説明

ディスク収納体

【課題】材料コストや製造コストのかからないディスク収納体を提供すること。
【解決手段】1つの折り目により連接された2つの紙片からなり、前記紙片をディスクの略全面を覆う大きさに設け、前記折り目にディスク周縁を嵌入係止可能な溝を設け、前記紙片の一方にディスク周縁を嵌入係止可能な切込み溝を設けてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンパクトディスク、CD−ROM、DVD−ROM等のディスク状情報記録媒体を綴じ合わせた紙片に収納したディスク収納体に関し、特にはダイレクトメールなどの郵送用、持ち帰り自由とした店頭展示用、展示会や街頭での配布用などの用途に用いるディスク収納体に関する。
【0002】
【従来の技術】これらの用途に用いられているディスク収納体としては、記録面を該表面にさらさないようにするために、収納ケースに収納したものをそのままの状態、若しくは緩衝シートに包被したものが用いられてきたが、さらなる簡素化が望まれたこととディスクの非記録面の印刷が眼に見えない状態となることなどがあり、硬質製紙よりなる3つ折り以上の矩形の紙片からなり、この紙片の細い一片がディスクの直径よりわずかに長い紙片を連接して折り込み、切れ込みなどにディスクを差し込んで挟み込んだものが、実公平5−18306号公報などにより知られている。
【0003】また、このようなディスク収納体を郵送用とした際に、定形郵便サイズと同一幅の12cmとするために、挟み込んだディスクと紙片の連接部との接点部分に切れ込みを設けたものとして、登録実案第3026154号などがある。
【0004】しかしながら、これらのようなディスク収納体であっても、いずれも3つ以上の紙片を連接するか、または袋状としたものであり、材料コストや製造コストのかかるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、材料コストや製造コストのかからないディスク収納体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決するため、すなわち請求項1記載の発明は、1つの折り目により連接された2つの紙片からなり、前記紙片をディスクの略全面を覆う大きさに設け、前記折り目にディスク周縁を嵌入係止可能な溝を設け、前記紙片の一方にディスク周縁を嵌入係止可能な切込み溝を設けてなることを特徴とするディスク収納体である。
【0007】本発明はこの手段により、紙片を2つでディスクの収納を可能としたので材料コストや製造コストを下げることが可能となる。また、溝と切り込み溝で2つの紙片を綴じ合わせたときにディスクを保持することが可能となる。
【0008】また請求項2記載の発明は、前記切込み溝はディスクの小口側周縁部の2箇所に設けてなることを特徴とする請求項1記載のディスク収納体である。
【0009】本発明はこの手段により、ディスクの周縁を3箇所で保持することとなるので、ディスクの保持がしっかりと安定したものとすることが可能となる。さらに切り込み溝を複数箇所に設けても良いが、2箇所であることで最低数でディスクを安定して保持することが可能となる。
【0010】また請求項3記載の発明は、前記2箇所の切込み溝は天側と地側の2箇所に設けてなることを特徴とする請求項2記載のディスク収納体である。
【0011】本発明はこの手段により、ディスクの天地方向から挟まれることで、上下方向が安定し、ディスクの保持がしっかりと安定したものとすることが可能となる。
【0012】また請求項4記載の発明は、前記天側と地側の2箇所の切込み溝は、折り目からの距離が同じであることを特徴とする請求項2記載のディスク収納体である。
【0013】本発明はこの手段により、切込み溝が折り目から同じ距離であるため、左右方向の保持が安定し、ディスクの保持をしっかり安定したものとすることが可能となる。
【0014】また請求項5記載の発明は、前記天側と地側の2箇所の切込み溝はディスク周縁を折り目の溝とにより略3等分割する位置に設けてなることを特徴とする請求項3または4のいずれか記載のディスク収納体である。
【0015】本発明はこの手段により、ディスクの周縁を等間隔の3点を支持することでディスクの平面上での位置が安定し、ディスクの保持をしっかり安定したものとすることが可能となる。
【0016】また請求項6記載の発明は、前記溝はディスク中心部に向かって舌状を形成したなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のディスク収納体である。
【0017】本発明はこの手段により、ディスク保持がディスク中心より周辺方向に動く力を抑えることが出来、ディスクの保持をしっかり安定したものとすることが可能となる。
【0018】また請求項7記載の発明は、前記溝は折り目に向かった舌状を形成してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のディスク収納体である。
【0019】本発明はこの手段により、折り畳んで収納した際に、ディスクが背側から小口側へ動く力を抑えることが出来、ディスクの保持をしっかり安定したもとすることが可能となる。また、ディスクを収納する際、収納体を開いて背側から小口側へ差し込む際に、舌状の部位が紙片を反らせることで舌状の部分が持ち上がり、ディスクの差し込みが容易に可能となる。
【0020】また、請求項8記載の発明は、前記溝は、細長い舌状を形成してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のディスク収納体である。
【0021】本発明はこの手段により、はめ込み部分が長く形成されるので、安定して差込が外れない。
【0022】また、請求項9記載の発明は、前記溝は、短く広い舌状を形成してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のディスク収納体である。
【0023】本発明はこの手段により、ディスクの周縁部分にそって差込部分を広く設けるので、記録部の裏面への露出を極力抑えられる。
【0024】また、請求項10記載の発明は、前記細く長い舌状の溝は、幅が2cm以下、長さが3cm以上であることを特徴とする請求項8記載のディスク収納体である。
【0025】本発明はこの手段により、はめ込み部分が長く形成されるので、安定して差込が外れない。
【0026】また、請求項11記載の発明は、前記短く広い舌状の溝は、幅が2cm以上、長さが1cm以下であることを特徴とする請求項9記載のディスク収納体である。
【0027】本発明はこの手段により、ディスクの周縁部分にそって差込部分を広く設けるので、記録部の裏面への露出を極力抑えられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明のディスク収納体の一実施例のディスク収納状態を示す展開図を示す。紙片1、切込み溝を設けた紙片2、切込み溝3、折り目4、溝5からなる。紙片である。(a)にディスク中心部に向かって舌状を形成した、細長い舌状の溝を形成してなる一例を示す。(b)に短く広い舌状の溝を形成してなる一例を示す。(c)に折り目に向かって舌状を形成した、細長い舌状の溝を形成してなる一例を示す。
【0029】本発明における紙片1,切込み溝を設けた紙片2としては、硬質製紙が好適に用いられるが、特にこれに限定するものではなく、硬質製樹脂薄片も適用可能である。紙片の大きさはディスクの略全面を覆う大きさに設けたものであって、展示、製造上の都合から矩形に設けられることが好ましいが、とくにこれに限定されるものではなく、正方形であっても良い。また、矩形の狭い辺の幅としては、折り目の溝よりはみ出すディスクの周縁部を含んで略12cmとすると、定形郵便サイズと同一幅となり、好ましい。
【0030】本発明における、切込み溝3としては、紙片の一方にディスク周縁を嵌入係止可能なものであれば良い。好ましくはディスクの小口側周縁部の2箇所に設けてなるものであればよい。さらにこのましくは天側と地側の2箇所に設けてなるものや折り目からの距離が同じものであればよい。最も好ましくは、ディスク周縁を折り目の溝とにより略3等分割する位置に設けてなるものであれば良い。また溝の形状としては、ディスク中心部に向かって舌状を形成したものか、または折り目に向かって舌状を形成したものが好ましいが特にこれに限定されるものではなく、適用可能である。溝の切り込みの両端部は、ディスクが挿入された状態での略周縁の部分に一致するように設けられる。また、溝の形状として、細長いものであれば、ディスクの挿入をより安定したものとすることが可能である。この場合の長さとしては、直径12cmのディスクであれば半径の倍以上である3cm以上であることが好ましく、さらに好ましくは4cm以上である。細さとしては2cm以下であれば、裏面への露出面積を抑えられるので好ましく、さらに好ましくは1.5cm以下である。また、舌状の溝が折り目に向かった舌状である場合は、3分割した各位置から3cm以上であると、紙片の中心を越えることとなる。ディスク挿入時において、紙片の中心を越えていると、ディスク挿入時に紙片を弓なりに反らせて挿入するが、この際、舌状の溝は紙片の中心を越えて設けてあると、舌状の先端が紙片より盛り上がるため、挿入作業が容易になるという効果がある。4cm以上であると挿入作業はさらに容易なものとなる。短く広いものであれば、紙片裏面へのディスク記録面の露出を周縁部のみに限定することが可能である。この場合の長さとしては直径12cmのディスク周縁の非記録部の幅を考えると1cm以下が好ましく、さらに好ましくは0.5cm以下である。細さとしては、長さとの兼ね合いもあるが、2cm以上あればディスクを安定係止可能となり、より好ましくは3cm以上である。
【0031】本発明における折り目4に設けた溝5としては、紙片中央の中心一に設けられ、また溝は紙片1側のみの空いたものであっても良い。ディスクが差し込まれた際にディスク周縁部が溝の上下の切れ目で抑えられ、紙片を折り畳んだ際に、ディスクが抑えられるようにある程度の余裕を持った幅とすることが好ましい。
【0032】その他、本発明のディスク収納体は図2のような中綴じの冊子の表紙として綴じ合わせても良いし、図3のような糸綴じの冊子の表紙として綴じ合わせても良いし、図4のような無線綴じの冊子の表紙として綴じ合わせても良い。さらに、表紙ではなく図5のように中心頁であっても良いし、図6のように表紙の見返しに設けたものであっても良い。
【0033】
【発明の効果】以上に示したように、本発明における請求項1記載の発明により、紙片を2つでディスクの収納を可能としたので材料コストや製造コストを下げることが可能となる。また、溝と切り込み溝で2つの紙片を綴じ合わせたときにディスクを保持することが可能となるという作用効果を奏する。
【0034】また、請求項2記載の発明により、ディスクの周縁を3箇所で保持することとなるので、ディスクの保持がしっかりと安定したものとすることが可能となる。さらに切り込み溝を複数箇所に設けても良いが、2箇所であることで最低数でディスクを安定して保持することが可能となるという作用効果を奏する。
【0035】また、請求項3記載の発明により、ディスクの天地方向から挟まれることで、上下方向が安定し、ディスクの保持がしっかりと安定したものとすることが可能となるという作用効果を奏する。
【0036】また、請求項4記載の発明により、切込み溝が折り目から同じ距離であるため、左右方向の保持が安定し、ディスクの保持をしっかり安定したものとすることが可能となるという作用効果を奏する。
【0037】また、請求項5記載の発明により、ディスクの周縁を等間隔の3点を支持することでディスクの平面上での位置が安定し、ディスクの保持をしっかり安定したものとすることが可能となるという作用効果を奏する。
【0038】また、請求項6記載の発明により、ディスク保持がディスク中心より周辺方向に動く力を抑えることが出来、ディスクの保持をしっかり安定したものとすることが可能となるという作用効果を奏する。
【0039】また、請求項7記載の発明により、折り畳んで収納した際に、ディスクが背側から小口側へ動く力を抑えることが出来、ディスクの保持をしっかり安定したもとすることが可能となる。また、ディスクを収納する際、収納体を開いて背側から小口側へ差し込む際に、舌状の部位が紙片を反らせることで舌状の部分が持ち上がり、ディスクの差し込みが容易に可能となるという作用効果を奏する。
【0040】また、請求項8記載の発明により、はめ込み部分が長く形成されるので、安定いして挿し込みが外れないという作用効果を奏する。
【0041】また、請求項9記載の発明により、ディスクの周縁部分にそって差込部分を広く設けるので、記録部の裏面への露出を極力抑えられるという作用効果を奏する。
【0042】また、請求項10記載の発明により、はめ込み部分が長く形成されるので、安定いして挿し込みが外れないという作用効果を奏する。
【0043】また、請求項11記載の発明により、ディスクの周縁部分にそって差込部分を広く設けるので、記録部の裏面への露出を極力抑えられるという作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるディスク収納体の一実施例のディスク収納状態を示す説明図である。(a)はディスク中心部に向かって舌状を形成した、細長い舌状の溝を形成してなる一例である。(b)は短く広い舌状の溝を形成してなる一例である。(c)は折り目に向かって舌状を形成した、細長い舌状の溝を形成してなる一例である。
【図2】本発明におけるディスク収納体の他の実施例の中綴じの冊子の表紙として綴じ合わせた一例を示した説明図である。
【図3】本発明におけるディスク収納体の他の実施例の糸綴じの冊子の表紙として綴じ合わせた一例を示した説明図である。
【図4】本発明におけるディスク収納体の他の実施例の無線綴じの冊子の表紙として綴じ合わせた一例を示した説明図である。
【図5】本発明におけるディスク収納体の他の実施例の中心頁に綴じ合わせた一例を示した説明図である。
【図6】本発明におけるディスク収納体の他の実施例の表紙の見返しに設けた一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1…紙片
2…切込み溝を設けた紙片
3…切込み溝
4…折り目
5…溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】1つの折り目により連接された2つの紙片からなり、前記紙片をディスクの略全面を覆う大きさに設け、前記折り目にディスク周縁を嵌入係止可能な溝を設け、前記紙片の一方にディスク周縁を嵌入係止可能な切込み溝を設けてなることを特徴とするディスク収納体。
【請求項2】前記切込み溝はディスクの小口側周縁部の2箇所に設けてなることを特徴とする請求項1記載のディスク収納体。
【請求項3】前記2箇所の切込み溝は天側と地側の2箇所に設けてなることを特徴とする請求項2記載のディスク収納体。
【請求項4】前記天側と地側の2箇所の切込み溝は、折り目からの距離が同じであることを特徴とする請求項2記載のディスク収納体。
【請求項5】前記天側と地側の2箇所の切込み溝はディスク周縁を折り目の溝とにより略3等分割する位置に設けてなることを特徴とする請求項3または4のいずれか記載のディスク収納体。
【請求項6】前記溝はディスク中心部に向かって舌状を形成したなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のディスク収納体。
【請求項7】前記溝は折り目に向かった舌状を形成してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のディスク収納体。
【請求項8】前記溝は、細長い舌状を形成してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のディスク収納体。
【請求項9】前記溝は、短く広い舌状を形成してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のディスク収納体。
【請求項10】前記細く長い舌状の溝は、幅が2cm以下、長さが3cm以上であることを特徴とする請求項8記載のディスク収納体。
【請求項11】前記短く広い舌状の溝は、幅が2cm以上、長さが1cm以下であることを特徴とする請求項9記載のディスク収納体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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