説明

デジタル符号化画像を復号するためのシステムおよび方法

1次画像および少なくとも1つの2次画像から生成された符号化された画像を少なくとも1つの符号化パラメータを使用して復号する方法が提供される。符号化された画像は、その符号化された画像が印刷されるとき、2次画像が少なくとも1つの符号化パラメータに対応する特徴を有する光学復号装置なしには、観察者に見分けられないように形成される。その方法は、符号化された画像のデジタルバージョンを得て、少なくとも1つの符号化パラメータを決定し、符号化パラメータセット中の少なくとも1つの符号化パラメータを使用して、デジタル符号化された画像から復号された画像を構成するステップを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造保護の分野に関し、特に、符号化された画像の使用による電子および印刷された文書の保護の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願はその全体が参考文献として本明細書中に含まれている2004年4月26日出願の米国暫定特許出願第60/565,300号明細書に対する優先権を主張している。本出願はさらに、2004年5月18日出願の米国特許出願第10/847,962号明細書(‘962号明細書)と、2004年5月18日出願の米国特許出願第10/897,943号明細書(‘943号明細書)にも関連し、これらはそれぞれその全体が参考文献とされている。
【0003】
益々増加している電子的なビジネス界で出現している傾向は、ごく最新のビジネス文書をカスタマまたは他のエンドユーザへ提供するためにワールドワイドウェブおよびeメールを使用することである。eメールまたはウェブサービスの使用のような自動化された文書生成および電子的分配は多くの利点を有する。これはフォームの事前印刷、文書のアーカイブ、輸送、処理等に関連される価格を著しく減少させる。これはビジネスユーザに対して、重要なデータの即座のアクセスを与え、文書を常に24時間、カスタマに利用可能にする。しかしながら、多くのまたは全ての局面でオリジナル文書に似ている詐欺文書の改ざんまたは作成が潜在的に可能である電子文書についての欠点が存在する。
【0004】
多くのソフトウェアツールが電子文書の完全性と機密性を保護するために提案されている。プラグインのようなこれらのツールは、電子文書中のノートおよびフォームフィールドの付加または変更と、文書の暗号化と、文書に対するデジタル署名の付加のための広い制御を与えることができる。
【0005】
電子フォーマットで与えられる文書の保護に典型的に使用される保護方法の大きな欠点は、文書が印刷されたメディアに転送されると、これらの方法がしばしば無用であることである。さらに、典型的なハードコピーの保護方法は、電子文書の受取人に対して利用可能ではない可能性がある。例えばセキュリティインクまたは秘密保護紙は電子的に転送された文書の受取人ではなく、文書の作成者に対して利用可能である可能性がある。明らかに、電子的に転送されるコピーのハードコピーのセキュリティを維持することは、文書の作成者が印刷プロセスにわたって制御をもたないとき問題である。さらに、多くのデスクトップ画像編集ソフトウェアツールは、複雑な電子文書の偽造プリントアウトさえも作成するために使用されることができる。印刷された文書はビジネスおよび政府の設定を含む、日常生活の多くの面で広く使用されている。
【0006】
デジタル偽造の防止と、データ変更の識別のための広く使用されている保護方法は、バーコードとデジタル電子透かしを含んでいる。これらは通常、発信パーティにより、画像ファイルとして文書へ付加される。しかしながらバーコード生成ソフトウェアは広く入手可能であり、詐欺文書を作成するため、偽造者により使用されることができる。
【0007】
デジタル電子透かしも解決策として提案されているが、一貫して広く普及した使用に必要な信頼性がないことが試験で示されている。さらに、このような技術の実行は、必要なハードウェアおよびソフトウェアの装置価格が時には、電子文書の分配によって達成される価格の節約を帳消しにするために、しばしば高価である。保護されることのできる情報量はしばしば、単に幾つかの数字および文字に限定される可能性がある。これらの問題はコマースおよびサービスにおける電子文書の信頼性および使用を厳しく制約する。
【0008】
印刷された文書および印刷された文書の偽造および変更と、ブラックマーケットの偽造商品の販売は、今日の世界では規則的に増加して直面する大きな問題である。毎年、数百万ドルが正規ではない文書およびブランド商品の詐欺使用によって失われている。光学スキャナ、コピー機、およびアイテムの複製に使用されるその他の装置の精密さの増加により、検出されることが可能なような品質の詐欺文書およびその他の模造品を製造する偽造者の能力が高まりつづけている。
【0009】
文書の保護は符号化された画像のアプリケーションによって実現される。このような画像は典型的に、特別に調節された光学的復号器なしには区別または解釈されることができない。これらは、法的文書、識別カードおよび紙、ラベル、パッケージ、通貨、切手等を含む可視的に任意の形態の印刷された文書で使用されることができる。運転免許証および乗物の資格等のような、文書に再生可能ではない符号化された画像を使用する価値は容易に明白である。これらは、偽造商品の識別手段としてパッケージで使用されるのにも非常に有効である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
符号化された画像の使用は、偽造文書および、変更されている文書を検出する能力を非常に強化する。しかしながら、符号化された画像を検出するための光学復号器の使用が実用的ではない状態が存在する。文書を保護するために符号化された画像が印刷される前であっても、それらを使用することが望ましいという他の状態も存在する。両方のタイプの状態(およびその他)では、デジタル化され符号化された画像を復号するために使用されることのできるデジタルまたはソフトウェアベースの復号器を有することが非常に望ましい。また、符号化された画像の使用を、他の保護方法の使用と組み合わせることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、デジタル符号化された画像を復号するためのデータ処理システムおよび方法を提供する。本発明の1特徴は1次画像および少なくとも1つの2次画像から生成される符号化された画像を少なくとも1つの符号化パラメータを使用して復号する方法を提供する。符号化された画像は、その符号化された画像が印刷されるとき、2次画像が少なくとも1つの符号化パラメータに対応する特徴を有する光学復号器なしに、観察者に見分けられないように形成される。この方法は、符号化された画像のデジタルバージョンを得て、少なくとも1つの符号化パラメータを決定し、符号化パラメータのセット中の少なくとも1つの符号化パラメータを使用して、デジタル符号化された画像から復号された画像を構成するステップを含んでいる。
【0012】
本発明の別の特徴は、第1の符号化された画像が埋設されているデジタル文書の保護を強化する方法を提供し、その第1の符号化された画像は1組の認証内容と第1の符号化パラメータセットを使用して構成されている。その方法は、復号された画像を生成するために第1の符号化パラメータセットを使用して第1の符号化された画像をデジタル的に復号し、復号された画像から認証内容のセットを抽出するステップを含んでいる。第2の符号化された画像はその後、認証内容のセットと第2の符号化パラメータのセットとを使用して構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより十分理解されることができる。同一の参照指示子は類似のエレメントを示すために使用されている。
本発明は、物理的な光学復号器を使用せずに、デジタル符号化された画像を復号する方法を提供する。これらの方法は印刷されていないデジタル符号化された画像および、他の手段により走査またはデジタル形態に変換されている印刷され符号化された画像を復号するために使用されることができる。デジタル画像を復号する能力により、ユーザがそれらのデジタルフォーマットおよび印刷されたフォーマットの両者における文書を不正操作をできなくすることができる。さらに、電子文書作成、転送、印刷の種々の段階において符号化された画像に対する検証と変更を可能にする。
【0014】
本発明の実施形態は、光学的に符号化された画像を使用する文書およびその他のアイテムの保護方法に関する。これらの画像は典型的に背景またはソース画像中に埋設されており、変更、変造または偽造を受ける可能性のあるアイテムで印刷されている。ここで使用されている用語“埋設された画像”は、それが与えられ、或いは印刷されるとき、復号器の使用なしでは符号化された画像が人間の眼により見分けられることができない方法で、背景フィールド内または別の画像内で操作され、および/または隠されている画像を意味している。このような符号化された画像は、それらの存在が背景または1次画像から見分けるのが困難であるように隠されている。他の符号化された画像は容易に可視であるが、画像内容が組織的にスクランブルまたはその他の方法で操作されているので、読み取り可能ではない。
【0015】
本発明に対して特に重要性のある符号化された画像は、レンチキュラーレンズを使用して光学的に復号されるように構成されている画像である。このような画像はレンズのレンチキュラー周波数に基づいて、画像内容をより分けるレンチキュラーレンズの能力を利用する。これらの画像は、典型的に復号器として使用されるレンチキュラーレンズの周波数に対応する周波数を有する組織化された周期的なパターンを設定し、その後、パターンに歪みを導入して画像の裸眼による見分けを困難にするステップを含んでいる幾つかの方法の1つによって符号化される。このタイプの符号化された画像は、ここで共にその全体が参考文献として組込まれている米国特許第3,937,565号明細書またはデジタル的には米国特許第5,708,717号明細書(‘717号明細書)に開示されているように、特殊化された写真装置を使用して、アナログ方法で生成されることができる。
【0016】
デジタル的に符号化された画像は、符号化された画像の単なる存在が見分けが困難であるように、背景または他の画像中に埋設されることができる。図1を参照すると、埋設された画像10は1次またはソース画像20と、予め定められた周波数の復号器40でのみ観察されることができるような方法で1次画像20中に埋設されている2次画像40とを使用して設定されることができる。1次画像は図1の符号化された画像10のように、ブランクグレーまたは有色の背景画像であってもよく、またはデザインまたは写真或いは任意のその他の形態の指標(または標識)のような可視画像を含んでもよい。2次画像は任意の形態の画像または指標であってもよく、幾つかの方法で1次画像に関連されている指標を含んでもよい。示された例では、符号化された画像10、2次画像40はワード“Department of Transportation”に基づいた反復パターンである。2次画像は別々に符号化されることができ、その後1次画像に混合されるか埋設され、或いは埋設のプロセスは、2次画像が埋設されるように符号化される方法で実現されることができる。図1に示されているように、2次画像は正確な方向で、符号化された画像10上に復号器40を位置させることによって観察されることができる。図1の例では、復号器は水平軸32と垂直軸34を有し、符号化された画像10は水平軸22と垂直軸24を有している。2次画像40は復号器40の水平軸32が、符号化された画像10の水平軸22に関して復号角度αで方向付けされるときに明らかにされる。復号角度αは2次画像の符号化および埋設の前に設定される符号化パラメータである。
【0017】
2次画像が1次画像に埋設され、または混合される方法は、2つの通常の方法に分割されることができる。第1の方法では、規則的な周期的性質が予め定められた周波数を使用して1次画像上に与えられる。これは主として予め定められた周波数で1次画像をラスター化することにより実現される。2次画像はその後、1次画像にマップされ、それによって1次画像の規則的な性質は画像内容を含んでいる2次画像中の位置に対応する位置で変更されることができる。その変更はこれらが人間の眼で見分けるのが困難である程度に小さい。しかしながら、予め定められた周波数に対応する周波数を有するレンチキュラーレンズが1次画像上に置かれるとき、その変更が潜在的な2次画像の形成を明らかにするような方法で、1次画像内容をより分ける。
【0018】
第2の方法では、規則化された周期的な性質は第1に、1次画像ではなく2次画像に与えられ、2次画像中に内容が存在するときにはいつでも生じるその性質は交互である。2次画像はその後、1次画像にマップされ、一時画像の内容は符号化された2次画像の内容にしたがって1画素ずつ変更される。
【0019】
前述の方法の例をさらに詳細に説明する。第1の方法の簡単な例が図2および3に示されている。図2は光学的に符号化された画像110の拡大図である。符号化された画像110は人間の顔の1次画像と文字“SL”の2次画像から構成されている。1次画像は特定のスクリーン周波数およびラスター角度αでラスター化された。2次画像は2次画像の内容に対応する位置のラスターエレメント中に位置変化(シフト)を導入することにより、1次画像に埋設された。これらのシフトは、裸眼ではそれらが1次画像中に埋設された結合画像であるとして解釈することが困難であるか、それができないように十分に小さく作られることができる。それらの存在はさらに、画像のシフトされていないラスター部分からシフトされた部分への転移を可能な限り、漸進的で平滑にすることによって変装されることができる。その結果、図2で示されているような符号化された画像110になり、ここでは1次画像は容易に観察されるが、2次画像は容易に見分けられることができない。図3で示されているように、スクリーン周波数に対応するライン周波数を有するレンチキュラー復号レンズ120が、正確な方向付け(即ちラスター角度α)で、符号化された画像110に置かれるとき、2次画像(文字“SL”)が観察されることができる。
【0020】
埋設された画像の存在はさらに、小さい領域のトーン密度または1次画像のウィンドウにおける変化を補償することにより変装されることができる。これはシフトされた画像中の個々の画素を変更することにより実現されることができ、したがって各ウィンドウの平均トーン密度は依然として、シフトされていない画像の対応するウィンドウと同じである。
【0021】
前述の方法はドット、符号、またはラインラスター化方法の任意の形態で使用されることができることが当業者により理解されるであろう。さらに、この方法およびその他の方法は同時係属出願の‘962号明細書および‘943号明細書に記載されているように異なる符号化パラメータを有する多数の2次画像を埋設するために使用されることができる。
【0022】
前述の方法とやや類似の方法は、‘717号明細書に記載されている。この方法では、2次画像は最初に、‘717号明細書に記載されているスクランブリング方法を使用して符号化され、1次画像のラスターラインはその後、符号化された2次画像のパターンにしたがうように変形される。結果的に埋設された画像は、1次画像がラスター化され、2次画像を符号化するのと同一の周波数を有するレンチキュラー復号器を使用して、観察されることができる。
【0023】
2次画像を1次画像中へ埋設するための第2の通常の方法は、(第1の方法により生成されるラスター化画像とは反対に)出力画像が連続的なトーン画像であることが望ましい場合に使用されることができる。この方法では、2次画像は規則的な周期的トーン変化以外には内容をもたない“ブランク”制御画像中に埋設される。埋設された2次画像を有する制御画像はその後、1次画像にマップされる。
【0024】
図4乃至6を参照にして、この方法の簡単な例を以下説明する。図4は方形波、正弦波、三角形波等のような周期的関数として、画像の画素のトーン値が変化するブランク制御画像210を示している。この関数の周波数はレンチキュラー復号レンズの周波数と一致している。周期的変化の角度の方向付けは符号化された画像の復号に使用される角度を設定する。図5に示されているように、2次画像220は2次画像の内容位置に対応する任意の位置の周期的関数の位相をシフトすることにより、制御画像210に埋設されている。個のようにして変更された制御画像210中の規則的なトーン変化の偏差は2次画像の内容に対応する。
【0025】
変更された制御画像210はその後、1次画像230へ1画素ずつマップされる。1次画像230の画素は、制御画像210中の対応する画素のトーン変化のパターンに一致するように明るくされるか暗くされる。最終的に符号化された画像が図6に示されている。1次画像画素の明化または暗化の実際の量は通常、検索表として規定された変換関数を使用して決定されることができる。これらの関数は画像のアプリケーションにしたがって異なってもよい。例えば変換関数は特別な印刷プロセス(例えばインクジェット、ダイサブリメーション、レーザプリント)で特別に使用するために設計されることができる。
【0026】
前述の方法は、同時係属出願の‘962号明細書および‘943号明細書に記載されているように異なる符号化パラメータを有する多数の2次画像を埋設するために使用されることができることが当業者により理解されるであろう。
【0027】
前述の任意の方法の出力は印刷された符号化された画像(即ち文書またはその他のアイテム上に印刷された、結合された1次および潜在的な2次画像)であってもよく、または後に使用するために送信または記憶されることのできるデジタル符号化された画像であってもよい。
【0028】
画像を埋設する別の方法は、銀行券および小切手で通常使用されている。この方法では、潜像は、隠された画像の内容に対応する位置の可視画像中のラスターエレメントの方向を変更することにより生成される。例えば、1次画像の垂直ラスターラインは潜像に対応する位置で水平線に変化されることができる。その潜像は典型的に銀行券を僅かに傾けることによりみられることができる。しかしながら、1次画像中の偏差も光学復号器を使用して復号されることができる。これは1次画像のラスターラインが、隠された内容が存在しない位置の復号器のレンチキュラーラインの長さに沿って走っているが、隠された内容が存在する位置では断面のみを有するためである。この差によって、隠された画像は、復号器を通して観察するとき可視であるよりも、非常に明るく見える。
【0029】
前述の全ての方法および結果的な符号化画像の共通の筋は、これらが規則的な周期態様(例えば空間的位置、トーン密度、ラスター角度)からの変化を含むことである。これらの偏差は規則的な性質の周波数に対応する周波数を有するレンチキュラー復号レンズの使用を通して明白にされる。性質の周波数はレンズ周波数またはレンズ周波数の偶数倍に等しくされることができる。レンチキュラーレンズは規則化された性質からの偏差を強調し、それらを2次画像に組立てる内容スクリーンとして作用する。
【0030】
レンチキュラーレンズは、体系的にスクランブルされている内容を有する可視の符号化された画像と、1次画像または背景中に埋設されている符号化された画像との両者の復号に使用されることができる。しかしながら、物理的(即ちハードウェア)復号器の使用が実際的ではないか、不可能である多くの状態が存在する。本発明はそれ故、物理的な光学復号器を使用せずに、デジタル化された符号化された画像を復号する方法を提供する。特に、本発明はデジタル符号化された画像の復号に使用されることのできるソフトウェアベースの復号器中に含まれることのできる方法を提供する。本発明の復号器の実施形態は印刷されないデジタル符号化された画像と、他の手段によりデジタル形態に走査または変換されている印刷された符号化された画像とを含む任意のデジタル符号化された画像を復号するように構成されることができる。デジタル符号化された画像は背景または1次画像中に埋設される潜像であるか、または体系的にスクランブルされるか操作されている可視画像であってもよい。
【0031】
本発明によるデジタル化された符号化された画像の復号方法を説明する。別に説明しなければ、復号されるべき符号化された画像は、レンチキュラーレンズを使用して観察(復号)されることのできる方法で埋設された2次画像を有する1次画像を含んでいる。1次画像は見分けることのできる内容をもたない(例えばグレーボックス)ブランク画像であってもよく、或いは見分けることのできる内容を有する実画像であってもよい。
【0032】
本発明の方法は2つのタイプ、即ち(1)1次画像、2次画像または1次画像と2次画像の両者の内容における情報を必要とする方法と、(2)画像内容に関する何等の知識も必要としない方法とに分けられることができる。両方の方法は2次画像の符号化および埋設に使用される符号化パラメータの知識を必要とする。特に、画像の符号化に使用されるライン周波数およびライン角度が知られなければならない。
【0033】
図7は、変更されていない1次画像が知られるか利用可能であるとき、符号化された画像の復号に使用されることのできる本発明の1実施形態による方法M100のステップを示している。この方法はS100で開始する。S110で、符号化された画像のデジタル化されたコピーが得られる。デジタル化され符号化された画像は自動化された符号化プロセスの直接的な出力である符号化された画像のバージョンであってもよい。このようなデジタル化され符号化された画像は後に復号プロセッサによる検索のために記憶されてもよく、或いは発信者から復号プロセッサへ送信されてもよい。このタイプのデジタル化され符号化された画像は文書、プロダクト、ラベルまたはその他の認証可能なアイテム上に印刷されなくてもよいことは当業者に理解されるであろう。符号化された画像はそのオリジナルのデジタル化された形態で与えられるので、復号化プロセスに影響し得る歪みが符号化された画像中へ導入される可能性は最小である。さらに、符号化された画像の方向付けは正確に知られる。
【0034】
前述の説明の代りに、デジタル化され符号化された画像は、文書、プロダクト、ラベルまたはその他の認証アイテム上に印刷されている符号化された画像を走査またはその他の方法で再生することにより得られることができる。この方法でデジタル化され符号化された画像が得られるならば、符号化された画像の相対的な方向付けは(走査装置に関する文書の方向付けを制御する等によって)慎重に制御されることを確実にするか、或いは確実にする(符号化された画像中にまたはその近くに方向付け指標を含ませる等により復号化プロセスが復号するための画像の適切な方向付けを確実にすることを可能にする)ステップを取らなければならない。
【0035】
S120で、符号化された画像の生成に使用されるオリジナルの1次画像のデジタル化コピーが得られる。多くの例では、デジタル化された1次画像は符号化プロセッサから得られてもよく、或いは符号化された画像が生成されたときにそれが位置されていたデータ記憶装置から検索されることができる。代わりに、1次画像は画像を符号化プロセッサに提供したソースから得られてもよい。S130で、デジタル化された1次画像は制御画像を生成するためにラスター化される。このラスター化は、符号化された画像の生成に使用された符号化パラメータを使用して行われる。特に、1次画像は符号化された画像を生成するために符号化プロセッサにより使用されたのと同一のラスター角度およびライン周波数を使用してラスター化される。幾つかの例では、符号化プロセッサから受信されたまたはデータ記憶装置から検索された1次画像のコピーは既にこれらのパラメータを使用してラスター化されている。このような場合には、先にラスター化された1次画像は制御画像として設定される。
【0036】
1次画像がブランクの背景画像以外の何物でもないならば、制御画像は図4の制御画像に似ていることが理解されるであろう。そうでなければ、制御画像は、本質的に、そこに2次画像が埋設されていないデジタル化され符号化された画像のバリエーションである。
【0037】
S140で、1画素づつの比較が、差画像を生成するために、制御画像とデジタル化され符号化された画像で行われる。その差画像は制御画像と、その画素の符号化された画像との間に違いが存在するか否かに基づいて、各画像に対して設定されたトーン値の複合であってもよい。例えば、符号化された画像の内容が制御画像の対応する画素とは異なる画素は“真”値を割当てられることができ、異なる画像の対応する画素は(白に対応して)“1”に設定される。符号化された画像の内容が制御画像の対応する画素と同じである画素は“誤”値を割当てられることができ、異なる画像の対応する画素は(黒に対応して)“0”に設定される。
【0038】
結果的な差画像は、符号化された画像を生成するために1次画像と共に使用される2次画像の再構成である。差画像の品質は、メディアンまたはローパスフィルタ、適応画像フィルタ、形態学的処理、カスタム設計された画像強化方法を含むがそれらに限定されない既知の画像強化方法を使用してS150で強化されることができる。S160で、差画像は端末スクリーンで表示され、記憶され、又は印刷される。差画像は任意の強化ステップ前、ステップ後、またはその期間中に表示されてもよいことが当業者により理解されるであろう。この方法はS170で終了する。
【0039】
方法M100を使用して生成された復号された画像の品質は、デジタル化され符号化された画像を得る方法により影響される可能性がある。最高の忠実度は、符号化された画像が自動化された符号化プロセスの正確な出力であるとき、およびラスター化された1次画像が符号化プロセスで使用されるときに得られる。やや低い忠実度は、符号化された画像が画像捕捉装置を使用して、印刷され符号化された画像のデジタルバージョンをデジタル化するか他の方法で捕捉することにより得られる。これは印刷および画像捕捉(例えば走査)プロセスの両者が、復号結果に影響し得るサイズの歪みと、トーンおよび構造の変化を導入するためである。また、画像捕捉装置に関する符号化された画像の誤った方向付けは、デジタル化され符号化された画像が、比較が行われるとき制御画像と整列しない結果を生じ得る。前述したように、これらの影響は、画像捕捉プロセスの慎重な制御によって、および/または印刷時に符号化された画像中またはその周囲に整列キーを含むことにより減少されることができる。
【0040】
ここで使用されている用語“画像捕捉装置”は印刷された画像またはオブジェクトからデジタル化された画像を捕捉または生成するために使用される任意の装置またはシステムを意味している。画像捕捉装置は、スキャナ、デジタルカメラ、アナログカメラとフレームグラッバの組合せを有するシステムを含んでいるがそれらに限定されない。画像捕捉装置はスペクトルの可視または不可視部分(例えばUVおよびIR)の光を使用して画像を捕捉するように構成されている。
【0041】
前述したように、方法M100は1次画像が利用可能であることを必要とする。多くの応用ではこれは実践的ではない。したがって、本発明の幾つかの方法はこの要求をもたない。図8は制御画像が常にラスター化されたブランク画像(例えばラスター化されたグレーボックス)である点を除いて前述の方法と類似する符号化された画像を復号する方法M200のステップを示している。この方法はステップS200で開始する。S210で、符号化された画像のデジタル化コピーが得られる。先の方法のように、これはオリジナルの変更されていないデジタル化され符号化された画像であるか、符号化された画像が印刷されている文書または他のアイテムから得られる捕捉された画像である可能性がある。S220で、制御画像は、符号化される画像の符号化に使用される符号化パラメータに対応するラスター角度および周波数を使用して、ブランク画像をラスター化することにより設定される。差画像がその後、S230で構成される。差画像は図7の方法で使用される画素毎の差方法を使用して構成されることができる。強化技術がS240で差画像に対して適用され、画像はS250で表示されることができる。この方法はS240で終了する。
【0042】
符号化された画像の生成に使用される1次画像がブランク画像であるならば、方法M200から得られた復号された画像は図7の方法M100によるものと同じである。しかしながら、1次画像が実際に可視情報を含んでいるならば、方法M200から得られた復号された画像は、方法M100を使用して生成された復号された画像とは大きく異なって見える。これは、方法M100では、1次画像が2次画像から濾波されるためである。しかしながら、方法M200では、差画像は2次画像と1次画像の両者のエレメントを含んでいる。結果的な復号された画像では、復号された2次画像は1次画像上に重ね合わされているように見える。2つの画像の内容に基づいて、これは2次画像を見分けること、又は解釈することを一層困難にすることができる。
【0043】
本発明によるデジタル化され符号化された画像を復号する幾つかの方法はレンチキュラーレンズの復号器の動作に非常に近くエミュレートする方法として開発された。レンチキュラーレンズは、観察者がレンチキュラーレンズの周波数により決定されたインターバルで取られた画像の線形サンプルを見ることを可能にする。そのレンズはこれらのサンプルを拡大し、人間の視覚はこれらを連続的な画像に補間する。適切な角度に方向付けされるとき、これはサンプルされ拡大される同一の周波数を有する1次画像特性から外れ、したがって1次画像中で目立っている。レンズの作用は符号化された画像の周期的サンプルを2次画像の再構成に組立てるために本質的なものである。
【0044】
図9はレンチキュラーレンズの作用に類似するサンプリング方法を使用して、デジタル化され符合化される画像を復号する方法M300のフローチャートである。この方法はS300で開始する。S310で、符号化された画像のデジタル化されたコピーが得られる。先の方法のように、これはオリジナルの変更されていないデジタル符号化された画像であってもよく、あるいは符号化された画像が上に印刷されている文書その他のアイテムから得られる捕捉された画像であってもよい。S320で、一連の細長い長方形の画像内容サンプルがデジタル化され符号化された画像から採取される。これらのサンプルは符号化された画像を符号化し方向付けされるために使用されるライン周波数と、符号化された画像を符号化するために使用される符号化角度に対応する周波数で採取される。図10および11は画像内容サンプルが採取される態様を示している。図10は、デジタル化され符号化された画像310と単一のサンプル322の表示を示している。サンプル322は符号化された画像310の水平軸に関して符号化角度αで方向付けされている縦軸324を有している。比較可能なサンプル322は符号化された画像310を符号化するために使用される周波数に対応する周波数で全ての符号化された画像310を横切って採取される。サンプル幅はレンチキュラーレンズ復号器の実際のサンプリングに一致するように規定されることができ、或いはある小さい固定した幅に予め設定されることができる。
【0045】
S330で、画像内容サンプルは、サンプルがそれぞれ他のサンプルに関して同一の相対位置に維持されるように複合画像サンプルを形成するために組合わせられる。図11は符号化された画像310から採取されたサンプル322から形成されている複合サンプル画像320を示している。図11の例示的な例で分かるように、複合サンプル画像はサンプル間にギャップを有する。S340で、各画像サンプルはその縦軸に対して垂直に拡張されて、その隣接サンプルとのギャップを詰める。これはレンチキュラーレンズ復号器の拡大作用を模倣する。拡張は技術で知られている任意の画像サイズ直しアルゴリズムを使用して行われることができる。結果的な完全の複合画像は1次画像のエレメントと共に2次画像の再構成を行う。この画像は先の方法のようにS350およびS360で強化され、および/または表示されることができる。この方法はS370で終了する。
【0046】
図8の方法M200のように、方法M300はソース画像が前もって知られることを必要としない。また方法M200のように、方法M300は1次画像の幾つかのエレメントを含む復号された画像を生成する。方法M300の復号結果は一般的に、M200の結果よりも良好であるが、この方法は1次画像エレメントを非常に高度に抑圧する傾向がある。
【0047】
この方法の結果は、同一の周波数および方向付けで採取されたサンプルの付加的なセットから1以上の付加的な複合画像を構成することによってさらに改良されることができるが、オリジナルサンプルから僅かにシフトされる。これらの複合画像を共に結合することにより、さらに1次画像のエレメントを抑圧すること、および/または知覚されている復号された画像中の2次画像の強度を強化することを助ける。この手順はサンプルの幾つかの層を生成し、多層を平坦化するための技術で知られている異なる方法(例えば分解、乗算、平均化、オーバーレイ、差、排除またはその他の共通の動作または動作のシーケンスの適用)を使用してこれらを組合わせることとして説明される。付加的な複合画像の値の1例として、符号化された画像のある部分では、1次画像のラスターラインは非常に太いのでこれらは2次画像エレメントから発生するラスター偏差をブロックまたはカバーすることが分かる。この位置から近距離でサンプルの第2のセットを採取すると、局部的な2次画像エレメントをさらに良好に明白にすることができる。2つのサンプルセットの平均化により、2次画像の全体的な知覚は改良されることができる。別の例では、さらに多数のサンプルセットの平均化およびそれらのローパスフィルタによる濾波によって1次画像の再構成を行うことができ、これはさらに復号された画像から1次画像を抑圧するために使用されることができる。サンプルセットの数および使用されることのできる複合サンプル画像には限定がないことが理解されるであろう。
【0048】
方法M300は捕捉され符号化された画像を復号するための特定の値である。画像捕捉プロセスは、復号結果に影響し得るサイズおよびトーンの変化を導入する可能性があることが理解されるであろう。さらに重要なことは、画像捕捉装置に関する符号化された画像の方向付けは非常に変化しやすいことである。任意の前述の方法の結果は、符号化時に、ある特徴を画像へ組込むことにより改良されることができる。これは予め定められた位置にマーカーを含むことができ、それによって誤った方向付け及び歪みの識別および補正を可能にする。これはまたトーン密度の補正を可能にする画像密度標準を含むこともできる。
【0049】
種々の復号方法の性能もまた2次画像の形態および内容の選択によって改良されることができる。これは普通テキストまたは画像ベースの標識の代わりに、例えば黒と白の正方形、バーコード、および他の記号の使用を含むことができる。
【0050】
前述の復号方法およびこれらの方法を実行するために構成されたデジタル画像復号器は、レンチキュラーレンズ復号器を使用して復号されることのできる任意の符号化された画像の復号に使用するために適合されることができることが理解されるであろう。さらに、本発明の方法および復号器は、独立型の符号化された画像(例えば可視の“スクランブルされた”画像)、或いは1次画像中、または潜像が埋設されている背景中における規則的な周期変化に基づいて符号化されている任意の符号化された画像を復号するために使用されることができる。本発明の幾つかの実施形態では、復号方法の感度は光学復号器の感度よりも遥かに優れている。これは光学復号器が見分けることのできない非常に小さい周期的変化に基づいて、符号化された画像の生成および使用を可能にする。
【0051】
‘962号および‘942号明細書に記載されているように、多数の2次画像は単一の符号化された画像へ符号化されることができ、各2次画像は異なる符号化パラメータのセットを使用して符号化されている。前述の復号方法はこのような符号化された画像中に埋設されている任意の数の2次画像を復号するために使用されることができる。この方法はその関連される符号化パラメータを使用して、単に各2次画像で反復される。
【0052】
さらに、‘962号および‘942号明細書に記載されているように、符号化された画像は、ユーザ指定パラメータ、非ユーザ指定パラメータまたはユーザ指定パラメータと非ユーザ指定パラメータの両者を含むことのできる符号化パラメータの幾つかの組合わせを使用してデジタル文書に埋設するために生成されることができる。1実施形態では、符号化された画像は文書から抽出された情報に部分的に基づき、デジタル文書に戻されて埋設されることができる。その後、いつでも前述のデジタル復号方法の1つを実行するように構成されたソフトウェアが使用されて、符号化された画像(または複数の画像)をデジタル文書から抽出/復号することができる。復号された画像(または複数の画像)の情報はその後、保護されているから、その文書が不正に変更されているか否かを調べるためにデジタル文書中の情報と比較されることができる。この比較は文書ユーザによって(例えば符号化された画像をモニタ上に表示し、表示された画像からの情報を可視的にデジタル文書中のデータと比較することによって)手作業で行われるか、または(例えば光学的文字認識ソフトウェアを介して復号された画像からテキストを抽出し、このテキストをデジタル文書の適切な部分に突合せることにより)自動的に行われることができる。
【0053】
このようにして、デジタル文書を保護し認証する方法M400が図12に示されている。この方法はS400で開始し、S410で情報は保護を受けるデジタル文書から抽出される。この情報はグラフィック画像、テキストまたはその他の標識を含むことができ、および/または文書の内容のある部分の解釈または要約を含むことができる。情報は手作業または自動的に識別および抽出されることができる。S420で、符号化パラメータセットが構成される。符号化パラメータセットはユーザ指定および非ユーザ指定パラメータの組合わせであってもよく、デジタル文書から抽出された情報から得られるパラメータを含んでいてもよい。S430で、符号化されるべき2次画像が設定される。この2次画像はユーザ指定および非ユーザ指定のいずれであってもよい。2次画像はデジタル文書から抽出される幾らかまたは全ての情報に基づくか、それらを含むことができる。S440とS450で、2次画像が符号化され、デジタル文書中に埋設される。使用される符号化方法に応じて、S440とS450は単一の組合わされた動作として実行されることができることが理解されよう。幾つかの方法では、符号化された画像が生成され、後にデジタル文書中に組込まれるように記憶され、またはユーザへ送信される。多数の2次画像が符号化され、デジタル文書中に埋設されることができ、このような各画像はその固有の符号化パラメータセットに基づいて符号化されていることが理解されよう。種々の符号化された画像はそれぞれユーザ指定および非ユーザ指定画像および符号化パラメータの任意の組合せから形成されることができる。
【0054】
保護されているデジタル文書はその後、送信され、記憶され、印刷され、又はその他の方法で処理されることができる。符号化された画像をデジタル文書中に組込んだ後はいつでも、そのデジタル文書の認証は方法の認証部分を使用して証明されることができる。S460とS470で、符号化された画像はデジタル文書から抽出されて復号される。符号化された画像は前述したものを含む任意のデジタル復号方法を使用して復号されることができる。好ましい実施形態では、デジタル復号方法は、符号化された画像をデジタル文書から自動的に抽出し復号するときに使用するためにソフトウェア中に組込まれる。特定の実施形態では、OCRまたはその他の光学的認識ソフトウェアが復号された画像からの情報内容を解釈しおよび/または抽出するために使用されることができる。S480で、復号された画像からの情報は認証されているデジタル文書から抽出された情報と比較される。評価されているデジタル文書中の情報が、符号化された画像から収集された情報と一致しないならば、そのユーザは許可されていない変更がデジタル文書に存在するか、そのデジタル文書が本物ではないことを警告されることができる。この方法はS495で終了する。
【0055】
方法M400の認証部分は符号化される画像生成部分とは分離されてもよく、認証の行為は本物であるか変更されていないことを目的としている任意のデジタル文書で行われることができることが理解されるであろう。種々の符号化および復号行為は、自動化された機能と自動化されていない機能の組合せとして実行されることができる。方法M400の認証部分の入力はオリジナルのデジタル文書に限定されず、文書が印刷、撮影または他の方法で変形されるならば、画像捕捉装置を使用してデジタル文書を再生するためにデジタル化されることができ、その後、方法M400の認証部分を受けることも理解されるであろう。
【0056】
図13は符号化および埋設機能が符号化部分410により実行され、復号および認証機能が認証部分430により実行されるデジタル文書を認証するためのシステム400を示している。符号化部分410は符号化モジュール412と埋設モジュール414を含むことができ、そのいずれか一方または両方は符号化情報データベース440と通信することができる。符号化モジュール412は、符号化パラメータセットと、デジタル文書から抽出された内容を含むかその内容から得られることのできる認証画像とを使用して、符号化された画像を生成するように構成またはプログラムされる。この情報のいくつかまたは全ては、ユーザまたは文書処理モジュールと符号化部分410との間にインターフェースを設定するように構成されている符合器インターフェースモジュール450から受信されることができる。符号化モジュール412は後にデジタル文書の認証に使用するために、符号化情報データベース440に符号化パラメータセットと認証画像の一方またはその両方を記憶することができる。符号化モジュール412はデータベース440中に符号化された画像を記憶し、および/または符号化された画像を符号化インターフェースモジュール450へ戻すこともできる。符号化プロセッサ412はまた符号化された画像を埋設モジュール414へ提供することもでき、その埋設モジュールは符号化された画像をデジタル文書またはデジタル文書の一部中へ埋設するように構成されている。埋設された画像を有するデジタル文書はその後、符号化インターフェースモジュール450へ戻されることができる。
【0057】
復号器部分430は復号モジュール432と認証モジュール434を含むことができ、その一方または双方は符号化情報データベース440と通信することができる。復号モジュール432は符号化パラメータおよび/または認証画像を復号情報データベースから検索し、符号化パラメータを使用してデジタル符号化された画像を復号するために本発明のデジタル復号化方法を実行するように構成されている。復号モジュール432はまた認証されるデジタル文書を受信し、符号化された画像をデジタル文書から抽出するように構成されることができる。デジタル文書は認証リクエスト装置と認証装置部分430との間のインターフェースとして構成されている認証装置インターフェース460から受信されることができる。符号化された画像を復号後、復号モジュール432は復号された画像を認証装置インターフェースへ戻し、および/または復号された画像を認証モジュール434へ転送することができる。認証モジュール434は内容を復号された画像から抽出するように構成され、これは認証基準またはデジタル文書から直接抽出された内容と比較されることができる。認証モジュール434はこのようなデジタル文書内容を検索するように構成されるか、あるいはそれをデジタル文書から抽出するように構成されることができる。認証モジュール434はさらに認証結果を決定し、その結果を認証装置インターフェースへ戻すように構成されている。認証モジュール434はOCRソフトウェアまたはバーコード変換ソフトウェアを含むことができ、これは情報を復号された画像および/またはデジタル文書から抽出するために使用されることができる。
【0058】
符号化モジュール412、埋設モジュール414、復号モジュール432、認証モジュール434、符号化情報データベース440、符号化インターフェースモジュール450、認証装置インターフェースモジュール460は1以上のデータプロセッサ間に分布されることができることが理解されるであろう。全てのこれらのエレメントは例えば、単一のユーザデータプロセッサに設けられることができる。代わりにシステム400の種々のコンポーネントはネットワーク420を介する選択的な通信における複数のデータプロセッサ間で分配されてもよい。
【0059】
図14は、デジタル文書を認証するための例示的なシステム500を示しており、ここでは種々のシステム機能がネットワークにより相互接続された複数のプロセッサで実行される。このシステムでは、符号化機能は符号化サーバ510の一部である符号化プロセッサ512で実行され、復号機能は認証サーバ530の一部である復号プロセッサ532で実行される。符号化プロセッサ512はネットワーク520上で第1のユーザプロセッサ550と選択的に通信することができる。復号プロセッサ532はネットワーク520によって第2のユーザプロセッサ560と選択的に通信することができる。符号化プロセッサ510と認証サーバ530の両者はデータベース540と通信するか、それに対して選択的にアクセスする。このアクセスは同一のネットワーク520または異なるネットワーク或いは別の通信リンクを介して行われることができる。ある実施形態では、符号化/復号パラメータの予め規定され固定されたセットが使用されることができ、したがってデータベース540中にこれらのパラメータを記憶する必要性がなくなることが理解されるであろう。また、ある実施形態では、符号化プロセッサ512と復号プロセッサ532は単一のサーバ中に位置されることができることも理解されるであろう。符号化および復号手順の種々の特徴はさらに、符号化/復号プロセッサとユーザプロセッサ550、560の組合わせを含む多数のプロセッサ間で分配されることができることも理解されるであろう。ユーザプロセッサ550、560、符号化プロセッサ512、復号プロセッサ532はまた構内ネットワークにより接続されている単一のプロセッサまたはサーバ、或いは個々のプロセッサのモジュールであることができる。
【0060】
典型的な動作シナリオでは、デジタル文書を保護しようと望むユーザは、第1のユーザプロセッサ550を通して符号化サーバ510へ、符号化された画像のリクエストを提出する。そのリクエストはいくつかまたは全ての符号化パラメータを含むことができ、符号化される認証画像を含むことができる。幾つかの実施形態では、リクエストはまたいくつかまたは全てのデジタル文書自体を含むこともできる。符号化プロセッサ512は、リクエストにおいてユーザにより与えられた情報に少なくとも部分的に基づいた符号化パラメータセットを使用して、符号化された画像を生成する。符号化された画像の生成に使用される符号化パラメータは非ユーザ指定情報も含むことができる。符号化プロセッサ512は後にデジタル文書の認証に使用するために、データベース540中に符号化パラメータと認証画像の一方または双方を記憶することができる。符号化プロセッサ512はまた符号化された画像をデータベース540中に記憶し、および/または符号化された画像をユーザプロセッサ550(または別のユーザプロセッサ)へ送信し、デジタル文書に埋設することもできる。代わりに、符号化プロセッサ512は符号化された画像をデジタル文書またはデジタル文書の一部中に埋設し、その後そのデジタル文書をユーザプロセッサ550へ送信することができる。
【0061】
デジタル文書はその後、印刷され、記憶され、又は第2のユーザプロセッサ560を含む他のプロセッサへ送信されることができる。文書の認証は、デジタルであっても、または印刷された形態であっても、いつでも証明されることができる。文書がデジタル形態であるならば、これはユーザプロセッサ560によって認証のために認証サーバ530へ送信されることができる。復号プロセッサ532は認証のリクエストを受信し、関連した符号化パラメータをデータベース540から検索する。復号プロセッサ532はその後、符号化パラメータと、デジタル符号化された画像を復号するための本発明のデジタル復号方法を使用する。認証サーバ530は復号プロセッサの出力を処理し、それを認証のために規準と比較するように構成された認証プロセッサ534も含むことができる。一般的に、認証規準は資料の変更または許可されていないプロダクトが識別されることができるように構成されているが、忠実度の損失または1次画像のエレメントの存在による変化は無視される。認証プロセッサ534はOCRまたはバーコード変換ソフトウェアを含むことができ、これらは情報を復号された符号化された画像から抽出するために使用される。認証プロセッサ534は、復号された符号化された画像の標識またはそこから抽出された情報と比較するために、情報または標識をデジタル文書から抽出するようにも構成されることができる。
【0062】
文書が印刷されているならば、その文書の認証は、符号化された画像の生成に使用される符号化パラメータに対応する特性をもった光学復号器を使用して、証明されることができる。代わりに、印刷された文書は、捕捉されたデジタル画像を生成するためにスキャナまたはその他の画像捕捉装置562を使用して捕捉されることができる。捕捉されたデジタル画像はその後、ユーザプロセッサ560により認証サーバ530へ認証のために送られることができる捕捉されたデジタル画像はその後、印刷されていないデジタル文書と同じ方法で、復号プロセッサ532と認証プロセッサ534を使用して認証されることができる。
【0063】
符号化された画像の生成による文書の保護は文書の著者によって、または文書管理システム中のその他のユーザによって行われることができることが理解されるであろう。保護される文書はデータベース中に記憶されるか、或いはインターネットまたはイントラネット(または他のネットワーク)を通して直ちに他のユーザへ送信されることができる。本発明の幾つかの実施形態では、符号化された画像のデジタル復号を行うように構成されたソフトウェアは任意のユーザプロセッサに存在できる。このソフトウェアは符号化パラメータがそのユーザに利用可能であるならば、符号化された画像を復号することにのみ使用可能である。デジタル文書の受取者が復号ソフトウェアを有し、符号化パラメータにアクセスするならば、その受取者は文書が保護されて以来、不正に変更されているかを調べるために復号ソフトウェアを使用することができる。受取者がデジタル文書を印刷するならば、その文書はその文書と共に印刷された符号化された画像により保護される。
【0064】
デジタル復号器(即ち本発明によるデジタル符号化された画像を復号するように構成された任意の形態のデジタルデータプロセッサ)の使用は文書を印刷する必要性をなくし、それによってその認証を証明するか、それが不正に変更されていないことを証明する。さらに文書がそのデジタルフォーマットで証明されることができるので、文書中の符号化された画像の符号化パラメータに一致する特性をもった光学復号器を必要としない。デジタル復号器と光学復号器の組合わせを使用するシステムは、デジタルおよび印刷された形態の両者で同一の文書の認証を可能にし、したがってデジタルと紙の境界を交差する。
【0065】
デジタル復号器は本発明の1以上のデジタル復号方法を実行するためのソフトウェアを有する任意のデータプロセッサであってもよい。デジタル復号器は1以上の復号方法のハードウェア構成であってもよく、或いはそれを含むことができる。このようなハードウェアは例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)または他のプログラム可能な装置、または前述の動作シーケンスを実行するように構成された一連のハードウェア素子を含むことができる。
【0066】
前述したように、デジタル復号器はデジタル符号化された画像を印刷されていない電子文書または印刷された/捕捉された文書から抽出および復号するために使用されることができる。幾つかの実施形態では、デジタル復号器はホログラムおよび回折格子中に埋設されている符号化された画像を抽出および復号するために使用されることができる。
【0067】
したがって、本発明の別の特徴は、デジタルから紙形態へ、さらに安全に文書の転移を行うセキュリティプロダクトを提供する。このプロダクトは符号化された画像の交換(または切換え)モジュールと呼ばれる。このセキュリティ特徴は、文書が印刷されるとき、オンザフライの文書保護に使用される符号化パラメータセットを変更する。符号化された画像交換モジュールは、符号化された画像中で使用される符号化パラメータを変更する方法を実行するように構成される。1実施形態による方法M500が図15に示されている。この方法はS500で開始し、S510で第1の符号化された画像が受信される。この画像は、第1の符号化パラメータセットを使用して符号化される。第1の符号化された画像は、符号化プロセッサから直接受信された新たに発生され符号化された画像、記憶装置から検索された先に発生され符号化された画像、またはデジタル文書から取られた抽出された画像のいずれであってもよい。幾つかの例では、第1の符号化された画像は文書をその印刷されていない状態で保護するためにデジタル文書中に埋設されているが、ユーザは印刷する前に符号化された画像を変更しようと望む。
【0068】
そのソースに関係なく、第1の符号化された画像はデジタル復号器を使用して、S520で復号される。特定の標識または画像の一部はその後、S530で復号された画像化から抽出されることができる。復号された画像の一部または全部或いは、復号された画像から抽出された情報はその後、第2の符号化パラメータセットを使用してS540で再度符号化される。第2の符号化パラメータセットにより生成された符号化された画像はその後、S550でデジタル文書中に埋設されることができる。オリジナルの符号化された画像がデジタル文書から抽出されたならば、第2の符号化された画像はオリジナルの符号化された画像の置換として同一のデジタル文書中に戻されて埋設されることができる。デジタル文書はS560で記憶および/または印刷される。デジタル文書が印刷されるとき、これは符号化された画像の第2のバージョンを含む。方法はS596で終了する。
【0069】
幾つかの実施形態では、保護強化方法M500の再符号化動作S520がデジタル文書の印刷の直前に実行されることができる。その結果として、先に盗用されたか流用されたバージョンの電子文書を許可されずに印刷することは、第2ではなく第1の符号化された画像を含む文書のコピーを発生する。それに続く認証されないコピーの認証はその構造の性質を暴露する。文書の生成および送信の種々の段における方法M500の動作の多数の応用は、デジタル文書が悪用された時点を決定するために使用されることができることが分かるであろう。
【0070】
方法M500で使用される2つの符号化パラメータは相互に排他的にされてもよい。例えば(デジタル文書の印刷後)第2の符号化された画像を復号するように構成された光学復号器が、その画像が印刷され、(第1の符号化パラメータセットと共に動作する)デジタル復号器が第2のパラメータセットを使用して、符号化される第2の符号化された画像を復号できないならば、第1のパラメータセットを使用して、符号化された画像を復号することができないように、パラメータセットが構成されることができる。その代わりに、デジタル復号器のユーザは第1および第2の符号化パラメータセットの両者に対するアクセスを与えられることができる。この場合には、デジタル復号器は第1および第2の符号化された画像の両者の復号に使用されることができ、他方で、光学復号器は第2の符号化された画像の復号のみに限定される。
【0071】
保護強化方法M500の特定の実施形態では、第1の符号化された画像はデジタル電子透かしまたはバーコードのような他のセキュリティ強化手段のエレメントを組み込むことができる。例えば第1の符号化された画像はバーコード或いは電子透かしを含むことができ、これ自体はバーコードまたは電子透かし認識および/または転移ソフトウェアおよび第1の符号化パラメータセットを使用して復号されることができる。復号された画像はその後、前述したように第2の符号化パラメータセットを使用して、二度目の、符号化をされることができる。この実施形態は、第1の符号化された画像がバーコードまたは電子透かしのレンチキュラーレンズで復号可能な画像として形成されるならば、さらに一層拡張されることができる。第1の符号化された画像はバーコードまたは電子透かしを得るために第1の符号化パラメータセットを使用して復号されることができ、これはその後、バーコード認識および/または転移ソフトウェアと第2の符号化パラメータセットを使用して復号されることができる。復号された情報はその後、1以上の付加的な符号化パラメータセットを使用して再度符号化されることができる。
【0072】
符号化された画像の交換は、デジタルと紙の文書の変換の時点でセキュリティバリアを生成する。適切な符号化された画像交換ソフトウェアを有するユーザだけが、対応する光学復号器により証明されることのできる印刷された文書を生成することができる。例えばハッカーがデジタル文書のデータベースに侵入し、それらをダウンロードし、印刷したとする。ハッカーは符号化された画像交換ソフトウェアをもたないので、符号化された画像は印刷前に再度符号化されない。したがって、その文書は対応する光学復号器で認証されることができない。バリアは同様に他の方向で動作するように設定されることができる。誰かが印刷された文書を走査してそれをデジタルフォーマットに変換するか、テキスト編集ソフトウェアを使用して偽造文書を作成し、捕捉された符号化された画像をそこに挿入するならば、デジタル復号器は捕捉された符号化された画像を復号することはできない。
【0073】
符号化された画像交換モジュールも文書管理システム内でより複雑な認証方式に対して使用されることができる。例えばデジタル復号器モジュールを有する全てのユーザは文書をそのデジタル形態で証明できるが、符号化された画像交換モジュールを有する許可されたユーザだけが適切な光学復号器により復号する印刷されたコピーを生成することができ、したがって文書のあるコピーは適切な許可により印刷されることを明らかになる。この制御レベルは、デジタル文書がその出版前に数人のユーザにより承認されなければならない場合、または文書が特有のものであり、1つのコピーだけが出版されなければならない場合、或いは文書のあらゆる紙コピーが金銭的価値を有する場合、特に重要であろう。
【0074】
画像交換方法のバリエーションでは、1つの符号化された画像がデジタル復号器と光学復号器の両者により読取り可能にされることができ、他方で、第2の符号化された画像は符号化された画像交換モジュールを使用して復号される。これはデジタル復号器または光学復号器のいずれかにより偽造として検出された文書のソースの追跡することを可能にする。
【0075】
光学復号器を使用する代わりに、画像捕捉装置とデジタル復号器の組合わせが使用されてもよいことが理解されるであろう。この場合には、捕捉されて再デジタル化された印刷された文書の認証に使用されるデジタル復号器は、第2の符号化パラメータセットを使用するように予めセットされることができ、これは符号化された画像の交換モジュールにより使用されるものと一致する。
【0076】
応用によっては、前述の符号化方法は多レベルの符号化を行うために使用されることができる。これは既に符号化された画像を二度目に、符号化することにより実現されることができる。例えば符号化された画像は第1の2次画像と第1の1次画像から形成されることができる。その符号化された画像はその後、第2の符号化された画像を形成するために、第2の1次画像と共に使用されることのできる第2の2次画像として使用されることができる。第2の符号化された画像は異なる符号化パラメータセットまたは異なる符号化方法を使用しても生成されることができる。そのプロセスは任意の回数だけ反復されることができ、したがって多レベルの符号化を生成することができる。
【0077】
光学復号器が隠された情報の復号に使用されるならば、トップレベルの2次画像が、最後の復号プロセスに位置する復号器を使用して明らかにされる。その後、別の復号器が先のレベルから2次画像を明らかにするために、第1の画像上に配置されることができ、以下同様に行われる。
【0078】
多数の光学復号器の使用の代りとして、本発明のデジタル復号器は単に、適切な符号化パラメータを使用して復号ステップを適用し再適用することによって、多レベルの符号化された画像を復号するために使用されてもよい。本発明のデジタル復号器は、感度が高く、フレキシブルで、使用が容易であるために、この使用に対して特に適している。例えばソフトウェアベースの復号器では、使用された符号化パラメータは容易に調節されることができ、迅速に制御されることができ、それによって特定の符号化された画像レベルの許可されていない復号は阻止されることができる。
【0079】
多レベルの復号に対する別の方法では、前述の光学画像復号プロセスは他の画像隠蔽または偽装方法と共に組合わせられることができる。例えばデジタル電子透かしまたはバーコードを含むデジタル画像は、その後前述の光学符号化方法(またはレンチキュラーレンズを使用して復号可能な画像を生成するための別の方法)の1つを使用して符号化される2次画像として使用されることができる。その代わりに、符号化された画像はデジタル電子透かしで使用されるか、バーコード画像中に埋設されることができる。再度述べるが、本発明のデジタル復号器は符号化階層の個々のレベルの復号において大きな利点を与えることができる。
【0080】
本発明は広い利用性と応用を可能にすることが当業者により容易に理解されるであろう。ここで記載した以外の本発明の多くの実施形態および適応と、多くの変形、変更、および等価の構成が、本発明の技術的範囲を逸脱せずに、本発明およびその前述の説明から明白であり、それらにより合理的に示唆されるであろう。
【0081】
本発明による文書の保護方法は、eメールおよびデジタル文書の暗号化用のシステムと混同されてはならない。暗号化は文書全体を、許可されていないユーザまたは盗用者に対して読取り不可能にする。それと対照的に、本発明の方法は文書の不正な変更を防止する符号化および埋設画像を含むが、文書の内容の偽装を含まない。本発明の方法を使用して保護されるデジタル文書(即ちそこに埋設された符号化された画像を有する文書)は、本発明により与えられる不正な変更に対する保護に影響せずに暗号化され、解読されることもできる。これはユーザが複雑な多レベル保護システムを生成することを可能にする付加的な保護レベルを提供する。このようなシステムでは、暗号化は電子送信期間中における許可されていない観察または盗用に対して保護を行い、符号化された画像の使用が文書内容の不正な変更と、偽造に対して保護される。
【0082】
本発明の例示的な実施形態を示し、前述したが、本発明はここで開示した構造に限定されない。本発明はその技術的範囲および基本的属性から逸脱せずに他の特別な形態で実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】印刷され符合化された画像を復号するための光学復号器の使用を示す図。
【図2】ラスターシフト方法を使用して、1次および2次画像から形成された例示的なラスター化され符号化された画像を示す図。
【図3】図2の符号化された画像を復号するための光学復号器の使用を示す図。
【図4】周期的にトーン密度を変化するブランク制御画像を示す図。
【図5】2次画像が埋設されている図4の制御画像を示す図。
【図6】図5の1次画像と制御画像から形成される符号化された画像を示す図。
【図7】本発明の1実施形態によるデジタル画像の復号方法のフローチャート。
【図8】本発明の1実施形態によるデジタル画像の復号方法のフローチャート。
【図9】本発明の1実施形態によるデジタル画像の復号方法のフローチャート。
【図10】符号化された画像のサンプリングの概略図。
【図11】図10の符号化された画像のサンプルから形成された複合画像の概略図。
【図12】本発明の1実施形態によるデジタル文書を保護し認証する方法のフローチャート。
【図13】本発明の1実施形態によるデジタル文書を保護し認証するシステムの概略図。
【図14】本発明の1実施形態によるデジタル文書を保護し認証するシステムの概略図。
【図15】本発明の1実施形態によるデジタル文書を保護し認証する方法のフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次画像および少なくとも1つの2次画像から生成される符号化された画像を少なくとも1つの符号化パラメータを使用して復号する方法において、符号化された画像は、その符号化された画像が印刷されるとき、2次画像が前記少なくとも1つの符号化パラメータに対応する特徴を有する光学復号器なしに、観察者に見分けられないように形成され、その方法は、
符号化された画像のデジタルバージョンを得て、
少なくとも1つの符号化パラメータを決定し、
前記少なくとも1つの符号化パラメータを使用して、デジタル符号化された画像から復号された画像を構成するステップを含んでいる復号方法。
【請求項2】
復号された画像を構成する動作は、
少なくとも1つの符号化パラメータから得られたラスター化周波数および方向付けを有するラスター化された制御画像を生成するために制御画像をラスター化し、
符号化された画像の各画素をラスター化された制御画像の対応する画素と比較し、対応するラスター化制御画像画素の内容とは異なる内容の符号化された画像画素を識別し、
対応するラスター化制御画像画素の内容とは異なる内容の符号化された画像画素を使用して、差画像を構成し、
復号された画像を差画像から形成するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項3】
前記制御画像はブランク画像である請求項2記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項4】
前記制御画像は1次画像のデジタルバージョンである請求項2記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項5】
復号された画像を構成する動作は、
符号化された画像の規則的な周期的サンプルの第1のセットを得て、これらのサンプルの構造、方向付け、周波数は少なくとも1つの符号化パラメータから得られ、
規則的な周期的サンプルの第1のセットから第1の複合サンプル画像を構成し、
サンプル間のスペースを埋め、第1の復号された画像を形成するために、規則的な周期的サンプルの第1のセットのサンプルを拡張するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項6】
各規則的な周期的サンプルは、縦の中心軸を有する細長い長方形セグメントであり、サンプルの周波数は、符号化された画像を符号化するために使用される符号化周波数に対応し、縦の中心軸の角方向付けは符号化された画像を符号化するために使用される符号化角度に対応している請求項5記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項7】
復号された画像を構成する動作は、
符号化された画像の規則的な周期的サンプルの第2のセットを獲得して、これらのサンプルの構造、方向付け、周波数は、規則的な周期的サンプルの第2のセットがサンプル間の期間の予め定められた割合だけ規則的な周期的サンプルの第1のセットからオフセットしている点を除いて、規則的な周期的サンプルの第1のセットと同じであり、
規則的な周期的サンプルから第2の複合サンプル画像を構成し、
サンプル間のスペースを埋め、第2の復号された画像を形成するために、規則的な周期的サンプルの第2のセットのサンプルを拡張するステップを含んでいる請求項5記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項8】
復号された画像を構成する動作はさらに、
層平坦化動作を第1および第2の復号された画像に適用することによって、復号された画像を形成するステップを含んでいる請求項7記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項9】
層平坦化動作は、第1および第2の復号された画像における溶解、乗算、平均化、オーバーレイ、微分、排他演算からなる動作の少なくとも1つを行うステップを含んでいる請求項8記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項10】
さらに、メディアンフィルタリング、ローパスフィルタリング、適応画像フィルタリング、形態学的処理からなるセットの1以上を使用して、符号化された画像の品質を強化するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項11】
符号化された画像のデジタルバージョンを得る動作は、符号化された画像のデジタルバージョンをデータ記憶装置から検索するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項12】
符号化された画像のデジタルバージョンを得る動作は、符号化された画像のデジタルバージョンを符号化プロセッサから受信するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項13】
符号化された画像のデジタルバージョンを得る動作は、符号化された画像のデジタルバージョンを符号化された画像の先に印刷されたバージョンから捕捉するための画像捕捉手段を使用するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項14】
画像捕捉装置は、光スキャナ、デジタルカメラ、アナログカメラおよびフレームグラッバーを含むシステムからなるセットのうちの1つである請求項13記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項15】
少なくとも1つの符号化パラメータを決定する動作は、少なくとも1つの符号化パラメータをデータ記憶装置から検索するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項16】
少なくとも1つの符号化パラメータを決定する動作は、少なくとも1つの符号化パラメータを符号化プロセッサから受信するステップを含んでいる請求項1記載の符号化された画像を復号する方法。
【請求項17】
符号化された画像が埋設されているデジタル文書を認証する方法において、
符号化された画像はデジタル文書から抽出された複数の符号化パラメータおよび認証内容を使用して構成されており、方法は、
符号化された画像をデジタル文書から抽出し、
符号化パラメータを使用して復号された画像を生成するために、符号化された画像をデジタル的に復号し、
復号された画像情報を抽出された認証内容と比較するステップを含んでいる方法。
【請求項18】
認証内容は認証画像を含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項19】
認証内容は、デジタル文書に実質的に特有の文書特定データを含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項20】
復号された画像内容を抽出された認証内容と比較する動作は、
抽出され復号された画像内容が認証内容に一致するか否かを決定するステップを含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項21】
認証内容はデータベース中に記憶されており、復号された画像内容を抽出された認証内容に対して比較する動作は、
認証内容をデータベースから検索するステップを含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項22】
復号された画像内容を抽出された認証内容に対して比較する動作は、
認証内容をデジタル文書から抽出するステップを含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項23】
デジタル文書から抽出された少なくとも1つの符号化パラメータおよび認証内容を使用して構成される、デジタル文書中へ埋設するための符号化された画像を構成するように適合されている符号化モジュールと、
符号化された画像をデジタル文書中に埋設するように構成されており、符号化モジュールと通信するように構成されている埋設モジュールと、
少なくとも1つの符号化パラメータを記憶するように構成され、符号化モジュールと選択的に通信する符号化情報データベースと、
デジタル文書を受信し、
少なくとも1つの符号化パラメータをデータベースから検索し、
符号化された画像をデジタル文書から抽出し、
少なくとも1つの符号化パラメータを使用して復号された画像を生成するために、符号化された画像をデジタル的に復号し、
符号化された画像内容を復号された画像から抽出するように構成され、符号化モジュールと選択的に通信する復号モジュールと、
符号化された画像情報を抽出された認証内容に対して比較するように構成され、復号モジュールと通信する認証モジュールとを具備しているデジタル文書を認証するシステム。
【請求項24】
システムはユーザデータプロセッサを具備し、そのユーザデータプロセッサは、符号化モジュールと選択的に通信し、符号化された画像がデジタル文書中に埋設されるようにリクエストするように構成されている符合器インターフェースモジュールを具備している請求項23記載のシステム。
【請求項25】
符号化モジュール、埋設モジュール、および符号化情報データベースからなる1以上のグループはユーザデータプロセッサの一部である請求項24記載のシステム。
【請求項26】
システムは少なくともユーザデータプロセッサとネットワークによって選択的に通信する認証サーバを具備し、復号モジュールと認証モジュールは認証サーバの一部であり、認証サーバは文書認証リクエストを少なくとも1つのユーザデータプロセッサから受信し、認証結果を少なくとも1つのユーザデータプロセッサへ戻すように構成されている請求項23記載のシステム。
【請求項27】
第1の符号化された画像が埋設されているデジタル文書の保護を強化する方法において、第1の符号化された画像は認証内容のセットと第1の符号化パラメータセットを使用して構成されており、方法は、
復号された画像を生成するために第1の符号化パラメータセットを使用して第1の符号化された画像をデジタル的に復号し、
認証内容のセットを復号された画像から抽出し、
認証内容のセットと第2の符号化パラメータセットとを使用して、第2の符号化された画像を構成するステップを含んでいる方法。
【請求項28】
前記認証内容は、実質的にデジタル文書に特有のデータを含んでいる請求項27記載の方法。
【請求項29】
さらに、第1の符号化された画像をデジタル文書から抽出するステップを含んでいる請求項27記載の方法。
【請求項30】
さらに、第2の符号化された画像をデジタル文書中に埋設するステップを含んでいる請求項27記載の方法。
【請求項31】
さらに、デジタル文書をそこに埋設されている第2の符号化された画像と共に印刷するステップを含んでいる請求項28記載の方法。
【請求項32】
さらに、そこに認証可能な符号化された画像が埋設されている認証文書を認証するため受信し、
第2の符号化パラメータセットを使用して、認証可能な符号化された画像を復号することを試みることによって、認証可能な文書を認証するステップを含んでいる請求項31記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−535280(P2007−535280A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510789(P2007−510789)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/013069
【国際公開番号】WO2005/109311
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506074439)グラフィック・セキュリティー・システムズ・コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】