説明

データ受信装置、データ送信装置、およびデータ放送システム

【目的】 支払われた受信料に対応して、表示される広告の量を変えることができるようにする。
【構成】 伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータが受信され、表示部22で表示される。伝送されてくるデータには、表示部22に表示させる広告の量を決めるパラメータも含まれており、このパラメータは、広告量設定部14に設定される。そして、表示/再生管理部16によって、広告量設定部14の設定内容に対応して、表示部22に広告のデータを表示させる制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば衛星回線やCATV網などの伝送路を介して電子的に配信された新聞や、雑誌、書籍などの刊行物のデータであって、広告のデータを含むものを受信して出力するデータ受信装置、データ送信装置、並びにデータ放送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、例えば新聞などのデータ(新聞データ)(テキストデータ)を、静止画やグラフィックス、動画、音声などのデータと組み合わせたマルチメディアデータを、電子的に配信するデータ放送システムとして、例えば衛星のデータチャンネルに、マルチメディアデータを挿入し、これを衛星を介して伝送するものなどが考えられている。
【0003】この場合、マルチメディアデータの配信を契約した、例えば各家庭(ユーザ側)(受信契約者)におけるデータ受信装置では、衛星からの信号が受信され、データチャンネルに挿入されたマルチメディアデータが取り出される。そして、このマルチメディアデータが、例えば磁気ディスクや光磁気ディスクなどの記録媒体に記録され、ユーザの要求に応じてそこから読み出される。読み出されたデータは、例えばディスプレイなどに表示されたり、プリントアウトされたり、あるいはスピーカから出力され、これによりユーザは、刊行物や、静止画、グラフィックス、動画を見たり、音声を聞くことができるようになされている。
【0004】ところで、マルチメディアデータを配信するサービス運用会社(サービスセンタ)が、サービス運用等のための収入を得る方法としては、受信契約者から受信料を徴収する方法がある。そして、この受信料の課金を行うものとして、例えば課金処理を行うプログラムである課金オブジェクトをデータ受信装置に送信し、データ受信装置に、その課金オブジェクトにしたがって課金処理を行わせ、その結果をサービス運用会社に送り返すものなどを、本件出願人は先に提案している。
【0005】さらに、サービス運用会社が収入を得る方法としては、スポンサの広告を配信することにより、広告料を、そのスポンサから徴収する方法もある。そこで、新聞データに、広告のデータを挿入し、その広告を、受信契約者に効果的に視聴させるもの(例えば、新聞記事画面が所定のページだけ表示された後は、強制的に広告画面が1ページ挿入されたり、あるいは記事画面の余白部分に広告のインデックス(広告の見出し)が表示され、その部分が指示されると、その広告の詳細な画面が表示されるものなど)なども、本件出願人は先に提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、受信契約者の中には、新聞データと混在して、頻繁に広告が表示(出力)されるような放送を好まない者がいる一方、そのような放送であっても、受信料の低価格化を希望する者などもいる。
【0007】従って、すべての受信契約者に対して、一律に、同一の量の広告が表示される放送サービスを提供するとともに、同一の受信料を課したのでは、サービスの拡大が困難になるおそれがある。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、受信料に応じて、出力する広告の量を変化させ、あるいは出力された広告の量に応じて、受信料を変化させることができるようにするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のデータ受信装置は、伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータを受信する受信手段(例えば、図2に示すデータ受信部12など)と、受信手段により受信されたデータを出力する出力手段(例えば、図2に示すスピーカ20や表示部22など)と、出力手段から出力させる広告の出力量を決めるパラメータを設定する設定手段(例えば、図2に示す広告量設定部14など)と、設定手段の設定内容に対応して、広告のデータを出力手段に出力させる制御を行う出力制御手段(例えば、図2に示す表示/再生管理部16など)とを備えることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載のデータ送信装置は、請求項1に記載のデータ受信装置であって、所定の受信料の支払いがあったものに、少なくとも刊行物および広告のデータを伝送するデータ送信装置であって、受信料に対応して、設定手段に設定する広告の出力量を決めるパラメータを算出する算出手段(例えば、図1に示す編集/制作システム1など)と、刊行物および広告のデータとともに算出手段により算出されたパラメータを送信する送信手段(例えば、図1に示す放送送信装置2など)とを備えることを特徴とする。
【0011】請求項3に記載のデータ放送システムは、請求項1に記載のデータ受信装置と、請求項2に記載のデータ送信装置とを備えることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載のデータ受信装置は、伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータを受信する受信手段(例えば、図7に示すデータ受信部12など)と、受信手段により受信されたデータを出力する出力手段(例えば、図7に示すスピーカ20や表示部22など)と、出力手段から出力された広告の出力量を記憶する記憶手段(例えば、図7に示す表示ログファイル24など)と、記憶手段に記憶された広告の出力量を、所定のセンタ局へ送信する送信手段(例えば、図7に示す広告表示ログ送信部41など)とを備えることを特徴とする。
【0013】請求項5に記載のデータ受信装置は、センタ局が、送信手段から送信された広告の出力量に対応して課金を行う課金手段(例えば、図7に示す計算機42など)を有することを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1に記載のデータ受信装置においては、伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータが受信され、スピーカ20または表示部22から出力される。広告量設定部14には、スピーカ20または表示部22から出力させる広告の出力量を決めるパラメータが設定されており、その設定内容に対応して、広告のデータを出力させる制御が行われる。従って、例えば支払われた受信料に対応して、出力される広告の量を変えることが可能となる。
【0015】請求項2に記載のデータ送信装置においては、支払われた受信料に対応して、広告の出力量を決めるパラメータが算出され、刊行物および広告のデータとともに送信される。従って、受信側において出力される広告の量を、支払われた受信料に対応して変えることが可能となる。
【0016】請求項3に記載のデータ放送システムにおいては、請求項1に記載のデータ受信装置と、請求項2に記載のデータ送信装置とを備えるので、やはり支払われた受信料に対応して、出力される広告の量を変えることが可能となる。
【0017】請求項4に記載のデータ受信装置においては、伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータが受信されて出力される。そして、出力された広告の出力量が記憶され、所定のセンタ局へ送信される。従って、出力された広告の量に対応して、例えば受信料を変えることが可能となる。
【0018】請求項5に記載のデータ受信装置においては、センタ局によって、送信されてきた広告の出力量に対応して課金が行われる。従って、出力された広告の量に対応して、例えばユーザごとに課金形態を変えることが可能となる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明を適用したデータ放送システムの構成例を示している。なお、このデータ放送システムでは、送信側としての制作/編集システム1および放送送信装置2から、例えば新聞データなどの刊行物を中心とするマルチメディアデータが送信され、受信側としてのデータ受信/表示装置3により、そのデータが受信されるようになされている。
【0020】即ち、制作/編集システム1には、記事データベースおよび関連情報が入力されるようになされている。記事データベースは、例えば新聞社などで構築されたものを流用したもので、新聞に印刷するための記事情報や写真情報、レイアウト情報などを含んでいる。関連情報は、記事データベースには蓄えられていない、例えば付加的なテキストデータや、静止画データ、動画像データ(画像データと、その画像データに付随する音声データでなる)(例えば、新聞記事に対応する、ニュース番組の画像と音声など)、音声データなどを含んでいる。さらに、関連情報は、スポンサの広告(広告情報)を含んでおり、その広告のデータは、テキストデータや、静止画データ、動画像データ、音声データなどを組み合わせたマルチメディアデータで構成されている。なお、記事データベースのデータおよび関連情報は、例えばディジタル化されている。
【0021】制作/編集システム1では、記事データベースのデータ(新聞データ)および関連情報が編集される。即ち、新聞データは、例えば各紙面ごとに、受信側(データ受信/表示装置3)において検索し易いフォーマットに、記事単位で編集される。例えば、この編集により、レイアウトはそのままで、見出しだけが見える形で紙面がそのまま縮小された検索のための画面(検索画面)が作成される。さらに、検索画面の見出しから、それに対応する記事を表示することができるように、検索画面(見出し)と、その詳細を記述した記事(記事データ)との関係付けが行われる。さらに、必要に応じて、検索画面(見出し)や記事データと、関連情報との関係付けも行われる。
【0022】また、関連情報に含まれる広告のデータ(マルチメディアデータ)は、その広告の概要を内容とする概要データ(上述の見出しに対応する)と、その詳細を内容とする詳細データ(上述の記事に対応する)とに、広告単位で編集され、さらにその関係付けも行われる。なお、広告のデータには、上述のように概要データおよび詳細データで構成されるものの他、概要データ無しで、即ち詳細データのみで構成されるものがある。
【0023】このように、受信側で検索し易い形態に編集したデータ(マルチメディアデータ)は、放送送信装置2に供給される。放送送信装置2では、制作/編集システム1からのデータが、伝送用のフォーマットに変換され、さらに必要な処理(例えば、スクランブル処理や変調処理など)が施されて送信される。放送送信装置2から送信されたデータは、所定の伝送路(例えば、衛星回線などのような無線回線や、あるいはPSTNや、ISDN、CATVのケーブル、専用線、その他のデータ線などのような有線回線)を介して、受信側(データ受信装置/表示装置3)に伝送される。
【0024】データ受信/表示装置3は、放送送信装置2からのデータを受信する受信ブロックと、受信したデータを出力(データを、画像として表示、あるいは音声として出力)する表示ブロック(出力ブロック)とから構成されている。データ受信/表示装置3では、放送送信装置2からのデータが受信され、そのデータのフォーマットが、伝送用のフォーマットから、元のフォーマット(新聞データフォーマット)に変換される。そして、ユーザの操作に応じて、データ(マルチメディアデータ)が、後述する表示部22(図2)に表示され、あるいはスピーカ20から出力される。
【0025】なお、広告のデータとして、テキストデータや、静止画データ、動画像データ、音声データそのものを伝送する他、広告を、例えばスポンサの意向に応じて、容易に変更することができるように、広告の出力処理を行うプログラムをオブジェクト化したものを伝送するようにすることができる。この場合、受信側(データ受信/表示装置3)で、そのプログラムが実行されることにより、広告のデータとして、編集されたテキストデータや、静止画データ、動画像データ、音声データそのものを伝送したときと同様の広告の表示、出力が行われることになる。
【0026】また、上述のような出力処理を行うプログラムの他、例えば広告の出力結果を記録するプログラムやその記録結果を、所定のセンタ局(サービスセンタ)に送信するプログラムなどをオブジェクト化したものを伝送するようにすることも可能である。
【0027】次に、図2は、放送送信装置2から、例えば衛星回線を介してデータが伝送されてくる場合の、データ受信/表示装置3の構成例を示している。このデータ受信/表示装置3では、受信料に対応して、出力する広告の量を変えることができるようになされている。
【0028】図2においては、受信アンテナ(パラボラアンテナ)11、データ受信部12、およびデータ復号/記録部15が受信ブロックを構成しており、タイマ回路13、広告量設定部14、データ復号/記録部15、表示/再生管理部16、指示操作入力部17、リモコン18、音声再生部19、スピーカ20、動画再生部21、表示部22、記事/広告リスト記憶部23、および表示ログファイル24が、表示ブロック(出力ブロック)を構成している。なお、ここでは、受信ブロックと表示ブロックとで、1つのデータ受信/表示装置3を構成するようにしたが、受信ブロックと、表示ブロックとは、それぞれ独立した装置として構成することが可能である。
【0029】この場合、放送送信装置2において、マルチメディアデータは、例えば衛星のデータチャンネルに挿入されて伝送される。そして、そのデータは、受信アンテナ11で受信され、データ受信部12に供給される。データ受信部12では、例えば受信アンテナ11からの信号が復調され、データチャンネルに挿入されたデータが取り出される(なお、データにスクランブルがかけられている場合には、デスクランブル処理も行われる)。このデータは、データ復号/記録部15に供給され、その内蔵する、例えばハードディスク装置などの記憶(記録)装置に記憶(記録)される。
【0030】なお、データ受信部12より出力されるデータは、例えば光磁気ディスク(例えば、ミニディスク(商標)など)などの記録媒体に記録することができるようになされている。データを、このような記録媒体に記録させた場合には、その後、その記録媒体から、データ復号/記録部15の内蔵する記憶装置に、データをコピー等することが可能である。
【0031】データ復号/記録部15は、その内蔵する記録装置にデータが記録されると、そのデータ(マルチメディアの新聞データおよび広告のデータ)を読み出し、そのリスト(記事/広告リスト)を作成して記事/広告リスト記憶部23に記憶させる。
【0032】ここで、後述する表示部22の1画面を1ページとすると、上述した制作/編集システム1では、新聞データのうちの各記事データは、例えばページ単位のデータに編集されるようになされている。そして、ページ単位の各記事データには、ユニークなID(以下、適宜、記事IDという)が付されるようになされている。また、広告のデータにも同様に、ユニークなID(以下、適宜、広告IDという)が付されるようになされている。さらに、広告のデータには、表示部22で表示する優先順位があらかじめ付されている。そして、上述した記事/広告リストには、データ復号/記録部15に記録された新聞データの記事IDおよび広告のデータの広告IDが記述されるとともに、各広告IDに、その広告のデータの優先順位が関係付けられて記述されるようになされている。
【0033】データ復号/記録部15は、記事/広告リストを記事/広告リスト記憶部23に記憶させた後、表示/再生管理部16の制御の下、その内蔵する記憶装置に記憶されたデータを再生し、そのデータを、表示再生管理部16以降で取扱い可能なフォーマット(新聞データフォーマット)に変換し、表示再生管理部16に出力する。
【0034】表示/再生管理部16は、指示操作入力部17から供給される信号(これは、後述するように、リモコン18の操作に対応する信号)に対応して、後述する図6に示すフローチャートにしたがった処理を行う。即ち、表示/再生管理部16は、例えばデータ復号/記録部15を制御し、その内蔵する記憶装置からデータを再生させる。そして、そのデータが、音声データである場合には音声再生部19に、動画像データである場合には動画再生部21に、テキストデータまたは静止画データ(写真のデータを含む)である場合には表示部22に、それぞれ出力する。これにより、表示部22では画像の表示がなされ、スピーカ20では音声が出力される。
【0035】さらに、表示/再生管理部16は、例えば表示部22に、所定のページ数nの記事データを連続して表示させた後、さらに他のページの記事データの表示を行うようにリモコン18が操作され、その操作に対応する信号が、指示操作入力部17から供給された場合、リモコン18の操作に対応したページの記事データの前に、また表示されていない広告のデータであって優先順位の最も高いものを、データ復号/記録部15から読み出し、表示部22に表示させ、またはスピーカ20から出力させる。
【0036】また、表示/再生管理部16は、例えば表示部22に同一ページの記事データが表示されている状態が、所定の時間Tだけ続いた場合、データ復号/記録部15から、まだ表示(出力)がされていない広告のデータであって優先順位の最も高いものを読み出し、その広告のデータを表示部22(またはスピーカ20)に出力することにより、その表示(出力内容)を変更させる。なお、時間の計時は、タイマ回路13によって行われ、表示/再生管理部16は、タイマ回路13の出力を参照して、表示部22に同一ページの記事データが表示されている状態が、所定の時間続いたかどうか(表示部22の表示が、所定の時間変更されていないかどうか)を判定する。
【0037】さらに、表示/再生管理部16は、データ復号/記録部15から読み出し、表示部22に表示させた(スピーカ20から出力させた)広告のデータの広告ID(記事データについても同様)を、表示ログファイル24に記録する。従って、表示ログファイル24には、既に表示(出力)された広告のデータの広告IDが記録され、また記事/広告リスト記憶部23には、広告のデータの優先順位が広告IDとともに記憶されているから、表示/再生管理部16において、上述したまだ表示がされていない広告のデータであって優先順位の最も高いもののデータ復号/記録部15からの読み出しは、記事/広告リスト記憶部23および表示ログファイル24を参照することにより行われる。
【0038】動画再生部21は、表示/再生管理部16から動画像データが供給されると、その動画像データ(上述したように、画像データと、その画像データに付随する音声データでなる)から、画像データと音声データとを分離する。そして、画像データは表示部22に、音声データは音声再生部19にそれぞれ出力する。
【0039】音声再生部19は、表示/再生管理部16または動画再生部21から供給される音声データをD/A変換して、スピーカ20に出力する。これにより、スピーカ20から、音声データに対応する音声が出力される。表示部22は、表示/再生管理部16から供給されるテキストデータもしくは静止画データ、または動画像再生部21から供給される画像データを表示する。
【0040】リモコン18は、表示/再生管理部16に所定の処理を行わせるときに操作される。リモコン18からは、その操作に対応した光(例えば、赤外線など)が発され、その光は、指示操作入力部17により受光される。指示操作入力部17は、その受光した光に対応する信号を表示/再生管理部16に出力する。これにより、表示/再生管理部16では、リモコン18の操作に対応した処理が行われる。
【0041】広告量設定部14には、スピーカ20や表示部22から出力させる広告の出力量を決めるパラメータが設定されるようになされている。即ち、例えばユーザが受信契約時に支払った受信料(講読料)に対応する広告出力量を決めるパラメータとしての、例えばパスワードその他これに準ずるものが設定される。このパラメータは、例えば次のようにして設定される。
【0042】即ち、データ受信/表示装置3には、各装置ごとにユニークなIDとしての受信装置IDが付されており、データ受信/表示装置3を有するユーザによって受信料が支払われた後、図1に示した制作/編集システム1に、その受信装置IDとともに、支払われた受信料が入力される。制作/編集システム1では、入力された受信料に対応して、広告量設定部14に設定する広告の量を決めるパラメータが算出され、入力された受信装置IDと関係付けられて、放送送信装置2に供給される。放送送信装置2では、刊行物および広告のマルチメディアデータとともに、受信装置IDおよびパラメータが送信される。
【0043】データ受信/表示装置3では、刊行物および広告のマルチメディアデータとともに送信されてくる受信装置IDおよびパラメータが、受信アンテナ11で受信され、データ受信部12およびデータ復号/記録部15を介して、表示/再生管理部16に供給される。表示/再生管理部16では、供給された受信装置IDが、自身に付された受信装置IDと一致しているか否かが判定され、一致している場合には、その受信装置IDと関係付けられているパラメータが抽出される。そして、このパラメータが広告量設定部14に供給されて設定される。
【0044】なお、パラメータの設定は、その他、例えばユーザが、データ受信/表示装置3を購入し、受信料を支払った後、サービスセンタから派遣員を派遣し、その派遣員によって行わせるようにすることなども可能である。
【0045】広告量設定部14にパラメータが設定された後は、表示/再生管理部16では、そのパラメータにしたがって、データ復号/記録部15に記憶された広告のデータをスピーカ20や表示部22に出力させる制御が行われるようになされている。即ち、表示/再生管理部16は、パラメータにしたがい、広告挿入の頻度その他を決める、上述した変数nやTを変更し、広告の表示、出力を行うようになされている。
【0046】次に、図3乃至図5を参照して、その動作について説明する。リモコン18が、データの出力を行うように操作されると、その操作に対応した信号が、指示操作入力部17から表示/再生管理部16に出力される。すると、表示/再生管理部16は、データ復号/記録部15に記憶されたデータのうちの、例えば新聞データの検索画面のデータを再生し、表示部22に供給する。これにより、表示部22では、検索画面が表示される。
【0047】さらに、このとき、表示/再生管理部16は、表示部22を制御し、カーソル31(図3)を表示させる。このカーソル31は、リモコン18の操作に対応して移動されるようになされている。
【0048】リモコン31を操作してカーソル31を、検索画面上のいずれかの見出しの位置に移動し、その位置を指定するようにリモコン31をさらに操作すると、表示/再生管理部16は、その見出しに関係付けられた記事データを、データ復号/記録部15から読み出し、表示部22に出力する。これにより、表示部22においては、例えば図3に示すように、記事データが表示される。
【0049】以上のような記事データの表示後においては、リモコン18を操作することにより、表示部22に表示させる記事データを、例えばページ単位で変更することができる。即ち、リモコン18が、いま表示されている記事データの前または次のページの記事データを表示するようにそれぞれ操作されると、表示/再生管理部16は、その操作に対応したページの記事データを、データ復号/記録部15から読み出し、表示部22に表示させる。
【0050】そして、表示部22に、所定のページ数n(nは、正の整数)の記事データが連続して表示された後、さらに他のページの記事データ(例えば、次のページの記事データ)の表示を行うようにリモコン18が操作された場合、表示/再生管理部16は、その次のページの記事データの前に、また表示されていない広告のデータであって、優先順位の最も高いものを、データ復号/記録部15から読み出し、表示部22に表示させる。
【0051】即ち、例えばいま、図3が、nページ分の記事データが、表示部22に連続して表示された状態であるとすると、その後、次のページの記事データの表示を行うようにリモコン18が操作された場合には、その記事データの表示ではなく、例えば図4に示すような広告(この場合は、映画の広告)の表示が行われる。この場合、広告のデータに音声データがあるときには、その音声データは、音声再生部19を介して、スピーカ20から出力される。
【0052】そして、広告のデータの出力(表示)が終了すると、表示/再生管理部16は、リモコン18の操作に対応したページの記事データを、データ復号/記録部15から読み出し、表示部22に表示させる。これにより、表示部22においては、例えば図5に示すような画面表示(リモコン18の操作に対応したページの記事データの表示)が行われる。
【0053】ここで、表示部22に連続して表示された記事データのページ数のカウントは、例えば次のページの記事データの表示がされたときのみ行うようにすることができる。この場合、ページ数が1ずつインクリメントされて、記事データの表示が行われるときには、nページに1回の割合で広告のデータ(広告のページ)が表示されることになる。
【0054】なお、図3において、次ページへのページめくりは、図3において影を付した部分にカーソル31を移動し、そこでリモコン18を操作することにより行うことができるようになされている。
【0055】また、表示/再生管理部16は、タイマ回路14の出力が参照され、表示部22の画面表示が、例えば図3に示した状態になってから、その表示状態の変更が行われないまま所定の時間Tが経過すると、データ復号/記録部15から、まだ表示がされていない広告のデータであって優先順位の最も高いものを読み出し、その広告のデータを表示部22に出力することにより、その表示を変更させる。これにより、例えば図4に示したような広告のデータの表示(出力)が行われる。そして、広告のデータの出力(表示)が終了すると、表示/再生管理部16は、データ復号/記録部15から元の記事データを読み出し、表示部22に出力する。これにより、表示部22の表示状態は、元の状態、即ち、例えば図3に示したようになる。
【0056】ところで、上述したように、変数n,Tは、広告量設定部14に設定されたパラメータに対応して決定されるようになされている。本実施例においては、例えば高額の受信料を支払ったユーザの有するデータ受信/表示装置3に対しては、変数nおよびTが大きな値にされるパラメータが設定されるようになされている。上述したように、広告は、nページに1回の割合で挿入されるから、変数nが大きくされた場合には、広告のページが挿入される頻度が少なくなる。さらに、広告は、装置の操作が時間Tの間なされなかった場合に挿入されるから、変数Tが大きくされた場合には、やはり広告のページが挿入される頻度が少なくなる。
【0057】従って、高額の受信料を支払ったユーザに対しては、広告の出力頻度が少なくなる。
【0058】さらに、本実施例においては、例えば低額の受信料を支払ったユーザの有するデータ受信/表示装置3に対しては、変数nおよびTが小さな値にされるパラメータが設定されるようになされている。従って、低額の受信料を支払ったユーザに対しては、広告の出力頻度が多くなる。
【0059】以上のように、支払った受信料に応じて、出力される広告の量を変えることができるので、例えば頻繁に広告が表示(出力)されるような放送を好まないユーザ、および頻繁に広告が表示(出力)されるような放送であっても、受信料の低価格化を希望するユーザの両方に適したサービスの提供が可能となる。
【0060】次に、図6のフローチャートを参照して、表示/再生管理部16の動作についてさらに説明する。なお、図6のフローチャートによれば、ページ数が1ずつインクリメントされて、記事データの表示が行われるときに、nページに1回の割合で広告のデータ(広告のページ)が表示されるように、記事データのページ数のカウントは、上述したように次のページの記事データの表示がされたときのみ行うようになされている。
【0061】また、伝送されてきたデータは、既に受信され、データ復号/記録部15に記憶されているものとする。さらに、広告量設定部14には、既にパラメータが設定されているものとする。なお、ここでは、パラメータとして、上述した変数n,T自体が設定されているものとする。
【0062】表示/再生管理部16では、装置の電源がONにされると、まず最初にステップS1において、初期設定処理が行われる。即ち、表示/再生管理部16は、図6の処理を実行するCPU、図6の処理に対応したプログラム(料金別広告再生プロセス)およびシステムプログラムなどを記憶しているROM、並びにCPUの動作上必要なデータなどを記憶するRAMなどで構成されており、ステップS1では、RAMや、CPUのレジスタのクリアなどが行われる。さらに、ステップS1においては、必要に応じて、記事/広告リスト記憶部23や表示ログファイル24のクリアなども行われる。
【0063】その後、表示/再生管理部16は、ステップS2において、データ復号/記憶部15に、その内蔵する記憶装置に記憶されたデータを読み出させ、ステップS3に進み、広告量設定部14から変数nおよびTを読み出す。
【0064】さらに、表示/再生管理部16では、ステップS4において、データ復号/記録部15に、そこに記録されたデータ(新聞データ)を参照させ、上述したような記事/広告リストを作成させる。さらに、ステップS4では、この記事/広告リストが、データ復号/記録部15から記事/広告リスト記憶部23に転送されて記憶される。
【0065】そして、データ復号/記録部15から、例えば新聞データの検索画面のデータが取り出され、上述したように表示部22に表示される。その後、検索画面上のいずれかの見出しの位置を指定するようにリモコン18が操作されると、ステップS5に進み、その見出しに関係付けられた記事データが、データ復号/記録部15から読み出され、ステップS6に進む。ステップS6では、記事データ(表示用イメージデータ)が、それを表示させるための表示命令とともに表示部22に転送される。これにより、図3に示したような画面が表示される。
【0066】なお、上述の場合には、まず検索画面のデータを表示させるようにしたが、この他、例えば最初のページの記事データを表示させるようにすることなども可能である。
【0067】そして、ステップS7に進み、リモコン18が操作された(以下、適宜、リモコン18の操作を入力イベントという)か否かが判定される。ステップS7において、入力イベントがなかったと判定された場合、ステップS8に進み、表示部22の画面がいまの表示状態になってから、所定の時間Tが経過したか否かが判定される。
【0068】ステップS8において、表示部22の画面が、いまの表示状態になってから、所定の時間Tが経過したと判定された場合、ステップS9に進み、記事/広告リスト記憶部23(記事/広告リスト記憶部23に記憶された記事/広告リストのうちの広告リスト(広告IDおよび優先順位が記述されたリスト))および表示ログファイル24が参照され、データ復号/記録部15から、まだ表示がされていない広告のデータであって優先順位の最も高いものが読み出される。さらに、その広告のデータが表示部22に出力され、これにより表示部22では、図4に示したように、その画面全体に広告のデータが表示される。また、その広告のデータが音声データを含んでいる場合には、その音声がスピーカ20から出力される。そして、広告のデータの出力(表示)が終了すると、ステップS10に進み、表示ログファイル24に、いま表示部22に表示された広告のデータの広告IDおよびその広告の出力時間が記録され、ステップS7に戻る。
【0069】一方、ステップS8において、表示部22の画面がいまの表示状態になってから、所定の時間Tが、まだ経過していないと判定された場合、ステップS7に戻る。
【0070】そして、ステップS7において、入力イベントがあったと判定された場合、ステップS11に進み、その入力イベントが、次のページの記事データを表示させるものであるか否かが判定される。ステップS11において、入力イベントが、次のページの記事データを表示させるものでないと判定された場合、ステップS12に進み、その入力イベントに対応した表示処理が行われる(実行される)。
【0071】即ち、例えば入力イベントが、前のページの記事データを表示させるものであった場合には、その記事データがデータ復号/記録部15から読み出され、表示部22に供給されて表示される。
【0072】その後、ステップS13に進み、ステップS12で表示部22に表示された記事データの記事IDが、表示ログファイル24に記録されているか否かが判定される。ステップS13において、その記事IDが、表示ログファイル24に、既に記録されていると判定された場合、ステップS10をスキップして、ステップS7に戻る。また、ステップS13において、ステップS12で表示部22に表示された記事データの記事IDが、表示ログファイル24に記録されていないと判定された場合、ステップS11に進み、その記事IDが、表示ログファイル24に記録され、ステップS7に戻る。
【0073】一方、ステップS11において、入力イベントが、次のページの記事データを表示させるものであると判定された場合、ステップS14に進み、その入力イベントに対応して表示させる記事データが、前回、表示部22の画面全体に広告のデータが表示されてから、n+1ページ目のものであるか否かが判定される。
【0074】ステップS14において、入力イベントに対応して表示させる記事データが、前回、表示部22の画面全体に広告のデータが表示されてから、n+1ページ目のものでないと判定された場合(nページ目以内のものである場合)、ステップS16に進み、前回、表示部22の画面全体に広告のデータが表示されてから、入力イベントに対応して表示された記事データのページ数をカウントする変数Pが1だけインクリメントされ、ステップS5に戻る。なお、この場合、ステップS5では、入力イベントに対応したページの記事データが、データ復号/記録部15から読み出される。
【0075】ここで、上述した変数Pは、後述するステップS15の処理(表示部22の画面全体に広告のデータを表示させる処理)が行われるごとにリセットされる(0にされる)ようになされている。また、ステップS14の判定処理は、この変数Pを参照することにより行われるようになされている。
【0076】一方、ステップS14において、入力イベントに対応して表示させる記事データが、前回、表示部22の画面全体に広告のデータが表示されてから、n+1ページ目のものであると判定された場合、ステップS15に進み、記事/広告リスト記憶部23および表示ログファイル24が参照され、データ復号/記録部15から、まだ表示がされていない広告のデータであって優先順位の最も高いものが読み出される。さらに、その広告のデータが表示部22に出力され、これにより表示部22では、図4に示したように、その画面全体に広告のデータが表示される。即ち、記事nページに1ページの割合で、広告が出力される。
【0077】そして、広告のデータの出力(表示)が終了すると、ステップS16に進み、以下上述した処理が行われる。
【0078】次に、図7は、データ受信/表示装置3の他の構成例を示している。なお、図中、図2における場合と対応する部分については、同一の符号を付してある。即ち、このデータ受信/表示装置3は、タイマ回路13および広告量設定部14が削除され、広告表示ログ送信部41が新たに設けられている他は、図2のデータ受信/表示装置3と同様に構成されている。
【0079】従って、このデータ受信表示装置3では、上述したパラメータとしての変数n,Tによる、いわば強制的な広告の表示は行われないようになされている。
【0080】広告表示ログ送信部41は、電話回線を介して、サービスセンタの計算機42に接続されており、定期的に、あるいは任意のタイミングで、表示ログファイル24の記録内容を計算機42に送信するようになされている。なお、サービスセンタ(センタ局)は、図1に示した送信側(制作/編集システム1および放送送信装置2)と同一であっても良いし、独立であっても良い。
【0081】次に、図8および図9を参照して、その動作について説明する。このデータ受信/表示装置3においては、表示/再生管理部16によって、図2で説明した場合と同様にして、記事データが、データ復号/記録部15から読み出され、表示部22に出力されるとともに、記事/広告リスト記憶部23および表示ログファイル24が参照され、データ復号/記録部15から、まだ出力がされていない広告のデータ(概要データ)であって優先順位の最も高いものが読み出されて表示部22に出力される。
【0082】これにより、表示部22においては、例えば図8に示すように、記事データが表示されるとともに、例えばその画面上の右下に確保されたインデックス領域(記事データを見る妨げとならない程度の大きさの領域)32に、広告の概要データが表示される。
【0083】以上のような記事データの表示後においては、リモコン18を操作することにより、表示部22に表示させる記事データを、ページ単位で変更することができる。
【0084】一方、広告表示領域32に表示される広告のデータは、その概要を内容とするものであり、その表示部分を、カーソル31を移動して指定すると、その広告のより詳細なデータ(詳細データ)が、データ復号/記録部15に記録されている場合には、表示/再生管理部16は、その詳細データをデータ復号/記録部15から読み出し、(動画再生部21を介して)音声再生部19または表示部22に出力する。これにより、図9に示すように、スピーカ20から広告の音声が出力され、または表示部22の画面全体に、詳細な広告が表示される。
【0085】なお、インデックス領域32には、広告の概要データではなく、記事の見出しを表示するようにすることも可能である。インデックス領域32に記事の見出しが表示されている場合に、その部分が、リモコン18によって指示されたときには、その見出しに関連付けられた詳細な記事が表示されるようになされている。
【0086】次に、図10のフローチャートを参照して、その動作についてさらに説明する。装置の電源がONにされると、表示/再生管理部16では、まず最初にステップS21またはS22において、図6で説明したステップS1またはS2それぞれと同様の初期設定処理が行われる。
【0087】その後、ステップS23に進み、データ復号/記録部15から読み込んだデータのうちの所定の記事データ(表示用イメージデータ)および広告の概要データ(あるいは記事の見出し)(表示用イメージデータ)が、それを表示させるための表示命令とともに表示部22に転送される。これにより表示部22では、表示命令にしたがい、図8に示したような画面が表示される。
【0088】そして、ステップS24に進み、入力イベントがあったか否かが判定され、入力イベントがなかったと判定された場合、ステップS24に戻る。
【0089】また、ステップS24において、入力イベントがあったと判定された場合、ステップS25に進み、その入力イベントが、インデックス領域32(図8R>8)を指定するものであるか否かが判定される。ステップS25において、入力イベントがインデックス領域32を指定するものでないと判定された場合、即ち、入力イベントが、いわば無効な領域を指定するものである場合、ステップS24に戻る。また、ステップS25において、入力イベントが、インデックス領域32を指定するものであると判定された場合、ステップS26に進み、インデックス領域32に表示されているデータが、広告の概要データであるか否かが判定される。
【0090】ステップS26において、インデックス領域32に表示されているデータが、広告の概要データでないと判定された場合、即ちインデックス領域32に表示されているデータが、例えば記事の見出しなどである場合、ステップS29に進み、その見出しに関連付けられたデータ(この場合は記事データ)が、データ復号/記録部15から読み出される(取り出される)。
【0091】そして、ステップS30に進み、ステップS29で読み出されたデータが、音声データであるか否かが判定される。ステップS30において、そのデータが、音声データであると判定された場合、ステップS31に進み、その音声データとともに、再生開始命令が音声再生部19に転送される。これにより、スピーカ20から、その音声データに対応する音声が出力される。音声の出力が終了すると、ステップS23に戻り、再びステップS23からの処理を繰り返す。
【0092】ここで、入力イベントがあるまで表示されていた、例えば図8に示したような画面のデータは、表示/再生管理部16の内蔵するRAMに記憶されるようになされている。ステップS31(または後述するステップS33,S34)の終了後、ステップS23に戻ったときには、そのRAMに記憶された画面のデータが、表示命令とともに、表示部22に転送される。これにより、図8に示したような画面(元の画面)が表示される。
【0093】一方、ステップS30において、ステップS29で読み出されたデータが、音声データでないと判定された場合、ステップS32に進み、そのデータが、動画像データであるか否かが判定される。ステップS32において、ステップS29で読み出されたデータが、動画像データであると判定された場合、ステップS33に進み、その動画像データと、再生開始命令が動画再生部21に転送される。これにより、上述したようにして表示部22には動画が表示され、スピーカ20からは、その動画に付随する音声が出力される。動画および音声の出力(動画の表示および音声の出力)が終了すると、ステップS23に戻り、再びステップS23からの処理を繰り返す。
【0094】また、ステップS32において、ステップS29で読み出されたデータが、動画像データでないと判定された場合、即ち、そのデータが、音声データでもなく、また動画像データでもなく、従ってテキストデータまたは静止画データである場合、ステップS34に進み、そのテキストデータまたは静止画データが、表示命令とともに、表示部22に転送される。これにより、表示部22には、そのテキストデータまたは静止画データが表示される。テキストデータまたは静止画データの表示が終了すると、ステップS23に戻る。
【0095】一方、ステップS26において、インデックス領域32に表示されているデータが広告の概要データであると判定された場合、ステップS27に進み、表示/再生管理部16によって、その広告データの広告IDが、記事/広告リスト記憶部23を参照することにより検出され、表示ログファイル24に記録され、ステップS29に進む。
【0096】ステップS29では、指定された広告の概要データに関連付けられた詳細データ(広告データ)が、データ復号/記録部15から読み出され、ステップS30に進み、以下上述した処理が行われる。
【0097】そして、広告の詳細データの出力が終了すると、表示/再生管理部16によって、その出力時間が、表示ログファイル24に記録される。なお、この出力時間は、ステップS27で記録された広告IDと関連付けられて記録される。
【0098】ところで、このデータ受信/表示装置3では、ステップS27の終了後、所定の時間が経過すると、サービスセンタ(図7)と定期通信が行われるようになされている。即ち、所定の時間の経過後、ステップS28に進み、表示ログファイル24に記録された広告ID、およびその広告IDに対応する広告データの出力時間などが、広告表示ログ送信部41に転送される。広告表示ログ送信部41では、表示ログファイル24から転送されてきた広告IDまたは出力時間から、広告IDの合計数(出力された広告の合計数に相当する)または出力時間の小計値がそれぞれ算出される。
【0099】さらに、広告表示ログ送信部41は、サービスセンタの計算機(利用者管理計算機)42の電話番号を発呼し、これにより計算機42とのコネクションを確立する。そして、広告表示ログ送信部41は、このデータ受信/表示装置3に付された受信装置IDとともに、広告ID、その合計数、各広告の出力時間、並びにその小計値を、計算機42に送信する。
【0100】サービスセンタの計算機42では、広告表示ログ送信部41から送信されてきたデータが受信され、受信装置IDごとに分類されて記憶される。そして、計算機42では、そのデータのうちの、例えば広告の出力時間の小計値が参照され、その値(但し、小計値の、所定の期間(例えば、1カ月など)の合計値など))に対応して課金処理が行われる。
【0101】即ち、本実施例においては、例えば広告の出力時間が長い場合は低額となるように、また広告の出力時間が短い場合は高額となるように、それぞれ受信料が算出される。
【0102】従って、多くの広告を視聴したユーザに対しては、低額の受信料が請求されるが、ほとんど広告を視聴しなかったユーザに対しては、高額の受信料が請求されることになる。
【0103】以上のように、視聴した(出力された)広告の量に対応して、課金形態を変えることができるので、即ち受信料を変えることができるので、例えば頻繁に広告が表示(出力)されるような放送を好まないユーザ、および頻繁に広告が表示(出力)されるような放送であっても、受信料の低価格化を希望するユーザの両方に適したサービスの提供が可能となる。
【0104】また、通常は、広告主であるスポンサからは、広告料を徴収するが、この場合には、広告の出力時間に対応した広告料を徴収するようにすることが可能である。即ち、この場合、計算機42に、広告IDごとの広告の出力時間の小計値を算出させ、その小計値に比例した額の広告料を求めさせるようにする。
【0105】このようにすることによって、出力時間の長い広告のスポンサからは、高額の広告料を徴収し、また出力時間の短い広告のスポンサからは、低額の広告料を徴収することが可能となる。
【0106】なお、図7に示したデータ受信/表示装置3は、図2に示したタイマ回路13および広告料設定部14を設けて構成し、これにより、記事nページに対し、広告1ページを挿入させたり、所定の時間T単位で広告を出力させるようにすることも可能である。さらに、この場合、ユーザが、インデックス領域32に表示された広告の概要データを指示して、いわば自主的に広告を出力させた場合と、広告が、上述したようにnページ単位あるいは時間T単位で出力された場合とを分けて、サービスセンタの計算機42に送信するようにすることも可能である。
【0107】また、本実施例では、データが、衛星回線を介して伝送される場合について説明したが、この他、衛星回線以外の無線回線や、PSTNや、ISDN、CATVのケーブル、専用線、その他のデータ線などのような有線回線を介してデータを伝送するようにすることが可能である。
【0108】さらに、本実施例においては、広告のデータを含む新聞データを伝送するようにしたが、この他、広告のデータを含む、例えば雑誌や書籍などの刊行物のデータや、その他のデータを伝送するようにすることも可能である。
【0109】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、例えば支払われた受信料に対応して、出力される広告の量を変えること、あるいは出力された広告の量に対応して、例えば受信料を変えることが可能となる。その結果、ユーザの要望に応じたサービスの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデータ放送システムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のデータ受信/表示装置3の構成例を示すブロック図である。
【図3】記事データが表示されている様子を示す図である。
【図4】広告データが出力されている様子を示す図である。
【図5】記事データが表示されている様子を示す図である。
【図6】図2のデータ受信/表示装置3の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1のデータ受信/表示装置3の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】記事データおよび広告データが表示されている様子を示す図である。
【図9】図8のインデックス領域31に表示された概要データに関連付けられた詳細データが出力されている様子を示す図である。
【図10】図7のデータ受信/表示装置3の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 制作/編集システム
2 放送送信装置
3 データ受信/表示装置
11 受信アンテナ
12 データ受信部
13 タイマ回路
14 広告量設定部
15 データ復号/記録部
16 表示/再生管理部
17 指示操作入力部
18 リモコン
19 音声再生部
20 スピーカ
21 動画再生部
22 表示部
23 記事/広告リスト記憶部
24 表示ログファイル
31 カーソル
32 インデックス領域
41 広告表示ログ送信部
42 利用者管理計算機

【特許請求の範囲】
【請求項1】 伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを出力する出力手段と、前記出力手段から出力させる前記広告の出力量を決めるパラメータを設定する設定手段と、前記設定手段の設定内容に対応して、前記広告のデータを前記出力手段に出力させる制御を行う出力制御手段とを備えることを特徴とするデータ受信装置。
【請求項2】 請求項1に記載のデータ受信装置であって、所定の受信料の支払いがあったものに、少なくとも刊行物および広告のデータを伝送するデータ送信装置であって、前記受信料に対応して、前記設定手段に設定する前記広告の出力量を決めるパラメータを算出する算出手段と、前記刊行物および広告のデータとともに前記算出手段により算出された前記パラメータを送信する送信手段とを備えることを特徴とするデータ送信装置。
【請求項3】 請求項1に記載のデータ受信装置と、請求項2に記載のデータ送信装置とを備えることを特徴とするデータ放送システム。
【請求項4】 伝送路を介して伝送されてきた、少なくとも刊行物および広告のデータを含むデータを受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記広告の出力量を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記広告の出力量を、所定のセンタ局へ送信する送信手段とを備えることを特徴とするデータ受信装置。
【請求項5】 前記センタ局は、前記送信手段から送信された前記広告の出力量に対応して課金を行う課金手段を有することを特徴とする請求項4に記載のデータ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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