説明

ディスク状被収納物のパッケージ

【課題】意匠性、装飾性に優れ、かつ長い期間使用しても、面部での反りが生じないディスク状被収納物のパッケージを提供する。
【解決手段】折曲部30、32を介して複数の面部20、21、23が繋がったシートであって、折曲部30、32で折り曲げることにより、面部20、21、22及び折曲部30.31、32で囲まれた収納空間を有する構造体を組立可能な第1のシート2と、折り曲げられた第1のシート2の端部どうしの接合部を含む構造体の外表面の少なくとも一部を覆うように貼着される第2のシート4と、を備え、第1のシート2及び第2のシート4が同材質の紙材からなるディスク状被収納物のパッケージを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル ヴァーサタイル ディスク)、BD(ブルーレイディスク)、レコード盤を始めとするディスク状被収納物を収納するパッケージに関し、特に、紙製のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から音楽を記録する媒体としてレコード盤が普及し、近年においては、音楽、画像等を記録する媒体として、CDやDVDが普及しており、更に記憶容量の大きいBDも普及し始めている。このようなディスク状の記録媒体は、紙、樹脂等から作られたパッケージに収納されて販売される場合が多い。
このようなディスク状被収納物のパッケージの中でも、材料費が安く、印刷や加工も容易で軽量なため、紙製のパッケージが広く用いられている。
【0003】
紙製のパッケージでは、多くの場合、ディスク状被収納物を収納するのに十分な強度を有する厚みの内側層と、人目に付く側の外側層が貼り合わされて構成されている。ここで、人目に付く外側層には高級白板紙のような比較的上質な紙が用いられ、内側層には古紙を含むリサイクル紙等が用いられる場合が多い。
また、パッケージに収納したディスク状被収納物の外表面が傷付くのを防ぐため、紙ボード材の外側層と、不織繊維からなる内側層とが貼り合わされたパッケージも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−332691号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の内側層にリサイクル紙等が用いたパッケージでは、内側層に優れた平滑性、光沢感、印刷再現性、発色性等を期待することができず、全体として装飾性、意匠性に優れたパッケージを提供することが困難である。また、特許文献1に記載の発明においては、確かにディスク状被収納物の外表面が傷付くのを防ぐ効果はあるが、内側層に高価な材料を用いるため、パッケージの製造コストが上昇して、紙製パッケージ本来の特徴が生かせなくなる。
更に、上記の何れのパッケージにおいても、外側層の材質と内側層の材質とが異なるため、時間の経過と共に、各層の伸縮の差が大きくなってパッケージの面部で反りが生じ、見栄えが悪く、収納性能も劣化する問題が生じる。
【0005】
従って、本発明の目的は、上述の問題を解決して、意匠性、装飾性に優れ、かつ長い期間使用しても、面部での反りが生じないディスク状被収納物のパッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの1つの実施態様は、折曲部を介して複数の面部が繋がったシートであって、前記折曲部で折り曲げることにより、前記面部及び前記折曲部で囲まれた収納空間を有する構造体を組立可能な第1のシートと、折り曲げられた前記第1のシートの端部どうしの接合部を含む前記構造体の外表面の少なくとも一部を覆うように貼着される第2のシートと、を備え、前記第1のシート及び前記第2のシートが同材質の紙材からなることを特徴とする。
【0007】
本実施態様においては、第1のシートを折り曲げることにより、1つの収納空間が形成される場合も、複数の収納空間が形成される場合も含まれる。第2のシートは、折り曲げられた第1のシートの端部どうしの接合部の全てを覆う場合も、一部を覆う場合も含まれる。また、第1のシート及び第2のシートを、外側層及び内側層の任意の層に用いることができる。折り曲げられた第1のシートの端部どうしの接合部に関しては、端部が重なり合った場合も、端部が重なり合っていない場合も含まれる。
【0008】
本実施態様においては、第1のシート及び第2のシートが同材質の紙材からなるので、パッケージ全体において印刷等の制約がなく、意匠的、装飾的に自由度の高いパッケージを提供でき、更に、長い期間使用しても、パッケージの面部における反りが生じないディスク状被収納物のパッケージを提供することができる。
【0009】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記面部が、矩形の主パネルと前記主パネルよりも幅の狭いフラップとから構成され、前記接合部において、前記主パネルの端部と、前記折曲部で折り返された前記フラップの端部とが接触していることを特徴とする。
【0010】
本実施態様においては、フラップを用いて、折曲部で折り返された端部と主パネルの端部とを接触させて接合するので、収納されたディスク状被収納物の端部は、接合部ではなく折曲部に当たる。よって、収納のための十分な強度を有し、かつ意匠性も優れたディスク状被収納物のパッケージを提供することができる。
【0011】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記接合部において、前記面部の端部どうしが重なり合うことなく、貼着された前記第2のシートによって両端部の接合状態が保たれていることを特徴とする。
【0012】
本実施態様においては、接合部において、第1のシートの端部どうしが重なり合うことがないので、表面に膨れ上がった部分のない意匠的に優れたパッケージを提供でき、貼着された第2のシートにより十分な接合強度も得ることができる。
【0013】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記接合部において、一方の前記面部の端部の凸部と他方の面部の端部の凹部とが嵌合した状態で接触していることを特徴する。
【0014】
本実施態様においては、接合部において、端部どうしが凸部と凹部とが嵌合した状態で接触しているので、位置ずれのない堅固な構造体を形成することができる。
【0015】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記嵌合した状態で接触している両端部において、前記凸部の側部及び前記凹部の側部に、互いに対応した角度のテーパが付けられていることを特徴する。
【0016】
本実施態様においては、凸部と凹部とに互いに対応した角度のテーパが付けられているので、このテーパ角に沿って両端部を正確に位置合わせすることができる。
【0017】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記第1のシートが、前記ディスク状被収納物を収納するのに十分な強度を有することを特徴とする。
【0018】
本実施態様によれば、第1のシートが所定の厚み寸法を有するようにすることによって、ディスク状被収納物を収納するのに十分な強度を有することができる。
【0019】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記第1のシートと前記第2のシートとが高級白板紙からなることを特徴とする。
【0020】
本実施態様によれば、第1のシート及び第2のシート共に、古紙が含まれていないパルプ100%の高級白板紙から作られている。従って、平滑性、光沢感が高く、印刷再現性、発色ともに良好であって、全体として意匠性、装飾性に優れたパッケージを提供することができる。
【0021】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記第1のシートが、前記折曲部を介して繋がった2つの前記主パネルを含み、前記折曲部で折り曲げることにより、2つの前記主パネル及び前記折曲部により囲まれた1つの前記収納空間が形成されることを特徴とする。
【0022】
本実施態様は、1つの収納空間を有するパッケージの具体的な構成を示すものであり、これにより、コンパクトで意匠性に優れたパッケージを低い製造コストで提供できる。
【0023】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施態様は、更に、前記第1のシートが、前記折曲部を介して縦に繋がった2つの前記主パネルを有する2つの帯状部分と、前記折曲部を介して各々の前記帯状部分の側部に繋がり、これにより2つの前記帯状部分を連結している所定の幅の連結部分とを含み、前記折曲部で折り曲げることにより、個々の前記帯状部分において前記主パネル及び前記折曲部により囲まれた前記収納空間が形成され、当該2つ収納空間が前記連結部分の幅寸法内に並ぶように配置されることを特徴とする。
【0024】
本実施態様は、2つの収納空間を有するパッケージの具体的な構成を示すものである。本実施態様では、連結部分が書籍でいう「背」の部分に該当し、各収納空間は、連結部分の幅寸法内に並ぶように配置される。よって、2つの収納空間が効率的に収められた意匠性に優れたパッケージを、低い製造コストで提供できる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係るディスク状被収納物のパッケージにおいては、第1のシート及び第2のシートが同材質の紙材からなるので、意匠的、装飾的に自由度が高く、かつ長い期間使用しても、パッケージの面部における反りが生じないディスク状被収納物のパッケージを提供することができる。
更に、接合部において面部の端部どうしが重なり合うことがなく、貼着された第2のシートによって両端部の接合状態が保たれている場合には、表面に膨れ上がった部分のない意匠的に優れたパッケージを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの実施形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。本発明に係るパッケージが収納するディスク状被収納物としては、CD、DVD、BD、レコード盤等を例示することができる。
【0027】
(本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの第1の実施形態の説明)
始めに、図1〜図3を参照しながら、本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの第1の実施形態の説明を行なう。本実施形態では、ディスク状被収納物の収納空間を1つ有するパッケージを示す。ここで図1は、組み立て前のパッケージを構成する部材(第1のシート及び第2のシート)の展開図を示し、図2は、組み立て後のパッケージの外形図を示し、図3は、パッケージを組み立てる手順を示す参考斜視図である。
【0028】
本実施形態のパッケージ1は、図1(a)に示す第1のシート2と、図1(b)に示す第2のシート4から主に構成され、第1のシート2を折り曲げて、所定の構造物3(図3(b)参照)を組み立てた後、第2のシート4を貼り合わせることによってパッケージ1が形成される。第1のシート2及び第2のシート4は同材質の紙材で構成されている。第1のシート及び第2のシートの材質としては、例えば、古紙が含まれていないパルプ100%の高級白板紙を用いる場合を例示することができる。この場合には、平滑性、光沢感が高く、印刷再現性、発色ともに良好なので、全体として意匠性、装飾性に優れたパッケージ1を提供することができる。ただし、これに限られるものではなく、用途やデザインに応じて、更に安価な特板カードやコートボール紙等を用いることもできる。何れの場合においても、第1のシート2及び第2のシート4が同材質の紙材で構成されているので、長い期間使用しても、パッケージの面部における反りが生じないという特長を有する。
【0029】
第1のシート2は、CD等のディスク状被収納物を収納するのに十分な強度を有するだけの厚み寸法有し、例えば、0.3〜0.6mmの厚み寸法を例示することができる。図1(a)に示すように、第1のシート2は、図面上で縦の方向に、折曲部30を介して矩形の主パネル20と矩形の主パネル21とが繋がり、更に、折曲部31を介して主パネルよりも幅の狭いフラップ22が主パネル21に繋がっている。また、一方の主パネルである主パネル20の側方端部には、折曲部32を介して主パネルよりも幅の狭いフラップ23が繋がっている。
矩形の主パネル20、21は、収納するディスク状被収納物の外径よりもある程度余裕を持った縦横寸法を有する。
また、一方の主パネルである主パネル20には凹部24が設けられ、他方の主パネルである主パネル21には凸部26が設けられ、これら凹部24及び凸部26には、それぞれ対応したテーパ角を有するテーパ部分25及び27が設けられている。これらのテーパを有する凹凸形状が嵌合して、組立に際し構造物3(図3(b)参照)の接合部分の位置合わせを確実に行うことができ、堅固な接合構造を得ることができる。
【0030】
第2のシート4は、組み立てた構造物3の接合部分の接合状態を維持するだけの強度(主に引張、せん断強度)を要するが、構造物3全体の強度を担うものではないので、第1のシート2の厚みより薄くすることができる。例えば、第2のシート4の厚みとして、0.08〜0.15mmの厚み寸法を例示することができる。厚みを薄くすることによって、印刷工程や貼り付け工程におけるハンドリングをより容易にすることができる。本実施態様においては、第2のシート4はパッケージ1の外表面側に貼着されるので、より意匠性、装飾性が重要となる。
【0031】
次に、図3を参照しながら、本実施形態のパッケージ1の組み立て手順を説明する。まず図3(a)に示すように、折曲部31でフラップ22を主パネル21側に折り返し、折曲部32でフラップ23を主パネル20側に折り返す。その後、折曲部30でパネル20を主パネル21側に折り返すことによって、折り返されたフラップ23の面と主パネル21とが接触し、対応するテーパ角が付いた凹部24と凸部26とが嵌合した状態で接触する。
【0032】
このフラップ23の面と主パネル21とを貼り合わせることによって、図3(b)に示すような構造体3を形成することができる。更に、この構造体3の主パネル20及びフラップ22で構成される面(外面)を覆うように、第2のシート4を貼り合わせることによって、図3(c)に示すようなパッケージ1を形成することができる。このパッケージ1では、主パネル20及びフラップ22により構成される面(内面)、主パネル21及びフラップ23(両部材は重なり合っている)で構成される面(内面)、及び折曲部30、31、32で囲まれるディスク状被収納物の収納空間を形成することができる。この場合、ディスク状被収納物の端部が接合部に当たることがないので、堅固な収納空間を得ることができる。この収納空間は、主パネル20のフラップ23が繋がっていない側(図1(a)で左側)に、開口部34が形成される。この開口部34から、ディスク状被収納物を出し入れすることができる。
【0033】
ここで、図3(b)の矢印Cで示す主パネル20とフラップ22との接合部の断面構造を、図7(a)に示す。本実施形態では、主パネル20とフラップ22とが重なり合うことがないので、図7(b)に示す接合部で面部が重なり合った従来例と異なり、表面に膨れ上がった部分のない意匠的に優れた外形を有する。また、外表面に貼着された第2のシート4によって、主パネル20とフラップ22とは、確実に接合状態を保つことができる。
以上のようにして組み立てられた1つの収納空間を有する本実施形態のパッケージ1の外形を、図2に示す。なお、図2(a)は、パッケージ1を第2のシートが貼られた主パネル20側から見た平面図であり、図2(b)は図2(a)の矢印A−Aから見た側面図であり、図2(c)は図2(a)の矢印B−Bから見た側面図である。
【0034】
本実施形態では、収納するディスク状被収納物の厚み寸法を確保するため、主パネル21とフラップ23とが重なり合った状態で貼り合わされているが、これに限られるものではなく、主パネル20とフラップ22との間の接合部と同様に、面端部を重なり合わせないで接触させて、外表面に貼着された第2のシート4により接合状態を維持することもできる。この場合、テーパの付いた凹凸形状を設けることもできる。また、フラップ23を設ける位置は、主パネル20でなく主パネル21側に設けることもできる。
【0035】
(本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの第2の実施形態の説明)
次に、図4〜図6を参照しながら、本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの第2の実施形態の説明を行なう。本実施形態では、ディスク状被収納物の収納空間を2つ有するパッケージを示す。ここで図4は、組み立て前のパッケージを構成する部材(第1のシート及び第2のシート)の展開図を示し、図5は、組み立て後のパッケージの外形図を示し、図6は、パッケージを組み立てる手順を示す参考斜視図である。
【0036】
本実施形態のパッケージ1も、第1の実施形態と同様に、図4(a)に示す第1のシート2を折り曲げて、所定の構造物3(図6(b)参照)を組み立てた後、図4(b)に示す第2のシート4を貼り合わせることによって形成される。また、第1のシート6及び第2のシート8も、同材質の紙材で構成されている。これにより、全体において意匠的、装飾的に自由度の高いパッケージを提供でき、かつ長い期間使用しても、パッケージの面部における反りが生じないという特長を有する。
【0037】
図4(a)に示すように、第1のシート2は、連結部68により互いに連結された帯状部分80a及び80bが並んで配置された形状を有する。更に詳細に述べれば、個々の帯状部分80a(b)において、図面上で縦の方向に、折曲部70a(b)を介して矩形の主パネル60a(b)と矩形の主パネル61a(b)とが繋がり、更に、折曲部71a(b)を介して主パネルよりも幅の狭いフラップ62a(b)が主パネル61a(b)に繋がっている。そして、各帯状部分80a(b)の主パネル61a(b)には、折曲部72a(b)を介して幅寸法Bの連結部68が繋がり、これによって、2つの帯状部分80a(b)は、互いに連結され並列配置されている。なお、幅寸法Wは、2つの収納空間が厚み方向において十分収まるだけの長さを要する。
【0038】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、個々の帯状部分80a(b)において、主パネル60(b)に凹部64a(b)が設けられ、主パネル61a(b)に凸部66a(b)が設けられ、これら凹部64a(b)及び凸部66a8b)には、それぞれ対応したテーパ角を有するテーパ部分65a(b)及び67a(b)が設けられている。これらのテーパを有する凹凸形状が嵌合して、組み立てた構造物7の接合部分の位置合わせを確実に行うことができ、堅固な接合構造を得ることができる。
【0039】
第2のシート8は、組み立てられた構造物7(図6(b)参照)において、主パネル60a及びフラップ62aにより構成される面、接合部68、並びに主パネル60b及びフラップ62bから構成される面を覆うように貼着される。
【0040】
次に、図6を参照しながら、本実施形態のパッケージ1の組み立て手順を説明する。まず図6(a)に示すように、折曲部70a(b)で主パネル60a8b)を主パネル61a(b)側に折り返し、折曲部62a(b)でフラップ62a(b)を主パネル61a(b)側に折り返す。これにより、対応するテーパ角が付いた凹部6a(b)と凸部66(b)とが嵌合した状態で接触する。
【0041】
このようにして、図6(b)に示すような構造体7を形成し、更に、この構造体7の主パネル60a及びフラップ62aから構成される面、接合部68、並びに主パネル60b及びフラップ62bから構成される面を覆うように、第2のシート8を貼り合わせることによって、図6(c)に示すようなパッケージ1を形成することができる。このパッケージ1では、主パネル60a及びフラップ62aにより構成される面、主パネル61a、折曲部70a、71a、及び第2のシート8で囲まれたディスク状被収納物の第1の収納空間と、主パネル60b及びフラップ62bにより構成される面、主パネル61b、折曲部70b、71b、及び第2のシート8で囲まれるディスク状被収納物の第2の収納空間とを形成することができる。この場合、ディスク状被収納物の端部が接合部に当たることがないので、堅固な収納空間を得ることができる。この収納空間は、主パネル61a(b)の接続部68が繋がっていない側(図6(a)で両外側)に、2つの開口部74a(b)が形成される。これらの開口部74(b)から、ディスク状被収納物を出し入れすることができる。
【0042】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、主パネル60a(b)とフラップ62a(b)とが重なり合うことないので、表面に膨れ上がった部分のない意匠的に優れた外形を有する。また、閉じ込み側の外表面に貼着された第2のシート8によって、主パネル60a(b)とフラップ62a(b)とは、確実に接合状態を保つことができる。
以上のようにして組み立てられた2つの収納空間を有する本実施形態のパッケージ1の外形を、図5に示す。なお、図5(a)は、2つ収納空間が閉じ込まれたパッケージ1を主パネル61b側から見た平面図であり、図5(b)は図5(a)の矢印D−Dから見た側面図であり、図5(c)は図5(a)の矢印E−Eから見た側面図である。
【0043】
本実施形態では、主パネル61aと主パネル61bとの間に接続部68が設けられているが、これに限られるものではなく、主パネル60aと主パネル60bとの間に接続部68を設けることもできる。
(本発明に係るディスク状被収納物のパッケージのその他の実施形態の説明)
本発明に係るディスク状被収納物のパッケージの実施形態は、上記の実施形態に限られるものではなく、例えば、ディスク状被収納物の収納空間が3つ以上有するパッケージ(図8参照)を含め、その他の多くのバリエーションが本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】組み立て前の本発明の第1の実施形態のパッケージを構成する部材(第1のシート及び第2のシート)の展開図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の組み立て後のパッケージの外形図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のパッケージを組み立てる手順を示す参考斜視図である。
【図4】組み立て前の本発明の第2の実施形態のパッケージを構成する部材(第1のシート及び第2のシート)の展開図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の組み立て後のパッケージの外形図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のパッケージを組み立てる手順を示す参考斜視図である。
【図7】本発明及び従来の接合部の断面構造を示す図である。
【図8】収納空間を3つ有する本発明のその他の実施形態の外形図である。
【符号の説明】
【0045】
1 パッケージ
2、6 第1のシート
3、7 構造体
4、8 第2のシート
20、60a、b 主パネル
21、61a、b 主パネル
22、62a、b フラップ
23 フラップ
30、31、32 折曲部
70、71、72a、b 折曲部
24、64a、b 凹部
26、66a、b 凸部
25、27、65、67a、b テーパ部
34、74a、b 開口部
80a、b 帯状部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折曲部を介して複数の面部が繋がったシートであって、前記折曲部で折り曲げることにより、前記面部及び前記折曲部で囲まれた収納空間を有する構造体を組立可能な第1のシートと、
折り曲げられた前記第1のシートの端部どうしの接合部を含む前記構造体の外表面の少なくとも一部を覆うように貼着される第2のシートと、を備え、
前記第1のシート及び前記第2のシートが同材質の紙材からなることを特徴とするディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項2】
前記面部が、矩形の主パネルと前記主パネルよりも幅の狭いフラップとから構成され、前記接合部において、前記主パネルの端部と、前記折曲部で折り返された前記フラップの端部とが接触していることを特徴とする請求項1に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項3】
前記接合部において、前記面部の端部どうしが重なり合うことなく、貼着された前記第2のシートによって両端部の接合状態が保たれていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項4】
前記接合部において、一方の前記面部の端部の凸部と他方の面部の端部の凹部とが嵌合した状態で接触していることを特徴する請求項3に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項5】
前記嵌合した状態で接触している両端部において、前記凸部の側部及び前記凹部の側部に、互いに対応した角度のテーパが付けられていることを特徴する請求項4に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項6】
前記第1のシートが、前記ディスク状被収納物を収納するのに十分な強度を有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項7】
前記第1のシートと前記第2のシートとが高級白板紙からなることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項8】
前記第1のシートが、前記折曲部を介して繋がった2つの前記主パネルを含み、
前記折曲部で折り曲げることにより、2つの前記主パネル及び前記折曲部により囲まれた1つの前記収納空間が形成されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のディスク状被収納物のパッケージ。
【請求項9】
前記第1のシートが、前記折曲部を介して縦に繋がった2つの前記主パネルを有する2つの帯状部分と、前記折曲部を介して各々の前記帯状部分の側部に繋がり、これにより2つの前記帯状部分を連結している所定の幅の連結部分とを含み、
前記折曲部で折り曲げることにより、個々の前記帯状部分において前記主パネル及び前記折曲部により囲まれた前記収納空間が形成され、当該2つ収納空間が前記連結部分の幅寸法内に並ぶように配置されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のディスク状被収納物のパッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−143616(P2010−143616A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323178(P2008−323178)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(599091807)株式会社一九堂印刷所 (2)
【Fターム(参考)】