説明

デジタル放送受信システムの制御方法、デジタル放送受信システム、およびデジタル放送受信システムの制御プログラム

【課題】デジタルテレビ放送のEPG情報などから得られる番組データと、放送データの印刷履歴を関連づけた便利なユーザーインターフェースにより、ユーザが能率的に目的の番組を探すことができるようにする。
【解決手段】プリンタ部12で印刷した放送データの印刷条件データ、あるいはさらに放送データに関連する番組データに関する印刷履歴データをメモリ3に記憶する。EPGデータとして取得した番組データから、印刷履歴データに基づき、過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データを検出する。取得した番組データを番組表として表示する際、番組表中の過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データは、当該の過去に印刷したことのある番組の印刷履歴データと関連づけて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組データを取得する番組データ取得手段と、受信したデジタル放送の放送データを印刷する印刷手段を有するデジタル放送受信システムの制御方法、デジタル放送受信システム、およびデジタル放送受信システムの制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、衛星/地上波デジタル放送の普及が進みつつあり、多チャンネル化とともに、番組、コンテンツの数の増加が加速している。これにともない、旧来のように新聞や雑誌のテレビ欄などにより視聴/録画計画を管理するのが困難になりつつある。
【0003】
かわりに、放送波やインターネットを介して提供されるEPG(電子番組表)を用いて、視聴/録画計画を管理できるようになってきた。この種の電子番組表によれば、ユーザは番組ジャンル、放送局、放送時間、番組情報、視聴履歴や、様々なキーワードを用い、所望の番組を検索することができる。
【0004】
また、デジタル放送のデータ放送により、番組製作者側の提供によって様々な情報をユーザは得ることが可能であり、また、ただ見るだけでなくデジタル放送の放送データを印刷するというユーザも増加している。
【0005】
テレビジョン画像やデータ放送を印刷するための構成(たとえば下記の特許文献1および2)は既に提案され、実用化も進んでいる。
【0006】
たとえば、放送データの印刷機能により、料理番組では詳細なレシピ、ニュース番組であれば新聞のようなものを印刷することが可能であり、ユーザあるいは情報提供者の双方に多大なメリットをもたらす。プリンタあるいはプリンタを含む視聴システムハードウェア/ソフトウェア側の対応は、発展途上といえるが、今後はテレビを見ながら印刷するという場面が増加してくると容易に想像できる。
【特許文献1】特開2001−111923号公報
【特許文献2】特開2003−209797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
EPG(電子番組表)情報は、放送波やインターネットサイトから提供されるもので、番組の日時やコンテンツに関する種々の情報を含み、また、視聴システムのEPG画面を介して所望の番組の視聴や録画を予約するような機能が提供される。さらに、この種の視聴システムでは、ユーザの視聴履歴、キーワード検索、ジャンル検索やソートも可能である。
【0008】
しかしながら、従来では、印刷情報を元にしたソートや印刷履歴を用いた番組検索は考えられていない。たとえば毎週、趣味の番組に連動するデータ放送を印刷している場合、毎回キーワード検索や視聴履歴から引き出すのでは作業が煩雑になる場合がある。
【0009】
1週間前の番組を視聴履歴から検索すると、毎日デジタルTVを視聴していた場合、視聴した番組が多く特定するのに時間を要する。キーワード検索においても今後も多チャンネル化が進むデジタル放送において所望の番組の特定に時間を要する場合が増えてくると考えられる。
【0010】
また、現在のデジタルTVからの印刷では、通常のプリンタの印刷履歴の閲覧などは不可能ではないが、印刷した番組に関する情報は履歴情報として残っておらず、どのような番組を印刷したかが分かりにくいという問題点があった。
【0011】
また、放送に同期して送られてくる(あるいはインターネットなどから連動して提供される)データは可変であり、時間が立てば消えてしまう。かつて、印刷したものをもう一度印刷しようとしても、二度と同じ印刷物を印刷することはできない。
【0012】
上記のような事情を考慮すると、番組を検索する際に印刷履歴情報を元にした番組表を用いることができれば便利であると考えられる。また、印刷履歴情報に印刷した番組の属性情報を記憶しておけば、印刷した番組の詳細な内容まで確認することが出来て便利である。また、印刷データを保存しておき、ユーザが印刷履歴を元に焼き増し印刷を行なうことを可能にするなどの活用方法も考えられる。
【0013】
本発明の課題は、上記の問題に鑑み、デジタルテレビ放送のEPG情報などから得られる番組データと、放送データの印刷履歴を関連づけた便利なユーザーインターフェースにより、ユーザが能率的に目的の番組を探すことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題を解決するため、本発明では、番組データを取得する番組データ取得手段と、受信したデジタル放送の放送データを印刷する印刷手段を有するデジタル放送受信システムの制御方法、デジタル放送受信システム、およびデジタル放送受信システムの制御プログラムにおいて、前記印刷手段で印刷した放送データの印刷条件データ、あるいはさらに放送データに関連する番組データに関する印刷履歴データを記憶し、前記番組データ取得手段で取得した番組データから、前記印刷履歴データに基づき、過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データを検出し、前記番組データ取得手段で取得した番組データを番組表として出力する際、番組表中の前記の過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データは、当該の過去に印刷したことのある番組の印刷履歴データと関連づけて出力する構成を採用した。
【発明の効果】
【0015】
上記構成によれば、取得した番組データを番組表として出力する際、番組表中の前記の過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データは、当該の過去に印刷したことのある番組の印刷履歴データと関連づけて出力する。すなわち、データ記憶手段の印刷履歴データと未来の番組の番組情報から番組表を作成し、作成された番組表を出力するようにしているので、番組データと、放送データの印刷履歴を関連づけた便利な番組表を出力することができる。
【0016】
本発明によれば、たとえば、番組表と印刷履歴を関連づけることにより、番組表表示から印刷履歴表示へ、また印刷履歴表示から番組表表示へ行き来できるユーザーインターフェースを提供でき、目的の番組/印刷履歴を容易に見つけだすことができる。
【0017】
さらに、印刷履歴データの表示出力に際しては、印刷履歴データのソート、検索、または絞り込みを行なうためのユーザーインターフェース、番組の印刷履歴データをより詳細に出力させるためのユーザーインターフェース、過去に印刷したことのある放送データを再印刷するためのユーザーインターフェース、あるいは過去に印刷したことのある放送データをプレビュー表示するためのユーザーインターフェースなどを含む便利なユーザーインターフェースを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、発明を実施するための最良の形態の一例として、デジタルTV放送受信装置に関する実施例を示す。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明を採用したデジタルTV放送受信装置の構成を示している。図1のデジタルTV放送受信装置は、便宜上、1つの装置として図示しているが、下記の構成部材が一体の筐体に収容されているか否かなどによって本発明は限定されるものではない。
【0020】
図1の構成に関し、まず放送波の流れに沿って各部材を説明する。図1の各ブロックは共通のバスに接続されている。
【0021】
図1において、不図示のアンテナ(あるいはCATVケーブル)により受信された信号はチューナー部1に入力される。チューナー部1は、入力された信号に対して、復調、誤り訂正等の処理を施し、トランスポートストリームと呼ばれる形式のデジタルデータ(TSデータ)を生成し、デマルチプレクサ2に出力する。
【0022】
デマルチプレクサ2は、入力された複数チャンネル分の映像データD1、音声データD2、およびEPGデータD3などが時分割多重化されているTSデータを入力する。そして、選局された番組に係る映像データD1および音声データD2を取り出し、それぞれをビデオデコーダ4、およびオーディオデコーダ5に出力する。チャンネル選局は、操作部14またはリモコン16のユーザ操作により制御される。
【0023】
デマルチプレクサ2は、前述のTSデータよりEPGデータD3を取り出し、メモリ3に出力する。メモリ3は、デマルチプレクサ2から出力されるEPGデータD3を記憶する。
【0024】
なお、メモリ3を構成するメモリデバイスは、その記憶領域の用途ごとに異なるものであってよい。たとえば、EPGデータや後述の印刷履歴データを記憶する領域は、RAMなどで構成する他、不揮発ROMやHDDなどで構成してもよい。
【0025】
モデム17は通常の放送データに多重してくるEPGデータでは無く、インターネット(あるいは他のネットワーク)経由でEPGデータ取得する方式を用いる場合に対応するために設けられている。
【0026】
TS(トランスポートストリーム)データはパケット単位で伝送され、パケットの先頭部分には、PID(Packet Identification)が付加されている。デマルチプレクサ2は、このPIDを読み取ることで、映像データD1、音声データD2、およびEPGデータD3の識別を行なう。
【0027】
映像データについて説明する。ビデオデコーダ4は、デマルチプレクサ2より入力された映像データD1に対して、MPEG2のデコード処理を行ない、復号した映像データを表示制御部8に出力する。
【0028】
表示制御部8は、ビデオデコーダ4、画面構成部7から入力された映像データを操作部14またはリモコン16の操作に応じて画面を切り換えたり、多重したりして画像表示部10に表示させる。
【0029】
画像表示部10は、不図示のモニタおよび映像信号入力端子を含み、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ、CRTなどの表示デバイスを用いて構成される。
【0030】
画面構成部7は、時分割多重化されて伝送される映像データD1、音声データD2、およびデジタル放送データ(EPGデータD3など)を多重的に画像表示部10で表示する画面データを構成する。後述の各表示画面の画面構成は、この画面構成部7により行なわれる。
【0031】
音声データの処理経路は次のように構成されている。
【0032】
オーディオデコーダ5は、デマルチプレクサ2より入力された音声データD2に対して、MPEG2のデコード処理を施し、復号した音声データをDAC9に出力する。DAC9は、オーディオデコーダ5より入力された音声データに対して、D/A変換の処理を施し、音声出力部11に出力する。音声出力部11は、増幅器、スピーカ、音声信号入力端子などから構成される。
【0033】
次に、EPGデータについて説明する。EPGを構成するのに必要なデータは、「IEC13818−1 MPEG2 SYSTEM」や社団法人 電波産業会(通称ARIB)における標準規格「ディジタル放送に使用する番組陳列情報」等で規定されるデータ構造でデジタル放送データとして伝送される。ただし、EPGデータは放送波以外のインターネットなどの他の経路によっても伝送される。
【0034】
EPGデータは主要な構成データとして、編成チャンネルの名称、放送事業者の名称など、編成チャンネルに関する情報を伝送するSDT(Service Description Table)、ブーケ(編成チャンネルの集合)の名称、含まれる編成チャンネルなど、ブーケに関する情報を伝送するBAT(Bouquet Association Table)を含む。また、EPGデータは番組の名称、放送開始日時、内容の説明など、番組に関する情報を伝送するEIT(Event Information Table)、現在の日付、時刻の情報を伝送するTDT(Time Date Table)なども含む。
【0035】
操作部14またはリモコン16において、EPGを表示させるための操作がなされると、操作部14からのEPG表示指示、または受光部13により受信したリモコン16からのEPG表示指示が、システム制御部15に入力される。
【0036】
システム制御部15は、CPU、ROM、RAMなどから構成される。システム制御部15は、操作部14またはリモコン16の操作に応じて、チューナ部1、デマルチプレクサ2、各デコーダ部4〜6、画面構成部7、表示制御部8、DAC9、プリンタ部12を制御する。
【0037】
システム制御部15は、操作部14または受光部13からのEPG表示指示が入力された場合に、メモリ3より必要な情報を読み出し、EPGデコーダ6に出力する。EPGデコーダ6は、EPGデータD3に対してデコード処理を施し、復号されたEPGデータD4を画面構成部7に出力する。
【0038】
画面構成部7は、EPGデコーダ6より入力したEPGデータD4に基づいて、EPG画面を構成するためのキャラクタ信号を表示制御部8に出力する。表示制御部8は前述のように映像画面、EPG画面等の切り換え表示を行なうよう画像表示部10に対して映像信号を出力する。
【0039】
また、画面構成部7は、操作部14またはリモコン16の操作に応じて、ユーザ操作を支援する画面を作成し、表示制御部8に出力する。
【0040】
ここで、リモコン16の一例を図7に示す。ただし、図7では、本実施例の操作に必要なボタンのみを示しており、実際の受信装置では他の操作ボタンが設けられていてよいのはいうまでもない。また、図7のようなリモコン16の他、マウスなどのポインティングデバイスにより同等の操作機能を実現できるのはいうまでもない。
【0041】
図7において、符号18は電源をON/OFFするための電源キー、20〜23は選択カーソルを上下左右に移動させるためのカーソルキー、19は選択カーソルによって指定されている領域選択の決定を行なうための決定ボタン、25はチャンネル番号を入力するためのテンキー、24は印刷を指示する印刷ボタン、26はデータ放送表示切替用のボタンである。
【0042】
本実施例のデジタル放送受信装置は、次のような構成要素を少なくとも含む。これらの構成要素は、上記の各構成部材、あるいはシステム制御部15の制御ソフトウェアにより構成される。
【0043】
(a)放送データ印刷におけるユーザの印刷設定、印刷部数等の印刷履歴データを記憶する印刷履歴記憶手段。
【0044】
(b)印刷した放送データ/番組に関する情報、印刷した放送データないし生成された印刷データ、あるいはさらに該番組情報と印刷履歴を関連付けたポインタ(リンク)データを記憶するデータ記憶手段。
【0045】
(c)データ記憶手段の印刷履歴データと未来の番組の番組情報から番組表を作成する番組表作成手段。
【0046】
(d)作成された番組表を出力する番組表出力手段。
【0047】
次に、図2以降を参照して、上記構成における動作につき説明する。ここでは特に、印刷履歴データ作成時のシステム制御部15の動作について詳細に説明する。
【0048】
図5は番組印刷時のシステム制御部15の動作を示すフローチャートである。
【0049】
図5のステップF1において、ユーザが操作部14またはリモコン16の操作により印刷指示を行なうとステップF2へ進み、ユーザの操作部14およびリモコン16で行なった印刷指示の内容がシステム制御部15へ送られる。
【0050】
ステップF2では、この印刷指示に応じて印刷履歴データを作成し、メモリ3に格納する。
【0051】
印刷履歴データには次のような情報を含める。
【0052】
・前もって行なわれた印刷設定により選択された印刷部数、印刷品位などの印刷設定情報
・印刷指示が発行された印刷開始時刻
・印刷指示の対象の番組に関する情報
・印刷終了時のプリンタ部のステータス情報
上記の印刷指示の対象の番組に関する情報に関しては、たとえば、印刷対象として選択された番組の詳細情報(EPGデータ)をチューナ部1を制御して順次チューニングを行ない、デマルチプレクサ2を介して局別EPGデータより取得する。あるいはEPGデータはインターネットなど他の経路から取得してもよい。そして、取得した番組のEPGデータをそのまま印刷履歴データに含めるか、あるいは他の記憶場所に格納されたEPGデータへのポインタを印刷履歴データに格納する。
【0053】
なお、ここで、放送波から取得する局別EPGデータとは、局ごとに自分のチャンネルで伝送する詳細な番組情報であり、これに対し、いわゆる新聞のテレビ・ラジオ欄に記載されているような最低限の番組情報は、各局共通の情報としてすべての局から同じ内容を伝送している。
【0054】
続いて、ステップF3において、受信したデジタル放送データから、この放送データをプリンタ部12で印刷出力するためのプリントデータを作成する。このとき、印刷用ビットマップデータを作成すると同時に印刷レイアウト処理も行なわれる。印刷レイアウト処理とは指定された用紙にきちんと情報が印刷できるよう、情報の並びを変えたり、フォントの大きさや文字列の長さを調整したりするものであり、また、ユーザが見やすいよう見出しや印刷日時を加える処理も行なう。
【0055】
ステップF4では、ステップF3で作成されたプリントデータをプリンタ部12へ出力し、ステップF5では印刷終了がプリンタ部12から通知される。このとき、印刷結果に関する情報、たとえば正常終了、エラー終了などのステータス情報がプリンタ部12から通知される。また、プリンタ部12から通知されるステータス情報には印刷にかかった時間、印刷終了時刻などの印刷後の印刷情報メモリ内の情報が含まれるが、これらのデータも印刷履歴データに付加し、メモリに格納する。
【0056】
また、ステップF3で作成されたプリントデータ、あるいはその元になった放送データは、後述する再印刷に対応できるよう、メモリ3に格納しておく。このために用いられるメモリ領域は、HDDなどのデバイスを用いるのが都合がよい。PDLやビットマップで表現されたプリントデータを格納する場合は、適当な形式でデータ圧縮を行なった上、圧縮ファイルとして格納するとよい。
【0057】
元の放送データを格納する場合、この種のデータはテキスト形式やXML形式のように比較的低容量であることが多く、また画像データの場合はJPEGなど既に圧縮されたデータであるので、必ずしも格納に際して圧縮する必要はない。しかし、この場合でもデータ圧縮を行なってよいのはいうまでもない。
【0058】
以上のようにして、ユーザからデジタル放送番組の放送データの印刷指示を受け取り、指定された印刷を行なうとともに、元の放送データないし印刷データを保存し、さらにその印刷に関する種々の印刷履歴データを作成し、メモリに格納する。
【0059】
元の放送データ/印刷データおよび印刷履歴データは、デジタル放送番組の放送データの印刷が行なわれるたびに作成され、メモリに格納されていく。
【0060】
本実施例では、上記のようにして作成した印刷履歴データを用いて番組表を作成する。この番組表作成はたとえば、図6のような手順で行なうことができる。
【0061】
図6のステップG1において、操作部14/リモコン16の操作によりユーザが番組表作成指示を行なうと、ステップG2以降の処理を行なう。
【0062】
この番組表作成は、受信可能な放送局全てについて行なってもよいし、あるいは、操作部14/リモコン16の操作によりユーザが指定した局(単数/複数)についてのみ行なうことが考えられる。
【0063】
ステップG2では、チューナ部1を制御して番組表作成対象の放送局に対し、順次チューニングを行い、デマルチプレクサ2を介して局別EPGデータ、もしくは共通番組情報を取得しメモリ3に保存する。
【0064】
ステップG3では、ステップG2で取得したEPGデータと、前述のようにしてメモリに保存した過去の印刷履歴データを比較し、印刷したことがある番組と同一の番組があるか否かを解析する。
【0065】
取得したEPGデータ中の番組から同一番組を検出しておけば、後述の番組表出力の際に、未来の(これから放送される)番組について、印刷履歴が存在することを表示できる。
【0066】
ここで、同一番組というのは、毎日、毎週、毎月のように同じ放送局からシリーズで放送される(同一企画の)番組のことである。たとえば、印刷履歴データにかつて印刷した番組Aがあり、番組名が「ゴルフ6」、放送時間が18:00〜18:30であり、ジャンルが趣味であり、放送日が10月10日(金曜日)でありチャンネル番号が12だったとする。この種の番組は、同一タイトル(番組名)で、毎週、(ほぼ)同一の放送時間帯に放送されることが多い。
【0067】
そこで、ステップG3で、EPGデータ中の未来の番組と、印刷履歴データ中の印刷済みの番組が同じ番組であるか否かを判断する方法としては、たとえば、番組名(タイトル)、放送時間、チャンネルなどの属性が同一であるか否かを判定することが考えられる。
【0068】
ただし本発明は、この「同一」番組の比較方法に限定されるものではなく、番組名のみの一致などより緩い条件で同一性を判定してもよいし、番組名(タイトル)、放送時間、チャンネルなどのうちユーザが操作部14/リモコン16で指定した一致条件のみを同一性の判定に用いるようにしてもよい。もちろん、他に同一番組の検出に適した手法があればそれを用いてもよい。
【0069】
図6のステップG4では、EPGデータより取得した情報に基づいて作成された番組表に加え、取得した複数日分の各局のEPGデータと印刷履歴データを比較して、前述した判断方法で同一の番組と判定された番組に対して番組表データを作成する。そして、この番組表データから画面構成部7により印刷済みの情報を加えた番組表画面を作成し、画像表示部10で表示させる。
【0070】
この番組表は図2のようなフォーマットが考えられる。また、図2の番組表から図3、図4に示すような種々の情報表示を行なうことが考えられる。
【0071】
図2の番組表120は、いわゆるEPG表示画面で、同一チャンネルごとに番組を経時的に配列した表形式のフォーマットを有している(新聞などのテレビ欄と同様)。
【0072】
番組表120は、たとえば、当日(今日)の番組をEPGデータからリストして表示する。もちろん、当日(今日)の特定の時間帯の番組のみを表示したり、取得したEPGデータで可能であれば、未来/過去の任意の日付/時間帯の番組を表示するようにしてもよい。
【0073】
図2では、番組表120中には簡略化のため、1番組のみ番組欄を図示してある。図示のようにこの番組欄内には、番組タイトル、出演者などの番組情報が表示される。
【0074】
さらに、本実施例では、図6のステップG3で検出した過去に印刷したことがあるものと同一の番組については、印刷履歴データが存在することを示す印刷履歴マーク124を表示している。なお、印刷履歴マーク124のかわりに、印刷履歴中の印刷日時など文字列(番組欄の表示スペースに収めるため、要約した文字列でもよい)を表示してもよい。
【0075】
番組表120を画像表示部10で表示させた上、操作部14またはリモコン16の上下方向のカーソルボタン(図7の20〜23)を押下し不図示のカーソルやポインタを移動させる。そして、所望の位置で決定ボタン(図7の19)を操作し、選択することにより、番組表120中の所定位置に関係づけられた機能を実行することができる(このような操作方式は、後述の図3、図4においても同様とする)。
【0076】
番組表120中の所定位置と機能との対応づけはたとえばボタン表示により行なうことができる。図2の番組表120には、印刷履歴表示ボタン121を設けてある。また、番組表120中、所定位置の番組欄それ自体を選択することにより、当該番組の視聴/録画/印刷などを予約できるようにしておいてもよい。
【0077】
図2の印刷履歴表示ボタン121を操作部14/リモコン16で操作することによって、図4に示すような印刷履歴表示を行なわせることができる。
【0078】
図4の印刷履歴表示画面140は、たとえば、印刷履歴データより、日付、番組タイトル、詳細情報を取得し、作成される。
【0079】
この印刷履歴表示画面140にどの番組を表示するかは、任意であるが、たとえば印刷履歴データの残っている番組を全て印刷履歴表示画面140にリストすることが1つ考えられる。
【0080】
また、図2の番組欄で、印刷履歴マーク124の付与されている番組を何らかの方法でユーザが選択した上で印刷履歴表示ボタン121を操作する、といった特定の操作が行なわれた場合に、当該番組と「同一」の番組のみを印刷履歴データから検索して表示するようにしてもよい。
【0081】
また、図2の番組欄で表示中の番組の印刷履歴マーク124の付与されている番組のみを印刷履歴表示画面140でリストしてもよい。
【0082】
いずれにしても、図2のような構成では、少なくとも図2の番組欄で表示中の番組の印刷履歴マーク124の付与されている番組は印刷履歴表示画面140でリストするのが妥当である。
【0083】
また、印刷履歴表示画面140に対象の印刷履歴データを全て表示できない場合には、データを複数ページに分割し、1ページづつ表示するようにしてもよい。このとき各ページに「前へ」、「後へ」、「最初へ」、「最後へ」のようなページ切り換え用のボタンを表示すると便利である。
【0084】
図4の印刷履歴表示画面140は、多くのコンピュータOSのファイルブラウザが用いているような表示形式に類似した図示のような表形式で表現されている。このような印刷履歴表示画面140により、ユーザは過去の印刷履歴と、それまでに印刷した番組に関する情報を得ることができる。
【0085】
印刷履歴表示画面140には、日付や番組タイトル、ジャンル別でソートできる機能をつけるのがより好ましい。たとえば上記のようなファイルブラウザと同様に、凡例表示のヘッダ部分147の「日付」、「印刷時間」、「番組タイトル」、「詳細情報」の各欄をこれらの各フィールドで各行のデータをソートさせるソートボタンとして機能させることが考えられる。また、この場合、いずれの条件でソートした状態であるかを表示するためのマーク148をヘッダ部分147の対応欄に表示する。
【0086】
あるいは、図4の下部に示すように「日付順に表示」、「ジャンル別に表示」、「タイトル順に表示」のような独立したソートボタン143〜145を表示し、上記同様の機能を実現することもできる。
【0087】
なお、「今週の番組表へジャンプ」のボタン146は、図2に示したような番組表の表示に移行(復帰)するためのものである。もちろん、このボタンは、「今日/明日/来週の番組表へジャンプ」のような他の日時の番組表に移行するためのボタンであってもよい。
【0088】
また、「今週の番組表へジャンプ」のボタン146によって、EPGデータと印刷履歴データを比較し、同一番組と判断された未来の番組を含む今週の(あるいは他の週の)番組表を表示させるようにしてもよい。これによりユーザは印刷履歴より番組を検索することが可能となる。
【0089】
あるいは、「日付で検索」、「印刷時間で検索」、「番組タイトルで検索」、「詳細情報で検索」といった、ボタンを配置することも考えられる。この場合、対応するボタンが操作されると、これらの検索条件を入力するダイアログを起動した上、入力された検索条件で表示データを絞り込んで表示する。
【0090】
なお、図4の詳細情報として、印刷履歴データ中の印刷履歴データや番組に関するデータ、あるいはその要約版を直接表示してもよいが、この欄を図示のような「詳細表示」ボタン142として構成してもよい。
【0091】
この場合、「詳細表示」ボタン142が操作されると、同ボタンが付与された印刷履歴および番組に関して、図3に示すような詳細表示画面130を表示する。
【0092】
たとえば、図3の詳細表示画面130は、印刷履歴データ131(印刷設定、部数、印刷日時など)、印刷した対象番組に関する番組データ132(主にEPGデータから取得され、印刷履歴データとともにあるいは関連づけて格納されたもの)を表示する。
【0093】
さらに、図3の詳細表示画面130には印刷プレビュー表示領域133、および再印刷ボタン134を設けてある。
【0094】
印刷プレビュー表示領域133には、メモリ3に格納されている印刷した元の放送データないし印刷データに基づき、印刷画面を表示する。このとき、必要に応じて画像の変倍など、公知のプレビュー表示に必要な処理を行なう。ユーザはこのようなプレビュー画面により、過去に印刷したデータや下記の再印刷により印刷されるデータを確認できる。
【0095】
再印刷ボタン134が操作された場合は、メモリ3に格納されている印刷した元の放送データないし印刷データに基づき放送データの再印刷を行なう。このような構成により、ユーザは過去の印刷の際のハードコピーを紛失している場合、友人に渡すコピーが必要な場合などに過去に印刷したものと同じ放送データを再印刷することができる。
【0096】
なお、図2〜図4に示した各表示内容は、表示出力するだけではなく、プリンタ部12などにより印刷出力することができる。
【0097】
以上のようにして、本実施例では、放送データ印刷におけるユーザの印刷設定、印刷部数等の印刷履歴データを記憶させる。あるいは、さらに印刷した放送データ/番組に関する情報、印刷した放送データないし生成された印刷データ、あるいはさらに該番組情報と印刷履歴を関連付けたポインタ(リンク)データなどを記憶させる。
【0098】
そして、本実施例ではデータ記憶手段の印刷履歴データと未来の番組の番組情報から番組表を作成し、作成された番組表を出力するようにしている。
【0099】
上記のような構成を採用することにより、本実施例によれば、デジタル放送のEPG情報などから得られる番組データと、放送データの印刷履歴を関連づけた番組表の形式でソートや絞り込み処理が可能な便利な番組表を提供することができる。
【0100】
特に、番組表と印刷履歴を関連づけることにより、番組表表示から印刷履歴表示へ、また印刷履歴表示から番組表表示へ行き来できるユーザーインターフェース(図2〜図4)を提供でき、目的の番組/印刷履歴を容易に見つけだすことができる。また、さらに印刷データやその元の放送データを保存しておき、印刷プレビューおよび再印刷を上記ユーザーインターフェースから容易に実行できる。
【0101】
なお、上記実施例に示したデジタルTV放送システムの構成はあくまでも一例であり、構成部材が一体の筐体に収容されているか否かなどによって本発明が限定されるものではない。音声や画像の出力手段、録画手段、印刷履歴/放送データ/動画データなどのデータ保存用の記憶手段などは、必ずしも装置と一体である必要はない。また、外部機器との接続には、IEEE1394やUSB、ネットワークシステムなど任意のインターフェースを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、デジタルデータ放送を取り扱う任意の受信システムに適用できる。先に触れたように、筐体構成上、モニタ、録画部、プリンタなどが一体であるか、別体であるかは本発明を限定する要素ではなく、これらの各部材の有無や一体であるか、別体であるかなどは製品仕様に応じて任意である。
【0103】
本発明を実施する制御プログラムは、あらかじめ受信システムを構成する機器のROMに格納しておくことができる。また、たとえばUSBインターフェースなどにより接続されたMOやCD−ROMなどのメディアからインストール/アップデートしたり、任意のサーバからネットワーク経由で供給することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明を採用したデジタルTV放送受信装置の構成を示したブロック図である。
【図2】図1の装置において用いられる番組表画面の一例を示した説明図である。
【図3】図1の装置において用いられる詳細表示画面の一例を示した説明図である。
【図4】図1の装置において用いられる印刷履歴表示画面の一例を示した説明図である。
【図5】図1の装置において行なわれる印刷履歴データ作成処理を示したフローチャート図である。
【図6】図1の装置において行なわれる番組表画面作成処理を示したフローチャート図である。
【図7】図1の装置で用いられるリモコンの一例を示した説明図である。
【符号の説明】
【0105】
1 チューナ部
2 デマルチプレクサ
3 メモリ
4 ビデオデコーダ
5 オーディオデコーダ
6 EPGデコーダ
7 画面構成部
8 表示制御部
9 DAC
10 画像表示部
13 受光部
14 操作部
15 システム制御部
16 リモコン
120 番組表
121 印刷履歴表示ボタン
124 印刷履歴マーク
130 詳細表示画面
133 印刷プレビュー表示領域
134 再印刷ボタン
140 印刷履歴表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組データを取得する番組データ取得手段と、受信したデジタル放送の放送データを印刷する印刷手段を有するデジタル放送受信システムの制御方法において、
前記印刷手段で印刷した放送データの印刷条件データ、あるいはさらに放送データに関連する番組データに関する印刷履歴データを記憶し、
前記番組データ取得手段で取得した番組データから、前記印刷履歴データに基づき、過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データを検出し、
前記番組データ取得手段で取得した番組データを番組表として出力する際、番組表中の前記の過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データは、当該の過去に印刷したことのある番組の印刷履歴データと関連づけて出力することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記番組データ取得手段で取得した番組データの属性データの一部と、前記印刷履歴データの番組データ中の属性データの一部が一致した場合に、前記番組データ取得手段で取得した番組データを前記の過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データとして検出することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記番組表を表示出力するに際して、少なくとも前記番組表中の過去に印刷したことのある番組と同一の番組の番組データ、あるいはさらに他の番組の印刷履歴データを出力させるための操作手段を前記番組表中に設けたことを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記印刷履歴データを表示出力するに際して、表示出力される印刷履歴データのソート、検索、または絞り込みを行なうための操作手段を表示出力することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項5】
請求項3に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記印刷履歴データを表示出力するに際して、当該印刷履歴データに関連する番組表の表示に復帰するための操作手段を表示出力することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項6】
請求項3に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記印刷履歴データを表示出力するに際して、番組の印刷履歴データをより詳細に出力させるための操作手段を表示出力することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項7】
請求項3に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記印刷履歴データを表示出力するに際して、前記印刷履歴データを用いて過去に印刷したことのある放送データを再印刷するための操作手段を表示出力することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項8】
請求項3に記載のデジタル放送受信システムの制御方法において、前記印刷履歴データを表示出力するに際して、前記印刷履歴データを用いて過去に印刷したことのある放送データをプレビュー表示するための操作手段を表示出力することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のデジタル放送受信システムの制御方法を実施するハードウェアを含むことを特徴とするデジタル放送受信システム。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のデジタル放送受信システムの制御方法を実施すべくデジタル放送受信システムを構成するハードウェアを制御することを特徴とするデジタル放送受信システムの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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