説明

ディスプレイ制御回路およびディスプレイ装置

【課題】簡易な構成で調停を行うことができる。
【解決手段】ディスプレイ制御回路1は、複数のマスタ2a、2bとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りする回路である。ディスプレイ制御回路1は、属性情報を格納するメモリ3と、マスタ2a、2bに対応して設けられ、マスタ2a、2bのメモリ3へのアクセス要求を受け付ける複数のチャネル4a、4bと、ハードウエアで構成され、各チャネル4a、4bが受け付けたアクセス要求を調停し、選択した1つのアクセス要求のメモリ3へのアクセスを許可する調停制御部5と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイ制御回路およびディスプレイ装置に関し、特に、複数のマスタとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りするディスプレイ制御回路およびディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像出力装置(例えばDVDプレイヤやグラフィックカード等)と画像表示装置(例えばPCモニタやDTV等)とのインタフェースにおいてDDC:Display Data Channel(I2Cバス)を通じて画像表示装置の属性情報等をやり取りする方法が知られている。
【0003】
例えば、複数のI2Cシングルマスタ(データ転送を開始し、クロック信号を生成し、データ転送を終了するデバイス)が同一のスレーブ(マスタからアドレス指定されるデバイス)に対してアクセスを行う場合は、マスタの接続形態に従って、バスのマスタ権の調停(1つのマスタだけがバスをコントロールできるようにすること)を行うことによりアクセスを行う1つのマスタを決定し、スレーブに対しアクセスを行っている。
【0004】
ところで、画像表示装置は、一般的に異なる複数の画像入力用コネクタ(HDMI(High-Definition Multimedia Interface)、DVI(Digital Visual Interface)、VGA(Video Graphics Array)等)を備えている。このため、コネクタの種別にかかわらず、画像出力装置が画像表示装置の属性情報等を取得できるようにインタフェースとしてはVesa DDC規格、データの中身についてはEDID(Extended Display Identification Data)、CEA(Consumer Electronics Association)861およびHDMIで定められている。
【0005】
しかし、これらの規格には、マルチマスタ構成を許していない規格が存在するため、調停機能を備えていないマスタが接続されることを踏まえて画像表示装置を設計する必要がある。
【0006】
図29は、従来のディスプレイ制御回路の構成の一例を示す図である。
図29に示すように、ディスプレイ制御回路90が、3chのHDMIコネクタ90a、90b、90cと1chのDVIコネクタ90dとを備えていれば、これらの各入力に対応して、ほぼ同様の(実際はポート番号情報及びチェックサム情報のみ異なることもある)データ(属性情報)が格納された4つの不揮性メモリ91a、91b、91c、91dを搭載する必要があり、回路構成が冗長になるという問題があった。
【0007】
これを回避する構成としてCPUを介し、複数のI2Cシングルマスタが単一のスレーブに対しアクセスを行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−126829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、CPUを使用するとメモリの数は減らせるものの、回路が複雑となり、また、コスト削減の効果は少ないという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で調停を行うことができるディスプレイ制御回路およびディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では上記問題を解決するために、図1に示すようなディスプレイ制御回路1が提供される。
本発明に係るディスプレイ制御回路1は、複数のマスタ2a、2bとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りする回路である。
【0010】
ディスプレイ制御回路1は、属性情報を格納するメモリ3と、マスタ2a、2bのメモリ3へのアクセス要求を受け付ける複数のチャネル4a、4bと、ハードウエアで構成され、各チャネル4a、4bが受け付けたアクセス要求を調停し、選択した1つのアクセス要求のメモリ3へのアクセスを許可する調停制御部5と、を有する。
【0011】
このようなディスプレイ制御回路1によれば、チャネル4a、4bによりマスタ2a、2bのアクセス要求が受け付けられると、ハードウエアで構成された調停制御部5により、これらのアクセス要求の調停が行われ、選択された1つのアクセス要求のメモリ3へのアクセスが許可される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ハードウエアで構成された調停制御部がアクセス要求を調停することによりアクセスの競合を回避するようにしたので、CPU等を備えていなくてもこれらの調停を簡易な構成で行うことができ、回路規模の縮小化や低コスト化を図ることができる。また、1つのメモリを用いて複数のマスタを制御することができるため、回路規模の縮小化およびデータ書込作業の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の概要について説明し、その後、実施の形態を説明する。
図1は、本発明の概要を示す図である。
【0014】
図1に示すディスプレイ制御回路1は、ディスプレイ装置に内蔵される回路であり、メモリ3とチャネル4a、4bと調停制御部5とを有している。
メモリ3は、ディスプレイ装置のディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報(例えばメーカ名、画像サイズ、リフレッシュレート、受け付ける信号の種類等)を格納する。
【0015】
チャネル4a、4bは、複数のマスタ(図1ではマスタ2a、2b)に対応して設けられ、マスタ2a、2bのメモリ3へのアクセス要求(属性情報を取得するための要求)を独立して受け付ける。
【0016】
調停制御部5は、ハードウエアで構成され、各チャネル4a、4bが受け付けたアクセス要求を調停し、選択した1つのアクセス要求のメモリ3へのアクセスを許可する。
このようなディスプレイ制御回路1によれば、チャネル4a、4bによりマスタ2a、2bのアクセス要求が受け付けられると、ハードウエアで構成された調停制御部5により、これらのアクセス要求の調停が行われ、選択された1つのアクセス要求のメモリ3へのアクセスが許可される。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、実施の形態のディスプレイ制御回路を示す回路図である。
図2に示すソース(Source)100〜400は、それぞれディスプレイ制御回路10に接続される接続機器であり、それぞれ例えばDVD等の独立したI2Cシングルマスタである。
【0018】
ディスプレイ制御回路10は、画像表示装置(ディスプレイ装置)内に設けられており、画像表示装置に接続される複数(図2では4つ)のソース100〜400のインタフェース回路を構成している。
【0019】
このディスプレイ制御回路10は、DDC規格に準拠しており、ソース100〜400からの画像出力やアクセス要求信号(以下、単にアクセス要求という)を取り込むための画像入力用コネクタ、例えば図2では、HDMIコネクタ20a〜20cおよびDVIコネクタ20dを有している。
【0020】
スレーブデバイス30は、HDMIコネクタ20a〜20cおよびDVIコネクタ20dを介して入力されたソース100〜400からのアクセス要求間の調停を行ってアクセスする1つのソースを特定し、そのソースとI2C通信を行う。
【0021】
I2C通信に必要な信号は非同期ラインクロック(SCLn(n=1〜4))とラインデータ(SDAn)の2本であり、各ノードはそれぞれ2本の信号をオープンコレクタでワイアードORで接続されている。また、両端が電圧VDDn(例えば5V)にプルアップされている。
【0022】
ソース100〜400側が送信するときは、データおよびクロックを出力する。ソース100〜400側が出力したデータおよびクロックは、それぞれHDMIコネクタ20a〜20cまたはDVIコネクタ20dを介してスレーブデバイス30に入力される。
【0023】
スレーブデバイス30からデータを受ける時はソース100〜400がクロックを出力する。
図3は、実施の形態のスレーブデバイスを示すブロック図である。
【0024】
スレーブデバイス30は、CPU(Central Processing Unit)を持たない単一のI2Cスレーブデバイスを構成しており、シーケンス制御部31〜34とチャネル調停制御部35とメモリアクセス制御部36とメモリ37とを有している。
【0025】
シーケンス制御部31〜34は、それぞれHDMIコネクタ20a〜20cおよびDVIコネクタ20dに対応して設けられている。
これら、シーケンス制御部31〜34には優先順位(優先度)が設定されており、入力される信号の優先度は、どのシーケンス制御部に入力されるかによって定まる。優先度は、図3中上から下に向かって低くなる。すなわち、シーケンス制御部31に入力される信号が最も優先度が高く、シーケンス制御部34に入力される信号が最も優先度が低い。
【0026】
チャネル調停制御部35は、アクセス要求を調停し、1つのソースのメモリ37へのアクセスを許可する。
メモリアクセス制御部36は、チャネル調停制御部35によって許可されたソースのアクセス要求に応じて、メモリ37から属性情報(以下、単にデータと言う)を取り出し、チャネル調停制御部35および対応するシーケンス制御部、コネクタを介してソースに送る。
【0027】
メモリ37は、例えばI2CインタフェースのEDIDメモリであり、予め用意されたソースのデータが格納されている。
図4は、チャネル調停制御部の構成を示すブロック図である。
【0028】
チャネル調停制御部35は、シーケンス制御部31〜34にそれぞれ対応して設けられた調停回路35a〜35dを有している。
調停回路35a〜35dは、それぞれシーケンス制御部31〜34を介して入力されたアクセス要求の優先度に基づいて、これら各要求のメモリ37に対するアクセスの調停を行う。換言すると、調停回路35a〜35dにそれぞれアクセス要求が入力された場合、調停回路35a〜35dが相互に調停を行うことにより、1つのアクセス要求を許可し、そのアクセス要求をメモリアクセス制御部36に出力する。
【0029】
以下、説明を分かり易くするために、シーケンス制御部31〜34をそれぞれch1〜ch4と定義し、例えばシーケンス制御部31を介してメモリ37にアクセス要求がある場合は、「ch1のアクセス要求」という。
【0030】
図5は、調停回路の構成を示す回路図である。なお図5では、代表的に調停回路35aの構成を示している。
調停回路35aは、D−FF回路351a、355aと、遅延回路352aと、ch調停条件出力部353aと、AND回路354aとを有している。
【0031】
D−FF回路351aのD端子には、“1”が入力されている。
ここで、ソース100〜400がアクセス要求を行う際には、ラインクロックを出力するため、D−FF回路351aは、このクロックをトリガとしてアクセスの有無を判断している。具体的には、D−FF回路351aのCK端子にラインクロックSCL1を切り出したパルスであるトリガ信号ch1_TRGが入力されると、メモリ37へのアクセス権を要求するリクエスト信号ch1_REQを出力する。
【0032】
遅延回路352aは、リクエスト信号ch1_REQを所定時間遅延させた調停用の遅延トリガ信号を生成する。
ch調停条件出力部353aには、ch2がメモリ37に対しアクセスを行っている場合、そのことを示すメモリアクセス許可信号ch2_ACT、ch3がメモリ37に対しアクセスを行っている場合、そのことを示すメモリアクセス許可信号ch3_ACTおよびch4がメモリ37に対しアクセスを行っている場合、そのことを示すメモリアクセス許可信号ch4_ACTが入力される。
【0033】
ch調停条件出力部353aは、いずれかのチャネルがメモリ37とアクセスを行っている場合、すなわちメモリアクセス許可信号ch2_ACT〜ch4_ACTのいずれかが‘1’(アクティブ)になっていれば“1”を出力し、いずれのチャネルもメモリアクセスを行っていない場合、すなわちメモリアクセス許可信号ch2_ACT〜ch4_ACTのいずれもがアクティブになっていなければ“0”を出力する。
【0034】
AND回路354aの一方には遅延トリガ信号が入力され、他方にはch調停条件出力部353aの出力が反転入力される。
D−FF回路355aのD端子には、“1”が入力されており、CK端子には、AND回路354aの出力が入力される。
【0035】
なお、D−FF回路351a、355aは、R端子にメモリアクセス制御部36からのメモリ37のアクセスが終了したことを示すメモリアクセス完了信号CMPが入力されることによって初期化される。
【0036】
次に、調停回路35aの動作を、図5および図6を用いて説明する。
図6は、調停回路の動作を示す図である。
D−FF回路351aは、シーケンス制御部31からのメモリ37へのラインクロックSCL1をトリガとしてリクエスト信号ch1_REQを出力する(時刻T1)。
【0037】
遅延回路352aは、リクエスト信号ch1_REQを受けて、遅延トリガ信号を生成する(時刻T2)。そして、AND回路354aは、遅延トリガ信号とch調停条件出力部353aの出力との論理積を取ることにより、調停を実施する。具体的には、メモリアクセス許可信号ch2_ACT〜ch4_ACTのいずれもが‘1’になっていなければ、アクセス権を取得したことを示すアクト条件成立信号ch1_ACT_GETを出力する(時刻T2)。
【0038】
D−FF回路355aは、アクト条件成立信号ch1_ACT_GETが入力されると、メモリアクセス許可信号ch1_ACTをメモリアクセス制御部36および他の調停回路35b〜35dに出力する。これにより、ch1がメモリ37へアクセスを行うことができる。
【0039】
そして、メモリ37へのアクセスが完了すると、調停回路35a〜35dの論理状態を初期化するメモリアクセス完了信号CMPがD−FF回路351a、355aに入力される(時刻T3)。これにより、D−FF回路351a、355aの論理条件が初期化される。
【0040】
次に、他の調停回路35b〜35dの構成を説明する。
図7〜図9は、他の調停回路の構成を示す図である。
調停回路35b〜35dは、それぞれch調停条件出力部の構成が、調停回路35aと異なっている。
【0041】
調停回路35bは、D−FF回路351b、355bと、遅延回路352bと、ch調停条件出力部353bと、AND回路354bとを有している。
調停回路35bのch調停条件出力部353bには、リクエスト信号ch1_REQ、メモリアクセス許可信号ch3_ACTおよびメモリアクセス許可信号ch4_ACTが入力される。
【0042】
ch調停条件出力部353bは、調停回路35aがメモリ37へのアクセス要求を行っている場合または、ch3若しくはch4がメモリ37へのアクセスを行っている場合は、“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。詳しくは、ch2(自己のチャネル)よりも優先度の高いch1のリクエスト信号ch1_REQが出力されておらず、かつ、優先度の低いch3およびch4のメモリアクセス許可信号ch3_ACTまたはメモリアクセス許可信号ch4_ACTのいずれもが出力されていなければ、“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。
【0043】
従って、調停回路35aにメモリ37へのアクセス要求があった場合、調停回路35bは、そのアクセス要求により実行されるメモリ37へのアクセスが完了するまでメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力しない。また、調停回路35cまたは調停回路35dがメモリ37とアクセスを行っている場合も同様に、調停回路35bは、そのメモリアクセスが完了するまでメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力しない。
【0044】
図8に示す調停回路35cは、D−FF回路351c、355cと、遅延回路352cと、ch調停条件出力部353cと、AND回路354cとを有している。
ch調停条件出力部353cには、リクエスト信号ch1_REQ、リクエスト信号ch2_REQおよびメモリアクセス許可信号ch4_ACTが入力されている。
【0045】
ch調停条件出力部353cは、調停回路35a若しくは調停回路35bがメモリ37へのアクセス要求を行っている場合またはch4がメモリアクセスを行っている場合は、“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。詳しくは、ch3(自己のチャネル)よりも優先順位の高いリクエスト信号ch1_REQまたはリクエスト信号ch2_REQのいずれもが出力されておらず、かつ、優先順位の低いch4のメモリアクセス許可信号ch4_ACTが出力されていなければ、“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。
【0046】
従って、調停回路35aまたは調停回路35bにメモリ37へのアクセス要求があった場合、調停回路35cは、そのアクセス要求により実行されるメモリ37へのアクセスが完了するまでメモリアクセス許可信号ch3_ACTを出力しない。また、調停回路35dがメモリ37とアクセスを行っている場合も同様に、調停回路35cは、そのアクセス要求により実行されるメモリ37へのアクセスが完了するまでメモリアクセス許可信号ch3_ACTを出力しない。
【0047】
図9に示す調停回路35dは、D−FF回路351d、355dと、遅延回路352dと、ch調停条件出力部353dと、AND回路354dとを有している。
ch調停条件出力部353dには、リクエスト信号ch1_REQ、リクエスト信号ch2_REQおよびリクエスト信号ch3_REQが入力されている。
【0048】
ch調停条件出力部353dは、調停回路35a、調停回路35b若しくは調停回路35cがメモリ37へのアクセス要求を行っている場合は、“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。詳しくは、ch4(自己のチャネル)よりも優先順位の高いリクエスト信号ch1_REQ、リクエスト信号ch2_REQまたはリクエスト信号ch3_REQのいずれもが出力されていなければ、“1”を出力し、それ以外は“0”を出力する。
【0049】
従って、調停回路35a、調停回路35bまたは調停回路35cにメモリ37へのアクセス要求があった場合、調停回路35dは、そのメモリアクセスが完了するまでメモリアクセス許可信号ch4_ACTを出力しない。
【0050】
図10〜図15は、調停回路の動作の具体例を示す図である。なお、図中、丸で囲まれた数字は、アクセス要求があったチャネルの順番を示しており、斜線部は、最初にアクト条件成立信号を取得したチャネルおよび各チャネルのメモリアクセス許可信号の出力期間を示している。なお、図10〜15では、図示されていない他のチャネルの状態は考慮しないものとする。
【0051】
図10は、ch1とch2との間で調停を行う場合を示しており、ch1のアクセス要求が、ch2のアクセス要求よりも充分早かった場合を示している。
調停回路35aのAND回路354aに遅延トリガ信号が入力されたとき、メモリアクセス許可信号ch2_ACTが‘0’なので、ch1がアクセス権を取得し、調停回路35aがメモリアクセス許可信号ch1_ACTを出力する。これにより、ch1がメモリ37へのアクセスを行う。ch1のアクセスが完了した後に、ch2がアクセス権を取得し、調停回路35bがメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力する。これにより、ch2がメモリ37へのアクセスを行う。
【0052】
図11は、ch1とch2との間で調停を行う場合を示しており、ch1のアクセス要求後、ch1のメモリアクセス開始前にch2のアクセス要求が行われている場合を示している。
【0053】
調停回路35aのAND回路354aに遅延トリガ信号が入力されたとき、メモリアクセス許可信号ch2_ACTが‘0’なので、ch2のリクエスト信号ch2_REQの状態にかかわらず、ch1がアクセス権を取得し、調停回路35aがメモリアクセス許可信号ch1_ACTを出力する。これにより、ch1がメモリ37へのアクセスを行う。ch1のアクセスが完了した後に、ch2がアクセス権を取得し、調停回路35bがメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力する。これにより、ch2がメモリ37へのアクセスを行う。
【0054】
図12は、ch1とch2との間で調停を行う場合を示しており、ch2のアクセス要求がch1のアクセス要求よりも早いが、ch2のメモリアクセス開始前に、ch1のアクセス要求が行われている場合を示している。
【0055】
調停回路35bのAND回路354bに遅延トリガ信号が入力されたとき、リクエスト信号ch1_REQが‘1’なので、メモリアクセス許可信号ch2_ACTは‘0’のままである。
【0056】
一方、調停回路35aのAND回路354aに遅延トリガ信号が入力されたとき、メモリアクセス許可信号ch2_ACTが‘0’なので、ch1がアクセス権を獲得し、メモリアクセス許可信号ch1_ACTを出力する。これにより、ch1がメモリ37へのアクセスを行う。ch1のアクセスが完了した後に、ch2がアクセス権を取得し、調停回路35bがメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力する。これにより、ch2がメモリ37へのアクセスを行う。
【0057】
図13は、ch1とch2との間で調停を行う場合を示しており、ch2へのアクセス要求が、ch1へのアクセス要求よりも充分早かった場合(ch2_ACT_GETが、リクエスト信号ch1_REQよりも早い場合)を示している。
【0058】
調停回路35bのAND回路354bに遅延トリガ信号が入力されたとき、リクエスト信号ch1_REQが‘0’なので、ch2がアクセス権を取得し、調停回路35bがメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力する。これにより、ch2がメモリ37へのアクセスを行う。ch2のアクセスが完了した後に、ch1がアクセス権を取得し、調停回路35aがメモリアクセス許可信号ch1_ACTを出力する。これにより、ch1がメモリ37へのアクセスを行う。
【0059】
図14は、ch1〜ch3の間で調停を行う場合を示しており、ch1→ch3→ch2の順にアクセス要求があった場合を示している。
調停回路35aのAND回路354aに遅延トリガ信号が入力されたとき、メモリアクセス許可信号ch2_ACTおよびメモリアクセス許可信号ch3_ACTは‘0’なので、ch1がアクセス権を取得し、調停回路35aがメモリアクセス許可信号ch1_ACTを出力する。これにより、ch1がメモリ37へのアクセスを行う。ch1がメモリ37へのアクセスを行っているときに、リクエスト信号ch2_REQが‘1’になっている。ch1のアクセスが完了した後に、リクエスト信号ch1_REQおよびメモリアクセス許可信号ch3_ACTは‘0’なので、調停回路35bがメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力する。これにより、ch2がメモリ37へのアクセスを行う。ch2のアクセスが完了した後に、リクエスト信号ch1_REQおよびリクエスト信号ch2_REQは‘0’なので、調停回路35cがメモリアクセス許可信号ch3_ACTを出力する。これにより、ch3がメモリ37へのアクセスを行う。
【0060】
図15は、ch1〜ch3の間で調停を行う場合を示しており、ch2→ch3→ch1の順にアクセス要求があった場合を示している。
調停回路35bのAND回路354bに遅延トリガ信号が入力されたとき、リクエスト信号ch1_REQおよびメモリアクセス許可信号ch3_ACTは‘0’なので、ch2がアクセス権を取得し、調停回路35bがメモリアクセス許可信号ch2_ACTを出力する。これにより、ch2がメモリ37へのアクセスを行う。ch2がメモリ37へのアクセスを行っているときに、ch1のリクエスト信号ch1_REQが‘1’になっている。ch2のアクセスが完了した後に、メモリアクセス許可信号ch3_ACTは‘0’なので、調停回路35aがメモリアクセス許可信号ch1_ACTを出力する。これにより、ch1がメモリ37へのアクセスを行う。ch1がメモリ37へのアクセスを行っているときに、リクエスト信号ch3_REQが‘1’になっている。ch1のアクセスが完了した後に、リクエスト信号ch1_REQおよびリクエスト信号ch2_REQは‘0’なので、調停回路35cがメモリアクセス許可信号ch3_ACTを出力する。これにより、ch3がメモリ37へのアクセスを行う。
【0061】
以上述べたように、本実施の形態のディスプレイ制御回路10によれば、優先度の高いチャネルは優先度の低いチャネルのバス権確定状況のみチェックし、自身がバス権を獲得できるかを判断すること、かつ、優先度の低いチャネルはアクセス権を獲得するタイミングで優先度の高いチャネルのリクエストがあればバス権を一時的に優先度の高いチャネルに譲渡する判定をできるようにした。これにより、複雑な回路を用いることなく、判定条件を与えるだけで、調停を行い競合を回避することができるため、回路の構成を簡易なものとすることができる。また、CPU等を用いることがないので、ディスプレイ制御回路10を安価に製造することができる。
【0062】
また、ディスプレイ制御回路10には1つのメモリ37を設ければよいので、メモリ個数の低減を図ることができ、また、メモリへのデータ書込作業の低減を図ることができる。
【0063】
また、各調停回路35a〜35dにそれぞれ遅延回路352a〜352dを設けることで、リクエスト信号の出力タイミングおよびアクセス権獲得タイミングに時間差を持たせるようにしたので、容易かつ確実に調停を行うことができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、例えば調停回路35aは、ch調停条件出力部353aの出力と遅延回路352aの遅延トリガ信号とのANDを取ることでアクト条件成立信号ch1_ACT_GETを出力するようにしたが、遅延トリガ信号の代わりに、次のトリガ信号ch1_TRG(次のSCL信号)のエッジをトリガ信号として用いてもよい。
【0065】
次に、第2の実施の形態のディスプレイ制御回路について説明する。
以下、第2の実施の形態のディスプレイ制御回路について、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0066】
図16は、第2の実施の形態のスレーブデバイスを示す回路図である。
第2の実施の形態のディスプレイ制御回路のスレーブデバイス30aは、チャネル調停制御部(の構成)が異なっている。
【0067】
チャネル調停制御部45は、調停回路45aと、調停用パルス生成回路45bとを有している。
調停回路45aは、システムクロックを持たない(利用しない)システムであり、ソース100〜400が独立して非同期にアクセス要求を行い、調停回路45aは、入力される調停用パルスに基づいて、同期調停を行う。
【0068】
調停用パルス生成回路45bは、各チャネルのトリガ信号入力の論理を遅延させて調停用パルスを生成し、調停回路45aに出力する。
図17は、第2の実施の形態の調停回路を示す回路図である。
【0069】
調停回路45aは、リクエスト受付部451aと、OR回路452aと、ラッチ回路453aと、調停部454aと、同期回路455aと、リセット回路456aとを有している。
【0070】
リクエスト受付部451aは、いずれかのチャネルからのアクセス要求を非同期に受け付けるD−FF回路D451a〜D451dを備えている。
OR回路452aは、これらD−FF回路D451a〜D451dの出力端子の論理和を取り、その結果を出力する。
【0071】
ラッチ回路453aは、D−FF回路D451a〜D451dの出力をそれぞれ入力とするD−FF回路D453a〜D453dを有し、調停用パルス生成回路45bが生成した調停用パルス信号RQCK_D2に基づいて、これらD−FF回路D453a〜D453dの同期を取る。
【0072】
調停部454aは、ラッチ回路453aの出力に基づいて、チャネル間の調停を行う。
同期回路455aは、調停用パルス生成回路45bが生成した調停用パルス信号RQCK_D3に基づいて、調停部454aが調停したアクセス要求を確定する。
【0073】
リセット回路456aは、メモリアクセス完了信号CMPと各チャネルのメモリアクセス許可信号とのNANDを取り、その結果をそれぞれD−FF回路D451a〜D451dに出力するNAND回路N456a〜N456dを有している。
【0074】
次に、調停回路45aの動作を説明する。
リクエスト受付部451aは、D−FF回路D451a〜D451dのいずれかにトリガ信号が入力されると、そのD−FF回路がリクエスト信号を出力する。これにより、OR回路452aが、メモリアクセスリクエスト信号ALL_REQを出力する。そして、ラッチ回路453aに調停用パルス信号RQCK_D2が入力されると、ラッチ回路453aのD−FF回路D453a〜D453dが同期して‘1’または‘0’を出力する。その後、調停部454aは、入力された‘1’または‘0’に従って、D−FF回路D455a〜D455dに調停信号を出力する。具体的には、リクエスト信号を出力したラッチ回路453aのD−FF回路に対応する同期回路455aのD−FF回路に‘1’を出力し、それ以外の同期回路455aのD−FF回路には‘0’を出力する。
【0075】
そして、同期回路455aに調停用パルス信号RQCK_D3が入力されると、D−FF回路D455a〜D455dが同期して‘1’または‘0’を出力する。すなわち‘1’が入力されたD−FF回路のみが、メモリアクセス許可信号を出力する。
【0076】
ところで、第2の実施の形態のメモリアクセス完了信号CMPは、Loアクティブであり、いずれかのチャネルがメモリアクセスを行っている場合は、‘1’に保たれている。メモリアクセスが完了すると、調停回路45aにメモリアクセス完了信号CMPが入力される。これにより、リセット回路456aの各NAND回路N456a〜N456dの出力はバス権を獲得しているチャネルのみ‘1’になり、リクエスト受付部451aの各D−FF回路D451a〜D451dのいずれかの論理を‘0’にリセットする。これにより、調停回路45aは、再度リクエスト受付状態となる。
【0077】
図18は、調停用パルス生成回路を示す回路図である。
調停用パルス生成回路45bは、D−FF回路451bと、メモリアクセス完了信号CMPと、D−FF回路451bの出力との論理積を取るAND回路452bと、調停回路45aからのメモリアクセスリクエスト信号ALL_REQと、AND回路452bの出力の反転入力との論理積を取るAND回路453bと、AND回路の出力信号を10ns(所定時間)遅らせて調停用パルス信号RQCK_D2を生成する調停用パルス信号生成回路454bと、調停用パルス信号RQCK_D2を10ns(所定時間)遅らせて調停用パルス信号RQCK_D3を生成する調停用パルス信号生成回路455bとを有している。
【0078】
次に、調停用パルス生成回路の動作を説明する。
初期状態では、D−FF回路451bの出力は‘0’であるため、AND回路452bの出力が‘0’となり、AND回路453bには、‘1’が入力される。
【0079】
この状態でAND回路453bにメモリアクセスリクエスト信号ALL_REQが入力されると、AND回路453bは‘1’を出力する。これにより、調停用パルス信号生成回路454b、455bがそれぞれ調停用パルス信号RQCK_D2、調停用パルス信号RQCK_D3を生成し、出力する。すると、D−FF回路451bのCK端子には‘1’が入力され、D−FF回路451bは‘1’を出力する。
【0080】
メモリアクセス完了信号CMPは、Loアクティブなので、AND回路452bは‘1’を出力し、AND回路453bには、‘0’が入力されるため、調停用パルス信号生成回路454b、455bはそれぞれ調停用パルス信号RQCK_D2、調停用パルス信号RQCK_D3の生成を停止する。
【0081】
この状態でメモリアクセスが完了するのを待つ。
そして、メモリアクセスが完了すると、メモリアクセス完了信号CMP(Loアクティブ)が入力されるため、AND回路452bの出力は‘0’となり、AND回路453bには‘1’が入力される。
【0082】
このとき、他のチャネルによるリクエスト信号REQがあれば、AND回路453bにメモリアクセスリクエスト信号ALL_REQが入力されるため、再び調停用パルス信号が生成され、調停が続けられる。
【0083】
この第2の実施の形態のディスプレイ制御回路によれば、第1の実施の形態のディスプレイ制御回路10と同様の効果が得られる。
そして、第2の実施の形態のディスプレイ制御回路によれば、同期化パルスを自己生成し、調停するようにしたので、システムクロックを持たない完全非同期システムにおいても容易かつ確実に調停を行うことができる。
【0084】
ところで、図19に示すように、拡張EDID領域に格納されるデータはCEA861規格で規定される。更にCEA861のデータの中にはHDMI専用の拡張領域が存在する。その拡張領域の中にはチャネル毎に、異なるデータが格納されているアドレス(以下、「データ変更アドレス」と言う)が存在する。
【0085】
図19は、メモリの内部を模式的に示す図である。
図19に示すメモリ37aは、00h(ヘキサ)〜7Fh番地がEDID領域であり、80h〜FFh番地がCEA861領域(HDMI拡張データ含む)である。このメモリ37aの番地のうち、例えば9Bh番地がデータ変更アドレスであった場合、このアドレスにアクセス要求があれば、アクセスされたチャネルを判断(識別)し、データ変更アドレスから読み出されるデータの一部を変更してアクセス元のソースに出力する必要がある。
【0086】
また、データ変更アドレスは固定されているとは限らないため、例えば、初期リセット解除時や、I2Cスレーブアドレスが一致したときや、メモリのチェックサムに書き込みがあった場合等に以下のトレース動作を行って、データ変更アドレスを特定する必要がある。
【0087】
以下、トレース開始アドレスが84h番地(固定)である場合を例にとって説明する。
図20は、トレース動作の具体例を示す図である。
メモリ37aのアドレスは、メモリ37a上に記されたコード番号とバイト長とで表されるポインタによるチェーン構成となっている。具体的にはアドレスに格納されているデータの上位3ビットは、コード番号を示し、下位5ビットはバイト長を示す。上位3ビットが‘011b(バイナリ)’(03h)に一致するデータが存在した場合、そのデータが格納されているアドレスから4h番地後のアドレスがデータ変更アドレスであることが予め決まっている。
【0088】
<1回目>
84h番地に格納されているデータは‘48h’である。‘48h’を2進数で表すと‘01001000b(バイナリ)’であるため、上位3ビットは‘011b(バイナリ)’に一致しない。また、下位5ビットは‘01000b(バイナリ)’=8なので、自身を加えた8バイト+1バイト後のアドレスをトレースする。
【0089】
<2回目>
8バイト後のアドレスは8dh番地であり、8dh番地に格納されているデータは‘25h’である。‘25h’を2進数で表すと‘00100101b(バイナリ)’であるため、上位3ビットは‘011b(バイナリ)’に一致しない。また、下位5ビットは‘00101b(バイナリ)’=5なので、自身を加えた5バイト+1バイト後のアドレスをトレースする。
【0090】
<3回目>
5バイト後のアドレスは93h番地であり、93h番地に格納されているデータは‘83h’である。‘83h’を2進数で表すと‘10000011b(バイナリ)’であるため、上位3ビットは‘011b(バイナリ)’に一致しない。また、下位5ビットは‘00011b(バイナリ)’=3なので、自身を加えた3バイト+1バイト後のアドレスをトレースする。
【0091】
<4回目>
3バイト後のアドレスは97h番地であり、97h番地に格納されているデータは‘65h’である。‘65h’を2進数で表すと‘01100101b(バイナリ)’であるため、上位3ビットが‘011b(バイナリ)’に一致する。ここから4ビット進んだ番地は、9Bh番地であるため、9Bh番地が、データ変更アドレスであることが分かる。
【0092】
その後、9Bh番地にメモリアクセスがあった場合、メモリ37aのデータ変更アドレスから読み出されるデータの一部を変更してアクセス元のソースに出力する。例えばアクセス要求を出力したチャネルがch1の場合‘10h’に変更し、アクセス要求を出力したチャネルがch2の場合‘20h’に変更し、アクセス要求を出力したチャネルがch3の場合‘30h’に変更し、アクセス要求を出力したチャネルがch4の場合‘40h’に変更する。
【0093】
以下、このような機能を備える第3の実施の形態のディスプレイ制御回路について説明する。
以下、第3の実施の形態のディスプレイ制御回路について、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0094】
第3の実施の形態のディスプレイ制御回路は、スレーブデバイス(の構成)が異なり、それ以外は第1の実施の形態と同様である。
図21は、第3の実施の形態のスレーブデバイスを示す回路図である。
【0095】
スレーブデバイス30bは、前述した機能を実現するためのリードデータ置換回路38をさらに有している。
図22は、リードデータ置換回路の構成を示すブロック図である。
【0096】
リードデータ置換回路38は、置換回路38aと、変更アドレス検出回路38bと、イネーブル信号生成回路38cとを有している。
置換回路38aは、アクセス要求のあったアドレス(メモリアクセスアドレス)が、データ変更アドレスか否かを判断する。そして、データ変更アドレスでなければ、メモリアクセスアドレスから読み出したデータをそのまま出力する。一方、データ変更アドレスであれば、メモリアクセスアドレスから読み出したデータ(以下、「変更前リードデータ」と言う)を、置換回路38a内に予め定められたフォーマットに従って、置換(変更)したデータ(以下、「変更後リードデータ」と言う)に置換してアクセス元のソースに送信する。
【0097】
変更アドレス検出回路38bは、トレース動作を行って、データ変更アドレスを特定する回路であり、特定したデータ変更アドレスを置換回路38aに通知する。
イネーブル信号生成回路38cは、変更アドレス検出回路38bを動作させるためのイネーブル信号を生成する。
【0098】
図23は、置換回路の構成を示す回路図である。
置換回路38aは、比較部381a、382aと、ラッチ回路383a、384aと、置換データ記憶部385a、386aと、加算部387aと、置換データ選択部388aとを有している。
【0099】
比較部381a、382aは、それぞれメモリアクセスアドレスが、データ変更アドレスであるか否かを比較対象と比較する。
ここで、比較部381aの比較対象は、変更アドレス検出回路38bから出力されるデータ変更アドレスである。
【0100】
比較部382aの比較対象は、予め指定された(固定の)データ変更アドレス(例えばチェックサム‘FF’)である。
ラッチ回路383a、384aは、それぞれD−FF回路で構成されており、比較部381a、382aからそれぞれ出力される値をラッチする。
【0101】
置換データ記憶部385a、386aは、それぞれチャネル毎の置換用データを記憶している。具体的には、置換データ記憶部385aは、メモリアクセスアドレスが変更アドレス検出回路38bから出力されるデータ変更アドレスに一致した場合に、そのアドレスから読み出した変更前リードデータの上位4ビットを置換する置換用データを記憶しており、入力されるメモリアクセス許可信号ch1_ACT〜ch4_ACTに応じた置換用データを出力する。
【0102】
図20に示した例では、9Bh番地にメモリアクセスがあった場合、9Bh番地の値‘10h’の上位4ビットを置換用データに置換する。メモリアクセス許可信号ch1_ACTが入力された場合(アクセス要求を出力したチャネルがch1の場合)‘10h’に置換し、メモリアクセス許可信号ch2_ACTが入力された場合‘20h’に置換し、メモリアクセス許可信号ch3_ACTが入力された場合‘30h’に置換し、メモリアクセス許可信号ch4_ACTが入力された場合‘40h’に置換する。
【0103】
置換データ記憶部386aは、メモリアクセスアドレスが予め指定されたデータ変更アドレスに一致した場合に、そのアドレスから読み出した変更前リードデータに加算する置換用データを記憶しており、入力されるメモリアクセス許可信号ch1_ACT〜ch4_ACTに応じた置換用データを出力する。
【0104】
加算部387aは、メモリ37aから読み出した変更前リードデータと置換データ記憶部386aが出力した置換用データとを加算して出力する。
置換データ選択部388aは、ラッチ回路383a、384aがラッチしている値に従って、置換データ記憶部385aが出力する値、加算部387aが出力する値、および変更前リードデータのうちのいずれか1つを選択し、変更後リードデータとしてアクセス元のソースに出力する。具体的には、ラッチ回路383aにラッチされている値Aが‘1’であり、ラッチ回路384aにラッチされている値Bが‘0’である場合、加算部387aが出力する値を変更後リードデータとして出力する。ラッチ回路383aにラッチされている値Aが‘0’であり、ラッチ回路384aにラッチされている値Bが‘1’である場合、置換データ記憶部385aが出力する値を変更後リードデータとして出力する。
【0105】
ラッチ回路383aにラッチされている値Aが‘0’であり、ラッチ回路384aにラッチされている値Bも‘0’である場合、変更前リードデータを、そのまま変更後リードデータとして出力する。
【0106】
さらに、後述するアドレス未変更フラグ‘1’が入力された場合も、変更前リードデータを、そのまま変更後リードデータとして出力する。
図24は、変更アドレス検出回路の構成を示す回路図である。
【0107】
変更アドレス検出回路38bは、加算器381bと、イネーブル付きFF回路382bと、加算器383bと、比較部384bと、AND回路385bと、インバータ回路386bと、イネーブル付きFF回路387bと、比較部388bとを有している。
【0108】
加算器381bは、トレースするアドレスから読み出したデータの下位5bit(バイト長)が順次入力され、このデータに、イネーブル付きFF回路382bからフィードバックされた値を加算する。
【0109】
イネーブル付きFF回路382bは、イネーブル信号生成回路38cが生成したシーケンスイネーブル信号をイネーブル入力として、加算器381bが出力した値を出力する。このイネーブル付きFF回路382bの初期値は、トレース開始アドレス(例えば図20では‘84h’)に設定されている。
【0110】
加算器383bは、イネーブル付きFF回路382bが出力した値に‘4h’を加えて出力する。また、‘4h’を加えた値がメモリ37aのアドレス‘FFh’をオーバー(Over Flow)したときに‘1’を出力する。
【0111】
比較部384bには、トレースするアドレスから読み出したデータの上位3ビット(コード番号)が入力される。比較部384bは、入力されたコード番号が‘3h’(011b(バイナリ))である場合、3h検出信号‘1’を出力し、それ以外は‘0’を出力する。
【0112】
AND回路385bは、加算器383bのオーバフロー出力の反転入力と、比較部384bの比較結果との論理積を取る。すなわち、イネーブル付きFF回路382bがラッチした値に‘4h’を加えた値がメモリ37aのアドレス‘FFh’をオーバーしておらず、かつ、読み出したデータのコード番号が‘3h’(011b(バイナリ))である場合に‘1’を出力する。
【0113】
インバータ回路386bは、メモリクロックを反転してイネーブル付きFF回路387bに出力する。
イネーブル付きFF回路387bは、AND回路385bの出力をイネーブル入力とし、インバータ回路386bの出力に同期して加算器383bの加算値を変更アドレスとして出力する。
【0114】
比較部388bは、イネーブル付きFF回路387bの出力と‘00h’とを比較し、一致すればアドレス未変更フラグ‘1’を出力する。
次に、変更アドレス検出回路38bの動作を説明する。
【0115】
加算器381bは、イネーブル付きFF回路387bに予め与えられた初期値に、メモリ37bから読んできたデータのバイト長を順次加算していく。この加算値が次にトレースする(読み出しを行う)アドレスになる。
【0116】
加算器383bは、加算器381bの動作に並行して、加算器381bが出力した値に‘4h’を加算する。
そして、AND回路385bが‘1’を出力すると、イネーブル付きFF回路387bは、加算器383bの加算値を変更アドレスとして出力する。
【0117】
一方、AND回路385bが‘0’を出力すると、387bにデータのラッチが行われず、初期値が00hであるため、比較部388bが、アドレス未変更フラグ‘1’を出力する。
【0118】
図25は、イネーブル信号生成回路の構成を示す回路図である。
イネーブル信号生成回路38cは、D−FF回路381c〜385cとOR回路386cと、インバータ回路387cとを有している。
【0119】
D−FF回路381cのD端子には‘1’が入力され、クロックにはシステムリセット信号が入力される。イネーブル信号生成回路38cは、D−FF回路381cの出力をシーケンスイネーブル信号として出力する。
【0120】
D−FF回路382c〜385cは、シフトレジスタを構成しており、シーケンスイネーブル信号が‘1’のときに、メモリアクセス制御部36からのメモリアクセス完了信号CMPが4回入力されると、D−FF回路385cが‘1’を出力する。
【0121】
OR回路386cは、D−FF回路384cの出力と、変更アドレス検出回路38bの比較部384bの出力とのいずれか一方が‘1’の場合、‘1’を出力する。
次に、イネーブル信号生成回路38cの動作を説明する。
【0122】
D−FF回路381cのクロックにシステムリセット信号‘1’が入力されると、シーケンスイネーブル信号‘1’を出力する。
D−FF回路382c〜385cは、シフトレジスタを構成しているため、メモリアクセス完了信号CMPが4回入力されると、D−FF回路385cが‘1’を出力する。このときインバータ回路387cは、‘0’を出力するため、D−FF回路381c〜385cがリセットされ、シーケンスイネーブル信号が‘0’になる。
【0123】
また、メモリアクセス完了信号CMPが4回入力される前にデータ変更アドレスを発見した場合、3h検出信号‘1’がOR回路386cに入力されるため、OR回路386cが‘1’を出力する。よって、D−FF回路385cが‘1’を出力するため、この場合もシーケンスイネーブル信号が‘0’になる。
【0124】
この第3の実施の形態のディスプレイ制御回路によれば、第1の実施の形態のディスプレイ制御回路10と同様の効果が得られる。
そして、第3の実施の形態のディスプレイ制御回路によれば、さらに、変更アドレス検出回路38bが、データ変更アドレスの検出をシステムリセット解除時(ソース100〜400のメモリアクセス前)等に予め行っておくことにより、ソース100〜400がデータ変更アドレスにメモリアクセスしたときに、アクセスしたチャネルに応じ、変更前リードデータを即座に置換して出力することで、同一メモリの同一アドレスから異なるデータを擬似的に読み出すことができる。また、データ変更アドレスが、変数値でも固定値でもデータの変更を容易に行うことができる。
【0125】
また、データ内にチェックサムを示すバイトがあった場合等は、固定の置換データによって書き替えられる分の差分を演算することにより、置き換えを行うことができる。
また、トレースによるバイト長の加算値がメモリ範囲をオーバーした場合や、コード番号が一度も一致しなかった場合等は異常データとみなし、アドレスの置換を行わないようにすることもできる。
【0126】
ところで、前述したようにデータ変更アドレスは固定されているとは限らないため、メモリ37aにデータを書き込むことによりポインタの変更が発生した場合、データ変更アドレスが意図したものと異なってしまう。そのため、その動作をトリガとして、データ変更アドレスの再トレースを行う必要がある。以下、再トレースを行う機能を備える第4の実施の形態のディスプレイ制御回路について説明する。
【0127】
以下、第4の実施の形態のディスプレイ制御回路について、前述した第3の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4の実施の形態のディスプレイ制御回路は、チャネル調停制御部(の構成)が異なり、それ以外は第3の実施の形態と同様である。
【0128】
図26は、第4の実施の形態のリードデータ置換回路を示す回路図である。
リードデータ置換回路39は、イネーブル信号生成回路38cの構成を一部変更したイネーブル信号生成回路38eを有し、さらにデータ変更アドレス更新回路38dを有している。このデータ変更アドレス更新回路38dは、ソース100〜400がメモリ37aに書き込みを行ったことによりポインタの変更が発生した場合、データ変更アドレスを、チェックサムの書き込み時に更新する。
【0129】
図27は、データ変更アドレス更新回路の構成を示す回路図である。
データ変更アドレス更新回路38dは、チェックサムを示すバイトの書き込みが行われたことを示すチェックサム書き込みフラグを生成する回路であり、比較部381dと、AND回路382dと、D−FF回路383d、384dと、インバータ回路385d、386dとを有している。
【0130】
比較部381dは、メモリアクセスアドレスと、チェックサムを示すメモリアドレス()とを比較し、一致した場合‘1’を出力する。
AND回路382dは、比較部381dの出力と、メモリ37aのライトイネーブル信号(Loアクティブ)の反転入力との論理積を取る。
【0131】
この回路の動作を説明する。
メモリアクセスアドレスが‘FFh’であり、メモリのライトイネーブル信号が‘0’の場合、AND回路382dは‘1’を出力する。これにより、D−FF回路383dがメモリクロック入力に同期して動作し、‘1’を出力する。従って、チェックサム書き込みフラグが‘1’になる。
【0132】
その後、D−FF回路384dが遅れて‘1’を出力し、インバータ回路386dによる反転出力‘0’がD−FF回路383d、384dのリセット端子に入力されることでD−FF回路383d、384dの出力がいずれも‘0’になる。従って、チェックサム書き込みフラグが‘0’になる。
【0133】
図28は、第4の実施の形態のイネーブル信号生成回路の構成を示す回路図である。
イネーブル信号生成回路38eは、D−FF回路381の前段にシステムリセット信号とチェックサム書き込みフラグとの論理和を取るOR回路387cを有している。従って、システムリセット信号とチェックサム書き込みフラグとのうちのいずれか一方が‘1’になることで、イネーブル信号生成回路38eは、シーケンスイネーブル信号を出力する。
【0134】
この第4の実施の形態のディスプレイ制御回路によれば、第3の実施の形態のディスプレイ制御回路と同様の効果が得られる。
そして、第4の実施の形態のディスプレイ制御回路によれば、さらに、ポインタの更新等が生じたときに、チェックサムの書き込み動作をトリガとして、データ変更アドレスの再トレースを行うようにしたので、ユーザがデータ変更アドレスを意識することなく(ユーザが新たなデータ変更アドレスを指定したり、更新を行うシーケンスを実行したりすることなく)、データ変更アドレスを更新することができる。
【0135】
なお、本実施の形態では、データ変更アドレス更新回路38dは、チェックサムの書き込み動作をトリガとして、データ変更アドレスの再トレースを行うようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば初期リセットが解除されたときにデータ変更アドレスの再トレースを行うようにしてもよいし、I2Cスレーブアドレスが一致したときにデータ変更アドレスの再トレースを行うようにしてもよい。
【0136】
以上、本発明のディスプレイ制御回路およびディスプレイ装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0137】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
(付記1) 複数のマスタとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りするディスプレイ制御回路において、
前記属性情報を格納するメモリと、
前記マスタの前記メモリへのアクセス要求を受け付ける複数のチャネルと、
ハードウエアで構成され、前記各チャネルが受け付けた前記アクセス要求を調停し、選択した1つの前記アクセス要求の前記メモリへのアクセスを許可する調停制御部と、
を有することを特徴とするディスプレイ制御回路。
【0138】
(付記2) 前記アクセス要求を受け付けた前記チャネルにより前記アクセス要求の優先度が定まり、前記調停制御部は、前記優先度に基づいて前記アクセス要求を調停することを特徴とする付記1記載のディスプレイ制御回路。
【0139】
(付記3) 前記調停制御部は、前記各チャネルに対応してそれぞれ設けられる複数の調停回路を有し、
前記各調停回路は、それぞれ当該調停回路に入力される前記アクセス要求の優先度より高い優先度の前記アクセス要求が入力される調停回路に前記アクセス要求が無く、かつ、当該調停回路に入力される前記アクセス要求の優先度より低い優先度の前記アクセス要求が入力される調停回路が前記メモリへのアクセスを行っていないとき、前記メモリへのアクセス権を獲得することを特徴とする付記2記載のディスプレイ制御回路。
【0140】
(付記4) 前記各調停回路は、それぞれ、より高い優先度の前記アクセス要求が入力される前記調停回路の前記アクセス要求の有無と、より低い優先度の前記アクセス要求が入力される前記調停回路の前記メモリへのアクセス状況のみを監視して前記メモリへのアクセス権を獲得できたか否かを判断することを特徴とする付記3記載のディスプレイ制御回路。
【0141】
(付記5) 前記調停回路は、前記アクセス要求があった所定時間後に前記アクセス要求を他の前記調停回路の前記アクセス要求の有無および前記メモリへのアクセス状況と比較することを特徴とする付記3記載のディスプレイ制御回路。
【0142】
(付記6) 前記調停制御部は、いずれかの前記チャネルが受け付けた前記アクセス要求を非同期に受け付ける受付回路と、
前記アクセス要求に応じて入力される第1の調停用パルスにて、前記アクセス要求の同期を取る複数のラッチ回路と、
前記各ラッチ回路にラッチされている値に基づいて調停を行う調停部と、
第2の調停用パルスにて前記調停部により調停された1つの前記アクセス要求を確定する同期回路と、
を有することを特徴とする付記2記載のディスプレイ制御回路。
【0143】
(付記7) 前記調停制御部は、前記アクセス要求を遅延させて前記第1の調停用パルスを生成し、前記第1の調停用パルスを遅延させて前記第2の調停用パルスを生成する調停用パルス生成回路をさらに有することを特徴とする付記6記載のディスプレイ制御回路。
【0144】
(付記8) 前記アクセス要求先のアドレスが、前記アドレスに格納されているデータの変更が必要なアドレスに一致するか否かを比較する比較部と、
前記比較部の比較によって一致した前記アドレスの前記データを置換して出力する置換部とをさらに有することを特徴とする付記1記載のディスプレイ制御回路。
【0145】
(付記9) 前記置換部は、前記マスタに応じて予め用意された置換データを記憶する記憶部を有し、前記置換データに基づいて、前記データを置換することを特徴とする付記8記載のディスプレイ制御回路。
【0146】
(付記10) 前記データの変更が必要なアドレスは、コード番号とバイト長とで示されるポインタによるチェーン構成をなしており、
前記比較部は、チェーンをトレースして前記データの変更が必要なアドレスを求め、保持することを特徴とする付記8記載のディスプレイ制御回路。
【0147】
(付記11) 前記メモリのチェックサムを示すアドレスへの書き込みが行われたか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断をトリガにして前記チェーンを再トレースすることを特徴とする付記10記載のディスプレイ制御回路。
【0148】
(付記12) 複数のマスタとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りするディスプレイ装置において、
前記属性情報を格納するメモリと、前記マスタの前記メモリへのアクセス要求を受け付ける複数のチャネルと、ハードウエアで構成され、前記各チャネルが受け付けた前記アクセス要求を調停し、選択した1つの前記アクセス要求の前記メモリへのアクセスを許可する調停制御部と、を備えるディスプレイ制御回路、
を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】実施の形態のディスプレイ制御回路を示す回路図である。
【図3】実施の形態のスレーブデバイスを示すブロック図である。
【図4】チャネル調停制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】調停回路の構成を示す回路図である。
【図6】調停回路の動作を示す図である。
【図7】他の調停回路の構成を示す図である。
【図8】他の調停回路の構成を示す図である。
【図9】他の調停回路の構成を示す図である。
【図10】調停回路の動作の具体例を示す図である。
【図11】調停回路の動作の具体例を示す図である。
【図12】調停回路の動作の具体例を示す図である。
【図13】調停回路の動作の具体例を示す図である。
【図14】調停回路の動作の具体例を示す図である。
【図15】調停回路の動作の具体例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態のスレーブデバイスを示す回路図である。
【図17】第2の実施の形態の調停回路を示す回路図である。
【図18】調停用パルス生成回路を示す回路図である。
【図19】メモリの内部を模式的に示す図である。
【図20】トレース動作の具体例を示す図である。
【図21】第3の実施の形態のスレーブデバイスを示す回路図である。
【図22】リードデータ置換回路の構成を示すブロック図である。
【図23】置換回路の構成を示す回路図である。
【図24】変更アドレス検出回路の構成を示す回路図である。
【図25】イネーブル信号生成回路の構成を示す回路図である。
【図26】第4の実施の形態のリードデータ置換回路を示す回路図である。
【図27】データ変更アドレス更新回路の構成を示す回路図である。
【図28】第4の実施の形態のイネーブル信号生成回路の構成を示す回路図である。
【図29】従来のディスプレイ制御回路の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0150】
1、10 ディスプレイ制御回路
2a、2b マスタ
3、37、37a、37b メモリ
4a、4b チャネル
5 調停制御部
20a、20b、20c HDMIコネクタ
20d DVIコネクタ
30、30a、30b スレーブデバイス
31〜34 シーケンス制御部
35、45 チャネル調停制御部
35a、35b、35c、35d、45a 調停回路
36 メモリアクセス制御部
38、39 リードデータ置換回路
38a 置換回路
381a、382a 比較部
383a、384a ラッチ回路
385a、386a 置換データ記憶部
388a 置換データ選択部
38b 変更アドレス検出回路
38c、38e イネーブル信号生成回路
38d データ変更アドレス更新回路
451a リクエスト受付部
453a ラッチ回路
454a 調停部
455a 同期回路
45b 調停用パルス生成回路
100〜400 ソース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマスタとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りするディスプレイ制御回路において、
前記属性情報を格納するメモリと、
前記マスタの前記メモリへのアクセス要求を受け付ける複数のチャネルと、
ハードウエアで構成され、前記各チャネルが受け付けた前記アクセス要求を調停し、選択した1つの前記アクセス要求の前記メモリへのアクセスを許可する調停制御部と、
を有することを特徴とするディスプレイ制御回路。
【請求項2】
前記アクセス要求を受け付けた前記チャネルにより前記アクセス要求の優先度が定まり、前記調停制御部は、前記優先度に基づいて前記アクセス要求を調停することを特徴とする請求項1記載のディスプレイ制御回路。
【請求項3】
前記調停制御部は、前記各チャネルに対応してそれぞれ設けられる複数の調停回路を有し、
前記各調停回路は、それぞれ当該調停回路に入力される前記アクセス要求の優先度より高い優先度の前記アクセス要求が入力される調停回路に前記アクセス要求が無く、かつ、当該調停回路に入力される前記アクセス要求の優先度より低い優先度の前記アクセス要求が入力される調停回路が前記メモリへのアクセスを行っていないとき、前記メモリへのアクセス権を獲得することを特徴とする請求項2記載のディスプレイ制御回路。
【請求項4】
前記各調停回路は、それぞれ、より高い優先度の前記アクセス要求が入力される前記調停回路の前記アクセス要求の有無と、より低い優先度の前記アクセス要求が入力される前記調停回路の前記メモリへのアクセス状況のみを監視して前記メモリへのアクセス権を獲得できたか否かを判断することを特徴とする請求項3記載のディスプレイ制御回路。
【請求項5】
前記調停回路は、前記アクセス要求があった所定時間後に前記アクセス要求を他の前記調停回路の前記アクセス要求の有無および前記メモリへのアクセス状況と比較することを特徴とする請求項3記載のディスプレイ制御回路。
【請求項6】
前記調停制御部は、いずれかの前記チャネルが受け付けた前記アクセス要求を非同期に受け付ける受付回路と、
前記アクセス要求に応じて入力される第1の調停用パルスにて、前記アクセス要求の同期を取る複数のラッチ回路と、
前記各ラッチ回路にラッチされている値に基づいて調停を行う調停部と、
第2の調停用パルスにて前記調停部により調停された1つの前記アクセス要求を確定する同期回路と、
を有することを特徴とする請求項2記載のディスプレイ制御回路。
【請求項7】
前記アクセス要求先のアドレスが、前記アドレスに格納されているデータの変更が必要なアドレスに一致するか否かを比較する比較部と、
前記比較部の比較によって一致した前記アドレスの前記データを置換して出力する置換部とをさらに有することを特徴とする請求項1記載のディスプレイ制御回路。
【請求項8】
前記データの変更が必要なアドレスは、コード番号とバイト長とで示されるポインタによるチェーン構成をなしており、
前記比較部は、チェーンをトレースして前記データの変更が必要なアドレスを求め、保持することを特徴とする請求項7記載のディスプレイ制御回路。
【請求項9】
前記メモリのチェックサムを示すアドレスへの書き込みが行われたか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断をトリガにして前記チェーンを再トレースすることを特徴とする請求項8記載のディスプレイ制御回路。
【請求項10】
複数のマスタとの間でディスプレイに画像を表示する条件を規定した属性情報をやり取りするディスプレイ装置において、
前記属性情報を格納するメモリと、前記マスタの前記メモリへのアクセス要求を受け付ける複数のチャネルと、ハードウエアで構成され、前記各チャネルが受け付けた前記アクセス要求を調停し、選択した1つの前記アクセス要求の前記メモリへのアクセスを許可する調停制御部と、を備えるディスプレイ制御回路、
を有することを特徴とするディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2008−310145(P2008−310145A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158925(P2007−158925)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【出願人】(000237606)富士通エレクトロニクス株式会社 (22)
【Fターム(参考)】