説明

データ収集装置及びそれを備えたシステム

【課題】システムから機能に関する機能データを収集するにあたって、システムにおいて機種テーブルを予め設けておくといったことなく、機能データの収集時間を短縮させることができるデータ収集装置及び前記データ収集装置と通信するシステムを提供する。
【解決手段】データ収集装置200は、機能データA〜Eの収集を開始する前に、システム100に備えられた全ての電子制御装置101〜107と通信して電子制御装置101〜107が制御する機能A〜Eを取得して機能の種類別及び電子制御装置の装置別にリスト化した装置別機能リスト情報LD1を作成し、機能データを収集するために機能の種類を選択する選択情報SN1〜SN5を受け付け、作成した装置別機能リスト情報に基づいて、選択された選択情報の機能に該当する電子制御装置を宛先として通信して選択情報の機能に関する機能データを収集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の機能を制御する電子制御装置を備えたシステムと通信して前記機能に関する機能データを収集するデータ収集装置及び前記データ収集装置と通信するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインや耕耘機といった作業機、或いは、プレジャーボートや漁船といった船舶などのシステムにおいては、各種の機能に対してそれらの機能を制御する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)が各所に分散して搭載されている。
【0003】
例えば、コンバインのようなシステムでは、脱穀機能、走行制御機能、刈り取り機能、エンジン作動機能、メータ計測機能等の各種の機能が備えられ、これらの機能のうち少なくとも一つを制御する1又は複数の電子制御装置が設けられている。電子制御装置が複数設けられている場合には、複数の電子制御装置の間で前記各種の機能が重複する場合もある。具体的には、主に脱穀後の機能制御を司る電子制御装置と、主に脱穀中の機能制御を司る電子制御装置と、主に本機全体の機能制御を司る電子制御装置との3つの電子制御装置で脱穀機能を制御したり、主に脱穀後の機能制御を司る電子制御装置と、主に本機全体の機能制御を司る電子制御装置と、主に刈り取り動作の機能制御を司る電子制御装置との3つ電子制御装置で走行制御機能を制御したり、或いは、主に本機全体の機能制御を司る電子制御装置と、主に刈り取り動作の機能制御を司る電子制御装置との2つの電子制御装置で刈り取り機能を制御したりする。
【0004】
また、各電子制御装置は、例えば、各種センサからの入力信号(検知信号)や、電磁弁等の各種アクチュエータへの出力信号(作動信号)、或いは、メータ計器類からの計測信号といった各種の機能に関する機能データの履歴情報や積算情報等の過去の蓄積情報を必要に応じて随時記録して保存するようになっている。
【0005】
このような電子制御装置が搭載されたシステムは、USB(Universal Serial Bus)ポート等のインターフェイスを介してデータ収集装置が接続されることもある。データ収集装置としては、例えば、データ収集用プログラムが搭載されたノート型パーソナルコンピュータなどの携帯型コンピュータを挙げることができる。
【0006】
そして、データ収集装置は、システムに接続されて前記システムにおける電子制御装置に記録された機能データを収集し、その機能データを用いて集計、分析したり或いは故障診断を行ったりするようになっている。
【0007】
このように、データ収集装置がシステムに接続されて各種の機能に関する機能データを収集する場合においては、従来では、データ収集装置が、各種の機能について、システムに設けられている全ての電子制御装置と通信することで該当する機能の有無をそれぞれ確認してからその機能に関する機能データを収集していたために、機能データの収集に時間を要するという不都合がある。
【0008】
特に、複数の機能に関する機能データを収集する場合、一つの機能について、全ての電子制御装置と通信して該当する機能の有無を確認し、その機能に関する機能データを収集する処理を行い、さらに、他の機能について同様の処理を行う必要があるため、機能データを収集する機能の数が増える程、機能データの収集に時間を要する。
【0009】
これについて図18を参照しながらさらに具体的に説明する。図18は、従来のデータ収集装置YがシステムXに接続されて各種の機能A〜Iに関する機能データDa〜Diの過去の蓄積情報を収集する処理を模式的に示すシステム構成図である。
【0010】
図18に示すシステムXは、USBポート等のインターフェイスZを介してデータ収集装置Yが接続されるようになっている。
【0011】
システムXは、機能A,Bを制御する第1電子制御装置ECU1と、機能B,Cを制御する第2電子制御装置ECU2と、機能C,Dを制御する第3電子制御装置ECU3と、機能D,Eを制御する第4電子制御装置ECU4と、機能E,Fを制御する第5電子制御装置ECU5と、機能F,Gを制御する第6電子制御装置ECU6と、機能G,Hを制御する第7電子制御装置ECU7と、機能H,Iを制御する第8電子制御装置ECU8とを備えている。
【0012】
第1から第8電子制御装置ECU1〜ECU8は、車内LAN(Local Area Network)として作用するCAN(Controller Area Network)等のネットワークNを介して互いに接続されており、相互にデータ通信できるようになっている。
【0013】
第1電子制御装置ECU1には、機能A,Bに関する機能データDa,Dbの過去の蓄積情報が保存されている。同様に、第2から第8電子制御装置ECU2〜ECU8についても、機能B,Cに関する機能データDb,Dcの過去の蓄積情報、機能C,Dに関する機能データDc,Ddの過去の蓄積情報、機能D,Eに関する機能データDd,Deの過去の蓄積情報、機能E,Fに関する機能データDe,Dfの過去の蓄積情報、機能F,Gに関する機能データDf,Dgの過去の蓄積情報、機能G,Hに関する機能データDg,Dhの過去の蓄積情報、及び、機能H,Iに関する機能データDh,Diの過去の蓄積情報がそれぞれ保存されている。
【0014】
そして、データ収集装置Yは、機能A〜Iのうち少なくとも一つの機能について、システムXに設けられている全ての電子制御装置ECU1〜ECU8と通信することで該当する機能の有無を確認してからその機能に関する機能データの過去の蓄積情報を収集する。
【0015】
例えば、機能A,C,Eに関する機能データDa,Dc,Deの過去の蓄積情報を収集する場合には、まず、データ収集装置Yは、第1電子制御装置ECU1に対して、機能Aを制御対象としているか、すなわち、機能Aに関する機能データDaを保有しているか否かを問い合わせる。第1電子制御装置ECU1は、機能Aに関する機能データDaを保有しているので、データ収集装置Yに対して機能Aに関する機能データDaを保有している旨の通知を返す。データ収集装置Yは、第1電子制御装置ECU1が機能Aに関する機能データDaを保有していることを認識し、第1電子制御装置ECU1から機能Aに関する機能データDaの過去の蓄積情報を収集する。次に、データ収集装置Yは、第2電子制御装置ECU2に対して、機能Aに関する機能データDaを保有しているか否かを問い合わせる。第2電子制御装置ECU2は、機能Aに関する機能データDaを保有していないので、データ収集装置Yに対して機能Aに関する機能データDaを保有していない旨の通知を返す。以下、第3から第8電子制御装置ECU3〜ECU8についても同様に処理する。次に、前述した処理を機能C及び機能Eに対して順次行っていく。
【0016】
このように、データ収集装置Yは、機能A,C,Eについて第1から第8電子制御装置ECU1〜ECU8と順次通信を行うことになるため、機能データを収集する機能の数や電子制御装置の数が増える程、機能データを収集するために多大な時間がかかってしまう。
【0017】
この点に関し、特許文献1は、複数の電子制御装置(ECU)が設けられたシステムからデータを収集するにあたって、システムにおいて機種毎に各種データが格納された機種テーブルを予め設けておく構成を開示している(特許文献1の段落[0034],[0035]等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−70133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、特許文献1の如く、システムにおいて機種毎に各種データが格納された機種テーブルを予め設けておく構成では、システムの機能が追加、変更或いは削除されない場合には問題ないが、システムの機能が追加、変更或いは削除される場合には、機種テーブル自体のメンテナンスという新たな工数が発生するという不具合がある。
【0020】
そこで、本発明は、各種の機能を制御する電子制御装置を備えたシステムと通信して前記機能に関する機能データを収集するデータ収集装置であって、前記システムから前記機能に関する機能データを収集するにあたって、前記システムにおいて機種テーブルを予め設けておくといったことなく、前記機能データの収集時間を短縮させることができるデータ収集装置及び前記データ収集装置と通信するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、前記課題を解決するために、各種の機能を制御する電子制御装置を備えたシステムと通信して前記機能に関する機能データを収集するデータ収集装置であって、前記機能データの収集を開始する前に、前記システムに備えられた全ての前記電子制御装置と通信して前記電子制御装置が制御する前記機能を取得して前記機能の種類別及び前記電子制御装置の装置別にリスト化した装置別機能リスト情報を作成するリスト情報作成手段と、前記機能データを収集するために前記機能の種類を選択する選択情報を受け付ける機能選択手段と、前記リスト情報作成手段にて作成した前記装置別機能リスト情報に基づいて、前記機能選択手段にて選択された前記選択情報の前記機能に該当する前記電子制御装置を宛先として通信して前記選択情報の前記機能に関する前記機能データを収集するデータ収集手段とを備えることを特徴とするデータ収集装置を提供する。
【0022】
本発明によれば、機能データの収集を開始する前に、機能の種類別及び電子制御装置の装置別に装置別機能リスト情報を作成するので、機種テーブルを予め設けておかなくてもよい。また、前記装置別機能リスト情報に基づいて、選択された機能に該当する電子制御装置を宛先として通信して機能データを収集するので、システムに設けられている全ての前記電子制御装置と通信することなく、該当する機能の有無をそれぞれ確認することができ、それだけ、機能データの収集時間を短縮させることができる。
【0023】
本発明において、前記システムにおいて複数の前記電子制御装置に分散されて制御する前記機能のうちの少なくとも一つの機能が前記電子制御装置の少なくとも二つの電子制御装置の間で共通の機能である共通機能とされて前記少なくとも二つの電子制御装置の何れか一つの代表電子制御装置が残りの電子制御装置と通信して前記共通機能に関する共通機能データを取得する場合に、前記リスト情報作成手段は、前記代表電子制御装置の情報を含む前記装置別機能リスト情報を作成し、前記データ収集手段は、前記機能選択手段にて前記共通機能が選択されたときには、前記代表電子制御装置の情報を含む前記装置別機能リスト情報に基づいて、前記代表電子制御装置を宛先として通信して前記選択情報の前記共通機能に関する前記共通機能データを収集する態様を例示できる。
【0024】
また、本発明は、かかる態様のデータ収集装置と通信し、複数の前記電子制御装置に分散されて制御する前記機能のうちの少なくとも一つの機能が前記電子制御装置のうち少なくとも二つの電子制御装置の間で共通の機能である共通機能とされたシステムであって、前記少なくとも二つの電子制御装置のうちの何れか一つを代表電子制御装置に設定する代表電子制御装置設定手段を備えることを特徴とするシステムも提供する。
【0025】
この特定事項では、少なくとも一つの機能が少なくとも二つの電子制御装置の間で共通機能とされ、代表電子制御装置が残りの電子制御装置と通信して共通機能に関する共通機能データを収集するにあたり、代表電子制御装置の情報を含む装置別機能リスト情報を作成することで、該当する共通機能に関する共通機能データを保有する全ての前記電子制御装置と通信することなく、代表電子制御装置と通信することができ、これにより、一層の機能データの収集時間を短縮させることが可能となる。
【0026】
本発明に係るデータ収集装置と通信するシステムにおいて、複数の前記電子制御装置に対して前記データ収集装置から前記機能に関する同一の開示要求がなされると、前記同一の開示要求に対して複数の前記電子制御装置の間で互いに異なる応答時間を設定する応答時間設定手段を備える態様を例示できる。
【0027】
この特定事項では、複数の前記電子制御装置の間での該当する前記機能に関する応答が同一の(共通の、単一の)フォーマットであっても衝突を回避でき、これにより該応答を再度送信するといった処理を省くことができ、それだけ該応答の送信時間を短縮させることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によると、前記機能データの収集を開始する前に、機能の種類別及び電子制御装置の装置別に装置別機能リスト情報を作成するので、機種テーブルを予め設けておかなくてもよい。また、前記装置別機能リスト情報に基づいて、選択された機能に該当する電子制御装置を宛先として通信して機能データを収集するので、システムに設けられている全ての前記電子制御装置と通信することなく、該当する機能の有無をそれぞれ確認することができ、それだけ、機能データの収集時間を短縮させることができる。すなわち、前記システムから前記機能に関する前記機能データを収集するにあたって、前記システムにおいて機種テーブルを予め設けておくといったことなく、前記機能データの収集時間を短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るデータ収集装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータ及びそれと通信するシステムの一例であるコンバインを概略的に示すシステム構成図である。
【図2】図1に示すコンバインにおける第1から第7電子制御装置の概略構成を示すシステムブロック図である。
【図3】第1から第7電子制御装置がそれぞれ制御する機能の一例を示す表である。
【図4】図1に示すコンバインにおいて第1から第7電子制御装置の接続形態を中心に示すシステムブロック図である。
【図5】第1から第7電子制御装置に保存される情報のデータ構造の一例を示す概略構成図であって、(a)から(f)は、第1から第7電子制御装置のデータ構造を示す図である。
【図6】コンバインと通信するコンピュータの概略構成を示すシステムブロック図である。
【図7】コンピュータがコンバインから受信する第1から第7機能リスト作成用通信データのデータ構造の一例を示す概略構成図であって、(a)から(g)は、それぞれ、第1から第7機能リスト作成用通信データのデータ構造を示す図である。
【図8】コンピュータとコンバインとの間での通信状態を説明するための説明図である。
【図9】走行制御機能、刈取機能、脱穀機能、エンジン作動機能及びメータ計測機能の種類別及び第1から第7電子制御装置の装置別にリスト化した装置別機能リスト情報の一例を示すテーブルである。
【図10】図1に示すコンピュータにおける表示装置に表示された機能選択画面を示す平面図である。
【図11】第1実施形態に係るデータ収集処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】コンピュータのコンバインにおける第1から第7電子制御装置へのアクセス状態を説明するための説明図である。
【図13】代表電子制御装置に設定する場合での第1から第7電子制御装置がそれぞれ制御する機能の一例を示す表である。
【図14】代表電子制御装置に設定する場合での第2、第3、第4及び第6電子制御装置に保存される情報のデータ構造の一例を示す概略構成図であって、(a)から(d)は、それぞれ、第3、第1、第2及び第4機能代表識別データのデータ構造を示す図である。
【図15】代表電子制御装置に設定する場合での第2、第3、第4及び第6機能リスト作成用通信データのデータ構造の一例を示す概略構成図であって、(a)から(d)は、それぞれ、第2、第3、第4及び第6機能リスト作成用通信データのデータ構造を示す図である。
【図16】代表電子制御装置に設定する場合での装置別機能リスト情報の一例を示すテーブルである。
【図17】第1から第7電子制御装置に対してコンピュータから同一の開示要求がなされた場合に第1から第7電子制御装置からコンピュータへ応答する状態を説明するための説明図である。
【図18】従来のデータ収集装置がシステムに接続されて各種の機能に関する機能データの過去の蓄積情報を収集する処理を模式的に示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態についてシステムとしてコンバインを取り挙げて添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るデータ収集装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータ200及びそれと通信するシステムの一例であるコンバイン100を概略的に示すシステム構成図である。
【0032】
[コンバインについて]
図1に示すように、コンバイン100は、クローラ式走行装置(図示せず)を作動させて走行する走行制御機能Aと、分草した穀稈を引き起こして株元側から刈り取る刈取機能Bと、刈り取った穀稈の脱穀を行う脱穀機能Cと、コンバイン100全体の駆動源として作用するエンジン(図示せず)を作動させるエンジン作動機能Dと、図示しない運転席のメータ計器類の計測を行うメータ計測機能Eとの各種の機能を制御する1又は複数の電子制御装置(ここでは第1から第7電子制御装置101〜107)とを備えている。
【0033】
図2は、図1に示すコンバイン100における第1から第7電子制御装置101〜107の概略構成を示すシステムブロック図である。なお、第1から第7電子制御装置101〜107は同一構成とされている。よって、図2において、第1から第7電子制御装置101〜107は一つの図で示しており、同じ構成要素には同一符号を付している。
【0034】
第1から第7電子制御装置101〜107は、いわゆるECU(Electronic Control Unit)と称されるものであり、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置で構成された制御部110と、ROM(Read Only Memory)120a、RAM(Random Access Memory)120bやフラッシュメモリ等のデータ書き換え可能な不揮発性メモリ120c等の記憶装置を備えた記憶部120とを有している。
【0035】
第1から第7電子制御装置101〜107は、それぞれ、制御部110が記憶部120のROM120aに予め格納された制御プログラムを記憶部120のRAM120b上にロードして実行することにより、各種構成要素の動作タイミング等の作動制御を行うようになっている。記憶部120のRAM120bは、制御部110に対して作業用のワークエリアを提供する。
【0036】
第1電子制御装置101は、主に脱穀後の機能を制御する脱穀後ECUとされている。第2電子制御装置102は、主に脱穀中の機能を制御する脱穀中ECUとされている。第3電子制御装置103は、図示しないエンジンの後フレームに設けられて主に本機全体の機能を制御するエンジン後フレームECUとされている。第4電子制御装置104は、図示しない刈取回動支点に設けられて主に刈り取り動作の機能を制御する刈取回動支点ECUとされている。第5及び第6電子制御装置105,106は、それぞれ、異なるタイプのエンジンの回転数や負荷状態などを監視し、最適な噴射圧力や噴射時期を燃料システムに指示してエンジン全体を制御する第1及び第2エンジンECUとされている。第7電子制御装置107は、回転数や速度等のメータ計器類を制御するセンタメータECUとされている。
【0037】
第1から第7電子制御装置101〜107は、それぞれ、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eのうちの少なくとも一つの機能を制御する。
【0038】
図3は、第1から第7電子制御装置101〜107がそれぞれ制御する機能の一例を示す表である。図3において、○印は電子制御装置が制御する機能を示している。
【0039】
図3に示すように、第1電子制御装置101は、走行制御機能A及び脱穀機能Cを制御する。第2電子制御装置102は、脱穀機能Cを制御する。第3電子制御装置103は、走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cを制御する。第4電子制御装置104は、走行制御機能A及び刈取機能Bを制御する。第5及び第6電子制御装置105,106は、エンジン作動機能Dを制御する。第7電子制御装置107は、メータ計測機能Eを制御する。
【0040】
第1から第7電子制御装置101〜107は、車内LAN(具体的にはCAN)規格に準拠したネットワークNを介して互いに接続されており、相互にデータ通信できるようになっている。
【0041】
図4は、図1に示すコンバイン100において第1から第7電子制御装置101〜107の接続形態を中心に示すシステムブロック図である。
【0042】
図4に示すように、ネットワークNは、第1から第4及び第7電子制御装置101〜104,107を相互に接続してパーソナルコンピュータ(以下、単にコンピュータという)200と通信する第1ネットワークN1を備えている。すなわち、ネットワークNは、第1から第4及び第7電子制御装置101〜104,107の間での相互のデータ通信、さらには第1から第4及び第7電子制御装置101〜104,107とコンピュータ200との間での相互のデータ通信を行うことが可能な構成とされている。
【0043】
また、第3及び第4電子制御装置103,104は、それぞれ、第1ネットワークN1と第2及び第3ネットワークN2,N3との接続機能を制御するゲートウェイECUとしても作用する構成とされている。
【0044】
詳しくは、ネットワークNは、第5及び第6電子制御装置105,106と、主に本機における各種センサ類(図示せず)の入出力制御を行う第1入出力制御部111(具体的にはI/Oドライバ)と、主に本機におけるアクチュエータ類(図示せず)の作動制御を行う第1アクチュエータ制御部121(具体的には比例弁ドライバ)とを相互に接続してゲートウェイECUとして作用する第3電子制御装置103と通信する第2ネットワークN2を備えている。すなわち、第2ネットワークN2は、第5及び第6電子制御装置105,106の間での相互のデータ通信、さらには第5及び第6電子制御装置105,106並びに第1入出力制御部111及び第1アクチュエータ制御部121と第3電子制御装置103との間での相互のデータ通信を行うことが可能な構成とされている。
【0045】
また、ネットワークNは、主に刈取機能Bにおける各種センサ類(図示せず)の入出力制御を行う第2及び第3入出力制御部112,113(具体的にはI/Oドライバ)と、主に刈取機能Bにおけるアクチュエータ類(図示せず)の作動制御を行う第2から第5アクシュエータ制御部122〜125(具体的には電磁弁ドライバ)とを相互に接続してゲートウェイECUとして作用する第4電子制御装置104と通信する第3ネットワークN3を備えている。すなわち、第3ネットワークN3は、第2及び第3入出力制御部112,113並びに第2から第5アクチュエータ制御部122〜125と第4電子制御装置104との間での相互のデータ通信を行うことが可能な構成とされている。
【0046】
なお、第1から第7電子制御装置101〜107、第1から第3入出力制御部111〜113並びに第1から第5アクシュエータ制御部121〜125には、それぞれ、互いに異なるアドレス情報が設定されており、各ネットワークでの情報のやり取りは、このアドレス情報を用いて行うようになっている。
【0047】
例えば、第1から第7電子制御装置101〜107には、それぞれ、[0001]〜[0007]のアドレス情報が設定されている。コンピュータ200が第2及び第3電子制御装置102,103に問い合わせを行う場合には、アドレス情報として[0002],[0003]を用いて通信を行う。なお、本第1実施形態では、アドレス情報として[9999]を用いてコンピュータ200からの通信を行う場合には、第1から第7の全ての電子制御装置101〜107に問い合わせを行うようになっている。
【0048】
そして、第1から第7電子制御装置101〜107は、各種センサ類からの入力信号(検知信号)や、電磁弁等の各種アクチュエータ類への出力信号(作動信号)、或いは、メータ計器類からの計測信号といった各種の機能に関する機能データの履歴情報や積算情報等の過去の蓄積情報を必要に応じて随時記録して保存するようになっている。
【0049】
また、第1から第7電子制御装置101〜107は、走行制御機能Aに関する機能データDa、刈取機能Bに関する機能データDb、脱穀機能Cに関する機能データDc、エンジン作動機能Dに関する機能データDd及びメータ計測機能に関する機能データDeをそれぞれ保有することを示す第1から第5機能識別データRa〜Re(図5参照)のうちの少なくとも一つも保存している。
【0050】
図5は、第1から第7電子制御装置101〜107に保存される情報のデータ構造の一例を示す概略構成図である。図5(a)から図5(f)は、第1から第7電子制御装置101〜107のデータ構造を示している。なお、第5及び第6電子制御装置105,106のデータ構造は同一であるため、図5(e)において、一つの図で示している。
【0051】
図5(a)に示すように、第1電子制御装置101における不揮発性メモリ120cは、走行制御機能A及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Dcの過去の蓄積情報が随時記録更新されるようになっており、走行制御機能A及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Dcを保有することを示す第1及び第3機能識別データRa、Rcが予め記憶(設定)されている。
【0052】
図5(b)に示すように、第2電子制御装置102における不揮発性メモリ120cは、脱穀機能Cに関する機能データDcの過去の蓄積情報が随時記録更新されるようになっており、脱穀機能Cに関する機能データDcを保有することを示す第3機能識別データRcが予め記憶(設定)されている。
【0053】
図5(c)に示すように、第3電子制御装置103における不揮発性メモリ120cは、走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcの過去の蓄積情報が随時記録更新されるようになっており、走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有することを示す第1から第3機能識別データRa,Rb,Rcが予め記憶(設定)されている。
【0054】
図5(d)に示すように、第4電子制御装置104における不揮発性メモリ120cは、走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbの過去の蓄積情報が随時記録更新されるようになっており、走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有することを示す第1及び第2機能識別データRa,Rbが予め記憶(設定)されている。
【0055】
図5(e)に示すように、第5及び第6電子制御装置105,106における不揮発性メモリ120cは、エンジン作動機能Dに関する機能データDdの過去の蓄積情報が随時記録更新されるようになっており、エンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有することを示す第4機能識別データRdが予め記憶(設定)されている。
【0056】
図5(f)に示すように、第7電子制御装置107における不揮発性メモリ120cは、メータ計測機能Eに関する機能データDeの過去の蓄積情報が随時記録更新されるようになっており、メータ計測機能Eに関する機能データDeを保有することを示す第5機能識別データReが予め記憶(設定)されている。
【0057】
なお、第1から第7電子制御装置101〜107は、制御する機能が変更される場合には、それに応じて、保存する情報のデータ構造を変更できるようになっていている。具体的には、第1から第7電子制御装置101〜107は、オペレータの入力操作によって、不揮発性メモリ120cに記憶(設定)される第1から第5機能識別データRa〜Reを設定変更できるようになっている。
【0058】
図1に示すインターフェイス部108は、本第1実施形態では、USB規格による有線通信手段のUSBポートを有しており、ネットワークNとコンピュータ200との間でデータの通信ができるようになっている。
【0059】
[コンピュータについて]
一方、コンピュータ200は、コンバイン100と通信して走行制御機能Aに関する機能データDaと、刈取機能Bに関する機能データDbと、脱穀機能Cに関する機能データDcと、エンジン作動機能Dに関する機能データDdと、メータ計測機能Eに関する機能データDeとを収集する構成とされている。
【0060】
図6は、コンバイン100と通信するコンピュータ200の概略構成を示すシステムブロック図である。
【0061】
図6に示すように、データ収集装置として作用するコンピュータ200は、操作入力部210と、記憶部220と、表示出力部230と、インターフェイス部240と、制御部250と、読み取り部260とを備えている。
【0062】
操作入力部210は、キーボード211やポインティングデバイス212等の入力装置を備えており、制御部250の入力系に接続されている。操作入力部210は、オペレータによる入力操作を受け付けて入力された操作情報を制御部250に送信する構成とされている。
【0063】
記憶部220は、ROM221、RAM222やフラッシュメモリ等のデータ書き換え可能な不揮発性メモリ223等の記憶装置及びハードディスク装置224等の大容量記憶装置を備えている。なお、ハードディスク装置224には、後述するデータ収集用プログラムPが記録されたCD(Compact Disc)−ROM等の記録媒体Mを読み出す読み取り部260によって読み出されたデータ収集用プログラムPを含むソフトウェアが予め格納(インストール)されている。記録媒体Mは、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカードであってもよい。また、データ収集用プログラムPは、インターネットを介してサーバーからダウンロードされたものであってもよい。
【0064】
表示出力部230は、液晶表示パネルやEL(Electro Luminescence)表示パネル等の表示装置231を備えており、制御部250の出力系に接続されている。表示装置231は、制御部250からの出力表示情報を表示画面に表示する構成とされている。なお、表示装置231における表示画面には、タッチパネル等のタッチ入力操作装置が設けられていてもよい。タッチ入力操作装置は、表示画面に表示される画面の表示状態に応じた入力操作を行うことができ、操作入力部として作用する構成とされる。
【0065】
インターフェイス部240は、本第1実施形態では、USB規格による有線通信手段のUSBポートとされており、USBケーブルCBを介して制御部250とコンバイン100におけるインターフェイス108との間でデータの通信ができるようになっている(図1参照)。また、インターフェイス部240は、コンバイン100におけるインターフェイス108が接続されたか否かを検出できるようになっている。なお、コンピュータ200とコンバイン100とは、本第1実施形態では、USBといった有線通信手段によって接続されるが、ブルートゥース(Bluetooth)規格や近距離赤外線通信(IrDA)規格による無線通信手段によって接続されてもよい。
【0066】
制御部250は、CPU等の演算処理装置で構成されており、記憶部220のハードディスク装置224に予め格納されたデータ収集用プログラムP等のソフトウェアプログラムを記憶部220のRAM222上にロードして実行することにより、各種の処理を行うようになっている。記憶部220のRAM222は、制御部250に対して作業用のワークエリアを提供する。
【0067】
そして、制御部250は、リスト情報作成手段Qa1、機能選択手段Qa2及びデータ収集手段Qa3として機能する。すなわち、データ収集用プログラムPは、リスト情報作成手段Qa1に対応するリスト情報作成ステップと、機能選択手段Qa2に対応する機能選択ステップと、データ収集手段Qa3に対応するデータ収集ステップとを含むステップを制御部250に実行させる。
【0068】
リスト情報作成ステップでは、機能データDa〜Deを収集するための作業を開始する毎に、コンバイン100に備えられた第1から第7の全ての電子制御装置101〜107に対して、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eに関する開示要求(具体的には開示要求を示す命令コマンドの送信)を行い、第1から第7電子制御装置101〜107と通信して第1から第7電子制御装置101〜107が制御する機能を取得して第1から第7電子制御装置101〜107の装置別に機能をリスト化した装置別機能リスト情報LD1(図9参照)を作成する。こうして作成された装置別機能リスト情報LD1は、記憶部220のRAM222に記憶される。
【0069】
このリスト情報作成ステップについて図7から図9を参照しながら具体的に以下に説明する。
【0070】
図7は、コンピュータ200がコンバイン100から受信する第1から第7機能リスト作成用通信データK1〜K7のデータ構造の一例を示す概略構成図である。図7(a)から図7(g)は、それぞれ、第1から第7機能リスト作成用通信データK1〜K7のデータ構造を示している。図8は、コンピュータ200とコンバイン100との間での通信状態を説明するための説明図である。また、図9は、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eの種類別及び第1から第7電子制御装置101〜107の装置別にリスト化した装置別機能リスト情報LD1の一例を示すテーブルTB1である。なお、図9において、「1」はメモリフラグを有効している状態を示している。
【0071】
図7(a)に示すように、第1機能リスト作成用通信データK1は、コンピュータ200がコンバイン100における第1電子制御装置101から受信する情報であり、第1電子制御装置101であることを示す第1装置識別情報KS1(ここではアドレス情報[0001])と、第1電子制御装置101が走行制御機能Aに関する機能データDaを保有することを示す第1機能識別データRaと、第1電子制御装置101が脱穀機能Cに関する機能データDcを保有することを示す第3機能識別データRcとを有している。
【0072】
図7(b)に示すように、第2機能リスト作成用通信データK2は、コンピュータ200がコンバイン100における第2電子制御装置102から受信する情報であり、第2電子制御装置102であることを示す第2装置識別情報KS2(ここではアドレス情報[0002])と、第2電子制御装置102が脱穀機能Cに関する機能データDcを保有することを示す第3機能識別データRcとを有している。
【0073】
図7(c)に示すように、第3機能リスト作成用通信データK3は、コンピュータ200がコンバイン100における第3電子制御装置103から受信する情報であり、第3電子制御装置103であることを示す第3装置識別情報KS3(ここではアドレス情報[0003])と、第3電子制御装置103が走行制御機能Aに関する機能データDaを保有することを示す第1機能識別データRaと、第3電子制御装置103が刈取機能Bに関する機能データDbを保有することを示す第2機能識別データRbと、第3電子制御装置103が脱穀機能Cに関する機能データDcを保有することを示す第3機能識別データRcとを有している。
【0074】
図7(d)に示すように、第4機能リスト作成用通信データK4は、コンピュータ200がコンバイン100における第4電子制御装置104から受信する情報であり、第4電子制御装置104であることを示す第4装置識別情報KS4(ここではアドレス情報[0004])と、第4電子制御装置104が走行制御機能Aに関する機能データDaを保有することを示す第1機能識別データRaと、第4電子制御装置104が刈取機能Bに関する機能データDbとを保有することを示す第2機能識別データRbとを有している。
【0075】
図7(e)及び図7(f)に示すように、第5及び第6機能リスト作成用通信データK5,6は、それぞれ、コンピュータ200がコンバイン100における第5及び第6電子制御装置105,106から受信する情報であり、第5及び第6電子制御装置105,106であることを示す第5及び第6装置識別情報KS5、KS6(ここではアドレス情報[0005],[0006])と、第5及び第6電子制御装置105,106がエンジン作動機能Dに関する機能データDdとを保有することを示す第4機能識別データRd,Rdを有している。
【0076】
図7(g)に示すように、第7機能リスト作成用通信データK7は、コンピュータ200がコンバイン100における第7電子制御装置107から受信する情報であり、第7電子制御装置105であることを示す第7装置識別情報KS7(ここではアドレス情報[0007])と、第7電子制御装置107がメータ計測機能Eに関する機能データDeを保有することを示す第5機能識別データReとを有している。
【0077】
そして、図8に示すように、リスト情報作成ステップでは、まず、コンピュータ200における制御部250からコンバイン100における第1から第7の全ての電子制御装置101〜107に対して、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eのうち、何れの機能を制御対象としているか、すなわち、何れの機能に関する機能データを保有しているか否かを問い合わせる。第1電子制御装置101は、走行制御機能A及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Dcを保有しているので、コンピュータ200に対して走行制御機能A及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Dcを保有していることを示す第1機能リスト作成用通信データK1(具体的には図7(a)に示す第1機能識別データRa及び第3機能識別データRc)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第1機能リスト作成用通信データK1の状態を判断して(具体的には第1機能識別データRa及び第3機能識別データRcが存在していると判断して)第1電子制御装置101が走行制御機能A及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Dcを保有していることを認識し、図9に示すテーブルTB1の第1電子制御装置101に対応する第1装置識別情報KS1(ここではアドレス情報[0001])において走行制御機能A及び脱穀機能Cを識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0078】
次に、第2電子制御装置102は、脱穀機能Cに関する機能データDcを保有しているので、コンピュータ200に対して脱穀機能Cに関する機能データDcを保有していることを示す第2機能リスト作成用通信データK2(具体的には図7(b)に示す第3機能識別データRc)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第2機能リスト作成用通信データK2の状態を判断して(具体的には第3機能識別データRcが存在していると判断して)第2電子制御装置102が脱穀機能Cに関する機能データDcを保有していることを認識し、図9に示すテーブルTB1の第2電子制御装置102に対応する第2装置識別情報KS2(ここではアドレス情報[0002])において脱穀機能Cを識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0079】
次に、第3電子制御装置103は、走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有しているので、コンピュータ200に対して走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有していることを示す第3機能リスト作成用通信データK3(具体的には図7(c)に示す第1から第3機能識別データRa〜Rc)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第3機能リスト作成用通信データK3の状態を判断して(具体的には第1から第3機能識別データRa〜Rcが存在していると判断して)第3電子制御装置103が走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有していることを認識し、図9に示すテーブルTB1の第3電子制御装置103に対応する第2装置識別情報KS3(ここではアドレス情報[0003])において走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cを識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0080】
次に、第4電子制御装置104は、走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有しているので、コンピュータ200に対して走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有していることを示す第4機能リスト作成用通信データK4(具体的には図7(d)に示す第1及び第2機能識別データRa,Rb)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第3機能リスト作成用通信データK4の状態を判断して(具体的には第1及び第2機能識別データRa,Rbが存在していると判断して)第4電子制御装置104が走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有していることを認識し、図9に示すテーブルTB1の第4電子制御装置104に対応する第4装置識別情報KS4(ここではアドレス情報[0004])において走行制御機能A及び刈取機能Bを識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0081】
次に、第5及び第6電子制御装置105,106に対して、何れの機能に関する機能データを保有しているか否かを問い合わせる。第5及び第6電子制御装置105,106は、エンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有しているので、コンピュータ200に対してエンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有していることを示す第5及び第6機能リスト作成用通信データK5,K6(具体的には図7(e)及び図7(f)に示す第4機能識別データRd)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第5及び第6機能リスト作成用通信データK5,K6の状態を判断して(具体的には第4機能識別データRdが存在していると判断して)第5及び第6電子制御装置105,106がエンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有していることを認識し、図9に示すテーブルTB1の第5及び第6電子制御装置105,106に対応する第4装置識別情報KS4(ここではアドレス情報[0005],[0006])においてエンジン作動機能Dを識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0082】
次に、第7電子制御装置107は、メータ計測機能Eに関する機能データDeを保有しているので、コンピュータ200に対してメータ計測機能Eに関する機能データDeを保有していることを示す第7機能リスト作成用通信データK7(具体的には図7(g)に示す第5機能識別データRe)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第7機能リスト作成用通信データK7の状態を判断して(具体的には第5機能識別データReが存在していると判断して)第7電子制御装置107がメータ計測機能Eに関する機能データDeを保有していることを認識し、図9に示すテーブルTB1の第7電子制御装置107においてメータ計測機能Eを識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0083】
これにより、第1から第7電子制御装置101〜107の装置別に機能をリスト化した装置別機能リスト情報LD1を作成することができる。
【0084】
機能選択ステップでは、機能データDa〜Deを収集するために走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eにそれぞれ対応する第1から第5選択情報SN1〜SN5(図10参照)のうち少なくとも一つを受け付ける。
【0085】
図10は、図1に示すコンピュータ200における表示装置231に表示された機能選択画面232を示す平面図である。なお、図10において、選択状態の機能を斜線で示している。
【0086】
図10に示すように、表示装置231における機能選択画面232には、オペレータによって、走行制御機能Aが選択されたことを示す第1選択情報SN1を制御部250に送信する第1選択ボタンBT1と、刈取機能Bが選択されたことを示す第2選択情報SN2を制御部250に送信する第2選択ボタンBT2と、脱穀機能Cが選択されたことを示す第3選択情報SN3を制御部250に送信する第3選択ボタンBT3と、エンジン作動機能Dが選択されたことを示す第4選択情報SN4を制御部250に送信する第4選択ボタンBT4と、メータ計測機能Eが選択されたことを示す第5選択情報SN5を制御部250に送信する第5選択ボタンBT5と、機能の選択状態を確定する確定ボタンBT6と、選択操作画面を終了する終了ボタンBT7とが機能選択画面232に表示されるようになっている。なお、第1から第5選択ボタンBT1〜BT5の少なくとも一つが選択されると、確定ボタンBT7が操作入力できるようになっている。
【0087】
機能選択画面232において、例えば、オペレータによるポインティングデバイス212の操作によってカーソルJを移動させて選択すべき機能が操作(クリック)されることで、カーソルJの位置の選択ボタンに対応する機能の種類を選択できるようになっている。本第1実施形態では、選択状態の機能が非選択状態の機能とは異なる表示状態となる。そして、別の非選択状態の機能が操作(クリック)されると、複数の機能の種類を選択できるようになっている。また、選択状態の機能が再度操作(クリック)されると、選択状態が解除されて非選択状態となる。
【0088】
図10に示す例では、選択状態の機能(具体的には刈取機能B及び脱穀機能C)は、非選択状態の機能(具体的には走行制御機能A、エンジン作動機能D及びメータ計測機能E)に対して反転表示されるようになっている。
【0089】
機能が選択された状態において、確定ボタンBT6が操作(クリック)されると、選択状態の機能が確定し、選択状態の機能の選択情報(具体的には第2及び第3選択情報SN2,SN3)が制御部250に送信される。なお、機能選択画面232において、終了ボタンBT7が操作(クリック)されると、選択操作画面を終了する。機能選択画面232における各操作はタッチパネルによる操作であってもよい。
【0090】
そして、データ収集ステップでは、リスト情報作成ステップにて作成した装置別機能リスト情報LD1(図9参照)に基づいて、機能選択ステップにて選択された選択情報の機能に該当する電子制御装置を宛先として通信して選択情報の機能に関する機能データを収集する。
【0091】
例えば、データ収集ステップでは、図10に示すように、機能選択ステップで刈取機能B及び脱穀機能Cが選択された場合には、刈取機能Bに関する機能データDbを収集するために、RAM222に記憶された装置別機能リスト情報LD1から、刈取機能Bに関する機能データDbを保有する第3及び第4電子制御装置103,104に対応する第3及び第4装置識別情報KS3,KS4(ここではアドレス情報[0003],[0004])を抽出する。また、脱穀機能Cに関する機能データDcを保有する第1から第3電子制御装置101〜103に対応する第1から第3装置識別情報KS1〜KS3(ここではアドレス情報[0001]〜[0003])を抽出する。こうして抽出した第1から第4電子制御装置101〜104に対応する第1から第4装置識別情報KS1〜KS4(ここではアドレス情報[0001]〜[0004])を宛先として通信する。具体的には、データ収集ステップでは、第1から第3電子制御装置101〜103における不揮発性メモリ120cから脱穀機能Cに関する機能データDcの過去の蓄積情報(図5(a)〜図5(c)参照)を収集し、第3及び第4電子制御装置103,104における不揮発性メモリ120cから刈取機能Bに関する機能データDbの過去の蓄積情報(図5(c)及び図5(d)参照)を収集する。
【0092】
なお、本第1実施の形態では、第1から第7装置識別情報KS1〜KS7をアドレス情報[0001]〜[0007]としているが、第1から第7装置識別情報KS1〜KS7で一意となる他のコードとアドレス情報[0001]〜[0007]に対応する変換テーブルを設けておくことで、第1から第7装置識別情報KS1〜KS7を他のコードとしてもよい。この場合、変換テーブルによって他のコードから変換したアドレス情報を宛先として通信することができる。
【0093】
コンピュータ200は、こうして収集した機能データDb,Dcを用いて各種のアクチュエータの動作タイミングや各種の検出値等を集計、分析したり或いは故障診断を行ったりするようになっており、その結果を表示装置231の表示画面(図示省略)に表示するようになっている。
【0094】
なお、機能データとしては、センサ出力、アクチュエータの作動信号、さらに具体的には、燃料噴射量、エンジン回転数、冷却水温度、始動回数、扱胴や処理胴の回転数、フィードチェーンの回転数、刈り取り深さ、運転時間、車速、馬力、仕向地仕様等を例示できる。
【0095】
[データ収集処理例]
次に、第1実施形態に係るデータ収集処理の一例について図11及び図12を参照しながら以下に説明する。図11は、第1実施形態に係るデータ収集処理の一例を示すフローチャートである。図12は、コンピュータ200のコンバイン100における第1から第7電子制御装置101〜107へのアクセス状態を説明するための説明図である。
【0096】
図11に示すデータ収集処理例のフローチャートでは、まず、制御部250は、インターフェイス部108,240を介してコンバイン100が接続されたか否かを判断し(処理S1)、ネットワークNが接続されるまで待機する(処理S1:No)。ネットワークNが接続されると(処理S1:Yes)、処理S2以降のデータ収集処理を開始する。なお、この例では、制御部250は、コンピュータ200とコンバイン100との接続状態を検出してデータ収集処理を自動的に開始させるが、オペレータによる手動操作によってデータ収集処理を開始させてもよい。
【0097】
制御部250は、このデータ収集処理の開始の指示により、コンバイン100に備えられた第1から第7の全ての電子制御装置101〜107に対して、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eに関する開示要求を行う(処理S2)。
【0098】
次に、制御部250は、第1から第7電子制御装置101〜107とインターフェイス部108,240及びネットワークNを経由して通信し、第1から第7電子制御装置101〜107から第1から第7機能リスト作成用通信データK1〜K7を取得する(処理S3)。
【0099】
次に、制御部250は、第1から第7電子制御装置101〜107から取得した第1から第7機能リスト作成用通信データK1〜K7に記録されている第1から第5機能識別データRa〜Reによって、第1から第7電子制御装置101〜107の装置別に、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eのうち該当する機能を選び出して装置別機能リスト情報LD1(図9参照)を作成する(処理S4)。
【0100】
そして、制御部250は、表示装置231に機能選択画面232(図10参照)を表示し(処理S5)、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eにそれぞれ対応する第1から第5選択情報SN1〜SN5のうち少なくとも一つを受け付ける(処理S6)。
【0101】
次に、制御部250は、終了ボタンBT7が操作されたか否かを判断し(処理S7)、終了ボタンBT7が操作されていない場合には(処理S7:No)、処理S8に移行する一方、終了ボタンBT7が操作された場合には(処理S7:Yes)、データ収集処理を終了する。
【0102】
処理S8では、確定ボタンBT6が操作されたか否かを判断し、確定ボタンBT6が操作されていない場合には(処理S8:No)、処理S6に移行する一方、確定ボタンBT6が操作された場合には(処理S8:Yes)、処理S9に移行する。
【0103】
処理S9では、処理S4で作成した装置別機能リスト情報LD1(図9参照)を用いて、処理S7で選択された選択情報の機能(例えば第2及び第3選択情報SN2,SN3刈取機能B及び脱穀機能C(図12の実線参照))に該当する電子制御装置(例えば第1から第4電子制御装置101〜104)を宛先(例えばアドレス情報[0001]〜[0004])として通信し、処理S10に移行する。
【0104】
処理S10では、選択情報(例えば第2及び第3選択情報SN2,SN3)の機能(例えば刈取機能B及び脱穀機能C)に関する機能データ(例えば刈取機能Bに関する機能データDb及び脱穀機能Cに関する機能データDc)を収集し、処理S11に移行する。
【0105】
処理S11では、機能データDb,Dcを用いて集計、分析したり或いは故障診断を行ったりして、その結果を表示装置231の表示画面に表示し、処理を終了する。
【0106】
以上説明したように、本第1実施形態によると、リスト情報作成ステップによって、機能データDa〜Deの収集を開始する前に、コンバイン100に備えられた第1から第7の全ての電子制御装置101〜107と通信して第1から第7電子制御装置101〜107が制御する機能を取得して走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eの種類別及び第1から第7電子制御装置101〜107の装置別にリスト化した装置別機能リスト情報LD1を作成するので、コンバイン100において機種テーブルを予め設けておかなくてもよい。
【0107】
また、本第1実施形態では、機能データDa〜Ddを収集するために、機能選択ステップによって、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eの種類を選択する第1から第5選択情報SN1〜SN5を受け付ける。
【0108】
そして、データ収集ステップによって、リスト情報作成ステップにて作成した装置別機能リスト情報LD1に基づいて、機能選択ステップにて選択された選択情報(例えば第2及び第3選択情報SN2,SN3)の機能(例えば刈取機能B及び脱穀機能C)に該当する電子制御装置を宛先(例えば第1から第4電子制御装置101〜104のアドレス情報[0001]〜[0004])として通信し、選択情報の機能(例えば第2及び第3選択情報SN2,SN3の刈取機能B及び脱穀機能C)に関する機能データ(例えば機能データDb,Dc)を収集する。
【0109】
これにより、選択情報の機能(例えば第2及び第3選択情報SN2,SN3の刈取機能B及び脱穀機能C)に関する機能データ(例えば機能データDb,Dc)を収集するときにコンバイン100に設けられている第1から第7の全ての電子制御装置101〜107と通信することなく、該当する機能(例えば刈取機能B及び脱穀機能C)の有無をそれぞれ確認することができ、それだけ、機能データ(例えば機能データDb,Dc)の収集時間を短縮させることができる。
【0110】
しかも、機能データDa〜Deの収集を開始する前に(機能データDa〜Deの収集毎に)、装置別機能リスト情報LD1を作成することで、コンバイン100の機能が追加、変更或いは削除される場合であっても、リスト情報自体のメンテナンスという新たな工数が発生することを防止できる。
【0111】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について以下に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、異なる点を中心に説明する。
【0112】
本第2実施形態のコンバイン100は、走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eのうちの少なくとも一つの機能が第1から第7電子制御装置101〜107の少なくとも二つの電子制御装置の間で共通の機能である共通機能とされている。
【0113】
そして、本第2実施形態のコンバイン100は、共通の機能とされた少なくとも二つの電子制御装置のうちの何れか一つを代表電子制御装置に設定する代表電子制御装置設定手段Qb1(図2の破線参照)を備えている。
【0114】
図13は、代表電子制御装置に設定する場合での第1から第7電子制御装置101〜107がそれぞれ制御する機能の一例を示す表である。なお、図13において、代表電子制御装置は◎で表している。
【0115】
図13に示すように、コンバイン100は、走行制御機能Aが第1、第3及び第4電子制御装置101,103,104の間で共通機能さとれ、刈取機能Bが第3及び第4電子制御装置103,104の間で共通機能さとれ、脱穀機能Cが第1から第3電子制御装置101〜103の間で共通機能さとれ、エンジン作動機能Dが第5及び第6電子制御装置105,106の間で共通機能さとれている。
【0116】
そして、コンバイン100では、走行制御機能Aについては、第1、第3及び第4電子制御装置101,103,104のうち第3電子制御装置103が代表電子制御装置とされている。刈取機能Bについては、第3及び第4電子制御装置103,104のうち第4電子制御装置104が代表電子制御装置とされている。脱穀機能Cについては、第1から第3電子制御装置101〜103のうち第2電子制御装置102が代表電子制御装置とされている。エンジン作動機能Dについては、第5及び第6電子制御装置105,106のうち第6電子制御装置106が代表電子制御装置とされている。
【0117】
図14は、代表電子制御装置に設定する場合での第2、第3、第4及び第6電子制御装置102,103,104,106に保存される情報のデータ構造の一例を示す概略構成図である。図14(a)から図14(d)は、それぞれ、第3、第1、第2及び第4機能代表識別データTc,Ta,Tb,Tdのデータ構造を示している。
【0118】
図14(a)に示すように、第2電子制御装置102における不揮発性メモリ120cには、機能データDc及び第3機能識別データRcに加えて、第2電子制御装置102が脱穀機能Cの代表電子制御装置であることを示す第3機能代表識別データTcが予め記憶(設定)されている。
【0119】
図14(b)に示すように、第3電子制御装置103における不揮発性メモリ120cには、機能データDa〜Dc及び第1から第3機能識別データRa〜Rcに加えて、第3電子制御装置103が走行制御機能Aの代表電子制御装置であることを示す第1機能代表識別データTaが予め記憶(設定)されている。
【0120】
図14(c)に示すように、第4電子制御装置104における不揮発性メモリ120cには、機能データDa,Db並びに第1及び第2機能識別データRa,Rbに加えて、第4電子制御装置104が刈取機能Bの代表電子制御装置であることを示す第2機能代表識別データTbが予め記憶(設定)されている。
【0121】
図14(d)に示すように、第6電子制御装置106における不揮発性メモリ120cには、機能データDd及び第4機能識別データRdに加えて、第6電子制御装置106がエンジン作動機能Dの代表電子制御装置であることを示す第4機能代表識別データTdが予め記憶(設定)されている。
【0122】
なお、第1から第7電子制御装置101〜107は、オペレータの入力操作によって、不揮発性メモリ120cに記憶(設定)される第1から第4機能代表識別データTa〜Tdを設定変更できるようになっている。
【0123】
そして、第1から第6電子制御装置101〜106において、機能データの履歴情報や積算情報等の過去の蓄積情報を随時記録するときには、代表電子制御装置は、共通機能を制御する残りの電子制御装置と通信して共通機能に関する共通機能データの蓄積情報を取得し、この蓄積情報を該残りの電子制御装置の装置別(装置識別情報と共に)に記録する。
【0124】
具体的には、第1、第3及び第4電子制御装置101,103,104において、走行制御機能Aに関する機能データDaの過去の蓄積情報を随時記録するときには、走行制御機能Aの代表電子制御装置である第3電子制御装置103は、走行制御機能Aで共通する他の第1及び第4電子制御装置101,104と第1ネットワークN1(図4参照)を通じて通信して共通機能である走行制御機能Aに関する共通機能データDaの蓄積情報を取得し、この蓄積情報を、共通する他の第1及び第4電子制御装置101,104の第1及び第4装置識別情報KS1,KS4(ここではアドレス情報[0001],[0004])と共に不揮発性メモリ120cに記録する。
【0125】
第3及び第4電子制御装置103,104において、刈取機能Bに関する機能データDbの過去の蓄積情報を随時記録するときには、刈取機能Bの代表電子制御装置である第4電子制御装置104は、刈取機能で共通する他の第3電子制御装置103と第1ネットワークN1を通じて通信して共通機能である刈取機能Bに関する共通機能データDbの蓄積情報を取得し、この蓄積情報を、共通する他の第3電子制御装置103の第3装置識別情報KS3(ここではアドレス情報[0003])と共に不揮発性メモリ120cに記録する。
【0126】
第1から第3電子制御装置101〜103において、脱穀機能Cに関する機能データDcの過去の蓄積情報を随時記録するときには、脱穀機能Cの代表電子制御装置である第2電子制御装置102は、脱穀機能Cで共通する他の第1及び第3電子制御装置101,103と第1ネットワークN1を通じて通信して共通機能である脱穀機能Cに関する共通機能データDcの蓄積情報を取得し、この蓄積情報を、共通する他の第1及び第3電子制御装置101,103の第1及び第3装置識別情報KS1,KS3(ここではアドレス情報[0001],[0003])と共に不揮発性メモリ120cに記録する。
【0127】
第5及び第6電子制御装置105,106において、エンジン作動機能Dに関する機能データDdの過去の蓄積情報を随時記録するときには、エンジン作動機能Dの代表電子制御装置である第6電子制御装置106は、エンジン作動機能Dで共通する他の第5電子制御装置105と第2ネットワークN2(図4参照)を通じて通信して共通機能であるエンジン作動機能Dに関する共通機能データDdの蓄積情報を取得し、この蓄積情報を、共通する他の第5電子制御装置105の第5装置識別情報KS5(ここではアドレス情報[0005])と共に不揮発性メモリ120cに記録する。
【0128】
一方、コンピュータ200において、リスト情報作成ステップでは、代表電子制御装置の情報を含む装置別機能リスト情報LD2を作成する。
【0129】
図15は、代表電子制御装置に設定する場合での第2、第3、第4及び第6機能リスト作成用通信データK2,K3,K4,K6のデータ構造の一例を示す概略構成図である。図15(a)から図15(d)は、それぞれ、第2、第3、第4及び第6機能リスト作成用通信データK2,K2,K4,K6のデータ構造を示している。図16は、代表電子制御装置に設定する場合での装置別機能リスト情報LD2の一例を示すテーブルTB2である。なお、図16において、「代表」は、代表電子制御装置を示すメモリエリアである。
【0130】
図15(a)に示すように、第2機能リスト作成用通信データK2は、第3機能識別データRcに加えて、第1から第3電子制御装置101〜103で共通する脱穀機能Cについて第2電子制御装置102が代表電子制御装置であることを示す第3機能代表識別データTcを有している。
【0131】
図15(b)に示すように、第3機能リスト作成用通信データK3は、第1から第3機能識別データRa,Rb,Rcに加えて、第1、第3及び第4電子制御装置101,103,104で共通する走行制御機能Aについて第3電子制御装置103が代表電子制御装置であることを示す第1機能代表識別データTaを有している。
【0132】
図15(c)に示すように、第4機能リスト作成用通信データK4は、第1及び第2機能識別データRa,Rbに加えて、第3及び第4電子制御装置103,104で共通する刈取機能Bについて第4電子制御装置104が代表電子制御装置であることを示す第2機能代表識別データTbを有している。
【0133】
図15(d)に示すように、第6機能リスト作成用通信データK6は、第4機能識別データRdに加えて、第5及び第6電子制御装置105,106で共通するエンジン作動機能Dについて第6電子制御装置106が代表電子制御装置であることを示す第4機能代表識別データTdを有している。
【0134】
そして、リスト情報作成ステップでは、図14(a)に示すように、第2電子制御装置102は、脱穀機能Cに関する機能データDcを保有しており、脱穀機能Cの代表電子制御装置であるので、コンピュータ200に対して脱穀機能Cに関する機能データDcを保有し、かつ、脱穀機能Cの代表電子制御装置であることを示す第2機能リスト作成用通信データK2(具体的には図15(a)に示す第3機能識別データRc及び第3機能代表識別データTc)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第2機能リスト作成用通信データK2の状態を判断して(具体的には第3機能識別データRcが存在し、かつ、脱穀機能Cの代表電子制御装置であると判断して)第2電子制御装置102が脱穀機能Cに関する機能データDcを保有し、かつ、脱穀機能Cの代表電子制御装置であることを認識し、図16に示すテーブルTB2の第2電子制御装置102において脱穀機能Cを識別するメモリエリアのフラグ及び脱穀機能Cの代表電子制御装置を識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0135】
また、リスト情報作成ステップでは、図14(b)に示すように、第3電子制御装置103は、走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有しており、走行制御機能Aの代表電子制御装置であるので、コンピュータ200に対して走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有し、かつ、走行制御機能Aの代表電子制御装置であることを示す第3機能リスト作成用通信データK3(具体的には図15(b)に示す第1から第3機能識別データRa〜Rc及び第1機能代表識別データTa)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第3機能リスト作成用通信データK3の状態を判断して(具体的には第1から第3機能識別データRa〜Rcが存在し、かつ、走行制御機能Aの代表電子制御装置であると判断して)第3電子制御装置103が走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cに関する機能データDa,Db,Dcを保有し、かつ、走行制御機能Aの代表電子制御装置であることを認識し、図16に示すテーブルTB2の第3電子制御装置103において走行制御機能A、刈取機能B及び脱穀機能Cを識別するメモリエリアのフラグ並びに走行制御機能Aの代表電子制御装置を識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0136】
また、リスト情報作成ステップでは、図14(c)に示すように、第4電子制御装置104は、走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有しており、刈取機能Bの代表電子制御装置であるので、コンピュータ200に対して走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有し、かつ、刈取機能Bの代表電子制御装置であることを示す第4機能リスト作成用通信データK4(具体的には図15(c)に示す第1及び第2機能識別データRa,Rb及び第2機能代表識別データTb)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第3機能リスト作成用通信データK4の状態を判断して(具体的には第1及び第2機能識別データRa,Rbが存在し、かつ、刈取機能Bの代表電子制御装置であると判断して)第4電子制御装置104が走行制御機能A及び刈取機能Bに関する機能データDa,Dbを保有し、かつ、刈取機能Bの代表電子制御装置であることを認識し、図16に示すテーブルTB2の第4電子制御装置104において走行制御機能A及び刈取機能Bを識別するメモリエリアのフラグ並びに刈取機能Bの代表電子制御装置を識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0137】
また、リスト情報作成ステップでは、図14(d)に示すように、第6電子制御装置106は、エンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有しており、エンジン作動機能Dの代表電子制御装置であるので、コンピュータ200に対してエンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有し、かつ、エンジン作動機能Dの代表電子制御装置であることを示す第6機能リスト作成用通信データK6(具体的には図15(d)に示す第4機能識別データRd及び第4機能代表識別データTd)の通知を返す。コンピュータ200における制御部250は、第6機能リスト作成用通信データK6の状態を判断して(具体的には第4機能識別データRdが存在し、かつ、エンジン作動機能Dの代表電子制御装置であると判断して)第6電子制御装置106がエンジン作動機能Dに関する機能データDdを保有し、かつ、エンジン作動機能Dの代表電子制御装置であることを認識し、図16に示すテーブルTB2の第6電子制御装置106においてエンジン作動機能Dを識別するメモリエリアのフラグ及びエンジン作動機能Dの代表電子制御装置を識別するメモリエリアのフラグを有効にする。
【0138】
これにより、第1から第7電子制御装置101〜107の装置別に機能をリスト化した代表電子制御装置の情報を含む装置別機能リスト情報LD2を作成することができる。
【0139】
そして、データ収集ステップでは、機能選択ステップにて共通機能が選択されたときには、代表電子制御装置の情報を含む装置別機能リスト情報LD2(図16参照)に基づいて、代表電子制御装置を宛先として通信して選択情報の共通機能に関する共通機能データを収集する。
【0140】
例えば、データ収集ステップでは、機能選択ステップで共通機能である走行制御機能Aが選択された場合には、走行制御機能Aに関する機能データDaを収集するために、RAM222に記憶された装置別機能リスト情報LD2から、走行制御機能Aの代表電子制御装置である第3電子制御装置103を抽出する。
【0141】
こうして抽出した走行制御機能Aの代表電子制御装置の第3電子制御装置103に対応する第3装置識別情報KS3(ここではアドレス情報[0003])を宛先として通信する。具体的には、データ収集ステップでは、図14(b)に示すように、走行制御機能Aの代表電子制御装置の第3電子制御装置103における不揮発性メモリ120cから第3電子制御装置103の走行制御機能Aに関する機能データDaの過去の蓄積情報だけでなく、第1及び第4電子制御装置101,104の装置別(第1及び第4装置識別情報KS1,KS4(ここではアドレス情報[0001],[0004])と共に)に保存された走行制御機能Aに関する機能データDaの過去の蓄積情報を収集する。
【0142】
本第2実施形態によると、リスト情報作成ステップにて代表電子制御装置の情報を含む装置別機能リスト情報LD2を作成することで、機能選択ステップにて選択された機能(例えば走行制御機能A)に関する機能データDaを保有する全ての電子制御装置(例えば第1、第3及び第4電子制御装置101,103,104と通信することなく、選択された共通機能に関する共通機能データ(例えば走行制御機能Aに関する共通機能データDa)を保有する電子制御装置(例えば第3電子制御装置103)と通信するだけで該当する機能データ(例えば第1、第3及び第4電子制御装置101,103,104の走行制御機能Aに関する機能データ(例えば機能データDa)の過去の蓄積情報)を取得することができる。これにより、選択された機能に関する機能データ(例えば走行制御機能Aに関する共通機能データDa)の収集時間を短縮させることが可能となる。
【0143】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について以下に説明する。なお、第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同一構成には同一符号を付し、異なる点を中心に説明する。
【0144】
ところで、第1から第7電子制御装置101〜107に対してコンピュータ200から走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eのうちの制御する機能に関する同一の(共通の、単一の)開示要求(具体的にはアドレス情報[9999]を用いた開示要求)がなされ、第1から第7電子制御装置101〜107から一斉に走行制御機能A、刈取機能B、脱穀機能C、エンジン作動機能D及びメータ計測機能Eに関する応答(具体的には第1から第7機能リスト作成用通信データK1〜K7(図7及び図15参照)の通知)が同一の(共通の、単一の)フォーマットでなされると、第1から第7電子制御装置101〜107の間での該応答の衝突を招き、そうすると該応答を再度送信するといった処理が発生し、それだけ該応答の送信に時間を要することとなる。
【0145】
この点、本第3実施形態のコンバイン100は、同一の(共通の、単一の)開示要求に対して第1から第7電子制御装置101〜107の間で互いに異なる応答時間を設定する応答時間設定手段Qb2(図2の破線参照)を備える。
【0146】
具体的には、コンバイン100は、第1から第7電子制御装置101〜107が制御する機能に関する同一の(共通の、単一の)開示要求として、アドレス情報[9999]を用いてコンピュータ200から第1から第7の全ての電子制御装置101〜107に問い合わせを行う構成とされている。
【0147】
そして、応答時間設定手段Qb2は、アドレス情報[9999]を用いた問い合わせに対して、第1から第7電子制御装置101〜107の間で、受信及び送信の最小の処理時間である最小必要応答時間(例えば10ms程度)を考慮した基本応答時間tsに、一意である(ユニークな)アドレス情報(具体的には[0001]〜[0007])に基づいて算出した一意のアドレス算出時間(具体的にはアドレス情報×1ms)を加算した応答時間t1〜t7を設定する。
【0148】
例えば、第1電子制御装置101では、アドレス情報が[0001]であるので、第1電子制御装置101の応答時間t1は、10ms+[0001]×1ms=11msとなる。また、第2電子制御装置102では、アドレス情報が[0002]であるので、第2電子制御装置102の応答時間t2は、10ms+[00012]×1ms=12msとなる。以下、同様にして算出すると、第3から第7電子制御装置103〜107の応答時間t3〜t7は、それぞれ、13ms、14ms、15ms、16ms、17msとなる。すなわち、一意であるアドレス情報を用いて算出することで第1から第7電子制御装置101〜107の間で応答時間t1〜t7を一意にすることができる。
【0149】
図17は、第1から第7電子制御装置101〜107に対してコンピュータ200から同一の開示要求がなされた場合に第1から第7電子制御装置101〜107からコンピュータ200へ応答する状態を説明するための説明図である。
【0150】
図17に示すように、第1から第7電子制御装置101〜107に対してコンピュータ200から同一の(共通の、単一の)開示要求がなされると、第1電子制御装置101は、開示要求を受信してから応答時間t1(例えば11ms)経過後に応答し、第2電子制御装置102は、開示要求を受信してから応答時間t2(例えば12ms)経過後に応答する。以下、同様に第3から第7電子制御装置103〜107は、それぞれ、開示要求を受信してから応答時間t3(例えば13ms)〜t7(例えば17ms)経過後に応答する。なお、図17において、第5及び第6電子制御装置105,106並びに第5及び第6機能リスト作成用通信データK5,6を同一の図で示しているため、応答時間t5と応答時間t6との矢印の長さが同じになっているが、実際には、応答時間t5と応答時間t6との時間は異なっている。
【0151】
本第2実施形態によると、第1から第7電子制御装置101〜107に対してコンピュータ200から該当する機能に関する同一の(共通の、単一の)開示要求がなされても、応答時間設定手段Qb2によって、第1から第7電子制御装置101〜107の間で互いに異なる応答時間t1〜t7を設定するので、第1から第7電子制御装置101〜107の間での該当する機能に関する応答(第1から第7機能リスト作成用通信データK1〜K7の通知)が同一の(共通の、単一の)フォーマットであっても衝突を回避でき、これにより該応答を再度送信するといった処理を省くことができ、それだけ該応答の送信時間を短縮させることが可能となる。
【0152】
なお、本第1から第3実施形態では、システムとしてコンバインを適用したが、各種の機能を制御する電子制御装置を備えているものであれば何れのものでもよい。システムとしては、それに限定されないが、例えば、コンバインの他、耕耘機やトラクタといった作業機、ショベルカー等の建機、或いは、プレジャーボートや漁船といった船舶などを挙げることができる。
【0153】
また、データ収集装置としてノート型パーソナルコンピュータを適用したが、例えば、コンピュータ機能並びに有線通信機能及び/又は無線通信機能を備えたスマート端末機等のモバイル(携帯)端末機であってもよい。
【符号の説明】
【0154】
100 コンバイン(システムの一例)
200 コンピュータ(データ収集装置の一例)
101 第1電子制御装置
102 第2電子制御装置
103 第3電子制御装置
104 第4電子制御装置
105 第5電子制御装置
106 第6電子制御装置
107 第7電子制御装置
A 走行制御機能
B 刈取機能
C 脱穀機能
D エンジン作動機能
E メータ計測機能
Da 走行制御機能に関する機能データ
Db 刈取機能に関する機能データ
Dc 脱穀機能に関する機能データ
Dd エンジン作動機能に関する機能データ
De メータ計測機能に関する機能データ
LD1 装置別機能リスト情報
LD2 装置別機能リスト情報
SN1 第1選択情報
SN2 第2選択情報
SN3 第3選択情報
SN4 第4選択情報
SN5 第5選択情報
Qa1 リスト情報作成手段
Qa2 機能選択手段
Qa3 データ収集手段
Qb1 代表電子制御装置設定手段
Qb2 応答時間設定手段
t1 第1応答時間
t2 第2応答時間
t3 第3応答時間
t4 第4応答時間
t5 第5応答時間
t6 第6応答時間
t7 第7応答時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の機能を制御する電子制御装置を備えたシステムと通信して前記機能に関する機能データを収集するデータ収集装置であって、
前記機能データの収集を開始する前に、前記システムに備えられた全ての前記電子制御装置と通信して前記電子制御装置が制御する前記機能を取得して前記機能の種類別及び前記電子制御装置の装置別にリスト化した装置別機能リスト情報を作成するリスト情報作成手段と、
前記機能データを収集するために前記機能の種類を選択する選択情報を受け付ける機能選択手段と、
前記リスト情報作成手段にて作成した前記装置別機能リスト情報に基づいて、前記機能選択手段にて選択された前記選択情報の前記機能に該当する前記電子制御装置を宛先として通信して前記選択情報の前記機能に関する前記機能データを収集するデータ収集手段と
を備えることを特徴とするデータ収集装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ収集装置であって、
前記システムにおいて複数の前記電子制御装置に分散されて制御する前記機能のうちの少なくとも一つの機能が前記電子制御装置の少なくとも二つの電子制御装置の間で共通の機能である共通機能とされて前記少なくとも二つの電子制御装置の何れか一つの代表電子制御装置が残りの電子制御装置と通信して前記共通機能に関する共通機能データを取得する場合に、前記リスト情報作成手段は、前記代表電子制御装置の情報を含む前記装置別機能リスト情報を作成し、前記データ収集手段は、前記機能選択手段にて前記共通機能が選択されたときには、前記代表電子制御装置の情報を含む前記装置別機能リスト情報に基づいて、前記代表電子制御装置を宛先として通信して前記選択情報の前記共通機能に関する前記共通機能データを収集することを特徴とするデータ収集装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ収集装置と通信し、複数の前記電子制御装置に分散されて制御する前記機能のうちの少なくとも一つの機能が前記電子制御装置のうち少なくとも二つの電子制御装置の間で共通の機能である共通機能とされたシステムであって、
前記少なくとも二つの電子制御装置のうちの何れか一つを代表電子制御装置に設定する代表電子制御装置設定手段を備えることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のデータ収集装置と通信するシステムであって、
複数の前記電子制御装置に対して前記データ収集装置から前記機能に関する同一の開示要求がなされると、前記同一の開示要求に対して複数の前記電子制御装置の間で互いに異なる応答時間を設定する応答時間設定手段を備えることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−168024(P2012−168024A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29380(P2011−29380)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)