説明

データ回復のためのシステムおよび方法

【課題】データ回復のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法を提供する。識別回路は、媒体欠陥検出回路112およびアンカ固定回路114を含む。媒体欠陥検出回路112は、媒体欠陥を識別するように動作可能であり、アンカ固定回路114は、その媒体欠陥を基準とするロケーションを識別するように動作可能である。このロケーションは、再現可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、検出された媒体欠陥に基づいて記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクは、通常、プリアンブルおよびデータ同期パターンを含む同期情報が先行するいくつかのユーザ・データ領域を含む。プリアンブルは、非同期読取り中に位相および周波数を同期するのに使用され、データ同期パターンは、一続きのユーザ・データの開始点を定義するのに使用される。動作の際、回路が、データ同期パターンを探し、そのデータ同期パターンを基準とするロケーションにおいて導き出された、その後に受け取られる一続きのデータ・サンプルを処理する。ときとして、データ同期パターンが欠けていて、データ同期パターンを識別するのに1つまたは複数の探索アプローチが使用される再試行が行われることになる。そのような探索アプローチは、しばしば、回路および時間の点で高い費用がかかる。さらに、一部の事例において、探索アプローチは、データ同期標識を識別することができず、データの損失が生じることになる。
【0003】
このため、少なくとも前述の理由で、記憶媒体からデータを回復するための高度化されたシステムおよび方法の必要性が、当技術分野に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、検出された媒体欠陥に基づいて記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な実施形態が、記憶媒体の再現可能なロケーションを識別するための回路を提供する。そのような回路には、媒体欠陥検出器およびアンカ固定回路が含まれる。媒体欠陥検出器は、媒体欠陥を識別するように動作可能であり、アンカ固定回路は、媒体欠陥を基準とした再現可能なロケーションを識別するように動作可能である。一部の事例において、媒体欠陥検出器は、2Tパターンに合わせられた離散フーリエ変換回路を含む。他の事例において、媒体欠陥検出器は、プリアンブル終端検出回路を含む。
【0006】
前述の実施形態の一部の実例において、媒体欠陥検出器は、記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを使用して媒体欠陥を識別するように動作可能である。そのような実例において、回路は、媒体欠陥のロケーションからの固定距離である強制データ同期標識を使用して、一続きのデータ・サンプルのサブセットを処理するように動作可能なデータ処理回路をさらに含む。一部のそのような実例において、回路は、データ処理回路が収束することに失敗した場合はいつでも、強制データ同期標識を繰り返し識別し、さらにデータ処理回路が収束すると、強制データ同期標識を格納するように動作可能な同期強制回路をさらに含む。特定の実例において、回路は、記憶媒体上の復号可能なデータ・セットの先頭を示すように記憶媒体からの後の読取りの際に使用可能な強制データ同期標識を格納するデータ・バッファをさらに含む。
【0007】
本発明の他の実施形態が、記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するための方法を提供する。この方法は、記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを受け取ること、この一続きのデータ・サンプルを使用して記憶媒体上の媒体欠陥を識別すること、およびこの媒体欠陥を基準とした記憶媒体上の再現可能なロケーションを固定する、または識別することを含む。一部の事例において、これらの方法は、このロケーションを、復号可能なデータ・セットの先頭に関する基準として使用して、一続きのデータ・サンプルのサブセットに復号アルゴリズムを適用することをさらに含む。復号アルゴリズムが収束する、一部のそのような実例において、これらの方法は、メモリの中に強制データ同期標識を格納することをさらに含む。強制データ同期標識は、そのロケーションを示し、さらに記憶媒体上の復号可能なデータ・セットの先頭を示すように記憶媒体からの後の読取りの際に使用可能である。
【0008】
前述の実施形態の様々な実例において、ロケーションは、第1のロケーションであり、方法は、第1のロケーションを、復号可能なデータ・セットの先頭に関する基準として使用して、一続きのデータ・サンプルの第1のサブセットに復号アルゴリズムを適用することをさらに含む。復号アルゴリズムが収束することに失敗した場合、これらの方法は、再現可能である媒体欠陥を基準とした記憶媒体上の第2のロケーションを固定すること、および第2のロケーションを、復号可能なデータ・セットの先頭に関する基準として使用して、一続きのデータ・サンプルの第2のサブセットに復号アルゴリズムを適用することをさらに含む。一部のそのような事例において、第2のロケーションを使用する復号アルゴリズムの適用は、収束する。これらの事例において、これらの方法は、メモリの中に強制データ同期標識を格納することをさらに含むことが可能である。強制データ同期標識は、第2のロケーションを示し、さらに記憶媒体上の復号可能なデータ・セットの先頭を示すように記憶媒体からの後の読取りの際に使用可能である。1つの特定の事例において、第2のロケーションは、第1のロケーションと比べて媒体欠陥から遠く離れている。
【0009】
前述の実施形態の様々な実例において、復号アルゴリズムは、低密度パリティ検査アルゴリズムである。前述の実施形態の1つまたは複数の実例において、記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを受け取ることは、データ・バッファからその一続きのデータ・サンプルにアクセスすることを含む。一部の事例において、これらの方法は、記憶媒体から情報にアクセスすること、およびこの情報に基づいて、その一続きのデータ・サンプルを生成することをさらに含む。
【0010】
本発明のさらに他の実施形態は、記憶媒体、媒体欠陥検出器、およびアンカ固定回路を含むハードディスク・ドライブ・システムを提供する。媒体欠陥検出器は、記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを使用して、記憶媒体上の媒体欠陥を識別するように動作可能であり、アンカ固定回路は、その媒体欠陥を基準とするロケーションを識別するように動作可能である。そのような事例において、そのロケーションは、再現可能である。
【0011】
この概要は、本発明の一部の実施形態の一般的な概略を提供するに過ぎない。本発明の他の多くの目的、特徴、利点、およびその他の実施形態が、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面から、より完全に明白となろう。
【0012】
本発明の様々な実施形態のさらなる理解が、本明細書の残りの部分において説明される図を参照して実現される。これらの図において、同様の参照符号が、いくつかの図にわたって同様の構成要素を参照するのに使用される。一部の実例において、小文字から成る下位ラベルが、参照符号に関連付けられて、同様な複数の構成要素の1つを表す。既存の下位ラベルを明記することなしに参照符号が参照される場合、そのことは、すべてのそのような同様の複数の構成要素を参照することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1a】本発明の様々な実施形態によるアンカ・ポイント回路およびデータ同期標識強制回路を含む読取りチャネル回路を示す図である。
【図1b】本発明の一部の実施形態による図1aの読取りチャネル回路の例示的な動作を示すタイミング図である。
【図2】本発明の様々な実施形態による離散フーリエ変換ベースのアンカ位置付け回路を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態によるプリアンブル終端ベースのアンカ位置付け回路を示す図である。
【図4a】本発明の1つまたは複数の実施形態に従って、アンカ・ポイントを固定し、そのアンカ・ポイントを基準としたデータ同期標識を強制するための、本発明の一部の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図4b】本発明の1つまたは複数の実施形態に従って、アンカ・ポイントを固定し、そのアンカ・ポイントを基準としたデータ同期標識を強制するための、本発明の一部の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図5】本発明の一部の実施形態によるアンカ・ポイント回路および同期標識強制回路を有する読取りチャネルを含む記憶システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、検出された媒体欠陥に基づいて記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するためのシステムおよび方法に関する。
【0015】
本発明の様々な実施形態が、記憶媒体上の媒体欠陥、または他の何らかの異常のために記憶媒体上で検出され得ない元のデータ同期標識の代わりに使用されることが可能な強制データ同期標識を提供する。1つの特定の事例において、強制データ同期標識は、記憶媒体上の媒体欠陥から規定された距離に位置付けられる。媒体欠陥は移動しないので、媒体欠陥のロケーションは、再現可能である。媒体欠陥のロケーションは、再現可能であり、さらに強制データ同期標識は、媒体欠陥を基準として位置付けられるため、強制データ同期標識も再現可能である。強制データ同期標識の再現性は、強制データ同期標識の有用性を判定するように強制データ同期標識が試験されることを許し、有用であると実証されると、強制データ同期標識は、記憶媒体からデータを読み取るのに、将来使用されることが可能である。
【0016】
本発明の一部の実施形態は、記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するための回路を提供する。そのような回路には、媒体欠陥検出器およびアンカ固定回路が含まれる。本明細書で使用される場合、「媒体欠陥検出器」という句は、記憶媒体上の媒体欠陥のロケーションを示すことができる任意の回路、デバイス、またはシステムを意味するように、この句の最も広い意味で使用される。本明細書で使用される場合、「アンカ固定回路」という句は、識別された媒体欠陥を基準とする再現可能なロケーションを識別することができる任意の回路、デバイス、またはシステムを意味するように、この句の最も広い意味で使用される。
【0017】
前述の実施形態の一部の実例において、回路は、データ処理回路をさらに含むことが可能である。本明細書で使用される場合、「データ処理回路」という句は、データ入力に定義されたプロセスを適用して、データ出力をもたらすことができる任意の回路を意味するように、この句の最も広い意味で使用される。一部の事例において、この定義されたプロセスは、データ検出器アルゴリズムおよび/またはデータ復号器アルゴリズムである。1つの特定の事例において、データ入力が、知られているロケーションから始まり、有する誤りビットが多過ぎない場合に、適切な結果に収束する低密度パリティ検査復号器アルゴリズムが使用される。本明細書で提供される開示に基づいて、本発明の様々な実施形態に関連して使用されることが可能な様々なデータ復号回路および/またはデータ検出回路が、当業者には認識されよう。
【0018】
データ処理回路は、検出されなかった元のデータ同期標識の代わりに強制データ同期標識から始まるデータを受け取ることが可能である。強制データ同期標識が元のデータ同期標識と同一のロケーションにある場合、データ処理回路は、存在するデータ誤りが多過ぎない場合、収束するはずである。これに対して、強制データ同期標識が元のデータ同期標識と同一のロケーションにはない場合、データ処理回路が収束する可能性は非常に低い。このため、媒体欠陥に対応するアンカ・ロケーションを識別した後、本発明の一部の実施形態は、データ処理回路が収束するまで、アンカ・ロケーションを基準とした様々なロケーションに強制データ同期標識を繰り返し位置付ける。データ処理回路が収束した場合、強制データ同期標識は、適切なロケーションに位置付けられたものと仮定する。データ処理回路によるデータ収束をもたらす強制データ同期標識が識別されると、その強制データ同期標識のロケーションがバッファに格納され、このバッファにおいて、その強制データ同期標識が、検出不能な元のデータ同期標識の代わりに、記憶媒体の次の読取り上で使用されることが可能である。
【0019】
図1aを参照すると、本発明の様々な実施形態によるアンカ・ポイント回路およびデータ同期標識強制回路を含む読取りチャネル回路100が示されている。読取りチャネル回路100は、アンカ位置付け回路110を含む。アンカ位置付け回路110は、マルチプレクサ140を介してディスクまたは他の記憶媒体から出力145として導き出されたデータ105を受け取る媒体欠陥検出回路112を有する。一部の事例において、データ105は、例えば、記憶媒体からの情報を感知すること、その情報をフィルタリングすること、およびその情報を一続きの対応するデジタル・サンプルに変換することを担うアナログ処理回路(図示せず)から受け取られることが可能な、一続きのデジタル・サンプルである。本明細書で提供される開示に基づいて、データ105および前処理回路のための様々なソースが当業者には認識されよう。
【0020】
媒体欠陥検出回路112は、マルチプレクサ出力145を受け取り、アンカ固定回路114に媒体欠陥出力113を供給するように動作可能である。媒体欠陥出力113は、データ105が導き出された媒体上の検出された欠陥に対応する期間にわたってアサートされる。媒体欠陥検出回路112は、データ105が導き出された媒体上の欠陥の発生を示す出力をもたらすことができる、当技術分野で知られている任意の媒体欠陥検出回路であることが可能である。アンカ固定回路114は、媒体欠陥出力113にフィルタリング・アルゴリズムを適用して、現在、識別されている媒体欠陥が十分に信頼できるかどうかを判定するとともに、識別された媒体欠陥のロケーションおよび位相を特定する。媒体欠陥出力113によって示される、現在、識別されている媒体欠陥が十分に信頼できない場合、その媒体欠陥は無視され、次の媒体欠陥が待たれる。代替として、媒体欠陥出力113によって示される、現在、識別されている媒体欠陥が十分に信頼できる場合、アンカ固定回路114は、アンカ・ロケーション−位相記憶回路120に欠陥−位相ロケーション出力115を供給する。アンカ・ロケーション−位相記憶回路120は、繰り返される強制データ同期標識のためのアンカ・ポイントとして使用されるように、受け取られた位相およびロケーションを格納する。
【0021】
アンカ・ロケーション−位相記憶回路120は、アンカ固定回路114に位相出力122を供給する。再試行番号125によって示されるとおり、2回目以降の再試行が処理される場合はいつでも、アンカ固定回路114は、位相出力122として供給された、それまでに特定された位相を使用して、それまでに識別されたアンカ・ポイントだけを探す。アンカ・ロケーション−位相記憶回路120は、受け取られたアンカ−位相出力128を基準とした強制データ同期出力135をもたらす同期強制回路130にアンカ−位相出力128を供給する。
【0022】
また、データ105が、データ処理回路160によって復号されるように少なくとも1つの完全な符号化されたデータ・セットを格納するのに十分なサイズのデータ・バッファ150に供給される。データ105が最初に受け取られると、再試行入力142が論理「0」として設定され、したがって、データ105は、マルチプレクサ140を介して、多重化された出力145としてデータ処理回路160および媒体欠陥検出回路112に供給される。元のデータ同期標識が検出される、この初回の処理において、データ処理回路160は、データ105を処理して、データ出力165をもたらす。代替として、元のデータ同期標識が検出されなかった場合、後続の回は、データ・バッファ150からのバッファリングされたデータ155を、マルチプレクサ140を介してデータ処理回路160および媒体欠陥検出回路112に供給する。
【0023】
再試行番号125によって示されるすべての回の再試行において、同期強制回路130が、データ処理回路160に強制データ同期標識135を供給する。強制データ同期標識135は、複数回の再試行において、データ処理回路160によって処理されるべきデータ・バッファ150の中のデータの再現可能な先頭を示すのに使用される。データ処理回路160が収束する場合、結果は、データ出力165として与えられ、前に強制されたデータ処理機構が機能したことを示すデータ収束出力170がアサートされる。そのような事例において、同期強制回路130が、前に強制されたデータ同期標識を、アンカ・ポイントを基準としたロケーションとして格納する。このロケーション情報は、記憶媒体の対応する領域への後のアクセスの際に使用されることが可能である。この時点で、データが見つかっているので、再試行プロセスは完了する。
【0024】
代替として、データ処理回路160が収束しない場合、データ収束信号170が、収束の失敗を同期強制回路130に示す。これに応答して、同期強制回路130は、後の強制データ同期標識を、前に強制されたデータ同期標識と比べてアンカ・ポイントから、より大きい距離に強制する。データ・バッファ150からのデータが、前述したとおりにデータ処理回路160によって再処理される。出力128の一部として受け取られた、前に識別されたアンカ・ロケーションから相次ぐ異なる距離に強制データ同期標識を繰り返し配置し、データ処理回路160による処理を再試行する、このプロセスは、タイムアウト条件が満たされるまで、または有効なデータ同期標識ロケーションが識別されるまで(すなわち、データ処理回路160が収束するまで)続く。
【0025】
図1bを参照すると、タイミング図180が、本発明の一部の実施形態による読取りチャネル回路100の例示的な動作を示している。タイミング図180をたどると、ディスクからのデータ(すなわち、マルチプレクサ140からの出力145)が、当技術分野で知られているとおり、2Tプリアンブル192を含む。2Tプリアンブル192は、後に続く元のデータ同期標識194およびユーザ・データ188の位相および周波数を同期させるのに使用されることが可能な反復信号である。ユーザ・データは、同期標識194の後に始まる、知られているビット数198である。一部の実施形態において、知られているビット数198は、4Kビットである。図示されるとおり、媒体欠陥186が、媒体上に2Tプリアンブル192が格納されているロケーションにおいて生じる。読取りチャネル回路は、媒体欠陥186が生じる2Tプリアンブル192および/または元のデータ同期標識194の中のどこでも機能することに留意されたい。
【0026】
媒体欠陥出力113が、媒体欠陥186に対応する期間184中にアサートされる。識別された媒体欠陥が十分に信頼できると判定されると、アンカ・ポイント128が、データ同期標識を強制することと関係して使用されるように格納される。図示されるとおり、強制同期標識135が、元のデータ同期標識194に対応するロケーションに最終的に配置される。強制同期標識135のロケーションは、アンカ・ポイント128からの再現可能な距離190である。このため、強制データ同期標識135が格納され、さらにユーザ・データ188の後のアクセスの際に再現されることが可能である。図示されていないのは、試みられたいくつかの強制同期標識である。これらの、より早期に試みられた強制同期標識は正しくなかったため、データ処理回路160は、収束することに失敗して、後の強制データ同期標識の配置および試行をもたらした。このプロセスは、アンカ・ポイント128からの再現可能な距離190に対応する、図示される強制同期標識135が位置付けられるまで、繰り返される。
【0027】
図2を参照すると、本発明の様々な実施形態による離散フーリエ変換ベースのアンカ位置付け回路200が示されている。アンカ位置付け回路200は、図1のアンカ位置付け回路110の代わりに使用されることが可能である。アンカ位置付け回路200は、2T周波数に合わせられた離散フーリエ変換回路210を含む。離散フーリエ変換回路210は、当技術分野で知られている任意の離散フーリエ変換回路であることが可能である。当技術分野で知られているとおり、2T周波数は、周期4Tを有するプリアンブル・パターン(すなわち、「110011001100...」)の基本周波数であり、ただし、Tは1ビットの持続時間を表す。離散フーリエ変換回路210は、データ入力205(x[n])を受け取り、データ入力205を周波数領域出力215(X[n])に変換する。1つの特定の実施形態において、データ入力205は、図1aに示されるマルチプレクサ140からのデータ出力145であることが可能である。周波数領域出力215は、以下の式によって表される。

X[n]= |x[n−4]−x[n−2]+x[n]−x[n+2]|
+|x[n−3]−x[n−1]+x[n+1]−x[n+3]|

移動平均フィルタ回路220が、周波数領域出力215を受け取り、平均出力225、X[n]として与えられる移動平均を実行する。移動平均フィルタ回路220は、当技術分野で知られている任意の移動平均フィルタ回路であることが可能である。本発明の1つの特定の実施形態において、移動平均フィルタ回路220は、周波数領域出力215の4つ、または8つのインスタンスを平均して、平均出力225をもたらすことが可能である。本明細書で提供される開示に基づいて、平均出力225を計算する際に使用されることが可能な周波数領域出力215のインスタンスの様々な数が、当業者には認識されよう。例として、移動平均フィルタ回路220は、定義された数の周波数領域出力215の最新のインスタンスを保持するメモリを含むことが可能である。以下の式が、平均出力225を記述する。すなわち、
【数1】

ただし、βは、Nが「4」である場合、「1」であり、βは、Nが「8」である場合、「2」である。
【0028】
平均出力245、Xm,d[n]が、平均回路240によって生成され、ただし、平均出力245は、以下の式によって表される平均出力225の平均である。すなわち、

m,d[n]=Xm,d[n−1]+γ(X[n]−Xm,d[n−1])

(欠陥出力255が、先行するインスタンス上でアサートされなかった(すなわち、D[n−1]=「0」である)場合)

であり、

m,d[n]=Xm,d[n−1]

(欠陥出力255が、先行するインスタンス上でアサートされた(すなわち、D[n−1]=「1」である)場合)

である。閾値試験回路230が、平均出力225と、閾値227に平均出力245を掛けた値との比較に基づいて、欠陥出力255をアサートする。詳細には、以下の式が、閾値試験回路230による欠陥出力255のアサートを表す。すなわち、

D[n]=「1」(Xm[n]≦閾値Xm,d[n]である場合)

であり、

D[n]=「0」(他の場合)、

である。欠陥出力255および平均出力225は、検出された出力を試験して、その出力がアンカ・ポイントを確立するために十分に信頼できるかどうかを判定する単調試験回路260に供給される。単調試験回路260は、事実上、後続のデータ・ポイントを試験して、検出された欠陥条件が続くかどうかを判定する。特定の実例において、検出された媒体欠陥は、以下の条件が満たされる場合、十分に信頼できると考えられる。すなわち、

Xm[n−4+i]>Xm[n−2+i]>Xm[n+i]>Xm[n+2+i]

ただし、nは、前述した単調条件(すなわち、信頼性条件)が最初に満たされるロケーションであり、iは、i∈{0,1,2,3,4...}である正の整数である。iを、前述した条件が成立するiの最小値であるものとする。単調試験回路260が、信頼性条件が満たされたと判定した場合、n=n+iによって与えられる特定された単調条件のロケーションが、アンカ・ポイント270としてもたらされ、アンカ・ポイント270における閾値280が、もたらされる。閾値280は、以下のとおり算出される。すなわち、
【数2】

が位置する1/4レート位相282、Φ∈{0,1,2,3}も表される。一部の事例において、閾値227は、プログラミング可能である。
【0029】
後続の回において(すなわち、再試行番号125が2回目以降の再試行を示す場合)、アンカ・ポイントを確立する同一のプロセスが、このプロセスは反復可能であるので、使用されることが可能である。しかし、前述の実施形態の一部の事例において、後の再試行に関して、前述の単調条件を満たす最初の欠陥215が、識別される。この欠陥の開始ロケーションは、本明細書でkと呼ばれる。この条件が満たされると、アンカ・ポイント270が最初の回に確立されたのと同一の位相282において生じたサンプル・インスタンスkが、k≧kであるように特定される。ここから、識別されたポイントが最初の回に確立された閾値280を満たすかどうかが判定される。詳細には、アンカ・ポイントは、以下の式によって表される。すなわち、

アンカ・ポイント=k+4

ただし、iは、閾値試験が満たされるi∈{−1,0,1}の最小値である。詳細には、閾値試験は、以下の式によって表される。すなわち、

[k+4]≦Θ

そのようなアプローチは、アンカ・ポイントを最初に確立するのに使用されるアプローチと比べて、相当に少ない処理しか要求しないことが可能であり、多くの事例において、元のアンカ・ポイントが再び見出されることをさらに保証する。
【0030】
図3は、本発明の他の実施形態によるプリアンブル終端ベースのアンカ位置付け回路300を示す。プリアンブル終端ベースのアンカ位置付け回路300は、いくつかのデータ検出回路に含まれるユークリッド・メトリック回路310を再使用する。当技術分野で知られているとおり、ユークリッド・メトリック回路310は、データ入力305とベースライン303の間のユークリッド距離を計算する。或る特定の実施形態において、データ入力305は、図1のマルチプレクサ140からのデータ出力145である。ベースライン303がプリアンブル・パターンに対応する場合、ユークリッド出力325、Y[n]は、データ入力305がベースライン303と一致している場合、比較的低い値でアサートされ、データ入力305がベースライン303から外れる場合、比較的高い値でアサートされる。ユークリッド出力325が、相当に長い期間(例えば、14ビット期間から20ビット期間までの間の)にわたって比較的低いレベルでアサートされ、その後、ユークリッド値325が増加する場合、プリアンブルの終わりが示される。通常の条件下で、プリアンブルの、この終わりは、元のデータ同期標識の始まりを示す。しかし、媒体欠陥が、プリアンブルが元々書き込まれていたロケーションで生じた場合、ユークリッド値325の同じ増加が生じる。このため、ユークリッド値325の低下の後に、元のデータ同期標識の検出が続かない場合、再現可能な媒体欠陥検出が行われたと見なされることが可能である。この再現可能な媒体欠陥検出は、図2に関連して前述した強制データ同期標識と同様の強制データ同期標識の基礎として使用され得るアンカ・ポイントを固定するのに使用されることが可能である。
【0031】
ユークリッド値325は、閾値試験回路330に供給される。閾値試験回路330は、ユークリッド値325を閾値327と比較する。ユークリッド値325が閾値327より大きい場合、プリアンブルの終わりが宣言される(すなわち、欠陥出力355、D[n]がアサートされる)。アンカ・ポイント生成回路360が、そのロケーションを示すアンカ・ポイント370をもたらし、アンカ・ポイント370における閾値380がもたらされる。アンカ・ポイントが位置する1/4レート位相382、Φ∈{0,1,2,3}も表される。一部の事例において、閾値327は、プログラミング可能である。閾値380は、閾値327を最初に超えたユークリッド値325と、プリアンブルの終わりが検出される前のユークリッド値325の最大値とを平均することによって計算されることが可能である。
【0032】
後続の回において(すなわち、再試行番号125が2回目以降の再試行を示す場合)、アンカ・ポイントを確立する同一のプロセスが、このプロセスは反復可能であるので、使用されることが可能である。しかし、前述の実施形態の一部の事例において、後続の再試行に関して、閾値327は、閾値380が再び識別されるといつでも、アンカ・ポイントが示されるように、閾値380と同一の値であるようにプログラミングされることが可能である。すべての回の再試行において、アンカ・ポイントの探索は、最初の回に識別されたのと同一の1/4レート位相382において行われる。
【0033】
閾値327は、デフォルトの値をプログラミングすることによって最初、設定されることが可能であるが、その後、再試行のたびに動的に更新されることが可能である。最初の回に、プリアンブル終端検出ポイントに先立つユークリッド値325の最大値が、レジスタMAX_VALUE値の中に記録される。後の再試行のたびに、このレジスタは、その回に関する新たな最大値が、レジスタMAX_VALUEの内容より大きい場合、プリアンブル終端検出ポイントに先立つ新たな最大ユークリッド値325で更新される。現行の回において、ユークリッド値325が閾値380より大きい場合、次の再試行に関する閾値380は、以下のとおり設定される。すなわち、

閾値380=(ユークリッド値325+MAX VALUE)/2
【0034】
図2および図3に示されるような本発明の様々な実施形態の説明に基づいて、図2および図3に示されるアンカ・ポイント検出回路は、入力データの中に媒体欠陥が存在しない場合でさえ、アンカ・ポイントを検出することに成功する可能性があることが、当業者には認識されよう。実際のデータ同期標識は、図2における閾値試験回路230および図3における閾値試験回路330に、プリアンブル終端の検出を有効なアンカ・ポイントとしてアサートさせる。このことは、図2で使用されるユークリッド・メトリック回路によって行われるが、実際の同期標識にわたる2T DFT値215は、2Tプリアンブル・パターンにわたる2T DFT値215より、はるかに小さいので、図3においても行われる。このため、本発明は、媒体欠陥が生じるか否かにかかわらず、アンカ・ポイントの位置付けのために使用されることが可能である。
【0035】
図4aおよび図4bを参照すると、流れ図400および流れ図460が、本発明の1つまたは複数の実施形態に従って、アンカ・ポイントを固定し、そのアンカ・ポイントを基準としたデータ同期標識を強制するための、本発明の一部の実施形態による方法を示す。流れ図400をたどると、データ・サンプルが読み取られる(ブロック403)。データ・サンプルは、記憶媒体から感知された情報のデジタル表現であることが可能である。データ・サンプルは、ライブのデータ・ストリームとして、またはライブのデータ・ストリームが以前にバッファリングされたバッファから読み取られることが可能である。このデータ・サンプルは、より大きい一続きのデータ・サンプルの中に含められ、元の同期標識が識別されているかどうかを判定するように比較される(ブロック406)。元の同期標識が識別された場合(ブロック406)、処理されるべき符号語がどこで始まるかの指示として元のデータ同期標識を使用して、元のデータ同期標識の後に続くユーザ・データに対して標準の処理が実行される(ブロック409)。
【0036】
代替として、元の同期標識が見出されなかった場合(ブロック406)、同期標識の探索が、同期標識が見出されると予期されていた場所を過ぎて、既に拡張されているかどうかが判定される(ブロック412)。同期標識が予期されていた領域をまだ過ぎていない場合(ブロック412)、元のデータ同期標識を探索するプロセスは、続けられる。反対に、元のデータ同期標識が予期されていた領域を過ぎていると判定された場合(ブロック412)、再試行処理が開始される(ブロック415)。再試行処理は、データ・サンプルを、元の処理中にデータ・サンプルが格納されたバッファから読み取ることを含む(ブロック418)。これらのサンプルは、受け取られたデータを処理して、媒体欠陥が示されるかどうかを判定する欠陥検出回路に供給される(ブロック421)。欠陥が見出されなかった場合(ブロック421)、データ・サンプルを読み取り、欠陥を探索するプロセスは、続けられる。代替として、欠陥が見出された場合(ブロック421)、その欠陥が試験されて、その欠陥が十分に信頼できる(すなわち、単調性を示す、または閾値試験に合格する)かどうかが調べられる(ブロック424)。その欠陥が十分に信頼できると判明しなかった場合(ブロック421)、データ・サンプルを読み取り、欠陥および信頼性に関して再試験するプロセスが、続けられる。そうではなく、欠陥が十分に信頼できると判明した場合(ブロック424)、アンカ・ポイント(すなわち、欠陥のロケーション)が、サンプルが見出された際のサンプルの位相と一緒に格納され(ブロック427)、さらに閾値が、後続の再試行において使用されるように計算されて、格納される。
【0037】
流れ図460をたどると、それまでに特定されたアンカ・ポイントを基準とする初期ロケーションにおいて同期標識が強制される(すなわち、強制同期標識)(ブロック463)。一部の事例において、この初期同期標識は、アンカ・ポイントと同一のロケーションにおいて強制される。他の事例において、初期同期標識は、アンカ・ポイントから再現可能な距離に強制されることが可能である。次に、強制同期標識のロケーションの後に続くデータが、強制同期標識を、強制同期標識がユーザ・データの先頭を示す元のデータ同期標識であるかのように使用して、処理される(ブロック466)。そのようなデータ処理には、当技術分野で知られているとおり、低密度パリティ検査復号および/または最大事後データ検出が含まれることが可能であるが、以上には限定されない。本明細書で提供される開示に基づいて、読み取られたデータに適用されることが可能である様々なデータ処理アプローチが、当業者には認識されよう。
【0038】
データ処理が収束した(すなわち、予期される結果をもたらした)かどうかが判定される(ブロック469)。データ処理が収束した場合(ブロック469)、強制同期標識は、元のデータ同期標識のロケーションにあるものと見なされ、媒体の対応する領域への後のアクセスの際に再使用されるように格納される(ブロック472)。そうではなく、データ処理が収束することに失敗した場合(ブロック469)、識別されたアンカ・ポイントを基準としたロケーションは、インクリメントされ(ブロック475)、その新たにインクリメントされたロケーションに同期標識が強制される(ブロック478)。同期標識を強制する、このプロセスは、タイムアウト条件が満たされるまで、またはデータ処理が収束するまで、続く(ブロック469)。
【0039】
図5を参照すると、本発明の様々な実施形態による、アンカ・ポイント回路および同期標識強制を有する読取りチャネル510を含む記憶システム500が、示されている。記憶システム500は、例えば、ハードディスク・ドライブであることが可能である。また、記憶システム500は、前置増幅器570、インタフェース・コントローラ520、ハードディスク・コントローラ566、モータ・コントローラ568、スピンドル・モータ572、ディスク・プラッタ578、および読取り/書込みヘッド576も含む。インタフェース・コントローラ520は、ディスク・プラッタ578への/からのデータのアドレス指定およびタイミングを制御する。ディスク・プラッタ578上のデータは、読取り/書込みヘッド・アセンブリ576がディスク・プラッタ578上に適切に位置付けられた際に、このアセンブリによって検出されることが可能な磁気信号のグループから成る。一実施形態において、ディスク・プラッタ578は、垂直記録スキームに従って記録された磁気信号を含む。
【0040】
通常の読取り動作において、読取り/書込みヘッド・アセンブリ576は、ディスク・プラッタ578上の所望されるデータ・トラックの上方にモータ・コントローラ568によって正確に位置付けられる。モータ・コントローラ568は、ハードディスク・コントローラ566の指示の下でディスク・プラッタ578上の適切なデータ・トラックに読取り/書込みヘッド・アセンブリを移動させることによって、ディスク・プラッタ578に対して読取り/書込みヘッド・アセンブリ576を位置付けるとともに、スピンドル・モータ572を駆動する。スピンドル・モータ572は、所定のスピン速度(RPM)でディスク・プラッタ578を回転させる。読取り/書込みヘッド・アセンブリ576が、適切なデータ・トラックに隣接して位置付けられると、ディスク・プラッタ578上のデータを表す磁気信号が、ディスク・プラッタ578がスピンドル・モータ572によって回転させられるにつれ、読取り/書込みヘッド・アセンブリ576によって感知される。感知された磁気信号は、ディスク・プラッタ578上の磁気データを表す連続的な、細かいアナログ信号としてもたらされる。この細かいアナログ信号は、前置増幅器570を介して読取り/書込みヘッド・アセンブリ576から読取りチャネル・モジュール510に転送される。前置増幅器570は、ディスク・プラッタ578からアクセスされる細かいアナログ信号を増幅するように動作可能である。次に、読取りチャネル・モジュール510は、受け取られたアナログ信号を復号し、デジタル化して、ディスク・プラッタ578に最初に書き込まれた情報を再現する。このデータが、読み取られたデータ503として受信回路に供給される。書込み動作は、書込みデータ510が読取りチャネル・モジュール510に供給されて、実質的に前述の読取り動作の逆である。次に、このデータは、符号化されて、ディスク・プラッタ578に書き込まれる。
【0041】
アンカ・ポイント回路および同期標識強制回路は、図1〜図3に関連して前述した回路と同様であることが可能であり、さらに/または図4a〜図4bに関連して前述した回路と同様に動作することが可能である。そのようなアンカ・ポイント回路および同期標識強制回路は、本明細書で説明されるとおり、媒体上の再現可能なロケーションを識別することができ、さらにその再現可能なロケーションを基準としたロケーションに同期標識を強制することができる。
【0042】
結論として、本発明は、記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別するための新規なシステム、デバイス、方法、および構成を提供する。本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明が以上に与えられたが、本発明の趣旨を逸脱することなく、様々な代替形態、変形形態、および均等形態が、当業者には明白となろう。したがって、以上の説明は、添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別する回路であって、
媒体欠陥を識別するように動作可能な媒体欠陥検出器と、
前記媒体欠陥を基準とした再現可能なロケーションを識別するように動作可能なアンカ固定回路とを備える、回路。
【請求項2】
前記媒体欠陥検出器は離散フーリエ変換回路を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記離散フーリエ変換回路は2Tパターンに合わせられる、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記媒体欠陥検出器が、記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを使用して媒体欠陥を識別するように動作可能であり、前記回路がさらに、
前記ロケーションから固定の距離である強制データ同期標識を使用して前記一続きのデータ・サンプルのサブセットを処理するように動作可能なデータ処理回路をさらに備える、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記データ処理回路が収束することに失敗した場合はいつでも強制データ同期標識を繰り返し識別し、前記データ処理回路が収束すると前記強制データ同期標識を格納するように動作可能な同期強制回路をさらに備える、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記記憶媒体からの後の読取りの際に、前記記憶媒体上の復号可能なデータ・セットの先頭を示すように使用可能な強制データ同期標識を格納するデータ・バッファをさらに備える、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記媒体欠陥検出器はプリアンブル終端検出回路を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項8】
記憶媒体上の再現可能なロケーションを識別する方法であって、
記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを受け取り、
前記一続きのデータ・サンプルを使用して前記記憶媒体上の媒体欠陥を識別し、
前記媒体欠陥を基準とした前記記憶媒体上の再現可能であるロケーションを固定する、方法。
【請求項9】
復号可能なデータ・セットの先頭に関する基準として前記ロケーションを使用して、前記一続きのデータ・サンプルのサブセットに復元アルゴリズムを適用する、ことをさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記復号アルゴリズムが収束し、前記方法がさらに、
前記記憶媒体からの後の読取りの際に前記記憶媒体上の復号可能なデータ・セットの先頭を示すように使用可能な、前記ロケーションを示す強制データ同期標識を、メモリの中に格納する、ことをさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ロケーションが第1のロケーションであり、前記方法が、
復号可能なデータ・セットの先頭に関する基準として前記第1のロケーションを使用して、前記一続きのデータ・サンプルの第1のサブセットに、収束することに失敗する復号アルゴリズムを適用し、
前記媒体欠陥を基準とした前記記憶媒体上の再現可能な第2のロケーションを固定し、そして、
前記復号可能なデータ・セットの先頭に関する基準として前記第2のロケーションを使用して、前記一続きのデータ・サンプルの第2のサブセットに前記復号アルゴリズムを適用する、ことをさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のロケーションを使用する前記復号アルゴリズムの適用が収束し、前記方法が、
前記記憶媒体からの後の読取りの際に前記記憶媒体上の前記復号可能なデータ・セットの先頭を示すように使用可能な、前記第2のロケーションを示す強制データ同期標識を、メモリの中に格納する、ことをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のロケーションは前記第1のロケーションと比べて前記媒体欠陥から遠く離れている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記復号アルゴリズムは低密度パリティ検査アルゴリズムである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを受け取ることは、データ・バッファから前記一続きのデータ・サンプルにアクセスすることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記記憶媒体からの情報にアクセスし、そして、
前記情報に基づいて前記一続きのデータ・サンプルを生成する、ことをさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項17】
記憶媒体と、
前記記憶媒体から導き出された一続きのデータ・サンプルを使用して、前記記憶媒体上の媒体欠陥を識別するように動作可能な媒体欠陥検出器と、
前記媒体欠陥を基準とした再現可能なロケーションを識別するように動作可能なアンカ固定回路とを備える、ハードディスク・ドライブ・システム。
【請求項18】
前記媒体欠陥検出器は、離散フーリエ変換回路およびプリアンブル終端検出回路からなるグループから選択された回路を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ロケーションから固定距離である強制データ同期標識を使用して、前記一続きのデータ・サンプルのサブセットを処理するように動作可能なデータ処理回路をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記データ処理回路が収束することに失敗した場合はいつでも強制データ同期標識を繰り返し識別し、前記データ処理回路が収束すると前記強制データ同期標識を格納するように動作可能な同期強制回路をさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記記憶媒体上の前記復号可能なデータ・セットの先頭を示すように前記記憶媒体からの後の読取りの際に使用可能な前記強制データ同期標識を格納するデータ・バッファをさらに備える、請求項20に記載のシステム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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