説明

データ再生装置

【課題】
記録レベルが未知である複数のデータを一時記録し、その複数のデータを再生・出力する際に連続して出力されるデータ間で出力レベルの差を調節してユーザーに違和感や不快感を与えず、操作が簡便で、且つ、構成が簡便なデータ再生装置の提供を目的とする。
【解決手段】
ユーザーが、データ再生手段3から連続的に再生される複数のデータに対し、データの切り替わり時から予め設定した時間内にレベル調節部5で出力レベルを調節すると、CPU7は、その調節の量がメモリ8に記憶させ、そのデータの次回以降の再生時にメモリ8に記憶したその調節の量だけ出力レベルを調節して出力するようにレベル調節部5を制御する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声信号がリニアのままで或いは圧縮処理を受けた後にデータとしてディスク状記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体に記録され、その記録媒体からその記録されたデータを再生して出力するデータ再生装置に関する。
特に、複数の音声に係るデータが、任意の記録レベルであって結果的に互いに異なる記録レベルで同一の記録媒体に記録され、それら記録された複数のデータを再生して連続的に出力する際に、各データの再生出力のレベルに差があっても互いに連続し合うデータの繋がりに大きな違和感や不快感が生じないことへの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、音声に係るデータを記録する記録媒体として、コンパクトディスク(以下、「CD」と称する。)、ミニディスク(以下、「MD」と称する。)、半導体メモリ等が使用されている。又、これらの記録媒体に対応して、データを記録する方法や装置はそれぞれ対応付けられている。
他方、近年では、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)が広く普及している。このPCの普及に伴って、ユーザーが個人的にMP3(MPEG1 AUDIO LAYER3)のデータ圧縮機能を用いてCDから音声に係るデータをPCのハードディスクに取り込み、それらのハードディスクに取り込んだ音声に係るデータをライブラリー化し、更に、このPCのハードディスクに取り込んだ音声に係るデータをUSB(ユニバーサルシリアスバス)やメモリカードを介して、ポータブルオーディオ再生装置に記録して、外出先等で前記音声に係るデータを再生する、つまり、例えば再生音楽を聴くということが行われている。
【0003】
ここで、ポータブルオーディオ再生装置によって再生されるデータのレベルは、レベル調節信号処理を施さない限り、元になるCDやMDからデータを記録した際の録音レベルに対応することになるので、結果的に、各データ間で再生・出力のレベルにバラツキが生じることになる。
殊に、近年では、CDのダイナミックレンジを有効に使うために、最大レベル付近をソフトクリップさせることで録音レベルを上げてCDのマスタリングを行う傾向があり、結果的に、各データ間で再生・出力のレベルに大きなバラツキが生じる傾向にある。
【0004】
一方、データ再生装置では、再生対象のデータのレベルは、出力段に設けられたボリュームによって一義的に決まるため、データを記録する際の各録音レベルが互いに異なる複数のデータを連続して再生・出力する場合、再生対象のデータが切り替わる毎に前記録音レベルの差が再生のレベル差となって現れることになる。
斯かる場合、ユーザーはこの再生時に現れるレベル差を埋めて再生音声が一定レベルであるようにするためには、再生・出力されているデータが切り替わる度にユーザーはボリュームの調節を行うことになる。よって、このボリュームの調節をデータが切り替わる度に行う必要があることから、ユーザーにとって操作が煩雑であるという問題が生じる。
【0005】
殊に、例えば、データが複数のアルバムタイトルに跨るものであって、それらのデータをランダムに連続して再生する場合には、レベル差を埋めるためのボリュームの調節を頻繁に行う必要が生じ、問題はより一層深刻であった。
以下において、データ記録時に互いに異なるレベルで記録された複数のデータを連続して再生・出力する際に、前記データを記録する際にレベル差があっても、再生時に、特にデータとデータの繋ぎ目において聴く者に対し違和感や不快感を抑えてデータを再生する技術として、以下の文献が知られている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−162883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特開2003−162883に開示されるオーディオデータ蓄積装置(以下、「先行発明」と称する。)は、レベル検出手段が入力される信号の音量レベルを検出し、データを記録する際にその検出した音量レベルを付加情報として一緒に記録し、データの再生時に前記付加情報に基づいて再生レベルを制御する構成の発明である。
斯かる構成の先行発明は、原理的に、再生時のレベルがデータの入力時のレベルに対応しているので、入力時のレベルが相異なる複数のデータを連続的に再生・出力してもそれぞれのデータの入力時のレベルに対応するので、一定のレベルの再生音声を得ることになり、データとデータの繋ぎ目においても出力音声に対し違和感や不快感を覚えることはない。
【0008】
しかしながら、先行発明を実現するには、前提として入力された音声信号のレベルを高い精度で検出する必要があり、その高い精度の音声信号の検出には複雑なアルゴリズムとそれを処理する処理回路が必要であり、装置全体が大掛かりになるという問題がある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のデータを互いに異なるレベルで記録媒体に記録し、その記録媒体から前記複数のデータを連続して再生して出力する際に、連続し合うデータとデータの間に著しい出力レベルの差がなく、よって、データとデータの繋ぎ目において違和感や不快感を覚えることがなく、且つ、装置に複雑なアルゴリズムと処理回路を必要とすることがない簡便な構成のデータ再生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、複数のデータを連続的に再生する際に或るデータとそのデータに連続するデータに対して行ったレベルの調節の量を記憶させ、次回の再生時にその記憶した量に基づいてレベルの調節を行うように構成したデータ再生装置である。
【0010】
その詳細な構成は、記録レベルが未知である複数のデータを一時記録して再生するデータ再生手段と、そのデータ再生手段によって再生されて出力されるデータのレベルをユーザーが操作して所望の値に調節するレベル調節手段と、そのレベル調節手段への調節の量を記憶する記憶手段が備えられ、
上記データ再生手段が再生機能を行い、再生対象のデータが連続する一のデータから二のデータに切り替わった後の予め設定した時間内に、上記レベル調節手段において調節された量をその切り替わったデータに対応付けて記憶手段に記憶させ、次回の再生の際に前記記憶された調節の量に基づいて上記レベル調節手段を制御するように構成したデータ再生装置である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、記録時のレベルが未知である複数のデータを連続して再生する際に、或るデータとそれに続くデータのレベル差を埋めるように操作してレベル調節を行うとその調節の量が記憶され、次回の再生時にはその記憶された調節の量に基づいてレベルの制御を自動的に行うように構成したことにより、データ再生手段からの複数のデータにそれぞれ記録時にレベル差があって且つそれら複数のデータを連続的に再生しても各データの間で違和感がないことから、或るデータから連続する次のデータに移り変わる度にボリュームの調節を行う必要がなく、又、複雑な手段を必要とせず構成が簡便で操作が簡単なデータ再生装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明を、以下において、図面に示す最良の形態に基づき詳述する。しかし、この形態によって、この発明が限定されるものではない。
データ再生装置1は、図1に示すように、データ入力部2と、データ再生手段3と、信号処理部4と、レベル調節部5と、操作部6と、CPU7、メモリ8及び表示部9が備えられている。
【0013】
データ入力部2は、データ再生手段3をデータへ構築するために、例えばPCといった外部の装置から音声に係るデータを取り込むためのものである。データ入力部2は、外部の装置からデータを取り込むために対外部インタフェース機能が備えられている。
データ再生手段3は、データ入力部2から入力された記録レベルが未知である複数のデータを一時記録し、ユーザーの所望に基づき再生して出力するものである。データ再生手段3は、複数のデータを記録し且つ再生するためのハード・ディスク・ドライブ(以下、「HDD」と称し、図示省略。)が備えられている。
【0014】
尚、データは前記HDDにファイル形式で保存され、アルバム毎にディレクトリが形成されて構築され、且つ、それらのディレクトリを管理する管理ファイルによって管理される。
信号処理部4は、CPU7からの制御により、データ再生手段3から再生して出力され、CPU7を介して入力されるデータを復調処理して音声信号に変換するものである。
レベル調節部5は、ボリューム(図示省略)が備えられ、信号処理部4の後段に接続されて、信号処理部4からの音声信号をCPU7からの制御に基づいてそのレベルを調節するものである。
【0015】
操作部6は、スイッチ、操作キー等と、ユーザーがそれらのスイッチ、操作キー等を操作することによって所定の信号に変換してCPU7に送るインタフェース手段が備えられ、ユーザーの操作内容つまり制御内容をCPU7に伝えるものである。
CPU7は、操作部6からの制御信号に基づいて、データ入力部2のデータの外部からの取り込み及び取り込みの停止等を制御するものである。
【0016】
又、CPU7は、操作部6からの制御信号に基づいて、データ入力部2が外部から取り込んだデータのデータ再生手段3への一時記録及びその一時記録したデータをデータ再生手段3からの再生・出力を制御するものである。
更に、CPU7は、操作部6からの制御信号に基づいて、信号処理部4の機能の制御及びレベル調節部5において再生信号のレベルの調節の制御を行うものである。
【0017】
加えて、CPU7は、データ再生手段3からのデータの出力でデータが他のデータに変わってから予め設定した一定時間、例えば30秒以内に操作部6からCPU7を介してレベル調節部5に制御が行われた際に、その時のレベルの調節の量を前記データの変更と対応付けてメモリ8に記憶させるものである。
そして、CPU7は、メモリ8に記憶されているデータの変更とレベルの調節の量に基づいて、その記憶以降においてデータ再生手段3によって再生・出力される連続した複数のデータに対し、前記記憶したレベルの量だけレベル調節部5を制御するものである。
【0018】
メモリ8は、上述したデータの変更に対応するレベル調節部5におけるレベル調節の量に加えて、CPU7が制御部6からの制御信号に対応してプログラムを実行するために必要な情報が記憶されている。
表示部9は、装置の各機能の現時点での状態の表示、操作部6への操作内容の表示、データ入力部2における入力データに係る情報つまり入力の曲名の表示、データ再生手段3から再生・出力されているデータに係る情報つまり再生中の曲名の表示等を行うものである。
【0019】
データ再生装置1は、上述したように構成されている。以下において、図2に示す操作手順のフローチャートに基づいて、データ再生装置1の機能を説明する。
ユーザーは、操作部6を操作してメイン電源スイッチをONにして装置を起動させる、つまり、装置機能をスタートさせる。ここで、ユーザーは制御部6を操作して、データ入力部2から音声(音楽)に係るデータを取り込んでデータ再生手段3に記録する。
【0020】
データ再生手段3にデータの記録が完了すると、当該データについてデータ再生手段3によるデータの再生・出力が可能な状態になる。
ここで、ユーザーは、データ再生手段3からデータが再生・出力するように操作部6を操作する(図2のスタート)。
尚、この時、CPU7はデータ再生手段3がデータの再生中か否かの判定を行い(同図のSTEP1)、データの再生中でなければ『NO』で同図のSTEP1に戻り、データの再生中であれば『YES』で同図のSTEP2へ進む。
【0021】
CPU7が、データ再生手段3はデータの再生中である場合には、同図のSTEP2に進み、ユーザーがCPU7を介して操作部6からレベル調節部5への操作を行ったか否かの判定が行われる。
レベル調節部5への操作が行われない場合には、『NO』で同図のSTEP1へ戻る。
他方、レベル調節部5への操作が行われた場合には、『YES』となって同図のSTEP3へ進む。この操作が行われた場合には、レベル調節部5への操作を行う前のレベル調節部5の調節の値と調節操作後の値との差を、レベル調節部5で行った出力レベルの差としてメモリ8に記憶する。
【0022】
同図のSTEP3において、CPU7は、同図のSTEP2でユーザーがレベル調節部5への操作を行ったと判断した場合に、その操作が或るデータの開始つまり或る曲の始まりから30秒以内であるか否かの判定を行う。
ここで、この判定処理は、或るデータとそれに連続するデータの間のレベルの差、つまり、或る曲とそれに続く次の曲に出力レベルの差があってその出力レベルの差を調節する目的でユーザーがレベル調節部5への操作を行う場合には、その出力レベルの差の調節は通常曲の切り替わりの直後に行うので、この目的以外でのユーザーのレベル調節部5への操作はないものと考えている。
【0023】
さて、同図のSTEP3において、レベル調節部5への操作が曲の始まりから30秒以内であった場合には『YES』ということで、つまり、CPU7は、曲が切り替わってユーザーが出力レベルに差があると感じてその出力レベルの差を埋めるように調節したと見なして、同図のSTEP4へ進む。
他方、レベル調節部5への操作が曲の始まりから30秒以上経過している場合には、ユーザーは曲の切り換え直後に出力レベルの差を認めず出力レベルの差の調節をしなかったということで『NO』となり同図のSTEP1へ戻る。
【0024】
同図のSTEP4において、表示部9が、『レベル設定しますか?、行う場合にはENTERキーを押して下さい』の表示を行う。
続いて、同図のSTEP5において、ユーザーがこの表示部9の表示内容に対して操作をしたか否かの判定、つまり、ユーザーがENTERキーを押圧したか否かの判定が行われる。押圧しない場合は、『NO』となって同図のSTEP8へ進み、時間経過が判定される。
【0025】
同図のSTEP8において、経過時間が5秒以内であると、同図のSTEP4に戻ってループ『LOOP1』が構成される。
他方、同図のSTEP8において、経過時間が5秒を越えた場合には、つまり、ユーザーが前述の表示部9の表示内容に対して操作をしないと判定して5秒を超える時間が経過すると、同図のSTEP1に戻って、別のループが構成される。
【0026】
他方、同図のSTEP4の表示の問いに対しユーザーが出力レベルの設定を行うということでENTERキーを押圧した場合には同図のSTEP5において、CPU7はユーザーからキー入力があったと判断し、同図のSTEP5において『YES』となって同図のSTEP6に進む。
同図のSTEP6において、CPU7は、同図のSTEP2においてメモリ8に記憶したレベル調節部5で調節した量(出力レベルの差の量)に基づいて出力レベルの判定を行う。
【0027】
ここで、出力レベルの調節の量について説明する。
データ再生装置1において、実用的な最大の出力レベル調節の幅に対してレベルを調節すべき全体幅が−7dB〜7dBの範囲に納まると考え、その範囲が2dB毎に7段階に分割されている。
そして、その7つの段階に対して、図3に示すように、各段階(判定の値)にレベル調節の量が対応付けられている。
【0028】
尚、この出力レベル調節の幅の取り方、分割の段階の設定の数、各段階に対する出力レベル調節の量の対応付けは、ユーザーの好み、使い勝手、データの種類、データを再生・出力させる音場の条件等によって、適宜設定するのが望ましい。
つまり、例えば、図3の対応表では−7dB〜7dBの範囲(全体幅)を2dB毎に7段階に分割されているが、1dB毎に13段階に分割する場合が挙げられる。
【0029】
図3について、具体的な使用は、例えば同図のSTEP2において出力レベルの調節が行われてCPU7によってメモリ8に記憶された出力レベルの差が−1.6dBであった場合に、−1.6dBという値は図3の出力レベルの調節すべき量では『−1.1dB〜−3.0dB』の範囲に該当することになり、判定の値は『5』ということになる。
ここで、レベル調節の量の判定が行われると、同図のSTEP7に進む。
【0030】
同図のSTEP7において、出力レベルの設定が行われる。ここで行われる出力レベルの設定とは、同図のSTEP6において行われた判定で得た値が、CPU7からの制御信号を受けると、データ再生手段3の前記HDDに構築された全音声データを管理する管理ファイルに、曲毎若しくはディレクトリーとして構築されたアルバム毎に記憶されることである。
他方、同図のSTEP5において『NO』と判定された場合、つまり、ユーザーがレベル設定をするためのENTERキーを押圧しない場合は、同図のSTEP8へ進んで5秒間の時間経過が判定される。
【0031】
同図のSTEP8において、5秒間の時間の経過前であれば同図のSTEP4に戻って、『レベルの設定を行いますか?、行う場合にはENTERキーを押して下さい』の問い合わせに対してユーザーが判断を行う。このユーザーの判断によっては、同図のSTEP6、レベル7へと進む可能性つまり出力レベルの設定を行う可能性が残る。
他方、同図のSTEP8において5秒間を越える時間が経過すると同図のSTEP1に戻ることになる。つまり、ユーザーが出力レベルの判定及び設定をすることはなく、連続する二つのデータ(曲)の間でレベル調節されずにそのまま出力されることになる。
【0032】
以下において、データ再生装置1の上述した管理ファイルに設定された判定の値に従って、出力レベルの設定後における再生の出力レベルの調節がどのように行われるかを説明する。
ユーザーが、操作部6を操作してデータ再生装置1に対して出力レベルの調節となる再生操作を行うと、CPU7はデータ再生手段3の前記HDDに記憶されている管理ファイルを読み出し、再生対象のデータ(音声ファイル)に係るレベル判定の値を読み出す。
具体的には、例えば、再生しようとしているデータに付加されている出力レベルの判定の値が『5』である場合には、図4に示す判定の値に対応した出力レベルの制御すべき量が『−2dB』であることからその値に対応した制御すべき値をレベル調節部5に設定する。
【0033】
この時、レベル調節部5は、CPU7からの制御信号に基づいて、現在の調節値に対して前記ボリュームの前記制御すべき量を加算した値つまり調節値となるように制御される。
ここで、このデータに対し、CPU7は制御信号を送ってデータ再生手段3の再生を開始させる。データ再生手段3は当該再生対象のデータを再生・出力し、その信号をCPU7を介して信号処理部4に送る。
【0034】
信号処理部4は、CPU7を介しての前記データを受け取ると所定の信号処理を行った後、レベル調節部5に送る。
レベル調節部5は、信号処理部4からの信号を、それまでのレベルに対して上述の『−2dB』の量だけ出力レベルを制御して出力する。
ここで、結果的に、ユーザーは何ら操作を行わずに、その前の曲(データ)に対して−2dBだけ出力レベルが調節された当該曲(データ)の出力を得ることが可能になっている。
【0035】
そして、現時点で再生・出力されている曲が終了すると、上述したと同様に、この終了した曲のレベルに対して、CPU7は、レベル調節部5に機能してレベル調節部5の前記ボリュームの制御すべき量を加算する値になるように制御を行う。
この新たな制御で得られる出力レベルの調節の量だけ、データ再生手段3で再生される新たな曲(データ)の出力レベルが調節されて出力されることになる。
三曲目以降のレベルも全く同様に、レベル調節部5によってレベル調節された信号が出力される。
【0036】
尚、データ再生装置1では、最初に調節したレベルであっても、ユーザーのその時の感性やユーザーそのものが変わることで現時点での再生・出力の曲の出力レベルに変更の必要を感じる場合には、その時の出力のレベルに対して操作部6から出力レベルの変更を行うと、次回以降の再生・出力において上述したと同じプロセスで新たな出力レベルの調節が行われる。
つまり、データ再生装置1は、必要或いは所望に応じて、任意に出力レベルを調節することが可能であり、出力レベルの調節後のデータの再生では自動的に調節された出力レベルの音声を得ることが可能である。
【0037】
データ再生装置1は、上述したように、データが再生されて出力される連続の複数の音声に対してユーザーがその出力レベルを調節する構成であることにより、装置の構成は複雑で大掛かりなものではなく、一度の調節で出力レベルが所望の値に決定されるので取り扱いが簡単で煩雑ではない。
又、データ再生装置1は、図2のSTEP8の判定の基準が5秒としているが、操作部6からの操作によって所望の時間に設定可能とする構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示す実施の形態を機能させる際の順序を説明するフローチャートである。
【図3】図1に示す実施の形態の機能において、出力レベルの調節の操作量に対応する判定値の関係を示す図である。
【図4】図1に示す実施の形態の機能において、判定値に対応した出力レベルの調節すべきボリューム制御の量の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 :データ再生装置
3 :データ再生手段
5 :レベル調節部
7 :CPU
8 :メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録レベルが未知である複数のデータを一時記録して再生するデータ再生手段と、そのデータ再生手段によって再生されて出力されるデータのレベルをユーザーが操作して所望の値に調節するレベル調節手段と、そのレベル調節手段への調節の量を記憶する記憶手段が備えられ、
上記データ再生手段が再生機能を行い、再生対象のデータが連続する一のデータから二のデータに切り替わった後の予め設定した時間内に、上記レベル調節手段において調節された量をその切り替わったデータに対応付けて記憶手段に記憶させ、次回の再生の際に前記記憶された調節の量に基づいて上記レベル調節手段を制御するように構成したデータ再生装置。

【請求項2】
データ再生手段がハード・ディスク・ドライブを備えて構成される請求項1に記載のデータ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−77789(P2008−77789A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257245(P2006−257245)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】