説明

データ供給装置

【課題】 OSやPCアプリケーションの動作不具合を誘発することなく、画像ファイルとGPSログデータを再生装置に一度に取り込むこと
【解決手段】 通信手段を備え、GPS受信機を備え、前期GPS受信機からGPS情報を取得して定期的に記録するGPSロギング手段を備え、前期GPSロギング手段を備えているか否かを返答する手段を備えた装置であって、前記装置は、画像ファイルとGPSログデータの取り込み先である再生装置の取り込み要求に対し、GPSロギング手段を備えているか否かを示す所定の情報を返答し、再生装置が前記所定の情報と共に取り込み要求を行った場合にGPSログデータを再生装置に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信により外部装置へデータを供給するデータ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)受信機をデジタルカメラに内蔵又は装着し、GPS衛星から得られたGPS情報(位置情報、時間、受信衛星の数等)を、撮影画像とともに記録するシステムが提案されている。GPS受信機は、GPS衛星から発信された電波を受信し、電波発信の時刻とGPS受信機に電波が到着した時刻との時間差及び搬送波を解析し、地球上の観測している位置(緯度、経度、高度等)を測定する。なお、GPS衛星は、米国国防総省により管理、運営されており、24個のGPS衛星が地球上を周回している。
【0003】
また、JEIDA(日本電子工業振興協会)が策定したデジタルカメラ用の画像メタデータのフォーマットであるExif(Exchangeable image file format)には、GPSに関する付属情報を記録するタグが用意されている。例えば、GPS受信機によって受信されたGPS情報はこのタグに記録される。このようなシステムによれば、ユーザは、撮影画像を再生する際に、GPS情報を参照して撮影画像の撮影場所を知ることができ、また、撮影場所による所望の撮影画像を検索することができる。
【0004】
また近年、GPS情報を定期的に記録するGPSロギング装置を用いて、移動した軌跡の情報(GPSログデータ)を記録し、パーソナルコンピュータ(PC)などの再生装置に取り込み、移動の軌跡を電子地図上に表示して、移動ルートや撮影場所に関する思い出の想起に役立てる機能も広く認知されつつある。
【0005】
特許文献1では、デジタルカメラで撮影した画像ファイルと、GPSロギング装置で記録したGPSログデータを、デジタルカメラからPCに取り込み、日時情報を基に画像ファイルとGPSログデータを対応付けて、電子地図上に表示する手段が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−171269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、画像ファイルとGPSログデータとを、デジタルカメラとGPSロギング装置からそれぞれPCに取り込んでいる。そのため、画像ファイルとGPSログデータとを取り込むために、複数のデバイスを扱う必要があり、ユーザの操作を煩雑にしていた。また、上述の特許文献に開示された従来技術では、デジタルカメラにGPSロギング装置が内蔵された装置である場合に画像ファイルとGPSログデータとをPCに取り込む方法まで述べられていない。上記のような装置の場合、画像ファイルとGPSログデータを同時にPCに取り込めることが好ましいが、PCにデータを送信するプロトコルの1つとして、PTP規格(Picture Transfer Protocol(PIMA 15740:2000, PHOTOGRAPHIC AND IMAGING MANUFACTURERS ASSOCIATION, INC.参照))があるが、GPSログデータを画像ファイルと同様にPTPの標準オブジェクトと定義し、PCの基本ソフトウェア(OS)やPTP通信に対応したPCアプリケーションで取り込もうとした場合、GPSログデータに対応していないOSやPCアプリケーションであり、また対応しているとしても、GPSログファイルのフォーマットはデバイスによって異なる可能性が高く、動作不具合を誘発する恐れがある。
【0008】
本発明は、このような課題を少なくとも1つ解決することを目的としてなされたものである。本発明は、デジタルカメラにGPSロギング装置が内蔵された装置において、OSやPCアプリケーションの動作不具合を誘発することなく、画像ファイルとGPSログデータを、PCなどの再生装置に一度に取り込むことを可能とする装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、通信手段を備え、GPS受信機を備え、前期GPS受信機からGPS情報を取得して定期的に記録するGPSロギング手段を備え、前期GPSロギング手段を備えているか否かを返答する手段を備えた装置であって、前記装置は、画像ファイルとGPSログデータの取り込み先である再生装置の取り込み要求に対し、GPSロギング手段を備えているか否かを示す所定の情報を返答し、再生装置が前記所定の情報と共に取り込み要求を行った場合にGPSログデータを再生装置に転送することを可能とすることを特徴とする装置によって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、OSやPCアプリケーションの動作不具合を誘発することなく、画像ファイルとGPSログデータをPCなどの再生装置に一度に取り込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る再生装置であるPCを示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラと再生装置であるPCを接続した構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るGPSログファイルの概念図である。
【図5】本実施の形態に係る撮像装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る再生装置の処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラからPCに画像ファイルを取り込む際のPCの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラからPCにGPSログファイルを取り込む際のPCの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例1]
以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
<デジタルカメラの構成>
図1は、本実施形態における画像処理装置の一例である撮像装置100の構成を示すブロック図である。撮像装置はデジタルカメラ、デジタルビデオカメラなど、被写体を撮像し画像データを得る装置を含む。以下、デジタルカメラと呼ぶ。
【0014】
デジタルカメラ100は、光学系101と、撮像素子102と、CPU103と、一次記憶装置104と、二次記憶装置105と、記憶媒体106と、表示部107と、操作部108と、通信装置109と、GPS受信部110とから構成されている。
【0015】
光学系101は、レンズ、シャッター、絞りから構成されていて、被写体からの光を適切な量とタイミングで撮像素子102に結像させる。撮像素子102は、光学系101を通って結像した光を画像に変換する。CPU103は、入力された信号やプログラムに従って、各種の演算や、デジタルカメラ100を構成する各部分の制御を行う。一次記憶装置104は、一時的なデータを記憶し、CPU103の作業用に使われる。二次記憶装置105は、デジタルカメラ100を制御するためのプログラム(ファームウェア)や各種の設定情報を記憶する。記憶媒体106は、撮影した画像データなどを記憶する。なお、撮影後に記憶媒体106は取り外すことが可能であり、パーソナルコンピュータ(以下、PC)などに装着してデータを読み出すことが可能である。つまりデジタルカメラ100は記憶媒体106へのアクセス手段を有し、記憶媒体106へのデータの読み書きが行えればよい。表示部107は、撮影時のビューファインダー画像の表示、撮影した画像の表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。
【0016】
なお、表示部107はデジタルカメラ100が備える必要はなく、デジタルカメラ100は図2の表示部201の表示を制御する表示制御機能を有していればよい。操作部108は、使用者の操作を受け付けるためのものである。操作部108は例えばボタンやレバー、タッチパネルなどを用いることが可能である。通信装置109は、外部装置と接続し制御コマンドやデータの送受信を行う。接続を確立し、データ通信するためのプロトコルとしては、例えばPTP(Picture Transfer Protocol)が用いられる。
【0017】
なお、前記通信装置109は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの有線接続により通信を行ってもよい。また、無線LANなどの無線接続により通信を行ってもよい。また、外部装置と直接接続してもよいし、サーバを経由したりインターネットなどのネットワークを介して外部装置と接続したりしてもよい。
【0018】
GPS受信部110は、GPS衛星からのGPS信号を受信して、現在の位置情報と日時情報とを取得する。CPU103は、GPS通信部110で取得したGPS情報(位置情報、時間、受信衛星の数など)を一次記憶媒体104に逐次保存し、記憶媒体106にGPSログデータとして保存する。
【0019】
なお、デジタルカメラ100の制御は、1つのハードウェアで行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担しながら、デジタルカメラ100における処理を実行する手段として機能してもよい。
【0020】
<PCの構成>
本実施形態が適用される情報処理装置としては、例えばPCが用いられる。図2は、情報処理装置の一例であるPC200の構成を示すブロック図である。
【0021】
PC200は、表示部201と、操作部202と、CPU203と、一次記憶装置204と、二次記憶装置205と、通信装置206とから構成されている。各構成の基本的な機能はデジタルカメラ100と同様であるから、ここでは詳細な説明は省略する。なお、表示部201にはLCDなどのディスプレイ装置が用いられる。また表示部201はPC200が備える必要はなく、PC200は表示部201の表示を制御する表示制御機能を有していればよい。また、二次記憶装置205はハードディスクドライブやDVD−RWドライブ、CD−ROM、CD−R、DVD−RAMなどの光ディスクや、フレキシブルディスク、MOなどの磁気ディスク、またフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどの外部記憶媒体を読み出しおよび書き込みを行う装置であってもよい。さらに、操作部202としては、キーボードやマウスなどを用いることが可能である。
【0022】
<デジタルカメラとPCとの接続構成>
図3は、デジタルカメラ100とPC200が接続された構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100およびPC200は、通信ケーブル301を介して接続される。
【0023】
通信ケーブル301は、PTP規格に従ってデータを送受信できるものである限り、いかなるものでも構わない。一例として、USB(Universal Serial Bus)ケーブルが利用可能である。本実施の形態では、デジタルカメラ100の通信装置109とPC200の通信装置206とは、USBの有線ケーブルで接続されており、PTP規格に従った通信を行い、データの送受信を行う。
【0024】
また、本実施の形態のデジタルカメラ100には、PTPに従ってPC200と通信可能なプログラムが二次記憶装置105に記録されている。プログラムには、PTP通信を実行するコマンド、PTP通信で転送可能なファイルを定義しているオブジェクトフォーマットコード、デジタルカメラのセッティングあるいは状態条件を識別する情報であるデバイスプロパティが記録されている。
【0025】
また、本実施の形態のPC200には、PTPに従ってデジタルカメラ100と通信可能なプログラムが二次記憶装置205にインストールされている。また、PC200内の二次記憶装置202、あるいはデジタルカメラ100内の記憶媒体106には、あらかじめ画像ファイルやGPSログデータが保存されているものとする。また、デジタルカメラから供給された画像ファイルやGPSログデータは二次記憶装置205の任意のディレクトリに保存されることを想定している。
【0026】
<GPSログデータの構成>
図4は、本実施形態におけるGPSログデータの形態を示すものである。GPSログデータは、CPU103によりGPS通信部110で取得したGPS情報(位置情報、時間、受信衛星の数など)を一次記憶媒体104に逐次保存した後、記憶媒体106にファイルとして保存したものである。
【0027】
一行目にはGPSログ装置のモデル名とシリアル番号を記載する。本実施形態ではデジタルカメラがGPSログ装置の機能を備えた構成であるため、デジタルカメラのモデル名801とシリアル番号802が記載されている。
【0028】
二行目からの$マークから始まる行は、GPSログ装置が信号を受信しログ情報として出力する、NMEA‐0183フォーマットに則したメッセージである。NMEA‐0183フォーマットとは米国海洋電子機器協会(National Marine Electronics Association)が定めたGPS受信機とナビゲーション機器の間をシリアルポートを利用して通信するための規格である。本実施形態では、GPGGAとGPRMCという二種類のメッセージを記録している。それぞれのメッセージに後続するデータフィールドはコンマで区切られる。GPGGAはGlobal Positioning System Fix Dataを表す。データフィールドは順に、UTCの測位時刻803、緯度および北緯(N)か南緯(S)804、経度および東経(E)か西経(W)805、GPSのクオリティ、受信衛星数、HDOP(Horizontal Dilution of Precision)、平均海水面からのアンテナ高度(m)、WGS−84楕円体から平均海水面の高度差(m)、DGPSデータのエイジ(秒)、DGPS基準局のID、チェックサムである。GPRMCはRecommended Minimum Specific GNSS Dataを表す。データフィールドは順に、UTCの測位時刻、有効(A)か無効(V)かのステータス、緯度、北緯(N)か南緯(S)か、経度、東経(E)か西経(W)か、対地速度(ノット)、進行方向(度、真北)、UTCの測位日付806、地磁気の偏角、モード、チェックサムである。
【0029】
<転送処理のフローチャート(デジタルカメラ)>
以下、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルとGPSログファイルを取り込む際のデジタルカメラ100の処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
図5は、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルを取り込む際のデジタルカメラ100の処理を示すフローチャートである。前提として、本実施例ではデジタルカメラ100とPC200の接続プロトコルにPTPを用いていることを前提として説明する。また、以下にPTP標準コマンド名を明記するが、コマンド処理の詳細は、PIMA 15740:2000, PHOTOGRAPHIC AND IMAGING MANUFACTURERS ASSOCIATION, INC.に明記されているため割愛する。
【0031】
まず、ステップS501にて、CPU103により、通信部109を介して、PC200と接続したか否かを検知する処理を行う。接続を検知した場合、ステップS502に移行する。
【0032】
次いで、ステップS502にて、CPU103は、PC200からデバイスプロパティのリスト取得要求を取得したか否かを検知する処理を行う。要求の取得を検知した場合は、ステップS503に移行し、そうでない場合は、ステップS504に移行する。なお、前記デバイスプロパティとは、デジタルカメラのデバイスのセッティングあるいは状態条件を識別する情報であり、登録されているデバイスプロパティのコード名が一覧となってデバイスプロパティのリストが構成される。本実施例では、デジタルカメラにGPSロギング機能を備えているか否かを示すデバイスプロパティが登録されており、デバイスプロパティのリスト情報には、そのコード名がリストされる。
【0033】
次いで、ステップS503にて、CPU103は、デバイスプロパティのリストを生成し、PC200へ送信する処理(GetDeviceInfo)を行う。
【0034】
次いで、ステップS504にて、CPU103は、PC200からデバイスプロパティ取得の要求を取得したか否かを検知する処理を行う。要求の取得を検知した場合はステップS505に移行し、そうでない場合はステップS506に移行する。
【0035】
次いで、ステップS505にて、CPU103は、取得要求のあったデバイスプロパティのセッティングあるいは状態条件を取得し、通信部109を介して、PC200に送信する処理(GetDevicePropDesc)を行う。本実施例では、GPSロギング機能を備えているか否かを示すデバイスプロパティの取得が要求された場合、当ステップにおいて、デジタルカメラ100がGPSロギング機能を備えている場合には1を、備えていない場合には0を返す。また、別の手段として、デジタルカメラ100がGPSロギング機能を備えている場合にはGPSログファイルのオブジェクトフォーマットコードを、備えていない場合には0を返してもよい。
【0036】
次いで、ステップS506にて、CPU103は、PC200からオブジェクト情報取得の要求と取得対象オブジェクトの種類とを検知する処理を行う。取得対象のオブジェクトがAのGPSログファイルと検知した場合、オブジェクト情報を取得するためのコマンドを実行ステップS507に移行する。取得対象のオブジェクトがBの画像ファイルであった場合、ステップS508に移行する。オブジェクト情報の取得要求がなかった場合、S509へ移行する。なお、オブジェクト情報とは、各ファイルにアクセスするためのハンドル情報や、転送可能なファイル(オブジェクト)のファイル名やファイルサイズ、作成日時、更新日時が含まれており、PC200はこれらの情報を用いてデジタルカメラ100に対して画像ファイルの取得を行う。
【0037】
ステップS507にて、CPU103は、通信部109を介して、PC200にGPSログファイルのオブジェクト情報を転送(GetObjectHandle、GetObjectInfo)し、ステップS509に移行する。ステップS508にて、CPU103は、通信部109を介して、PC200に画像ファイルのオブジェクト情報を転送(GetObjectInfo)し、ステップS509に移行する。
【0038】
次いで、ステップS509にて、CPU103は、PC200からファイル取得要求の有無と要求されたファイルの種類とを検知する処理を行う。ステップS509にて、GPSログファイルの取得要求を検知した場合、ステップS510に移行する。ステップS509にて、画像ファイルのリストの取得要求を検知した場合、ステップS511に移行する。ステップS509にて、ファイル取得要求を検知しなかった場合、ステップS512に移行する。
【0039】
ステップS510にて、CPU103は、通信部109を介して、PC200にGPSログファイルを転送(GetObject)し、ステップS512に移行する。ステップS511にて、CPU103は、通信部109を介して、PC200に画像ファイルを転送(GetObject)し、ステップS512に移行する。
【0040】
次いで、ステップS512にて、CPU103は、PC200からGPSログファイル削除要求を取得したか否かを検知する処理を行う。要求の取得を検知した場合ステップS513に移行し、そうでない場合S514に移行する。
【0041】
ステップS513にて、CPU103は、記憶媒体106に記憶しているGPSログファイルを削除し、ステップS514に移行する。
【0042】
次いで、ステップS514にて、CPU103は、PC200との接続を切断したか否かを判定する処理を行う。PC200との接続を切断していないと判定した場合には、ステップS502に戻る。ステップS504にて、PC200との接続が切断されたと検知した場合には、本フローチャートの処理が終了する。
【0043】
以上が、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルとGPSログファイルを取り込む際のデジタルカメラ100の処理のフローチャートである。
【0044】
<転送処理のフローチャート(PC)>
デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルとGPSログファイルを取り込む際のPC200の処理手順を、図6、図7、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0045】
図6は、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルとGPSログファイルを取り込む際のPC200の処理手順の概要を示すフローチャートである。
【0046】
まず、ステップS601にて、CPU203により、通信装置206を介してデジタルカメラ100と接続したか否かを検知する処理を行う。ステップS601にて、デジタルカメラ100との接続を検知した場合、ステップS602に移行する。
【0047】
次いで、ステップS602にて、CPU203により、画像ファイル取り込み処理を行い、ステップS1003に移行する。ここで、画像ファイル取り込み処理については、図7を用いて後ほど詳説する。
【0048】
次いで、ステップS603にて、CPU203により、GPSログファイル取り込み処理を行い、ステップS604に移行する。ここで、GPSログファイル取り込み処理については図8を用いて後ほど詳説する。
【0049】
そして、ステップS604にて、CPU203は、デジタルカメラ100との接続を切断したか否かの判定を行い、デジタルカメラ100との接続が切断されたと判定していない場合にはステップS602に戻る。ステップS604にて、デジタルカメラ100との接続が切断されたと検知した場合には、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルとGPSログファイルを取り込む処理を終了する。
【0050】
図7は、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルを取り込む際のPC200の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
まず、ステップS701にて、CPU203により、通信装置206を介して、デジタルカメラ100の二次記憶媒体105に記憶している画像ファイルのオブジェクト情報を取得し、ステップS702に移行する。画像ファイルのオブジェクト情報は、各画像ファイルにアクセスするためのハンドル情報と、各画像ファイルのサイズ情報と、各画像ファイルが転送済みか否かという情報とを含む。
【0052】
次いで、ステップS702にて、CPU203により、PC200の表示部201に、不図示の画像ファイルの取り込みを誘導する画面を表示し、ステップS703に移行する。
【0053】
次いで、ステップS703にて、選択手段としての操作部202をユーザが操作することによって、画像ファイルを取り込むか否かが選択される。ユーザ操作により、CPU203は画像ファイルの取り込みの指示を検知した場合、ステップS704に移行し、画像ファイルを取り込まない場合、画像ファイル取り込み処理を終了する。
【0054】
次いで、ステップS704にて、CPU203は、上記ステップS701にて取得した画像ファイルのオブジェクト情報からデジタルカメラ100の記憶媒体106に記憶している画像ファイルの合計サイズを算出し、ステップS705に移行する。
【0055】
次いで、ステップS705にて、CPU203は、上記ステップS704で算出した画像ファイルの合計サイズと二次記憶装置205の空き容量とを比較する。ステップS705にて、画像ファイルの合計サイズが二次記憶装置205の空き容量よりも小さい場合、ステップS706に移行し、画像ファイルの合計サイズが二次記憶装置205よりも大きい場合、画像ファイル取り込み処理を終了する。
【0056】
そして、ステップS706にて、通信装置206を介して、上記ステップS701にて取得した画像ファイルにアクセスするためのハンドル情報を用いて、デジタルカメラ100から画像ファイルを画像ファイルの数だけ取得し、画像ファイル取り込み処理を終了する。ここで、画像ファイルの数は、デジタルカメラ100の記憶媒体106に記憶されている全ての画像ファイルの数としてもよいし、取り込み指示された画像ファイルの数としてもよいし、転送済みでない画像ファイルの数としてもよい。
【0057】
図8は、デジタルカメラ100からPC200にGPSログファイルを取り込む際のPC200の処理を示すフローチャートである。
【0058】
まず、ステップS801にて、CPU203は、通信装置206を介して、デバイスプロパティのリストを取得する処理を行う。
【0059】
次いで、ステップS802にて、CPU203は、通信装置206を介して、デジタルカメラ100がGPSロギング機能をサポートしているか否かを問い合わせる処理を行う。PC200がデジタルカメラ100から受信する情報は、GPSロギング機能を備えている場合には1を、備えていない場合には0である。また、別の手段として、デジタルカメラ100がGPSロギング機能を備えている場合にはGPSログファイルのオブジェクトフォーマットコードを、備えていない場合には0であってもよい。デジタルカメラ100がGPSロギング機能をサポートしている場合、ステップS803に移行する。デジタルカメラ100がGPSロギング機能をサポートしていない場合、GPSログファイル取り込み処理を終了する。
【0060】
次いで、ステップS803にて、通信装置206を介して、デジタルカメラ100の記憶媒体106に記憶しているGPSログファイルのオブジェクト情報を取得する処理を行う。画像ファイルのオブジェクト情報は、各画像ファイルにアクセスするためのハンドル情報と、各画像ファイルのサイズ情報と、各画像ファイルが転送済みか否かという情報とを含む。CPU203は、通信装置206を介してオブジェクト情報を取得するコマンドとあらかじめ認識しているGPSログファイルのオブジェクトフォーマットコード、または別の手段として、ステップS802で取得したGPSログファイルのオブジェクトフォーマットコードとをデジタルカメラ100に送信する。デジタルカメラ100は、以上の情報を受信し、GPSオブジェクトファイルのオブジェクト情報をPC200に送信する。
【0061】
次いで、ステップS804にて、CPU203は、表示部201に不図示のGPSログファイル取り込み誘導画面を表示する処理を行う。ここでは、ユーザにGPSログファイルの取り込むか否かを選択させる画面を表示する。
【0062】
次いで、ステップS805にて、CPU203は、選択手段としての操作部202をユーザが操作することによって、GPSログファイルを取り込むか否かを判定する処理を行う。ここで、CPU203がGPSログファイルを取り込むと判定した場合、ステップS806に移行する。CPU203がGPSログファイルを取り込まないと判定した場合、GPSログファイル取り込み処理を終了する。
【0063】
次いで、ステップS806にて、CPU203は、上記ステップS803にて取得したGPSログファイルのオブジェクト情報からデジタルカメラ100の記憶媒体106に記憶しているGPSログファイルの合計サイズを算出し、ステップS807に移行する。
【0064】
次いで、ステップS807にて、CPU203は、上記ステップS806で算出したGPSログファイルの合計サイズと二次記憶装置205の空き容量とを比較する。GPSログファイルの合計サイズが二次記憶装置205の空き容量よりも小さい場合、ステップS808に移行し、GPSログファイルの合計サイズが二次記憶装置205よりも大きい場合、GPSログファイル取り込み処理を終了する。
【0065】
次いで、ステップS808にて、CPU203は、通信装置206を介して、上記ステップS803にて取得したGPSログファイルにアクセスするためのハンドル情報を用いて、デジタルカメラ100からGPSログファイルをGPSログファイル数だけ取得し、ステップS809へ移行する。ここで、GPSログファイル数は、デジタルカメラ100の記憶媒体106に記憶されている全てのGPSログファイルの数としてもよいし、取り込み指示されたGPSログファイルの数としてもよいし、転送済みでないGPSログファイルの数としてもよい。
【0066】
次いで、ステップS809にて、CPU203は、不図示のGPSログファイル削除誘導画面を表示する処理を行う。ここでは、ユーザに取り込み済みのGPSログファイルを削除するか否かを選択させる画面を表示する。
【0067】
次いで、ステップS810にて、CPU203は、選択手段としての操作部202をユーザの操作によって、デジタルカメラ100の記憶媒体106に記憶されているGPSログファイルを削除するか否かを判定する処理を行う。ここで、GPSログファイルを削除する場合、ステップS811に移行し、GPSログファイルを削除しない場合、GPSログファイル取り込み処理を終了する。
【0068】
そして、ステップS811にて、CPU203は、通信装置206を介して、上記ステップS803にて取得したGPSログファイルにアクセスするためのハンドル情報を用いて、デジタルカメラ100からGPSログファイルを削除し、GPSログファイル取り込み処理を終了する。
【0069】
以上が、デジタルカメラ100からPC200に画像ファイルとGPSログファイルを取り込む際のPC200の処理手順である。
【0070】
なお、本実施例では、GPSログファイルの送信元をデジタルカメラとして説明したが、カードリーダーなどのメディア読み取り装置や、外付けハードディスクドライブなどの記憶装置であっても本目的は達成される。
【符号の説明】
【0071】
100 デジタルカメラ
101 光学系
102 撮像素子
103 CPU
104 一次記憶装置
105 二次記憶装置
106 記憶媒体
107 表示部
108 操作部
109 通信装置
110 GPS受信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を備え、GPS受信機を備え、前期GPS受信機からGPS情報を取得して定期的に記録するGPSロギング手段を備え、前期GPSロギング手段を備えているか否かを返答する手段を備えたデータ供給装置であって、前記装置は、画像ファイルとGPSログデータの取り込み先である再生装置の取り込み要求に対し、GPSロギング手段を備えているか否かを示す所定の情報を返答し、再生装置が前記所定の情報と共に取り込み要求を行った場合にGPSログデータを再生装置に転送することを可能とすることを特徴とするデータ供給装置。
【請求項2】
前記所定の情報とは、GPSロギング手段を備えているか否かを示す2値の情報であり、GPSロギング手段を備えている場合はその旨の値を再生装置を返し、再生装置はGPSログデータに割り当てられたオブジェクトフォーマットコードを指定して、画像の取り込みを実行することを特徴とする請求項1に記載のデータ供給装置。
【請求項3】
前記所定の情報とは、GPSログデータに割り当てられたオブジェクトフォーマットコードであり、GPSロギング手段を備えている場合は前記オブジェクトフォーマットコードを再生装置に返し、再生装置は前記オブジェクトフォーマットコードを指定して、画像の取り込みを実行することを特徴とする請求項1に記載のデータ供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−104904(P2012−104904A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249355(P2010−249355)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】