説明

データ管理装置、データ管理システム、及びデータ管理プログラム

【課題】ユーザの利便性を向上できるデータ管理装置、データ管理システム、及びデータ管理プログラムを提供する。
【解決手段】データ管理装置100は、データの格納先を表す格納先情報と、格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶部110を備える。また、データ管理装置100は、受信されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて検索された第1説明情報と対応付けられた1又は複数の格納先情報から、検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる1又は複数の格納情報を、受信されたデータを格納する格納先の候補を表す格納先候補情報として送信する送信部140をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理装置、データ管理システム、及びデータ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、G4プロトコルなどに従って受信されたFAX画像の送信元電話番号に基づいて当該FAX画像を格納するフォルダを決定し、決定された格納先フォルダに対して当該FAX画像を格納する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−162436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の技術では、送信元電話番号に基づいてデータを登録するフォルダを決定するので、送信されるデータの内容に応じて格納先フォルダを変更するためには、ユーザがデータの内容を確認したり、データの格納先を指定する必要がある。このため、ユーザの利便性が低いという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザの利便性を向上できるデータ管理装置、データ管理システム、及びデータ管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るデータ管理装置は、
データの格納先を表す格納先情報と、前記格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段と、
データを受信する受信手段と、
前記受信されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を前記記憶手段から検索した後に、前記検索された第1説明情報と対応付けて前記記憶手段が記憶する1又は複数の前記格納先情報を検索する第1検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報から、前記検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる格納先情報を1又は複数検索する第2検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報を、前記受信されたデータを格納する格納先の候補を表す格納先候補情報として送信する送信手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
また、第1の観点に係るデータ管理装置において、
前記受信手段は、前記受信されたデータを検索するために用いられるキーワードを表す情報を、さらに受信し、
前記第1検索手段は、
前記キーワードを表す情報が受信されると、前記キーワードに基づいて生成された第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を検索し、
前記キーワードを表す情報が受信されないと、前記受信されたデータから抽出された第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を検索する、
としても良い。
【0008】
また、第1の観点に係るデータ管理装置において、
前記送信手段は、前記検索された第1説明情報の説明と、前記格納先候補情報で表される格納先候補に格納された1又は複数の格納データとの一致度を、前記格納先候補情報で表される格納先候補が前記受信されたデータの正しい格納先であると予想される程度を表す指標とし、当該一致度を表す情報を前記格納先候補情報に関連付けて送信する、
としても良い。
【0009】
また、第1の観点に係るデータ管理装置において、
前記受信手段は、前記受信されたデータを格納する格納先を指定する格納先指定情報を、さらに受信し、
前記第1検索手段は、前記検索された第1説明情報の説明と、前記受信された格納先指定情報で指定される格納先に格納された1又は複数の格納データとの一致度が前記所定値よりも小さい場合に、前記1又は複数の前記格納先情報を検索する、
としても良い。
【0010】
また、第1の観点に係るデータ管理装置において、
前記記憶手段は、前記受信されたデータを一時的に記憶する一時記憶領域を有し、
前記送信された1又は複数の格納先候補の内で、前記データの格納先として選択された格納先候補へ、前記一時記憶領域に記憶されたデータを移動させる移動手段と、
前記選択された格納先候補を表す選択格納先情報と、前記選択された格納先候補に格納されたデータを識別する識別情報とを対応付けて前記記憶手段へ保存する保存手段と、をさらに備え、
前記受信手段は、格納を取り消すデータを指定する取消データ指定情報を、さらに受信し、
前記取消データ指定情報が受信された場合に、
前記移動手段は、前記取消データ指定情報で指定されたデータを、当該データを識別する識別情報と対応付けて前記記憶部に保存された情報で表される格納先から前記一時記憶領域へ移動させ、
前記第2検索手段は、前記移動させられたデータに対する前記1又は複数の前記格納先情報を再検索し、
前記送信手段は、前記再検索された1又は複数の格納情報を送信する、
としても良い。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るデータ管理システムは、
データの格納先を表す格納先情報と、前記格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段と、
データを入力する入力手段と、
前記入力されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を前記記憶手段から検索した後に、前記検索された第1説明情報と対応付けて前記記憶手段が記憶する1又は複数の前記格納先情報を検索する第1検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報から、前記検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる格納先情報を1又は複数検索する第2検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報で表される格納先を、前記入力されたデータを格納する格納先の候補として表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るデータ管理プログラムは、
コンピュータを、
データの格納先を表す格納先情報と、前記格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段、
データを受信する受信手段、
前記受信されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を前記記憶手段から検索した後に、前記検索された第1説明情報と対応付けて前記記憶手段が記憶する1又は複数の前記格納先情報を検索する第1検索手段、
前記検索された1又は複数の格納先情報から、前記検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる格納先情報を1又は複数検索する第2検索手段、
前記検索された1又は複数の格納先情報を、前記受信されたデータを格納する格納先の候補を表す格納先候補情報として送信する送信手段、として機能させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るデータ管理装置、データ管理システム、及びデータ管理プログラムによれば、ユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るデータ管理システムの一構成例を表すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデータ管理装置の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図3】データ管理装置が実行するデータ格納処理の一例を表すフローチャートである。
【図4】(a)は、データ管理装置が発揮する機能の一例を表す機能ブロック図である。(b)は、記憶部が有する記憶領域の一例を表す図である。(c)は、記憶部に記憶されたファイルを分類するフォルダの一例を表す図である。
【図5】受信データの説明情報の一例を表す図である。
【図6】(a)は、フォルダ格納データの説明情報テーブルの一例を表す図である。(b)は、ファイル格納データの説明情報テーブルの一例を表す図である。
【図7】リカバリ情報テーブルの一例を表す図である。
【図8】(a)は、ログイン画面の一例を表す図である。(b)は、データ登録画面の一例を表す図である。(c)は、登録先候補表示画面の一例を表す図である。(d)は、リカバリ候補表示画面の一例を表す図である。
【図9】データ管理装置が実行する格納先候補検索処理の一例を表すフローチャートである。
【図10】データ管理装置が実行するリカバリ処理の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ説明する。
【0016】
本発明の実施例に係るデータ管理システム1は、文書を表す電子ファイル(以下単に、ファイルという)をフォルダに格納し、フォルダに格納されたファイルを管理する。尚、データ管理システム1が管理するデータは、文書を表す文書ファイルに限定される訳ではなく、画像ファイル、音楽ファイル、映像ファイル、プログラムファイル、及びデータファイルであっても良い。また、データ管理システム1が管理するデータは、ファイルとして記憶されたデータに限られない。このため、データ管理システム1は、ファイルの形式で表されていないデータをファイルに格納し、ファイルに格納されたデータをさらに管理する。
【0017】
図1に示すように、データ管理システム1は、コンピュータ通信網10(以下単に、通信網10という)と、本発明のデータ管理装置100と、端末装置201、端末装置201に接続された入力装置211及び表示装置221、並びに端末装置202、端末装置202に接続された入力装置212及び表示装置222とで構成される。端末装置201及び202と、入力装置211及び212と、表示装置221及び222とは、それぞれ同様の構成を有するため、以下、端末装置201、入力装置211、及び表示装置221について主に説明する。
【0018】
通信網10は、例えば、インターネットで構成される。通信網10は、LAN(Local Area Network)又は公衆回線網であっても良い。
【0019】
データ管理装置100について説明する前に、端末装置201、入力装置211、及び表示装置221について説明する。
端末装置201は、例えば、キーボードなどの入力装置211と、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置221とに接続したパーソナル・コンピュータで構成される。端末装置201に接続する入力装置211は、ユーザに操作されて、操作に応じた各種の信号を端末装置201に入力する。端末装置201は、入力装置211によって入力された各種の信号に応じて、各種のデータや各種の情報を生成し、生成したデータ又は情報をデータ管理装置100へ送信する。その後、端末装置201は、データ管理装置100から返信された情報を受信し、受信された情報に基づいて表示装置221に各種の画像を表示させる。尚、端末装置201のハードウェア構成は、後述するデータ管理装置100のハードウェア構成と同様であるので説明を省略する。
【0020】
データ管理装置100は、ウェブサーバソフトウェアをインストールされたサーバ機である。データ管理装置100は、端末装置201からデータを受信すると、受信されたデータを格納する格納先の候補(以下、格納先候補という)を表す情報(以下、格納先候補情報という)を端末装置201へ返信する。
【0021】
データ管理装置100は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory)100c、ハードディスク100d、メディアコントローラ100e、LANカード(Local Area Network)100f、ビデオカード100g、LCD(Liquid Crystal Display)100h、キーボード100i、スピーカ100j、及びマウス100kで構成される。
【0022】
CPU100aは、ROM100b又はハードディスク100dに保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、データ管理装置100の全体制御を行う。RAM100cは、CPU100aによるプログラムの実行時において、処理対象とする情報(つまり、データ)を一時的に記憶する。
【0023】
ハードディスク100dは、各種の情報(つまり、データ)を保存した表(つまり、テーブル)を記憶する。尚、データ管理装置100は、ハードディスク100dの代わりに、フラッシュメモリを備えても良い。
【0024】
メディアコントローラ100eは、フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)(登録商標)を含む記録媒体から各種のデータ及びプログラムを読み出す。
【0025】
LANカード100fは、通信網10を介して接続する端末装置201及び202との間でデータを送受信する。キーボード100i及びマウス100kは、ユーザの操作に応じた信号又は情報を入力する。
【0026】
ビデオカード100gは、CPU100aから出力されたデジタル信号に基づいて画像を描画(つまり、レンダリング)すると共に、描画された画像を表す画像信号を出力する。LCD100hは、ビデオカード100gから出力された画像信号に従って画像を表示する表示装置である。なお、データ管理装置100は、LCD100hの代わりに、PDP(Plasma Display Panel)又はEL(Electroluminescence)ディスプレイを備えても良い。スピーカ100jは、CPU100aから出力された信号に基づいて音声を出力する。
【0027】
データ管理装置100のCPU100aは、図2のハードウェアを用いて、図3(a)に示すようなデータ格納処理を実行することで、図4(a)の検索部130、移動部150、更新部160、及び保存部170として機能する。また、CPU100aは、図2のハードディスク100dと協働して記憶部110として機能する。さらに、CPU100aは、図2のLANカード100fと協働して受信部120及び送信部140として機能する。尚、検索部130は、第1検索部130aと第2検索部130bとで構成されている。
【0028】
図4(a)の記憶部110が有する記憶領域は、図4(b)に示すような一時記憶領域110aと、長期記憶領域100bとで構成されている。一時記憶領域110aには、端末装置201又は202から受信されたデータが長期記憶領域110bに格納されるまでの期間に限って(つまり、一時的に)記憶される。長期記憶領域110bには、データが格納されてからデータの削除を指示する情報又はデータの格納を取り消すように指示する情報を端末装置201又は202から受信するまでの間(つまり、一時記憶領域110bにデータが記憶される平均期間よりも長い期間)に亘ってデータが記憶される。
【0029】
尚、一時記憶領域110aと、長期記憶領域100bとは、それぞれ一時的にデータを格納するフォルダと、長期にデータを格納するフォルダという別個のフォルダであっても良いし、一時的にデータを格納するあるハードディスクの記憶領域と、長期にデータを格納する他のハードディスクの記憶領域という別個のハードディスクの記憶領域であっても良い。
【0030】
一時記憶領域110aに記憶された受信データは、例えば、文書を表すデータ部分と、メタ情報のような当該受信データ自身を説明する説明情報を表すデータ部分とで構成される。受信データの説明情報は、図5に示すように、受信データの説明内容を表す情報と、説明事項の種別を表す情報とで構成される。具体的には、受信データの説明情報は、例えば、マイクロソフト社の製品であるワードを用いて作成されたワードファイルのプロパティ情報を含む。つまり、図5の説明情報は、ワードファイルのタイトル(つまり、表題)が「○○カメラ」であること、所有者が「佐藤太郎」であること、カバータイトル(つまり、表示表題)が「機能仕様書」であることを表す。また、説明情報は、プロパティ情報に限定される訳ではなく、例えば、端末装置201に文書ファイルを送信させたユーザのログインIDが「U0001」であることを表す情報や、文書ファイルのファイル名が「○○カメラ 機能仕様書 第1版.doc」であることを表す情報をさらに含む。
【0031】
尚、これらの説明情報は、説明するデータを格納する格納先の照会(つまり、検索)に用いられるため、照会情報とも称される。また、説明事項の種別は、これらに限定される訳ではなく、例えば、件名、コメント、作成者、前回保存者、保存日時、ページ数、単語数、及び文書の言語を含んでも良い。
【0032】
長期記憶領域110bに記憶された1又は複数のファイルは、1又は複数のフォルダに分類されて保存されている。本実施形態においては、図4(c)に示すように、ユーザが開発する製品の名称を有する複数のフォルダに、それぞれの製品開発のために作成された複数の文書ファイルが格納されている。このように、複数のファイルは、それぞれのファイルが表す内容に基づいて分類されて各フォルダに格納されることが多い。例えば、同一製品の開発状況を表す複数のファイルは、それぞれのファイルで表される内容が同一、類似、又は関連しているので、それぞれ同じフォルダに格納される。
【0033】
長期記憶領域110bには、図6(a)に示すような、フォルダに格納されたデータ(以下、フォルダ格納データという)を説明する説明情報が保存された説明情報テーブルが記憶されている。尚、本明細書において、フォルダ又はファイルなどの格納先に格納されたデータを説明する説明情報を第1説明情報といい、データ管理装置100で受信されたデータを説明する説明情報を第2説明情報という。
【0034】
図6(a)に示すフォルダ格納データの説明情報テーブルには、フォルダを識別する情報(以下、フォルダIDという)と、当該フォルダに格納された1又は複数のフォルダ格納データの説明を表す説明情報(つまり、第1説明情報)と、当該説明が当該フォルダに格納された1又は複数のフォルダ格納データに一致する程度である一致度を表す一致度情報とが対応付けられた情報が保存されている。尚、一致度は、値が大きいほど、一致の程度が大きい。
【0035】
ここで、図6(a)の説明情報は、対応付けられたフォルダIDで識別されるフォルダに格納された1又は複数のフォルダ格納データの説明内容を表す情報と、説明事項の種別を表す情報とで構成される。具体的には、図6(a)の説明情報は、フォルダID「FD001」で識別されるフォルダにタイトルの一部又は全部が「○○カメラ」であるファイルが「80%」格納されていることを表す。つまり、フォルダID「FD001」で識別されるフォルダに格納されたファイルの総数が「10」個であれば、当該フォルダには、タイトルの少なくとも一部が「○○カメラ」であるファイルが「8」個格納されている。同様に、図6(a)の説明情報は、フォルダID「FD001」で識別されるフォルダに、ファイル名の少なくとも一部が「機能仕様書」であるファイルが「80%」格納されていることを表す。これに対して、この説明情報は、フォルダID「FD002」で識別されるフォルダには、ファイル名の少なくとも一部が「機能仕様書」であるファイルが「10%」しか格納されていないことを表す。
【0036】
長期記憶領域110bには、図6(b)に示すような、ファイルに格納されたデータ(以下、ファイル格納データという)を説明する説明情報が保存された説明情報テーブルが、さらに記憶されている。尚、ファイル格納データは、ファイルという格納先に格納されたデータであるので、ファイル格納データを説明する説明情報は第1説明情報である。
【0037】
図6(b)に示すファイル格納データの説明情報テーブルには、ファイルを識別する情報(以下、ファイルIDという)と、当該ファイルに格納された1又は複数のファイル格納データの説明を表す説明情報(つまり、第1説明情報)と、当該説明が当該ファイルに格納された1又は複数のファイル格納データに一致する程度である一致度を表す一致度情報とが対応付けられた情報が保存されている。
【0038】
図6(b)の説明情報は、対応付けられたファイルIDで識別されるファイルに格納された1又は複数のファイル格納データの説明内容を表す情報と、説明事項の種別を表す情報とで構成される。具体的には、図6(b)の説明情報は、ファイルID「FL001」で識別されるファイルに格納された製品名を表すデータの内で、「○○カメラ」を表すデータが全体の「90%」を占めることを表す。つまり、ファイルID「FL001」で識別されるファイルに格納された製品名を表すデータの総数が「10」個であれば、製品名「○○カメラ」を表すデータが「9」個格納されている。これに対して、図6(b)の説明情報は、ファイルID「FL002」で識別されるファイルには、格納された製品名を表すデータの内で、「○○カメラ」を表すデータが「10%」しか格納されていないことを表す。
【0039】
長期記憶領域110bには、データのリカバリに用いられるリカバリ情報が保存された、図7に示すようなリカバリ情報テーブルが記憶される。尚、データのリカバリとは、データを格納前の状態又は格納前の状態に近い状態に回復させることを含む。データを格納前の状態に回復させるとは、ある格納先に格納されたデータを当該格納先に格納する前の格納場所へ移動させることを含む。図7のリカバリ情報テーブルには、ユーザがログインするために用いたユーザID(以下、ログインIDという)と、ユーザの操作に応じてデータが格納先に格納(つまり、登録)された日時を表す情報と、格納されたデータの名称を表す情報と、データの格納先を表す情報(格納先を識別するID及びディレクトリパスを用いて格納先を表す情報を含む)とを対応付けたリカバリ情報が保存されている。
【0040】
尚、リカバリ情報は、データの格納元(つまり、データを格納先に移動させる前に当該データが格納されていたファイル又はディレクトリ)を表す情報がさらに対応付けられていても良い。ここで、データがファイル形式で表されている場合には、データの名称を表す情報はファイル名を表す。また、格納先がフォルダである場合には、格納先を表す情報はフォルダIDを含み、格納先がファイルである場合には、格納先を表す情報はファイルIDを含む。
【0041】
図3のデータ格納処理が開始されると、図4の検索部130は、記憶部110から、図8(a)に示すようなログイン画面を表す情報を取得する。その後、送信部140は、検索部130によって取得された情報を端末装置201へ送信する。
【0042】
端末装置201は、受信した情報で表されるログイン画面を、図1の表示装置221に表示させる。次に、端末装置201に接続する入力装置211は、ユーザの操作に従って、ユーザを識別する情報(つまり、ユーザID)と、パスワードを表す情報(以下、パスワード情報という)とを端末装置201に入力する。その後、端末装置201は、入力されたユーザIDとパスワード情報とを対応付けてデータ管理装置100へ返信する。
【0043】
データ管理装置100の受信部120は、端末装置201からユーザIDと、パスワード情報とを受信する。その後、検索部130は、受信されたユーザIDに対応付けて予め記憶されているパスワード情報を記憶部110から検索した後に、検索されたパスワード情報と、受信されたパスワード情報とが一致するか否かに基づいてユーザ認証を行う(図3のステップS01)。
【0044】
次に、検索部130は、端末装置201のユーザがユーザ認証をクリアしたか否かを判別する(ステップS02)。このとき、検索部130は、ユーザがユーザ認証をクリアしない(つまり、検索されたパスワード情報と、受信されたパスワード情報とが一致しない)と判別すると(ステップS02;No)、データ格納処理の実行を終了する。
【0045】
これに対して、検索部130は、ユーザがユーザ認証をクリアした(つまり、検索されたパスワード情報と、受信されたパスワード情報とが一致する)と判別すると(ステップS02;Yes)、図8(b)に示すデータ登録画面を表す情報を記憶部110から取得する。その後、送信部140は、取得されたデータ登録画面を表す情報を端末装置201へ送信する。
【0046】
端末装置201に接続する表示装置221は、端末装置201によって受信された情報で表されるデータ登録画面を表示する。また、表示装置221は、端末装置201に保存されたデータを表すアイコン画像を表示している。ユーザは、入力装置211を操作することで、表示装置221に表示されたアイコン画像をドラッグし、図8(b)のデータ登録画面における所定の領域ADにドロップする。その後、端末装置201は、ドロップされたアイコン画像で表されるデータをデータ管理装置100へ送信する。
【0047】
その後、受信部120は、端末装置202からドロップされたアイコン画像で表されるデータを受信する(図3のステップS03)。次に、保存部170は、ステップS03で受信されたデータを、図4(b)の一時記憶領域110aに保存する(ステップS04)。その後、検索部130は、一時記憶領域110aに保存されたデータを格納する格納先の候補(つまり、格納先候補)を検索する、図9に示すような格納先候補検索処理を実行する(ステップS05)。
【0048】
図9の格納先候補検索処理を開始すると、データを格納する格納先の種別がフォルダであるかファイルであるかを表す情報(以下、格納先種別情報という)と、送信されたデータを説明するワードであって、格納先候補を検索するために用いられるキーワードを表す情報(以下、キーワード情報という)を送信するように求めるリクエストを端末装置201へ送信する(ステップS21)。
【0049】
その後、端末装置201は、リクエストを受信すると、図1の表示装置221に、格納先の種別及びキーワードを入力するように促すメッセージを表示させる。表示装置221の表示を確認したユーザは、ドロップされたアイコン画像で表されるデータを格納する格納先の種別がフォルダであるかファイルであるかを入力装置211に入力させてもさせなくても良い。同様に、ユーザは、キーワードを入力装置211に入力させてもさせなくても良い。その後、端末装置201は、必要に応じて格納先種別情報及びキーワード情報をデータ管理装置100へ送信する。
【0050】
図9のステップS21の後に、受信部120は、必要に応じて格納先種別情報及びキーワード情報を受信する(ステップS22)。その後、検索部130の第1検索部130aは、キーワード情報が受信されたか否かを判別する(ステップS23)。このとき、キーワード情報が受信されなかったと判別する場合には(ステップS23;No)、第1検索部130aは、図4(b)の一時記憶領域110aに記憶された受信データから説明情報を抽出する(ステップS24)。具体的には、第1検索部130aは、受信データのプロパティから、上記のようなメタ情報を説明情報として抽出する。また、第1検索部130aは、例えば、「製品名」や「人名」などの単語を表す情報と、単語の種別を表す情報とを対応付けた辞書情報を用いて、受信データが表す文書から説明情報を抽出する。
【0051】
ステップS23において、キーワード情報が受信されたと判別する場合(ステップS23;Yes)、キーワード情報で表されるキーワードに基づいて受信データの説明情報を生成する(ステップS25)。
【0052】
具体例として、第1検索部130aは、格納先種別情報が受信されなかった場合には、デフォルトで格納先の種別をフォルダとする。このため、第1検索部130aは、格納先種別情報が受信されなかった場合又は受信された格納先種別情報が表す格納先の種別がフォルダである場合に、説明事項の種別をファイル名とし、説明内容をキーワードとする説明情報を生成する。ファイル名がキーワードと同一又は類似のファイルが格納されたフォルダを、受信データの格納先候補とするためである。これに対して、第1検索部130aは、受信された格納先種別情報が表す格納先の種別がファイルである場合には、説明事項の種別を全種別とし、説明内容をキーワードとする説明情報を生成する。ファイルに記載された内容がキーワードと同一又は類似のファイルを受信データの格納先候補とするためである。
【0053】
次に、第1検索部130aは、格納先種別情報が受信され、かつ受信された格納先種別情報が格納先の種別をファイルと指定するか否かを判別する(ステップS26)。このとき、格納先の種別がファイルと指定されたと判別すると(ステップS26;Yes)、格納先を指定するか否かをユーザに問うメッセージと、格納先を指定する場合には、格納先を入力するように要求するメッセージとを端末装置201へ送信する。
【0054】
その後、端末装置201は、受信したメッセージを表示装置221に表示させた後に、ユーザに操作された入力装置211が格納先を入力した場合には、入力された格納先を指定する情報(以下、格納先指定情報という)をデータ管理装置100へ返信する。
【0055】
その後、第1検索部130aは、格納先を表す情報を受信部120が受信したか否か(つまり、格納先が指定されたか否か)を判別する(ステップS27)。このとき、第1検索部130aは、格納先が指定されたと判別すると(ステップS27;Yes)、格納先指定情報で指定されたファイルのファイルIDと、ステップS24又はステップS25で生成された説明情報(第2説明情報)とに基づいて、図6(b)に示すファイル格納データの説明情報テーブルから、一致度情報を照会(つまり、検索)する(ステップS28)。
【0056】
例えば、格納先指定情報で指定されたファイルのファイルIDが「FL002」であり、ステップS25で生成された説明情報が、受信データには製品名「○○カメラ」を表すデータが含まれるという説明を表す場合に、第1検索部130aは、図6(b)の説明情報テーブルから、一致度が「10%」であることを表す一致度情報を参照する。このようにして、第1検索部130aは、指定されたファイルには、製品名を表すデータの内で、製品名「○○カメラ」を表すデータが「10%」しか含まれていないと判別する。
【0057】
ステップS28の後に、第1検索部130aは、検索した一致度情報で表される一致度が所定の閾値Aよりも低いか否かを判別する(ステップS29)。尚、所定の閾値Aを表す情報は、記憶部110に予め記憶されている。このとき、第1検索部130aは、一致度が所定の閾値Aよりも低いと判別すると(ステップS29;Yes)、指定された格納先は、受信データの正しい格納先ではない可能性が高い旨の警告メッセージを端末装置201に送信する(ステップS30)。その後、端末装置201は、受信したメッセージを表示装置221に表示させる。それぞれ互いに同一又は類似の内容又は関連した内容を表す複数のデータは、それぞれ同じ格納先に格納されることが多いため、受信データから抽出された説明情報、又は入力されたキーワードに基づいて生成された受信データの説明情報(つまり、第2説明情報)で表される説明と、指定された格納先に格納されたファイル格納データの説明(つまり、第1説明情報で表される説明)とが十分に一致しない場合には、指定された格納先が正しい格納先ではない可能性が高いためである。尚、正しい格納先とは、受信データを格納させようとユーザが考えている格納先や、データが表す内容と、内容に基づいて格納先を決定する規則とに従って定まる格納先を含む。
【0058】
ステップS27において、第1検索部130aは、格納先が指定されなかったと判別した場合(ステップS27;No)、又はステップS30が実行された後に、ステップS24又はステップS25で生成された受信データの説明情報(つまり、第2説明情報)と同一の種別を表し、第2説明情報で表される説明内容と同一の内容又は当該説明内容を一部に含む内容を表す第1説明情報(つまり、ファイル格納データの説明情報)を、図6(b)の説明情報テーブルから検索する。その後、検索部130の第1検索部130aは、検索された第1説明情報と対応付けられた一致度情報とファイルIDとを1又は複数検索する。その後、検索部130の第2検索部130bは、検索された1又は複数のファイルIDの内で、上記の閾値A以上の一致度を表す一致度情報と対応付けられたファイルIDを1又は複数検索する。その後、第2検索部130bは、検索された1又は複数のファイルIDでそれぞれ識別されるファイルを検索ファイルとする(ステップS31)。
【0059】
例えば、ステップS25で生成された説明情報が、受信ファイルには製品名「○○カメラ」を表すデータが含まれるという説明を表す場合に、第1検索部130aは、図6(b)の説明情報テーブルから、「製品名」という説明事項の種別を表す情報と、「○○カメラ」という説明内容を少なくとも一部に表す第1説明情報を検索する。その後、第1検索部130aは、検索された第1説明情報に対応付けた情報であって、一致度「90.0%」及び「10.0%」を表す2つの一致度情報と、これらに対応付けられたファイルID「FL001」及び「FL002」を検索により取得する。ここで、一致度「90.0%」は閾値Aより高いが、一致度「10.0%」は閾値Aより低い。このため、第2検索部130bは、検索されたファイルID「FL001」及び「FL002」の内で、一致度「90.0%」を表す一致度情報、説明事項の種別「製品名」を表す情報、及び説明内容「○○カメラ」を表す情報に対応付けられたファイルID「FL001」を選択する。その後、検索部130は、選択されたファイルID「FL001」で識別されるファイルを検索ファイルとする。
【0060】
ステップS31の後に、第2検索部130bは、ステップS31で検索された1又は複数の検索ファイルを、受信データの格納先候補とする(ステップS32)。その後、第2検索部130bは、格納先候補検索処理の実行を終了する。
【0061】
ステップS29において、第1検索部130aは、一致度が所定の閾値A以上であると判別すると(ステップS29;No)、指定された格納先は、受信データの正しい格納先である可能性が高いと判定し、指定されたファイルを、受信データの格納先候補とする(ステップS33)。その後、第1検索部130aは、格納先候補検索処理の実行を終了する。
【0062】
ステップS26において、格納先の種別がフォルダと指定されたと判別すると(ステップS26;No)、格納先を指定するか否かをユーザに問うメッセージと、格納先を指定する場合には、格納先を入力するように要求するメッセージとを端末装置201へ送信する。その後、端末装置201は、入力装置211が格納先を入力した場合に、格納先指定情報をデータ管理装置100へ返信する。
【0063】
その後、第1検索部130aは、ステップS27と同様に、格納先指定情報を受信部120が受信したか否か(つまり、格納先が指定されたか否か)を判別する(ステップS34)。このとき、第1検索部130aは、格納先が指定されたと判別すると(ステップS34;Yes)、格納先指定情報で指定されたフォルダのフォルダIDと、ステップS24又はステップS25で生成された説明情報とに基づいて、図6(a)に示すフォルダ格納データの説明情報テーブルから、一致度情報を照会(つまり、検索)する(ステップS35)。
【0064】
例えば、格納先指定情報で指定されたフォルダのフォルダIDが「FD002」であり、ステップS25で生成された第2説明情報が、受信ファイルのファイル名は「機能仕様書」を含むという説明を表す場合に、第1検索部130aは、図6(a)の説明情報テーブルから、フォルダID「FD002」と、第2説明情報で表される説明事項の種別「ファイル名」と同一種別を表し、第2説明情報で表される説明内容「機能仕様書」を少なくとも一部に含む説明内容を表す第1説明情報とに対応付けられた一致度情報であって、一致度が「10%」であることを表す一致度情報を取得する。このため、第1検索部130aは、指定されたディレクトリには、当該ディレクトリに格納されたファイルの内で、ファイル名の少なくとも一部が「機能仕様書」であるファイルが「10%」しか含まれていないと判定する。
【0065】
ステップS35の後に、第1検索部130aは、ステップS28と同様に、検索した一致度情報で表される一致度が所定の閾値Bよりも低いか否かを判別する(ステップS36)。尚、所定の閾値Bを表す情報は、予め記憶部110に記憶されており、上記の閾値Aと同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。これら閾値A及び閾値Bの好適な値は、当業者が実験によって定めることができる。
【0066】
このとき、第1検索部130aは、一致度が所定の閾値Bよりも低いと判別すると(ステップS36;Yes)、ステップS30と同様に、指定された格納先は、受信データの正しい格納先ではない可能性が高い旨の警告メッセージを端末装置201に送信する(ステップS37)。その後、端末装置201は、受信したメッセージを表示装置221に表示させる。
【0067】
ステップS34において、第1検索部130aは、格納先が指定されなかったと判別した場合(ステップS34;No)、又はステップS37を実行した後に、ステップS24又はステップS25で生成された第2説明情報と同一の種別を表し、第2説明情報で表される説明内容と同一の内容又は当該説明内容を一部に含む内容を表す第1説明情報(つまり、フォルダ格納データの説明情報)を、図6(a)の説明情報テーブルから検索する。その後、第1検索部130aは、検索された第1説明情報と対応付けられた一致度情報とフォルダIDとを1又は複数検索する。その後、検索部130の第2検索部130bは、検索された1又は複数のフォルダIDの内で、上記の閾値B以上の一致度を表す一致度情報と対応付けたフォルダIDを1又は複数検索する。その後、第2検索部130bは、検索された1又は複数のフォルダIDでそれぞれ識別されるフォルダを検索フォルダとする(ステップS38)。
【0068】
例えば、ステップS25で生成された説明情報が、受信ファイルのファイル名は「機能仕様書」という語を含むという説明を表す場合に、第1検索部130aは、図6(a)の説明情報テーブルから、「ファイル名」という説明事項の種別を表す情報と、「機能仕様書」という説明内容を少なくとも一部に表す情報とに対応付けた情報であって、一致度「90.0%」及び「10.0%」を表す2つの一致度情報と、これらに対応付けられたフォルダID「FD001」及び「FD002」を検索により取得する。ここで、一致度「90.0%」は閾値Bより高いが、一致度「10.0%」は閾値Bより低い。このため、第2検索部130bは、フォルダID「FD001」及び「FD002」の内で、一致度「90.0%」を表す一致度情報、説明事項の種別「ファイル名」を表す情報、及び説明内容「機能仕様書」を少なくとも一部に表す情報に対応付けられたフォルダID「FD001」を選択する。その後、第2検索部130bは、選択したフォルダID「FD001」で識別されるフォルダを検索フォルダとする。
【0069】
ステップS38の後に、第2検索部130bは、ステップS38で取得された1又は複数の検索フォルダを、受信データの格納先候補とする(ステップS39)。その後、第2検索部130bは、格納先候補検索処理の実行を終了する。
【0070】
ステップS36において、第1検索部130aは、一致度が所定の閾値B以上であると判別すると(ステップS36;No)、指定された格納先は、受信データの正しい格納先である可能性が高いと判定し、指定された格納先であるフォルダを、受信データの格納先候補とする(ステップS40)。その後、第1検索部130aは、格納先候補検索処理の実行を終了する。
【0071】
図3のステップS05の後に、検索部130は、図8(c)に示すような登録先候補表示画面を表す情報を記憶部110から取得する。次に、図4の送信部140は、ステップS05で検索された1又は複数の格納先候補を表す情報(つまり、格納先候補情報)と格納先候補情報に対応付けられた一致度情報で表される一致度を、図3のステップS03で受信されたデータの正しい格納先である確率とする。次に、図4の送信部140は、登録先候補表示画面を表す情報と、ステップS05で検索された1又は複数の格納先候補を表す情報(つまり、格納先候補情報)と、正しい格納先である確率を表す確率情報とを関連付けて、端末装置201へ返信する(ステップS06)。
【0072】
その後、端末装置201は、受信した情報で表される登録先候補表示画面を、図1の表示装置221に表示させる。また、端末装置201は、受信した格納先候補情報で表される格納先候補と、確率情報で表される確率とを、登録先候補表示画面に表示させる。ここで、登録先候補表示画面には、図8(c)に示すように、データ管理装置100で検索された情報で表される格納先候補だけでなく、新たに作成される格納先(以下、新規格納先という)も表示されている。このため、表示装置221の表示を確認したユーザは、入力装置211を操作して、複数の格納先候補及び新規格納先の内で、データ管理装置100へ送信したデータの格納先としてユーザが選択する格納先候補又は新規格納先を表す情報を入力装置211に入力させる。または、表示装置221の表示を確認したユーザは、入力装置211を操作して、登録先候補表示画面に表示された格納先候補及び新規格納先のいずれにも、データ管理装置100へ送信したデータを格納しないことを表す情報を入力装置211に入力させる。その後、端末装置201は、入力された格納先候補を表す情報又はデータを格納しないことを表す情報を応答情報としてデータ管理装置100へ送信する。
【0073】
ステップS06の後に、図4の受信部120は、端末装置201から応答情報を受信する(ステップS07)。その後、移動部150は、応答情報がデータを格納しないように指示する情報であるか否かを判別する(ステップS08)。このとき、移動部150は、応答情報がデータを格納しないように指示する情報であると判別すると(ステップS08;Yes)、ステップS05に戻り上記処理を繰り返す。
【0074】
ステップS07において、移動部150は、応答情報がデータを格納するように指示する情報であると判別すると(ステップS08;No)、新規格納先が選択されたか否かを判別する(ステップS09)。このとき、移動部150は、新規格納先が選択されたと判別すると(ステップS09;Yes)、格納先としてファイルが指定された場合には(ステップS26;Yes参照)、新規のファイルを生成した後に、生成されたファイル(つまり、新規格納先)に対して、一時記憶領域110aに記憶されたデータを移動させる(つまり、格納する)。また、移動部150は、格納先としてフォルダが指定された場合には(ステップS26;No参照)、新規のフォルダを生成した後に、生成されたフォルダに対して、一時記憶領域110aに記憶されたデータを移動させる(格納する)(ステップS10)。
【0075】
ステップS09において、移動部150は、新規格納先が選択されなかったと判別すると(ステップS09;No)、応答情報で表される格納候補であって、ユーザに選択された候補(以下、選択格納先という)に対して、一時記憶領域110aに記憶されたデータを格納する(ステップS11)。
【0076】
ステップS10又はステップS11が実行された後に、更新部160は、ステップS10又はステップS11でデータが格納された格納先を識別する情報と対応付けて記憶部110に記憶された一致度情報を更新する(ステップS12)。
【0077】
具体的には、新規のファイル又は選択されたファイルにデータが格納された場合には、更新部160は、図6(b)の説明情報テーブルに対して、当該ファイルを識別するファイルIDと、図9のステップS24又はステップS25で生成された当該データの第2説明情報と同一の第1説明情報とが対応付けて既に保存されているか否かを判別する。このとき、更新部160は、未だに保存されていないと判別すると、当該データの第2説明情報を第1説明情報とし、当該ファイルIDと対応付けて、図6(b)の説明情報テーブルに保存する。その後、更新部160は、当該ファイルのファイルIDと対応付けて図6(b)の説明情報テーブルに保存された第1説明情報について一致度を順に算出する。具体的には、更新部160は、当該ファイルが表す文書の単語を、上記の辞書情報を用いて、「製品名」や「人物名」などの種別に分類する。次に、更新部160は、説明情報テーブルに保存された第1説明情報で表される説明内容及び説明事項の種別毎に、当該種別に分類された全単語数に対する当該説明内容を表す当該種別の単語の数の割合を算出し、算出された割合を新たな一致度とする。
【0078】
これに対して、新規のフォルダ又は選択されたフォルダにデータがファイルとして格納された場合には、更新部160は、図6(a)の説明情報テーブルに対して、当該フォルダを識別するフォルダIDと、図9のステップS24又はステップS25で生成された当該データの第2説明情報と同一の第1説明情報とが対応付けて既に保存されているか否かを判別する。このとき、更新部160は、未だに保存されていないと判別すると、当該データの第2説明情報を第1説明情報とし、当該フォルダIDに対応付けて、図6(a)の説明情報テーブルへ保存する。その後、更新部160は、当該フォルダのフォルダIDと対応付けて図6(a)の説明情報テーブルに保存された第1説明情報について一致度を順に算出する。具体的には、更新部160は、当該フォルダに格納された1又は複数のファイル(つまり、フォルダ格納ファイル)が有する説明情報を「タイトル」などの種別に基づいて分類する。次に、更新部160は、説明情報テーブルに保存された第1説明情報で表される説明内容及び説明事項の種別毎に、当該フォルダに格納されたファイル数に対する当該説明事項及び当該説明内容を表す説明情報を有したファイル数の割合を算出し、算出された割合を新たな一致度とする。
【0079】
ステップS12の後に、保存部170は、ステップS01で受信されたユーザID(つまり、ログインID)と、ステップS10又はステップS11でデータが格納先に格納された日時を表す情報と、格納されたデータ名と、格納先を識別する情報とを対応付けた情報をリカバリ情報として、図7のリカバリ情報テーブルに保存する(ステップS13)。尚、保存部170は、これらの情報に対して格納元を識別する情報をさらに対応付けた情報をリカバリ情報としても良い。その後、移動部150は、一時記憶領域110bに記憶されたデータを削除した後に(ステップS14)、データ格納処理の実行を終了する。
【0080】
ここで、それぞれ同一又は類似の内容を表す複数のデータは、それぞれ同じ格納先に格納されることが多い。このため、これらの構成によれば、入力されたデータの説明と、それぞれの格納先に格納された1又は複数のデータ説明とが所定値以上一致する格納先を格納先候補として表示する。このため、ユーザがデータの内容を確認したり、格納先を指定することなく、当該データが入力されれば、当該データが表す内容と一致又は類似した内容を表す1又は複数のデータが格納された格納先を当該データの格納候補として表示できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0081】
またこれらの構成によれば、入力されたキーワードに応じて格納候補の検索に用いられる第2説明情報が生成されるので、入力されるキーワードに応じて格納候補の表示を変化させることができる。また、キーワードが入力されなくとも、入力されたデータから抽出された第2説明情報に基づいて格納候補を表示できる。このため、ユーザの利便性が向上する。
【0082】
さらに、これらの構成によれば、複数の格納先候補が表示されたとしても、正しい格納先であると予想される程度とそれぞれ対応付けて格納先候補を表示できる。このため、ユーザは、表示された複数の格納先候補の内で、正しい格納先を容易に判別できる。
【0083】
またさらに、これらの構成によれば、入力された格納先指定情報と、入力されたデータの第2説明情報とに基づいて検索された一致度情報で表される一致度が所定値よりも小さい場合に、1又は複数の前記格納先情報を検索する。このため、格納先指定情報で指定された格納先が、入力されたデータと同一又は類似のデータを記憶している可能性が所定値よりも低い場合には、第2説明情報に基づいて検索されたより可能性の高い格納先を格納先候補として表示できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0084】
ここで、データ管理装置100が、既に行われたデータの格納を取り消し、データを格納する前の状態又は当該前の状態に近い状態へ回復する(つまり、リカバリする)ことを要求するリクエストを端末装置から受信すると、図10に示すようなリカバリ処理の実行を開始する。
【0085】
図10のリカバリ処理を開始すると、図4の検索部130は、図3のステップS01及びステップS02と同様の処理を実行する(ステップS51及びステップS52)。ステップS52において、図4の検索部130は、ユーザがユーザ認証をクリアしなかったと判別すると(ステップS52;Yes)、リカバリ処理の実行を終了する。これに対して、検索部130は、ユーザがユーザ認証をクリアしたと判別すると(ステップS52;No)、ユーザ認証をクリアした(つまり、ログインしている)ユーザのユーザIDに基づいて、図7のリカバリ情報テーブルに保存されたリカバリ情報を検索する(ステップS53)。その後、検索部130は、図8(d)に示すようなリカバリ候補表示画面を表す情報を取得し、取得されたリカバリ候補表示画面を表す情報と、ステップS53で検索されたリカバリ情報とを端末装置201へ送信する(ステップS54)。
【0086】
端末装置201は、受信した情報で表されるリカバリ候補表示画面を、図1の表示装置221に表示させた後に、受信したリカバリ情報で表されるデータ名、データの格納先、及び格納日時(つまり、端末装置201を操作するユーザがデータ管理装置100に格納したデータのデータ名、データの格納先、及び格納時刻)を表示する。表示装置221の表示を確認したユーザは、データ名などを表示された1又は複数のデータから、格納を取り消すデータ(以下、取消データという)を選択するか、取り消しを行わないか(つまり、リカバリを行わないか)を決定する。その後、端末装置201は、ユーザに操作された入力装置211からデータの指定を入力されるか、リカバリを行わないとの指示を入力された後に、入力された指定を表す情報(以下、取消データ指定情報)をデータ管理装置100へ返信する。
【0087】
図10のステップS54の後に、データ管理装置100の受信部120は、取消データ指定情報を端末装置201から受信する(ステップS55)。移動部150は、受信された取消データ指定情報に基づいてリカバリの実行が指示されたか否かを判別する(ステップS56)。このとき、移動部150は、リカバリの実行が指示されなかったと判別すると(ステップS56;No)、リカバリ処理の実行を終了する。これに対して、移動部150は、リカバリの実行が指示されたと判別すると(ステップS56;Yes)、取消データ指定情報で表される取消データを一時記憶領域110a(つまり、格納元)へ移動させる(ステップS57)。その後に、更新部160は、図3のステップS12と同様に、取消データが格納された格納先を識別する情報と対応付けて記憶部110に記憶された一致度情報を更新する(ステップS58)。以上の処理により、リカバリが終了する。その後、図4の受信部120、検索部130、送信部140、移動部150、更新部160、及び保存部170によって図3のデータ格納処理が再実行された後に(ステップS59)、リカバリ処理の実行が終了される。
【0088】
これらの構成によれば、当該データを指定する取消データ指定情報が入力されると、当該データを一時記憶領域へ移動させてから格納先候補を再表示する。このため、例えば、誤った格納先にデータを格納した場合などに、ユーザが格納を取り消すデータの格納先を指定することなく、当該データを一時記憶領域に移動させた後に、当該データの格納先の候補を表示させるので、ユーザの利便性が向上する。
【0089】
本実施の形態では、検索部130の第2検索部130bは、既に記憶部110に記憶された一致度情報で表される一致度に基づいて、第1検索部130aで検索された1又は複数の格納先情報から格納先候補情報を検索するとして説明したが、これに限定されるのではない。例えば、データ管理装置100は、図3のステップS12で説明した算出方法を用いて、第1検索部130aで検索された1又は複数の格納先情報のそれぞれに対して一致度を算出する算出部をさらに備え、検索部130の第2検索部130bは、算出部で算出された一致度に基づいて、第1検索部130aで検索された1又は複数の格納先情報から格納先候補情報を検索する構成を採用できる。この構成によれば、記憶部110に一致度情報が記憶されていない場合であっても、入力されたデータの説明と、それぞれの格納先に格納された1又は複数のデータ説明とが所定値以上一致する格納先を格納先候補として表示できる。
【0090】
本発明に係る機能を実現するための構成を備えたデータ管理装置として提供できることはもとより、複数の装置で構成されるデータ管理システムであって、本発明に係る機能を実現するための構成をシステム全体として備えた情報処理システムとして提供することもできる。
【0091】
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えたデータ管理装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存のデータ管理装置を本発明に係るデータ管理装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施例で例示したデータ管理装置100による各機能構成を実現させるためのデータ管理プログラムを、既存のデータ管理装置を制御するコンピュータ(CPUなど)が実行できるように適用することで、本発明に係るデータ管理装置100として機能させることができる。
【0092】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。また、本発明に係るデータ管理装置100を用いてデータ管理方法を実施できる。
【0093】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0094】
10…通信網、100…データ管理装置、100a…CPU、100b…ROM、100c…RAM、100d…ハードディスク、100e…メディアコントローラ、100f…LANカード、100g…ビデオカード、100h…LCD、100i…キーボード、100j…スピーカ、100k…マウス、110…記憶部、110a…一時記憶領域、110b…長期記憶領域、120…受信部、130…検索部、130a…第1検索部、130b…第2検索部、140…送信部、150…移動部、160…更新部、170…保存部、201,202:端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの格納先を表す格納先情報と、前記格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段と、
データを受信する受信手段と、
前記受信されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を前記記憶手段から検索した後に、前記検索された第1説明情報と対応付けて前記記憶手段が記憶する1又は複数の前記格納先情報を検索する第1検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報から、前記検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる格納先情報を1又は複数検索する第2検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報を、前記受信されたデータを格納する格納先の候補を表す格納先候補情報として送信する送信手段と、を備える、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記受信手段は、前記受信されたデータを検索するために用いられるキーワードを表す情報を、さらに受信し、
前記第1検索手段は、
前記キーワードを表す情報が受信されると、前記キーワードに基づいて生成された第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を検索し、
前記キーワードを表す情報が受信されないと、前記受信されたデータから抽出された第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記検索された第1説明情報の説明と、前記格納先候補情報で表される格納先候補に格納された1又は複数の格納データとの一致度を、前記格納先候補情報で表される格納先候補が前記受信されたデータの正しい格納先であると予想される程度を表す指標とし、当該一致度を表す情報を前記格納先候補情報に関連付けて送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、前記受信されたデータを格納する格納先を指定する格納先指定情報を、さらに受信し、
前記第1検索手段は、前記検索された第1説明情報の説明と、前記受信された格納先指定情報で指定される格納先に格納された1又は複数の格納データとの一致度が前記所定値よりも小さい場合に、前記1又は複数の前記格納先情報を検索する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記受信されたデータを一時的に記憶する一時記憶領域を有し、
前記送信された1又は複数の格納先候補の内で、前記データの格納先として選択された格納先候補へ、前記一時記憶領域に記憶されたデータを移動させる移動手段と、
前記選択された格納先候補を表す選択格納先情報と、前記選択された格納先候補に格納されたデータを識別する識別情報とを対応付けて前記記憶手段へ保存する保存手段と、をさらに備え、
前記受信手段は、格納を取り消すデータを指定する取消データ指定情報を、さらに受信し、
前記取消データ指定情報が受信された場合に、
前記移動手段は、前記取消データ指定情報で指定されたデータを、当該データを識別する識別情報と対応付けて前記記憶部に保存された情報で表される格納先から前記一時記憶領域へ移動させ、
前記第2検索手段は、前記移動させられたデータに対する前記1又は複数の前記格納先情報を再検索し、
前記送信手段は、前記再検索された1又は複数の格納情報を送信する、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
データの格納先を表す格納先情報と、前記格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段と、
データを入力する入力手段と、
前記入力されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を前記記憶手段から検索した後に、前記検索された第1説明情報と対応付けて前記記憶手段が記憶する1又は複数の前記格納先情報を検索する第1検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報から、前記検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる格納先情報を1又は複数検索する第2検索手段と、
前記検索された1又は複数の格納先情報で表される格納先を、前記入力されたデータを格納する格納先の候補として表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とするデータ管理システム。
【請求項7】
コンピュータを、
データの格納先を表す格納先情報と、前記格納先に格納された1又は複数の格納データの説明を表す第1説明情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段、
データを受信する受信手段、
前記受信されたデータの説明を表す第2説明情報に基づいて前記第1説明情報を前記記憶手段から検索した後に、前記検索された第1説明情報と対応付けて前記記憶手段が記憶する1又は複数の前記格納先情報を検索する第1検索手段、
前記検索された1又は複数の格納先情報から、前記検索された第1説明情報の説明が当該格納先情報で表される格納先に格納された1又は複数の格納データに一致する程度を表す一致度が所定値以上となる格納先情報を1又は複数検索する第2検索手段、
前記検索された1又は複数の格納先情報を、前記受信されたデータを格納する格納先の候補を表す格納先候補情報として送信する送信手段、として機能させる、
ことを特徴とするデータ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−133499(P2012−133499A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283807(P2010−283807)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】