説明

トリガー式スプレイヤー及びその製造方法

【課題】部品点数を減らすことができ、組み付けが容易であり且つ組み付け時の位置決めを確実に行うことができるトリガー式スプレイヤー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】容器1に螺合可能なキャップ部2と、該キャップ部2の中心に設けられたシリンダ部3と、該シリンダ部3に連続するカバー部4と、該カバー部4の先端に設けられたノズル部5aと、シリンダ部3内を摺動するピストン部11と、該ピストン部11に枢着され且つバージンシール13aで固定されたトリガー12と、ノズル部5aに嵌合されピストン部11内を流通した液体が吐出される流路部先端5bと、シリンダ部3内の液体の流路を開閉するSバルブ21と、該Sバルブ21を上方に付勢するバネ部22と、シリンダ部3にバネ部22を固定する支持部23と、を備え、ピストン部11、トリガー12及び流路部先端5bが一体となっているトリガー式スプレイヤー100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式スプレイヤー及びその製造方法に関し、より詳しくは、部品点数を減らすことができ、組み付けが容易であり且つ組み付け時の位置決めを確実に行うことができるトリガー式スプレイヤー、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に収容された液体を所望の位置に吹き付ける装置として従来からトリガー式スプレイヤーが知られている。
かかるトリガー式スプレイヤーは、トリガーを回動することによって、内蔵されたポンプの加圧、減圧による圧力変化を利用して液体を噴射させる装置であり、近年、蓄圧式のものも含めて多く開発されている。
【0003】
例えば、先端にノズルを嵌合した射出筒に、吐出弁体、吐出弁座、吸込み弁等を配設した蓄圧式のトリガー式スプレイヤーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ピストンバルブと該ピストンバルブをピストン弁座に押圧するバネ体と、これらを収納するピストンカバーを備えることで、蓄圧機能を有する領域の容積が小さくできる等のメリットがある蓄圧式のディスペンサーが開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−6288号公報
【特許文献2】特開2009−160573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1又は2に記載のトリガー式スプレイヤーを含む従来のトリガー式スプレイヤーは、いずれも部品点数が多く、その分、組み付け工数が増え、且つ組み付け自体も複雑となる。
特に、トリガーとピストン部との間で相互の位置がずれ易く位置決めが正確に行いにくい。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を減らすことができ、組み付けが容易であり且つ組み付け時の位置決めを確実に行うことができるトリガー式スプレイヤー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、少なくともピストン部とトリガーとを一体の構造とすることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、(1)容器に螺合可能なキャップ部と、該キャップ部の中心に設けられたシリンダ部と、該シリンダ部に連続するカバー部と、該カバー部の先端に設けられたノズル部と、シリンダ部内を摺動するピストン部と、該ピストン部に枢着されカバー部に支承されたトリガーと、該トリガーを弾発するトリガーバネと、ノズル部に嵌合されピストン部内を流通した液体が吐出される流路部先端と、シリンダ部内の液体の流路を開閉するSバルブと、該Sバルブを上方に付勢するバネ部と、シリンダ部にバネ部を固定する支持部と、を備え、ピストン部、トリガー、トリガーバネ、及び流路部先端が一体となっているトリガー式スプレイヤーに存する。
【0009】
本発明は、(2)キャップ部、シリンダ部、カバー部及びノズル部が一体となっている上記(1)記載のトリガー式スプレイヤーに存する。
【0010】
本発明は、(3)Sバルブ、バネ部及び支持部が一体となっている上記(1)又は(2)に記載のトリガー式スプレイヤーに存する。
【0011】
本発明は、(4)トリガーを強制的に回動させることにより、ピストン部とトリガーとの間のバージンシールが切断される上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のトリガー式スプレイヤーに存する。
【0012】
本発明は、(5)トリガーの回動に連動してピストン部が上下に摺動するようになっており、該ピストン部の摺動に基づいて、シリンダ部内の液体が加圧され、蓄圧された該液体が流路部先端から外部に噴射されるようになっている上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のトリガー式スプレイヤーに存する。
【0013】
本発明は、(6)容器に螺合可能なキャップ部、該キャップ部の中心に設けられたシリンダ部、該シリンダ部に連続するカバー部及び該カバー部の先端に設けられたノズル部、が一体となった第1部材と、シリンダ部内を摺動するピストン部、該ピストン部に枢着され且つバージンシールで一体とされたトリガーとトリガーバネ、及びノズル部に嵌合されピストン部内を流通した液体が吐出される流路部先端、が一体となった第2部材と、シリンダ部内の液体の流路を開閉するSバルブ、該Sバルブを上方に付勢するバネ部及びシリンダ部にバネ部を固定する支持部、が一体となった第3部材と、を組み付けるトリガー式スプレイヤーの製造方法に存する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のトリガー式スプレイヤーは、少なくとも、ピストン部、トリガー、トリガーバネ、及び流路部先端が一体となっているので、部品点数を減らすことができ、全体の組み付けが容易となる。
また、組み付け時においては、トリガーの位置が決められると同時に、ピストン部の位置が決められる。
そのため、ピストン部の位置決めを確実に行うことができる。
【0015】
本発明のトリガー式スプレイヤーにおいては、キャップ部、シリンダ部、カバー部及びノズル部を一体とし、並びに/又は、Sバルブ、バネ部及び支持部を一体とすることにより、更に大きく部品点数を減らすことができる。
このため、全体の組み付けがより容易となる。
【0016】
本発明のトリガー式スプレイヤーにおいては、トリガーを最初に強制的に回動させることにより、ピストン部とトリガーとの間のバージンシールが切断される構造であると、組み付け時にはトリガーとピストン部とを一体として組み付けることができ、使用時にはピストン部に対してトリガーを回動させることが可能となる。
【0017】
本発明のトリガー式スプレイヤーにおいては、トリガーの回動に連動してピストン部が上下に摺動するようになっており、該ピストン部の摺動に基づいて、シリンダ部内の液体が加圧され、蓄圧された該液体が流路部を介して流路部先端から外部に噴射されるようになっている場合、簡単な構造でありながら、確実に一定量の液体を噴射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1の(a)は、本発明に係るトリガー式スプレイヤーの一実施形態を示す側面図であり、図1の(b)は、(a)の正面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーを示す部分断面図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーのトリガーを引いた状態を示す部分断面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおける第1部材を示す部分断面図である。
【図5】図5の(a)は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおける第2部材を示す側面図であり、図5の(b)は、(a)の上面図である。
【図6】図6は、図5の(b)におけるX−X線で切断した部分断面図である。
【図7】図7の(a)は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおける第3部材を示す側面図であり、図7の(b)は、(a)の断面図である。
【図8】図8の(a)は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおけるFバルブを示す側面図であり、図8の(b)は、(a)の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0020】
図1の(a)は、本発明に係るトリガー式スプレイヤーの一実施形態を示す側面図であり、(b)は、(a)の正面図である。
図1の(a)及び(b)に示す本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100は、容器1に収容された液体を、トリガー12を引くことによって、所望の位置に吹き付ける吹き付け装置として用いられる。
かかるトリガー式スプレイヤー100においては、内蔵されたポンプの圧縮、膨張による圧力変化に基づいて、液体が噴射される。
【0021】
図2は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーを示す部分断面図である。
図2に示すように、トリガー式スプレイヤー100は、容器1に螺合可能なキャップ部2と、該キャップ部2の中心に設けられたシリンダ部3と、該シリンダ部3に連続するカバー部4と、該カバー部4の先端に設けられたノズル部5aと、シリンダ部3内を摺動するピストン部11と、該ピストン部11に枢着されカバー部に支承されたトリガー12と、該トリガー12を弾発するトリガーバネ12aと、ノズル部5aに嵌合されピストン部11内を流通した液体が吐出される流路部先端5bと、ピストン部11内の液体の流路を開閉するSバルブ21と、Sバルブ21を上方に付勢するバネ部22と、シリンダ部3にバネ部22を固定する支持部23と、シリンダ部3内の液体の流路を開閉するFバルブ24と、を備える。
【0022】
図3は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーのトリガーを引いた状態を示す部分断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100は、いわゆる蓄圧式であり、トリガー12を引いて回動させると、トリガー12の回動に連動してシリンダ部3内のピストン部11が下方に摺動し、該ピストン部11の摺動に基づいて、シリンダ部3内の液体が加圧される。
そして、蓄圧された液体は、ピストン部11の内部を流通して流路部先端5bから外部に噴射されるようになっている。
【0023】
また、液体の噴射後、トリガー12を開放すると、トリガー12に接続されたトリガーバネ12aの復帰力によって、トリガー12が元の位置に戻ると共に、ピストン部11がシリンダ部3内を上方に摺動し、ピストン部11が引き上げられる。
そうすると、シリンダ部3内の空間が負圧となるので、負圧を解消するために容器1内の液体が吸上げられ、シリンダ部11内に液体が充填されることになる。
【0024】
トリガー式スプレイヤー100においては、このような操作が繰り返されることにより、一定量の液体が、ノズル部5aから繰り返して噴射されることになる。
このように、上記トリガー式スプレイヤー100は、簡単な構造でありながら、確実に一定量の液体を噴射することが可能となっている。
【0025】
ここで、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100においては、キャップ部2、シリンダ部3、カバー部4及びノズル部5aが一体となっており、更にピストン部11、トリガー12及び流路部先端5bが一体となっており、また更にSバルブ21、バネ部22及び支持部23が一体となっている。
すなわち、トリガー式スプレイヤー100は、キャップ部2、シリンダ部3、カバー部4及びノズル部5aが一体となった第1部材と、ピストン部11、トリガー12及び流路部先端5bが一体となった第2部材と、Sバルブ21、バネ部22及び支持部23が一体となった第3部材と、Fバルブ24とからなる。
このように、トリガー式スプレイヤー100は、単に4つの部品から構成されているので、組み付け工数が少なくてすむ。
【0026】
図4は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおける第1部材を示す部分断面図である。
図4に示すように、第1部材101は、キャップ部2、シリンダ部3、カバー部4及びノズル部5aが一体となっている。
【0027】
キャップ部2は、図示しない容器の口部に螺合可能となっている。
したがって、トリガー式スプレイヤー100は、キャップ部2を介して、市販の容器に対して着脱可能となっている。
【0028】
シリンダ部3は、キャップ部2の中央に内設された円筒状の基部3aと、該基部3aから上方に向かって連続して形成された上部3bと、基部3aから下方に向かって連続して形成された円筒状の下部3cと、該下部3cから下方に延びる導入部3d(図1参照)とからなる。
なお、基部3aは、下部3cよりも径が大きくなった円筒状となっている。
また、基部3aの内部にはピストン部11及び第3部材が収容され、上部3bの内部にはトリガー12が収容されるようになっている。
【0029】
シリンダ部3の上部3bにおいて、後端部4bにはカバー部4が枢着されており、前端部4aにはノズル部5aが枢着されている。
すなわち、シリンダ部3にノズル部5aとカバー部4がヒンジ結合されている。
したがって、カバー部4及びノズル部5aを回動させることにより組み付けが容易に行える。
またノズル部5aには、流路部先端5bから噴射される液体を、例えば、泡状にするフラップ5cが設けられている。
【0030】
シリンダ部3のチューブ状の導入部3dは、図示しない容器1内に延びており、容器1内の液体中に浸漬される。
トリガー式スプレイヤー100においては、容器1内の液体はこの導入部3dを介して吸い上げられシリンダ部3内に流入されることになる。
【0031】
図5の(a)は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおける第2部材を示す側面図であり、(b)は、(a)の上面図である。
図5の(a)に示すように、第2部材102は、ピストン部11、トリガー12、トリガーバネ12a、及び流路部先端5bが一体となっている。
【0032】
ピストン部11は、シリンダ3の基部3a内を摺動する本体部11aと、該本体部11aに連続しシリンダ3内の液体が流通する流路部11bとからなる。
なお、本体部11の内部には後述する第3部材が収容されるようになっている。
【0033】
トリガー12は、図5の(b)に示すように、このピストン部11の流路部11bを挟持するように配置されており、枢着部13を介して流路部11bに取り付けられている。
【0034】
図6は、図5の(b)におけるX−X線で切断した部分断面図である。
図6に示すように、トリガー12は、ピストン部11の流路部11bの枢着部13に枢着され且つバージンシール13aで流路部11bに固定されている。
すなわち、トリガー12と流路部11b(ピストン部11)とは枢着されているもののバージンシール13aで両者が固定されているので、この状態ではトリガー12はフリーではピストン部11に対して当然回動しない。
なお、バージンシール13aは、薄膜で円周方向に設けられていることが好ましい。
【0035】
このように、トリガー式スプレイヤー100においては、バージンシール13aでトリガー12とピストン部11とが固定されているので、第2部材の組み付け時には、トリガー12の位置が決められると同時に、ピストン部11の位置が決められる。
そのため、このピストン部11の位置決めを確実に行うことが可能となる。
【0036】
また、バージンシール13aは、トリガー12をピストン部11に対して強制的に回動させることにより、切断されるようになっている。
このため、トリガー12を最初に手前に引き、バージンシール13aを切断することにより、トリガー12はピストン部11に対してフリーに回動可能となる。
【0037】
したがって、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100によれば、組み付け時にはトリガー12とピストン部11とを一体として組み付けることができ、使用時にはピストン部11に対してトリガー12を回動させることが可能となる。
【0038】
流路部先端5bは、矢印A方向に屈曲させて組み付けられる(図2及び図5参照)。そして、流路部先端5bは、ノズル部5aに嵌合され固定されるようになっている。
【0039】
図7の(a)は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおける第3部材を示す側面図であり、(b)は、(a)の断面図である。
図7の(a)及び(b)に示すように、第3部材103は、Sバルブ21、バネ部22及び支持部23が一体となっている。
【0040】
第3部材103は、ピストン部11の内部に配置される(図2参照)。
このとき、支持部23は、ピストン部11の下端部11dに固定されるようになっており、Sバルブ21は、ピストン部11内の弁座11cに当接されるようになっている。
そして、バネ部22は、伸縮可能となっており、Sバルブ21は、バネ部22による一定のバネ力により、弁座11cに付勢されるようになっている。
【0041】
このように、第3部材103は、ピストン部11内の液体の、流路を塞ぐ弁の働きをする。
すなわち、ピストン部11内の液体に一定の圧力が蓄圧されると、弁が開いて液体が流通すると共に圧力が放圧され、一定の圧力となると、再び弁が閉じる構造となっている。
これにより、トリガー式スプレイヤー100においては、第3部材103によって液体の流通が確実に遮断されるので、液垂れを防止することができる。
【0042】
Sバルブ21は、図7の(b)に示すように、内部が中空となっている。
これにより、Sバルブ21の軽量化が図られ、バネ部22への負担も小さくなる。
【0043】
トリガー式スプレイヤー100において、Fバルブ24は、シリンダ部3内の液体の流路を開閉する弁の働きをする。
図8の(a)は、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤーにおけるFバルブを示す側面図であり、(b)は、(a)の上面図である。
図8の(a)及び(b)に示すように、Fバルブ24は、水平断面が十字状となっているので、流通する液体の流通方向が調整される。
【0044】
本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100において、上述した第1部材101、第2部材102、第3部材103及びFバルブ24の材質は、いずれも合成樹脂であり、主として射出成形により製造される。
【0045】
以上のことから、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100は、第1部材101、第2部材102、第3部材103及びFバルブ24からなるので、従来のトリガー式スプレイヤーよりも大きく部品点数を減らすことができ、組み付けが極めて容易となる。
【0046】
次に、本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100の組み付けによる製造方法について説明する。
本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100は、第1部材101、第2部材102、第3部材103及びFバルブ24を組み付けることによって製造することができる。
すなわち、まず、第1部材101のシリンダ部3にFバルブ24及び第3部材103を挿入し、次に第2部材102の下端部11dから第3部材を圧入する。
そして第2部材102のピストン部11を第1部材101のシリンダ部3に圧入する。
そして、流路部先端5bを屈曲させ、流路部先端5bにノズル部5aを嵌合させることにより、流路部先端5bを固定し、カバー部4を閉じることにより、図1の(a)及び(b)に示すトリガー式スプレイヤー100が得られる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0048】
本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100においては、第1部材101と、第2部材102と、第3部材103とを備えているが、少なくとも第2部材102を備えていれば、部品点数を減らすことができ、組み付けが容易であり且つ組み付け時の位置決めを確実に行えるという利点を奏することができる。
したがって、第1部材101におけるキャップ部2、シリンダ部3、カバー部4及びノズル部5aは別体であってもよく、第3部材103におけるSバルブ21、バネ部22及び支持部23が別体であってもよい。
【0049】
また上述した実施形態ではストッパー12bがトリガー12とヒンジを介して一体化したものを採用しているが、ストッパー12bはシリンダ部側にヒンジを介して一体とすることも可能である。
【0050】
本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100において、バージンシール13aは、薄膜であり円周方向に設けられているが、円周方向に部分的に設けられていてもよい。
【0051】
本実施形態に係るトリガー式スプレイヤー100において、バネ部22は、蛇状となっているが、コイル状、板状、バネ座金状等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のトリガー式スプレイヤーは、トリガーを引くことにより、容器内の液を噴射する装置として好適に用いられる。
本発明のトリガー式スプレイヤーによれば、部品点数を減らすことができ、組み付けが容易であり且つ組み付け時の位置決めを確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・容器
2・・・キャップ部
3・・・シリンダ部
3a・・・基部
3b・・・上部
3c・・・下部
3d・・・導入部
4・・・カバー部
4a・・・前端部
4b・・・後端部
5a・・・ノズル部
5b・・・流路部先端
5c・・・フラップ
11・・・ピストン部
11a・・・本体部
11b・・・流路部
11c・・・弁座
11d・・・下端部
12・・・トリガー
12a・・・トリガーバネ
13・・・枢着部
13a・・・バージンシール
21・・・Sバルブ
22・・・バネ部
23・・・支持部
24・・・Fバルブ
100・・・トリガー式スプレイヤー
101・・・第1部材
102・・・第2部材
103・・・第3部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に螺合可能なキャップ部と、
該キャップ部の中心に設けられたシリンダ部と、
該シリンダ部に連続するカバー部と、
該カバー部の先端に設けられたノズル部と、
前記シリンダ部内を摺動するピストン部と、
該ピストン部に枢着されカバー部に支承されたトリガーと、
該トリガーを弾発するトリガーバネと、
前記ノズル部に嵌合され前記ピストン部内を流通した液体が吐出される流路部先端と、
前記シリンダ部内の液体の流路を開閉するSバルブと、
該Sバルブを上方に付勢するバネ部と、
前記シリンダ部に前記バネ部を固定する支持部と、
を備え、
前記ピストン部、前記トリガー、前記トリガーバネ及び前記流路部先端が一体となっているトリガー式スプレイヤー。
【請求項2】
前記キャップ部、前記シリンダ部、前記カバー部及び前記ノズル部が一体となっている請求項1記載のトリガー式スプレイヤー。
【請求項3】
前記Sバルブ、前記バネ部及び前記支持部が一体となっている請求項1又は2に記載のトリガー式スプレイヤー。
【請求項4】
前記トリガーを強制的に回動させることにより、ピストン部とトリガーとの間のバージンシールが切断される請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリガー式スプレイヤー。
【請求項5】
前記トリガーの回動に連動して前記ピストン部が上下に摺動するようになっており、
該ピストン部の摺動に基づいて、前記シリンダ部内の液体が加圧され、蓄圧された該液体が前記流路部先端から外部に噴射されるようになっている請求項1〜4のいずれか1項に記載のトリガー式スプレイヤー。
【請求項6】
容器に螺合可能なキャップ部、該キャップ部の中心に設けられたシリンダ部、該シリンダ部に連続するカバー部及び該カバー部の先端に設けられたノズル部、が一体となった第1部材と、
前記シリンダ部内を摺動するピストン部、該ピストン部に枢着され且つバージンシールで一体とされたトリガーとトリガーバネ、及び前記ノズル部に嵌合され前記ピストン部内を流通した液体が吐出される流路部先端、が一体となった第2部材と、
前記シリンダ部内の液体の流路を開閉するSバルブ、該Sバルブを上方に付勢するバネ部及び前記シリンダ部に前記バネ部を固定する支持部、が一体となった第3部材と、
を組み付けるトリガー式スプレイヤーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−18514(P2013−18514A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152378(P2011−152378)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(391050961)
【Fターム(参考)】