説明

デスク兼用サウナ

【課題】省スペース化、サウナ利用時他の作業ができること、多用途化を図る。
【解決手段】デスク部10と座部囲繞部20とから成り、相互に開閉自在と成し、内部の座席に着席して使用する。デスク部10は平面部11と側面部12と底面部13とから成り、座部囲繞部20は側面部22と底面部23とから成る。デスク部10の内表面と座部囲繞部20の内表面には面状電熱ヒータを設ける。座部囲繞部20の左右の側面部22sの上側縁部をその前端部から後方に向かって徐々にその高さを高く形成し、後方背面部22rの高さを使用者の首部周辺の高さに設定できる。全体平面形状を略円形形状とし、デスク部10と座部囲繞部20のそれぞれの平面形状も略半円形形状とし、座部囲繞部20が、デスク部10の側面部12の半円弧状外周で周方向に摺動可能とすることもできる。使用者は首部にポンチョ形状の体被覆部材を着衣してサウナとして使用することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内で使用できるデスク兼用のサウナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用サウナとしては、下記特許文献に記載の発汗促進装置に関する考案の存在がある。
この考案は、本願発明者が提案したものであるが、遠赤外線の全身照射によって使用者の健康を増進させ、使用者を心地よく暖め、且つマイナスイオンをも発生する家庭用サウナ或いは暖房器具として使用できるものである。
【0003】
その構成は、1本または2本以上の半円筒体を入れ子式に配置したもので、内部に使用者を収容した半円筒体の内周面から遠赤外線を放射させて発汗を促進する装置である。
上記半円筒体は、外周側に配置する比較的厚い断熱層と、所定間隔をおいて平行に並べた帯状のヒータからなる発熱層と、内周側に配置する金属の均熱保護層とを備え、これらを積層して一体化させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3126982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の発汗促進装置は、使用者がその半円筒体の内部に横臥して使用するものであるため、以下のような種々の問題が生じる。
先ず、装置利用中は他のことができない。例えば利用しながら本を読んだり、テレビを見たりすることは可能ではあるが、横臥した状態でそれを行うことは、一定の姿勢を維持しなければならず、非常に疲れてしまうのである。
また、横臥した状態で利用すると、寝てしまうという問題もある。
更に、この装置は、縦に長く引き伸ばして使用するために、室内で大きな床面を占領して、スペース的にも問題が生じる。
不使用時の保管にも不便なものとなる。
装置利用中は、装置の下面に汗取りマット等の床シート材を敷く必要がある。
【0006】
そこで、本発明においては、上記の諸問題を解決すべく、先ず使用時に大きなスペースを必要としないものを提供することをその第一の課題とする。
次に、サウナ利用時であっても、他の作業、例えば読書をしたり、テレビを視聴したりすることができるようなものを提供することも本発明の課題である。
また、サウナ利用時以外には、これを他の用途のものとして使用できることも本発明の課題であり、これによりこの装置を物置等に格納することが不要となり、部屋の適当な場所にその別の機能を発揮するものとして設置したままとすることができるのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明の第1のものは、デスク用平面部と、この平面部の下方前方と下方左右の両側を囲繞する前方側面部と両側側面部とを連続的に設けてデスク部を形成し、このデスク部の手前側の座席部の空間を囲繞するように、左右の座部側面部と後方の座部背面部とを連続的に形成して座部囲繞部を形成し、この座部囲繞部の前方側の一方の縦方向端縁部を前記デスク部の後方側の一方の縦方向端縁部に枢着して、座部囲繞部の他方の縦方向端縁部とデスク部の後方側の他方の縦方向端縁部を相互に開放自在とし、 デスク部の内表面及び座部囲繞部の内表面には、面状電熱ヒータを設け、これにより、使用者が座席に着席して、前記面状電熱ヒータに通電することによって、サウナとして使用することができることを特徴とするデスク兼用サウナである。
【0008】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、左右の座部側面部の上側縁部をその前端部から後方に向かって徐々にその高さを高く形成し、後方の座部背面部の高さを使用者の首部周辺の高さに設定したことを特徴とするデスク兼用サウナである。
【0009】
本発明の第3のものは、上記第1の発明において、全体平面形状を略円形形状とし、デスク部及び座部囲繞部のそれぞれの平面形状も略半円形形状とし、座部囲繞部がデスク部の側面部の外周で周方向に摺動可能とし、デスクとして使用する際は、座部囲繞部がデスク部側面部の外周に沿って重ね合わされ、サウナとして使用する際は、座部囲繞部をデスク部側面部から周方向に摺動して、座部空間を囲繞することができることを特徴とするデスク兼用サウナである。
【0010】
本発明の第4のものにおいては、上記第1又は第3の発明において、座部囲繞部の高さをデスク部の側面部と略同一の高さとし、座部囲繞部の外周上方部で上下に摺動可能な左右肩部被覆部兼背部被覆部を設けたことを特徴とするデスク兼用サウナである。
【0011】
本発明の第5のものにおいては、上記それぞれの発明において、使用者の首部から少なくとも肩部及び胸部と背部を被覆できる布帛製の体被覆部材を着衣し、着席してサウナとして使用することを特徴とするデスク兼用サウナである。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の第1のものにおいては、デスク部と座部囲繞部とから形成され、それらは相互に一方の縦方向端縁部にて回動自在に枢着され、他方の縦方向端縁部にて開閉自在に形成されているために、簡単にその内部に入って座席に着席することができ、その後本や雑誌を読みながら、或いはテレビを見ながらサウナを利用することができる。
そのサウナもデスク部の平面部とその下方前方と下方左右両側が取り囲まれ、それらの内表面には面状電熱ヒーターが設備され、他方座部囲繞部の側も、その内表面の全体に面状電熱ヒーターが設備されているために、非常に効率よく熱が利用者に伝わり、効率よくサウナ効果を得ることができる。
勿論、サウナとして使用しないときは、デスクとして使用可能である。従って、サウナとして使用しないときでも、室内の適当な場所にデスクとして設置しておくことができ、物置等に格納する必要はない。
尚、本発明においては、デスクという概念にはテーブルの意味も含むものである。
【0013】
本発明の第2のものにおていは、上記発明の効果に加えて、座部囲繞部の左右の座部側面部の上側縁部を、その前端部から後方に向かって徐々にその高さを高く形成し、後方の座部背面部の高さを使用者の首部周辺部の高さまで高く設定したために、より効率よく利用者の両肩部及び背中上方部と首後方部を加温することが可能となる。
【0014】
本発明の第3のものにおいては、その全体平面形状を略円形形状とし、即ち、デスク部及び座部囲繞部共にその平面形状を略半円形形状とすることにより、座部囲繞部がデスク部側面部の外周に沿って重ね合わされ、サウナとして使用する際には、座部囲繞部をデスク部側面部から周方向に摺動して、座部空間を囲繞することができるようにし、サウナ使用時以外は、この座部囲繞部をデスク部の外周に接合させて、デスクとして使用できるようにしたものである。
つまり、サウナとして使用する以外のときは、そのまま室内の適宜場所に設置したままでデスクとして使用することができるものとなるのである。
【0015】
本発明の第4のものにおいては、上記第1又は第3の発明において、座部囲繞部の外周上方部に上下方向に摺動可能な左右肩部被覆部兼背部被覆部を設けたために、サウナ使用時には、この部分を上方に移動させて利用することができ、より利用者の両肩部及び背部と首部後方部を良好に加温することができ、サウナ効果をより向上させることができる。
【0016】
本発明の第5のものにおいては、上記それぞれの考案において、サウナ使用時に、更に利用者がマント又はポンチョの如き形態の布帛製の体被覆部材を着用することにより、よりそのサウナ効果を向上させることができるものとなる。
この体被覆部材の内側を吸汗性のものとし、その外側を通気性のない素材から形成することにより更にそのサウナ効果は向上するのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るデスク兼用サウナの第1の実施形態を示す概念説明図である。
【図2】本発明に係るデスク兼用サウナの第2の実施形態を示す概念平面図である。
【図3】上記第2の実施形態の斜視説明図であって、座部囲繞部をデスク部から引き出した状態を図示したものである。
【図4】上記第2の実施形態の斜視説明図であって、座部囲繞部をデスク部から引き出し且つ左右肩部被覆部兼背部被覆部を上方に引き出した状態を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るデスク兼用サウナの第1の実施形態に係る概念説明図である。
本発明に係るデスク兼用サウナは、デスク部10と座部囲繞部20とから成る。
デスク部10は、その平面形状が略半楕円形形状を有し、その上面部に位置するデスク用平面部11と、側面部12と、底面部13とから形成されている。
【0019】
この側面部12は、デスク用平面部11の下方前方側面を被覆する前方側面部12fと、左右両側を被覆する左及び右側面部12s、12sとから成り、前方側面部12fと左右側面部12s、12sとは連続的に形成されている。
また、この実施形態においては、側面部12の下端には底面部13を設けている。
更に、図には現れていないが、底面部13の下面には、適宜数のキャスターが設けられている。
【0020】
座部囲繞部20に関しても、その平面形状が略半楕円形形状を有し、側面部22とその下端部に設けられている底面部23とから成る。
この底面部23の上には、図示はしていないが、座席が設けられる。
側面部22は、左及び右側面部22s、22sと後方の座部背面部22rとが連続的に形成されている。
この座部囲繞部20の底面部23の下面にも、図には現れていないが、適宜数のロック付きキャスターを設けている。
【0021】
この図1では、座部囲繞部20の側面部22の高さを、デスク部10の高さと略同一としているが、この側面部22の高さをより高く形成することもできる。
即ち、左右側面部22s、22sの前方端側から徐々に高さを高く形成して、座部背面部22rの高さを使用者の首部の高さにまで高く形成することもできる。
【0022】
デスク部10の側面部12及び座部囲繞部20の側面部22の内表面には、そのほぼ全面に面状電熱シートを接合している。
また同様に、デスク部10の底面部13の内表面(上面)にもこの面状電熱シートを接合しても良い。
より詳細には、これら側面部12、22の構造は、以下の通りとなる。
これら側面部12、22は、図示はしていないが、いずれも多層構造を有し、外側に位置する比較的厚い断熱層と、その内側の面状電熱フィルムヒータからなる発熱層とから形成される。断熱層は、厚さ10mm程度のポリプロピレン発泡体から形成される。発熱層の内側表面に保護層を設けるのも自由である。
【0023】
発熱層は、略矩形形状のカーボンブラックを含有する面状フィルムヒータを側面部12の内表面に適宜並べて接合し、形成する。面状フィルムヒータは、微粉末のカーボンブラックを含有しており、通電することによって発熱し、遠赤外線を放出する。
断熱層の表面全体に、さらにプラスチック外面層を積層し、該外面層は適宜に着色し且つ図形や商標を印刷する。例えば、外面層は、厚さ1〜5mmのアクリル樹脂から形成できる。一方、内表面に保護層を設けた場合には、その面状フィルムヒータ側の全体に、黒色の備長炭含有シートを貼り付けて遠赤外線発生層を更に形成することもできる。遠赤外線発生層は、加熱によって遠赤外線更にはマイナスイオンを放出する。
【0024】
それぞれの側面部12、22において、面状フィルムヒータの両端部には、電気コードを接続する(図示しない)。電気コードは、側面部12、22の適宜部位からそれぞれ引き出し、各電気コードの先端にはコントローラを接続し、コントローラから更に電気コードを接続して、この電気コードの先端に電源コンセントに接続するプラグを設ける。
上記コントローラには、電源ボタンを設け、更に各面状フィルムヒータに対して温度設定と時間設定が可能なものである。本発明においては、その温度設定は約35度乃至60度程度をその最高温度として設定している。
【0025】
上記実施形態に係るデスク兼用サウナの使用は、座部囲繞部20の側を固定的に設定しておき、デスク部10の一方の後方側の縦方向端縁部15を開放して(図1の状態)、その内部に入り、座部囲繞部20の底面部23に設けた座席に着席し、その後デスク部10の前記縦方向端縁部15を、座部囲繞部20の一方の前方側の縦方向端縁部25の側に(矢印Dの方向に)回動させて当接させて、磁石15m、25mにより相互に接合することができる。
【0026】
即ち、デスク部10は、その他方の後方側の縦方向端縁部16及び座部囲繞部20の他方の前方側の縦方向端縁部26の部分で蝶番により接続され、枢着されているのである。
これによりデスク部10の下面に設けられたキャスターにより、前記枢着部を中心として回動し、矢印Dの方向にデスク部10が回動して、デスク部10が座部囲繞部20に対して閉鎖でき、或いは開放することができるのである。
尚、上記実施形態では、座部囲繞部20の底面部23の内表面部には、面状電熱シートを設けていないが、この部分に面状電熱シートを設けるのも自由である。
【0027】
更に、この実施形態においては、図示はしていないが、デスク部10の底面部13の上に、岩盤浴の機能を発揮する陶板製の足部加温部材を設置している。
より詳しくは、この足部加温部材は、平面状の陶製板状体又は石材製板状体と、これらの板状体を載置・保持する本体部と、本体部の前記板状体を載置する面に設けられた面状ヒータとから形成され、面状ヒータに通電することにより前記板状体を加温して足を暖めることができるものである。
そして更に、前記板状体の表面にシルクスクリーン印刷等の印刷技法を用いて、ゲルマニウム粉体を含む印刷インキを点状、線状、及び/又は格子状等の種々のパターンにプリントしたものを使用している。
この足部加温部材を更に使用することにより、サウナ効果を更に向上させている。
【0028】
図2は、本発明に係るデスク兼用サウナの第2の実施形態を図示する概念平面図である。
このデスク兼用サウナは、その全体の平面形状が略円形形状を有している。即ち、デスク部30の平面形状が略半円形状を有し、座部囲繞部40の平面形状も略半円形形状を有している。
そして、座部囲繞部40が、デスク部30の半円弧状外周部の外側に沿うように摺動できるように構成している。
【0029】
更に、座部囲繞部40の外側には、左右肩部被覆部兼背部被覆部44が上下に摺動できるように形成されている。
従って、この第2の実施形態においては、デスクとして使用する際は、座部囲繞部40をデスク部30の半円弧状外周部の側に接合して使用し、サウナとして使用する際は、座部囲繞部40をデスク部30の半円弧状外周部から摺動させて、後方側外側に引き出して座席(図示省略)の周りに座部囲繞部40を出現させ、座席を取り囲むように形成し、更に座部囲繞部40の外側に設けた左右肩部被覆部兼背部被覆部44を上方に引き上げて、使用者の肩部及び背部と首部を囲繞して使用することができる。
尚、この第2の実施形態においては、座部囲繞部40がデスク部30の半円弧状外周部に接合されるため、上記第1の実施形態にあるような底面部は形成していない。
この第2の実施形態の構成は更に次図により説明を加える。
【0030】
図3は、上記第2の実施形態の斜視説明図であって、座部囲繞部をデスク部から引き出した状態を図示したものである。
この図から解る通り、デスク部30の側面部32の外周面の周方向には、その上方側と下方側にガイドレール34、34が設けられている。
このガイドレール34に適合するように、座部囲繞部40の側面部42の内側には適宜数のローラ34rが列設されており、このローラ34rが前記ガイドレール34に適合して、座部囲繞部40がデスク部30の半円弧状外周部から周方向に良好に引き出される。
【0031】
勿論図示はしていないが、座部囲繞部40の側面部42の下端部にはキャスターが設けられている。
尚、ガイドレール34及びローラ34rの構成は、より詳しくは、ガイドレール34の内側の周方向に上下の溝部が形成されたもので、座部囲繞部40の側に列設されたローラ34rがその溝部に係合して転がるように形成されたものであるが、このローラ34rは単に上下の溝に係合する滑り部材から形成することも可能である。
また、勿論のこととして、ガイドレールとローラの構成を逆にすることもできる。
即ち、ガイドレールを座部囲繞部40の側面部42の内周面の周方向に設け、ローラをデスク部30の側面部32の外周面の周方向に列設することもできる。
【0032】
更に、座部囲繞部40の側面部外周上部には、左右肩部被覆部兼背部被覆部44が上下摺動可能に設けられている。
この左右肩部被覆部兼背部被覆部44が上下に摺動する構成も上記座部囲繞部40と同様の構成を有する。
即ち、座部囲繞部40の側面部42の外周上方部には、上下方向にガイドレール45を略平行に4本設けており、このガイドレール45に適合するローラを左右肩部被覆部兼背部被覆部44の内側面に設けている。
ガイドレール45とローラの構成は、上記デスク部30に設けたガイドレール34と座部囲繞部40に設けたローラ34rと同じ構成である。
【0033】
これにより、座部囲繞部40をデスク部30の外周部から外側に引き出した後に、左右肩部被覆部兼背部被覆部44を上方に引き出すことができる。
ガイドレール45は、その上端部で横方向に折曲して更にその端部が少し下方に折曲するように形成されているために、左右肩部被覆部兼背部被覆部44を上端部まで摺動させて更に横方向に摺動させると、この左右肩部被覆部兼背部被覆部44はその位置を固定させることができるのである。次図がこの状態を示すものである。
【0034】
図4は、本発明の上記第2の実施形態の斜視説明図であって、座部囲繞部をデスク部から引き出し且つ左右肩部被覆部兼背部被覆部を上方に引き出した状態を図示するものである。
この図4の状態で、本発明はサウナとして使用できるものとなる。
この図においても、座席及びデスク部及び座部囲繞部下端部のキャスターの図示を省略している。
【0035】
この図4の状態に至るまでの説明は、即ち図2から図4までの3図によってその全体が判明するが、デスクとして使用する図2の状態においては、座部囲繞部40は、デスク部30の半円弧状外周部に接合して収納された状態である。この状態で、使用者は座席をデスク部30のデスク用平面部31の手前に置いてデスク又はテーブルとして使用できる。
次に、本発明に係るデスク兼用サウナをサウナとして使用するときは、座部囲繞部40をデスク部30の円弧状外周部から引き出して、座部囲繞部40を座席の周りに出現させる。
【0036】
更に、座部囲繞部40の外周面上方に設けられた左右肩部被覆部兼背部被覆部44を上方に引き出し、これを座部囲繞部40の上方に出現させるのである。
この状態で、使用者は、サウナとして使用することができる。
尚、サウナとして使用する場合には、利用者は、マント形状或いはポンチョ形状の布帛製の上半身を被覆する体被覆部材を着用することができる。
【0037】
この体被覆部材は、首部に巻き付けて面ファスナー等の固定手段により固定できる形態のもので、利用者の上半身を被覆することができ、丁度、散髪の際に使用するようなマント形状のものである。
この体被覆部材は、その内側が吸湿性の繊維製生地を有し、その外側素材としては通気性のない合成樹脂製のものを接合したものを使用することによって更にサウナ効果を向上させることが可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては、以下の通り各種設計変更が可能である。
本発明においては、その平面視形状は、上記第2の実施形態の場合には略円形形状にする必要があるが、それ以外の場合には、その平面視形状を自由に変更して設計することができる。
但し、上記第2の実施形態においても、座部囲繞部の側面部を縦長の細板を複数連続的に接続形成して、その接続部で折曲可能な素材を用いることにより、即ちシャッター形態のものを横方向に設けたものを用いることにより、平面視円形形状以外の形状で実施することも可能である。
また、デスク部と座部囲繞部のそれぞれの平面形状を異なる形状とすることもできる。
【0039】
座席の形態も全く自由で、その形状及び形態もどのようなものであっても良い。
座席も座部囲繞部の底面部に固定して設けるのも自由であり、自由に移動できるものとして実施することもできる。
デスク部の平面部を平面視略矩形形状とすることもできる。
デスク部の平面部も必ずしも完全な平面でなくともよく、少し前方が高くなった傾斜のあるものでもよい。
勿論、デスク用平面部の前方外周部に枠体を設けて実施することもできる。
【0040】
デスク部と座部囲繞部とを相互に閉鎖する手段は、上記実施形態では磁石を利用したが、これ以外の係合手段を設けることもでき、その閉鎖手段は自由に設計変更することができる。
面状電熱シートも、上記実施形態では、面状フィルムヒータを利用したが、このヒータも電熱式の面状のヒータであれば、現在開発されているものを利用することができ、とりわけ遠赤外線を効率よく放出するもの、或いはマイナスイオンを放出できるものを採用することが好ましい。
【0041】
デスク部及び座部囲繞部の下端部に設けるキャスターも適宜必要に応じて選択すればよいが、その構成により、デスク部或いは座部囲繞部の何れかのものを適宜ロックできるものを採用し、一方を固定できるようにすることが望ましい。
コントローラで設定できる温度やタイマーの設定時間等は、適宜必要に応じて設定することができる。
以上、本発明は、デスクとして使用することができ、或いは同様にサウナとして他の作業をしつつ使用することもでき、しかもどちらも椅子に座ったままの状態で使用可能で、その設置スペースを最小限とすることができ、収納庫等に格納する必要もなく、極めて取扱い容易なデスク兼用サウナを提供することができた。
【符号の説明】
【0042】
10、30 デスク部
11 デスク用平面部
12、22、32、42 側面部
13、23 底面部
15、16、25、26 縦方向端縁部
20、40 座部囲繞部
34、45 ガイドレール
34r ローラ
44 左右肩部被覆部兼背部被覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デスク用平面部(11)と、この平面部(11)の下方前方と下方左右の両側を囲繞する前方側面部(12f)と両側側面部(12s, 12s)とを連続的に設けてデスク部(10)を形成し、
このデスク部(10)の手前側の座席部の空間を囲繞するように、左右の座部側面部(22s, 22s)と後方の座部背面部(22r) とを連続的に形成して座部囲繞部(20)を形成し、この座部囲繞部(20)の前方側の一方の縦方向端縁部(26)を前記デスク部(10)の後方側の一方の縦方向端縁部(16)に枢着して、座部囲繞部(20)の他方の縦方向端縁部(25)とデスク部(10)の後方側の他方の縦方向端縁部(15)を相互に開放自在とし、
デスク部(10)の内表面及び座部囲繞部(20)の内表面には、面状電熱ヒータを設け、
これにより、使用者が座席に着席して、前記面状電熱ヒータに通電することによって、サウナとして使用することができることを特徴とするデスク兼用サウナ。
【請求項2】
左右の座部側面部(22s, 22s)の上側縁部をその前端部から後方に向かって徐々にその高さを高く形成し、後方の座部背面部(22r)の高さを使用者の首部周辺の高さに設定したことを特徴とする請求項1に記載のデスク兼用サウナ。
【請求項3】
全体平面形状を略円形形状とし、デスク部(30)及び座部囲繞部(40)のそれぞれの平面形状も略半円形形状とし、
座部囲繞部(40)がデスク部(30)の側面部(32)の外周で周方向に摺動可能とし、デスクとして使用する際は、座部囲繞部(40)がデスク部(30)側面部(32)の外周に沿って重ね合わされ、サウナとして使用する際は、座部囲繞部(40)をデスク部(30)側面部(32)から周方向に摺動して、座部空間を囲繞することができることを特徴とする請求項1に記載のデスク兼用サウナ。
【請求項4】
座部囲繞部(40)の高さをデスク部(30)の側面部(32)と略同一の高さとし、座部囲繞部(40)の外周上方部で上下に摺動可能な左右肩部被覆部兼背部被覆部(44)を設けたことを特徴とする請求項1又は3に記載のデスク兼用サウナ。
【請求項5】
使用者の首部から少なくとも肩部及び胸部と背部を被覆できる布帛製の体被覆部材を着衣し、着席してサウナとして使用することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデスク兼用サウナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−323(P2011−323A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146709(P2009−146709)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(592181543)株式会社西淀マーク製作所 (5)
【Fターム(参考)】