説明

データ転送システム及びデータ処理装置

【課題】クロック速度の高速化及びデータ信号線数の増加を行うことなく、データ転送レートを向上すること。
【解決手段】データ転送システムは、第1のクロック信号を分周して生成された第2のクロック信号と、第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号と、を送信するデータ送信部と、第2のクロック信号及びデータ信号を受信し、データ信号に含まれる2ビットを第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出するデータ受信部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送レートを向上したデータ転送システム及びデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代携帯電話の普及及びネットワークの高速化に伴い、画像データや動画データ、プログラムデータ等のデータを高速に処理することが求められている。このため、携帯電話内部のLSIの動作クロック速度を高めたり、データ信号線の数を増やすなどして、データ処理速度及びデータ転送レートを上げている。なお、特開2004−7797号公報に開示されている技術によれば、高速伝送及び低消費電力が実現可能である。
【0003】
【特許文献1】特開2004−7797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、動作クロック速度を高めるとLSIの消費電力が増大する。バッテリーで駆動する携帯電話等の機器にとって消費電力の増加は、動作時間の短縮につながるため好ましくない。また、データ信号線の数の増加は、LSIの面積増加につながるため好ましくない。
【0005】
本発明の目的は、クロック速度の高速化及びデータ信号線数の増加を行うことなく、データ転送レートを向上したデータ転送システム及びデータ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のクロック信号を分周して生成された第2のクロック信号と、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号と、を送信するデータ送信部と、前記第2のクロック信号及び前記データ信号を受信し、前記データ信号に含まれる前記2ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出するデータ受信部と、を備えたデータ転送システムを提供する。
【0007】
上記データ転送システムでは、前記第2のクロック信号のクロック周波数は、前記第1のクロック信号のクロック周波数の2分の1であり、前記データ送信部から送信される前記データ信号には、前記第2のクロック信号の1サイクルのHIGH期間及びLOW期間のそれぞれに1ビットが割り当てられている。
【0008】
上記データ転送システムでは、前記データ受信部は、前記データ信号に含まれる前記HIGH期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1の系と、前記データ信号に含まれる前記LOW期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2の系と、を有する。
【0009】
上記データ転送システムでは、前記第1の系は、前記第2のクロック信号の前記HIGH期間の前記データ信号をラッチするラッチ部と、前記ラッチ部でラッチされたデータ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第1のサンプリング部と、前記第1のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1のデータ検出部と、を有し、前記第2の系は、前記データ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第2のサンプリング部と、前記第2のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2のデータ検出部と、を有する。
【0010】
上記データ転送システムでは、前記データ信号はシリアル形式である。
【0011】
上記データ転送システムでは、前記データ信号はパラレル形式であり、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、前記データ受信部は、前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出する。
【0012】
本発明は、第1のクロック信号を分周して生成された第2のクロック信号と、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号と、を送信するデータ処理装置を提供する。
【0013】
上記データ処理装置では、前記第2のクロック信号のクロック周波数は、前記第1のクロック信号のクロック周波数の2分の1であり、前記データ送信部から送信される前記データ信号には、前記第2のクロック信号の1サイクルのHIGH期間及びLOW期間のそれぞれに1ビットが割り当てられている。
【0014】
上記データ処理装置では、前記データ信号はシリアル形式である。
【0015】
上記データ処理装置では、前記データ信号はパラレル形式であり、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出する。
【0016】
本発明は、クロック信号及び前記クロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号を受信し、前記データ信号に含まれる前記2ビットを前記クロック信号の1サイクル毎に独立して検出するデータ処理装置を提供する。
【0017】
上記データ処理装置では、前記データ信号に含まれる前記HIGH期間に割り当てられた1ビットを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第1の系と、前記データ信号に含まれる前記LOW期間に割り当てられた1ビットを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第2の系と、を備える。
【0018】
上記データ処理装置では、前記第1の系は、前記クロック信号の前記HIGH期間の前記データ信号をラッチするラッチ部と、前記ラッチ部でラッチされたデータ信号を前記クロック信号でサンプリングする第1のサンプリング部と、前記第1のサンプリング部で得られたデータを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第1のデータ検出部と、を有し、前記第2の系は、前記データ信号を前記クロック信号でサンプリングする第2のサンプリング部と、前記第2のサンプリング部で得られたデータを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第2のデータ検出部と、を有する。
【0019】
上記データ処理装置では、前記データ信号はシリアル形式であるデータ処理装置。
【0020】
上記データ処理装置では、前記データ信号はパラレル形式であり、前記クロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記クロック信号の1サイクル毎に独立して検出する。
【0021】
本発明は、第1のクロック信号を分周して、前記第1のクロック信号のクロック周波数の2分の1のクロック周波数を有する第2のクロック信号を生成するクロック分周部と、第1のクロック信号に基づいて、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号を出力する高速処理部と、前記第2のクロック信号と前記データ信号を受け取り、前記データ信号に含まれる前記2ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出する低速処理部と、を備えたデータ処理装置を提供する。
【0022】
上記データ処理装置では、前記高速処理部から出力される前記データ信号には、前記第2のクロック信号の1サイクルのHIGH期間及びLOW期間のそれぞれに1ビットが割り当てられている。
【0023】
上記データ処理装置では、前記低速処理部は、前記データ信号に含まれる前記HIGH期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1の系と、前記データ信号に含まれる前記LOW期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2の系と、を有する。
【0024】
上記データ処理装置では、前記第1の系は、前記第2のクロック信号の前記HIGH期間の前記データ信号をラッチするラッチ部と、前記ラッチ部でラッチされたデータ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第1のサンプリング部と、前記第1のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1のデータ検出部と、を有し、前記第2の系は、前記データ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第2のサンプリング部と、前記第2のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2のデータ検出部と、を有する。
【0025】
上記データ処理装置では、前記データ信号はシリアル形式である。
【0026】
上記データ処理装置では、前記データ信号はパラレル形式であり、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、前記低速処理部は、前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出する。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るデータ転送システム及びデータ処理装置によれば、クロック速度の高速化及びデータ信号線数の増加を行うことなく、データ転送レートを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のデータ転送システムの構成を示すブロック図である。第1の実施形態のデータ転送システム100は、シリアルデータを転送するシステムであって、図1に示すように、データ送信部10及びデータ受信部20を備える。データ送信部10はシリアルデータ信号をデータ受信部20に送信し、データ受信部20は当該シリアルデータ信号を受信する。
【0030】
データ送信部10は、入力端子11,12と、クロック制御部13と、データ制御部14と、フリップフロップ(以下「F/F」という。)15,16と、出力端子17,18とを有する。
【0031】
入力端子11には、データ信号が入力される。入力端子11から入力されたデータ信号は、データ制御部14に入力される。入力端子12には、クロック信号が入力される。入力端子12から入力されたクロック信号は、F/F15,16に入力される。
【0032】
クロック制御部13は、F/F16から出力されるクロック信号のクロック周波数を設定する。クロック制御部13は、分周器と同様の機能を有する。例えば、クロック制御部13に設定された分周比が「2」である場合、クロック制御部13による制御によって、F/F16は、入力端子12から入力されたクロック信号のクロック周波数の2分の1のクロック周波数を有するクロック信号を出力する。すなわち、F/F16から出力されるクロック信号の1サイクルは、入力端子12から入力されたクロック信号の1サイクルに相当するHIGH期間、及び入力端子12から入力されたクロック信号の1サイクルに相当するLOW期間の2つの期間を含む。F/F16から出力されたクロック信号は、出力端子18から出力される。
【0033】
データ制御部14は、入力端子11から入力されたデータ信号の1ビットの時間長を、F/F16から出力されるクロック信号の半周期の長さに調節する。例えば、クロック制御部13に設定された分周比が「2」である場合、データ制御部14から出力されるデータ信号の1ビットの時間長は、F/F16から出力されるクロック信号の半周期、つまり、入力端子12から入力されたクロック信号の1周期分の時間長である。
【0034】
F/F15には、データ制御部14から出力されたデータ信号が入力される。F/F15は、当該入力されたデータ信号を入力端子12から入力されたクロック信号でサンプリングする。F/F15は、当該サンプリングで得たシリアルデータ信号を出力する。F/F15から出力されたシリアルデータ信号は、出力端子17から出力される。
【0035】
データ受信部20は、入力端子21,22と、ラッチ部23と、F/F24,25と、2値データ検出部26とを有し、2つの系を含む。一方の系は、ラッチ部23、F/F24及び2値データ検出部26から構成されている。もう一方の系は、F/F25及び2値データ検出部26から構成されている。
【0036】
入力端子21には、データ送信部10の出力端子17から出力されたシリアルデータ信号が入力される。入力端子22には、データ送信部10の出力端子18から出力されたクロック信号が入力される。入力端子21から入力されたシリアルデータ信号及び入力端子22から入力されたクロック信号は、ラッチ部23及びF/F24に入力される。また、入力端子22から入力されたクロック信号は、F/F25にも入力される。
【0037】
ラッチ部23は、入力端子22から入力されたクロック信号のHIGH期間にあたる、入力端子21から入力されたシリアルデータ信号をラッチする。ラッチ部23から出力されたシリアルデータ信号はF/F25に入力される。F/F25は、ラッチ部23から出力されたシリアルデータ信号を入力端子22から入力されたクロック信号でサンプリングする。F/F25は、当該サンプリングで得たデータを出力する。F/F25から出力されるデータは、クロック信号のHIGH期間にあたるシリアルデータである。当該シリアルデータは2値データ検出部26に入力される。
【0038】
F/F24は、入力端子21から入力されたシリアルデータ信号を入力端子22から入力されたクロック信号でサンプリングする。F/F24は、当該サンプリングで得たデータを出力する。F/F24から出力されたデータは、クロック信号のLOW期間にあたるシリアルデータである。当該シリアルデータは2値データ検出部26に入力される。
【0039】
2値データ検出部26は、入力端子22から入力されたクロック信号のサイクル毎に、当該クロック信号のHIGH期間にあたるF/F25から出力されたシリアルデータと、当該クロック信号のLOW期間にあたるF/F24から出力されたシリアルデータの2種類のシリアルデータを独立に検出する。すなわち、2値データ検出部26は、クロック信号の1サイクル毎に、HIGH期間の1ビットとLOW期間の1ビットの2ビットを検出する。
【0040】
図2は、本実施形態のデータ転送システムにおけるタイミングチャートである。なお、当該タイミングチャートは、データ送信部10のクロック制御部13に設定されている分周比が「2」の場合を示す。
【0041】
図2中の「A」は、データ送信部10の入力端子11から入力されたデータ信号を示す。「B」は、データ送信部10の入力端子12から入力されたクロック信号を示す。「C」は、データ送信部10のデータ制御部14から出力され、データ送信部10のF/F15に入力されるデータ信号を示す。「D」は、データ送信部10の出力端子17から出力され、データ受信部20の入力端子21に入力されるシリアルデータ信号を示す。「E」は、データ送信部10の出力端子18から出力され、データ受信部20の入力端子22に入力されるクロック信号を示す。「F」は、データ受信部20のラッチ部23から出力され、F/F25に入力されるシリアルデータ信号を示す。「G」は、F/F25から出力され、2値データ検出部26に入力される、クロック信号EのHIGH期間にあたるシリアルデータ信号である。「H」は、F/F24から出力され、2値データ検出部26に入力される、クロック信号EのLOW期間にあたるシリアルデータ信号である。
【0042】
図2に示すタイミングチャートが示すように、シリアルデータ信号Gの値は、クロック信号EのHIGH期間におけるシリアルデータ信号Dの値となる。また、シリアルデータ信号Hの値は、クロック信号EのLOW期間におけるシリアルデータ信号Dの値となる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送システムによれば、クロック信号Bのクロック速度の高速化やデータ信号線の増加を行うことなく、データ転送レートを向上することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、データ送信部10及びデータ受信部20がシリアルデータ信号を処理しているが、図3に示すように、パラレルデータ信号を処理しても良い。この場合、データ送信部10のデータ制御部14は、パラレルデータ信号に含まれる各データ信号の1ビットの時間長を、F/F16から出力されるクロック信号の半周期の長さに調節する。また、データ送信部10のF/F15、データ受信部20のラッチ部23及びF/F24,25は、パラレルデータ信号のデータ幅分と同数のF/F又はラッチを含む。
【0045】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態のデータ転送システムの構成を示すブロック図である。第2の実施形態のデータ転送システム200は、LSI内部に設けられたデータ処理装置であり、高速処理部30と、クロック分周部40と、低速処理部50とを備える。高速処理部30で処理されたデータ信号は、低速処理部50に転送される。なお、図4に示す本実施形態では、データ信号をパラレル形式のデータ信号として説明するが、シリアル形式であっても良い。
【0046】
高速処理部30は、外部から供給されたクロック信号に基づいて、外部から入力されたパラレルデータ信号を出力する。高速処理部30は、パラレルデータ信号のデータ幅と同数のF/F31を有する。
【0047】
クロック分周部40は、F/F41とインバータ42とを有し、外部から供給されたクロック信号を2分周したクロック信号を生成する。すなわち、クロック分周部40は、外部から供給されたクロック信号のクロック周波数の2分の1のクロック周波数を有するクロック信号を出力する。すなわち、クロック分周部40から出力されるクロック信号の1サイクルは、外部から供給されたクロック信号の1サイクルに相当するHIGH期間、及び外部から供給されたクロック信号の1サイクルに相当するLOW期間の2つの期間を含む。
【0048】
低速処理部50には、高速処理部30から出力されたパラレルデータ信号と、クロック分周部40から出力されたクロック信号とが入力される。低速処理部50は、ラッチ部51と、F/F52,53と、2値データ検出部54とを有し、2つの系を含む。一方の系は、ラッチ部51、F/F53及び2値データ検出部54から構成されている。もう一方の系は、F/F52及び2値データ検出部54から構成されている。低速処理部50に入力されたパラレルデータ信号は、ラッチ部51及びF/F52に入力される。また、低速処理部50に入力されたクロック信号は、ラッチ部51及びF/F52,53に入力される。
【0049】
ラッチ部51は、クロック分周部40で生成されたクロック信号のHIGH期間にあたる、パラレルデータ信号の各データ信号をラッチする。ラッチ部51から出力されたパラレルデータ信号はF/F53に入力される。F/F53は、ラッチ部51から出力されたパラレルデータ信号をクロック分周部40で生成されたクロック信号でサンプリングする。F/F53は、当該サンプリングで得たデータを出力する。F/F53から出力されるデータは、クロック信号のHIGH期間にあたるパラレルデータである。当該パラレルデータは2値データ検出部54に入力される。
【0050】
F/F52は、パラレルデータ信号をクロック分周部40で生成されたクロック信号でサンプリングする。F/F52は、当該サンプリングで得たデータを出力する。F/F52から出力されたデータは、クロック信号のLOW期間にあたるパラレルデータである。当該パラレルデータは2値データ検出部54に入力される。
【0051】
2値データ検出部54は、クロック分周部40で生成されたクロック信号のサイクル毎に、当該クロック信号のHIGH期間にあたるF/F53から出力されたパラレルデータと、当該クロック信号のLOW期間にあたるF/F52から出力されたパラレルデータの2種類のパラレルデータを独立に検出する。すなわち、2値データ検出部54は、クロック信号の1サイクル毎に、HIGH期間のパラレルデータとLOW期間のパラレルデータの2種類のデータを検出する。
【0052】
図5は、本実施形態のデータ転送システムにおけるタイミングチャートである。図5中の「Q」は、外部から高速処理部30に入力されたデータ信号を示す。「R」は、外部から高速処理部30に入力されたクロック信号を示す。「S」は、高速処理部30から出力され、低速処理部50に入力されるパラレルデータ信号を示す。「T」は、クロック分周部40から出力され、低速処理部50に入力されるクロック信号を示す。「U」は、低速処理部50のラッチ部51から出力され、F/F53に入力されるパラレルデータ信号を示す。「V」は、F/F53から出力され、2値データ検出部54に入力される、クロック信号TのHIGH期間にあたるパラレルデータ信号である。「W」は、F/F52から出力され、2値データ検出部54に入力される、クロック信号TのLOW期間にあたるパラレルデータ信号である。
【0053】
図5に示すタイミングチャートが示すように、パラレルデータ信号Vのデータは、クロック信号TのHIGH期間におけるパラレルデータ信号Sのデータとなる。また、パラレルデータ信号Wのデータは、クロック信号TのLOW期間におけるパラレルデータ信号Sのデータとなる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送システムによれば、低速処理部50のクロック速度の高速化やデータ信号線の増加を行うことなく、データ転送レートを向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るデータ転送システム及びデータ処理装置は、クロック速度の高速化及びデータ信号線数の増加を行うことなく、高いデータ転送レートが必要なシステム及び装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施形態のデータ転送システムの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態のデータ転送システムにおけるタイミングチャート
【図3】第1の実施形態のデータ転送システムの他の例の構成を示すブロック図
【図4】第2の実施形態のデータ転送システムの構成を示すブロック図
【図5】第2の実施形態のデータ転送システムにおけるタイミングチャート
【符号の説明】
【0057】
100,200 データ転送システム
10 データ送信部
11,12 入力端子
13 クロック制御部
14 データ制御部
15,16 フリップフロップ(F/F)
17,18 出力端子
20 データ受信部
21,22 入力端子
23 ラッチ部
24,25 F/F
26 2値データ検出部
30 高速処理部
31 F/F
40 クロック分周部
41 F/F
42 インバータ
50 低速処理部
51 ラッチ部
52,53 F/F
54 2値データ検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のクロック信号を分周して生成された第2のクロック信号と、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号と、を送信するデータ送信部と、
前記第2のクロック信号及び前記データ信号を受信し、前記データ信号に含まれる前記2ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出するデータ受信部と、
を備えたことを特徴とするデータ転送システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ転送システムであって、
前記第2のクロック信号のクロック周波数は、前記第1のクロック信号のクロック周波数の2分の1であり、
前記データ送信部から送信される前記データ信号には、前記第2のクロック信号の1サイクルのHIGH期間及びLOW期間のそれぞれに1ビットが割り当てられていることを特徴とするデータ転送システム。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ転送システムであって、
前記データ受信部は、
前記データ信号に含まれる前記HIGH期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1の系と、
前記データ信号に含まれる前記LOW期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2の系と、を有することを特徴とするデータ転送システム。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ転送システムであって、
前記第1の系は、
前記第2のクロック信号の前記HIGH期間の前記データ信号をラッチするラッチ部と、
前記ラッチ部でラッチされたデータ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第1のサンプリング部と、
前記第1のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1のデータ検出部と、を有し、
前記第2の系は、
前記データ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第2のサンプリング部と、
前記第2のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2のデータ検出部と、を有することを特徴とするデータ転送システム。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ転送システムであって、
前記データ信号はシリアル形式であることを特徴とするデータ転送システム。
【請求項6】
請求項1に記載のデータ転送システムであって、
前記データ信号はパラレル形式であり、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、
前記データ受信部は、前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出することを特徴とするデータ転送システム。
【請求項7】
第1のクロック信号を分周して生成された第2のクロック信号と、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号と、を送信することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ処理装置であって、
前記第2のクロック信号のクロック周波数は、前記第1のクロック信号のクロック周波数の2分の1であり、
前記データ送信部から送信される前記データ信号には、前記第2のクロック信号の1サイクルのHIGH期間及びLOW期間のそれぞれに1ビットが割り当てられていることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号はシリアル形式であることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号はパラレル形式であり、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、
前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項11】
クロック信号及び前記クロック信号の1サイクル毎に2ビットを含むデータ信号を受信し、前記データ信号に含まれる前記2ビットを前記クロック信号の1サイクル毎に独立して検出することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号に含まれる前記HIGH期間に割り当てられた1ビットを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第1の系と、
前記データ信号に含まれる前記LOW期間に割り当てられた1ビットを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第2の系と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載のデータ処理装置であって、
前記第1の系は、
前記クロック信号の前記HIGH期間の前記データ信号をラッチするラッチ部と、
前記ラッチ部でラッチされたデータ信号を前記クロック信号でサンプリングする第1のサンプリング部と、
前記第1のサンプリング部で得られたデータを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第1のデータ検出部と、を有し、
前記第2の系は、
前記データ信号を前記クロック信号でサンプリングする第2のサンプリング部と、
前記第2のサンプリング部で得られたデータを前記クロック信号の1サイクル毎に検出する第2のデータ検出部と、を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項14】
請求項11に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号はシリアル形式であることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項15】
請求項11に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号はパラレル形式であり、前記クロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、
前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記クロック信号の1サイクル毎に独立して検出することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項16】
第1のクロック信号を分周して、前記第1のクロック信号のクロック周波数の2分の1のクロック周波数を有する第2のクロック信号を生成するクロック分周部と、
第1のクロック信号に基づいて、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に2ビット
を含むデータ信号を出力する高速処理部と、
前記第2のクロック信号と前記データ信号を受け取り、前記データ信号に含まれる前記2ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出する低速処理部と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項17】
請求項16に記載のデータ処理装置であって、
前記高速処理部から出力される前記データ信号には、前記第2のクロック信号の1サイクルのHIGH期間及びLOW期間のそれぞれに1ビットが割り当てられていることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項18】
請求項17に記載のデータ処理装置であって、
前記低速処理部は、
前記データ信号に含まれる前記HIGH期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1の系と、
前記データ信号に含まれる前記LOW期間に割り当てられた1ビットを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2の系と、を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項19】
請求項18に記載のデータ処理装置であって、
前記第1の系は、
前記第2のクロック信号の前記HIGH期間の前記データ信号をラッチするラッチ部と、
前記ラッチ部でラッチされたデータ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第1のサンプリング部と、
前記第1のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第1のデータ検出部と、を有し、
前記第2の系は、
前記データ信号を前記第2のクロック信号でサンプリングする第2のサンプリング部と、
前記第2のサンプリング部で得られたデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に検出する第2のデータ検出部と、を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項20】
請求項16に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号はシリアル形式であることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項21】
請求項16に記載のデータ処理装置であって、
前記データ信号はパラレル形式であり、前記第2のクロック信号の1サイクル毎に、前記データ信号のデータ幅数のデータを2組含み、
前記低速処理部は、前記データ信号に含まれる前記2組のデータを前記第2のクロック信号の1サイクル毎に独立して検出することを特徴とするデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−312300(P2007−312300A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141567(P2006−141567)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】