説明

データ通信装置、データ通信方法、データ通信プログラム、通信チャンネル選択装置および通信チャンネル選択プログラム

【課題】 通信速度が低下するまで通信チャンネルを変更しなかったり、通信エラーが生じなければ他の通信チャンネル間での比較ができず、最適な通信チャンネルを選択できるとは限らなかった。
【解決手段】 ステップS120でチャンネルCHを使用するアクセスポイントの数をパッシブスキャンで検出し、ステップS130では同検出されたアクセスポイントの数に基づいて各通信チャンネルごとの擬似電波密度を計算し、ステップS160にて擬似電波密度の最も少ない通信チャンネルを「1」から順次探していくようにし、アクセスポイントの数から各通信チャンネルの使用状況に基づいて選択することで、比較的簡易な手法で効率の良い通信を行うことが可能な通信チャンネルを選択できるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうためのデータ通信装置、データ通信方法、データ通信プログラム、通信チャンネル選択装置および通信チャンネル選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN用の中継器であるアクセスポイント(データ通信装置)は、離れた位置にある複数のコンピュータ(無線端末)をインターネットに接続するデバイスとして使用されている。
アクセスポイントは有線にてインターネットなどのネットワークに接続され、アクセスポイントとコンピュータとの間が無線で接続される。このような無線通信用に所定の周波数帯域を割り当てられており、かつ、この周波数帯域内をさらに複数の帯域ごとに分けて利よするために複数の通信チャンネル(ch1〜ch13)が設定されている。
【0003】
いずれか通信チャンネルを使用するかは、利用者に依存されており、適宜変更して利用することを想定している。
しかし、現実には、利用者の通信チャンネルに対する理解が浅いので、製品出荷時のままの通信チャンネル(例えば、ch11)が利用されていることが多い。
無線接続はパケットデータ通信を行うため、同じ通信チャンネルを使用して複数対の送受信端末間でのデータ通信は可能であるが、互いに空き時間を使用することになるので効率は下がる。
一方、無線通信中に通信速度が低下した場合に、各通信チャンネルの状況を通信エラーに基づいて判定し、通信エラーのない通信チャンネルを選択して利用する技術が知られている。特許文献1や特許文献2に示すものが知られている。
【特許文献1】特開2003−298591
【特許文献2】特開2003−244159
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のデータ通信装置においては、次のような課題があった。
通信チャンネルを変更することなく製品出荷時のまま使用する場合、同じ通信チャンネルのみでデータ通信を行うため、通信速度に限界があり、効率が良くない。
通信速度が低下したときに、通信エラーに基づいて他の通信チャンネルを判定する場合、通信速度が低下するまで通信チャンネルを変更できないし、通信エラーが生じなければ他の通信チャンネル間での比較ができず、最適な通信チャンネルを選択できるとは限らない。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、より簡易に最適な通信チャンネルを利用することが可能なデータ通信装置、データ通信プログラム、データ通信方法、通信チャンネル選択装置および通信チャンネル選択プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用する上記アクセスポイントとしてのデータ通信装置であって、上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定手段と、同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択手段と、同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信手段とを具備する構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、その前提として、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用している。ここで、記アクセスポイントとしてのデータ通信装置では、判定手段が上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定しており、選択手段は同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択するので、送受信手段は同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う。
【0008】
すなわち、各通信チャンネルにおける、例えば通信チャンネルの使用の有無を含めた使用状況を判定しており、使用状況から最適な通信チャンネルを選択する。
使用状況に基づいて通信チャンネルを選択する条件は各種の手法を適用可能であるが、その一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のデータ通信装置において、上記選択手段は、使用している通信チャンネルの偏りを解消するように上記チャンネルを選択する構成としてある。
【0009】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、使用している通信チャンネルの偏りを解消するように、使用する通信チャンネルを選択する。これにより、可能な限り均等な使用の仕方となり、通信効率を向上させることに貢献する。
さらに、請求項3にかかる発明は、上記選択手段は、使用されていない通信チャンネルを選択する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、通信チャンネルを選択するにあたり、使用されていない通信チャンネルを選択する。使用されていない通信チャンネルがあれば、同チャンネルを選択することで通信効率の向上に貢献する。
さらに、請求項4にかかる発明は、上記判定手段は、各通信チャンネルを使用することでその近隣通信チャンネルに及ぼす影響を使用状況に反映させる構成としてある。
無線LANの場合、選択できるチャンネルはch1〜ch13であるが、ch11を使用する場合にch10やch12といった隣接通信チャンネルや、ch9やch13といったそのまた隣接チャンネルといった近隣通信チャンネルも通信の影響を受ける。このような場合、個別の通信チャンネルの使用状況だけでは通信効率を判定できない。
【0010】
これに対して、上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、使用状況を判定するにあたり、各通信チャンネルを使用することでその近隣通信チャンネルに及ぼす影響を反映させているので、より現実的に通信効率を向上させうる通信チャンネルを選択することが可能となる。
【0011】
さらに、請求項5にかかる発明は、上記判定手段は、各通信チャンネルごとに当該通信チャンネルを使用しているアクセスポイントの数に応じた使用状況を判定する構成としてある。
各通信チャンネルごとに実際に通信されているデータ量を測定して使用状況を判定することも可能であるが、煩雑である。これに対し、各通信チャンネルを使用するように設定されているアクセスポイントの数によって通信可能なデータ量の目安とすることも可能である。このため、上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、上記判定手段が、各通信チャンネルごとに当該通信チャンネルを使用しているアクセスポイントの数を検出し、同数に応じて使用状況を判定する。
【0012】
アクセスポイントの数を検出する手法の一例として、請求項6にかかる発明は、上記判定手段は、各通信チャンネルを使用しているアクセスポイントから送出されるビーコンに基づいて同アクセスポイントの数を判定する構成としてある。
アクセスポイントに対して何らかのリクエストを出力し、その応答を待ってアクセスポイントの数を検出するとすれば、リクエストを出したり、当該リクエスト自身に対する応答や、返答などが生じ、それぞれにパケットが使用される。この結果、当然通信トラフィックが低下するので非効率である。
【0013】
これに対し、上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、既存の条件で各通信チャンネルを使用しているアクセスポイントが定期的に送出しているビーコンに基づいて同アクセスポイントの数を判定するので、パッシブスキャンとなり、特別なリクエストでトラフィックを低下させることなく、アクセスポイントの数を検知することになる。 さらに、請求項7にかかる発明は、上記判定手段は、使用している通信チャンネルに最も大きな重み付けをアクセスポイントの数に与えるとともに、当該通信チャンネルを中心として離れるに従って大きさが減る重み付けをアクセスポイントの数に与えて各通信チャンネルの使用状況を反映させる構成としてある。
【0014】
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、各通信チャンネルごとのアクセスポイントの数をそのまま反映するのではなく、各アクセスポイントが使用している通信チャンネルに最も大きな重み付けを当該アクセスポイントの数に与えて当該通信チャンネルの使用状況とする。また、当該通信チャンネルを中心として離れるに従って大きさが減る重み付けを当該アクセスポイントの数に与えて、各通信チャンネルの使用状況に反映させる。
【0015】
より具体的には、請求項8にかかる発明は、上記判定手段は、上記重み付けとして、使用している通信チャンネルに6を与え、一通信チャンネル離れるごとに、順次、3:2:1の重み付けを与える構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、ch10にアクセスポイントが2つあるとすると、当該アクセスポイントの数である”2”は、ch10に対して重み付けである”6”を与えられて”12”の寄与となり、ch9とch11に対して重み付けである”3”を与えられて”6”の寄与となり、ch8とch12に対して重み付けである”2”を与えられて”4”の寄与となり、ch7とch13に対して重み付けである”1”を与えられて”2”の寄与となる。この結果、ch7〜ch13において、使用状況は、”2”,”4”,”6”,”12”,”6”,”4”,”2”となる。
【0016】
そして、他の通信チャンネルを使用しているアクセスポイントがあるときには同じ重み付けを与えて近隣チャンネルの使用状況に反映させる。複数の通信チャンネルから使用状況に反映される場合、使用状況の数値を順次加算していけばよい。
このような重み付けは使用する無線周波数帯域の性質や変調方式などによって適宜変更可能であるし、上記数値に対してわずかながらの変更があってもおおむねこの傾向にあるのであれば、同様の効果を奏する。
使用状況に基づいていずれかの通信チャンネルを選択する手法は各種のものを適用可能であり、その一例として、請求項9にかかる発明は、上記選択手段は、複数の通信方式がある場合に通信速度の遅い通信方式を避けて通信チャンネルを選択する構成としてある。
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、複数の通信方式がある場合に通信速度の遅い通信方式を避けて通信チャンネルを選択する。
さらに、請求項10にかかる発明は、所定時間ごとに上記通信チャンネルの使用状況を判定し、上記選択手段は同使用状況に基づいて通信チャンネルを変更する構成としてある。
無線LANなどでは必ずしも特定の通信チャンネルで定常的にデータ通信を行うとは限らない。従って、時間の変化に伴って各通信チャンネルの使用状況は変化していくといえる。このため、上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、所定時間ごとに上記通信チャンネルの使用状況を判定する。そして、必要であれば上記選択手段は同使用状況に基づいて通信チャンネルを変更する。むろん、使用状況に大きな変化がなく、その場合には敢えて通信チャンネルを変更しないこともありえる。
【0017】
さらに、請求項11にかかる発明は、上記無線端末が当該データ通信装置と通信しているときは、上通信チャンネルを変更しない構成としてある。
上記無線端末が当該データ通信装置と通信しているときに通信チャンネルを変更してしまうと通信に支障が生じるため、上記のように構成した請求項11にかかる発明においては、かかる通信中には上通信チャンネルを変更しない。
さらに、請求項12にかかる発明は、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルから選択されたいずれかの通信チャンネルをしてデータの送受信を行うためのデータ通信装置であって、上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定手段と、同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択手段と、同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信手段とを具備する構成としてある。
【0018】
このように、使用状況を判定して使用する通信チャンネルを選択する手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、請求項13にかかる発明は、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用し、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうデータ通信方法であって、上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定工程と、同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択工程と、同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信工程とを具備する構成としてある。
【0019】
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
ところで、このようなデータ通信装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0020】
発明の思想の具現化例としてデータ通信装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
その一例として、請求項14にかかる発明は、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用し、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうデータ通信プログラムであって、上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定機能と、同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択機能と、同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信機能とを具備する構成としてある。
【0021】
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
【0022】
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
本発明をソフトウェアで実現する場合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成とすることも可能であるし、これらと切り離して実現することもできる。例えば、各種の演算処理といっても、その実現方法はオペレーティングシステムにおける所定の関数を呼び出して処理することも可能であれば、このような関数を呼び出すことなくハードウェアから入力することも可能である。そして、実際にはオペレーティングシステムの介在のもとで実現するとしても、プログラムが媒体に記録されて流通される過程においては、このプログラムだけで本発明を実施できるものと理解することができる。
【0023】
また、本発明をソフトウェアで実施する場合、発明がプログラムを記録した媒体として実現されるのみならず、本発明がプログラム自体として実現されるのは当然であり、プログラム自体も本発明に含まれる。
また、以上のように使用する通信チャンネルを選択するだけであれば、必ずしも自身でデータの送受信を行なう必要はなく、単に通信チャンネルを選択する装置としても適用可能である。その一例として、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中から使用する通信チャンネルを選択するための通信チャンネル選択装置であって、上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定手段と、同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択手段とを具備する構成としてある。
【0024】
むろん、その作用はデータ送受信を除いて上述したものと同様である。また、かかる装置を実現するための通信チャンネル選択プログラムとして実現することも可能であり、請求項16にかかる発明では、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中から使用する通信チャンネルを選択するための通信チャンネル選択プログラムであって、上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定機能と、同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択機能とをコンピュータに実現させる構成としてある。
【0025】
なお、上述した多種のバリエーションは、装置、方法、プログラムのいずれにおいても等しく適用可能であることはいうまでもない。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明は、使用状況を事前に判定して通信チャンネルを選択するため、効率の良いデータの送受信を実現することが可能なデータ通信装置を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、使用している通信チャンネルの偏りを解消して効率を向上させることができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、上記選択手段は、使用されていない通信チャンネルがあればそれを選択するので、必然的に使用している通信チャンネルの偏りを解消し、効率を向上させることができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、近隣の通信チャンネルに影響を及ぼすような場合に使用状況をより正確に反映させることができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、各通信チャンネルを使用しているアクセスポイントの数を利用して簡易に使用状況を反映させることができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、アクセスポイントから送出されるビーコンに基づくパッシブスキャンを行なうと、通信トラフィックに悪影響を与えることなくでアクセスポイントの数を検出することができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、アクセスポイントの数に重み付けを与えることで、現実の電波の使用に近い使用状況を判定することが可能となる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、より具体的に現実の電波の使用に近い使用状況を判定することが可能となる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、通信速度の遅い通信方式を避けることでより確実に通信効率を向上させることができる。
さらに、請求項10にかかる発明によれば、時間の変化に即して最適な通信チャンネルを選択することが可能となる。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、通信中の無線端末に影響を及ぼす危険性を回避できる。
さらに、請求項12,13,14にかかる発明によれば、同様の効果を奏するデータ通信装置、データ通信方法、データ通信プログラムを提供できる。
また、請求項15,16にかかる発明によれば、同様の効果を奏する通信チャンネル選択装置および通信チャンネル選択プログラムを提供できる。
【発明の実施の形態】
【0027】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を、以下の順序で説明する。

A.第1実施例
A−1.ネットワークの構成
A−2.最適通信チャンネル選択処理の内容
A−3.作用効果
B.まとめ

A.実施例:
A−1.ネットワークの構成:
図1は本発明の第1実施例であるネットワーク環境のハードウェア構成を示す説明図であり、図2はアクセスポイント(データ通信装置)の構成を示す説明図である。
【0028】
本ネットワーク環境では、無線LANの無線通信エリア内において、無線端末50,60,70がアクセスポイント20a,20b,20nを介して有線環境CLで接続されたインターネットINのサーバーSVにアクセス可能なものとなっている。
図1に示すように、無線通信エリア内には、無線LAN用の中継器であるアクセスポイント(無線基地局:データ通信装置)20(20a,20b,20nを総称する)が設置されている。アクセスポイント20は、図2に示すように、CPU11と、このCPU11とバスにより相互に接続されたROM12,RAM13,ハードディスク等の不揮発的な記憶装置14,ネットワークインタフェースとしてのWANポート17,有線LANとの接続用のLANポート22,無線通信インタフェース18,ディスプレイコントローラ15,入出力コントローラ16等の各部を備える。
【0029】
ROM12には、無線通信エリア内の無線端末50,60,70との通信やインターネットINへの接続に関する各種のプログラムとこのプログラムの実行に必要なデータが格納されている。ここで同プログラムの一例として、以下、図3〜図6に示す通信チャンネル設定プログラムが含まれている。
【0030】
無線通信インターフェイス18と送信機25と受信機26は、所定の周波数帯域(2.4GHz帯)に設定された通信チャンネルch1〜ch13の13チャンネルの中からいずれかを選択してデータの送受信が可能である。通信チャンネルは上述した通信チャンネル設定プログラムで選択される。また、通信方式には、IEEE802.11b(以下、単に11b方式と呼ぶ)による11Mbpsの通信速度のものと、IEEE802.11g(以下、単に11g方式と呼ぶ)による54Mbpsの通信速度のものとがあるが、いずれを使用可能であるかは具体的なハードウェア構成によって決まっている。なお、図示していないが、計時機能を実現するタイマー回路なども備えている。
【0031】
無線端末50,60,70には、アクセスポイント20との間での電波の送受信を行なえるようにする無線LAN接続用デバイスとして、無線LANアダプタ52,62,72が装着されている。この無線LANアダプタ52,62,72のデバイスドライバが無線端末50,60,70に組み込まれることにより、無線端末50,60,70は、装着された無線LANアダプタ52,62,72を認識し、無線LANアダプタ52,62,72を制御することが可能となる。
【0032】
無線通信エリア内に入ったコンピュータとしての無線端末50,60,70は、装着された無線LANアダプタ52,62,72とアクセスポイント20との間で所定の通信チャンネルを使用した電波が送受信されることにより、アクセスポイント20との通信を無線で行なう。アクセスポイント20および無線LANアダプタ52,62,72は、やり取りするデータを通信に適した形式、いわゆるパケットに変換することが可能であり、これにより、無線端末50,60,70とアクセスポイント20との間においてデータの送受信をすることが可能となっている。
【0033】
アクセスポイント20が各無線端末50,60,70からのアクセスを受けるにあたり、各アクセスポイント20a,20b,20gではデータ通信に使用する通信チャンネルを特定する必要がある。各アクセスポイント20a,20b,20gは、同通信チャンネルを特定した上でIDとしてのSSIDを含めたビーコンを適宜発信しており、各無線端末50,60,70は無線LANアダプタ52,62,72の起動時などに所定期間を費やしてパッシブスキャンを行い、無線通信エリア内に存在するアクセスポイント20a,20b,20gの各種情報を取得可能となっている。すなわち、パッシブスキャンでは、通信チャンネルを順次ch1からch13まで上げていきながら(下げていきながら)ビーコンを受信できるか否か判断し、ビーコンを受信できれば同ビーコンに含まれる情報からアクセスポイント20a,20b,20gのSSIDや通信方式などを取得していく。
【0034】
ここで、各無線端末50,60,70はアクセスポイント20a,20b,20gを上記SSIDにて認識し、接続するアクセスポイント20a,20b,20gを特定した上で上記ビーコンに含まれる情報から通信チャンネルを特定するようにしている。従って、通信チャンネルを主体的に決定するのはアクセスポイント20の側であって、無線端末50,60,70の側ではない。
【0035】
A−2.最適通信チャンネル選択処理の内容:
図3〜図6は通信チャンネル設定プログラムをフローチャートにより示している。図3はそのメインフローに相当し、ステップS110にてループ処理用の変数CHに初期値としての「1」を設定し、ステップS120〜S150の処理を所定のチャンネル分だけ繰り返して各通信チャンネルごとの使用状況を判定し、最後にステップS160にて使用する通信チャンネルを決定する。この意味で、ステップS110〜S150の処理が判定機能(判定手段、判定工程)に相当し、ステップS160の処理が選択機能(選択手段、選択工程)に相当する。
【0036】
ステップS110にて初期値を与えられた変数CHは、ステップS140にて「1」ずつインクリメントされ、ステップS150にて「13」を超えたと判断されるまでステップS120,S130の処理を繰り返すことになる。通信チャンネルはch1〜ch13があるので、このループ処理で各通信チャンネルを網羅することができる。
【0037】
このループ処理の中では、まず、ステップS120でチャンネルCHを使用するアクセスポイントの数をパッシブスキャンで検出する。本実施形態では、通信効率を最適化するためにも通信方式の種別を含めて検出するようにしている。すなわち、11b方式のアクセスポイントの数Nbと11g方式のアクセスポイントの数Ngとを別個に計数する。ただし、用途によってはそれらの数をまとめた数N(=Nb+Ng)として利用することもある。
【0038】
次に、ステップS130では各通信チャンネルごとの擬似電波密度を計算する。上述した無線LANの通信規格IEEE802.11b,IEEE802.11gでは、13チャンネルがそれぞれ全く個別の通信環境を提供できるのではなく、一つの通信チャンネルを使用するとその近隣の通信チャンネルでのデータの送受信にも少なからず影響を及ぼす。その影響度は、使用する通信チャンネルを中心として通信チャンネルの数値が離れるに従って減っていく。この影響度は重み付けとして表すとすると、中心の通信チャンネルを1としたとき、概ね、チャンネル数値が±1離れた通信チャンネルにおいて1/2、チャンネル数値が±2離れた通信チャンネルにおいて1/3、チャンネル数値が±3離れた通信チャンネルにおいて1/6と表せる。
【0039】
このような技術背景に鑑み、擬似電波密度は図4に示すフローチャートに従って計算する。まず、ステップS205ではループ処理のための変数VCHに初期値としての「1」を設定し、ステップS210ではパッシブスキャンにて検出したチャンネルCHを通信チャンネルとしているアクセスポイントの数を変数に代入する。フローチャート上ではNbgと表記しているが、通信方式ごとに変数Nb,Ng,N(=Nb+Ng)にそれぞれに対応するアクセスポイントの数を代入する。
【0040】
その後、ステップS215〜S260を繰り返し、変数VCHが「1」〜「13」となる間、各通信チャンネルごとに用意されている擬似電波密度のための変数PTbg(VCH)を計算していくことになる。具体的には、ステップS215で現在の変数VCHの値が現在の通信チャンネルの数値と±3の隔たりがあるか否かを判断し、YESである場合にはステップS220にて通信方式ごとに擬似電波密度を計算して変数PTbg(VCH)に代入する。ここでも、フローチャート上ではPTbg(VCH)やNbgと表記しているが、具体的には、通信方式ごとに計算する。計算式において、計算前の擬似電波密度PTbg(VCH)に加算するのはアクセスポイントの数Nbgに「1」を乗算した数値である。上述したように使用する通信チャンネルを中心として±3の数値の通信チャンネルが受ける影響度は1/6である。しかし、整数で演算して演算処理を簡易化することが可能である。±3の数値の通信チャンネルが受ける影響度の1/6に対して重み付けを「1」とするのであれば、±2の数値の通信チャンネルが受ける影響度の1/3に対して重み付けは2が適当であり、同様にして±1の数値の通信チャンネルが受ける影響度の1/2に対して重み付けは3が適当であり、中心の通信チャンネルが受ける影響度の1に対して重み付けは6が適当となる。ステップS215,S225,S234,S245にて、それぞれ使用する通信チャンネルを中心として±3の数値の通信チャンネルであるのか、±2の数値の通信チャンネルであるのか、±1の数値の通信チャンネルであるのか、中心の通信チャンネルであるのかを判定し、それぞれに該当する場合は、ステップS220,S230,S240,S250にてアクセスポイントの数Nbgに重み付けを乗算した値を擬似電波密度の値として計算する。
【0041】
むろん、複数の通信チャンネルが利用されていれば影響度は累積的になるので、アクセスポイントの数を各通信チャンネルごとに検出したら、その都度、影響が及ぼす近隣チャンネルのすべてについて上述した擬似電波密度の計算を行う。
なお、上述した計算を行ったらステップS255でループ処理用の変数VCHを「1」だけインクリメントし、ステップS260にて同変数VCHが「13」を超えたと判断されるまで繰り返す。
ループ処理用の変数CHについて「1」から「13」まで変化させながら、その都度、ループ処理用の変数VCHについて「1」から「13」まで変化させて上述した処理を繰り返すと、すべての通信チャンネルで他の通信チャンネルを使用したデータ送受信で受ける影響度合いを含めて使用状況を判定したことになる。
【0042】
そこで、図3に示すステップS160にて以上のようにして計算した擬似電波密度に基づいて最適な通信チャンネルを決定する。
図5と図6はその詳細なフローチャートを示している。
まず、ステップS305では、使用する変数のそれぞれに初期値を設定する。ここでは、ループ処理用の変数CHに「1」を、最小擬似電波密度値用の変数Wに「65535」を、最小擬似電波密度の通信チャンネル用の変数chanに「0」を代入する。なお、変数Wに代入する値は2バイトで表される正の整数値の最大値であり、各変数を2バイト変数とすることに基づく上限値を表している。
【0043】
初期値の設定後、ステップS310では変数CHで表される現在の通信チャンネルにおいて検出されたアクセスポイントが11b方式を採用しているものか否かを判断している。本実施形態においては、他にも同じ通信チャンネルを使用することになるアクセスポイントが存在するとしても、できるだけ11b方式のアクセスポイントがある通信チャンネルは避けようとしている。11b方式での通信速度の理論値は11Mbpsであるのに対し、11g方式での通信速度の理論値は54Mbpsである。これは同じデータ量を通信するのに要する通信時間の差に反映される。従って、複数のアクセスポイントが存在している状況で同じ通信チャンネルを使用せざるをえないとしてもできるだけ11b方式のアクセスポイントとの共存は避け、通信速度の低下を回避している。
【0044】
アクセスポイントが11b方式でないときには、ステップS315にて変数CHの通信チャンネルにおける11g方式の擬似電波密度PTg(CH)が現時点での最小擬似電波密度値Wよりも小さいか判断する。このとき、例外的に通信チャンネルが「11」の場合に限り、擬似電波密度PTg(CH)が現時点での最小擬似電波密度値Wと同じである場合も含むようにしている。すなわち、通信チャンネルを変化させながらワークの変数Wに保存されている最小擬似電波密度値よりも小さい擬似電波密度であるか否かを判断し、小さければ最小擬似電波密度値Wとともに仮チャンネル値としての変数chanに現在の通信チャンネルの変数値を代入して更新する。
【0045】
その後、ステップS325にて変数CHを「1」だけインクリメントし、ステップS330にて「13」を超えたと判断するまでステップS310〜ステップS325の処理を繰り返す。
「13」を超えたと判断されたら、ステップS335では仮チャンネル値としての変数chanが「0」であるか否かを判断し、「0」でなければ最適な通信チャンネルを求められたとして本処理を終了する。上述したように11b方式での共存を避けるため、ステップS310にて各通信チャンネルを使用するアクセスポイントが11b方式のものかを判断し、11b方式のものであれば最小擬似電波密度値Wの更新や仮チャンネルchanの更新をしないようにしている。このため、11b方式のアクセスポイントばかりが存在しているようであれば、仮チャンネル値は初期値の「0」のまま更新されることがない。従って、仮チャンネル値が初期値の「0」のままであれば、11b方式での共存は避けられないものと判断し、ステップS355にて新たにループ処理用の変数CHに「1」を代入し、11b方式を含めて擬似電波密度の値が最も小さくなるものを探す。
【0046】
最小擬似電波密度値Wや仮チャンネルchanを使用した最小の擬似電波密度となる通信チャンネルを探す処理は先に説明したステップS315,S320の場合と同様である。唯一異なるのは、11b方式の共存を避けるためのステップS310の判断処理がない点だけである。従って、今度は最小の擬似電波密度となる通信チャンネルを必ず検出できる。
【0047】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
図7は、通信チャンネルとしてch1とch12を使用するアクセスポイントがそれぞれ一台ずつ設置されているときの擬似電波密度を演算した状況をテーブルとして示している。
ch1の通信チャンネルを使用するアクセスポイントが一台設置されていることにより、近隣通信チャンネルであるch1〜ch4まで擬似電波密度の値が求められる。また、ch12の通信チャンネルを使用するアクセスポイントが一台設置されていることにより、ch12を中心の通信チャンネルとしてその近隣通信チャンネルであるch9〜ch13まで擬似電波密度の値が求められる。図において、「x」を付しているのは11g方式を採用するアクセスポイントに対して重み付けを反映させて付与されたポイントを表している。すなわち、チャンネル番号の数値の行に記載された「x」の数が擬似電波密度として表されている。ステップS130の処理では当該テーブルの内容が作成されることになる。
【0048】
続いてステップS160の処理で擬似電波密度の最も少ない通信チャンネルを「1」から順次探していく。図から明らかなようにチャンネル番号を順次上げていって通信チャンネルが「5」となった時点で最小擬似電波密度値Wの値は最小となり、以後更新されなくなる。この結果、最適通信チャンネルとして「5」チャンネルが選択されることになる。
【0049】
一方、このようにして使用する通信チャンネルを選択されたアクセスポイントが11b方式であるとしたときの上記テーブルの状況を図8に示している。同テーブルでは11g方式の擬似電波密度と区別できるように擬似電波密度を「o」として付している。
この場合もステップS130にて同テーブルを作成し、ステップS160にて擬似電波密度が最も少ない通信チャンネルを探すことになる。しかし、今回は11b方式のアクセスポイントが存在しているので、チャンネル番号を順次上げていくとき、チャンネル番号「5」のときは最小擬似電波密度との比較は行われない。そして、チャンネル番号「8」と「9」のときに擬似電波密度はそれぞれ同じ「1」となるも、最初に最小となったチャンネル番号「8」の時点で最小擬似電波中か密度Wが更新され、選択される。
【0050】
なお、11b方式の共存を避ける範囲として11b方式で影響を及ぼす近隣通信チャンネルを避けるようにすることも可能である。このようにするときには、チャンネル番号「8」のときに擬似電波密度の比較が行われず、チャンネル番号「9」のときに最小擬似電波密度値Wが更新され、選択される。
【0051】
ところで、上述したような通信チャンネルの選択、決定処理は、新たにアクセスポイント20を設置する場合に限られない。無線端末50,60,70を含め、無線LAN環境では通信端末50,60,70が増減したり、アクセスポイント自体が増減することがあり得る。このため、図9に示すように、所定期間経過したら各アクセスポイントにて各通信チャンネルの使用状況を判定し、その時点で最適な通信チャンネルを選択するようにしても良い。
【0052】
すなわち、同図に示すように、ステップS405にて所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過しているときにはステップS415にて無線端末を通信中か否かを判断する。ステップS415にて無線端末を通信中か否かを判断するのは、無線端末と通信中に通信チャンネルを変更すると通信が途切れてしまい、悪影響を及ぼしかねないからである。そして、無線端末と通信していなければステップS420にて通信チャンネルの再設定を行う。その内容は図3に示すものと全く同様である。なお、ステップS405にて所定時間経過していないと判断された場合は、ステップS410にて通常の通信処理を実行し、再度、ステップS405にて所定時間経過したか否かを判断する。
【0053】
また、上述した通信チャンネルの選択処理は、必ずしもアクセスポイントに実装されたプログラムなどによって行なう必要はなく、無線LANアダプタ52,62,72を装着した無線端末50,60,70でも実現可能である。この場合は、最適な通信チャンネルを選択する処理まで実行可能であるから、同プログラムを実装していないアクセスポイントを設置するにあたり、無線端末50,60,70にて当該処理を実施して最適な通信チャンネルを求め、同通信チャンネルを新たに設置するアクセスポイントで使用する通信チャンネルに設定すればよい。
【0054】
このように、ステップS120でチャンネルCHを使用するアクセスポイントの数をパッシブスキャンで検出し、ステップS130では同検出されたアクセスポイントの数に基づいて各通信チャンネルごとの擬似電波密度を計算し、ステップS160にて擬似電波密度の最も少ない通信チャンネルを「1」から順次探していくようにし、アクセスポイントの数から各通信チャンネルの使用状況に基づいて選択することで、比較的簡易な手法で効率の良い通信を行うことが可能な通信チャンネルを選択できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態にかかるネットワーク環境を示す概略図である。
【図2】アクセスポイント20の構成を示す説明図である。
【図3】通信チャンネルを選択するメインフローチャートである。
【図4】擬似電波密度の計算の処理のフローチャートである。
【図5】最適通信チャンネルを決定する処理のフローチャートである。
【図6】最適通信チャンネルを決定する処理のフローチャートである。
【図7】各通信チャンネルごとに擬似電波密度を計算したテーブルを示す図である。
【図8】各通信チャンネルごとに擬似電波密度を計算したテーブルを示す図である。
【図9】所定時間ごとに最適通信チャンネルを再選択する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
20(20a,20b,20n)…アクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用する上記アクセスポイントとしてのデータ通信装置であって、
上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定手段と、
同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択手段と、
同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信手段とを具備することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
上記選択手段は、使用している通信チャンネルの偏りを解消するように上記チャンネルを選択することを特徴とする上記請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項3】
上記選択手段は、使用されていない通信チャンネルを選択することを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項4】
上記判定手段は、各通信チャンネルを使用することでその近隣通信チャンネルに及ぼす影響を使用状況に反映させることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項5】
上記判定手段は、各通信チャンネルごとに当該通信チャンネルを使用しているアクセスポイントの数に応じた使用状況を判定することを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項6】
上記判定手段は、各通信チャンネルを使用しているアクセスポイントから送出されるビーコンに基づいて同アクセスポイントの数を判定することを特徴とする上記請求項5に記載のデータ通信装置。
【請求項7】
上記判定手段は、使用している通信チャンネルに最も大きな重み付けをアクセスポイントの数に与えるとともに、当該通信チャンネルを中心として離れるに従って大きさが減る重み付けをアクセスポイントの数に与えて各通信チャンネルの使用状況を反映させることを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項8】
上記判定手段は、上記重み付けとして、使用している通信チャンネルに6を与え、一通信チャンネル離れるごとに、順次、3:2:1の重み付けを与えることを特徴とする上記請求項7に記載のデータ通信装置。
【請求項9】
上記選択手段は、複数の通信方式がある場合に通信速度の遅い通信方式を避けて通信チャンネルを選択することを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項10】
上記判定手段は、所定時間ごとに上記通信チャンネルの使用状況を判定し、上記選択手段は同使用状況に基づいて通信チャンネルを変更することを特徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項11】
上記無線端末が当該データ通信装置と通信しているときは、上通信チャンネルを変更しないことを特徴とする上記請求項10に記載のデータ通信装置。
【請求項12】
所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルから選択されたいずれかの通信チャンネルをしてデータの送受信を行うためのデータ通信装置であって、
上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定手段と、
同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択手段と、
同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信手段とを具備することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項13】
所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用し、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうデータ通信方法であって、
上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定工程と、
同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択工程と、
同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信工程とを具備することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項14】
所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中のいずれかの通信チャンネルを使用し、複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうデータ通信プログラムであって、
上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定機能と、
同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択機能と、
同選択された通信チャンネルを使用してデータの送受信を行う送受信機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするデータ通信プログラム。
【請求項15】
複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中から使用する通信チャンネルを選択するための通信チャンネル選択装置であって、
上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定手段と、
同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択手段とを具備することを特徴とする通信チャンネル選択装置。
【請求項16】
複数の個別の無線端末が共通のアクセスポイントに対して無線でデータの送受信を行なうにあたり、所定の周波数帯域を割り当てられた複数の通信チャンネルの中から使用する通信チャンネルを選択するための通信チャンネル選択プログラムであって、
上記各通信チャンネルごとに使用状況を判定する判定機能と、
同使用状況に基づいて所定の条件に基づいて使用に適した通信チャンネルを選択する選択機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする通信チャンネル選択プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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