説明

トリガースプレイヤー

【課題】構造が簡単で耐久性があり、優れたピストン機能を有するトリガースプレイヤー提供すること。
【解決手段】容器キャップBに取り付けられるボディ体1と、該ボディ体1に取り付けられたシリンダー構造体2と該シリンダー構造体に備わったシリンダー部22内を摺動可能なピストン体3とボディ体1に回動可能に取り付けられたトリガー体4とよりなり、トリガー体4を引き込むことによりシリンダー部内の液体をピストン体3で加圧し、シリンダー部22に連通するノズル部23から噴出させるトリガースプレイヤーであって、ピストンが外方に開放され筒体状に形成されているトリガースプレイヤー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種液体等を吐出するのに好適なトリガースプレイヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のトリガースプレイヤーは、液体容器に取り付けられ、その容器から吸い上げたシリンダー内の液体をトリガーの押圧力によってピストンを介して圧縮し、ノズルから噴出させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−205045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この形式のトリガースプレイヤーでは、ピストンはシリンダーに対して液密性を保ちながら直線運動をする必要がある。
両者間で円滑な往復運動を行なわせるためにはピストンのシリンダーに対する摺動部分の機械的精度を保ち封止状態を十分確保しなければならない。
そのためシリンダーに対するピストンの摺接部分には、外方に突出したいわゆる封止機能を有する鰭状鍔が多重に形成されている(特許文献1)。
【0005】
このような鰭状鍔を備えたピストンは構造が複雑で成形加工するには金型も複雑となる。
また、このような摺接部分を持つため実使用においては、その耐久性等も問題となる。
つまりピストンの摺接部分等が磨損すると液の逃げが生じノズルからの噴射力が弱まり適正機能が維持できなくなる恐れがある。
一方、多重な鰭状鍔が摺動する機構のためピストン前面が凹凸状となり、物理的にシリンダー内の下死点での体積がゼロとはならない。
有効行程長に限度が生じピストン機能の性能効率が必ずしも十分ではないのである。
従って液体の噴射機能も最大限に発揮できない。
【0006】
本発明はかかる実状に鑑み、構造が簡単で耐久性があり、優れたピストン機能を有するトリガースプレイヤーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、ピストンの形状を有底の筒型に設計することにより、このような構造、性能上の問題点を解決することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)、シリンダー部内の液をピストン体で加圧しノズル部から噴出させるトリガースプレイヤーであって、ピストン体が外方に開放され有底筒体状に形成されているトリガースプレイヤーに存する。
【0009】
また、本発明は、(2)、容器キャップに取り付けられるボディ体と、該ボディ体に取り付けられたシリンダー構造体と該シリンダー構造体に備わったシリンダー部の外壁面を
摺動可能なピストン体とボディ体に回動可能に取り付けられたトリガー体とよりなり、トリガー体を引き込むことによりシリンダー部内の液体をピストン体で加圧し、シリンダー部に連通するノズル部から噴出させるトリガースプレイヤーであって、ピストンが外方に開放され筒体状に形成されているトリガースプレイヤーに存する。
【0010】
また、本発明は、(3)、シリンダー構造体は、ボディ体に装着される円筒基部と該円筒基部に設けられたシリンダー部と、円筒基部から延設されたノズル部とよりなり、ノズル部が屈曲可能なフレキシブルチューブ部を有するトリガースプレイヤーに存する。
【0011】
また、本発明は、(4)、シリンダー構造体は、シリンダー部に並設された、ガイド軸を有し、ピストン体は、該ガイド軸に案内される案内体を有するトリガースプレイヤーに存する。
【0012】
また、本発明は、(5)、シリンダー構造体の円筒基部の下端に設けた雄嵌合部がボディ体のベース部に設けた雌嵌合部に係止されているトリガースプレイヤーに存する。
【0013】
また、本発明は、(6)、ピストン体は、シリンダーの外壁面に沿って摺動する外側円筒部及び内壁面に沿って移動する内側有底円筒部を有するトリガースプレイヤーに存する。
【0014】
また、本発明は、(7)、ピストン体は外側有底円筒部から後方に延設されたバネ部を有するトリガースプレイヤーに存する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトリガースプレイヤーによれば、ピストン体が外方に開放された有底筒体状に形成されていることで、従来と異なって、下死点におけるピストン体とシリンダー部との間の空間Sを極力小さくできる。
すなわちシリンダー内の有効空間を最大限に利用できる。
また、ピストン体は外側円筒部から延設されたバネ部を一体に有することで、ピストンの動きが確実に効率よくバネ部に伝えられる。
【0016】
シリンダー構造体の円筒基部の下端が、ボディ体のベース部に係止されているので、シリンダー構造体がボディ体に対して抜け止めされる。
シリンダー構造体がボディ体の装着される円筒基部、円筒基部に設けられたシリンダー部と、円筒基部から延設されたノズル部とよりなり、ノズル部がフレキシブルチューブ部を備えているので、ノズル部と円筒基部とが同軸の状態で成形でき、フレキシブルチューブ部を曲げることによりで簡単に組み込みが行われる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーの全体構成例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーの全体構成例を示す断面図であり、トリガーを引いた後の状態を示す。
【図3】図3は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーの全体側面図を示す。
【図4】図4は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーの分解図を示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態のトリガースプレイヤーにおいて、ボディ体とシリンダー構造体との配設関係を示すもので、(A)は装着前、(B)は装着後を示す。
【図6】図6は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーのシリンダー構造体を示す図である。
【図7】図7は、シリンダー構造体のノズル部の先端にあるノズル口部がボディ体のノズル下取り付け部に支持された状態を示す。
【図8】図8はピストン体を説明する断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態におけるトリガースプレイヤーの全体構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき、本発明によるトリガースプレイヤーAの好適な実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーAの全体構成例を示す断面図である。
【0020】
また、図2は、同じくトリガースプレイヤーAの全体構成例を示す断面図であり、トリガーを引いた後の状態を示す。
【0021】
図3は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーAの全体側面図を示す。
【0022】
図4は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーAの分解図を示す。
このトリガースプレイヤーAは、ボディ体1を介して容器キャップに取り付け、容器本体に充填されている液体を外部に噴出(吐出)させる機能を有するものである。
【0023】
このトリガースプレイヤーAは、そのボディ体1の部分が容器キャップBに取り付けられる。
該ボディ体1には、シリンダー部22を有するシリンダー構造体2が取り付けられ、該シリンダー部22内を特殊な形状のピストン体3が前後方向に摺動可能となっている。
なお、以下前後方向とはノズル側を前方とした場合で、図1でいう左右方向を云う。
ボディ体1にはトリガー体4が回動可能に取り付けられており、このトリガー体4を指等を使って引き込むことによりピストン体を後方に動かしシリンダー部内の液体を加圧し、シリンダー部22に連通するノズル部23から液を噴出させる。
そして、本発明のトリガースプレイヤーAはピストン体3が外方に開放され筒体状に形成されていることが主な特徴の1つである。
【0024】
以下、さらにトリガースプレイヤーAを構成する各要素部品について詳しく述べていく。
(ボディ体)
ボディ体1はシリンダー構造体2やトリガー体4、ピストン体3を組み付けるベースとなる部分で、容器キャップBに係止されて取り付けられるが、直接、容器の口部に取り付けることも可能である。
ボディ体1は、ベース部11と該ベース部に一体に形成されたカバー部12とよりなる。
このカバー部12はベース部11の後方にあるヒンジを介して回動可能となるように一体となって形成されている。
このカバー部12の先端には、ノズル部23を上方から押さえるノズル上取付け部12Aを備える。
【0025】
また、ボディ体1は、ベース部11から上方に延びる両側側壁部11Aと該側壁部の前端に形成されノズル部23を下方から支えるノズル下取付け部11Bを備える。
ボディ体1のベース部11にはシリンダー構造体2の円筒基部21を装着するためのシリンダー装着部11Cが設けられており、このシリンダー装着部11Cの下端にシリンダー構造体2が装着された状態で抜け止めを行うための雌嵌合部11Dが形成されている。
【0026】
図5は、本発明の実施形態のトリガースプレイヤーAにおいて、ボディ体1とシリンダー構造体2の配設関係を示すもので、図5(A)は装着前、図5(B)は装着後を示す。
シリンダー構造体2の円筒基部21が上方から押し込まれボディ体1のベース部11のリンダー装着部11Cに装着されており、この状態で、シリンダー構造体1の後述する雄嵌合部25がベース部の雌嵌合部11Dに嵌まって係止されているのが分かる。
このような装着作用と抜け止め作用とが別々の部分でなされるため、シリンダー構造体2はボディ体1に対して封止めされ、また安定した取付け状態となる。
ボディ体1にシリンダー構造体2やピストン体3が収納された状態で、カバー部12を回動して閉じることでこれら主要な内部機構が覆われて保護される。
【0027】
(シリンダー構造体)
シリンダー構造体2は、円筒基部21と該円筒基部から起立して前後方向に延びるシリンダー部22と、円筒基部21の上端部から上方に延びるノズル部23を備えている。
円筒基部21とノズル部23の先端の位置にあるノズル口部23Aを連絡する部分は屈曲自在なフレキシブルチューブ部23Bとなっている。
シリンダー部22の下方には円筒基部から突出し前後方向に延びる中空のガイド軸24が並列して形成されている。
シリンダー部22は有底の円筒状であり底面22Aにノズル部23に連絡される連絡通路Pが形成されている。
また円筒基部の下端には雄嵌合部25が設けられ、この雄嵌合部25が前述したボディ体1のベース部11に形成された雌嵌合部11Cに係止されて取り付けられる。
なお、その際、円筒基部21は、前述したようにボディ体1のシリンダー装着部11Bに装着される。
【0028】
シリンダー構造体2は、これらノズル部23、フレキシブルチューブ部23B、円筒基部21、シリンダー部22、及びガイド軸24が一体に成形(例えば射出成形により)されて作られている。
そしてシリンダー構造体2は、成形後の成形品としては、円筒基部21に対してノズル部23(すなわちノズル口部23Aとフレキシブルチューブ部23B)が延長されて同軸となっている。
【0029】
図6は、本発明の実施形態におけるトリガースプレイヤーAのシリンダー構造体(射出成形品)を示す図である。
ボディ体1に組み付ける際は、フレキシブルチューブ部23Bを前方に屈曲しボディ体のノズル下取り付け部11Bとカバー部のノズル上取り付け部12Aとの間で把持された状態で取り付けられる。
【0030】
図7は、ノズル部の先端にあるノズル口部23Aがボディ体のノズル下取り付け部11Bに支持された状態を示し、この後、カバー部のノズル上取り付け部12Aにより挟み込まれる。
【0031】
(ピストン体)
ピストン体3は、シリンダー部22内にある液体を加圧してシリンダー部内に連通するノズル部23から噴射させるものである。
【0032】
図8は、ピストン体3を説明する断面図である。
ピストン体3は、内側有底円筒部31と外側円筒部32を備え、両者は、外方に(すなわち図でいうと前方に)開放されており、底面31Aが後方となっている。
また、内側有底円筒部31は、シリンダー部の内壁面に沿って移動し、外側円筒部32はシリンダー部の外壁面を圧するように摺動する。
すなわちシリンダー部の先端が外方にやや径大になっており、この径大部がピストン体3の外側円筒部32の内壁面に圧接されている。
なお内側有底円筒部31のシリンダー部の内壁面とは圧接状態にはない。
内側有底円筒部31の外壁面と外側円筒部32の内壁面とシリンダー部の先端部で空間S1が区画形成される。
ピストン体が押されて後方に摺動するにつれて、この空間S1は縮小して、下死点(図2のように、ピストン体が最も後方の位置となる点)においてはゼロ空間となる。
この空間S1の液体はシリンダー部内の大空間Sに移動することはいうまでもない。
内側有底円筒部31の底面31Aは平らなのでシリンダー部22の平らな底面に正確に当接することができる。
そのため、シリンダー部内の有効空間を最大限に利用できる。
また、ワンストロ−ク(すなわちワンショット)で最大に噴出できる泡量は空間S1と大空間Sとの二つの容積のほぼ和となる。
【0033】
ピストンは、トリガーから伝わる力によって移動するが、この力はピストンの開口端(図でいう前方端)から突出形成された押棒33をトリガーで押すことにより行われる。
この押棒33は、シリンダー部内壁に一部厚み部分を設け延出させて形成されている。
一方、ピストン体の外側円筒部32の一部は下方に突出して有底円筒案内部31を形成している。
この有底円筒案内部34は前述したシリンダー部の下方に並列して存在するガイド軸24に沿って案内され前後方向に移動する。
有底円筒案内部34には外気に通じる通気溝Tが形成されており、ピストン体が最大後方に移動した時、外気がこの通気溝Tからガイド軸24内を通って容器本体内に入り負圧が防止される。
また、ピストン体3は外側円筒部32から後方に延設されたバネ部35を有する。
このバネ部35は一対の上アーチ部35Aと一対の下アーチ部35Bとよりなるもので、上アーチ部35Aと下アーチ部35Bとが離れるように曲がることでピストンの復帰力を蓄えるものである。
【0034】
(トリガー体)
トリガー体4は、ボディ体1に回動可能に取り付けられている。
すなわち、トリガー体4の上端には、外方に回動軸41が突出しており、この回動軸41がボディ体1に形成されたU字状の軸受け部13に嵌り込んでいる。
トリガー体4は回動軸41を下方からU字状の軸受け部に押し込むことで軸受け部13に取り付けられる。
また、トリガー体4には回動軸41の下方に凹部42が形成されており、この凹部42で前述したピストンの押棒33の先端を押圧する。
そのため、トリガーを引き込むと、回動軸を支点としてトリガーが回動し、この凹部42がピストン体3の押棒33の先端を押圧することで、ピストン体はシリンダー部内を後方に摺動する。
この場合、トリガー体4の回動により凹部42の位置が上下に多少動くため押棒33も同様に動く。
しかし、前述したように、ピストン体は、外側円筒部32の部分でシリンダー部22に圧接されているだけなので(すなわちピストン体3の内側有底円筒部31とシリンダー部22の内壁面とは圧接状態にはない)、上下方向の振れにも十分、対応することができる。
【0035】
上述の各部品要素の材料としては、好ましくは、ボディ体1、ピストン体3、及びトリガー体4がポリプロピレン、シリンダー構造体2は直鎖状低密度ポリエチレンが採用される。
以上述べた、ボディ体シリンダー構造体2、ピストン体3、トリガー体4が一体に組み込まれる。
尚、その際、ファーストバルブFV(例えば低密度ポリエチレン製)やノズルキャップ(例えばポリプロピレン製)、吸い上げ管(例えばポリプロピレン製)が同時に取り付けられる。
【0036】
組み付けにおいて、ボディ体1にシリンダー構造体2を取り付ける場合は、シリンダー構造体の円筒基部をボディ体のシリンダー装着部11Cに上方から押し入れる。
そして押し入れが終了した段階では、シリンダー構造体の雄嵌合部25がボディ体の雌嵌合部11Dに係止固定される。
これでボディ体(詳しくはシリンダー装着部)とシリンダー構造体(詳しくは円筒基部)との間の密封が確実に保たれる。
また、ボディ体1に対するシリンダー構造体2の抜けが防止される。
【0037】
また、ピストン体3は、そのバネ部35のアーチ部の間に下方からノズル部23を通した状態で、ピストンと有底円筒案内部34をシリンダー構造体のシリンダー部及びガイド軸24に沿って押し込む。
バネ部の後端は、ボディ体のベース部に立設した起立壁11Eに当接して支持される。
トリガー体4は、ボディ体1に対して下方から押し上げることで、その回動軸41がボディ体のU字状の軸受け部13に嵌り込み回動自在に取り付けられる。
最後に、カバーをヒンジ部を起点として回動させ、その先端のノズル上取付け部12Aとボディ体のノズル下取付け部11Bとでノズル口部23を挟み込み、ノズルキャップを装着する。
このようにトリガースプレイヤーAにおいては組み込みが極めて容易に行われる。
【0038】
(作用)
次にトリガースプレイヤーAを使った場合の操作を述べる。
いま、トリガースプレイヤーAを握って指でトリガー体4を引くと、トリガー体が回動軸41を支点として回動し、ピストン体の押棒33を押す。
ピストン体3の内側有底円筒部31は、シリンダー部22の内壁面に沿って移動し、且つ外側円筒部32はシリンダー部22の外壁面を圧するように摺動する。
トリガー体4の回動により押棒33も上下に動くが、前述したように、ピストン体3は上下方向の振れにも十分、対応することができる。
【0039】
ピストン体3が後方向に押し込まれると、シリンダー部内の液は加圧され、シリンダー部の底面に形成された連絡通路Pからフレキシブルチューブ部23Bを通ってノズル口部23Aから液が噴射される。
ピストン体が押されて後方に摺動するにつれて、空間S1は縮小し、ここにある液体はシリンダー部内の大空間Sに移動し、またこの大空間Sも縮小する。
下死点では大空間Sはゼロとなる。
【0040】
また、ピストン体やトリガー体の復帰力についていうと、ピストン体が後方向に移動すると、バネ部35が変形して復帰力が生まれる。
すなわちバネ部の上アーチ部35Aと下アーチ部35Bとが曲がって相互に離れると、バネ力が生じ復帰力が蓄えられる。
【0041】
トリガー体4から指を放して力を抜くと、この復帰力により、バネ部の上アーチ部35Aと下アーチ部35Bとが接近するように作用し、ピストン体3が前方に戻るように移動する。
バネ部35はピストン体3と一体となっているので、両者間に摩擦、間隙等は全く生じなく、ピストン体3の力がバネ部35に確実にしかも効率良く伝達される。
【0042】
以上、本発明を説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、変形例も可能である。
例えば、シリンダー構造体2に一体化されているノズル部は、フレキシブルチューブ部23B(液の通路部)を介してノズル口部23Aがあるが、フレキシブルチューブ部23Bを固定した液の通路部Pとしてもよい。
【0043】
図9は、ノズル部が屈曲可能なフレキシブルチューブ部23Bを使わない通路部を有する別の実施形態の全体構成例を示す断面図である。
また、カバー部12については、ベース部11に一体に形成されてなくとも、別体であっても採用可能である。
またシリンダー部の円筒基部21の雄嵌合部25やボディ体のベース部の雌嵌合部11Dは、どちらを雌にするか雄にするかは自由である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、シリンダー部内の液をピストン体で加圧しノズル部から噴出させるトリガースプレイヤーであって、ピストン体が外方に開放され筒体状に形成されているものである。
そのため構造が簡単で耐久性があり、優れたピストン機能を有する等のメリットを有するものであるが、この原理を応用する限り、このトリガースプレイヤー以外の型式構造を持つポンプディスペンサーにも適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…ボディ体
11…ベース部
11A…両側側壁
11B…ノズル下取付け部
11C…シリンダー装着部
11D…雌嵌合部
11E…起立壁
12…カバー部
12A…ノズル上取付け部
13…軸受け部
2…シリンダー構造体
21…円筒基部
22…シリンダー部
22A…底面
23…ノズル部
23A…ノズル口部
23B…フレキシブルチューブ部
24…ガイド軸
25…雄嵌合部
3…ピストン体
31…内側有底円筒部
31A…底面
32…外側円筒部
33…押棒
34…有底円筒案内部
35…バネ部
35A…上アーチ部
35B…下アーチ部
4…トリガー体
41…回転軸
42…凹部
5…吸い上げ管
A…トリガースプイレイヤー
B…容器キャップ
P…連絡通路
T…通気溝
FV…ファ−ストバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダー部内の液をピストン体で加圧しノズル部から噴出させるトリガースプレイヤーであって、ピストン体が外方に開放され有底筒体状に形成されていることを特徴とするトリガースプレイヤー。
【請求項2】
容器キャップに取り付けられるボディ体と、該ボディ体に取り付けられたシリンダー構造体と該シリンダー構造体に備わったシリンダー部の外壁面を摺動可能なピストン体とボディ体に回動可能に取り付けられたトリガー体とよりなり、トリガー体を引き込むことによりシリンダー部内の液体をピストン体で加圧し、シリンダー部に連通するノズル部から噴出させるトリガースプレイヤーであって、ピストンが外方に開放され筒体状に形成されていることを特徴とするトリガースプレイヤー。
【請求項3】
シリンダー構造体は、ボディ体に装着される円筒基部と該円筒基部に設けられたシリンダー部と、円筒基部から延設されたノズル部とよりなり、ノズル部が屈曲可能なフレキシブルチューブ部を有することを特徴とするトリガースプレイヤー。
【請求項4】
シリンダー構造体は、シリンダー部に並設された、ガイド軸を有し、ピストン体は、該ガイド軸に案内される案内体を有することを特徴とするトリガースプレイヤー。
【請求項5】
シリンダー構造体の円筒基部の下端に設けた雄嵌合部がボディ体のべース部に設けた雌嵌合部に係止されていることを特徴とするトリガースプレイヤー。
【請求項6】
ピストン体は、シリンダー部の外壁面に沿って摺動する外側円筒部及び内壁面に沿って移動する内側有底円筒部を有することを特徴とするトリガースプレイヤー。
【請求項7】
ピストン体は外側円筒部から後方に延設されたバネ部を有することを特徴とするトリガースプレイヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−206746(P2011−206746A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79464(P2010−79464)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(390028196)キャニヨン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】