位置P1の上下流にわたって延びるテープ引出装置13と、結束位置P1の上流側のテープ切断装置14と、結束位置P1のテープ巻掛装置15とが、また、前記搬送装置11の下方には、結束位置P1を中心としたテープ貼付装置16が設けられている。
【0035】
搬送装置11は、2個の物品X,Xを上下に重ねた状態に保持して搬送すると共に粘着テープTで結束された結束商品X′を搬送するもので、架台3aに回転自在に支持された上下流一対の回転軸21,21(図4に下流側のみ示す)を備え、各回転軸21の搬送方向dの左右両側にそれぞれスプロケット22,22が組み付けられている。そして、対応する各上下流一対のスプロケット22,22間に、それぞれ1条のエンドレスチェーン23が巻き掛けられている。なお、下流側の回転軸21は、図示しないモータの動力が該回転軸21の端部に組み付けられたプーリ21aに伝達されて駆動軸とされ、上下流のスプロケット22…22を介して2条のエンドレスチェーン23,23が同期して走行するようになっている。
【0036】
左右一対のエンドレスチェーン23,23間に、2個の物品X,Xを上下に重ねた状態に保持する複数のバケット24…24が連結されている。すなわち、エンドレスチェーン23,23には、物品搬送経路を挟んで互いに対向する左右一対の側面視略コ字状のバケット部材24a,24bが立設されており、該一対のバケット部材24a,24bにより各バケット24が構成されている。そして、左側バケット部材24aには、上流側へ突出する突出部の上部に、右側バケット部材24b方向に延びる小径のローラ24a′が設けられている。
【0037】
結束位置P1の上流側に設けられたテープ繰出装置12は、粘着テープTを繰り出すためのもので、図5に示すように、架台3aに取り付けられた支持プレート3bに支持されており、該支持プレート3bに立設された支軸31と、該支軸31に粘着面を内側にして巻き取られた粘着テープTのロールRを支持するためのリール32とを有している。このリール32は、近傍に備えられたエアシリンダ33の進退するロッドの先端に連結されている。
【0038】
ロールRから繰り出される粘着テープTは、複数のガイドローラ34A〜34Fを経て後述するテープ引出装置13に至る。その場合、ガイドローラ34Bは前記リール32に設けられており、前記エアシリンダ33の作動によりロールRから繰り出される粘着テープTの張力を適正に維持する機能を有している。
【0039】
テープ引出装置13は、結束位置P1を挟んで上流側から下流側に粘着テープTの先端部を引き出すもので、図5及び図6に示すように、支持プレート3b下部の上流側と下流側とに回転自在に設けられたプーリ41,41を有し、両プーリ41,41間にタイミングベルト42が巻き掛けられている。その場合、下流側プーリ41は、モータ43の動力が伝達される駆動プーリとされている。
【0040】
前記タイミングベルト42の上方に該タイミングベルト42の走行方向に延びるガイドレール44Aが並設されており、このガイドレール44Aにスライダ44Bがスライド自在に支持されている。該スライダ44Bにブラケット45が固設されており、該ブラケット45の後面に、前記タイミングベルト42の上側走行面に固定された連結部材46が取り付けられている。すなわち、タイミングベルト42が矢印kで示すように走行すると、前記ブラケット45は、ガイドレール44Aとスライダ44Bとの摺動を介して矢印kで示すように移動することになる。
【0041】
ブラケット45の前面に、電動シリンダ47が取り付けられており、該電動シリンダ47の上下に進退するロッドの先端に下部チャック部材48Aが備えられると共に、前記ブラケット45の下端部に上部チャック部材48Bが備えられている。すなわち、電動シリンダ47が作動して下部チャック部材48Aが上下動することにより、両チャック部材48A,48B間に前記テープ繰出装置12から繰り出された粘着テープTの先端が把持されたり解除されたりする。
【0042】
その場合、図7に示すように、下部チャック部材48Aの上面は円弧状とされると共に、上部チャック部材48Bの下面は概ね下流側(図例では右側)ほど上方に傾斜している。これにより、両チャック部材48A,48Bにより粘着面を下部チャック部材48Aに向けた粘着テープTを把持するとき、把持力と剥がれ易さとがバランスする。すなわち、粘着テープTが余りにしっかりと把持されて下部チャック部材48Aに貼り付くと、把持を解除して粘着テープTを物品X,Xに巻き掛ける際に、無理に剥がすことになって粘着テープTの損傷が懸念されるが、前記構成としたことによりこの懸念が解消される。
【0043】
結束位置P1の上流側に設けられたテープ切断装置14は、前記テープ引出装置13によって引き出された粘着テープTを所定長さに切断するもので、図8に示すように、架台3aにブラケット51を介して支持された電動シリンダ52を有している。該シリンダ52のテープ引出装置13によるテープ引出経路や搬送装置11による物品搬送経路に矢印mで示すように進退するロッド52a,52aの先端に、ブラケット53を介して別なる電動シリンダ54が取り付けられている。そして、該電動シリンダ54の矢印nで示すように進退するロッド54a,54aの先端に、取付部材55を介してカッタ刃56が取り付けられている。
【0044】
これにより、図例の位置で電動シリンダ54が作動して、カッタ刃56がテープ引出経路の上方の実線で示す位置から二点鎖線で示すように下動すると、前記テープ引出装置13によってテープ繰出装置12から結束位置P1の下流側の所定位置まで引き出された粘着テープTは所定長さに切断される。
【0045】
また、例えばテープ繰出装置12において粘着テープTのロールRを交換するときには、図9に示すように、電動シリンダ52を作動させて、ブラケット53を介して電動シリンダ54、取付部材55、及びカッタ刃56を、テープ引出装置13によるテープ引出経路や搬送装置11による物品搬送経路から二点鎖線で示す位置に退避させることができる。これにより、ロール交換時の作業性が向上する。
【0046】
結束位置P1における搬送装置11の上方に設けられたテープ巻掛装置15は、所定長さに切断された粘着テープTを物品X,Xの搬送方向dの上流側と下流側とに跨って巻き掛けるもので、図5及び図6に示すように、支持プレート3bの前面に設けられて上下に延びる上下流一対のガイドレール61A,61Aを有しており、これらのガイドレール61A,61Aにスライダ61Bがスライド自在に支持されている。
【0047】
スライダ61Bの前面に中空の取付部材62を介して取付プレート63が設けられていると共に、該取付プレート63の前面に上下一対のガイド部材64A,64Bが固定されており、これらガイド部材64A,64B間に上下流一対のガイドロッド65,65が挿通されている。上部ガイド部材64Aから上方に突出するガイドロッド65,65の先端にストッパ66が、下部ガイド部材64Bから下方に突出するガイドロッド65,65の先端に押圧板67が、それぞれ固定されている。そして、下部ガイド部材64Bと押圧板67との間の所定位置に、ガイドロッド65,65間にわたって固定部材64Cが固設されており、さらに、該固定部材64Cと上部ガイド部材64Aとの間に、該固定部材64Cひいては押圧板67を下方に付勢するバネ68が介設されている。
【0048】
取付プレート63から上下流一対の取付ポスト69,69が垂下されており、各取付ポスト69の下端部に吸着ヘッド70と撫付部材71とが取り付けられている。上下流一対の吸着ヘッド70,70は、所定長さに切断される粘着テープTを非粘着面側から吸着保持すると共に、所定長さに切断された粘着テープTの上下流両端部を吸着保持した状態で物品X,Xの上流側及び下流側に沿ってそれぞれ下降することにより該テープTを物品X,Xに巻き掛ける。また、これらの吸着ヘッド70,70は、下降完了前に粘着テープTの保持を解除するように吸着動作を制御される。
【0049】
上下流一対の撫付部材71,71は、ブラシ部材で構成されると共に互いに対向する向きで備えられており、前記吸着ヘッド70,70の下降に伴い、所定長さに切断された粘着テープTを物品X,Xの上下流側の各側面に撫で付けながら貼り付ける。
【0050】
支持プレート3bの下流側にモータ72が設置されており、該モータ72の支持プレート3bの後面側に突出する出力軸に組み付けられたプーリ72aと支持プレート3bの後面側に配設された複数のプーリ73A〜73Eとにわたってタイミングベルト74が巻き掛けられている。
【0051】
支持プレート3bの前面側では、最上方のプーリ73Bを支持する支軸73B′から連結部材75が延びており、その先端部に概ね上下に延びるレバー部材76の上端部が連結されている。そして、該レバー部材76の下端部は、前記取付部材62の内方に入り込んで前記スライダ61Bに結合されている。これにより、モータ72が駆動されると、タイミングベルト74、連結部材75を介して、レバー部材76の上端部が図5の一点鎖線で示す軌道を描いて移動し、もってスライダ61Bひいては取付プレート63つまり押圧板67、吸着ヘッド70,70、及び撫付部材71,71が矢印pで示すように昇降する。
【0052】
結束位置P1を中心として搬送装置11の下方に設けられたテープ貼付装置16は、前記テープ巻掛装置15によって物品X,Xに巻き掛けられた粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるもので、図10及び図11に示すように、結束位置P1の搬送装置11による物品搬送方向dの上流側に備えられ、駆動手段で駆動されて下流側へ移動することにより粘着テープTの上流側端部をバケット24に保持された物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けるための上流側撫付ユニット81を有している。
【0053】
上流側撫付ユニット81は架台3aの左側寄りに備えられており、搬送方向dに延びるガイドレール82と、該レール82に矢印q方向にスライド自在に支持された細長い板状の支持部材83と、該支持部材83に固設された取付ポスト84と、該取付ポスト84に取り付けられた撫付部材85及び3個の小径のローラ86…86とを有している。撫付部材85は、バケット24に保持された物品Xの底面に接触可能に上方へ突出するブラシ部材で構成されている。また、前記ガイドレール82を矢印rで示すように昇降させる電動シリンダ87が設置されている。
【0054】
そして、上流側撫付ユニット81の取付ポスト84の下流側に、撫付部材85の直上流のローラ86…86に対接することにより上流側吸着ヘッド70による保持が解除されて垂下した粘着テープTの上流側端部を挟持するための上流側挟持ユニット88が備えられている。
【0055】
上流側挟持ユニット88は、下流側ほど下方に傾斜するカム面を有するカム89と、前記支持部材83に支軸90aを中心に揺動自在に支持された上方に延びるレバー部材90とを備えている。レバー部材90の下部には、前記カム89のカム面に摺接するカムフォロア91が備えられており、略中央部には、前記取付ポスト84方向に揺動したときに該取付ポスト84に対接することにより前記揺動を規制するストッパ92が取り付けられており、そして、上端部には、前記ローラ86…86に対接することにより粘着テープTの上流側端部を挟持する3個の小径のローラ93…93が備えられている。さらに、レバー部材90の中央部近傍と支持部材83の上流側端部との間に、レバー部材90を上流側に付勢するばね94が介設されている。
【0056】
また、テープ貼付装置16は、結束位置P1の物品搬送方向dの下流側に固設され、前記搬送装置11による物品Xの移動により粘着テープTの下流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けるための下流側撫付ユニット95を有している。
【0057】
下流側撫付ユニット95は架台3aの左側寄りに備えられており、ブラケット96の下流側端部に回転自在に支持された撫付ローラ97を有している。また、前記ブラケット96の上流側端部に、3個の小径のローラ98…98が備えられている。
【0058】
そして、架台3aの右側寄りに下流側撫付ユニット95に対向するように、前記撫付ローラ97とローラ98…98との間に、下流側から前記ローラ98…98に対接することにより下流側吸着ヘッド70による保持が解除されて垂下した粘着テープTの下流側端部を挟持するための下流側挟持ユニット99が備えられている。
【0059】
下流側挟持ユニット99は、前記架台3aに固設されたブラケット100に上端部が支軸101aを中心に揺動自在に支持された上方に延びるレバー部材101を備えている。該レバー部材101の上端部に3個の小径のローラ102…102が備えられており、また、該レバー部材101の略中央部に、エアシリンダ103の矢印sで示すように進退するロッドの先端が連結されている。
【0060】
前記ガイドレール82と支持部材83とを介して撫付部材85を矢印qで示すように移動させるための動力の伝達構造について説明すると、図11に示すように、架台3aの一側方における結束位置P1の下流側に、プーリ104が支軸104aに回転自在に支持されている。該支軸104aの先端部に第1連結部材105Aが取り付けられており、該第1連結部材105Aの先端部に第2連結部材105Bの一方の端部が連結されている。前記支軸104aの下流側に別なる支軸106が備えられており、該支軸106の先端部に第3連結部材105Cが取り付けられている。そして、該第3連結部材105Cの先端部に前記第2連結部材105Bの他方の端部が連結されている。また、架台3aに取り付けられたモータ107の出力軸に組み付けられたプーリ107aと前記プーリ104との間にタイミングベルト108が巻き掛けられている。
【0061】
そして、前記第2連結部材105Bから搬送装置11による物品搬送経路方向に伝達部材109が延設されており、該伝達部材109の先端部に前記支持部材83の下流端部の入力部83a(図10も参照)が結合されている。これにより、第2連結部材105Bが、第1及び第3連結部材105A,105Cを介して矢印tで示すように移動するようにモータ107の動力を受けると、伝達部材109を介して支持部材83がガイドレール82に支持されながら、矢印qで示すようにスライドすることになる。
【0062】
ここで、この箱詰ライン1の作用について説明する。
【0063】
図1に示したように、上流側から供給された袋詰物品Xは、物品供給装置2からテープ結束装置3に受け渡されて上下に2個重なった状態とされて、結束位置P1で粘着テープTが巻き掛けられると共に貼り付けられて図18に示した結束商品X′とされる。そして、所定個数の結束商品X′…X′は、空箱供給装置4から箱詰装置5に供給された空の段ボール箱Yに箱詰位置P2で箱詰めされて箱詰商品Y′とされて、排出装置6により下流側に排出される。
【0064】
その場合、テープ結束装置3では、図5に示したテープ繰出装置12から繰り出された粘着テープTの先端部は、テープ引出装置13の上下チャック部材48A,48Bに把持されて、結束位置P1を挟んで上流側から下流側の所定位置まで引き出される。この所定位置としては、例えば図5に示す上下チャック部材48A,48Bの位置が採用される。
【0065】
次いで、図5に示したテープ巻掛装置15のモータ72が駆動されて取付プレート63つまり吸着ヘッド70,70が下降して、該吸着ヘッド70,70により前記粘着テープTは非粘着面側から吸着保持される。
【0066】
次いで、図8に示した結束位置P1の上流側に設けられたテープ切断装置14のカッタ刃56が実線位置から二点鎖線位置に下降して、前記粘着テープTは所定長さに切断される。
【0067】
次いで、所定長さに切断された粘着テープTを吸着保持した吸着ヘッド70,70はさらに下降する。そして、図12に示すように、ガイドロッド65,65の下端部に取り付けられると共にバネ68によって下方に付勢された押圧板67が粘着テープTの長手方向中央部を搬送装置11のバケット24に保持された2個重ねの物品X,Xの上側物品Xの上面に押し付ける。その場合、吸着ヘッド70,70に吸着保持された粘着テープTの上下流両端部は、当該バケット24に備えられたローラ24a′と隣接して先行するバケット24に備えられたローラ24a′とによりそれぞれ下方から支持される。したがって、前記粘着テープTの上下流両端部は、くしゃくしゃになったりもつれたりすることはない。また、先行するバケット24には、物品X,Xが粘着テープTで結束されてなる結束商品X′が保持されている。なお、前記図12と後述する図13、図15〜図17とでは、図面の複雑化を避けると共に粘着テープTを明記するため、搬送装置11のバケット24や物品X,Xを二点鎖線で示す。
【0068】
そして、図13に示すように、吸着ヘッド70,70は、所定位置まで下降すると粘着テープTの上下流両端部の吸着保持を解除する。前記下降中、粘着テープTは搬送装置11のバケット24に保持された物品X,Xの搬送方向dの上流側と下流側とに跨って巻き掛けられると共に、撫付部材71,71により前記物品X,Xの上下流側の側面に撫で付けながら貼り付ける。その場合、押圧板67はバネ68の下方への付勢力に抗して、粘着テープTを挟んで物品X,Xを適度に押圧している。
【0069】
また、粘着テープTの上流側端部は、テープ貼付装置16の上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93との間に位置し、粘着テープTの下流側端部は、下流側撫付ユニット95のローラ98…98と下流側挟持ユニット99のローラ102…102との間に位置している。
【0070】
ここで、上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とによる粘着テープTの上流側端部の挟持動作について説明する。
【0071】
粘着テープTの上流側端部の吸着保持が解除されると、図14(a)に示すように、上流側撫付ユニット81の撫付部材85による撫付動作に入るべく取付ポスト84が物品搬送方向dに移動し始めると、これに連動してカム89のカム面とカムフォロア91との摺接及びバネ94による上流側への付勢に伴い、上流側挟持ユニット88のレバー部材90は支軸90aを中心に前記取付ポスト84方向に揺動し始める。図例の時点では、上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とは粘着テープTの上流側端部を挟持していないし、また、ストッパ92は取付ポスト84に対接していない。
【0072】
図14(b)に示すように、さらに上流側撫付ユニット81の取付ポスト84が物品搬送方向dに移動すると、カム89のカム面とカムフォロア91との摺接及びバネ94による上流側への付勢に伴い、上流側挟持ユニット88のレバー部材90は支軸90aを中心に前記取付ポスト84方向にさらに揺動する。そして、ついに上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とが対接して粘着テープTの上流側端部を挟持すると共に、ストッパ92が取付ポスト84に対接する。この状態で取付ポスト84が下流側に所定位置まで移動することにより、撫付部材85は粘着テープTの上流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付ける。
【0073】
すなわち、図15に示す状態から、前記モータ107の駆動により上流側撫付ユニット81の支持部材83がガイドレール82に沿って矢印d方向に移動すると、搬送装置11のバケット24に保持された物品Xの底面に沿う高所に位置する撫付部材85は、上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とにより挟持された粘着テープTの上流側端部を、前記物品Xの底面に撫で付けるように貼り付ける。なお、下流側では、エアシリンダ103の作動により下流側挟持ユニット99のレバー部材101が支軸101aを中心に下流側撫付ユニット95のローラ98…98方向に揺動して、両側のローラ98…98,102…102により粘着テープTの下流側端部は挟持されている。
【0074】
そして、図16に示すように、上流側撫付ユニット81の撫付部材85により粘着テープTが物品Xの底面に貼り付けられると、電動シリンダ87が作動してガイドレール82ひいては撫付部材85、ローラ86…86,93…93を前記物品Xの底面より下方の低所に位置させて、この状態でこれら部材85,86…86,93…93は上流側に移動する。なお、上流側に移動するとき、上流側挟持ユニット88は、図14に示した動作とは逆の動作を行ない、次回の結束のため、粘着テープTの上流側端部の挟持に待機する。
【0075】
次に、下流側撫付ユニット95の撫付ローラ97による粘着テープTの下流側端部の貼付動作について説明すると、図16に示すように、下流側撫付ユニット95のローラ98…98と下流側挟持ユニット99のローラ102…102とにより粘着テープTの下流側端部が挟持された状態で、図17に示すように、搬送装置11の当該バケット24に保持された物品X,Xが矢印d方向に移動すると、下流側撫付ユニット95の固設された撫付ローラ97により粘着テープTの下流側端部は前記物品Xの底面に撫で付けられながら貼り付けられて、当該物品X,Xに対する結束を終了する。
【0076】
以上のように構成したことにより、まず、テープ貼付装置16の一方を構成する上流側撫付ユニット81の撫付部材85を移動させ、他方を構成する下流側撫付ユニット95の撫付ローラ97を移動させないため、移動のための駆動手段つまりモータ107は1つで済み、もって構成が簡素化されたテープ結束装置3が実現される。
【0077】
さらに、従来のように結束位置P1に上流側及び下流側撫付手段が入れ替わるように出没するのではなく、上流側の撫付部材85が結束位置P1に進出することで、粘着テープTの上流側端部が物品Xの底面に貼り付けられると、搬送装置11が物品X,Xを下流側に搬送することで、固設された下流側の撫付ローラ97により粘着テープTの下流側端部が物品Xの底面に貼り付けられるので、粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるのに余り時間がかからず、高速化を図ることができる。
【0078】
また、所定長さに切断された粘着テープTを保持する上下流一対の吸着ヘッド70,70が設けられ、しかもこの吸着ヘッド70,70は、下降完了前つまりテープ貼付装置16による物品Xの底面への粘着テープTの両端部の貼り付けに先立って該両端部の保持を解除するので、物品Xの底面への該両端部の貼り付け時に、粘着テープTに過大な張力が負荷されることはない。したがって、強度的に弱い粘着テープTを使用する場合に破断等の不具合が生じることはない。
【0079】
さらに、前記吸着ヘッド70,70による保持が解除されて垂下した粘着テープTの両端部はそれぞれ上流側及び下流側挟持ユニット88,99のローラ93…93,102…102を用いて挟持されるので、当該端部近傍がもつれることはなく、安定した粘着テープTの貼り付けが確保される。なお、前述した粘着テープTの両端部の貼り付け時には、該端部はローラ93…93,102…102を用いて挟持されているため、粘着テープTに過大な張力は負荷されない。
【0080】
また、上流側撫付ユニット81のローラ86…86に対接する際の上流側挟持ユニット88のローラ93…93の動作を、上流側撫付ユニット81の撫付部材85やローラ86…86の下流側への移動に連動させるので、粘着テープTの上流側端部の挟持と該端部の物品Xの底面への貼り付けとが確実かつ効率的に行なわれるようになる。
【0081】
また、上流側撫付ユニット81の撫付部材85は電動シリンダ87を介して、上流側から下流側へ移動するときには物品Xの底面に沿う高所に位置することにより粘着テープTの上流側端部を該物品Xの底面に確実に貼り付けた上で、下流側から上流側へ戻るときには物品Xの底面より下方の位置を通過するので、物品Xの底面に貼り付けられた粘着テープTの上流側端部にいたずらに接触することはなく、もって貼り付けた粘着テープTの上流側端部が剥がされる懸念は解消される。
【0082】
そして、上流側撫付ユニット81の撫付部材85はブラシ部材を介して粘着テープTの上流側端部を物品Xの底面に撫で付けるので、粘着テープTは物品Xの形状に沿ってしっかりと貼り付けられると共に、貼り付ける際の粘着テープT、包材、内容物等の損傷が軽減される。
【0083】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。例えば、下流側撫付ユニット95において、撫付ローラ97に代えてブラシ部材でなる撫付部材を使用してもよい。これにより、粘着テープTの下流側端部は物品Xの形状に沿ってしっかりと貼り付けられると共に、貼り付ける際の粘着テープT、包材、内容物等の損傷が軽減される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明によれば、構成が簡素化され、かつ高速化を図ることができるテープ結束装置が提供される。すなわち、本発明は、上下に複数個重ねられた物品をテープで結束するテープ結束装置に関し、物品包装の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態に係る箱詰ラインの概略平面図である。
【図2】テープ結束装置の搬送装置を示す側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図3のII−II線による矢視図である。
【図5】テープ繰出装置、テープ引出装置、及びテープ巻掛装置を示す側面図である。
【図6】図5のIII−III線による要部矢視図である。
【図7】図6のIV−IV線による要部拡大断面図である。
【図8】テープ切断装置を示す正面図である。
【図9】カッタ刃のテープ引出経路や物品搬送経路からの退避動作を説明するための正面図である。
【図10】テープ貼付装置を示す側面図である。
【図11】同じく平面図である。
【図12】テープ巻掛装置の初期の動作を説明するための側面図である。
【図13】テープ巻掛装置の終盤の動作を説明するための側面図である。
【図14】上流側撫付ユニットと上流側挟持ユニットとによる粘着テープの上流側端部の挟持動作を説明するための要部側面図であって、(a)は挟持途中の状態、(b)挟持完了の状態を示す。
【図15】上流側撫付ユニットによる貼付動作を説明するための側面図である。
【図16】貼付後の上流側撫付ユニットの動作を説明するための側面図である。
【図17】下流側撫付ユニットによる貼付動作を説明するための側面図である。
【図18】本発明が対象とする結束商品の斜視図である。
【図19】従来のテープ結束装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0086】
3 テープ結束装置
11 搬送装置
15 テープ巻掛装置
16 テープ貼付装置
70 吸着ヘッド(テープ保持手段)
85 撫付部材(上流側撫付手段)
87 電動シリンダ(昇降手段)
89 カム(連動機構)
91 カムフォロア(連動機構)
93 ローラ(上流側挟持手段)
97 撫付ローラ(下流側撫付手段)
102 ローラ(下流側挟持手段)
107 モータ(駆動手段)
P1 結束位置
T 粘着テープ(テープ)
X 物品
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に複数個重ねられた物品をテープで結束するテープ結束装置に関し、物品包装の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、図18に示すように、上下に複数個(図例では2個)重ねられた物品X,Xに粘着テープTを巻き付けて結束した商品X′がある。このような商品X′を生産するために用いられるテープ結束装置としては、例えば特許文献1に開示のものがある。
【0003】
図19に示すように、この特許文献1に記載のテープ結束装置は、2個の物品X,Xを上下に重ねた状態で矢印x方向に搬送する搬送装置201と、該搬送装置201の上方に設けられて、図示しない駆動手段によって昇降するフレーム202とが備えられている。該フレーム202に、上下流一対のエアシリンダ203,203が備えられており、所定長さの粘着テープTを前記物品X,Xの搬送方向xの上流側と下流側とに跨って巻き掛けるためのものとして、前記エアシリンダ203,203の上下に進退するロッドの先端に、前記粘着テープTを非粘着面側から吸着保持する吸着ヘッド204,204と、前記粘着テープTを物品X,Xの上下流側の側面に撫で付けながら貼り付ける第1撫付部材205,205とが取り付けられている。また、両エアシリンダ203,203間に、前記粘着テープTの長手方向中央部を上側の物品Xの上面に押し付ける押圧板206が備えられている。
【0004】
一方、搬送装置201の下方に備えられた搬送方向xに延びる上下一対のガイドロッド207,207に、搬送方向xに沿ってスライド可能に上下流一対のスライダ208,209が支持されており、各スライダ208,209の上端部にそれぞれ第2撫付部材210と第3撫付部材211とが取り付けられている。
【0005】
第2撫付部材210は、エアシリンダ212に連結されて支軸213aを中心に揺動するレバー部材213を介して、ホームポジションと結束位置Pとの間を、実線と鎖線、及び矢印yで示すように往復動する。そして、第2撫付部材210は、実線位置から鎖線位置への移動時に、上流側吸着ヘッド204による吸着力に抗して粘着テープTの上流側端部を下側の物品Xの底面に撫で付けながら貼り付ける。
【0006】
また、第3撫付部材211は、エアシリンダ214に直接連結されて、ホームポジションと結束位置Pとの間を、実線と鎖線、及び矢印zで示すように往復動する。すなわち、粘着テープTの上流側端部の貼り付け後、第2撫付部材210がホームポジションに戻ると、第3撫付部材211は、実線位置から鎖線位置への移動時に、下流側吸着ヘッド204による吸着力に抗して粘着テープTの下流側端部を下側の物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けて、当該物品X,Xに対する結束は終了する。
【0007】
【特許文献1】特開平9−156611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記特許文献1に記載のテープ結束装置では、一対の第2及び第3撫付部材210,211をそれぞれ移動させる必要があることから、おのおのに駆動手段としてのエアシリンダ212,214が備えられており、構成が複雑化すると共にコスト面で問題がある。
【0009】
また、上流側の第2撫付部材210が下流側に移動することにより粘着テープTの上流側端部を物品Xの底面に貼り付けたのち、結束位置Pからホームポジションに戻るのを待って、下流側の第3撫付部材211が上流側に移動することにより粘着テープTの下流側端部を物品Xの底面に貼り付けるため、粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるのに相当時間がかかり、さらなる高速化を図る場合に問題がある。
【0010】
さらに、第2及び第3撫付部材210,211は、吸着ヘッド204,204による吸着力に抗しながら粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるため、該粘着テープTに過大な張力が負荷されて、強度的に弱い粘着テープTを使用する場合に破断等の不具合が生じることがある。その場合、吸着力を調節して前記不具合を解消することが考えられるが、そのためには制御が複雑化するという問題が生じることになる。
【0011】
そして、第2及び第3撫付部材210,211はガイドロッド207,207とスライダ208,209とを介して移動する構成とされており、これら撫付部材210,211の高さ位置は往復動中不変である。そのため、特に鎖線位置から実線位置への移動時に、折角物品Xの底面に貼り付けられた粘着テープTの端部が、該第2及び第3撫付部材210,211との接触によって剥がされることが懸念される。
【0012】
そこで、本発明は、構成が簡素化され、かつ高速化を図ることができるテープ結束装置の提供を課題とする。併せて、貼り付け時のテープ張力の軽減やテープ剥がれの防止も図る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0014】
まず、請求項1に記載の発明は、複数の物品を上下に重ねた状態に保持して搬送する搬送装置と、所定長さのテープの両端部を保持し、所定の結束位置において、該テープを前記物品の搬送方向の上流側と下流側とに跨って巻き掛けるテープ巻掛装置と、該巻掛装置によって物品に巻き掛けられたテープの両端部を物品の底面に貼り付けるテープ貼付装置とを有するテープ結束装置であって、前記テープ貼付装置は、結束位置の物品搬送方向上流側に備えられ、駆動手段で駆動されて下流側へ移動することによりテープの上流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける上流側撫付手段と、結束位置の物品搬送方向下流側に固設され、前記搬送装置による物品の移動によりテープの下流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける下流側撫付手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のテープ結束装置において、前記テープ巻掛装置は、テープの両端部を吸着保持した状態で物品の上流側及び下流側に沿ってそれぞれ下降することにより該テープを物品に巻き掛けるテープ保持手段を有すると共に、これらの保持手段は、下降完了前にテープの保持を解除するように構成されており、かつ、物品の上流側及び下流側の下方に、前記保持手段による保持が解除されて垂下したテープの両端部をそれぞれ挟持する上流側挟持手段及び下流側挟持手段が備えられていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のテープ結束装置において、前記上流側挟持手段は、前記上流側撫付手段に下流側から対接することによりテープの上流側端部を挟持すると共に、該上流側挟持手段の上流側撫付手段への対接動作を、前記駆動手段による上流側撫付手段の下流側への移動に連動して行わせる連動機構が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載のテープ結束装置において、前記上流側撫付手段を昇降させる昇降手段が備えられ、該昇降手段は、上流側撫付手段が下流側へ移動するときには該手段を物品の底面に沿う高所に位置させ、下流側から上流側へ戻るときには該手段を物品の底面より下方の低所に位置させることを特徴とする。
【0018】
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載のテープ結束装置において、前記上流側及び下流側撫付手段は、テープの端部を物品に撫で付けるブラシ部材を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
まず、請求項1に記載の発明によれば、テープ貼付装置の一方を構成する上流側撫付手段を移動させ、他方を構成する下流側撫付手段を移動させないため、移動のための駆動手段は1つで済み、もって構成が簡素化されたテープ結束装置が実現される。
【0020】
さらに、従来のように結束位置にテープ貼付装置の上流側及び下流側撫付手段が入れ替わるように出没するのではなく、上流側撫付手段が結束位置に進出することで、テープの上流側端部が物品の底面に貼り付けられると、搬送装置が物品を下流側に搬送することで、固設された下流側撫付手段によりテープの下流側端部が物品の底面に貼り付けられるので、テープの両端部を物品の底面に貼り付けるのに余り時間がかからず、高速化を図ることができる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明によれば、テープ巻掛装置の構成が具体化される。すなわち、テープ保持手段が設けられ、しかもこの保持手段は、下降完了前つまりテープ貼付装置による物品の底面へのテープ端部の貼り付けに先立ってテープ端部の保持を解除するので、物品の底面へのテープ端部の貼り付け時に、テープに過大な張力が負荷されることはない。したがって、強度的に弱い粘着テープを使用する場合に破断等の不具合が生じることはない。
【0022】
さらに、前記保持手段による保持が解除されて垂下したテープの両端部はそれぞれ上流側及び下流側挟持手段によって挟持されるので、当該端部近傍がもつれることはなく、安定したテープの貼り付けが確保される。なお、前述したテープ端部の貼り付け時には、該端部は上流側及び下流側挟持手段によって挟持されているが、テープに過大な張力を負荷させるものではない。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、上流側挟持手段の動作が具体化される。すなわち、上流側撫付手段に対接する際の上流側挟持手段の動作を、上流側撫付手段の下流側への移動に連動させるので、テープの端部の挟持と該端部の物品の底面への貼り付けとが確実かつ効率的に行なわれるようになる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、上流側撫付手段は昇降手段を介して、上流側から下流側へ移動するときには物品の底面に沿う高所に位置することによりテープの端部を該物品の底面に確実に貼り付けた上で、下流側から上流側へ戻るときには物品の底面より下方の位置を通過するので、物品の底面に貼り付けられたテープの端部にいたずらに接触することはなく、もって貼り付けたテープの端部が剥がされる懸念は解消される。
【0025】
そして、請求項5に記載の発明によれば、上流側及び下流側撫付手段は、ブラシ部材を介してテープの端部を物品の底面に撫で付けるので、テープは物品の形状に沿ってしっかりと貼り付けられると共に、貼り付ける際のテープ、包材、内容物等の損傷が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態に係る箱詰ラインについて説明する。
【0027】
図1に示す箱詰ライン1は、袋詰物品Xを上下に2個重ねて結束した上で、複数個の結束商品X′を段ボール箱Yに箱詰めした箱詰商品Y′を連続生産するもので、主たる構成要素として、物品供給装置2、テープ結束装置3、空箱供給装置4、箱詰装置5、及び排出装置6を有している。
【0028】
物品供給装置2は、上流側工程から矢印aで示すように供給された袋詰物品Xを受け取って矢印b方向に搬送するもので、該物品Xを一旦テープ結束装置3に矢印cで示すように受け渡し可能、かつ、該テープ結束装置3から粘着テープTで結束された結束商品X′を矢印eで示すように受け取り可能に構成されている。その場合、物品供給装置2からテープ結束装置3の上流側に、図示しない移載機構により物品Xは向きが90°変えられ、かつ、物品X,Xは上下に2個重なるように受け渡され、また、テープ結束装置3の下流側から物品供給装置2に、図示しない移載機構により結束商品X′は受け渡される。
【0029】
テープ結束装置3は、前記物品供給装置2の一側方に並設されており、2段重ねで物品X,Xを矢印d方向へ搬送中に、結束位置P1で前記物品X,Xを粘着テープTで結束して結束商品X′とする。
【0030】
空箱供給装置4は、前記テープ結束装置3の下流側に設けられており、空の段ボール箱Yを矢印g方向に搬送すると共に、図示しない移載機構により箱詰装置5の上流端に該段ボール箱Yを矢印hで示すように受け渡す。
【0031】
箱詰装置5は、前記物品供給装置2の他側方に並設されており、図示しない移載機構により物品供給装置2から矢印fで示すように受け渡される複数の結束商品X′…X′を、箱詰位置P2で空の段ボール箱Yに箱詰めする。得られた箱詰商品Y′は、矢印i方向に搬送される。
【0032】
排出装置6は、前記箱詰装置5の下流端に直交して設けられており、箱詰装置5から受け取った箱詰商品Y′を矢印j方向に搬送して排出する。
【0033】
次に、本発明の特徴部分であるテープ結束装置3について詳しく説明する。
【0034】
図2〜図4に示すように、このテープ結束装置3は、搬送装置11を有しており、該搬送装置11の上方には、結束位置P1の上流側のテープ繰出装置12と、結束位置P1の上下流にわたって延びるテープ引出装置13と、結束位置P1の上流側のテープ切断装置14と、結束位置P1のテープ巻掛装置15とが、また、前記搬送装置11の下方には、結束位置P1を中心としたテープ貼付装置16が設けられている。
【0035】
搬送装置11は、2個の物品X,Xを上下に重ねた状態に保持して搬送すると共に粘着テープTで結束された結束商品X′を搬送するもので、架台3aに回転自在に支持された上下流一対の回転軸21,21(図4に下流側のみ示す)を備え、各回転軸21の搬送方向dの左右両側にそれぞれスプロケット22,22が組み付けられている。そして、対応する各上下流一対のスプロケット22,22間に、それぞれ1条のエンドレスチェーン23が巻き掛けられている。なお、下流側の回転軸21は、図示しないモータの動力が該回転軸21の端部に組み付けられたプーリ21aに伝達されて駆動軸とされ、上下流のスプロケット22…22を介して2条のエンドレスチェーン23,23が同期して走行するようになっている。
【0036】
左右一対のエンドレスチェーン23,23間に、2個の物品X,Xを上下に重ねた状態に保持する複数のバケット24…24が連結されている。すなわち、エンドレスチェーン23,23には、物品搬送経路を挟んで互いに対向する左右一対の側面視略コ字状のバケット部材24a,24bが立設されており、該一対のバケット部材24a,24bにより各バケット24が構成されている。そして、左側バケット部材24aには、上流側へ突出する突出部の上部に、右側バケット部材24b方向に延びる小径のローラ24a′が設けられている。
【0037】
結束位置P1の上流側に設けられたテープ繰出装置12は、粘着テープTを繰り出すためのもので、図5に示すように、架台3aに取り付けられた支持プレート3bに支持されており、該支持プレート3bに立設された支軸31と、該支軸31に粘着面を内側にして巻き取られた粘着テープTのロールRを支持するためのリール32とを有している。このリール32は、近傍に備えられたエアシリンダ33の進退するロッドの先端に連結されている。
【0038】
ロールRから繰り出される粘着テープTは、複数のガイドローラ34A〜34Fを経て後述するテープ引出装置13に至る。その場合、ガイドローラ34Bは前記リール32に設けられており、前記エアシリンダ33の作動によりロールRから繰り出される粘着テープTの張力を適正に維持する機能を有している。
【0039】
テープ引出装置13は、結束位置P1を挟んで上流側から下流側に粘着テープTの先端部を引き出すもので、図5及び図6に示すように、支持プレート3b下部の上流側と下流側とに回転自在に設けられたプーリ41,41を有し、両プーリ41,41間にタイミングベルト42が巻き掛けられている。その場合、下流側プーリ41は、モータ43の動力が伝達される駆動プーリとされている。
【0040】
前記タイミングベルト42の上方に該タイミングベルト42の走行方向に延びるガイドレール44Aが並設されており、このガイドレール44Aにスライダ44Bがスライド自在に支持されている。該スライダ44Bにブラケット45が固設されており、該ブラケット45の後面に、前記タイミングベルト42の上側走行面に固定された連結部材46が取り付けられている。すなわち、タイミングベルト42が矢印kで示すように走行すると、前記ブラケット45は、ガイドレール44Aとスライダ44Bとの摺動を介して矢印kで示すように移動することになる。
【0041】
ブラケット45の前面に、電動シリンダ47が取り付けられており、該電動シリンダ47の上下に進退するロッドの先端に下部チャック部材48Aが備えられると共に、前記ブラケット45の下端部に上部チャック部材48Bが備えられている。すなわち、電動シリンダ47が作動して下部チャック部材48Aが上下動することにより、両チャック部材48A,48B間に前記テープ繰出装置12から繰り出された粘着テープTの先端が把持されたり解除されたりする。
【0042】
その場合、図7に示すように、下部チャック部材48Aの上面は円弧状とされると共に、上部チャック部材48Bの下面は概ね下流側(図例では右側)ほど上方に傾斜している。これにより、両チャック部材48A,48Bにより粘着面を下部チャック部材48Aに向けた粘着テープTを把持するとき、把持力と剥がれ易さとがバランスする。すなわち、粘着テープTが余りにしっかりと把持されて下部チャック部材48Aに貼り付くと、把持を解除して粘着テープTを物品X,Xに巻き掛ける際に、無理に剥がすことになって粘着テープTの損傷が懸念されるが、前記構成としたことによりこの懸念が解消される。
【0043】
結束位置P1の上流側に設けられたテープ切断装置14は、前記テープ引出装置13によって引き出された粘着テープTを所定長さに切断するもので、図8に示すように、架台3aにブラケット51を介して支持された電動シリンダ52を有している。該シリンダ52のテープ引出装置13によるテープ引出経路や搬送装置11による物品搬送経路に矢印mで示すように進退するロッド52a,52aの先端に、ブラケット53を介して別なる電動シリンダ54が取り付けられている。そして、該電動シリンダ54の矢印nで示すように進退するロッド54a,54aの先端に、取付部材55を介してカッタ刃56が取り付けられている。
【0044】
これにより、図例の位置で電動シリンダ54が作動して、カッタ刃56がテープ引出経路の上方の実線で示す位置から二点鎖線で示すように下動すると、前記テープ引出装置13によってテープ繰出装置12から結束位置P1の下流側の所定位置まで引き出された粘着テープTは所定長さに切断される。
【0045】
また、例えばテープ繰出装置12において粘着テープTのロールRを交換するときには、図9に示すように、電動シリンダ52を作動させて、ブラケット53を介して電動シリンダ54、取付部材55、及びカッタ刃56を、テープ引出装置13によるテープ引出経路や搬送装置11による物品搬送経路から二点鎖線で示す位置に退避させることができる。これにより、ロール交換時の作業性が向上する。
【0046】
結束位置P1における搬送装置11の上方に設けられたテープ巻掛装置15は、所定長さに切断された粘着テープTを物品X,Xの搬送方向dの上流側と下流側とに跨って巻き掛けるもので、図5及び図6に示すように、支持プレート3bの前面に設けられて上下に延びる上下流一対のガイドレール61A,61Aを有しており、これらのガイドレール61A,61Aにスライダ61Bがスライド自在に支持されている。
【0047】
スライダ61Bの前面に中空の取付部材62を介して取付プレート63が設けられていると共に、該取付プレート63の前面に上下一対のガイド部材64A,64Bが固定されており、これらガイド部材64A,64B間に上下流一対のガイドロッド65,65が挿通されている。上部ガイド部材64Aから上方に突出するガイドロッド65,65の先端にストッパ66が、下部ガイド部材64Bから下方に突出するガイドロッド65,65の先端に押圧板67が、それぞれ固定されている。そして、下部ガイド部材64Bと押圧板67との間の所定位置に、ガイドロッド65,65間にわたって固定部材64Cが固設されており、さらに、該固定部材64Cと上部ガイド部材64Aとの間に、該固定部材64Cひいては押圧板67を下方に付勢するバネ68が介設されている。
【0048】
取付プレート63から上下流一対の取付ポスト69,69が垂下されており、各取付ポスト69の下端部に吸着ヘッド70と撫付部材71とが取り付けられている。上下流一対の吸着ヘッド70,70は、所定長さに切断される粘着テープTを非粘着面側から吸着保持すると共に、所定長さに切断された粘着テープTの上下流両端部を吸着保持した状態で物品X,Xの上流側及び下流側に沿ってそれぞれ下降することにより該テープTを物品X,Xに巻き掛ける。また、これらの吸着ヘッド70,70は、下降完了前に粘着テープTの保持を解除するように吸着動作を制御される。
【0049】
上下流一対の撫付部材71,71は、ブラシ部材で構成されると共に互いに対向する向きで備えられており、前記吸着ヘッド70,70の下降に伴い、所定長さに切断された粘着テープTを物品X,Xの上下流側の各側面に撫で付けながら貼り付ける。
【0050】
支持プレート3bの下流側にモータ72が設置されており、該モータ72の支持プレート3bの後面側に突出する出力軸に組み付けられたプーリ72aと支持プレート3bの後面側に配設された複数のプーリ73A〜73Eとにわたってタイミングベルト74が巻き掛けられている。
【0051】
支持プレート3bの前面側では、最上方のプーリ73Bを支持する支軸73B′から連結部材75が延びており、その先端部に概ね上下に延びるレバー部材76の上端部が連結されている。そして、該レバー部材76の下端部は、前記取付部材62の内方に入り込んで前記スライダ61Bに結合されている。これにより、モータ72が駆動されると、タイミングベルト74、連結部材75を介して、レバー部材76の上端部が図5の一点鎖線で示す軌道を描いて移動し、もってスライダ61Bひいては取付プレート63つまり押圧板67、吸着ヘッド70,70、及び撫付部材71,71が矢印pで示すように昇降する。
【0052】
結束位置P1を中心として搬送装置11の下方に設けられたテープ貼付装置16は、前記テープ巻掛装置15によって物品X,Xに巻き掛けられた粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるもので、図10及び図11に示すように、結束位置P1の搬送装置11による物品搬送方向dの上流側に備えられ、駆動手段で駆動されて下流側へ移動することにより粘着テープTの上流側端部をバケット24に保持された物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けるための上流側撫付ユニット81を有している。
【0053】
上流側撫付ユニット81は架台3aの左側寄りに備えられており、搬送方向dに延びるガイドレール82と、該レール82に矢印q方向にスライド自在に支持された細長い板状の支持部材83と、該支持部材83に固設された取付ポスト84と、該取付ポスト84に取り付けられた撫付部材85及び3個の小径のローラ86…86とを有している。撫付部材85は、バケット24に保持された物品Xの底面に接触可能に上方へ突出するブラシ部材で構成されている。また、前記ガイドレール82を矢印rで示すように昇降させる電動シリンダ87が設置されている。
【0054】
そして、上流側撫付ユニット81の取付ポスト84の下流側に、撫付部材85の直上流のローラ86…86に対接することにより上流側吸着ヘッド70による保持が解除されて垂下した粘着テープTの上流側端部を挟持するための上流側挟持ユニット88が備えられている。
【0055】
上流側挟持ユニット88は、下流側ほど下方に傾斜するカム面を有するカム89と、前記支持部材83に支軸90aを中心に揺動自在に支持された上方に延びるレバー部材90とを備えている。レバー部材90の下部には、前記カム89のカム面に摺接するカムフォロア91が備えられており、略中央部には、前記取付ポスト84方向に揺動したときに該取付ポスト84に対接することにより前記揺動を規制するストッパ92が取り付けられており、そして、上端部には、前記ローラ86…86に対接することにより粘着テープTの上流側端部を挟持する3個の小径のローラ93…93が備えられている。さらに、レバー部材90の中央部近傍と支持部材83の上流側端部との間に、レバー部材90を上流側に付勢するばね94が介設されている。
【0056】
また、テープ貼付装置16は、結束位置P1の物品搬送方向dの下流側に固設され、前記搬送装置11による物品Xの移動により粘着テープTの下流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付けるための下流側撫付ユニット95を有している。
【0057】
下流側撫付ユニット95は架台3aの左側寄りに備えられており、ブラケット96の下流側端部に回転自在に支持された撫付ローラ97を有している。また、前記ブラケット96の上流側端部に、3個の小径のローラ98…98が備えられている。
【0058】
そして、架台3aの右側寄りに下流側撫付ユニット95に対向するように、前記撫付ローラ97とローラ98…98との間に、下流側から前記ローラ98…98に対接することにより下流側吸着ヘッド70による保持が解除されて垂下した粘着テープTの下流側端部を挟持するための下流側挟持ユニット99が備えられている。
【0059】
下流側挟持ユニット99は、前記架台3aに固設されたブラケット100に上端部が支軸101aを中心に揺動自在に支持された上方に延びるレバー部材101を備えている。該レバー部材101の上端部に3個の小径のローラ102…102が備えられており、また、該レバー部材101の略中央部に、エアシリンダ103の矢印sで示すように進退するロッドの先端が連結されている。
【0060】
前記ガイドレール82と支持部材83とを介して撫付部材85を矢印qで示すように移動させるための動力の伝達構造について説明すると、図11に示すように、架台3aの一側方における結束位置P1の下流側に、プーリ104が支軸104aに回転自在に支持されている。該支軸104aの先端部に第1連結部材105Aが取り付けられており、該第1連結部材105Aの先端部に第2連結部材105Bの一方の端部が連結されている。前記支軸104aの下流側に別なる支軸106が備えられており、該支軸106の先端部に第3連結部材105Cが取り付けられている。そして、該第3連結部材105Cの先端部に前記第2連結部材105Bの他方の端部が連結されている。また、架台3aに取り付けられたモータ107の出力軸に組み付けられたプーリ107aと前記プーリ104との間にタイミングベルト108が巻き掛けられている。
【0061】
そして、前記第2連結部材105Bから搬送装置11による物品搬送経路方向に伝達部材109が延設されており、該伝達部材109の先端部に前記支持部材83の下流端部の入力部83a(図10も参照)が結合されている。これにより、第2連結部材105Bが、第1及び第3連結部材105A,105Cを介して矢印tで示すように移動するようにモータ107の動力を受けると、伝達部材109を介して支持部材83がガイドレール82に支持されながら、矢印qで示すようにスライドすることになる。
【0062】
ここで、この箱詰ライン1の作用について説明する。
【0063】
図1に示したように、上流側から供給された袋詰物品Xは、物品供給装置2からテープ結束装置3に受け渡されて上下に2個重なった状態とされて、結束位置P1で粘着テープTが巻き掛けられると共に貼り付けられて図18に示した結束商品X′とされる。そして、所定個数の結束商品X′…X′は、空箱供給装置4から箱詰装置5に供給された空の段ボール箱Yに箱詰位置P2で箱詰めされて箱詰商品Y′とされて、排出装置6により下流側に排出される。
【0064】
その場合、テープ結束装置3では、図5に示したテープ繰出装置12から繰り出された粘着テープTの先端部は、テープ引出装置13の上下チャック部材48A,48Bに把持されて、結束位置P1を挟んで上流側から下流側の所定位置まで引き出される。この所定位置としては、例えば図5に示す上下チャック部材48A,48Bの位置が採用される。
【0065】
次いで、図5に示したテープ巻掛装置15のモータ72が駆動されて取付プレート63つまり吸着ヘッド70,70が下降して、該吸着ヘッド70,70により前記粘着テープTは非粘着面側から吸着保持される。
【0066】
次いで、図8に示した結束位置P1の上流側に設けられたテープ切断装置14のカッタ刃56が実線位置から二点鎖線位置に下降して、前記粘着テープTは所定長さに切断される。
【0067】
次いで、所定長さに切断された粘着テープTを吸着保持した吸着ヘッド70,70はさらに下降する。そして、図12に示すように、ガイドロッド65,65の下端部に取り付けられると共にバネ68によって下方に付勢された押圧板67が粘着テープTの長手方向中央部を搬送装置11のバケット24に保持された2個重ねの物品X,Xの上側物品Xの上面に押し付ける。その場合、吸着ヘッド70,70に吸着保持された粘着テープTの上下流両端部は、当該バケット24に備えられたローラ24a′と隣接して先行するバケット24に備えられたローラ24a′とによりそれぞれ下方から支持される。したがって、前記粘着テープTの上下流両端部は、くしゃくしゃになったりもつれたりすることはない。また、先行するバケット24には、物品X,Xが粘着テープTで結束されてなる結束商品X′が保持されている。なお、前記図12と後述する図13、図15〜図17とでは、図面の複雑化を避けると共に粘着テープTを明記するため、搬送装置11のバケット24や物品X,Xを二点鎖線で示す。
【0068】
そして、図13に示すように、吸着ヘッド70,70は、所定位置まで下降すると粘着テープTの上下流両端部の吸着保持を解除する。前記下降中、粘着テープTは搬送装置11のバケット24に保持された物品X,Xの搬送方向dの上流側と下流側とに跨って巻き掛けられると共に、撫付部材71,71により前記物品X,Xの上下流側の側面に撫で付けながら貼り付ける。その場合、押圧板67はバネ68の下方への付勢力に抗して、粘着テープTを挟んで物品X,Xを適度に押圧している。
【0069】
また、粘着テープTの上流側端部は、テープ貼付装置16の上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93との間に位置し、粘着テープTの下流側端部は、下流側撫付ユニット95のローラ98…98と下流側挟持ユニット99のローラ102…102との間に位置している。
【0070】
ここで、上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とによる粘着テープTの上流側端部の挟持動作について説明する。
【0071】
粘着テープTの上流側端部の吸着保持が解除されると、図14(a)に示すように、上流側撫付ユニット81の撫付部材85による撫付動作に入るべく取付ポスト84が物品搬送方向dに移動し始めると、これに連動してカム89のカム面とカムフォロア91との摺接及びバネ94による上流側への付勢に伴い、上流側挟持ユニット88のレバー部材90は支軸90aを中心に前記取付ポスト84方向に揺動し始める。図例の時点では、上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とは粘着テープTの上流側端部を挟持していないし、また、ストッパ92は取付ポスト84に対接していない。
【0072】
図14(b)に示すように、さらに上流側撫付ユニット81の取付ポスト84が物品搬送方向dに移動すると、カム89のカム面とカムフォロア91との摺接及びバネ94による上流側への付勢に伴い、上流側挟持ユニット88のレバー部材90は支軸90aを中心に前記取付ポスト84方向にさらに揺動する。そして、ついに上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とが対接して粘着テープTの上流側端部を挟持すると共に、ストッパ92が取付ポスト84に対接する。この状態で取付ポスト84が下流側に所定位置まで移動することにより、撫付部材85は粘着テープTの上流側端部を物品Xの底面に撫で付けながら貼り付ける。
【0073】
すなわち、図15に示す状態から、前記モータ107の駆動により上流側撫付ユニット81の支持部材83がガイドレール82に沿って矢印d方向に移動すると、搬送装置11のバケット24に保持された物品Xの底面に沿う高所に位置する撫付部材85は、上流側撫付ユニット81のローラ86…86と上流側挟持ユニット88のローラ93…93とにより挟持された粘着テープTの上流側端部を、前記物品Xの底面に撫で付けるように貼り付ける。なお、下流側では、エアシリンダ103の作動により下流側挟持ユニット99のレバー部材101が支軸101aを中心に下流側撫付ユニット95のローラ98…98方向に揺動して、両側のローラ98…98,102…102により粘着テープTの下流側端部は挟持されている。
【0074】
そして、図16に示すように、上流側撫付ユニット81の撫付部材85により粘着テープTが物品Xの底面に貼り付けられると、電動シリンダ87が作動してガイドレール82ひいては撫付部材85、ローラ86…86,93…93を前記物品Xの底面より下方の低所に位置させて、この状態でこれら部材85,86…86,93…93は上流側に移動する。なお、上流側に移動するとき、上流側挟持ユニット88は、図14に示した動作とは逆の動作を行ない、次回の結束のため、粘着テープTの上流側端部の挟持に待機する。
【0075】
次に、下流側撫付ユニット95の撫付ローラ97による粘着テープTの下流側端部の貼付動作について説明すると、図16に示すように、下流側撫付ユニット95のローラ98…98と下流側挟持ユニット99のローラ102…102とにより粘着テープTの下流側端部が挟持された状態で、図17に示すように、搬送装置11の当該バケット24に保持された物品X,Xが矢印d方向に移動すると、下流側撫付ユニット95の固設された撫付ローラ97により粘着テープTの下流側端部は前記物品Xの底面に撫で付けられながら貼り付けられて、当該物品X,Xに対する結束を終了する。
【0076】
以上のように構成したことにより、まず、テープ貼付装置16の一方を構成する上流側撫付ユニット81の撫付部材85を移動させ、他方を構成する下流側撫付ユニット95の撫付ローラ97を移動させないため、移動のための駆動手段つまりモータ107は1つで済み、もって構成が簡素化されたテープ結束装置3が実現される。
【0077】
さらに、従来のように結束位置P1に上流側及び下流側撫付手段が入れ替わるように出没するのではなく、上流側の撫付部材85が結束位置P1に進出することで、粘着テープTの上流側端部が物品Xの底面に貼り付けられると、搬送装置11が物品X,Xを下流側に搬送することで、固設された下流側の撫付ローラ97により粘着テープTの下流側端部が物品Xの底面に貼り付けられるので、粘着テープTの両端部を物品Xの底面に貼り付けるのに余り時間がかからず、高速化を図ることができる。
【0078】
また、所定長さに切断された粘着テープTを保持する上下流一対の吸着ヘッド70,70が設けられ、しかもこの吸着ヘッド70,70は、下降完了前つまりテープ貼付装置16による物品Xの底面への粘着テープTの両端部の貼り付けに先立って該両端部の保持を解除するので、物品Xの底面への該両端部の貼り付け時に、粘着テープTに過大な張力が負荷されることはない。したがって、強度的に弱い粘着テープTを使用する場合に破断等の不具合が生じることはない。
【0079】
さらに、前記吸着ヘッド70,70による保持が解除されて垂下した粘着テープTの両端部はそれぞれ上流側及び下流側挟持ユニット88,99のローラ93…93,102…102を用いて挟持されるので、当該端部近傍がもつれることはなく、安定した粘着テープTの貼り付けが確保される。なお、前述した粘着テープTの両端部の貼り付け時には、該端部はローラ93…93,102…102を用いて挟持されているため、粘着テープTに過大な張力は負荷されない。
【0080】
また、上流側撫付ユニット81のローラ86…86に対接する際の上流側挟持ユニット88のローラ93…93の動作を、上流側撫付ユニット81の撫付部材85やローラ86…86の下流側への移動に連動させるので、粘着テープTの上流側端部の挟持と該端部の物品Xの底面への貼り付けとが確実かつ効率的に行なわれるようになる。
【0081】
また、上流側撫付ユニット81の撫付部材85は電動シリンダ87を介して、上流側から下流側へ移動するときには物品Xの底面に沿う高所に位置することにより粘着テープTの上流側端部を該物品Xの底面に確実に貼り付けた上で、下流側から上流側へ戻るときには物品Xの底面より下方の位置を通過するので、物品Xの底面に貼り付けられた粘着テープTの上流側端部にいたずらに接触することはなく、もって貼り付けた粘着テープTの上流側端部が剥がされる懸念は解消される。
【0082】
そして、上流側撫付ユニット81の撫付部材85はブラシ部材を介して粘着テープTの上流側端部を物品Xの底面に撫で付けるので、粘着テープTは物品Xの形状に沿ってしっかりと貼り付けられると共に、貼り付ける際の粘着テープT、包材、内容物等の損傷が軽減される。
【0083】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。例えば、下流側撫付ユニット95において、撫付ローラ97に代えてブラシ部材でなる撫付部材を使用してもよい。これにより、粘着テープTの下流側端部は物品Xの形状に沿ってしっかりと貼り付けられると共に、貼り付ける際の粘着テープT、包材、内容物等の損傷が軽減される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明によれば、構成が簡素化され、かつ高速化を図ることができるテープ結束装置が提供される。すなわち、本発明は、上下に複数個重ねられた物品をテープで結束するテープ結束装置に関し、物品包装の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態に係る箱詰ラインの概略平面図である。
【図2】テープ結束装置の搬送装置を示す側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図3のII−II線による矢視図である。
【図5】テープ繰出装置、テープ引出装置、及びテープ巻掛装置を示す側面図である。
【図6】図5のIII−III線による要部矢視図である。
【図7】図6のIV−IV線による要部拡大断面図である。
【図8】テープ切断装置を示す正面図である。
【図9】カッタ刃のテープ引出経路や物品搬送経路からの退避動作を説明するための正面図である。
【図10】テープ貼付装置を示す側面図である。
【図11】同じく平面図である。
【図12】テープ巻掛装置の初期の動作を説明するための側面図である。
【図13】テープ巻掛装置の終盤の動作を説明するための側面図である。
【図14】上流側撫付ユニットと上流側挟持ユニットとによる粘着テープの上流側端部の挟持動作を説明するための要部側面図であって、(a)は挟持途中の状態、(b)挟持完了の状態を示す。
【図15】上流側撫付ユニットによる貼付動作を説明するための側面図である。
【図16】貼付後の上流側撫付ユニットの動作を説明するための側面図である。
【図17】下流側撫付ユニットによる貼付動作を説明するための側面図である。
【図18】本発明が対象とする結束商品の斜視図である。
【図19】従来のテープ結束装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0086】
3 テープ結束装置
11 搬送装置
15 テープ巻掛装置
16 テープ貼付装置
70 吸着ヘッド(テープ保持手段)
85 撫付部材(上流側撫付手段)
87 電動シリンダ(昇降手段)
89 カム(連動機構)
91 カムフォロア(連動機構)
93 ローラ(上流側挟持手段)
97 撫付ローラ(下流側撫付手段)
102 ローラ(下流側挟持手段)
107 モータ(駆動手段)
P1 結束位置
T 粘着テープ(テープ)
X 物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を上下に重ねた状態に保持して搬送する搬送装置と、所定長さのテープの両端部を保持し、所定の結束位置において、該テープを前記物品の搬送方向の上流側と下流側とに跨って巻き掛けるテープ巻掛装置と、該巻掛装置によって物品に巻き掛けられたテープの両端部を物品の底面に貼り付けるテープ貼付装置とを有するテープ結束装置であって、
前記テープ貼付装置は、結束位置の物品搬送方向上流側に備えられ、駆動手段で駆動されて下流側へ移動することによりテープの上流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける上流側撫付手段と、
結束位置の物品搬送方向下流側に固設され、前記搬送装置による物品の移動によりテープの下流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける下流側撫付手段とを有することを特徴とするテープ結束装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のテープ結束装置において、
前記テープ巻掛装置は、テープの両端部を吸着保持した状態で物品の上流側及び下流側に沿ってそれぞれ下降することにより該テープを物品に巻き掛けるテープ保持手段を有すると共に、
これらの保持手段は、下降完了前にテープの保持を解除するように構成されており、かつ、
物品の上流側及び下流側の下方に、前記保持手段による保持が解除されて垂下したテープの両端部をそれぞれ挟持する上流側挟持手段及び下流側挟持手段が備えられていることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載のテープ結束装置において、
前記上流側挟持手段は、前記上流側撫付手段に下流側から対接することによりテープの上流側端部を挟持すると共に、
該上流側挟持手段の上流側撫付手段への対接動作を、前記駆動手段による上流側撫付手段の下流側への移動に連動して行わせる連動機構が設けられていることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3のいずれかに記載のテープ結束装置において、
前記上流側撫付手段を昇降させる昇降手段が備えられ、
該昇降手段は、上流側撫付手段が下流側へ移動するときには該手段を物品の底面に沿う高所に位置させ、下流側から上流側へ戻るときには該手段を物品の底面より下方の低所に位置させることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれかに記載のテープ結束装置において、
前記上流側及び下流側撫付手段は、テープの端部を物品に撫で付けるブラシ部材を備えていることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項1】
複数の物品を上下に重ねた状態に保持して搬送する搬送装置と、所定長さのテープの両端部を保持し、所定の結束位置において、該テープを前記物品の搬送方向の上流側と下流側とに跨って巻き掛けるテープ巻掛装置と、該巻掛装置によって物品に巻き掛けられたテープの両端部を物品の底面に貼り付けるテープ貼付装置とを有するテープ結束装置であって、
前記テープ貼付装置は、結束位置の物品搬送方向上流側に備えられ、駆動手段で駆動されて下流側へ移動することによりテープの上流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける上流側撫付手段と、
結束位置の物品搬送方向下流側に固設され、前記搬送装置による物品の移動によりテープの下流側端部を物品の底面に撫で付けながら貼り付ける下流側撫付手段とを有することを特徴とするテープ結束装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のテープ結束装置において、
前記テープ巻掛装置は、テープの両端部を吸着保持した状態で物品の上流側及び下流側に沿ってそれぞれ下降することにより該テープを物品に巻き掛けるテープ保持手段を有すると共に、
これらの保持手段は、下降完了前にテープの保持を解除するように構成されており、かつ、
物品の上流側及び下流側の下方に、前記保持手段による保持が解除されて垂下したテープの両端部をそれぞれ挟持する上流側挟持手段及び下流側挟持手段が備えられていることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載のテープ結束装置において、
前記上流側挟持手段は、前記上流側撫付手段に下流側から対接することによりテープの上流側端部を挟持すると共に、
該上流側挟持手段の上流側撫付手段への対接動作を、前記駆動手段による上流側撫付手段の下流側への移動に連動して行わせる連動機構が設けられていることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3のいずれかに記載のテープ結束装置において、
前記上流側撫付手段を昇降させる昇降手段が備えられ、
該昇降手段は、上流側撫付手段が下流側へ移動するときには該手段を物品の底面に沿う高所に位置させ、下流側から上流側へ戻るときには該手段を物品の底面より下方の低所に位置させることを特徴とするテープ結束装置。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれかに記載のテープ結束装置において、
前記上流側及び下流側撫付手段は、テープの端部を物品に撫で付けるブラシ部材を備えていることを特徴とするテープ結束装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−1608(P2007−1608A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182880(P2005−182880)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【出願人】(000141886)株式会社京都製作所 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【出願人】(000141886)株式会社京都製作所 (83)
【Fターム(参考)】
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