説明

ディスク格納容器

本発明は、中心に強磁性ハブ(H)を有する少なくとも1つの読込み可能及び/又は書込み可能なデータディスク(D)に対する格納容器に係る。該容器は、ディスクを収容する面(2)を有する少なくとも1つのパネル(1)を有する。該面は、面に近接して前出のディスクを保持するようディスクハブの位置合わせができる位置において磁性材料(4)を有する。面(2)は、磁性材料(4)の周囲に位置付けられたセンタリング部材(3)を案内することを有し、該面に近接する格納位置にある際に少なくとも部分的にディスク(D)を囲むようにする。本発明は、ディスクを損傷するリスクの低いディスクの便利な格納及び取外しを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心に強磁性ハブを有する読込み可能及び/又は書込み可能な少なくとも1つのデータディスクに対するディスク格納容器に係る。
【背景技術】
【0002】
中心に強磁性ハブを有するディスクは、例えば、ブルーレーザベースの光ディスクである。これらのディスクは、一般的には、ディスクを損傷から保護するようカートリッジにおいて収容される。しかしながら、かかるディスクに対する保護コーティングにおける近年の進歩により、引っかき傷及び指紋に対する非常に優れた抵抗性が得られ得るようになっている。従って、カートリッジは廃れるようになり裸のディスクが使用される、ことは予想される。
【0003】
他には、カートリッジ無しで使用され得る約50mmの直径を有するディスクを作るディスクの標準化における進歩がある。かかるディスクは、カートリッジ無しで使用されるよう十分に強い。
【0004】
かかる裸のディスクをディスク格納容器において格納することの1つの可能な選択肢は、ディスクを収容し少なくとも部分的にはそれを覆うよう、複数のオープンスリーブを有する容器を有する、ことである。かかるディスク格納容器の一例は、特開2003−237869A号広報(特許文献1)において開示される。しかしながら、ディスクをスリーブへと挿入し且つ再度それを取り出すことは、非常に便利ではない。
【特許文献1】特開2003−237869A号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ディスク格納容器を与え、格納位置からのディスクの容易なアクセス及び取外しを可能にする、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明は、その中心に強磁性ハブを有する読込み可能及び/又は書込み可能な少なくとも1つのデータディスクに対する格納容器を与える。当該容器は、ディスクを収容する少なくとも1つの面を有し、該面は、該面に近接してディスクを保持するようディスクのハブの位置合わせを可能にする位置において磁性部材を有する。
【0007】
面の磁力により、必要なことは、ディスクを格納するよう面上にディスクを置くこと、並びに、容器において格納位置から再度ディスクを取り出すようディスクをつかむこと、のみである。これは、ユーザにとっては非常に使用し易い。ディスクが面に対してひきつけられる磁力は、設計によって制御され得、また、信頼性高くディスクを保持するよう十分に大きく、また、ディスク上に力を及ぼすことなくディスクを取り外すことができるよう十分に小さく作られ得る。ディスク上に及ぼされる力は、コーティング上に大きすぎる負荷を与えるディスクの変形、及び媒体の劣化を引き起こし得る。
【0008】
請求項2記載の案内手段により、面上の磁性材料と一直線上にディスクの強磁性ハブを動かすことは非常に容易である。案内手段が請求項3に従ったセンタリング部材を有する場合は、ディスクの同一の場所が常に得られることが容易にされる。
【0009】
請求項4及び5によれば、センタリング部材は、ディスクの周辺に対するアクセスを得るよう遮断され得る面上の周辺壁によって形成される。これによって、ディスクをその端部をつかむことによって取り外すことが可能となる。
【0010】
請求項6記載の実施例は、面の上方に少なくとも部分的に突出する磁石上の格納位置にディスクがある際、ディスクは面と接触しない、という利点を有する。このことは、ディスクに対する損傷のリスクを低減する。
【0011】
非常に小型の構造は、請求項7の実施例において、特に略平らなパネルが両面上にディスク格納面を有する場合に得られる。
【0012】
格納容器の考えられ得る一実施例は、請求項9に記載される。この格納容器によって、ユーザは複数のディスクを持ち運ぶことができ、携帯電話、ディスクプレーヤ、PDA、又は同様のもの等のディスクドライブを有する装置をユーザが持ち運ぶ携帯用途に対してディスクが使用される際に、特に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、図面を参照してより詳細に説明される。
【0014】
図1は、格納容器、及び、特には光ディスクである音響、映像、又はデータディスクであり得るディスクDを示す。ディスクは、いかなる寸法も有し得るが、本発明は、制限的ではないが特に、例えば50mmより小さい直径を有するディスクに対して適している。光ディスクDは、強磁性材料を有して作られた中心ハブHを有する。ディスクDが使用されるディスクドライブは、ディスクをディスクドライブに固定するよう磁性スピンドルを有する。ハブHの周囲には、データ用の空間がある。データは、ディスクDの一面又は両面上から読み取られ得るか、又はそこに書き込まれ得る。
【0015】
この実施例においては、格納容器は、ディスクDを保持するよう少なくとも1つの面2を有する複数のパネル1を有する。この面2は、パネル1の一面上に与えられ得るが、パネル1が両面上に面2を有することも大いに考えられる。面2は、ディスクDの正しい位置を容易にするようディスクに対する案内手段及び/又はセンタリング手段としての役割を果たす周辺壁3を作るよう、パネル1において埋め込まれ得る。面2の中心において、面2に対して取り付けられた磁石の形状における磁性材料4、あるいは、パネル1上に与えられた又はパネル1に一体化された磁性材料(磁性高分子複合材料等)が与えられる。磁性材料4は、ディスクDのハブHと略同等の大きさの範囲において与えられ得るが、何らかの理由で該磁性材料は、ディスクハブHがそれと共に位置合わせされ得る限り、より小さな又はより大きな範囲において存在し得る。
【0016】
磁性材料4は、面2と同一平面である上方面を有し得るが、下方レベルにおいても位置付けられ得るか又は面2から突出し得る。下方レベルの実施例では、ハブHと磁性材料4との間に直接接触はなく、ハブH上の引力を減少させる。これは、ディスクDを取り外す非常に低い力に繋がる。後者の実施例では、磁性材料4は、面2から突出し得、従って面2から自由となるディスクDに対する支持を作り出す。全ての場合において、ディスクDは、その格納位置において面2に対して近接する。
【0017】
周辺壁3は、ディスクDを取り外すよう指で掴み得るグリップ範囲を作るよう、遮断され得る。周辺壁3における遮断は、小さく且つディスクDを掴むよう十分であり得るが、非常に小さい壁部分が存在するよう大きくてもよい。これらの壁部分は、非常に小さく、磁性材料4の周囲に与えられるパネル1の面2上のピン又はカムであり得る。格納される位置において、ディスクDは、センタリング手段/案内手段に対して又はそれらの上に置かれ得るか、あるいは、小さな遊びによってそこから離れ得る。
【0018】
図示された実施例において、パネル1は、互いに対してピボット式に接続され、パネル1は、パネルを介して出ることができるよう共通軸の周囲で回転され得る。当然のことながら他の配置は考えられ得る。例えば、パネル1は、ジグザグ構造において接続され得る。これらの実施例において、一方のパネル1は、他方のパネルのカバーを形成する。外側のパネルは、容器の閉じられた位置において見られる通り、ディスクDを保持しない外側の面を有し、全ての格納されたディスクは、容器内にあり、従って容器によって保護される。
【0019】
図2乃至図4は、本発明に従った容器の複数の他の実施例を示す。図2中、パネル1は、4つの面2を有し、各面がディスクDを保持するよう意図される。図3中、面2は、ディスクDを面2に対して案内するよう案内手段及びセンタリング手段としての役割を果たす面の周囲のピン、カム、又は他の突起5の間で定義付けられ、ハブHが磁性材料4と位置合わせされ得るようにし得る。磁性材料4は、この場合は、矩形を有する。図4は、回転装置型容器を図示する。円形パネル1は、パネルの中心軸の周囲に与えられた複数の面2を有する。パネル1は、ディスクDが面2のうちの1つの上に置かれ得るかあるいはそこから取り出され得るよう、1つ又はそれ以上の開口を有する筐体(図示せず)において回転可能に収容され得る。
【0020】
上述された説明より、本発明は使用が非常に容易であり且つディスクに対して最大限の保護を与えるディスク格納容器を与える、ことが明確である。
【0021】
本発明は、図示された上述の実施例に制限されず、本発明の範囲から逸脱することなく複数の手法において変化され得る。図示される通り、例えば、格納容器のパネルが複数のディスクを保持するために複数の面を有するよう十分に大きいことは、可能である。その場合、与えられた磁性材料を有し、ディスクはパネル上の異なる位置において保持される。センタリング手段は、パネル上の夫々の位置に対してディスクを案内し得る。
【0022】
明細書及び請求項中、単数形の使用は複数の存在を除外するものではなく、「有する」という表現は追加的な要素又は段階を除外するものではない。請求項中の参照符号は、その範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0023】
現在望ましい実施例では、ディスクは、光データディスクである。しかしながら、本発明が他の全ての種類のディスクに対しても使用され得る、ことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に従ったディスク格納容器の一実施例を概略的な斜視図で示す。
【図2】他の実施例を概略的に示す。
【図3】他の実施例を概略的に示す。
【図4】他の実施例を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に強磁性ハブを有する少なくとも1つの読込み可能及び/又は書込み可能なデータディスクに対する格納容器であって、
前記容器は、前記ディスクを収容する少なくとも1つの面を有し、前記面は、前記ディスクを前記面に近接して保持するよう前記ディスクの前記ハブの位置合わせが可能である位置において磁性材料を有する、
格納容器。
【請求項2】
前記面は、前記磁性材料と一直線上にある位置に向かって前記ディスクを案内するよう突出する案内手段を有する、
請求項1記載の格納容器。
【請求項3】
前記案内手段は、前記面に近接する格納された位置にある際に少なくとも部分的に前記ディスクを取り囲むよう前記磁性材料の周囲に位置付けられたセンタリング部材を有する、
請求項2記載の格納容器。
【請求項4】
前記センタリング部材は、前記面上の周辺壁によって形成される、
請求項3記載の格納容器。
【請求項5】
前記周辺壁は、遮断される、
請求項4記載の格納容器。
【請求項6】
前記磁性材料は、前記面の上方に少なくとも部分的に突出する、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の格納容器。
【請求項7】
前記面は、略平らなパネル上に形成される、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の格納容器。
【請求項8】
複数の面を有し、前記面の各々が少なくとも1つのディスクを格納する、
請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の格納容器。
【請求項9】
可動式に結合される複数のパネルを有する、
請求項6及び8記載の格納容器。
【請求項10】
前記パネルは、実質的に共通軸の周囲にピボット式に結合される、
請求項9記載の格納容器。
【請求項11】
前記磁性材料は、磁石を有する、
請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の格納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−532429(P2007−532429A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507902(P2007−507902)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051172
【国際公開番号】WO2005/101416
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】