説明

デジタル表示式測定器

【課題】複数の情報を同時に表示させることができるとともに、表示領域の大型化を抑制することができるデジタル表示式測定器の提供。
【解決手段】ノギスは、デジタル数字を表示させる表示手段と、表示手段を制御する制御手段とを備える。表示手段は、表示領域の略中央位置に配設される5つの単位数字部52を備える。各単位数字部52は、デジタル数字に対して横方向に沿って延出するとともに、横方向における両端位置を揃えた状態で、縦方向に所定の間隔で配設される7個の横セグメントS1,S4,S7,S10,S13,S16,S19と、縦方向に沿って延出するとともに、各横セグメントS1,S4,S7,S10,S13,S16,S19の左端間、及び右端間にそれぞれ配設される12個の縦セグメントS2,S3,S5,S6,S8,S9,S11,S12,S14,S15,S17,S18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル表示式測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル数字を表示させる表示手段と、表示手段を制御する制御手段とを備えるデジタル表示式測定器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のノギス(デジタル表示式測定器)は、センサモジュールと、本尺とを有し、センサモジュールは、位置センサと、位置センサの出力信号を処理して測定値を出力する信号処理回路(制御手段)と、信号処理回路が出力する測定値を表示する表示器(表示手段)とを備えている。
また、特許文献1に記載のノギスでは、表示器は、略直線状に形成される7個のセグメントで構成される表示セグメント、すなわち7セグメントディスプレイ(以下、単位セグメントとする)をデジタル数字に対して横方向に沿って複数配設する構成を有している。
【0003】
しかしながら、このような構成によると、表示器は、1つの情報(例えば、測定値)しか表示することができないので、他の情報(例えば、単位系を変更した測定値)を表示させる場合には、例えば、ボタン操作等によって表示する情報を切り替えなければならず、手間がかかるという問題がある。
これに対して、特許文献2に記載のノギスでは、表示部(表示手段)は、複数の表示欄を有している。そして、各表示欄には、それぞれ異なる複数の情報を表示させることができるので、ボタン操作等をすることなく複数の情報を同時に表示させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−202119号公報
【特許文献2】特開平9−133502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成によると、表示部における表示領域が大きくなり、ひいてはデジタル表示式測定器が大型化するという問題がある。この問題は、ノギスのような小型のデジタル表示式測定器では致命的である。
【0006】
本発明の目的は、複数の情報を同時に表示させることができるとともに、表示領域の大型化を抑制することができるデジタル表示式測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデジタル表示式測定器は、デジタル数字を表示させる表示手段と、前記表示手段を制御する制御手段とを備えるデジタル表示式測定器であって、前記表示手段は、略直線状に形成される複数のセグメントで前記デジタル数字を表示させる単位数字部を備え、前記単位数字部は、前記デジタル数字に対して横方向に沿って延出するとともに、前記横方向における両端位置を揃えた状態で、縦方向に所定の間隔で配設される少なくとも7個の横セグメントと、前記縦方向に沿って延出するとともに、前記各横セグメントの左端間、及び右端間にそれぞれ配設される複数の縦セグメントとを備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、単位数字部は、少なくとも7個の横セグメントと、複数の縦セグメントとを備えているので、少なくとも3個の単位セグメントを重ね合わせた構成となる。具体的に、例えば、7個の横セグメントで単位数字部を構成した場合には、単位数字部は、7個の横セグメントと、12個の縦セグメントとを備えた合計19個のセグメントで構成され、上方側の7個のセグメント(以下、上方側単位セグメントとする)、中間の7個のセグメント(以下、中間単位セグメントとする)、及び下方側の7個のセグメント(以下、下方側単位セグメントとする)の3個の単位セグメントを縦方向に接続した構成となる。
【0009】
したがって、単位数字部は、例えば、上方側単位セグメント、及び下方側単位セグメントにて複数の情報を同時に表示させることができる。
また、単位数字部では、上方側単位セグメントにおける下端の横セグメントと、中間単位セグメントにおける上端の横セグメントとは共通の横セグメントで構成され、中間単位セグメントにおける下端の横セグメントと、下方側単位セグメントにおける上端の横セグメントとは共通の横セグメントで構成されている。したがって、3個の単位セグメントを単に縦方向に並べて配設した場合と比較して表示領域の大型化を抑制することができる。
さらに、単位数字部は、3個の単位セグメントを重ね合わせた構成となるので、単位数字部にデジタル数字を表示させる位置や、大きさ等を変更したり、分数等の特殊な表示形式で情報を表示させたりすることができる。
【0010】
本発明では、前記表示手段は、前記横方向に沿って配列される複数の前記単位数字部を備えることが好ましい。
このような構成によれば、表示手段は、複数の単位数字部を備えるので、1つの単位数字部を備える場合と比較して、表示させる情報量を増加させることができる。
【0011】
本発明では、前記制御手段は、前記表示手段に前記デジタル数字を表示させる位置、及び大きさの少なくともいずれか一方を制御する表示制御部を備えることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、制御手段は、表示制御部を備えるので、例えば、使用者によるデジタル表示式測定器の設定に応じて、任意の位置に測定値を表示したり、全てのセグメント全体で測定値を表示させる拡大表示をしたりすることができる。
【0013】
本発明では、前記制御手段は、前記表示手段に分数を表示させる分数表示部を備えることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、制御手段は、分数表示部を備えるので、例えば、使用者によるデジタル表示式測定器の設定に応じて、測定値を分数で表示させることができる。なお、表示手段に分数を表示させるには、例えば、7個の横セグメントで単位数字部を構成した場合には、上方側単位セグメントにて分子を表示させ、下方側単位セグメントにて分母を表示させ、中間単位セグメントにて括線を表示させることで表示させることができる。
【0015】
本発明では、前記制御手段は、前記表示手段に少なくとも2段の前記デジタル数字を同時に表示させる多段表示部を備えることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、制御手段は、多段表示部を備えるので、例えば、7個の横セグメントで単位数字部を構成した場合には、使用者によるデジタル表示式測定器の設定に応じて、上方側単位セグメントにて所定の単位系による測定値を表示させ、下方側単位セグメントにて上方側単位セグメントにて表示させた単位系と異なる単位系による測定値を表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔ノギスの概略構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るノギス1の正面図である。
デジタル表示式測定器としてのノギス1は、図1に示すように、略矩形板状に形成される本尺2と、本尺2の長手方向に沿って移動可能に設けられるスライダ3と、スライダ3の本尺2に対する変位量を検出するエンコーダ4と、スライダ3に設けられ、エンコーダ4にて検出される変位量などの情報をデジタル表示する表示手段5と、スライダ3に設けられ、表示手段5を制御する制御手段6とを備える。
【0018】
本尺2は、長手方向の一端(図1中左端)に設けられた外側測定ジョー21、及び内側測定ジョー22を備える。
スライダ3は、本尺2の外側測定ジョー21、及び内側測定ジョー22に対向して設けられ、外側測定ジョー21、及び内側測定ジョー22とともに被測定物に当接させる外側測定ジョー31、及び内側測定ジョー32を備える。また、スライダ3には、表示手段5の周辺位置に複数の操作ボタン33が設けられている。
エンコーダ4は、本尺2の長手方向に沿って設けられる電磁誘導式のスケール41と、スライダ3に設けられ、スケール41と協働してスライダ3の本尺2に対する変位量を検出する検出部42とを備える。
【0019】
図2は、表示手段5の詳細構成を示す拡大図である。
表示手段5は、図2に示すように、複数のセグメントで構成され、デジタル数字を表示させるものであり、表示領域の一端(図2中左側)に配設される符号表示部51と、表示領域の略中央位置に配設される5つの単位数字部52と、各単位数字部52の間にそれぞれ配設されるドット表示部53とを備える。
【0020】
符号表示部51は、プラス、またはマイナスの符号を表示するものであり、デジタル数字に対して横方向(図2中左右方向)に延出する1つのセグメント511と、セグメント511の略中央位置からデジタル数字に対して上方向、及び下方向(図2中上方向、及び下方向)に向かって延出する2つのセグメント512とを備える。そして、符号表示部は、制御手段6による制御の下、プラスの符号を表示する場合には、セグメント511,512を点灯させ、マイナスの符号を表示する場合には、セグメント511のみを点灯させる。
【0021】
図3は、単位数字部52の詳細構成を示す拡大図である。
各単位数字部52は、図3に示すように、デジタル数字に対して横方向に沿って配列され、デジタル数字を表示させるものである。具体的に、単位数字部52は、略直線状に形成される19個のセグメントS1〜S19で構成され、デジタル数字に対して横方向に沿って延出するとともに、横方向における両端位置を揃えた状態で、縦方向に所定の間隔で配設される7個の横セグメントS1,S4,S7,S10,S13,S16,S19と、縦方向に沿って延出するとともに、各横セグメントS1,S4,S7,S10,S13,S16,S19の左端間、及び右端間にそれぞれ配設される12個の縦セグメントS2,S3,S5,S6,S8,S9,S11,S12,S14,S15,S17,S18とを備える。
【0022】
また、単位数字部52は、上方側の7個のセグメントS1〜S7で構成される上方側単位セグメントU1、中間の7個のセグメントS7〜S13で構成される中間単位セグメントU2、及び下方側の7個のセグメントS13〜S19で構成される下方側単位セグメントU3にてそれぞれデジタル数字を表示させることができる。
ドット表示部53は、例えば、測定値における小数点などの情報を表示するものであり、図2、及び図3に示すように、各単位数字部52における横セグメントS7,S13,S19の間にそれぞれ配設されている。
【0023】
図4は、ノギス1の概略構成を示すブロック図である。
制御手段6は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリ等で構成され、例えば、検出部42にて検出されるスライダ3の本尺2に対する変位量を取得し、取得した変位量を測定値として表示手段5に表示させるものである。この制御手段6は、図4に示すように、表示手段5にデジタル数字を表示させる位置、及び大きさを制御する表示制御部61と、表示手段5に分数を表示させる分数表示部62と、表示手段5に2段のデジタル数字を同時に表示させる多段表示部としての二段表示部63と、表示手段5に時刻情報を表示させる時計表示部64とを備える。
【0024】
また、表示制御部61、分数表示部62、二段表示部63、及び時計表示部64の動作は、表示設定によって切り替えられ、表示設定は、操作ボタン33(図1参照)が使用者によって操作されることで切り替えられる。以下、各表示設定における表示手段5の表示例について説明する。なお、分数表示部62にて分数を表示させる表示設定を分数表示とし、二段表示部63にて2段のデジタル数字を同時に表示させる表示設定を二段表示とし、時計表示部64にて時刻情報を表示させる表示設定を時計表示とする。
【0025】
〔表示手段の表示例〕
図5は、表示制御部61にて表示手段5にデジタル数字を表示させる位置を制御した場合の表示例を示す図である。
使用者によって表示設定が切り替えられ、表示手段5にデジタル数字、例えば、測定値を表示させる位置が変更されると、表示制御部61は、図5に示すように、表示手段5に測定値を表示させる位置を変更する。
具体的に、図5では、表示制御部61は、上方側単位セグメントU1、中間単位セグメントU2、及び下方側単位セグメントU3を制御することで、表示手段5に測定値を表示させる位置を表示領域の上方側(図5(A))、中間位置(図5(B))、及び下方側(図5(C))に変更している。なお、表示制御部61は、表示手段5に表示させる測定値等の情報に応じて符号表示部51、及びドット表示部53を制御する。分数表示部62、二段表示部63においても同様である。
【0026】
図6、及び図7は、表示制御部61にて表示手段5にデジタル数字を表示させる大きさを制御した場合の表示例を示す図である。
使用者によって表示設定が切り替えられ、表示手段5にデジタル数字を表示させる大きさが変更されると、表示制御部61は、図6、及び図7に示すように、表示手段5に測定値を表示させる大きさを変更する。
【0027】
具体的に、図6(A)では、表示制御部61は、下方側単位セグメントU3を制御することで、表示手段5に最小のデジタル数字(以下、このデジタル数字の大きさを等倍とする)を表示させている。図6(B)では、表示制御部61は、中間単位セグメントU2、及び下方側単位セグメントU3を制御することで、2倍のデジタル数字を表示させている。図6(C)では、単位数字部52全体を制御することで、3倍のデジタル数字を表示させている。
また、図7では、表示制御部61は、中間単位セグメントU2、及び下方側単位セグメントU3を制御することで、整数部を2倍のデジタル数字とし、小数部を等倍のデジタル数字として表示させ(図7(A))、整数部を等倍のデジタル数字とし、小数部を2倍のデジタル数字として表示させている(図7(B))。
【0028】
図8は、分数表示部62にて表示手段5に分数表示させた場合の表示例を示す図である。
使用者によって表示設定が分数表示に切り替えられると、分数表示部62は、図8に示すように、表示手段5に分数を表示させる。
具体的に、図8(A),(B)では、分数表示部62は、上方側単位セグメントU1を制御することで分子を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することで分母を表示させ、中間単位セグメントU2を制御することで括線、及び整数部を表示させて分数を表示させている。
また、図8(C)では、分数表示部62は、上方側単位セグメントU1を制御することで分子を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することで分母を表示させ、表示手段5全体を制御することで斜めに延出する括線を表示させて分数を表示させている。
【0029】
図9、及び図10は、二段表示部63にて二段表示させた場合の表示例を示す図である。
使用者によって表示設定が二段表示に切り替えられると、二段表示部63は、図9、及び図10に示すように、上方側単位セグメントU1と、下方側単位セグメントU3とでデジタル数字を同時に表示させる。
【0030】
具体的に、図9(A)では、二段表示部63は、上方側単位セグメントU1を制御することで予め記憶されている被測定物の設計値と、測定値との偏差を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することで測定値を表示させている。図9(B)では、二段表示部63は、上方側単位セグメントU1を制御することでミリ単位系の測定値を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することでインチ単位系の測定値を表示させている。図9(C)では、二段表示部63は、上方側単位セグメントU1を制御することで測定回数を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することで測定値を表示させている。図9(D)では、二段表示部63は、上方側単位セグメントU1を制御することでプリセット番号を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することでプリセット値を表示させている。図10(A),(B)では、二段表示部63は、上方側単位セグメントU1を制御することで整数部を表示させ、下方側単位セグメントU3を制御することで小数部を表示させている。
【0031】
図11は、時計表示部64にて表示手段5に時計表示させた場合の表示例を示す図である。
使用者によって表示設定が時計表示に切り替えられると、時計表示部64は、図11に示すように、時刻情報を表示させる。
具体的に、図11では、時計表示部64は、単位数字部52の上方側単位セグメントU1における下方側の4個のセグメントS4〜S7と、中間単位セグメントU2と、下方側単位セグメントU3における上方側の4個のセグメントS13〜S16と、ドット表示部53とを制御することで時刻情報を表示させている。
【0032】
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)単位数字部52は、上方側単位セグメントU1、中間単位セグメントU2、及び下方側単位セグメントU3の3個の単位セグメントを縦方向に接続した構成となるので、複数の情報を同時に表示させることができる。
(2)単位数字部52では、上方側単位セグメントU1における下端の横セグメントと、中間単位セグメントU2における上端の横セグメントとは共通の横セグメントS7で構成され、中間単位セグメントU2における下端の横セグメントと、下方側単位セグメントU3における上端の横セグメントとは共通の横セグメントS13で構成されている。したがって、3つの単位セグメントを単に縦方向に並べて配設した場合と比較して表示領域の大型化を抑制することができる。
【0033】
(3)表示手段5は、デジタル数字に対して横方向に沿って配列される複数の単位数字部52を備えるので、1つの単位数字部を備える場合と比較して、表示させる情報量を増加させることができる。
(4)制御手段6は、表示制御部61を備えるので、例えば、使用者による表示設定に応じて、任意の位置に測定値を表示したり、単位数字部52全体で測定値を表示させる拡大表示をしたりすることができる。
(5)制御手段6は、分数表示部62を備えるので、例えば、使用者による表示設定に応じて、測定値を分数で表示させることができる。
【0034】
(6)制御手段6は、二段表示部63を備えるので、例えば、使用者による表示設定に応じて、上方側単位セグメントU1にて所定の単位系による測定値を表示させ、下方側単位セグメントU3にて上方側単位セグメントU1にて表示させた単位系と異なる単位系による測定値を表示させることができる。また、例えば、上方側単位セグメントU1にて整数部を表示させ、下方側単位セグメントU3にて小数部を表示させることによって、1つの単位セグメントにて整数部、及び小数部を表示させた場合と比較して表示桁数を増加させることができる。
【0035】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、単位数字部52は、7個の横セグメントを備えていたが、単位数字部は、少なくとも7個の横セグメントを備えていればよい。
前記実施形態では、表示手段5は、表示領域の略中央位置に配設される5つの単位数字部52を備えていたが、少なくとも1つの単位数字部を備えていればよい。
前記実施形態では、表示制御部61は、表示手段5にデジタル数字を表示させる位置、及び大きさを制御していたが、位置、及び大きさの少なくともいずれか一方を制御するように構成されていればよい。
【0036】
前記実施形態では、単位数字部52は、上方側単位セグメントU1、中間単位セグメントU2、及び下方側単位セグメントU3にてそれぞれデジタル数字を表示させていた。これに対して、例えば、単位数字部は、上方側単位セグメントにおける下方側の4個のセグメント、及び中間単位セグメントにおける上方側の4個のセグメントで構成される合計7個のセグメントと、中間単位セグメントにおける下方側の4個のセグメント、及び下方側単位セグメントにおける上方側の4個のセグメントで構成される合計7個のセグメントにてそれぞれデジタル数字を表示させてもよい。要するに、単位数字部にデジタル数字をどのように表示させるかは設計者の自由である。
【0037】
前記実施形態では、制御手段6は、表示手段5に2段のデジタル数字を同時に表示させる二段表示部63を備えていた。これに対して、制御手段は、表示手段に3段以上のデジタル数字を同時に表示させる多段表示部を備えていてもよい。なお、この場合には、同時に表示させるデジタル数字の段数に応じて単位数字部における横セグメントの数を増加させればよい。
前記実施形態では、制御手段6は、表示制御部61、分数表示部62、二段表示部63、及び時計表示部64を備え、表示手段5に多様な表示をさせていたが、表示手段5にどのような表示をさせるかは設計者の自由である。
前記実施形態では、デジタル表示式測定器としてノギス1を例示したが、他のデジタル表示式測定器に本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、デジタル表示式測定器に利用でき、特に、小型のデジタル表示式測定器に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係るノギスの正面図。
【図2】前記実施形態における表示手段の詳細構成を示す拡大図。
【図3】前記実施形態における単位数字部の詳細構成を示す拡大図。
【図4】前記実施形態におけるノギスの概略構成を示すブロック図。
【図5】前記実施形態における表示制御部にて表示手段にデジタル数字を表示させる位置を制御した場合の表示例を示す図。
【図6】前記実施形態における表示制御部にて表示手段にデジタル数字を表示させる大きさを制御した場合の表示例を示す図。
【図7】前記実施形態における表示制御部にて表示手段にデジタル数字を表示させる大きさを制御した場合の表示例を示す図。
【図8】前記実施形態における分数表示部にて表示手段に分数表示させた場合の表示例を示す図。
【図9】前記実施形態における二段表示部にて二段表示させた場合の表示例を示す図
【図10】前記実施形態における二段表示部にて二段表示させた場合の表示例を示す図。
【図11】前記実施形態における時計表示部にて表示手段に時計表示させた場合の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
1…ノギス(デジタル表示式測定器)
5…表示手段
6…制御手段
52…単位数字部
61…表示制御部
62…分数表示部
63…二段表示部
S1,S4,S7,S10,S13,S16,S19…横セグメント
S2,S3,S5,S6,S8,S9,S11,S12,S14,S15,S17,S18…縦セグメント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル数字を表示させる表示手段と、前記表示手段を制御する制御手段とを備えるデジタル表示式測定器であって、
前記表示手段は、
略直線状に形成される複数のセグメントで前記デジタル数字を表示させる単位数字部を備え、
前記単位数字部は、
前記デジタル数字に対して横方向に沿って延出するとともに、前記横方向における両端位置を揃えた状態で、縦方向に所定の間隔で配設される少なくとも7個の横セグメントと、
前記縦方向に沿って延出するとともに、前記各横セグメントの左端間、及び右端間にそれぞれ配設される複数の縦セグメントとを備えることを特徴とするデジタル表示式測定器。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル表示式測定器において、
前記表示手段は、前記横方向に沿って配列される複数の前記単位数字部を備えることを特徴とするデジタル表示式測定器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデジタル表示式測定器において、
前記制御手段は、
前記表示手段に前記デジタル数字を表示させる位置、及び大きさの少なくともいずれか一方を制御する表示制御部を備えることを特徴とするデジタル表示式測定器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のデジタル表示式測定器において、
前記制御手段は、
前記表示手段に分数を表示させる分数表示部を備えることを特徴とするデジタル表示式測定器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のデジタル表示式測定器において、
前記制御手段は、
前記表示手段に少なくとも2段の前記デジタル数字を同時に表示させる多段表示部を備えることを特徴とするデジタル表示式測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−101733(P2010−101733A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273016(P2008−273016)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】