データ配信装置、データ配信プログラム
【課題】データ送信元において設定されるデータ配信を制御するための制御情報に応じて、非同期で不特定の任意数の相手にデータを配信できるようにする。
【解決手段】ホストサーバ10は、送信側クライアント20から送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信部40と、受信された複数のデータを記憶する記憶装置41と、受信側クライアント24からデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付部45と、データ配信要求受付部45によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、記憶装置41に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、受信側クライアント24に配信するデータ配信部44を有している。
【解決手段】ホストサーバ10は、送信側クライアント20から送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信部40と、受信された複数のデータを記憶する記憶装置41と、受信側クライアント24からデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付部45と、データ配信要求受付部45によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、記憶装置41に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、受信側クライアント24に配信するデータ配信部44を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータを配信するためのデータ配信装置、データ配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定の相手にデータを届けるシステムとしては、ボトルメール機能を用いたメールシステムがある。ボトルメール機能では、発信者が送信したボトルメールを、不特定の人が任意のタイミングで受信することができる。従来、ボトルメール機能を用いたゲーム機が考えられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された携帯型ゲーム機では、転送回数を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールを生成して送信する。また、携帯型ゲーム機は、他機からのメールを受信して、受信メールに含まれる転送パラメータをもとに、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定する。そして、他機への転送を指示すると判定された受信メールについて、所与の転送条件に基づき他機に転送する。
【特許文献1】特開2007−164699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来では、ボトルメール機能を用いて不特定の相手にデータを送信することができ、また転送回数を指定する転送パラメータをメールに付随させることにより複数の他機を介してメールを送信することができる。
【0005】
しかしながら特許文献1に記載された携帯型ゲーム機では、メールを不特定の相手に送信することができるものの、他機に転送する毎にデクリメントされる転送パラメータが示す転送回数が0回を指定しているメールを受信したゲーム機のみがメールを開封することができる。すなわち、ボトルメール機能を用いた場合には、不特定の一人にのみデータを送信することができるだけであり、複数の不特定の相手にデータを送信することができなかった。また、転送回数0回を示す転送パラメータが付加されたメールが転送されてこなければデータを取得することはできず、プレイヤが非同期の任意のタイミングでデータを取得することはできなかった。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、データ送信元において設定されるデータ配信を制御するための制御情報に応じて、非同期で不特定の任意数の相手にデータを配信することが可能なデータ配信装置、データ配信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、送信側クライアントから送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段により受信された複数のデータを記憶する記憶手段と、受信側クライアントからデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付手段と、前記データ配信要求受付手段によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、前記データ記憶手段に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された前記制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、前記受信側クライアントに配信するデータ配信手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データ送信元において設定されるデータ配信を制御するための制御情報に応じて、非同期で不特定の特定数の相手にデータを配信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、データ配信サービスを提供するホストサーバ10が、インターネットや公衆電話網などを含むネットワーク12を介して、パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15などの電子機器と接続されて構成される。
【0010】
ホストサーバ10は、パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15などの電子機器から提供されるコンテンツデータを受信し、また電子機器からの要求に応じてコンテンツデータを配信するサービスを提供する。パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15などの電子機器は、送信側あるいは受信側クライアントとして使用される。なお、パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15に限らず、ネットワーク12を介してホストサーバ10(連携ホストサーバ18)と接続可能な機能が搭載された電子機器であれば、送信側/受信側クライアントとして使用することができる。
【0011】
ホストサーバ10は、送信側クライアント(電子機器)から送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたコンテンツデータを受信し、この受信された複数のデータを所定の分類によって記憶しておく。ホストサーバ10は、受信側クライアントからのデータ配信要求を受け付けると、記憶されたデータのそれぞれに対して付加された制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、受信側クライアントに配信するサービスを提供する。ホストサーバ10は、制御情報に含まれる、例えばデータの保存期間、再生回数、パスワードの有無などのデータに基づいてデータ配信を制御することで、送信先の数に制限がない不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(以下、第1データ送信と称する)、送信先の数に制限を付けた不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(以下、第2データ送信と称する)、送信先を1つに制限した不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(以下、第3データ送信と称する)を実現する。
【0012】
連携ホストサーバ18(18−1,…,18−m)は、ホストサーバ10と同等の機能が搭載されるもので、ホストサーバ10と連携して受信側クライアント(パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15等)からアップロードされるデータの受信と記憶、及び受信側クライアントからの要求に応じたデータの配信を実行する。連携ホストサーバ18は、ホストサーバ10に対して送信クライアントから送信されたデータの受信を、ネットワーク12を介して代行する機能を有する。また、連携ホストサーバ18は、ホストサーバ10が受信した受信側クライアントからのデータ配信要求に対して、代行して受信したデータをホストサーバ10に提供する機能を有する。
【0013】
図2は、送信側クライアント20、ホストサーバ群22(連携ホストサーバ18、連携ホストサーバ18(18−1,…,18−m))、受信側クライアント24(24−1,24−2,…,24−n)の関係を示す図である。
本実施形態におけるシステムでは、送信側クライアント20は、配信対象とするコンテンツデータをホストサーバ群22の何れかのホストサーバに送信(アップロード)する。また、ホストサーバ群22に含まれるホストサーバ10と複数の連携ホストサーバ18は、連携して送信側クライアント20から送信されるコンテンツデータを記憶する。また、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18は、受信側クライアント24(24−1,24−2,…,24−n)からのデータ配信要求に対して、連携してコンテンツデータを要求元の受信側クライアント24に対して配信することができる。
【0014】
本実施形態では、送信側クライアント20は、ホストサーバ10に対してコンテンツデータを送信(アップロード)し、ホストサーバ10は、アップロードされたコンテンツデータを記憶できない状況の場合に他の連携ホストサーバ18にデータの受信を代行させるものとする。また、受信側クライアント24は、ホストサーバ10にデータ配送要求を送信し、ホストサーバ10にダウンロード可能なコンテンツデータが記憶されていない場合には、ホストサーバ10は、他の連携ホストサーバ18に記憶されたコンテンツデータに記憶されたコンテンツデータを取得して、受信側クライアント24に配信することができる。
【0015】
なお、前述のようにして、ホストサーバ10を通じてコンテンツデータの送信と配信をするだけでなく、送信側クライアント20は、連携ホストサーバ18の何れかに対してコンテンツデータのアップロードを要求するようにしても良い。また、受信側クライアント24は、連携ホストサーバ18の何れかに対してコンテンツデータの配信を要求しても良い。この場合、データ配信要求を受信した連携ホストサーバ18は、データ配信可能なコンテンツデータが存在しない場合には、データ無しを受信側クライアント24に返信しても良いし、ホストサーバ10あるいは他の連携ホストサーバ18からコンテンツデータを取得して、受信側クライアント24に配信するようにしても良い。
【0016】
このように、多数の送信側クライアント20からアップロードされるコンテンツデータをホストサーバ10と複数の連携ホストサーバ18によって分散して記憶することで、アップロード可能なデータ数を増大させ、またホストサーバ10と連携ホストサーバ18の処理負荷を軽減することができる。また、ホストサーバ10と複数の連携ホストサーバ18によってデータ配信を可能とすることで、ネットワークへの負荷も軽減されるので、受信側クライアント24によるコンテンツデータの受信環境も良好となる。
【0017】
図3は、送信側クライアント20の機能構成を示すブロック図である。
送信側クライアント20は、パーソナルコンピュータ13等によって実現されるもので、各種プログラムをプロセッサにより実行することにより、各種の機能を実現することができる。送信側クライアント20には、キーボードやボタン群、マウスなどのポインティングデバイス等からなる入力装置30や、ディスプレイやスピーカなどによる出力装置、またハードディスク装置やメモリなどによる記憶装置31が設けられている。また、送信側クライアント20には、ホストサーバ10にアップロードするコンテンツデータを作成するための素材となるデータを入力する入力デバイス、例えば音声を入力するためのマイク、画像(静止画、動画)を撮影するためのカメラなどが搭載されているものとする。
【0018】
また、送信側クライアント20は、ネットワーク12を通じてホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)にアクセスすることで、ホストサーバ10からデータ配信プログラムを受信し、このデータ配信プログラムを実行することでアップロード処理部33を実現する。
【0019】
アップロード処理部33では、入力フロントエンド部34(データ入力部34a、34b、制御情報入力処理部34c)、データ構築部35、データ構築設定部36、サーバ連携部37、データ送信制御I/F部38、及びサーバ接続設定部39の機能が実現される。
【0020】
入力フロントエンド部34は、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードするコンテンツデータを生成するために必要なデータを入力するための機能を提供するもので、データ入力部34a、34b、制御情報入力処理部34cが含まれる。例えば、データ入力部34aは、マイクからの音声入力やカメラからの画像(静止画、動画)入力を制御する。また、データ入力部34bは、キーボードやボタン等に対する操作によるテキストデータの入力を制御する。なお、コンテンツデータに用いられるデータは、音声、画像、テキストの各データに限るものではなく、その他のデータを対象としても良い。制御情報入力処理部34cは、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードされたコンテンツデータの配信を制御するための制御情報を入力する。制御情報には、例えば配信ルール情報や保存先情報などが含まれる。配信ルール情報には、データの保存期間、再生回数、パスワードの有無などのデータが含まれる。保存先情報には、ホストサーバ10(または連携ホストサーバ18)においてコンテンツデータを分類して保存する際の保存先を示すフィールドが含まれる。
【0021】
データ構築部35は、入力フロントエンド部34によって入力されたデータをもとに、データ構築設定部36に設定されたデータ構造体を示すデータ構造体情報等に基づいて、アップロード対象となるコンテンツデータを構築して記憶装置31に記憶させる。データ構築部35は、データ入力部34aとデータ入力部34bから入力されたデータを組み合わせてコンテンツデータを構築し、このコンテンツデータに制御情報入力処理部34cから入力された制御情報を付加してアップロード対象とするデータを生成する。
【0022】
データ構築設定部36は、初期接続したホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18から取得された、アップロードされるコンテンツデータを定義するためのデータ構造体情報をデータ構築部35に提示する。
【0023】
サーバ連携部37は、初期接続したホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18から取得した接続ルールに基づいて、記憶装置31に記憶されたアップロード対象とするコンテンツデータのアップロード処理を実行する。サーバ連携部37は、データ送信制御I/F部38を通じて、コンテンツデータをホストサーバ10に送信する。
【0024】
データ送信制御I/F部38は、サーバ連携部37によるアップロード処理によりアップロードされるコンテンツデータの送信を制御する。データ送信制御I/F部38は、初期接続した例えばホストサーバ10より取得した接続ルールに応じて、接続先サービスホストサーバ(ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18)を決定してアップロード接続し、コンテンツデータを送信する。
【0025】
サーバ接続設定部39は、初期接続したホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18から取得した接続ルールをサーバ連携部37及びデータ送信制御I/F部38に提供する。接続ルールには、コンテンツのアップロード先(ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18)を示すデータ、アップロード先に応じたアップロードの条件などが決められている。
【0026】
図4は、ホストサーバ10及び連携ホストサーバ18の機能構成を示すブロック図である。
ホストサーバ10は、データ受信部40、記憶装置41、連携サーバ設定部42、データ管理部43、データ配信部44、及びデータ配信要求受付部45が設けられる。
【0027】
データ受信部40は、送信側クライアント20からアップロード送信されたコンテンツデータを受信して、記憶装置41に記憶させる。データ受信部40は、コンテンツデータに付加された保存先情報(フィールド)をもとに、フィールド毎に分類してコンテンツデータを記憶装置41に記憶させて管理する。また、データ受信部40は、連携サーバ設定部42により設定される連携設定情報に応じて、他の連携ホストサーバ18と連携してコンテンツデータを受信することができる。例えば、データ受信部40は、連携ホストサーバ18にコンテンツデータの受信を代行させることができる。
【0028】
記憶装置41は、送信側クライアント20からアップロードされたコンテンツデータを記憶する。記憶装置41では、コンテンツデータがフィールド毎に分類されて記憶される。
【0029】
連携サーバ設定部42は、ホストサーバ10がデータ配信サービスを提供するために、他のホストサーバ(連携ホストサーバ18)と連携するための連携設定情報を設定する。連携サーバ設定部42により設定される連携設定情報は、データ管理部43が他の連携ホストサーバ18(データ管理部53)との間で交換処理をすることにより設定される。
【0030】
データ管理部43は、記憶装置41に記憶されたコンテンツデータを管理する。データ管理部43は、連携サーバ設定部42に設定された連携設定情報に応じて、記憶装置41に記憶されたコンテンツデータのサーバ間転送を実行し、連携ホストサーバ18と連携してコンテンツデータを管理する。また、データ管理部43は、連携ホストサーバ18との間で交換処理をすることにより、連携設定情報を連携サーバ設定部42に提供する。
【0031】
データ配信部44は、記憶装置41に記憶されたコンテンツデータを受信側クライアント24に配信するための制御を行う。データ配信部44は、データ配信要求受付部45を通じて入力される受信側クライアント24からの受信要求に対して、受信側クライアント24から入力される検索情報に従って記憶装置41からダウンロード対象とするコンテンツデータを選択する。例えば、検索情報には、コンテンツデータがアップロードされる際にユーザにより指定されたフィールド、あるいはパスワードが含まれている。データ配信部44は、指定されたフィールドに分類されたコンテンツデータから、ダウンロード対象とするコンテンツデータを選択する。また、データ配信部44は、パスワードが指定された場合には、パスワードが付されたコンテンツデータを記憶装置41から検索して配信する。記憶装置41に該当するコンテンツデータが記憶されていない場合には、例えば連携ホストサーバ18に該当するコンテンツデータの検索要求を送信し、コンテンツデータを取得することもできる。
【0032】
データ配信要求受付部45は、受信側クライアント24からコンテンツデータの受信要求を受付けて、データ配信部44に通知する。また、データ配信要求受付部45は、受信要求に対して記憶装置41から選択されたコンテンツデータを、受信側クライアント24に対して配信する。データ配信要求受付部45は、受信側クライアント24に対して、コンテンツデータのダウンロード配信、あるいは動画が含まれる場合にはストリーミング配信を実行可能とする。
【0033】
一方、連携ホストサーバ18には、データ受信部50、記憶装置51、データ管理部53、データ配信部54、及びデータ配信要求受付部55が設けられる。
【0034】
連携ホストサーバ18は、基本的に、ホストサーバ10と同様の機能を有している。従って、データ受信部50、記憶装置51は、データ管理部53、データ配信部54のそれぞれは、ホストサーバ10のデータ受信部40、記憶装置41、データ管理部43、データ配信部44、データ配信要求受付部45と同様の機能を有するものとして詳細な説明を省略する。
【0035】
連携ホストサーバ18は、データ受信部40により、送信側クライアント20がホストサーバ10にアップロードしたコンテンツデータを代行して受信することができる。また、ホストサーバ10に記憶されたコンテンツデータを、データ管理部53を受信して、コンテンツデータをホストサーバ群22において分散して記憶することができる。さらに、連携ホストサーバ18は、受信側クライアント24により直接接続されて、クライアントデータのダウンロードが要求された場合には、ホストサーバ10と同様にしてデータ配信要求受付部55を通じてコンテンツデータを配信することができる。
【0036】
図5は、受信側クライアント24の機能構成を示すブロック図である。
受信側クライアント24は、パーソナルコンピュータ13等によって実現されるもので、各種プログラムをプロセッサにより実行することにより、各種の機能を実現することができる。受信側クライアント24には、キーボードやボタン群、マウスなどのポインティングデバイス等からなる入力装置60や、ディスプレイやスピーカなどによる出力装置62、またハードディスク装置やメモリなどによる記憶装置61が設けられている。
【0037】
また、受信側クライアント24は、ネットワーク12を通じてホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)にアクセスすることで、ホストサーバ10からデータ配信プログラムを受信し、このデータ配信プログラムを実行することでダウンロード処理部63を実現する。
【0038】
ダウンロード処理部63では、検索情報入力処理部64、受信要求部65、データ送受信制御I/F部66、受信処理部67、及び再生処理部68の機能が実現される。
【0039】
検索情報入力処理部64は、入力装置60に対するユーザ操作により、ホストサーバ10からコンテンツをダウンロードするために必要な検索情報を入力する。検索情報入力処理部64により入力される検索情報には、例えばコンテンツデータが分類されたフィールドを示す情報が含まれる。すなわち、コンテンツデータを特定する情報ではなく、フィールドのみを指定することで、不特定のコンテンツデータをダウンロードすることができる。また、検索情報入力処理部64は、コンテンツデータに設定されたパスワードを検索情報として入力することができる。パスワードは、例えば送信側クライアント20においてパスワード付きでコンテンツデータをアップロードしたユーザが、受信側クライアント24を使用する他のユーザに対して、別途、何らかの方法(例えば電子メール)によって通知されるものとする。パスワードは、一般的な英数字などの文字の組み合わせによって設定されていても良いし、また図形の組み合わせなどにより設定されたものとあっても良い。パスワードを検索情報として指定することで、特定のコンテンツデータをダウンロードすることができる。
【0040】
受信要求部65は、検索情報入力処理部64によって入力された検索情報(フィールド、パスワード)と共に、コンテンツデータの受信要求を、データ送受信制御I/F部66を通じてホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)に送信する。
【0041】
データ送受信制御I/F部66は、受信要求部65からの受信要求をホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)に送信する制御、及びホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)からダウンロードされるコンテンツデータの受信を制御する。
【0042】
受信処理部67は、データ送受信制御I/F部66によって受信されたコンテンツデータを受信して記憶装置61に記憶させる。
【0043】
再生処理部68は、記憶装置61に記憶されたコンテンツデータを再生出力させるための処理を実行する。再生処理部68は、コンテンツデータを構成するデータ、すなわち音声、画像(静止画、動画)、テキストの各データを再生して、出力装置62からコンテンツを出力させる。
【0044】
次に、データ構築設定部36において設定されるデータ構造体情報の一例について説明する。図6は、データ構造体情報の一例を示している。
本実施形態では、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードするコンテンツデータには、予め所定のデータ構造体が決められている。例えば、コンテンツ1のデータ構造体は、データ種として、背景画像データとテキストデータとの組み合わせによりコンテンツデータが生成されることが設定されている。同様にして、コンテンツ2については、背景画像データと写真画像データとの組み合わせ、コンテンツ3については、写真画像データと音声データとの組み合わせにより、コンテンツデータが生成されることが設定されている。ユーザは、コンテンツのデータ構造体を選択し、必要なデータを入力するすることで、アップロードされるコンテンツデータを作成することができる。
【0045】
なお、データ構造体情報には、図6に示すコンテンツに含まれるデータ種類を示すデータだけでなく、コンテンツを構成するための各種制御データ(例えばデータサイズ、レイアウト、ファイル種類等)が含まれているものとする。これらの詳細については省略する。
【0046】
次に、ユーザによって設定される制御情報に含まれる配信ルール情報の一例について説明する。図7は、配信ルール情報の一例を示している。本実施形態では、例えば配信ルールとして、保存期間、再生回数、パスワードの有無などを、プレイヤが任意に指定することができる。
【0047】
保存期間は、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードされてからダウンロードを終了するまでの期間を示すもので、例えば1日〜7日の間で任意に指定することができる。
【0048】
再生回数は、ホストサーバ10にアップロードされたコンテンツデータを受信側クライアント24に配信可能な回数を示すもので、例えば1回〜10回までの任意の回数、あるいは無制限を指定することができる。例えば、再生回数を無制限とすることで、送信先の数に制限がない不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第1データ送信)を実現することができる。また、再生回数を2回〜10回の任意回数とすることで、送信先の数に制限を付けた不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第2データ送信)を実現することができる。また、再生回数を1回とすることで、送信先を1つに制限した不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第3データ送信)を実現することができる。
【0049】
パスワードは、ユーザが任意に設定するか否かを選択することができる。パスワードについては、前述したように、英数字で表したり、図形の組み合わせなどによって設定することができる。パスワードを有りにすることで、パスワードを知るユーザのみがコンテンツをダウンロードすることができるので、送信先を1つに制限した特定の受信側クライアントに対するデータ送信を実現することができる。
【0050】
次に、ユーザによって設定される制御情報に含まれる保存先情報の一例について説明する。図8は、保存先情報の一例を示している。
【0051】
本実施形態では、コンテンツデータをアップロードする場合、保存先として複数のフィールドの何れかを選択することができる。フィールドとしては、例えば「森」「お墓」「街」など、ユーザが認識し易い名称が付されているものとする。コンテンツをアップロードするユーザは、コンテンツの内容などを考慮して、何れかの適当な名称が付されたフィールドを選択してアップロードすることができる。なお、意図的に、フィールドの名称と何ら関係ない内容のコンテンツをアップロードすることも可能である。また、コンテンツをダウンロードしようとするユーザは、フィールドの名称をもとに何れかを選択することで、所望するイメージに有ったコンテンツをダウンロードし易くできる(ただし、コンテンツの内容を特定できるものではない)。
【0052】
また、各フィールドには、予め決められたトラックが用意されており、そのトラック数の分のコンテンツデータがアップロード可能であるものとする。ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)では、保存先情報が示すフィールドとトラックをもとに、アップロードされた各コンテンツデータを管理する。
【0053】
次に、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18との連携の概略について説明する。図9は、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18との連携の概念を示す図である。
図9に示すように、ホストサーバ10では、複数のフィールドに分類されて、複数のコンテンツデータが記憶されている。また、連携ホストサーバ18においてもホストサーバ10と同様にして、複数のフィールドに分類されて、複数のコンテンツデータが記憶されている。連携ホストサーバ18に記憶されるコンテンツデータは、送信側クライアント20から直接アップロードされたもの、送信側クライアント20のホストサーバ10に対するアップロードに対して、連携ホストサーバ18が代行してアップロードされたもの、さらにはホストサーバ10に記憶されたコンテンツデータが転送されたものなどがある。
【0054】
ホストサーバ10は、受信側クライアント24によりフィールドが指定されてコンテンツのダウンロードが要求された場合、該当するフィールドに分類されたコンテンツを選択して、データ配信部44により配信する。例えば、フィールド1が指定された場合には、フィールド1に記憶されている複数のコンテンツデータから任意の1つ(図中A)をランダムに選択して配信する。なお、指定されたフィールド内に配信が可能なコンテンツが存在しない場合には、受信側クライアント24に対してコンテンツ無しを通知する。
【0055】
また、ホストサーバ10は、コンテンツ無しを通知するのではなく、連携ホストサーバ18の同一のフィールド1に記憶されたコンテンツ(図中B)を取得して、受信側クライアント24に対して配信することができる。また、パスワードが指定されてコンテンツの配信が要求された場合、ホストサーバ10は、パスワードに該当するコンテンツを記憶していなければ、連携ホストサーバ18に該当するコンテンツの問い合わせをし、該当するコンテンツを取得して、受信側クライアント24に配信することができる。
【0056】
なお、図9では、1つの連携ホストサーバ18のみを示しているが、複数の連携ホストサーバ18−1,…,18−mを分散配置することで、多くのユーザがコンテンツのアップロード/ダウンロードをする状況となっても、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18−1,…,18−mとが連携することで、大量のコンテンツデータを扱うシステムとして継続できる。
【0057】
図10は、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)に記憶されるコンテンツデータの管理構成を示している。図10に示すように、コンテンツデータには、アップロード時にユーザにより付加された制御情報の配信ルール情報などが関連付けられている。データ管理部43は、保存期間を定期的に管理して、保存期間が過ぎたコンテンツデータについては無効に(消去)する。また、データ管理部43は、配信回数が0回となったコンテンツデータについても、同様にして無効に(消去)する。
【0058】
データ配信部44(データ配信部54)は、コンテンツデータがダウンロードされた場合、このコンテンツデータに関連付けられた再生回数のデータを更新(デクリメント)する。これにより、制御情報に基づいたコンテンツの配信を制御することができる。
【0059】
次に、本実施形態における動作について説明する。
まず、図11に示すフローチャートを参照しながら、送信側クライアント20の動作(アップロード処理)について説明する。
【0060】
送信側クライアント20は、コンテンツをアップロードする場合には、ネットワーク12を介してホストサーバ10へアクセスする(ステップA1)。すなわち、ホストサーバ10がインターネット上に公開しているWebページにアクセスする。
【0061】
送信側クライアント20は、ホストサーバ10にアクセスすることで実行プログラム(データ配信プログラム)をダウンロードして実行する(ステップA2)。これにより、アップロード処理部33が起動される。
【0062】
アップロード処理部33は、コンテンツ処理の準備段階として、ホストサーバ10からコンテンツデータの作成に参照されるデータ構造体情報、及びコンテンツデータのアップロードを制御するための接続ルールを受信する(ステップA3)。データ構造体情報は、データ構築設定部36により設定される。また、接続ルールは、サーバ接続設定部39により設定される。
【0063】
送信側クライアント20では、アップロード処理部33により、図示せぬ表示装置において各種処理の実行を選択するためのメニュー画面が表示される。メニュー画面では、コンテンツ作成、コンテンツのアップロードなどの実行を指示することができる。
【0064】
ここで、ユーザによりコンテンツ作成が選択された場合、アップロード処理部33は、ホストサーバ10に対して、コンテンツ作成要求を送信する(ステップA4)。さらに、メニュー画面中からアップロードしようとするコンテンツの種類を選択することができる。
【0065】
アップロード処理部33は、ユーザによりコンテンツ種類が選択されると(ステップA5)、ホストサーバ10からコンテンツ作成用の画面データを受信して表示させる。ユーザは、表示されるコンテンツ作成用の画面の内容に従って、コンテンツ作成に必要なデータを入力している(ステップA6)。
【0066】
例えば、コンテンツ種類として、図6に示すコンテンツ2が選択された場合、背景画像データと写真画像データの入力が行われる。背景画像データは、ホストサーバ10に予め複数のサンプルデータが用意されているものとする。アップロード処理部33は、ホストサーバ10からサンプル一覧を受信して表示して、ユーザに何れかを選択させることにより、コンテンツ作成用のデータを設定することができる。また、送信側クライアント20では、データ入力部34aにより、自装置に搭載されたカメラを使用して画像を撮影して写真画像データを入力する。
【0067】
データ構築部35は、取得された背景画像データと写真画像データを、データ構築設定部36に設定されたデータ構造体情報に基づいて整合性をとって合成して、コンテンツデータ(データ構造体)を作成する(ステップA7)。データ構築部35により作成されたコンテンツデータは、記憶装置31に一時記憶される。なお、コンテンツ種類によっては、音声データやテキストデータなどが入力され、データ構造体情報に基づいてコンテンツデータが作成される。
【0068】
次に、データ構築部35により作成されたコンテンツに付加する配信ルール等の制御情報の設定を行う(ステップA8)。アップロード処理部33は、制御情報設定用の画面を表示させて、制御情報入力処理部34cにより、例えば図7に示す配信ルールの各データをユーザによって入力させる。コンテンツにパスワードを付加する指示があった場合には、パスワードの作成も行う。
【0069】
また、アップロードされたコンテンツデータの分類先を示すフィールドについてもユーザに指定させる。アップロード処理部33は、ホストサーバ10からフィールド選択用の画面データを取得して表示させ、ユーザに任意のフィールドを選択させる。
【0070】
ここで、アップロードの実行が指示されると、サーバ連携部37は、サーバ接続設定部39により設定され接続ルールに基づいて、アップロード先のホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)に対して、データ送信制御I/F部38を通じてコンテンツデータと制御情報をアップロード送信する(ステップA9)。
【0071】
次に、ホストサーバ群22(ホストサーバ10、連携ホストサーバ18)からコンテンツをダウンロードする処理について、図12及び図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。図12は、受信側クライアント24の動作(ダウンロード処理)を示すフローチャート、図13は、ホストサーバ10における動作(コンテンツ配信処理)を示すフローチャートである。
【0072】
ここでは、ホストサーバ10にコンテンツデータがアップロードされたものとする。ホストサーバ10のデータ受信部40は、送信側クライアント20からアップロードされたコンテンツデータを、指定されたフィールドに応じて分類して記憶装置41に記憶させる(図13、ステップC1)。
【0073】
受信側クライアント24は、コンテンツデータをダウンロードする場合には、ネットワーク12を介してホストサーバ10へアクセスする(図12、ステップB1)。すなわち、ホストサーバ10がインターネット上に公開しているWebページにアクセスする。
【0074】
受信側クライアント24は、ホストサーバ10にアクセスすることで実行プログラム(データ配信プログラム)をダウンロードして実行する(ステップB2)。これにより、ダウンロード処理部63が起動される。
【0075】
受信側クライアント24では、ダウンロード処理部63により、図示せぬ表示装置において各種処理の実行を選択するためのメニュー画面が表示される。メニュー画面では、コンテンツのダウンロードなどの実行を指示することができる。コンテンツのダウンロードでは、例えばフィールド、あるいはパスワードの指定が可能である。
【0076】
受信要求部65は、検索情報入力処理部64によりユーザによるフィールドの指定が入力されると(ステップB3、Yes)、受信要求部65を通じてホストサーバ10に対してフィールド指定によるコンテンツの配信要求を送信する(ステップB4)。
【0077】
ホストサーバ10は、データ受信部40により受信側クライアント24からのコンテンツの配信要求を受信する(ステップC2)。この配信要求においてフィールド指定されていた場合には(ステップC3、Yes)、データ管理部43は、記憶装置41から該当フィールドに分類された複数のコンテンツデータから配信ルールを満たすコンテンツがあるか判別する。すなわち、保存期間、再生回数とが有効であり、パスワードが設定されていない配信可能なコンテンツデータがあるかを判別する。
【0078】
ここで、配信可能なコンテンツデータがない場合には(ステップC4、No)、データ配信部44は、受信側クライアント24に対してコンテンツ無しを通知する。
【0079】
一方、配信可能なコンテンツデータがある場合には(ステップC4、Yes)、データ配信部44は、指定されたフィールドからコンテンツデータをランダムに選択する(ステップC5)。すなわち、ダウンロード要求元の受信側クライアント24に関係なく、配信対象とするコンテンツデータを選択する。データ管理部43は、ダウンロード対象として選択されたコンテンツデータの再生回数が無制限でなければ、再生回数を更新(デクリメント)する。
【0080】
データ配信部44は、データ配信要求受付部45を通じて、フィールドから選択したコンテンツを受信側クライアント24に対して送信する(ステップC10)。
【0081】
このようにして、送信側クライアント20によりホストサーバ10にアップロードされたコンテンツデータは、任意のタイミングでダウンロード要求をした受信側クライアント24に配信することができる。すなわち、送信側クライアント20は、受信側クライアント24の起動状態や、ネットワーク接続状態に依存することなく非同期でコンテンツデータをアップロードすることができ、また受信側クライアント24も送信側クライアント20と非同期でコンテンツデータを受信することができる。
【0082】
また、アップロードされたコンテンツデータのそれぞれに制御情報を付加して配信を制御することで、送信先の数に制限がない不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第1データ送信)、送信先の数に制限を付けた不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第2データ送信)、さらには送信先を1つに制限した不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第3データ送信)を実現することができる。
【0083】
送信側クライアント20では、コンテンツに対して受信側クライアント24を特定する情報、例えばIPアドレスや、メールアドレス、ユニークID等の識別情報を指定することなく、コンテンツを配信することができる。本実施形態では、コンテンツにパスワードを設定しなければ、不特定の相手(一人、あるいは複数)にコンテンツを配信してコンテンツの視聴を楽しんでもらうことができ、コンテンツの配信側/受信側の双方において、従来のボトルメール機能とは異なる楽しみ方が可能となる。
【0084】
一方、受信側クライアント24においてパスワードが指定される場合には次のように処理される。
【0085】
すなわち、受信要求部65は、検索情報入力処理部64によりユーザによるパスワードの指定が入力されると(ステップB5、Yes)、受信要求部65を通じてホストサーバ10に対してパスワード指定によるコンテンツの配信要求を送信する(ステップB6)。
【0086】
ホストサーバ10は、データ受信部40により受信側クライアント24からのコンテンツの配信要求を受信する(ステップC2)。この配信要求においてパスワード指定されていた場合には(ステップC6、Yes)、データ管理部43は、記憶装置41から該当するパスワードが設定されたコンテンツデータがあるか判別する。
【0087】
ここで、該当するパスワードが設定されたコンテンツデータがない場合には(ステップC7、No)、データ配信部44は、連携ホストサーバ18に該当するパスワードのコンテンツデータの検索要求を送信し、連携ホストサーバ18からコンテンツデータを受信する(ステップC9)。なお、ホストサーバ10に該当するパスワードが設定されたコンテンツがない場合、受信側クライアント24に対してコンテンツ無しを通知するようにしても良い。
【0088】
一方、該当するパスワードが設定されたコンテンツデータがある場合には(ステップC7、Yes)、データ配信部44は、この該当するコンテンツデータを選択する(ステップC8)。
【0089】
データ配信部44は、該当するパスワードが設定されたコンテンツデータが取得されると、データ配信要求受付部45を通じて受信側クライアント24に対して送信する(ステップC10)。
【0090】
このようにして、送信側クライアント20においてコンテンツにパスワードを設定しておき、このパスワードを特定の受信側クライアント24のユーザに通知しておくことで、特定の相手に対してのみコンテンツを配信することができる。この場合であっても送信側クライアント20では、コンテンツに対して送信相手を特定する識別情報を指定する必要がない。また、送信側クライアント20と受信側クライアント24の起動状態やネットワーク接続状態に依存することなく、非同期のタイミングでコンテンツデータを配信することが可能となる。
【0091】
なお、前述した説明では、送信側クライアント20は、基本的にホストサーバ10に対してコンテンツをアップロードするものとして説明しているが、連携ホストサーバ18に対して直接アップロードするようにしても良い。ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18に対してアップロードされたコンテンツは、ホストサーバ群22内で相互に連携を取って管理することができる。
【0092】
さらに、中継ホストサーバを設けて、この中継ホストサーバにコンテンツをアップロードさせるようにしても良い。この場合、中継ホストサーバは、ホストサーバ10や連携ホストサーバ18の付加の状況、データ配信サービスを利用している受信側クライアント24が多く存在している位置などに基づいてコンテンツの保存先を決定して、ネットワーク上におけるコンテンツの配置を最適化するようにしても良い。なお、ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18の何れかが中継ホストサーバとして機能することも可能である。
【0093】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0094】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図。
【図2】送信側クライアント20、ホストサーバ群22(連携ホストサーバ18、連携ホストサーバ18(18−1,…,18−m))、受信側クライアント24(24−1,24−2,…,24−n)の関係を示す図。
【図3】送信側クライアント20の機能構成を示すブロック図。
【図4】ホストサーバ10及び連携ホストサーバ18の機能構成を示すブロック図。
【図5】受信側クライアント24の機能構成を示すブロック図。
【図6】データ構造体情報の一例を示す図。
【図7】配信ルール情報の一例を示す図。
【図8】保存先情報の一例を示す図。
【図9】ホストサーバ10と連携ホストサーバ18との連携の概念を示す図。
【図10】ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)に記憶されるコンテンツデータの管理構成を示す図。
【図11】送信側クライアント20の動作(アップロード処理)について説明するフローチャート。
【図12】受信側クライアント24の動作(ダウンロード処理)を示すフローチャート。
【図13】ホストサーバ10における動作(コンテンツ配信処理)を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0096】
10…ホストサーバ、12…ネットワーク、13…パーソナルコンピュータ、14…携帯電話機、15…ゲーム機、18(18−1,…,18−m)…連携ホストサーバ、20…送信側クライアント、22…ホストサーバ群、24(24−1,24−2,…,24−n)…受信側クライアント、30,60…入力装置、33…アップロード処理部、34…入力フロントエンド部、34a,34b…データ入力部、34c…制御情報入力処理部、35…データ構築部、36…データ構築設定部、37…サーバ連携部、38…データ送信制御I/F部、39…サーバ接続設定部、40,50…データ受信部、41,51,61…記憶装置、42,52…連携サーバ設定部、43,53…データ管理部、44,54…データ配信部、45,55…データ配信要求受付部、62…出力装置、63…ダウンロード処理部、64…検索情報入力処理部、65…受信要求部、66…データ送受信制御I/F部、67…受信処理部、68…再生処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータを配信するためのデータ配信装置、データ配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定の相手にデータを届けるシステムとしては、ボトルメール機能を用いたメールシステムがある。ボトルメール機能では、発信者が送信したボトルメールを、不特定の人が任意のタイミングで受信することができる。従来、ボトルメール機能を用いたゲーム機が考えられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された携帯型ゲーム機では、転送回数を指定する転送パラメータを付随情報として持つ送信メールを生成して送信する。また、携帯型ゲーム機は、他機からのメールを受信して、受信メールに含まれる転送パラメータをもとに、受信メールの開封条件を満たすか、受信メールの他機への転送を指示するかを判定する。そして、他機への転送を指示すると判定された受信メールについて、所与の転送条件に基づき他機に転送する。
【特許文献1】特開2007−164699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来では、ボトルメール機能を用いて不特定の相手にデータを送信することができ、また転送回数を指定する転送パラメータをメールに付随させることにより複数の他機を介してメールを送信することができる。
【0005】
しかしながら特許文献1に記載された携帯型ゲーム機では、メールを不特定の相手に送信することができるものの、他機に転送する毎にデクリメントされる転送パラメータが示す転送回数が0回を指定しているメールを受信したゲーム機のみがメールを開封することができる。すなわち、ボトルメール機能を用いた場合には、不特定の一人にのみデータを送信することができるだけであり、複数の不特定の相手にデータを送信することができなかった。また、転送回数0回を示す転送パラメータが付加されたメールが転送されてこなければデータを取得することはできず、プレイヤが非同期の任意のタイミングでデータを取得することはできなかった。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、データ送信元において設定されるデータ配信を制御するための制御情報に応じて、非同期で不特定の任意数の相手にデータを配信することが可能なデータ配信装置、データ配信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、送信側クライアントから送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段により受信された複数のデータを記憶する記憶手段と、受信側クライアントからデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付手段と、前記データ配信要求受付手段によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、前記データ記憶手段に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された前記制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、前記受信側クライアントに配信するデータ配信手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データ送信元において設定されるデータ配信を制御するための制御情報に応じて、非同期で不特定の特定数の相手にデータを配信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、データ配信サービスを提供するホストサーバ10が、インターネットや公衆電話網などを含むネットワーク12を介して、パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15などの電子機器と接続されて構成される。
【0010】
ホストサーバ10は、パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15などの電子機器から提供されるコンテンツデータを受信し、また電子機器からの要求に応じてコンテンツデータを配信するサービスを提供する。パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15などの電子機器は、送信側あるいは受信側クライアントとして使用される。なお、パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15に限らず、ネットワーク12を介してホストサーバ10(連携ホストサーバ18)と接続可能な機能が搭載された電子機器であれば、送信側/受信側クライアントとして使用することができる。
【0011】
ホストサーバ10は、送信側クライアント(電子機器)から送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたコンテンツデータを受信し、この受信された複数のデータを所定の分類によって記憶しておく。ホストサーバ10は、受信側クライアントからのデータ配信要求を受け付けると、記憶されたデータのそれぞれに対して付加された制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、受信側クライアントに配信するサービスを提供する。ホストサーバ10は、制御情報に含まれる、例えばデータの保存期間、再生回数、パスワードの有無などのデータに基づいてデータ配信を制御することで、送信先の数に制限がない不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(以下、第1データ送信と称する)、送信先の数に制限を付けた不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(以下、第2データ送信と称する)、送信先を1つに制限した不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(以下、第3データ送信と称する)を実現する。
【0012】
連携ホストサーバ18(18−1,…,18−m)は、ホストサーバ10と同等の機能が搭載されるもので、ホストサーバ10と連携して受信側クライアント(パーソナルコンピュータ13、携帯電話機14、ゲーム機15等)からアップロードされるデータの受信と記憶、及び受信側クライアントからの要求に応じたデータの配信を実行する。連携ホストサーバ18は、ホストサーバ10に対して送信クライアントから送信されたデータの受信を、ネットワーク12を介して代行する機能を有する。また、連携ホストサーバ18は、ホストサーバ10が受信した受信側クライアントからのデータ配信要求に対して、代行して受信したデータをホストサーバ10に提供する機能を有する。
【0013】
図2は、送信側クライアント20、ホストサーバ群22(連携ホストサーバ18、連携ホストサーバ18(18−1,…,18−m))、受信側クライアント24(24−1,24−2,…,24−n)の関係を示す図である。
本実施形態におけるシステムでは、送信側クライアント20は、配信対象とするコンテンツデータをホストサーバ群22の何れかのホストサーバに送信(アップロード)する。また、ホストサーバ群22に含まれるホストサーバ10と複数の連携ホストサーバ18は、連携して送信側クライアント20から送信されるコンテンツデータを記憶する。また、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18は、受信側クライアント24(24−1,24−2,…,24−n)からのデータ配信要求に対して、連携してコンテンツデータを要求元の受信側クライアント24に対して配信することができる。
【0014】
本実施形態では、送信側クライアント20は、ホストサーバ10に対してコンテンツデータを送信(アップロード)し、ホストサーバ10は、アップロードされたコンテンツデータを記憶できない状況の場合に他の連携ホストサーバ18にデータの受信を代行させるものとする。また、受信側クライアント24は、ホストサーバ10にデータ配送要求を送信し、ホストサーバ10にダウンロード可能なコンテンツデータが記憶されていない場合には、ホストサーバ10は、他の連携ホストサーバ18に記憶されたコンテンツデータに記憶されたコンテンツデータを取得して、受信側クライアント24に配信することができる。
【0015】
なお、前述のようにして、ホストサーバ10を通じてコンテンツデータの送信と配信をするだけでなく、送信側クライアント20は、連携ホストサーバ18の何れかに対してコンテンツデータのアップロードを要求するようにしても良い。また、受信側クライアント24は、連携ホストサーバ18の何れかに対してコンテンツデータの配信を要求しても良い。この場合、データ配信要求を受信した連携ホストサーバ18は、データ配信可能なコンテンツデータが存在しない場合には、データ無しを受信側クライアント24に返信しても良いし、ホストサーバ10あるいは他の連携ホストサーバ18からコンテンツデータを取得して、受信側クライアント24に配信するようにしても良い。
【0016】
このように、多数の送信側クライアント20からアップロードされるコンテンツデータをホストサーバ10と複数の連携ホストサーバ18によって分散して記憶することで、アップロード可能なデータ数を増大させ、またホストサーバ10と連携ホストサーバ18の処理負荷を軽減することができる。また、ホストサーバ10と複数の連携ホストサーバ18によってデータ配信を可能とすることで、ネットワークへの負荷も軽減されるので、受信側クライアント24によるコンテンツデータの受信環境も良好となる。
【0017】
図3は、送信側クライアント20の機能構成を示すブロック図である。
送信側クライアント20は、パーソナルコンピュータ13等によって実現されるもので、各種プログラムをプロセッサにより実行することにより、各種の機能を実現することができる。送信側クライアント20には、キーボードやボタン群、マウスなどのポインティングデバイス等からなる入力装置30や、ディスプレイやスピーカなどによる出力装置、またハードディスク装置やメモリなどによる記憶装置31が設けられている。また、送信側クライアント20には、ホストサーバ10にアップロードするコンテンツデータを作成するための素材となるデータを入力する入力デバイス、例えば音声を入力するためのマイク、画像(静止画、動画)を撮影するためのカメラなどが搭載されているものとする。
【0018】
また、送信側クライアント20は、ネットワーク12を通じてホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)にアクセスすることで、ホストサーバ10からデータ配信プログラムを受信し、このデータ配信プログラムを実行することでアップロード処理部33を実現する。
【0019】
アップロード処理部33では、入力フロントエンド部34(データ入力部34a、34b、制御情報入力処理部34c)、データ構築部35、データ構築設定部36、サーバ連携部37、データ送信制御I/F部38、及びサーバ接続設定部39の機能が実現される。
【0020】
入力フロントエンド部34は、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードするコンテンツデータを生成するために必要なデータを入力するための機能を提供するもので、データ入力部34a、34b、制御情報入力処理部34cが含まれる。例えば、データ入力部34aは、マイクからの音声入力やカメラからの画像(静止画、動画)入力を制御する。また、データ入力部34bは、キーボードやボタン等に対する操作によるテキストデータの入力を制御する。なお、コンテンツデータに用いられるデータは、音声、画像、テキストの各データに限るものではなく、その他のデータを対象としても良い。制御情報入力処理部34cは、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードされたコンテンツデータの配信を制御するための制御情報を入力する。制御情報には、例えば配信ルール情報や保存先情報などが含まれる。配信ルール情報には、データの保存期間、再生回数、パスワードの有無などのデータが含まれる。保存先情報には、ホストサーバ10(または連携ホストサーバ18)においてコンテンツデータを分類して保存する際の保存先を示すフィールドが含まれる。
【0021】
データ構築部35は、入力フロントエンド部34によって入力されたデータをもとに、データ構築設定部36に設定されたデータ構造体を示すデータ構造体情報等に基づいて、アップロード対象となるコンテンツデータを構築して記憶装置31に記憶させる。データ構築部35は、データ入力部34aとデータ入力部34bから入力されたデータを組み合わせてコンテンツデータを構築し、このコンテンツデータに制御情報入力処理部34cから入力された制御情報を付加してアップロード対象とするデータを生成する。
【0022】
データ構築設定部36は、初期接続したホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18から取得された、アップロードされるコンテンツデータを定義するためのデータ構造体情報をデータ構築部35に提示する。
【0023】
サーバ連携部37は、初期接続したホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18から取得した接続ルールに基づいて、記憶装置31に記憶されたアップロード対象とするコンテンツデータのアップロード処理を実行する。サーバ連携部37は、データ送信制御I/F部38を通じて、コンテンツデータをホストサーバ10に送信する。
【0024】
データ送信制御I/F部38は、サーバ連携部37によるアップロード処理によりアップロードされるコンテンツデータの送信を制御する。データ送信制御I/F部38は、初期接続した例えばホストサーバ10より取得した接続ルールに応じて、接続先サービスホストサーバ(ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18)を決定してアップロード接続し、コンテンツデータを送信する。
【0025】
サーバ接続設定部39は、初期接続したホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18から取得した接続ルールをサーバ連携部37及びデータ送信制御I/F部38に提供する。接続ルールには、コンテンツのアップロード先(ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18)を示すデータ、アップロード先に応じたアップロードの条件などが決められている。
【0026】
図4は、ホストサーバ10及び連携ホストサーバ18の機能構成を示すブロック図である。
ホストサーバ10は、データ受信部40、記憶装置41、連携サーバ設定部42、データ管理部43、データ配信部44、及びデータ配信要求受付部45が設けられる。
【0027】
データ受信部40は、送信側クライアント20からアップロード送信されたコンテンツデータを受信して、記憶装置41に記憶させる。データ受信部40は、コンテンツデータに付加された保存先情報(フィールド)をもとに、フィールド毎に分類してコンテンツデータを記憶装置41に記憶させて管理する。また、データ受信部40は、連携サーバ設定部42により設定される連携設定情報に応じて、他の連携ホストサーバ18と連携してコンテンツデータを受信することができる。例えば、データ受信部40は、連携ホストサーバ18にコンテンツデータの受信を代行させることができる。
【0028】
記憶装置41は、送信側クライアント20からアップロードされたコンテンツデータを記憶する。記憶装置41では、コンテンツデータがフィールド毎に分類されて記憶される。
【0029】
連携サーバ設定部42は、ホストサーバ10がデータ配信サービスを提供するために、他のホストサーバ(連携ホストサーバ18)と連携するための連携設定情報を設定する。連携サーバ設定部42により設定される連携設定情報は、データ管理部43が他の連携ホストサーバ18(データ管理部53)との間で交換処理をすることにより設定される。
【0030】
データ管理部43は、記憶装置41に記憶されたコンテンツデータを管理する。データ管理部43は、連携サーバ設定部42に設定された連携設定情報に応じて、記憶装置41に記憶されたコンテンツデータのサーバ間転送を実行し、連携ホストサーバ18と連携してコンテンツデータを管理する。また、データ管理部43は、連携ホストサーバ18との間で交換処理をすることにより、連携設定情報を連携サーバ設定部42に提供する。
【0031】
データ配信部44は、記憶装置41に記憶されたコンテンツデータを受信側クライアント24に配信するための制御を行う。データ配信部44は、データ配信要求受付部45を通じて入力される受信側クライアント24からの受信要求に対して、受信側クライアント24から入力される検索情報に従って記憶装置41からダウンロード対象とするコンテンツデータを選択する。例えば、検索情報には、コンテンツデータがアップロードされる際にユーザにより指定されたフィールド、あるいはパスワードが含まれている。データ配信部44は、指定されたフィールドに分類されたコンテンツデータから、ダウンロード対象とするコンテンツデータを選択する。また、データ配信部44は、パスワードが指定された場合には、パスワードが付されたコンテンツデータを記憶装置41から検索して配信する。記憶装置41に該当するコンテンツデータが記憶されていない場合には、例えば連携ホストサーバ18に該当するコンテンツデータの検索要求を送信し、コンテンツデータを取得することもできる。
【0032】
データ配信要求受付部45は、受信側クライアント24からコンテンツデータの受信要求を受付けて、データ配信部44に通知する。また、データ配信要求受付部45は、受信要求に対して記憶装置41から選択されたコンテンツデータを、受信側クライアント24に対して配信する。データ配信要求受付部45は、受信側クライアント24に対して、コンテンツデータのダウンロード配信、あるいは動画が含まれる場合にはストリーミング配信を実行可能とする。
【0033】
一方、連携ホストサーバ18には、データ受信部50、記憶装置51、データ管理部53、データ配信部54、及びデータ配信要求受付部55が設けられる。
【0034】
連携ホストサーバ18は、基本的に、ホストサーバ10と同様の機能を有している。従って、データ受信部50、記憶装置51は、データ管理部53、データ配信部54のそれぞれは、ホストサーバ10のデータ受信部40、記憶装置41、データ管理部43、データ配信部44、データ配信要求受付部45と同様の機能を有するものとして詳細な説明を省略する。
【0035】
連携ホストサーバ18は、データ受信部40により、送信側クライアント20がホストサーバ10にアップロードしたコンテンツデータを代行して受信することができる。また、ホストサーバ10に記憶されたコンテンツデータを、データ管理部53を受信して、コンテンツデータをホストサーバ群22において分散して記憶することができる。さらに、連携ホストサーバ18は、受信側クライアント24により直接接続されて、クライアントデータのダウンロードが要求された場合には、ホストサーバ10と同様にしてデータ配信要求受付部55を通じてコンテンツデータを配信することができる。
【0036】
図5は、受信側クライアント24の機能構成を示すブロック図である。
受信側クライアント24は、パーソナルコンピュータ13等によって実現されるもので、各種プログラムをプロセッサにより実行することにより、各種の機能を実現することができる。受信側クライアント24には、キーボードやボタン群、マウスなどのポインティングデバイス等からなる入力装置60や、ディスプレイやスピーカなどによる出力装置62、またハードディスク装置やメモリなどによる記憶装置61が設けられている。
【0037】
また、受信側クライアント24は、ネットワーク12を通じてホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)にアクセスすることで、ホストサーバ10からデータ配信プログラムを受信し、このデータ配信プログラムを実行することでダウンロード処理部63を実現する。
【0038】
ダウンロード処理部63では、検索情報入力処理部64、受信要求部65、データ送受信制御I/F部66、受信処理部67、及び再生処理部68の機能が実現される。
【0039】
検索情報入力処理部64は、入力装置60に対するユーザ操作により、ホストサーバ10からコンテンツをダウンロードするために必要な検索情報を入力する。検索情報入力処理部64により入力される検索情報には、例えばコンテンツデータが分類されたフィールドを示す情報が含まれる。すなわち、コンテンツデータを特定する情報ではなく、フィールドのみを指定することで、不特定のコンテンツデータをダウンロードすることができる。また、検索情報入力処理部64は、コンテンツデータに設定されたパスワードを検索情報として入力することができる。パスワードは、例えば送信側クライアント20においてパスワード付きでコンテンツデータをアップロードしたユーザが、受信側クライアント24を使用する他のユーザに対して、別途、何らかの方法(例えば電子メール)によって通知されるものとする。パスワードは、一般的な英数字などの文字の組み合わせによって設定されていても良いし、また図形の組み合わせなどにより設定されたものとあっても良い。パスワードを検索情報として指定することで、特定のコンテンツデータをダウンロードすることができる。
【0040】
受信要求部65は、検索情報入力処理部64によって入力された検索情報(フィールド、パスワード)と共に、コンテンツデータの受信要求を、データ送受信制御I/F部66を通じてホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)に送信する。
【0041】
データ送受信制御I/F部66は、受信要求部65からの受信要求をホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)に送信する制御、及びホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)からダウンロードされるコンテンツデータの受信を制御する。
【0042】
受信処理部67は、データ送受信制御I/F部66によって受信されたコンテンツデータを受信して記憶装置61に記憶させる。
【0043】
再生処理部68は、記憶装置61に記憶されたコンテンツデータを再生出力させるための処理を実行する。再生処理部68は、コンテンツデータを構成するデータ、すなわち音声、画像(静止画、動画)、テキストの各データを再生して、出力装置62からコンテンツを出力させる。
【0044】
次に、データ構築設定部36において設定されるデータ構造体情報の一例について説明する。図6は、データ構造体情報の一例を示している。
本実施形態では、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードするコンテンツデータには、予め所定のデータ構造体が決められている。例えば、コンテンツ1のデータ構造体は、データ種として、背景画像データとテキストデータとの組み合わせによりコンテンツデータが生成されることが設定されている。同様にして、コンテンツ2については、背景画像データと写真画像データとの組み合わせ、コンテンツ3については、写真画像データと音声データとの組み合わせにより、コンテンツデータが生成されることが設定されている。ユーザは、コンテンツのデータ構造体を選択し、必要なデータを入力するすることで、アップロードされるコンテンツデータを作成することができる。
【0045】
なお、データ構造体情報には、図6に示すコンテンツに含まれるデータ種類を示すデータだけでなく、コンテンツを構成するための各種制御データ(例えばデータサイズ、レイアウト、ファイル種類等)が含まれているものとする。これらの詳細については省略する。
【0046】
次に、ユーザによって設定される制御情報に含まれる配信ルール情報の一例について説明する。図7は、配信ルール情報の一例を示している。本実施形態では、例えば配信ルールとして、保存期間、再生回数、パスワードの有無などを、プレイヤが任意に指定することができる。
【0047】
保存期間は、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)にアップロードされてからダウンロードを終了するまでの期間を示すもので、例えば1日〜7日の間で任意に指定することができる。
【0048】
再生回数は、ホストサーバ10にアップロードされたコンテンツデータを受信側クライアント24に配信可能な回数を示すもので、例えば1回〜10回までの任意の回数、あるいは無制限を指定することができる。例えば、再生回数を無制限とすることで、送信先の数に制限がない不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第1データ送信)を実現することができる。また、再生回数を2回〜10回の任意回数とすることで、送信先の数に制限を付けた不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第2データ送信)を実現することができる。また、再生回数を1回とすることで、送信先を1つに制限した不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第3データ送信)を実現することができる。
【0049】
パスワードは、ユーザが任意に設定するか否かを選択することができる。パスワードについては、前述したように、英数字で表したり、図形の組み合わせなどによって設定することができる。パスワードを有りにすることで、パスワードを知るユーザのみがコンテンツをダウンロードすることができるので、送信先を1つに制限した特定の受信側クライアントに対するデータ送信を実現することができる。
【0050】
次に、ユーザによって設定される制御情報に含まれる保存先情報の一例について説明する。図8は、保存先情報の一例を示している。
【0051】
本実施形態では、コンテンツデータをアップロードする場合、保存先として複数のフィールドの何れかを選択することができる。フィールドとしては、例えば「森」「お墓」「街」など、ユーザが認識し易い名称が付されているものとする。コンテンツをアップロードするユーザは、コンテンツの内容などを考慮して、何れかの適当な名称が付されたフィールドを選択してアップロードすることができる。なお、意図的に、フィールドの名称と何ら関係ない内容のコンテンツをアップロードすることも可能である。また、コンテンツをダウンロードしようとするユーザは、フィールドの名称をもとに何れかを選択することで、所望するイメージに有ったコンテンツをダウンロードし易くできる(ただし、コンテンツの内容を特定できるものではない)。
【0052】
また、各フィールドには、予め決められたトラックが用意されており、そのトラック数の分のコンテンツデータがアップロード可能であるものとする。ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)では、保存先情報が示すフィールドとトラックをもとに、アップロードされた各コンテンツデータを管理する。
【0053】
次に、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18との連携の概略について説明する。図9は、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18との連携の概念を示す図である。
図9に示すように、ホストサーバ10では、複数のフィールドに分類されて、複数のコンテンツデータが記憶されている。また、連携ホストサーバ18においてもホストサーバ10と同様にして、複数のフィールドに分類されて、複数のコンテンツデータが記憶されている。連携ホストサーバ18に記憶されるコンテンツデータは、送信側クライアント20から直接アップロードされたもの、送信側クライアント20のホストサーバ10に対するアップロードに対して、連携ホストサーバ18が代行してアップロードされたもの、さらにはホストサーバ10に記憶されたコンテンツデータが転送されたものなどがある。
【0054】
ホストサーバ10は、受信側クライアント24によりフィールドが指定されてコンテンツのダウンロードが要求された場合、該当するフィールドに分類されたコンテンツを選択して、データ配信部44により配信する。例えば、フィールド1が指定された場合には、フィールド1に記憶されている複数のコンテンツデータから任意の1つ(図中A)をランダムに選択して配信する。なお、指定されたフィールド内に配信が可能なコンテンツが存在しない場合には、受信側クライアント24に対してコンテンツ無しを通知する。
【0055】
また、ホストサーバ10は、コンテンツ無しを通知するのではなく、連携ホストサーバ18の同一のフィールド1に記憶されたコンテンツ(図中B)を取得して、受信側クライアント24に対して配信することができる。また、パスワードが指定されてコンテンツの配信が要求された場合、ホストサーバ10は、パスワードに該当するコンテンツを記憶していなければ、連携ホストサーバ18に該当するコンテンツの問い合わせをし、該当するコンテンツを取得して、受信側クライアント24に配信することができる。
【0056】
なお、図9では、1つの連携ホストサーバ18のみを示しているが、複数の連携ホストサーバ18−1,…,18−mを分散配置することで、多くのユーザがコンテンツのアップロード/ダウンロードをする状況となっても、ホストサーバ10と連携ホストサーバ18−1,…,18−mとが連携することで、大量のコンテンツデータを扱うシステムとして継続できる。
【0057】
図10は、ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)に記憶されるコンテンツデータの管理構成を示している。図10に示すように、コンテンツデータには、アップロード時にユーザにより付加された制御情報の配信ルール情報などが関連付けられている。データ管理部43は、保存期間を定期的に管理して、保存期間が過ぎたコンテンツデータについては無効に(消去)する。また、データ管理部43は、配信回数が0回となったコンテンツデータについても、同様にして無効に(消去)する。
【0058】
データ配信部44(データ配信部54)は、コンテンツデータがダウンロードされた場合、このコンテンツデータに関連付けられた再生回数のデータを更新(デクリメント)する。これにより、制御情報に基づいたコンテンツの配信を制御することができる。
【0059】
次に、本実施形態における動作について説明する。
まず、図11に示すフローチャートを参照しながら、送信側クライアント20の動作(アップロード処理)について説明する。
【0060】
送信側クライアント20は、コンテンツをアップロードする場合には、ネットワーク12を介してホストサーバ10へアクセスする(ステップA1)。すなわち、ホストサーバ10がインターネット上に公開しているWebページにアクセスする。
【0061】
送信側クライアント20は、ホストサーバ10にアクセスすることで実行プログラム(データ配信プログラム)をダウンロードして実行する(ステップA2)。これにより、アップロード処理部33が起動される。
【0062】
アップロード処理部33は、コンテンツ処理の準備段階として、ホストサーバ10からコンテンツデータの作成に参照されるデータ構造体情報、及びコンテンツデータのアップロードを制御するための接続ルールを受信する(ステップA3)。データ構造体情報は、データ構築設定部36により設定される。また、接続ルールは、サーバ接続設定部39により設定される。
【0063】
送信側クライアント20では、アップロード処理部33により、図示せぬ表示装置において各種処理の実行を選択するためのメニュー画面が表示される。メニュー画面では、コンテンツ作成、コンテンツのアップロードなどの実行を指示することができる。
【0064】
ここで、ユーザによりコンテンツ作成が選択された場合、アップロード処理部33は、ホストサーバ10に対して、コンテンツ作成要求を送信する(ステップA4)。さらに、メニュー画面中からアップロードしようとするコンテンツの種類を選択することができる。
【0065】
アップロード処理部33は、ユーザによりコンテンツ種類が選択されると(ステップA5)、ホストサーバ10からコンテンツ作成用の画面データを受信して表示させる。ユーザは、表示されるコンテンツ作成用の画面の内容に従って、コンテンツ作成に必要なデータを入力している(ステップA6)。
【0066】
例えば、コンテンツ種類として、図6に示すコンテンツ2が選択された場合、背景画像データと写真画像データの入力が行われる。背景画像データは、ホストサーバ10に予め複数のサンプルデータが用意されているものとする。アップロード処理部33は、ホストサーバ10からサンプル一覧を受信して表示して、ユーザに何れかを選択させることにより、コンテンツ作成用のデータを設定することができる。また、送信側クライアント20では、データ入力部34aにより、自装置に搭載されたカメラを使用して画像を撮影して写真画像データを入力する。
【0067】
データ構築部35は、取得された背景画像データと写真画像データを、データ構築設定部36に設定されたデータ構造体情報に基づいて整合性をとって合成して、コンテンツデータ(データ構造体)を作成する(ステップA7)。データ構築部35により作成されたコンテンツデータは、記憶装置31に一時記憶される。なお、コンテンツ種類によっては、音声データやテキストデータなどが入力され、データ構造体情報に基づいてコンテンツデータが作成される。
【0068】
次に、データ構築部35により作成されたコンテンツに付加する配信ルール等の制御情報の設定を行う(ステップA8)。アップロード処理部33は、制御情報設定用の画面を表示させて、制御情報入力処理部34cにより、例えば図7に示す配信ルールの各データをユーザによって入力させる。コンテンツにパスワードを付加する指示があった場合には、パスワードの作成も行う。
【0069】
また、アップロードされたコンテンツデータの分類先を示すフィールドについてもユーザに指定させる。アップロード処理部33は、ホストサーバ10からフィールド選択用の画面データを取得して表示させ、ユーザに任意のフィールドを選択させる。
【0070】
ここで、アップロードの実行が指示されると、サーバ連携部37は、サーバ接続設定部39により設定され接続ルールに基づいて、アップロード先のホストサーバ10(あるいは連携ホストサーバ18)に対して、データ送信制御I/F部38を通じてコンテンツデータと制御情報をアップロード送信する(ステップA9)。
【0071】
次に、ホストサーバ群22(ホストサーバ10、連携ホストサーバ18)からコンテンツをダウンロードする処理について、図12及び図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。図12は、受信側クライアント24の動作(ダウンロード処理)を示すフローチャート、図13は、ホストサーバ10における動作(コンテンツ配信処理)を示すフローチャートである。
【0072】
ここでは、ホストサーバ10にコンテンツデータがアップロードされたものとする。ホストサーバ10のデータ受信部40は、送信側クライアント20からアップロードされたコンテンツデータを、指定されたフィールドに応じて分類して記憶装置41に記憶させる(図13、ステップC1)。
【0073】
受信側クライアント24は、コンテンツデータをダウンロードする場合には、ネットワーク12を介してホストサーバ10へアクセスする(図12、ステップB1)。すなわち、ホストサーバ10がインターネット上に公開しているWebページにアクセスする。
【0074】
受信側クライアント24は、ホストサーバ10にアクセスすることで実行プログラム(データ配信プログラム)をダウンロードして実行する(ステップB2)。これにより、ダウンロード処理部63が起動される。
【0075】
受信側クライアント24では、ダウンロード処理部63により、図示せぬ表示装置において各種処理の実行を選択するためのメニュー画面が表示される。メニュー画面では、コンテンツのダウンロードなどの実行を指示することができる。コンテンツのダウンロードでは、例えばフィールド、あるいはパスワードの指定が可能である。
【0076】
受信要求部65は、検索情報入力処理部64によりユーザによるフィールドの指定が入力されると(ステップB3、Yes)、受信要求部65を通じてホストサーバ10に対してフィールド指定によるコンテンツの配信要求を送信する(ステップB4)。
【0077】
ホストサーバ10は、データ受信部40により受信側クライアント24からのコンテンツの配信要求を受信する(ステップC2)。この配信要求においてフィールド指定されていた場合には(ステップC3、Yes)、データ管理部43は、記憶装置41から該当フィールドに分類された複数のコンテンツデータから配信ルールを満たすコンテンツがあるか判別する。すなわち、保存期間、再生回数とが有効であり、パスワードが設定されていない配信可能なコンテンツデータがあるかを判別する。
【0078】
ここで、配信可能なコンテンツデータがない場合には(ステップC4、No)、データ配信部44は、受信側クライアント24に対してコンテンツ無しを通知する。
【0079】
一方、配信可能なコンテンツデータがある場合には(ステップC4、Yes)、データ配信部44は、指定されたフィールドからコンテンツデータをランダムに選択する(ステップC5)。すなわち、ダウンロード要求元の受信側クライアント24に関係なく、配信対象とするコンテンツデータを選択する。データ管理部43は、ダウンロード対象として選択されたコンテンツデータの再生回数が無制限でなければ、再生回数を更新(デクリメント)する。
【0080】
データ配信部44は、データ配信要求受付部45を通じて、フィールドから選択したコンテンツを受信側クライアント24に対して送信する(ステップC10)。
【0081】
このようにして、送信側クライアント20によりホストサーバ10にアップロードされたコンテンツデータは、任意のタイミングでダウンロード要求をした受信側クライアント24に配信することができる。すなわち、送信側クライアント20は、受信側クライアント24の起動状態や、ネットワーク接続状態に依存することなく非同期でコンテンツデータをアップロードすることができ、また受信側クライアント24も送信側クライアント20と非同期でコンテンツデータを受信することができる。
【0082】
また、アップロードされたコンテンツデータのそれぞれに制御情報を付加して配信を制御することで、送信先の数に制限がない不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第1データ送信)、送信先の数に制限を付けた不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第2データ送信)、さらには送信先を1つに制限した不特定の受信側クライアントに対するデータ送信(第3データ送信)を実現することができる。
【0083】
送信側クライアント20では、コンテンツに対して受信側クライアント24を特定する情報、例えばIPアドレスや、メールアドレス、ユニークID等の識別情報を指定することなく、コンテンツを配信することができる。本実施形態では、コンテンツにパスワードを設定しなければ、不特定の相手(一人、あるいは複数)にコンテンツを配信してコンテンツの視聴を楽しんでもらうことができ、コンテンツの配信側/受信側の双方において、従来のボトルメール機能とは異なる楽しみ方が可能となる。
【0084】
一方、受信側クライアント24においてパスワードが指定される場合には次のように処理される。
【0085】
すなわち、受信要求部65は、検索情報入力処理部64によりユーザによるパスワードの指定が入力されると(ステップB5、Yes)、受信要求部65を通じてホストサーバ10に対してパスワード指定によるコンテンツの配信要求を送信する(ステップB6)。
【0086】
ホストサーバ10は、データ受信部40により受信側クライアント24からのコンテンツの配信要求を受信する(ステップC2)。この配信要求においてパスワード指定されていた場合には(ステップC6、Yes)、データ管理部43は、記憶装置41から該当するパスワードが設定されたコンテンツデータがあるか判別する。
【0087】
ここで、該当するパスワードが設定されたコンテンツデータがない場合には(ステップC7、No)、データ配信部44は、連携ホストサーバ18に該当するパスワードのコンテンツデータの検索要求を送信し、連携ホストサーバ18からコンテンツデータを受信する(ステップC9)。なお、ホストサーバ10に該当するパスワードが設定されたコンテンツがない場合、受信側クライアント24に対してコンテンツ無しを通知するようにしても良い。
【0088】
一方、該当するパスワードが設定されたコンテンツデータがある場合には(ステップC7、Yes)、データ配信部44は、この該当するコンテンツデータを選択する(ステップC8)。
【0089】
データ配信部44は、該当するパスワードが設定されたコンテンツデータが取得されると、データ配信要求受付部45を通じて受信側クライアント24に対して送信する(ステップC10)。
【0090】
このようにして、送信側クライアント20においてコンテンツにパスワードを設定しておき、このパスワードを特定の受信側クライアント24のユーザに通知しておくことで、特定の相手に対してのみコンテンツを配信することができる。この場合であっても送信側クライアント20では、コンテンツに対して送信相手を特定する識別情報を指定する必要がない。また、送信側クライアント20と受信側クライアント24の起動状態やネットワーク接続状態に依存することなく、非同期のタイミングでコンテンツデータを配信することが可能となる。
【0091】
なお、前述した説明では、送信側クライアント20は、基本的にホストサーバ10に対してコンテンツをアップロードするものとして説明しているが、連携ホストサーバ18に対して直接アップロードするようにしても良い。ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18に対してアップロードされたコンテンツは、ホストサーバ群22内で相互に連携を取って管理することができる。
【0092】
さらに、中継ホストサーバを設けて、この中継ホストサーバにコンテンツをアップロードさせるようにしても良い。この場合、中継ホストサーバは、ホストサーバ10や連携ホストサーバ18の付加の状況、データ配信サービスを利用している受信側クライアント24が多く存在している位置などに基づいてコンテンツの保存先を決定して、ネットワーク上におけるコンテンツの配置を最適化するようにしても良い。なお、ホストサーバ10あるいは連携ホストサーバ18の何れかが中継ホストサーバとして機能することも可能である。
【0093】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0094】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図。
【図2】送信側クライアント20、ホストサーバ群22(連携ホストサーバ18、連携ホストサーバ18(18−1,…,18−m))、受信側クライアント24(24−1,24−2,…,24−n)の関係を示す図。
【図3】送信側クライアント20の機能構成を示すブロック図。
【図4】ホストサーバ10及び連携ホストサーバ18の機能構成を示すブロック図。
【図5】受信側クライアント24の機能構成を示すブロック図。
【図6】データ構造体情報の一例を示す図。
【図7】配信ルール情報の一例を示す図。
【図8】保存先情報の一例を示す図。
【図9】ホストサーバ10と連携ホストサーバ18との連携の概念を示す図。
【図10】ホストサーバ10(連携ホストサーバ18)に記憶されるコンテンツデータの管理構成を示す図。
【図11】送信側クライアント20の動作(アップロード処理)について説明するフローチャート。
【図12】受信側クライアント24の動作(ダウンロード処理)を示すフローチャート。
【図13】ホストサーバ10における動作(コンテンツ配信処理)を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0096】
10…ホストサーバ、12…ネットワーク、13…パーソナルコンピュータ、14…携帯電話機、15…ゲーム機、18(18−1,…,18−m)…連携ホストサーバ、20…送信側クライアント、22…ホストサーバ群、24(24−1,24−2,…,24−n)…受信側クライアント、30,60…入力装置、33…アップロード処理部、34…入力フロントエンド部、34a,34b…データ入力部、34c…制御情報入力処理部、35…データ構築部、36…データ構築設定部、37…サーバ連携部、38…データ送信制御I/F部、39…サーバ接続設定部、40,50…データ受信部、41,51,61…記憶装置、42,52…連携サーバ設定部、43,53…データ管理部、44,54…データ配信部、45,55…データ配信要求受付部、62…出力装置、63…ダウンロード処理部、64…検索情報入力処理部、65…受信要求部、66…データ送受信制御I/F部、67…受信処理部、68…再生処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側クライアントから送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信された複数のデータを記憶する記憶手段と、
受信側クライアントからデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付手段と、
前記データ配信要求受付手段によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、前記データ記憶手段に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された前記制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、前記受信側クライアントに配信するデータ配信手段と
を具備したことを特徴とするデータ配信装置。
【請求項2】
前記制御情報にはデータの配信回数が含まれており、
前記データ配信手段は、前記配信回数分の配信をしていないデータから配信対象とするデータを選択することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項3】
前記制御情報にはデータに固有の識別データが含まれており、
前記データ配信手段は、前記受信側クライアントから識別データを伴うデータ配信要求を受信した場合に、この受信した識別データが付加されたデータを選択して、前記受信側クライアントに配信することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項4】
前記データ受信手段は、送信側クライアントから送信されたデータの受信を、ネットワークを介して接続された他のデータ配信装置に代行させることを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項5】
前記データ配信手段は、前記データ配信要求受信手段により受信されたデータ配信要求に対して、前記他のデータ配信装置が代行して受信したデータを取得して、前記受信側クライアントに配信することを特徴とする請求項4記載のデータ配信装置。
【請求項6】
前記送信側クライアントに対して、
コンピュータを、
配信対象とするデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータに対して、データ配信を制御するための制御情報を入力する制御情報入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータと前記制御情報入力手段により入力された制御情報とを含む送信対象とするデータを構築するデータ構築手段と、
前記データ構築手段によって構築されたデータを、ネットワークを介して接続されたデータ配信装置に送信するデータ送信手段として機能させるためのプログラムを提供する提供手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
送信側クライアントから送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信された複数のデータを記憶する記憶手段と、
受信側クライアントからデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付手段と、
前記データ配信要求受付手段によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、前記データ記憶手段に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された前記制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、前記受信側クライアントに配信するデータ配信手段として機能させるためのデータ配信プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
配信対象とするデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータに対して、データ配信を制御するための制御情報を入力する制御情報入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータと前記制御情報入力手段により入力された制御情報とを含む送信対象とするデータを構築するデータ構築手段と、
前記データ構築手段によって構築されたデータを、ネットワークを介して接続されたデータ配信装置に送信するデータ送信手段として機能させるためのデータ配信プログラム。
【請求項1】
送信側クライアントから送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信された複数のデータを記憶する記憶手段と、
受信側クライアントからデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付手段と、
前記データ配信要求受付手段によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、前記データ記憶手段に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された前記制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、前記受信側クライアントに配信するデータ配信手段と
を具備したことを特徴とするデータ配信装置。
【請求項2】
前記制御情報にはデータの配信回数が含まれており、
前記データ配信手段は、前記配信回数分の配信をしていないデータから配信対象とするデータを選択することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項3】
前記制御情報にはデータに固有の識別データが含まれており、
前記データ配信手段は、前記受信側クライアントから識別データを伴うデータ配信要求を受信した場合に、この受信した識別データが付加されたデータを選択して、前記受信側クライアントに配信することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項4】
前記データ受信手段は、送信側クライアントから送信されたデータの受信を、ネットワークを介して接続された他のデータ配信装置に代行させることを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項5】
前記データ配信手段は、前記データ配信要求受信手段により受信されたデータ配信要求に対して、前記他のデータ配信装置が代行して受信したデータを取得して、前記受信側クライアントに配信することを特徴とする請求項4記載のデータ配信装置。
【請求項6】
前記送信側クライアントに対して、
コンピュータを、
配信対象とするデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータに対して、データ配信を制御するための制御情報を入力する制御情報入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータと前記制御情報入力手段により入力された制御情報とを含む送信対象とするデータを構築するデータ構築手段と、
前記データ構築手段によって構築されたデータを、ネットワークを介して接続されたデータ配信装置に送信するデータ送信手段として機能させるためのプログラムを提供する提供手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
送信側クライアントから送信された、データ配信を制御するための制御情報が付加されたデータを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信された複数のデータを記憶する記憶手段と、
受信側クライアントからデータ配信要求を受け付けるデータ配信要求受付手段と、
前記データ配信要求受付手段によって受け付けられたデータ配信要求に応じて、前記データ記憶手段に記憶された複数のデータのそれぞれに対して付加された前記制御情報に従って配信対象とするデータを選択し、前記受信側クライアントに配信するデータ配信手段として機能させるためのデータ配信プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
配信対象とするデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータに対して、データ配信を制御するための制御情報を入力する制御情報入力手段と、
前記データ入力手段によって入力されたデータと前記制御情報入力手段により入力された制御情報とを含む送信対象とするデータを構築するデータ構築手段と、
前記データ構築手段によって構築されたデータを、ネットワークを介して接続されたデータ配信装置に送信するデータ送信手段として機能させるためのデータ配信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−55537(P2010−55537A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222348(P2008−222348)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
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