説明

データ処理装置、データ処理方法、及びプログラム

【課題】 階層化されたフォルダを辿る際に、上位階層あるいは下位階層へ操作性よく遷移するための階層情報を表示する。
【解決手段】 データ処理装置において、いずれかのフォルダ要素あるいは展開要素が指示されることに応じて(S801)、表示領域に表示可能な階層情報の数に応じて表示対象から外れる階層情報を省略表示するための省略要素を生成する(S811)。そして、生成した省略要素を前記表示領域に表示すべき階層情報に対して配置するための位置を決定する。そして、決定した位置に従い、生成した省略要素と、表示領域に表示すべき階層情報との表示を制御する(S813)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階層情報を表示する表示部を備えるデータ処理装置、データ処理方法、及びプログラム関するものである。
【背景技術】
【0002】
データ処理装置で利用可能なファイルシステムや、文書管理システムではファイルや文書情報等の情報を管理する方法して、フォルダという概念で階層構造を用いることが一般的である。その階層構造を辿ってユーザが目的のファイルや文書に至るための手段として、階層構造を木構造のフォルダツリーとして表示し、表示部の表示領域に視覚的に表示することが行われていた。
しかし、フォルダツリーを表示する場合、同一階層にあるフォルダが多いと、その階層の枝部分で表示領域が占められてしまい、ユーザは実際に辿っているフォルダの階層の深さを認識することが難しかった。
そこで、ユーザが実際に辿っているフォルダに着目し、当該フォルダの階層を表示する手段をフォルダツリーとは別に提供する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、Windows(登録商標)のブラウザで提供されているアドレスバーに表示されるアドレスも、ユーザが実際に辿っているフォルダの階層を表示する一手段である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−003247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような階層表示方法では、ユーザが実際に辿っているフォルダに基づいて階層構造の一部のみが表示されてしまう。そのため、当該フォルダよりも上位階層のフォルダの下位階層にある別フォルダに移動しようとする場合、当該上位階層のフォルダに一旦移動した後に当該上位階層のフォルダの下位階層にある別フォルダに移動する手順をとる。その結果、フォルダ間の移動の操作手順が多くなってしまう。
また、データ処理装置で表示されるアドレスバーを操作する場合において、ユーザが実際に辿っているフォルダの階層が深い場合、アドレスバーの領域内に当該階層の上位階層のフォルダをすべて表示できず、異なる階層のフォルダ間の移動において、上位階層の全体イメージをユーザが意識しにくいという課題があった。
なお、このような課題は、データ処理装置のブラウザを用いて所望のコンテンツを検索する場合に限らず、データベース上に登録されたファイルを検索するような検索システムにおいても共通する課題である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、階層化されたフォルダを辿る際に、上位階層あるいは下位階層のフォルダへ操作性よく移動するための情報を表示する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明のデータ処理装置は以下に示す構成を備える。
表示部を備えるデータ処理装置であって、階層化されたフォルダに対応するフォルダ要素と、当該フォルダ要素の下位階層にあるフォルダ要素を展開表示するための展開要素とを含む階層情報を前記表示部に設定される表示領域に表示する表示手段と、前記表示領域に表示されたいずれかのフォルダ要素あるいは展開要素を指示する指示手段と、前記指示手段によりいずれかのフォルダ要素あるいは展開要素が指示されることに応じて、前記表示領域に表示可能な階層情報の数に応じて表示対象から外れる階層情報を省略表示するための省略要素を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した省略要素を前記表示領域に表示すべき階層情報に対して配置するための位置を決定する決定手段と、前記決定手段が決定した位置に従い、前記生成手段が生成した省略要素と、前記表示領域に表示すべき階層情報との表示を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、階層化されたフォルダを辿る際に、上位階層あるいは下位階層のフォルダへ操作性よく移動するための情報を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】データ処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示したアドレスバー設定情報のデータ形式を示す図である。
【図3】図1に示したアドレスバー状態情報のデータ形式を示す図である。
【図4】データ処理装置で表示可能なUIを示す図である。
【図5】情報を管理するフォルダ階層の論理的な構造を示す図である。
【図6】アドレスバーの表示例を示す図である。
【図7】アドレスバーの表示例を示す図である。
【図8】データ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図9】図5に示したアドレスバーの構成を説明する図である。
【図10】データ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図11】データ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【図12】データ処理装置におけるアドレスバー状態情報例を示す図である。
【図13】アドレスバー状態情報として格納されるデータ形式を示す図である。
【図14】データ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
【0009】
〔第1実施形態〕
<本実施形態で提供するシステムの画面構成>
階層構造を保持するファイルシステムのフォルダ構造を表示し、その階層に含まれるファイルなどを一覧するために使用する画面について、図1を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態を示すデータ処理装置の構成を説明するブロック図である。本例は、後述するアドレスバーを含む画面を表示可能なデータ処理装置例である。なお、本実施形態では、データ処理装置にコンテンツビューワ(ブラウザ)が提供する画面を表示部に表示した際に、アドレスバーを表示する構成とするが、アドレスバーを表示する主体は、ブラウザ以外のソフトウエアであっても本発明を適用可能である。なお、データ処理装置が階層情報を表示する表示部の領域をアドレスバーと呼ぶ。以下、後述する処理によって省略されて表示されており、階層化されたフォルダを示すフォルダ要素と、当該フォルダの下位階層にあるフォルダをアドレスバー上で展開表示する処理を詳述する。また、階層情報は、階層化されたフォルダを示すフォルダ要素と、当該フォルダの下位階層にあるフォルダを示すフォルダ要素を展開表示するための展開要素とを含んで構成される場合を示す。
【0011】
図1において、301はPCで、一般的に使用されるパーソナルコンピュータで構成され、CPUやRAM、ROM、HDD、ネットワークインターフェースカード(以降NICと略す)等のハードウェアを備えている。HDDには、CPUに後述の各フローチャートの処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。なお、CPUは、これらのプログラムをRAMにロードして実行することにより、後述するアドレスバー設定管理部302などの各処理部として機能し、各機能処理を実行する。
【0012】
また、PC301のCPUは、外部もしくは内包したディスプレイ(以降CRTと略す)やキーボード(以降KBと略す)、ポインティングデバイス(以降PDと略す)と電気的に接続されており、ユーザからの操作指示に基づいて入出力制御を行う。ここで、PDは、ユーザが表示部に表示されるアドレスバー上の各要素を指示する際に使用される。
アドレスバーを実現するために必要な機能は、図1で示すPC301内の次の各処理部により構成される。
アドレスバー設定管理部302は、アドレスバー設定情報303の入出力処理を行う。アドレスバー設定情報303は、後述の図2で示すデータ形式で、RAM、もしくはHDDを使用したエリアに格納される情報である。
アドレスバー状態管理部304は、アドレスバー状態情報305の入出力処理を行う。
【0013】
アドレスバー状態情報305は、後述の図3で示すデータ形式で、RAM、もしくはHDDを使用したエリアに格納される情報であり、この情報はユーザ操作によるフォルダ間の移動に伴い、逐次データ内容が更新される。
【0014】
アドレスバーサイズ演算部306は、階層情報などの表示対象がアドレスバーの表示領域の領域内に入るかどうかを判定するためのサイズ情報計算処理を行う。
ここでは、後述する図6の(A)に示す個々の階層情報201や、図6の(C)に示す上位階層省略ボタン207、図7に示す中間階層省略ボタン701、後述する図9に示す下位階層省略ボタン903などを表示するために必要な幅サイズが計算される。
アドレスバー情報生成部307は、アドレスバーの表示に必要な状態の更新処理を行うものである。
【0015】
アドレスバー処理制御部308は、アドレスバー102へのユーザ操作や後述する図4に示すコンテンツ表示画面101の他の構成要素の状態変更に伴うイベントを受け取り、アドレスバー102に対する処理が必要かどうかの判断を行う。
全てのアドレスバーの処理は、このアドレスバー処理制御部308からの指示が起点となって行われるものである。
また、状態の変更が発生した場合には、アドレスバー処理制御部308が後述の画面表示部309に対して表示内容の変更を依頼することも行う。
画面表示部309は、PC301が接続されるCRTにアドレスバー102を表示させる。
【0016】
画面表示部309は、アドレスバー102だけではなく、CRTに表示する他の構成要素の表示も一括で受け持つ機能を有する。
ネットワーク通信部310は、後述のネットワーク311とNICを経由して接続されているもので、PC301が外部の機器とデータ通信を行うために使用されるものである。
本実施形態において、ネットワーク通信部310は、アドレスバー102が表示する情報がPC301の外部に存在している場合には、その情報を取得するために通信を行う。
ネットワーク311は、物理的なネットワークを表しており、複数の機器をNIC経由で接続するものである。
【0017】
<取り扱うデータ形式、および構成>
図2は、図1に示したアドレスバー設定情報303のデータ形式を示す図である。
図2において、アドレスバー設定情報303は、設定項目名称401、設定値402で構成されており、アドレスバー102の表示制御処理に使用されるものである。
設定項目名称401の列は、アドレスバー設定情報303の各項目の名称であり、この名称をもとに設定値を取得したり、設定したりするためのキー情報である。設定値402の列は、前述の設定項目名称401が表す設定情報の実値を表している。
本実施形態では、3つのアドレスバー設定情報303として後述する設定情報411〜413を保持している。省略ボタン最大格納数411は、前述の上位階層省略ボタン207、及び後述の図7に示す中間階層省略ボタン701に格納する階層情報201の最大数を第1の設定とするものである。省略ボタン最大数412は、アドレスバー102上に表示する最大の省略ボタン数を第2の設定とするものである。
省略ボタン数413は、現在使用している省略ボタンの数を保持するものであり、ユーザがアドレスバー102を操作するに従って変化する値となる。
【0018】
図3は、図1に示したアドレスバー状態情報305のデータ形式を示す図である。
図3において、アドレスバー状態情報305は、階層番号501、階層名称502、省略フラグ503、展開フラグ504から構成されており、アドレスバー102に表示すべき階層情報を保持するものである。なお、このアドレスバー状態情報305の横1行分の情報は1つのフォルダの情報(フォルダ情報)を示す。
階層番号501は、選択されているフォルダが格納されているアドレスの階層を、上位階層から順に番号付けするための情報である。階層名称502は、階層番号501が表しているフォルダに紐づく表示用のフォルダ名称を保持するための情報である。
【0019】
本実施形態では、階層を表すフォルダの名称が保持される。省略フラグ503は、アドレスバー102上でフォルダの表示が省略されているかどうかの状態を表すための情報である。
この省略フラグ503が、「0」を示すときは当該フォルダが表示されている表示状態であることを表す。また、それ以外の数値(「1」以上)はいずれも省略状態を表すが、その数値は、当該フォルダがどの省略ボタンによって省略されているかのグループを表す。
すなわち、異なる数値を持つフォルダは、別の省略ボタンによって省略されているということになる。
展開フラグ504は、後述の図の9(A)や図の9(B)で示す省略階層表示を一時的に変化させる処理で使用する、一時展開状態を保持するための情報である。
そのため、通常時は、全て「0」が入った状態であり、省略階層を変化させた際に、展開状態「1」や非展開状態「0」と変化する。
【0020】
511〜516のデータは、図6の(C)のアドレスバー102の状態に対応したデータとなっており、以下のことが分かるものである。
階層番号501によって、表示対象の階層は全てで6階層であることが分かり、階層名称502によって、各階層は上位から「Root」、「Layer 1」、「Layer 2」、「Layer 3−1」、「Layer 4」、「Layer 5」となっている。
【0021】
省略フラグ503によって、これら6つの階層のうち、アドレスバー102に表示されている階層名称502は「Layer 2」、「Layer 3−1」、「Layer 4」、「Layer 5」の下位階層の4つであり、上位階層の2つの「Root」、「Layer 1」がグループ「1」の上位階層省略ボタン207の中に隠れている状態である。
これらアドレスバー状態情報305は、アドレスバー102の表示領域の広さやユーザの操作により刻々と変わるものとなる。
【0022】
図4は、本実施形態を示すデータ処理装置で表示可能なユーザインタフェース(UI)を示す図である。このUIは画面表示部309によってCRTに表示される。本例は、コンテンツ表示画面101に対応する。以下、コンテンツ表示画面101の構成を説明する。
図4において、アドレスバー102は、ユーザが操作したフォルダのアドレス情報を最上位からの階層パス情報として表示する。
フォルダツリー103は、ユーザが操作したフォルダの情報を木構造として全て表示する。フォルダツリー103で選択しているフォルダと、アドレスバー102で最下層に表示しているフォルダ要素とは、連携しており、同じフォルダを表わす。
コンテンツ一覧104は、アドレスバー102やフォルダツリー103で選択しているフォルダの中に格納されているコンテンツの一覧を表示する。プロパティ一覧105は、前述のコンテンツ一覧104で選択したコンテンツのプロパティ情報を表示する。
【0023】
それぞれのブロック(アドレスバー102ないしプロパティ一覧105)は互いに関連しあって構成されているが、本実施形態ではアドレスバー102の動作に関するものであるため、以下、アドレスバー102について説明する。
<フォルダ階層構造>
図5は、図4に示したコンテンツ表示画面101に表示されるフォルダの論理的な構造を示す図である。
図5において、フォルダ601からフォルダ611で表したものが、フォルダ構造の構成要素であり、個々のフォルダは、それぞれ任意の数の下位階層フォルダを保持している。フォルダ601(名称「Root」)は、下位階層にフォルダ602(名称「Layer 1」)を持つ、といった形で、フォルダ601、602、604〜608は、下位階層に各一つのフォルダを持っていることを表す。
【0024】
ただ、フォルダ603(名称「Layer 2」)だけは、フォルダ604(名称「Layer 3−1」)、フォルダ610(名称「Layer 3−2」)、フォルダ611(名称「Layer 3−3」)と3つの下位階層フォルダを抱えている。本実施形態では、図5に記載したフォルダ構造を用いて、以降の動作を説明する。
<アドレスバーの構成、および標準動作>
以下、アドレスバー102の構成要素、および標準動作について、図6の(A)から図6の(C)を用いて説明を行う。
図6、図7、図9は、図4に示したアドレスバー102の構成を説明する図である。
図6の(A)に示す通り、アドレスバー102はの最上位階層のフォルダ601(図6(A)ではフォルダ「Root」)からユーザが選択しているフォルダ603(図6(A)ではフォルダ「Layer2」)までのパスを表示する。そのため、構成要素としては階層情報201があり、その階層情報201が複数階層分(図6(A)では3つ分)表示される構造になる。
【0025】
図6の(A)は、最上位階層のフォルダ「Root」の下に、フォルダ「Layer 1」、「Layer 2」が存在していることを示している。階層情報201は、フォルダ名称ボタン202と、下位展開ボタン203とで構成される。フォルダ名称ボタン202は、フォルダの階層名称502を表示しており、階層情報201のフォルダ要素として機能する。1つのフォルダ要素に対し、1つのフォルダが対応づいている。このフォルダ名称ボタン202をユーザがポインティングデバイス(PD)を操作して押下すると、そのフォルダ要素に対応するフォルダが選択された状態となる。そして、アドレスバー102上でそのフォルダが最下位階層として表示され、当該選択されたフォルダ内のコンテンツがコンテンツ一覧104に表示されるようになる。
【0026】
例えば、図6の(A)の「Layer 1」のフォルダ名称ボタン202をユーザがPDを操作して押下すると、その下位階層にある「Layer 2」の表示は消え、当該選択されたフォルダのコンテンツが表示される。下位展開ボタン203は、フォルダ名称ボタン202に対応するフォルダの下位階層に存在するフォルダを表示/選択するためのボタンであり、展開要素として機能する。
「Layer 2」の下位展開ボタン203を押下すると、図6の(B)に示す通り、下位階層フォルダの名称204、205、206がリストとして表示される。ユーザは、この展開された下位階層フォルダの名称のいずれかをPDを操作して選択することで、下位階層のフォルダへ移動することができる。下位展開ボタン203を操作することで、下位階層のフォルダへ移動していくと、表示対象である階層情報201の数が多くなり、アドレスバーの表示領域内に表示しきれないことがある。
【0027】
表示領域を超えた場合には、図6の(C)に示す通り、上位階層省略ボタン207を表示し、表示しきれない階層情報201を中に収めたように見せることで、表示領域を超えた階層情報を表示することが可能となる。
<アドレスバーを構成する機能要素>
<複数省略ボタンを配置した際のアドレスバー>
【0028】
図6の(C)に示すアドレスバー102においては、上位階層省略ボタン207を用いて表示しきれない階層情報201があることを表しているが、ユーザが現在選択しているフォルダの階層が深くなると、上位階層省略ボタン207に含まれる階層情報201の数も多くなってしまう。
【0029】
そこで、上位階層省略ボタン207にアドレスバー設定情報303の省略ボタン最大格納数411で規定した数以上の階層情報201が属するとアドレスバー処理制御部308が判断した場合、アドレスバー102に表示している階層情報201の途中に別途省略ボタンを設ける。
図7は、本実施形態を示すデータ処理装置が表示するアドレスバーの一例を示す図である。本例は、途中にも省略ボタンを設けた状態のアドレスバー202を示し、中間階層省略ボタン701が、フォルダ「Layer 4」の下に設けられている。
図7に示す表示状態において、中間階層省略ボタン701を用いて省略されているのは、前述の図5のフォルダ構造と照らし合わせると、フォルダ606(「Layer 5」であることが分かる。
【0030】
この中間階層省略ボタン701は、任意の数だけアドレスバーの中に配置することができるものであり、図2に示したアドレスバー設定情報303の省略ボタン最大数412が設定されている場合には、その値の数まで中間階層省略ボタンを配置可能ということを意味する。
<アドレスバーの表示処理フロー>
図8は、本実施形態を示すデータ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、図6の(C)の上位階層省略ボタン207、図7の中間階層省略ボタン701を用いたアドレスバーの表示を行うための処理手順に対応する。フローチャートの各ステップは、図1に示したPC301のCPUが図8のフローチャートの各処理を実行するための制御プログラムをRAMにロードし、実行することにより実現される。具体的には、図1に示した処理部を主体として、表示されたアドレスバーに対する、PDによりいずれかのフォルダ要素あるいは展開要素へのユーザによる指示に応じて、表示領域(アドレスバー)の表示を以下のように処理することで実現される。
【0031】
本処理フローは、ユーザがコンテンツ表示画面101上のアドレスバー102のフォルダ名称ボタン202や下位展開ボタン203に属しているフォルダを選択した際に、アドレスバー処理制御部308に処理が引き渡されたことで開始される。
S801で、アドレスバー処理制御部308は、ユーザがPDを操作して選択したフォルダの名称を取得する。そして、アドレスバー処理制御部308は、取得したフォルダの名称をRAMに格納し、次のS802に進む。
【0032】
そして、S802で、アドレスバー処理制御部308は、S801で格納したフォルダの名称が現在のアドレスバー状態情報305のフォルダの下位階層に追加するものかどうか、つまり、新規パスか追加パスであるかを判断する。具体的には、アドレスバー処理制御部308がアドレスバー状態管理部304を用いて、アドレスバー状態情報305全てを取得する。
【0033】
次に、アドレスバー処理制御部308は、取得したアドレスバー状態情報305の階層名称502とS801で取得したフォルダ名称から、フォルダのパスを作成して、ファイルシステムにそのフォルダが存在しているかどうかを判断する。
次に、S802において、S801で選択されたフォルダが存在しているとアドレスバー処理制御部308が判断した場合、つまり、注目フォルダの下位階層(追加パス)のフォルダをユーザが選択していると判断した場合には、処理は次のS803に進む。なお、追加パスとは、注目フォルダ(コンテンツ一覧104で表示されているフォルダをコンテンツとして有するフォルダ)の直下の階層にあるフォルダへのパスのことである。
一方、S802で、ユーザが追加パスではなく任意のフォルダ(新規パス)を選択しているとアドレスバー処理制御部308が判断した場合には、今のアドレスバー状態情報305を再構築する必要のあるため、S804に進む。なお、新規パスとは、注目フォルダよりも上位階層のフォルダへのパス、または、この上位階層のフォルダに対応するアドレスバー102上の下位展開ボタン203で表示されるフォルダへのパスのことである。
そして、S803で、アドレスバー処理制御部308は、アドレスバー状態管理部304を使用して、アドレスバー状態情報305にユーザの選択したフォルダのフォルダ情報を追加する。例えば、図3に示した状態で下位階層として図5のフォルダ607がユーザによって選択された場合には、次の情報がアドレスバー状態情報305に追加される。
階層情報501:「7」
階層名称502:「Layer 6」
省略フラグ503:「0」
展開フラグ504:「0」
このようにしてアドレスバー処理制御部308がフォルダ情報の追加処理を終了したら、S806に進む。
【0034】
一方、ユーザが新規のフォルダ階層(新規パス)を選択したと判断して、S804に進んだ場合、アドレスバー処理制御部308は、アドレスバー状態情報305の内容をいったんクリアし、ユーザが指定したフォルダまでの階層状態を、アドレスバー状態管理部304を使用して、アドレスバー状態情報305に追加する。
例えば、図3に示した状態で図5に示すフォルダ構造で、ユーザがフォルダ610(「Layer 3−2」)を選択した際には、以下の4階層の情報が追加される。
一階層目
階層情報501:「1」
階層名称502:「Root」
省略フラグ503:「0」
展開フラグ504:「0」
二階層目
階層情報501:「2」
階層名称502:「Layer 1」
省略フラグ503:「0」
展開フラグ504:「0」
三階層目
階層情報501:「3」
階層名称502:「Layer 2」
省略フラグ503:「0」
展開フラグ504:「0」
四階層目
階層情報501:「4」
階層名称502:「Layer 3−2」
省略フラグ503:「0」
展開フラグ504:「0」
この際、表示できるかどうかの判断はまだ行われていないため、省略フラグ503は全て表示状態を表す「0」を設定する。このようにしてアドレスバー状態情報305の更新が終了したら、次のS805に進む。
そして、S805において、アドレスバー設定管理部302が、アドレスバー設定情報303に格納されている省略ボタン数413に「0」を設定し、省略中の階層数をリセットする。このようにしてアドレスバー設定情報303への設定が終了したら、次のS806に進む。
【0035】
そして、S806において、アドレスバーサイズ演算部306は、構成されているアドレスバー状態情報305の状態で、各階層情報201が現在のアドレスバー102の領域内に表示可能かどうかを判定するための必要領域計算を行う。
【0036】
具体的には、アドレスバーサイズ演算部306は、アドレスバー状態情報305の省略フラグ503が表示状態(つまり「0」)である階層の階層名称502から表示に必要な横幅サイズ値を算出し、それに、下位展開ボタン203の横幅サイズ値を加える。この計算を各階層で行い、全てのサイズ値を合算する。さらに、アドレスバーサイズ演算部306は、アドレスバー設定情報303の省略ボタン数413の数値分の、ボタン表示幅サイズを合算する。
そして、アドレスバーサイズ演算部306がこの計算結果を、アドレスバー幅情報として、PC301のRAMに一時的に格納して、次のS807に進む。
次に、S807において、アドレスバー情報生成部307が、アドレスバー102の表示幅サイズと、S806でRAMに格納したアドレスバー幅情報とを比較して、現在の状況で各階層情報201が表示可能であるかどうかを判断する。
ここで、アドレスバー102の表示幅サイズがアドレスバー幅情報以上であるとアドレスバー情報生成部307が判定した場合には、現在のアドレスバー102の領域内に各階層情報201が表示可能であると判定されるため、S813に進む。
一方、RAMに格納したアドレスバー幅情報が表示幅サイズを超えるとアドレスバー情報生成部307が判定した場合には、現在表示中のいずれかの階層を省略表示にする必要があるため、次のS808に進む。
【0037】
そして、S808において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態情報305の中から、アドレスバー状態管理部304を使用して、省略フラグ503が「0」以外の省略されている最も下位の階層のフォルダ情報を取得する。
アドレスバー情報生成部307が、省略フラグ503が「0」以外のフォルダ情報を取得した場合、取得したフォルダ情報に対応する階層情報よりも上位階層の階層情報は既に省略状態であることが分かる。そのため、この取得したフォルダ情報に対応する階層情報よりも下位階層の階層情報を省略状態にすることになる。 そして、アドレスバー情報生成部307は、取得したフォルダ情報をPC301のRAMに一時的に格納し、次のS809に進む。
また、アドレスバー情報生成部307が、省略フラグ503が「0」以外のフォルダ情報を取得できなかった場合、処理はS811へ進む。この場合、S811、S812において上位階層省略ボタン207を設ける処理を行う。
【0038】
次に、S809において、アドレスバー情報生成部307は、S808で取得したフォルダ情報の有する省略フラグ503と同じ値を持つフォルダ情報の数(省略階層数)を、アドレスバー状態管理部304を使用して取得する。アドレスバー情報生成部307は、取得した省略階層数をPC301のRAMに一時的に格納し、次のS810に進む。
【0039】
次に、S810において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー設定情報303の省略ボタン最大格納数411の値をアドレスバー設定管理部302から取得し、S809で取得した省略階層数と比較する。ここで、比較した2つの値が同値であるとアドレスバー情報生成部307が判断した場合には、新規の省略ボタンが必要になるため、次のS811に進む。
一方、S810で、省略ボタン最大格納数411の値の方が大きいとアドレスバー情報生成部307が判断した場合には、まだ現在の省略ボタンに階層を省略することが可能であるため、S812に進む。
【0040】
次に、S811において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー設定管理部302を用いて、アドレスバー設定情報303の省略ボタン数413の値を取得し、その値に「1」を合算した値で省略ボタン数413を更新する。これにより、アドレスバーの省略ボタンの数が増えたこととなる。そして、アドレスバー情報生成部307は、省略ボタン数413の値をPC301のRAMに一時的に格納し、次のS812に進む。
そして、S812において、アドレスバー情報生成部307は、以下の処理を行う。すなわち、アドレスバー情報生成部307は、表示対象となる複数の階層情報のうち、省略表示すべき中間の階層の階層情報を判断し、当該中間の階層の階層情報を省略表示するための処理を行う。
【0041】
具体的には、アドレスバー情報生成部307は、S811で省略ボタン数413の値を更新していて、且つ、S808においてフォルダ情報が取得されているかどうかを判断する。S811で省略ボタン数413の値が更新されていて、且つ、S808においてフォルダ情報が取得されている場合、アドレスバー情報生成部307は、S808でPC301のRAMに格納したフォルダ情報の2つ下位のフォルダ情報を、アドレスバー状態管理部304を使用してアドレスバー状態情報305の中から取得する。この取得されるフォルダ情報に対応する階層情報が省略表示される中間の階層である。この処理によって、この省略表示される階層情報が、アドレスバーに表示される複数の階層情報の間に省略要素として表示される。そして、アドレスバー情報生成部307は、そのフォルダ情報の省略フラグ503を、RAMに格納した省略ボタン数413の値で更新し、アドレスバー状態管理部304を使用してアドレスバー状態情報305に設定する。
また、アドレスバー情報生成部307は、S811で省略ボタン数413の値を更新していて、且つ、S808においてフォルダ情報が取得されていない場合、アドレスバー状態情報305の最上位階層のフォルダ情報(図5でのフォルダ601のフォルダ情報に相当)を、アドレスバー状態管理部304を使用して取得する。そして、アドレスバー情報生成部307は、その取得したフォルダ情報の省略フラグ503を、RAMに格納した省略ボタン数413の値で更新し、アドレスバー状態管理部304を使用してアドレスバー状態情報305に設定する。
【0042】
一方、S811で省略ボタン数413の値を更新していない場合には、アドレスバー情報生成部307は、S808でRAMに格納したフォルダ情報の1つ下位階層のフォルダ情報を、アドレスバー状態管理部304を使用してアドレスバー状態情報305の中から取得する。そして、アドレスバー情報生成部307は、フォルダ情報の省略フラグ503を、PC301のRAMに格納したフォルダ情報の省略フラグ503の値で更新し、アドレスバー状態管理部304を使用してアドレスバー状態情報305に設定する。
この処理が終了したら、S806に戻って、再度表示可能かの計算を行う。
【0043】
そして、S813において、アドレスバー処理制御部308は、画面表示部309にアドレスバー状態情報305の省略フラグ503を基にアドレスバーの表示を更新するように依頼する。そして、アドレスバー処理制御部308が画面表示部309の表示内容を更新したら、一時的に使用したPC301のRAM領域をクリアして、本処理フローを終了する。
これにより、アドレスバー情報生成部307がアドレスバーに表示可能な階層情報の数に応じて表示対象から外れる階層情報を省略表示するための省略要素としての省略ボタンを生成し、生成した省略ボタンの配置を決定することができる。
そして、アドレスバー処理制御部308は、アドレスバー情報生成部307が決定した位置に従い、生成した省略ボタンと、アドレスバーに表示すべき階層情報との表示を制御して、階層全体を意識したフォルダ指示を行うことができる。
【0044】
<アドレスバーの省略階層展開>
図9は、図6に示したアドレスバー102の構成を説明する図である。
図9の(A)は、図6の(C)の上位階層省略ボタン207を押下した際に、省略されている階層情報を表示した状態のアドレスバーを表したものである。ここでは、階層名称ボタン901、902が示すように、上位階層省略ボタン207の中に隠されていたフォルダ601「Root」とフォルダ602「Layer 1」が表示された状態になっている。
【0045】
しかし、その代わりに図6の(C)では表示されていた状態であったフォルダ605「Layer 4」とフォルダ606「Layer 5」が非表示状態となり、下位階層省略ボタン903に含まれる状態となっている。
また、図9の(B)は、図7に示した中間階層省略ボタン701をユーザがPDを操作して押下した際に、省略されている階層を表示した状態のアドレスバーを表したものである。ここでは、ボタン904が示すように、中間階層省略ボタン701の中に隠されていたフォルダ606「Layer 5」が表示された状態になっている。しかし、その代わりに図7では表示されていた状態であったフォルダ609「Layer 8」が非表示状態となり、下位階層省略ボタン903に含まれる状態となっている。
【0046】
<アドレスバーの省略階層展開処理フロー>
図10は、本実施形態を示すデータ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、図9の(A)、図9の(B)のアドレスバーの省略階層展開を行う際の処理手順に対応する。各ステップは、図1に示したPC301のCPUが各機能処理を実行する制御プログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0047】
本処理フローの各ステップは、図1に示したPC301のCPUが図10のフローチャートの各処理を実行するための制御プログラムをRAMにロードし、実行することにより実現される。具体的には、アドレスバー処理制御部308、アドレスバー情報生成部307、アドレスバーサイズ演算部306など図1に表した各処理部によって実行される。
【0048】
また、本処理フローは、ユーザが、図6の(C)の上位階層省略ボタン207、図7の中間階層省略ボタン701を押下した際に、アドレスバー処理制御部308に処理が渡されたことで開始される。
S1001において、アドレスバー処理制御部308は、ユーザがPDを操作して選択した省略ボタンの位置を取得する。
これは、上位階層側から何番目の省略ボタンであるかを数値としてアドレスバー処理制御部308に渡されるもので、アドレスバー処理制御部308は、取得した数値をPC301のRAMに一時的に格納し、次のS1002に進む。
【0049】
次に、S1002において、アドレスバーサイズ演算部306が、ユーザが選択した省略ボタンに属する階層情報を取得し、展開した際の必要表示領域の計算を行う。
具体的には、アドレスバーサイズ演算部306が、アドレスバー状態管理部304からS1001でPC301のRAMに格納した省略ボタンの番号を省略フラグ503に持つアドレスバー状態情報305を取得する。
次に、アドレスバーサイズ演算部306が、取得した個々の階層名称502の表示に必要な横幅サイズ値を算出し、下位展開ボタン203の横幅サイズ値を加え、その計算結果の値を全て合算する。
さらに、アドレスバーサイズ演算部306が、アドレスバー設定情報303の省略ボタン最大数13に格納している数値分の、ボタン表示幅サイズを合算する。アドレスバーサイズ演算部306が、この計算結果をアドレスバー幅情報として、PC301のRAMに一時的に格納する。
【0050】
最後に、アドレスバー処理制御部308は、アドレスバー状態管理部304を使用して、取得したアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を「0」で更新して、S1003に進む。
次に、S1003において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー102の表示幅サイズと、S1002でPC301のRAMに格納したアドレスバー幅情報を比較する。
ここで、アドレスバー102の表示幅サイズがアドレスバー幅情報以上であるとアドレスバー情報生成部307が判定した場合には、展開した階層については十分に表示可能(全て入る)と判定されるため、S1004に進む。一方、S1003で、PC301のRAMに格納したアドレスバー幅情報がアドレスバー102の表示幅サイズを超えるとアドレスバー情報生成部307が判定した場合には、展開した階層だけでも十分に表示する領域がないと判断されるため、S1019に進む。
【0051】
そして、S1004において、アドレスバーサイズ演算部306は、アドレスバー102の表示幅の中で、展開される階層情報以外の階層情報を表示するための領域がどのぐらい残っているかを算出し、左右に余白エリアサイズを割り当てる。
【0052】
具体的には、アドレスバーサイズ演算部306がアドレスバー102の表示幅サイズから、S1002でPC301のRAMに格納したアドレスバー幅情報のサイズを減算する。さらに、アドレスバーサイズ演算部306が、その減算結果を上位/下位階層に割り当てるために半分に割って、PC301のRAMに上位余白、下位余白として格納する。そして、アドレスバーサイズ演算部306がPC301のRAMへ上位余白、下位余白の格納が終了したら、次のS1005に進む。
S1005からS1010にかけては、S1002で計算した展開される階層情報よりも上位階層に存在する階層情報の表示判断を行うための処理である。これらは、展開される階層情報に近い階層情報から最上位階層までの対象上位階層数分、処理を繰り返すものである。
【0053】
具体的には、S1005において、アドレスバー情報生成部307は、S1002で取得している展開対象の階層情報に対応するフォルダ情報(アドレスバー状態情報305)よりも階層番号501が小さい1つ以上のアドレスバー状態情報305をアドレスバー状態管理部304から取得する。そして、アドレスバー情報生成部307は、取得した上位階層のアドレスバー状態情報305をPC301のRAMに一時的に格納し、次のS1006に進む。
【0054】
次に、S1006で、アドレスバーサイズ演算部306は、S1005で取得されたPC301のRAM内の上位階層のアドレスバー状態情報305のうち、最も下位階層のアドレスバー状態情報305の階層名称502の表示に必要な横幅サイズ値を算出し、下位展開ボタン203の横幅サイズ値を加算する。そして、アドレスバーサイズ演算部306は演算した表示サイズをPC301のRAMに一時的に格納し、次のS1007に進む。
【0055】
S1007において、アドレスバー情報生成部307は、S1006で計算した表示サイズと、PC301のRAMに格納した上位余白を比較して、アドレスバー102に入るかどうかを判断する。また、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態情報305の省略フラグ503が「0」かどうかを判断する。
ここで、省略フラグ503が「0」以外であるとアドレスバー情報生成部307が判断した場合、もしくはPC301のRAMに格納した上位余白の値よりも表示サイズの方が大きいとアドレスバー情報生成部307が判断した場合、アドレスバー102上には表示しないため、S1009に進む。
【0056】
一方、S1007で、それ以外、つまり省略フラグが「0」で且つPC301のRAMに格納した上位余白の値の方が大きいとアドレスバー情報生成部307が判断した場合には、S1008に進む。
【0057】
そして、S1008において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して、対象となっているアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を表示状態に対応する「0」に更新する。
そして、アドレスバー情報生成部307は、PC301のRAMに格納した上位余白の値からS1006で計算した表示サイズの値を減算した値で、PC301のRAMの上位余白を更新して、S1010に進む。
【0058】
一方、S1009では、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して、対象のアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を、省略フラグ503の値で更新する。
【0059】
具体的には、対象のアドレスバー状態情報305の省略フラグ503が「0」の場合、アドレスバー情報生成部307は、対象のアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を、対象の上位階層のアドレスバー状態情報305で「0」以外の省略フラグ503の値で更新する。そして、アドレスバー情報生成部307は、対象としていたアドレスバー状態情報305をPC301のRAMから削除する。
【0060】
次に、S1010で、アドレスバー情報生成部307は、処理すべき上位階層のアドレスバー状態情報305がPC301のRAMに残っているかどうかを判断する。ここで、処理すべき上位階層のアドレスバー状態情報305がRAMから全てなくなっているとアドレスバー情報生成部307が判断した場合は、RAMの上位余白の値をRAMに記憶されている下位余白に加算した値を下位余白として更新して、次のS1011に進む。
一方、S1010で、処理すべき上位階層のアドレスバー状態情報305がPC301のRAMに残っているとアドレスバー情報生成部307が判断した場合は、S1006に戻る。
なお、S1011からS1018は、S1002で計算した展開階層よりも下位階層に存在する階層情報の表示判断を行うための処理である。
これらの処理は、展開される階層情報に最も近い下位階層の階層情報から最下位階層までの対象下位階層数分、処理を繰り返すものである。
【0061】
そこで、S1011で、アドレスバー情報生成部307は、S1002で取得している展開対象の階層情報に対応するフォルダ情報(アドレスバー状態情報305)よりも階層番号501が大きい下位のアドレスバー状態情報305をアドレスバー状態管理部304から取得する。アドレスバー情報生成部307は、取得した下位階層のアドレスバー状態情報305を、PC301のRAMに一時的に格納し、次のS1012に進む。
【0062】
そして、S1012で、アドレスバーサイズ演算部306は、PC301のRAM内の下位階層のアドレスバー状態情報305のうち、最も上位階層のアドレスバー状態情報305の階層名称502の表示に必要な横幅サイズ値を算出し、下位展開ボタン203の横幅サイズ値を加算する。そして、アドレスバーサイズ演算部306は、演算した表示サイズをPC301のRAMに一時的に格納し、次のS1013に進む。
【0063】
S1013において、アドレスバー情報生成部307は、S1012で演算した表示サイズと、PC301のRAMに格納した下位余白とを比較して、アドレスバーに入るかどうかを判断する。さらに、アドレスバー情報生成部307は、S1012で計算したアドレスバー状態情報305の省略フラグ503が「0」かどうかを判定する。
ここで、省略フラグ503が「0」以外の場合、もしくはPC301のRAMに格納した下位余白の値よりも表示サイズの方が大きいと、アドレスバー情報生成部307が判定した場合にはアドレスバー上には表示しないため、S1015に進む。
一方、S1013で、つまり省略フラグが「0」で且つPC301のRAMに格納した下位余白の値の方が大きいと、アドレスバー情報生成部307が判断した場合には、S1014に進む。
そして、S1014で、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して、アドレスバー状態情報305の展開フラグ504を表示対象とするため「0」で更新する。
【0064】
そして、アドレスバー情報生成部307は、PC301のRAMに格納した下位余白の値からS1012で計算した表示サイズの値を減算した値でPC301のRAMの下位余白を更新し、対象としていたアドレスバー状態情報305をPC301のRAMから削除して、S1018に進む。
【0065】
一方、S1015において、アドレスバー情報生成部307は、対象のアドレスバー状態情報305よりも階層番号501が大きいアドレスバー状態情報305の中に、省略フラグ503の値が「0」以外のものが存在するかどうかを判断する。ここで、省略フラグ503の値が「0」以外のものが存在する(省略ボタンが存在する)とアドレスバー情報生成部307が判断した場合は、S1016に進む。
一方、S1015で、省略フラグ503の値が「0」以外のものが存在しないとアドレスバー情報生成部307が判断した場合は、S1017に進む。
ここで、省略ボタンが存在すると判断してS1016へ進んだ場合、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して対象のアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を、対象のアドレスバー状態情報305よりも階層番号の大きいアドレスバー状態情報305で「0」以外の省略フラグ503の値で更新する。
【0066】
一方、S1017へ進んだ場合は、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して、前述のS1015で見つけた省略フラグ503の値で、その階層までのアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を更新する。具体的には、アドレスバー情報生成部307は、省略ボタン最大数412の値に1加算した値で、PC301のRAMに残っている下位階層のアドレスバー状態情報305全ての展開フラグ504を更新する。そして、アドレスバー情報生成部307は、更新が終わったら、RAMの下位階層のアドレスバー状態情報305をすべて削除して、S1018に進む。
【0067】
そして、S1018で、アドレスバー情報生成部307は、下位階層のアドレスバー状態情報305がPC301のRAMから残っているかどうかを判断する。ここで、下位階層のアドレスバー状態情報305がRAMから残っていないとアドレスバー情報生成部307が判断した場合は、S1020に進む。
一方、S1018で、下位階層のアドレスバー状態情報305がPC301のRAMに残っているとアドレスバー情報生成部307が判断した場合は、S1012に戻る。
【0068】
一方、S1003で、PC301のRAMに格納したアドレスバー幅情報がアドレスバー102の表示幅サイズを超えるとアドレスバー情報生成部307が判定した場合には、展開する階層情報210だけでも十分に表示する領域がないと判断されるため、S1019へ進む。
そして、S1019で、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して、S1002で取得した展開対象より上位階層のアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を全て「1」を設定する。さらに、アドレスバー情報生成部307は、S1002で取得した展開対象より下位階層のアドレスバー状態情報305の展開フラグ504については、アドレスバー状態管理部304を使用して、全て「2」に設定する。このようにして、アドレスバー情報生成部307が展開フラグ504の設定を終了したら、S1020に進む。なお、展開される階層情報201がアドレスバー102に表示可能となるように、アドレスバー情報生成部307は、フォルダ名称ボタン202の幅を調整する。例えば展開される階層情報201が3つの場合、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー102に表示されることになる省略ボタンの表示幅サイズをアドレスバー102の表示幅サイズから減算して取得される表示幅サイズを3等分する。そして、アドレスバー情報生成部307は、この3等分された表示幅サイズによって、展開される各階層情報201が表示されるように設定する。
【0069】
そして、S1020で、アドレスバー処理制御部308は、画面表示部309にアドレスバー状態情報305の展開フラグ504を基に画面の表示を更新するように依頼する。
これを受けて、画面表示部309は、表示内容を更新したら、一時的に使用したPC301のRAM領域をクリアして、本処理フローを終了する。
これにより、アドレスバーの表示することで、フォルダ階層のどの深さの階層からも別階層に遷移するための操作手順をユーザに提供できる。このため、ユーザは、フォルダ階層の深浅状態を視覚的に捉えながら、表示している階層から上位、下位へ惑うことなく少ない操作で対象とするフォルダを効率よく選択することができる。
【0070】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、アドレスバーの省略する階層情報の判断を、アドレスバー設定情報303の省略ボタン最大格納数411と比較する場合について説明した。本実施形態では、アドレスバーの省略する階層情報の判断を、コンテンツ表示画面101のアドレスバー102の表示幅に応じて動的に変更する点が異なる。そのため、第2実施形態については、第1実施形態からの差分のみの説明とし、特に明記しない部分については第1実施形態と同じ構成/手順とする。
<アドレスバー表示処理フロー>
【0071】
図11は、本実施形態を示すデータ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。図11のフローチャートの各ステップは、図1に示したPC301のCPUが図11のフローチャートの各処理を実行するための制御プログラムをRAMにロードし、実行することにより実現される。本例は、図6の(C)の上位階層省略ボタン207、図7の中間階層省略ボタン701を用いたアドレスバーの表示を行うための処理手順に対応する。
また、本処理フローは、ユーザがコンテンツ表示画面101上で任意階層を選択した際に、アドレスバー処理制御部308に処理が渡されたことで開始される。
本実施形態では、第1実施形態に示す図8で説明した処理フローと、アドレスバー102に表示される階層情報を省略する判断が異なる点であり、それ以外の処理は、図8と同様の動作とする。
【0072】
図8における、S801、S802、S803、S804、S805、S806、S807、S808、SS811、S812、S813については、それぞれ次のステップと同じである。
【0073】
図8と同じ処理内容であるステップは、順に図11のS1101、S1102、S1103、S1104、S1105、S1106、S1107、S1108、S1111、S1112、S1113である。
図11に示す通り、S1109において、アドレスバーサイズ演算部306は、最も下位に存在する省略ボタンに含まれる階層情報が展開された際に必要な表示領域の計算を行う。
まず、アドレスバー状態管理部304を用いて、S1108で取得したアドレスバー状態情報305が持つ省略フラグ503と同じ値を持つアドレスバー状態情報305を取得する。
次に、取得したアドレスバー状態情報305の中から階層番号501が最大の値を判定し、その値よりも1大きい値を持つアドレスバー状態情報305を更に取得する。
【0074】
さらに、このステップで取得した個々のアドレスバー状態情報305の階層名称502の表示に必要な横幅サイズ値を算出し、下位展開ボタン203の横幅サイズ値を加え、その計算結果の値を全て合算する。
【0075】
最後に、アドレスバー設定情報303の省略ボタン数413の数値分の、ボタン表示幅サイズを合算する。
合算した計算結果を、アドレスバー幅情報としてRAMに一時的に格納し、次のS1110に進む。
S1110において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー102の表示幅サイズと、前述のS1109でRAMに格納したアドレスバー幅情報を比較する。
アドレスバー102の表示幅サイズがアドレスバー幅情報以上であるとアドレスバー情報生成部307が判断した場合には、省略ボタンに1階層追加しても、展開した際にも対象階層が全て表示可能と判定されるため、S1112に進む。
【0076】
一方、RAMに格納したアドレスバー幅情報がアドレスバー102の表示幅サイズを超えるとアドレスバー情報生成部307が判断した場合には、現在の省略ボタンに1階層追加した場合には、展開した際に対象階層を全て表示できないと判断されるため、S1111に進む。
以上により、省略ボタンに含まれる階層情報が展開処理によってアドレスバー102に表示されるようになるため、ユーザが省略ボタンを指示することで表示される階層情報の一覧性が損なわれることが軽減される。
〔第3実施形態〕
【0077】
本実施形態は、アドレスバー102の各階層情報をあらかじめグループ化し、その中で省略するかどうかを判断する点が、前述の第1実施形態と異なる。そのため、第3実施形態については、第1実施形態からの差分のみの説明とし、特に明記しない部分については第1実施形態と同じ構成/手順とする。
<取り扱うデータ形式、および構成>
本実施形態において、第1、第2実施形態と異なるのは、アドレスバー状態情報305のデータ形式である。
【0078】
図12は、本実施形態示すデータ処理装置におけるアドレスバー状態情報の例を示す図である。
図12において、アドレスバー状態情報305は、階層番号1201、階層名称1202、省略フラグ1203、展開フラグ1204、グループ番号1205で構成されており、アドレスバー102に表示すべき階層情報に対応する情報を保持するものである。
【0079】
この構成要素のうち、階層番号1201、階層名称1202、省略フラグ1203、展開フラグ1204については、図5で説明した階層番号501、階層名称502、省略フラグ503、展開フラグ504と同じ内容であるため、説明を省略する。
グループ番号1205は、階層情報を省略するためのグループ分けを行うために使用するものであり、最下位階層のフォルダ以外は、必ずいずれかの数値をグループ番号として持つ。
最下位階層フォルダのみは、必ず表示する必要があるため、いずれのグループにも属さないという意味で、「0」が設定される。なお、1211から1216までのデータは、以下のことがわかるものである。
【0080】
アドレスバー102に表示されている階層は全てで6階層であり、上位から「Root」「Layer 1」「Layer 2」「Layer 3−1」「Layer 4」「Layer 5」となる。
【0081】
この中で、「Root」「Layer 1」はグループ「1」に、「Layer 2」「Layer 3−1」「Layer 4」はグループ「2」に属しており、各グループで「Root」「Layer 2」の1階層ずつが省略されている。
この状態を表わしたアドレスバーを、次の図13に示す。
<アドレスバーの構成>
【0082】
図13は、図1に示したアドレスバー状態情報305として格納されるデータ形式を示す図である。
図13に示す通り、第1、第2実施形態に示す図6の(C)、図7と異なり、上位階層省略ボタン1301、及び中間階層省略ボタン1302は、アドレスバー設定情報303の省略ボタン最大格納数411に達していなくても複数が存在する。
上位階層省略ボタン1301には「Root」が、中間階層省略ボタン1302には、「Layer 2」が属している。このグループ化については、選択されている階層の深さや、アドレスバーの表示領域の広さなどユーザの操作によって刻々と変わるものとなる。
<アドレスバー表示処理フロー>
図14は、本実施形態を示すデータ処理装置のデータ処理方法を説明するフローチャートである。本例は、図13に示した上位階層省略ボタン1301、中間階層省略ボタン1302を用いたアドレスバーの表示を行うための処理手順に対応する。
【0083】
本処理フローは、アドレスバー処理制御部308、アドレスバー情報生成部307、アドレスバーサイズ演算部306など図3に表わしたプログラムが、PC301のRAMに読みだされ、PC301のCPUによって実行されるものである。また、本処理フローは、ユーザがコンテンツ表示画面101上で任意階層を選択した際に、アドレスバー処理制御部308に処理が渡されたことで開始される。
【0084】
本実施形態では、第1実施形態の図8で説明した処理フローと、アドレスバー102で省略される階層情報をグループ化する手順と、アドレスバー102に表示される階層情報を省略する判断が異なる点であり、それ以外の処理は、図8と同様の動作となる。
【0085】
図8における、S801、S802、S806、S807、S813については、それぞれS1401、S1402、S1407、S1408、S1410と同じであるため説明を省略する。図14に示す通り、S1403において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を使用して、アドレスバー状態情報305にユーザの選択したフォルダのフォルダ情報を追加する。
例えば、図12の状態で下位階層としてフォルダ607がユーザによって選択された場合には、次のフォルダ情報がアドレスバー状態情報305に追加される。
【0086】
階層情報1201:「7」
階層名称1202:「Layer 6」
省略フラグ1203:「0」
展開フラグ1204:「0」
グループ番号1205:「0」
フォルダ情報の追加が終了したら、S1405に進む。
【0087】
S1404において、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態情報305の内容をいったんクリアし、ユーザが指定したフォルダまでの階層状態をアドレスバー状態管理部304を使用して、アドレスバー状態情報305に追加する。例えば、図5のフォルダ構造で、ユーザがフォルダ610(「Layer 3−2」)を選択した際には、以下の4階層の情報が追加される。
一階層目
階層情報1201:「1」
階層名称1202:「Root」
省略フラグ1203:「0」
展開フラグ1204:「0」
グループ番号1205:「0」
【0088】
二階層目
階層情報1201:「2」
階層名称1202:「Layer 1」
省略フラグ1203:「0」
展開フラグ1204:「0」
グループ番号1205:「0」
【0089】
三階層目
階層情報1201:「3」
階層名称1202:「Layer 2」
省略フラグ1203:「0」
展開フラグ1204:「0」
グループ番号1205:「0」
【0090】
四階層目
階層情報1201:「4」
階層名称1202:「Layer 3−2」
省略フラグ1203:「0」
展開フラグ1204:「0」
グループ番号1205:「0」
この際、アドレスバー情報生成部307は、表示できるかどうかの判断はまだ行われていないため、省略フラグ1203、グループ番号1205は全て表示状態を表す「0」を設定する。アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態情報305への格納が終了したら、次のS1405に進む。そして、S1405において、アドレスバー情報生成部307は、以下の情報をリセットする。
最初に、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー設定管理部302を用いて、アドレスバー設定情報303に格納されている省略ボタン数413に「0」を設定し、省略中の階層数をリセットする。
【0091】
次に、アドレスバー状態管理部304を用いて、アドレスバー状態情報305に格納されている省略フラグ1203、展開フラグ1204、グループ番号1205を設定し、省略状態をリセットする。アドレスバー設定情報303、アドレスバー状態情報305への設定が終了したら、次のS1406に進む。
S1406において、アドレスバー情報生成部307は、各階層情報が属する省略ボタンのグループを決定する。最初に、アドレスバー状態管理部304を用いて、アドレスバー状態情報305をすべて取得し、アドレスバー102に表示すべき階層数を確定する。そのうち、最下層の階層情報はアドレスバーに必ず表示するため、取得した階層数から1を減算する。
【0092】
次に、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー設定管理部302を用いて、アドレスバー設定情報303の省略ボタン最大数412の値を取得し、前述の階層数で除算する。この除算した値の整数部分が、各グループに割り当てる階層数となる。
アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態情報305の階層番号1201が小さい順に、前述の1グループの階層数文ずつ、グループ番号を割り振っていく。
【0093】
この際、グループ番号は、「1」から順に使用する。そして、前述の除算で解が整数でなく余りが出た場合には、最下層のグループに割り振る。
アドレスバー情報生成部307は、グループに割り振った値を、アドレスバー状態管理部304を用いて、個々のアドレスバー状態情報305のグループ番号1205に設定する。
【0094】
図12に示す表示例については、以下のように計算することができる。
全階層数が「6」であり、最後の階層「Layer 5」を除くため、グループ化の対象階層数は、「5」となる。省略ボタン最大数412の値は、「2」であるため、1グループの階層数は、「2」となる。
それを上位階層から割り振っていくため、「Root」「Layer 1」がグループ「1」に、「Layer 2」「Layer 3−1」がグループ「2」となる。また、余りがあるため、「Layer 4」は、グループ2に属する。このグループ化の設定が終了したら、次のS1407に進む。
そして、S1409において、アドレスバー情報生成部307は、下記のロジックに従った1階層を省略対象として設定する。
【0095】
最初に、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を用いて、アドレスバー状態情報305をすべて取得し、各グループで既に省略対象となっている階層数を算出する。この中で、省略済み階層数が一番少なく、かつグループ番号1205が一番小さいグループを省略対象グループに決定する。
【0096】
次に、アドレスバー情報生成部307は、省略対象グループとなった、グループ番号1205を持つアドレスバー状態情報305の中から、省略していない階層の中で階層番号1201が一番小さいアドレスバー状態情報305を取得する。
そして、アドレスバー情報生成部307は、アドレスバー状態管理部304を用いて、グループ番号1205の値でアドレスバー状態情報305の省略フラグ1203を更新する。アドレスバー情報生成部307は、省略フラグ1203の更新を終了したら、S1407に戻る。
〔第4実施形態〕
【0097】
上記各実施形態に加えて、ユーザ毎に、フォルダのアクセス回数が多いフォルダへのアクセスパスは、上記表示処理において省略しないように制御することで、ユーザがよく使用するフォルダへは展開処理を行うことなく遷移できるように構成してもよい。
具体的には、フォルダ構造の起点であるルートフォルダ(図5でのフォルダ601のフォルダ情報に相当)から階層的に連なる各フォルダの中からユーザが特定のフォルダを選択した場合に、アドレスバー処理制御部308がテーブルで選択された当該特定のフォルダのフォルダ情報を記憶して、省略対象のフォルダとしないように制御する。
〔第5実施形態〕
【0098】
さらに、アドレスバー上に全ての階層情報を同時に展開するための展開要素を、省略要素とは独立した全階層展開要素として表示し、当該全階層展開要素をユーザが指示した場合に、アドレスバー処理制御部308が、省略要素に対応する階層情報を同時に表示する制御を行う。
また、アドレスバー処理制御部308が、省略要素に格納する階層数を、ユーザの指示によって任意に変更できるように構成してもよい。
さらに、アドレスバー処理制御部308が、省略要素の表示数を、ユーザの指示によって任意に変更できるように構成してもよい。
なお、アドレスバー処理制御部308がアドレスバー102の表示領域を特定するバー幅情報を取得して、ユーザが設定した階層数よりも少ない階層数で各要素を表示するように制御してもよい。
また、省略要素を複数設ける場合に、アドレスバー処理制御部308が各省略要素に同じくらいの階層が隠れるようにしたり、階層の深さに応じて、動的に省略要素の数を変更したりしてもよい。
【0099】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0100】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0101】
301 PC
302 アドレスバー設定管理部
304 アドレスバー状態管理部
306 アドレスバーサイズ演算部
307 アドレスバー情報生成部
308 アドレスバー処理制御部
309 画面表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層化されたフォルダに対応するフォルダ要素と、当該フォルダの下位階層にあるフォルダに対応するフォルダ要素を展開表示するための展開要素とを含む階層情報を表示領域に表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示領域に表示されたフォルダ要素あるいは展開要素を指示する指示手段と、
前記指示手段によりフォルダ要素あるいは展開要素が指示された場合に表示対象となる複数の階層情報のうち、省略表示すべき中間の階層の階層情報を判断する判断手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記判断手段で判断した階層情報を省略表示するための省略要素を生成して、前記表示領域に表示される複数の階層情報の間の対応する位置に、当該生成した省略要素を表示するように制御することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記指示手段を用いて前記省略要素が指示されることに応じて、省略された階層情報を展開して前記表示領域に表示することを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
1つの省略要素で省略表示する階層情報の最大数を設定する第1の設定手段を設け、
前記生成手段は、前記省略表示する階層情報の数が前記第1の設定手段の設定する前記最大数を超える場合、前記省略表示する階層情報を複数の省略要素に分けるための省略要素を生成することを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記表示領域に表示すべき省略要素の数を設定する第2の設定手段を設け、
前記表示制御手段は、前記表示領域に表示すべき省略要素の数を制御することを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項5】
データ処理装置を用いたデータ処理方法であって、
表示制御手段が、階層化されたフォルダに対応するフォルダ要素と、当該フォルダの下位階層にあるフォルダに対応するフォルダ要素を展開表示するための展開要素とを含む階層情報を表示領域に表示するように制御する表示制御工程と、
指示手段が、前記表示領域に表示されたフォルダ要素あるいは展開要素を指示する指示工程と、
判断手段が、前記指示手段によりフォルダ要素あるいは展開要素が指示された場合に表示対象となる複数の階層情報のうち、省略表示すべき中間の階層の階層情報を判断する判断工程と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記判断手段で判断した階層情報を省略表示するための省略要素を生成して、前記表示領域に表示される複数の階層情報の間の対応する位置に、当該生成した省略要素を表示するように制御することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の各手段としてコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
表示部を備えるデータ処理装置であって、
階層化されたフォルダに対応するフォルダ要素と、当該フォルダの下位階層にあるフォルダに対応するフォルダ要素を展開表示するための展開要素とを含む階層情報、および、1つまたは複数の前記階層情報を省略表示するための省略要素を前記表示部に表示する表示手段と、
前記表示部に表示された省略要素を指示する指示手段と、
前記指示手段で前記省略要素が指示された場合、省略表示された階層情報を前記表示部に展開して表示する展開手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項8】
表示部を備えるデータ処理装置を用いたデータ処理方法であって、
表示手段が、階層化されたフォルダに対応するフォルダ要素と、当該フォルダの下位階層にあるフォルダに対応するフォルダ要素を展開表示するための展開要素とを含む階層情報、および、1つまたは複数の前記階層情報を省略表示するための省略要素を前記表示部に表示する表示工程と、
指示手段が、前記表示部に表示された省略要素を指示する指示工程と、
展開手段が、前記指示手段で前記省略要素が指示された場合、省略表示された階層情報を前記表示部に展開して表示する展開工程と、
を有することを特徴とするデータ処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate