説明

データ生成装置、データ格納装置、そのプログラムおよび方法

【課題】 固有のデータ形式が要求されるデータのデータ形式の変更に柔軟に対応可能な技術を提供する。
【解決手段】 所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成するデータ生成装置であって、所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得部101と、データ生成用データ取得部101にて取得された複数のデータそれぞれの所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置とデータのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部102と、対応関係情報取得部102にて取得された対応関係情報に基づいて、データ生成用データ取得部101にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元であるデータ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成部103とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のデータテーブルから所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータを生成する技術および所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて複数のデータを所定のデータテーブルに格納させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置において用いられるレシピデータのような、装置毎に固有のデータ保持構造(データ形式)によってデータを保持するデータ(図11参照)を生成する場合、当該データに保持させるべきデータに基づき、その装置専用に作成されたプログラムによって固有のデータ形式のデータを生成していた。また、上述のようなデータに保持されている個々のデータをデータベースに格納する際も、そのデータに対応する装置専用のプログラムによって当該データのデータベースへの格納を行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、新たな装置が追加された場合など、すでに用意されているプログラムでは対応できないような新たなデータ形式を有するデータが必要となった場合、新たなプログラムを作成しなければならなかった。このような新たなプログラムの作成は、工数やコストの増大を招き、扱うデータのデータ形式の変更を柔軟に行う上での障害となっていた。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、固有のデータ形式が要求されるデータのデータ形式の変更に柔軟に対応可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明に係るデータ生成装置は、所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成するデータ生成装置であって、前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得部と、前記データ生成用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、前記対応関係情報取得部にて取得された対応関係情報に基づいて、前記データ生成用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成部とを有することを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明に係るデータ格納装置は、所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させるデータ格納装置であって、前記データに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得部と、前記テーブル格納用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれの前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、前記対応関係情報取得部にて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納部とを有することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明に係るデータ生成プログラムは、所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成する処理をコンピュータに実行させるデータ生成プログラムであって、前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得ステップと、前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係るデータ格納プログラムは、所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させる処理をコンピュータに実行させるデータ格納プログラムであって、前記データに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得ステップと、前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係るデータ生成方法は、所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成するデータ生成方法であって、前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得ステップと、前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成ステップとを有することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係るデータ格納方法は、所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させるデータ格納方法であって、前記データに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得ステップと、前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納ステップとを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上に詳述したように本発明によれば、固有のデータ形式が要求されるデータのデータ形式の変更に柔軟に対応可能な技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態によるデータ生成装置およびデータ格納装置が適用されるシステムの構成について説明するためのシステム構成図である。本実施の形態によるデータ生成装置およびデータ格納装置は、ホストコンピュータHに備えられている。以下、本実施の形態では、扱うデータが半導体製造装置にて利用されるレシピデータである例を挙げて説明する。
【0014】
ホストコンピュータHは、装置インテグレータ9を介して、複数の半導体製造装置301〜30nと通信可能に接続されている。装置インテグレータ9は、各半導体製造装置との間で所定の通信規格に従った通信処理を行うインターフェースとしての役割を有しており、半導体製造装置から所望の情報を取得してホストコンピュータHに送信したり、ホストコンピュータから送信される情報を、所望の半導体製造装置へと送信する役割を有している。
【0015】
また、ホストコンピュータHは、データベース8と通信可能に接続されており、データベース8に格納されているデータの参照やデータベース8への情報の格納等の処理を行うことができるようになっている。
【0016】
図2は、本実施の形態によるデータ生成装置1およびデータ格納装置2について説明するための機能ブロック図である。同図に示すように、本実施の形態におけるホストコンピュータHは、データ生成装置1、データ格納装置2および表示部107を備えている。
【0017】
まず、データ生成装置1の詳細について説明する。本実施の形態によるデータ生成装置1は、データベース8に記憶されているデータ格納テーブル801に格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成する。本実施の形態によるデータ生成装置1は、データ生成用データ取得部101、対応関係情報取得部102、データ生成部103、送信部104、CPU105およびMEMORY106を備えてなる構成となっている。
【0018】
データ生成用データ取得部101は、データベース8に記憶されているデータ格納テーブル801(所定のデータテーブル)に格納されている複数のデータを取得する役割を有している。また、データ生成用データ取得部101は、データにおける所定のデータ保持構造における各データ保持位置を識別するための識別情報もデータとして取得する。
【0019】
対応関係情報取得部102は、データ生成用データ取得部101にて取得された複数のデータそれぞれのデータ格納テーブル801におけるデータ格納位置とデータのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報802をデータベース8から取得する役割を有している。なお、対応関係情報取得部102は、後述の送信部104によってデータを送信する所定の送信先に応じて予め設定されている対応関係情報を取得する。
【0020】
データ生成部103は、対応関係情報取得部102にて取得された対応関係情報802に基づいて、データ生成用データ取得部101にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元であるデータ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成する役割を有している。ここで、例えば所定のデータ保持構造がツリー構造等である場合、データ生成部103は、該ツリー構造における任意のデータ保持位置にて保持される識別情報に、該任意のデータ保持位置の上流に位置するデータ保持位置に設定される識別情報を含ませるようにして設定する。
【0021】
送信部104は、データ生成部103にて生成されたデータを、装置インテグレータ9を介して当該データの送信先である(当該データのデータ形式が適合する)半導体製造装置(所定の送信先)に対して送信する役割を有している。
【0022】
続いて、データ格納装置2の詳細について説明する。本実施の形態によるデータ格納装置2は、所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータをデータベース8に記憶されているデータ格納テーブル801に格納させる。本実施の形態によるデータ格納装置2は、テーブル格納用データ取得部201、対応関係情報取得部202、データ格納部203、CPU105およびMEMORY106を備えてなる構成となっている。
【0023】
テーブル格納用データ取得部201は、データに保持されている複数のデータを半導体製造装置から装置インテグレータ9を介して取得する役割を有している。
【0024】
対応関係情報取得部202は、テーブル格納用データ取得部201にて取得された複数のデータそれぞれのデータのデータ保持構造におけるデータ保持位置とデータ格納テーブル801におけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報802を取得する役割を有している。
【0025】
データ格納部203は、対応関係情報取得部202にて取得された対応関係情報802に基づいて、テーブル格納用データ取得部201にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元であるデータ保持位置に対応するデータ格納位置に格納させる役割を有している。
【0026】
CPU105は、データ生成装置およびデータ格納装置における各種処理を行う役割を有しており、またMEMORY106に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。MEMORY106は、例えばROMやRAM等から構成されており、データ生成装置およびデータ格納装置において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。ここでは、CPU105およびMEMORY106は、データ生成装置1およびデータ格納装置2にて兼用されている構成となっている。
【0027】
表示部107は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等から構成されており、ホストコンピュータHにおける処理結果等を画面表示する役割を有している。
【0028】
図3は、本実施の形態によるデータ生成装置1における処理(データ生成方法)の流れについて説明するためのフローチャートである。ここでは、一例として、データベース8に記憶されているデータ格納テーブル801aに格納されているデータに基づいて、所定のデータ形式のデータを生成する処理を示す(図4参照)。
【0029】
データ生成用データ取得部101は、データ格納テーブル801aに格納されている複数のデータ(レシピ項目情報A,レシピ項目情報B等)を取得する(データ生成用データ取得ステップ)(S101)。ここでのレシピ項目情報とは、半導体製造装置における処理を実行するためのレシピデータに含まれる制御量(温度、圧力、ガス流量、時間、速度、加速度、座標、座標軸など)の値(例えば、「1m」や「100℃」等)を意味する。
【0030】
ここでは、例えばレシピ項目情報Aは座標値に関する情報であり、レシピ項目情報Bは座標軸に関する情報であるものとする。具体的には、IDが1であるレシピ項目情報Aには「1」という値が格納されており、IDが2であるレシピ項目情報Bには「X」という値が格納されており、IDが3であるレシピ項目情報Aには「2」という値が格納されており、IDが4であるレシピ項目情報Bには「2」という値が格納されている。
【0031】
次に、対応関係情報取得部102は、データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれのデータ格納テーブル801におけるデータ格納位置とデータのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する(対応関係情報取得ステップ)(S102)。具体的に、対応関係情報取得部102は、上述のようにして取得した複数のデータから生成されるレシピデータを送信すべき半導体製造装置に応じて予め設定されている対応関係情報を取得する。
【0032】
データベース8には、図5に示すような送信先である半導体製造装置に固有のデータ形式を定義する情報や、図6に示すようなデータ格納テーブル801aにおけるデータ格納位置とレシピデータにおけるデータ保持位置との対応関係を規定した情報が格納されている。ここでは、図4に示すデータ格納テーブルにおける各データ格納位置に付与されているID情報(各データ格納位置をそのデータ格納テーブル内にて一意に識別するためのID情報)、図5に示すデータ形式を定義する定義用マスタ情報(テンプレート)および図6に示す対応関係定義テーブルが、対応関係情報に相当する。
【0033】
データ生成部103は、対応関係情報取得ステップにて取得された定義用マスタ情報に基づいて、生成すべきデータのデータ構造を認識し、各データに対応付けられていたID情報と対応関係定義テーブルによって、データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元であるデータ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、所望のデータ形式のデータを生成する(データ生成ステップ)(S103)。
【0034】
レシピデータを半導体製造装置に対して送信する場合に、送信先の半導体製造装置の通信仕様によっては、1個若しくは複数個のレシピ項目情報毎にユニークな識別情報(所定のデータ保持構造における各データ保持位置を識別するための識別情報)を付加して送信する必要がある。データ生成部103は、上述の定義用マスタ情報に基づいてレシピ項目毎に算出される識別情報(ここでは番号)を取得し、これらレシピ項目に対応付けて設定する。
【0035】
ここでは、例えば図5で示した定義用マスタ情報における「レシピ構造情報」と「レシピ項目情報」について、それぞれに識別情報を付与するためのID番号(当該レシピ項目情報をデータのデータ構造の中で一意に識別するために用いる番号)を設定している。データ生成用データ取得部101は、これら「レシピ構造情報」と「レシピ項目情報」に設定されているID番号を取得する。データ生成部103は、ツリー構造のデータ保持構造における任意のデータ保持位置にて保持される識別情報(ID番号)に、該任意のデータ保持位置の上流に位置するデータ保持位置に設定される識別情報(ID番号)を加算したものを識別情報とする。図4に示すように、例えば、「1」という値を保持しているレシピ項目情報Aの識別情報は、レシピ項目情報Aよりも上流に位置する「レシピ構造情報a0」のIDの値「100」と、「レシピ構造情報a1」のIDの値「10」と、レシピ項目情報A自体のIDの値「1」とを合算した値「111」となる。
【0036】
このように、任意のデータ保持位置の上流に位置する階層に対応付けられている識別情報を当該任意のデータ保持位置の識別情報に含ませる構成とすることにより、図5に示すように、定義情報のデータ容量の増大を抑えるために同じレシピ項目情報を共有するようなデータ構造の定義を行う場合でも、データ内における各データ保持位置を一意に識別することが可能となる。
【0037】
なお、図4では、レシピデータにおける各レシピ項目情報に対応付けて設定される識別情報が、上流に位置する項目の識別情報を「加算」したものである例を挙げたが、図7に示すように、レシピデータにおける各レシピ項目情報に対応付けて設定される識別情報を、上流に位置する項目の識別情報と「文字列として結合」したものとしてもよい。例えば、「1」という値を保持しているレシピ項目情報Aの識別情報は、レシピ項目情報Aよりも上流に位置する「レシピ構造情報a0」のIDの値「100」と、「レシピ構造情報a1」のIDの値「10」と、レシピ項目情報A自体のIDの値「1」とを文字列として結合した「100101」となる。このような識別情報を各レシピ項目情報に対応付けて設定する構成とすることで、上述の「加算」処理を行う場合と同様に、データ内における各データ保持位置を一意に識別することが可能となる。
【0038】
また、図7に示すように、レシピ項目情報に設定する識別情報を文字列として結合する場合、「レシピ構造情報」と「レシピ項目情報」に対応付けて設定するID情報を例えばアルファベット等の文字とすることにより、各レシピ項目情報に対応付ける識別情報を、文字列とすることもできる。これにより、定義用マスタ情報における「レシピ構造情報」と「レシピ項目情報」との関連を示すような項目名を生成することが可能となる。
【0039】
また、レシピデータにおける各レシピ項目情報に識別情報を付加してデータを生成することにより、他システムと連携した場合に、付加番号を取得条件とすることで他システム側から個々のレシピ項目情報を特定することが可能となる。
【0040】
送信部104は、データ生成ステップにて生成されたデータを所定の送信先に対して送信する(送信ステップ)(S104)。図8は、送信部104によって所望の半導体製造装置へ向けて送信されるレシピデータの詳細を示す図である。同図に示すように、上述のデータ生成ステップにて各レシピ項目情報に対応付けて設定された識別情報を付加番号(当該半導体製造装置にて各レシピ項目情報を識別するための情報)とし、当該付加番号(例えば、「111」)にその付加番号が対応するレシピ項目情報の値(例えば、「1」)を対応付けて送信する。
【0041】
図9は、本実施の形態によるデータ格納装置における処理(データ格納方法)の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0042】
テーブル格納用データ取得部201は、半導体製造装置から送信されるレシピデータを装置インテグレータ9を介して受信し、当該レシピデータに保持されている複数のデータ(各レシピ項目情報の値)を取得する(テーブル格納用データ取得ステップ)(S201)。
【0043】
対応関係情報取得部202は、テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれのデータのデータ保持構造におけるデータ保持位置とデータ格納テーブル801におけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する(対応関係情報取得ステップ)(S202)。ここでは、取得されるレシピデータにおける各レシピ項目情報に対応付けられている識別情報(図5および図8参照)、図5に示すデータ形式を定義する定義用マスタ情報(テンプレート)および図6に示す対応関係定義テーブルが、対応関係情報に相当する。
【0044】
データ格納部203は、対応関係情報取得ステップにて取得された各レシピ項目情報の値に対応付けて設定されている識別情報と定義用マスタ情報に基づいて、取得された各レシピ項目情報のレシピデータにおけるデータ保持位置を認識し、対応関係定義テーブルによって、テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元であるデータ保持位置に対応するデータ格納位置に格納させる(データ格納ステップ)(S203)。なお、本実施の形態では、データベース8に記憶されているデータテーブルに対してデータを格納させる構成としているが、結果としてテーブル格納用データ取得ステップにて取得されたデータを、所定のデータテーブルに対して格納する処理を行っていればよく、当該データテーブルが何処に記憶されているかは問わない。
【0045】
上述のデータ生成方法およびデータ格納方法での処理における各ステップは、MEMORY106に格納されているデータ生成プログラムおよびデータ格納プログラムをCPU105に実行させることにより実現されるものである。
【0046】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0047】
図10は、表示部107における画面表示の一例を示す図である。同図に示すように、定義用マスタ情報から認識されたレシピデータにおけるデータ保持構造を「データ構造の表示」の欄にツリー表示し、当該ツリー表示された各レシピ項目情報のうち選択された項目に対応するデータ格納テーブルに格納されているデータを「データ内容の表示」の欄に表示する構成となっている。このように、レシピデータのデータ保持構造と、各レシピ項目情報の値を対応付けて表示するようにすることにより、視覚的にデータ構造の内容が認識できるという効果を奏する。
【0048】
なお、上述の実施の形態では、データがレシピデータである例を挙げたが、これに限られるものではなく、所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータやデータファイルであれば適用可能であることは言うまでもない。
【0049】
また、上述の実施の形態では、データ格納テーブルおよび対応関係情報が、ホストコンピュータHの外部に設置されているデータベース8に格納されている例を挙げたが、これに限られるものではなく、例えばホストコンピュータH内の記憶領域に格納するようにしてもよい。また、データ格納テーブルと対応関係情報は、必ずしも同じ記憶領域内に格納されている必要はなく、結果としてデータ生成用データ取得部および対応関係情報取得部にて取得可能となっていればよい。
【0050】
以上、本実施の形態によれば、データ構造の定義にあたってプログラムハードコーディングではなく、「マスタ情報」と「定義情報テーブル」を参照しているので、新たな構造定義が必要となった場合(新たな機種が追加された場合)でも、プログラム改造を行うことなく定義が出来る為、開発作業量の減少が見込めるという効果を奏する。
【0051】
また、この他の一例として、本実施の形態によれば、所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータファイル(或いは特定データ、特殊データ)を生成するファイル生成装置であって、前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するファイル生成用データ取得部と、前記ファイル生成用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データファイルのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、前記対応関係情報取得部にて取得された対応関係情報に基づいて、前記ファイル生成用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データファイルを生成するファイル生成部とを有することを特徴とするファイル生成装置を提供することも可能である。また、上述のようなファイル生成装置において、前記ファイル生成部にて生成されたデータファイルを所定の送信先に対して送信する送信部を有し、前記対応関係情報取得部は、前記所定の送信先に応じて予め設定されている対応関係情報を取得することを特徴とすることもできる。また、上述のようなファイル生成装置において、前記ファイル生成用データ取得部は、前記所定のデータ保持構造における各データ保持位置を識別するための識別情報をデータとして取得することを特徴とすることもできる。また、上述のようなファイル生成装置において、前記所定のデータ保持構造はツリー構造であり、前記ファイル生成部は、該ツリー構造における任意のデータ保持位置にて保持される識別情報に、該任意のデータ保持位置の上流に位置するデータ保持位置に設定される識別情報を含ませて設定することを特徴とすることもできる。また、本実施の形態によれば、所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータファイルに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させるデータ格納装置であって、前記データファイルに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得部と、前記テーブル格納用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれの前記データファイルのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、前記対応関係情報取得部にて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納部とを有することを特徴とすることができる。
【0052】
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態によるデータ生成装置およびデータ格納装置が適用されるシステムの構成について説明するためのシステム構成図である。
【図2】本実施の形態によるデータ生成装置1およびデータ格納装置2について説明するための機能ブロック図である。
【図3】本実施の形態によるデータ生成装置1における処理(データ生成方法)の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施の形態におけるデータ生成方法およびデータ格納方法について説明するための図である。
【図5】定義用マスタ情報について説明するための図である。
【図6】対応関係定義テーブルについて説明するための図である。
【図7】各レシピ項目情報に対応付ける識別情報を「文字列の結合」により得る方法について説明するための図である。
【図8】送信部104によって所望の半導体製造装置へ向けて送信されるレシピデータの詳細を示す図である。
【図9】本実施の形態によるデータ格納装置における処理(データ格納方法)の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図10】表示部107における画面表示の一例を示す図である
【図11】従来のレシピデータの生成およびレシピデータのデータベースへの格納方法について説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
101 データ生成用データ取得部、102 対応関係情報取得部、103 データ生成部、104 送信部、105 CPU、106 MEMORY、107 表示部、201 テーブル格納用データ取得部、202 対応関係情報取得部、203 データ格納部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成するデータ生成装置であって、
前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得部と、
前記データ生成用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、
前記対応関係情報取得部にて取得された対応関係情報に基づいて、前記データ生成用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成部と
を有することを特徴とするデータ生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ生成装置において、
前記データ生成部にて生成されたデータを所定の送信先に対して送信する送信部を有し、
前記対応関係情報取得部は、前記所定の送信先に応じて予め設定されている対応関係情報を取得することを特徴とするデータ生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ生成装置において、
前記データ生成用データ取得部は、前記所定のデータ保持構造における各データ保持位置を識別するための識別情報をデータとして取得することを特徴とするデータ生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ生成装置において、
前記所定のデータ保持構造はツリー構造であり、
前記データ生成部は、該ツリー構造における任意のデータ保持位置にて保持される識別情報に、該任意のデータ保持位置の上流に位置するデータ保持位置に設定される識別情報を含ませて設定することを特徴とするデータ生成装置。
【請求項5】
所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させるデータ格納装置であって、
前記データに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得部と、
前記テーブル格納用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれの前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得部と、
前記対応関係情報取得部にて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得部にて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納部と
を有することを特徴とするデータ格納装置。
【請求項6】
所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成する処理をコンピュータに実行させるデータ生成プログラムであって、
前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得ステップと、
前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、
前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ生成プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ生成プログラムにおいて、
前記データ生成ステップにて生成されたデータを所定の送信先に対して送信する送信ステップを有し、
前記対応関係情報取得ステップは、前記所定の送信先に応じて予め設定されている対応関係情報を取得することを特徴とするデータ生成プログラム。
【請求項8】
請求項6に記載のデータ生成プログラムにおいて、
前記データ生成用データ取得ステップは、前記所定のデータ保持構造における各データ保持位置を識別するための識別情報をデータとして取得することを特徴とするデータ生成プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のデータ生成プログラムにおいて、
前記所定のデータ保持構造はツリー構造であり、
前記データ生成ステップは、該ツリー構造における任意のデータ保持位置にて保持される識別情報に、該任意のデータ保持位置の上流に位置するデータ保持位置に設定される識別情報を含ませて設定することを特徴とするデータ生成プログラム。
【請求項10】
所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させる処理をコンピュータに実行させるデータ格納プログラムであって、
前記データに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得ステップと、
前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、
前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ格納プログラム。
【請求項11】
所定のデータテーブルに格納されている複数のデータに基づいて、所定のデータ保持構造により該複数のデータを保持するデータを生成するデータ生成方法であって、
前記所定のデータテーブルに格納されている複数のデータを取得するデータ生成用データ取得ステップと、
前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置と前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、
前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記データ生成用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ格納位置に対応するデータ保持位置に設定し、データを生成するデータ生成ステップと
を有することを特徴とするデータ生成方法。
【請求項12】
請求項11に記載のデータ生成方法において、
前記データ生成ステップにて生成されたデータを所定の送信先に対して送信する送信ステップを有し、
前記対応関係情報取得ステップは、前記所定の送信先に応じて予め設定されている対応関係情報を取得することを特徴とするデータ生成方法。
【請求項13】
請求項11に記載のデータ生成方法において、
前記データ生成用データ取得ステップは、前記所定のデータ保持構造における各データ保持位置を識別するための識別情報をデータとして取得することを特徴とするデータ生成方法。
【請求項14】
請求項13に記載のデータ生成方法において、
前記所定のデータ保持構造はツリー構造であり、
前記データ生成ステップは、該ツリー構造における任意のデータ保持位置にて保持される識別情報に、該任意のデータ保持位置の上流に位置するデータ保持位置に設定される識別情報を含ませて設定することを特徴とするデータ生成方法。
【請求項15】
所定のデータ保持構造により複数のデータを保持するデータに基づいて、該複数のデータを所定のデータテーブルに格納させるデータ格納方法であって、
前記データに保持されている複数のデータを取得するテーブル格納用データ取得ステップと、
前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれの前記データのデータ保持構造におけるデータ保持位置と前記所定のデータテーブルにおけるデータ格納位置との対応関係を規定した対応関係情報を取得する対応関係情報取得ステップと、
前記対応関係情報取得ステップにて取得された対応関係情報に基づいて、前記テーブル格納用データ取得ステップにて取得された複数のデータそれぞれを該データの取得元である前記データ保持位置に対応する前記データ格納位置に格納させるデータ格納ステップと
を有することを特徴とするデータ格納方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−334464(P2007−334464A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163015(P2006−163015)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)