説明

トリクロロシラン製造装置および製造方法

【課題】高い熱効率で供給ガスを加熱するとともに、熱効率を損なうことなく装置の大型化を図ることができ、大量生産を可能にする。
【解決手段】略筒状の壁体11、壁体11の上端を閉じる天板12および下端を閉じる底板13を備え、壁体11の下部に設けられたガス導入流路11bを通じてテトラクロロシランと水素とを含む原料ガスを供給されてトリクロロシランと塩化水素とを含む反応ガスを生成する反応容器10と、反応容器10内に設置され、原料ガスを加熱する複数のヒータ20とを備え、ヒータ20は、電気を供給されて発熱する発熱体21と、発熱体21の下端を支持する受台22とを有し、発熱体21に、その高さ方向の途中位置かつガス導入流路11bの上方に配置されるフランジ23が水平方向に沿って設けられており、隣接するヒータ20間にフランジ23により狭められた原料ガスの流路102が形成されているトリクロロシラン製造装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラクロロシランをトリクロロシランに転換するトリクロロシラン製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン(Si:珪素)を製造するための原料として使用されるトリクロロシラン(SiHCl3)は、テトラクロロシラン(SiCl4:四塩化珪素)を水素と反応させて転換することで製造することができる。
すなわち、シリコンは、以下の反応式(1)(2)によるトリクロロシランの還元反応と熱分解反応で生成される。トリクロロシランは、以下の反応式(3)による転換反応で生成される。
SiHCl3+H2 → Si+3HCl ・・・(1)
4SiHCl3 → Si+3SiCl4+2H2 ・・・(2)
SiCl4+H2 → SiHCl3+HCl ・・・(3)
【0003】
トリクロロシランを製造する装置として、例えば特許文献1には、反応室が、同心配置の2つの管によって形成された外室と内室とをもった二重室設計とされ、この反応室の外側の周りに発熱体を配置した反応容器が提案されている。この反応容器では、炭素等で形成されたヒータ部である発熱体が通電により発熱し、反応室内を外側から加熱することで、反応室内のガスを反応させている。
【0004】
また、特許文献2には、同心状の外筒と内筒とによって反応室を形成し、この反応室を囲むように加熱要素(ヒータ)が設けられた構造の装置が開示されている。
【0005】
一方、特許文献3には、反応容器を複数の同心状の円筒壁と、これら円筒壁の間の小空間の上下を閉塞する円板とにより構成するとともに、各小空間を連続的に連通させて反応室とし、最も内周位置の円筒壁の内側に発熱体を設けたトリクロロシラン製造装置が提案されている。
【0006】
特許文献4には、複数本の管状のヒータが反応室内に配置され、反応室内およびヒータ内でガスが直接加熱される構造の装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3781439号公報
【特許文献2】特開2004−262753号公報
【特許文献3】特開2008−133170号公報
【特許文献4】特公昭60−49021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1,2記載の構造であると、反応室の外部に配した発熱体により反応室内を加熱するが、この場合、発熱体からは半径方向内方だけでなく半径方向外方にも輻射熱が放射されるため、熱効率が低いという不都合がある。
【0009】
一方、特許文献3記載の構造の場合、反応容器の中央位置に発熱体を設けたことにより、半径方向外方に放射される輻射熱の全体を反応室内のガスに加えることができ、特許文献1記載のものより高い熱効率で加熱することができる。ただし、発熱体の外側を囲むように反応室が設けられるため、生産量の増大のために装置を大型化して反応室の外径を大きくしようとすると、反応室の外周部は発熱体から遠くなるため、大型化への対応には限界がある。
【0010】
特許文献4記載の構造の場合、反応室の内部にヒータが設置されており、ヒータの熱を高効率で利用できる。しかしながら、ガスが反応室内を均一に流れて各ヒータ内に一様に流入しなければ、ガス全量が均一に加熱されず、反応効率が低くなるおそれがある。
【0011】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、さらに高い熱効率で供給ガスを加熱するとともに、熱効率を損なうことなく装置の大型化を図ることができ、大量生産を可能にするトリクロロシラン製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスからトリクロロシランを製造する装置であって、略筒状の壁体、この壁体の上端を閉じる天板および下端を閉じる底板を備え、前記壁体の下部に設けられたガス導入流路を通じて前記原料ガスを供給されてトリクロロシランと塩化水素等とを含む反応ガスを生成する反応容器と、前記反応容器内に設置され、前記原料ガスを加熱する複数のヒータとを備え、前記ヒータは、上下方向に延び電気を供給されて発熱する発熱体と、前記底板に固定されて前記発熱体の下端を支持する受台とを有し、前記発熱体に、その高さ方向の途中位置かつ前記ガス導入流路の上方に配置されるフランジが水平方向に沿って設けられており、隣接する前記ヒータ間に前記フランジにより狭められた前記原料ガスの流路が形成されている。
【0013】
また本発明は、テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスからトリクロロシランを製造する方法であって、フランジを途中位置に備える発熱体を有する複数のヒータを、原料ガスを流通させる上下方向に沿って前記発熱体が延びるように、かつ隣接する前記ヒータ間に前記フランジによって狭められた前記原料ガスの流路を形成するように配列することにより、前記原料ガスを整流しながら直接加熱する。
【0014】
このトリクロロシラン製造装置および製造方法によれば、ヒータを反応室の中に設置することにより、ヒータの熱がその周囲を流通する原料ガスに直接伝わるので、原料ガスを高い熱効率で加熱することができる。また、反応室内にヒータを設置するので、反応容器を大型化しても、その必要個所にヒータを設置することができ、熱効率を損なうことがない。
【0015】
また、このトリクロロシラン製造装置および製造方法では、発熱体に設けられたフランジを有するヒータが複数配列されることにより、原料ガスの上昇流に対してフランジが抵抗となり、各ヒータ間の隙間が狭められ、原料ガスの流路となる。このため、ガス導入流路から導入された原料ガスは、フランジの下方の空間に拡散して充満した後に、フランジによって狭められた隙間を通って上方へ流通する。したがって、フランジによって原料ガスが整流され、反応室の内部を下方から上方へ向かって原料ガスが一様に流通する。これにより、各ヒータの発熱体によって原料ガス全量が均一に加熱されるので、加熱ムラによる反応効率の低下等を防ぐことができる。なお、フランジには構造上電流が流れにくいため、発熱量は小さい。
【0016】
さらに、このトリクロロシラン製造装置では、反応容器の底板に多数のヒータが密に立設しているため、たとえば分散板のような他部品をさらに取り付けることが難しいが、ヒータの発熱体にフランジを設けて分散板として機能させているので、さらに分散板を取り付けることなく、効果的に原料ガスを分散させることができる。
【0017】
このトリクロロシラン製造装置において、前記発熱体は、発熱量が小さく下部に設けられた非発熱部と、発熱量が大きく前記非発熱部の上部に設けられた発熱部とを有し、前記フランジは、前記発熱部よりも下方に設けられていることが好ましい。この場合、発熱部からの熱が下方に伝わるのを抑え、発熱体の基端部が加熱されることを防止できる。
【0018】
さらに、前記フランジは、前記非発熱部と前記発熱部との境界部に設けられていることがより好ましい。発熱部と非発熱部との境界部よりもフランジが下にあると、フランジによって整流された原料ガスが発熱部に至るまで加熱されず、発熱体に無駄な部分が生じる。また、発熱部と非発熱部との境界部よりもフランジが上にあると、原料ガスが整流前に発熱体に触れる部分が生じ、この部分での原料ガスへの伝熱は非効率的であるばかりか、フランジより下にある発熱部から非発熱部や受台や容器の底板部に、輻射により熱を逃がしてしまう。
【0019】
また、このトリクロロシラン製造装置において、隣接する前記発熱体における前記フランジの高さ方向の位置が異なっている場合、隣接する発熱体間の短絡の可能性を抑えることができる。
【0020】
また、このトリクロロシラン製造装置において、一つの前記発熱体に複数段の前記フランジが設けられている場合、より高い整流効果が得られる。さらに、隣接する前記発熱体における前記フランジの高さ方向の位置が異なっている場合は、隣接する発熱体間の短絡を防止することもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るトリクロロシラン製造装置および製造方法によれば、ヒータを反応室の中に設置したことにより、ヒータの熱を原料ガスに直接伝え、原料ガスを高い熱効率で加熱して、トリクロロシランへの転換率をより向上させることができる。しかも、反応容器を大型化しても、必要個所にヒータを設置することができ、熱効率を損なうことなく装置の大型化を図ることができ、大量生産を可能にする。
【0022】
また、ヒータの発熱体にフランジを設けることにより、フランジ間に原料ガスの流路が形成されているので、この流路を流通して原料ガスを反応室内に一様に分散させることにより均一に原料ガスを加熱でき、高い反応効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るトリクロロシラン製造装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1に示すトリクロロシラン製造装置におけるヒータを示す側面図である。
【図4】本発明に係るトリクロロシラン製造装置におけるヒータの一例を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係るトリクロロシラン製造装置におけるヒータのさらに別の例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るトリクロロシラン製造装置におけるヒータのさらに別の例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るトリクロロシラン製造装置の一実施形態について説明する。
本実施形態のトリクロロシラン製造装置100は、テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスを加熱して、転換反応によりトリクロロシランと塩化水素等とを含む反応ガスを生成し、トリクロロシランを製造する装置であって、図1および図2に示すように、原料ガスを供給される反応容器10と、この反応容器10の中に備えられて原料ガスを加熱するヒータ20とを備えている。反応容器10は断熱容器30を備えており、ヒータ20による熱が反応容器10から放出されることによる加熱効率の低下が防止されている。なお、図1は図2におけるB−B線に沿うトリクロロシラン製造装置100の断面図である。このトリクロロシラン製造装置100において、メタン等の不純物の生成を防止するために、原料ガスが触れる炉内部材はSiCによりコートされたカーボン材から形成されている。
【0025】
反応容器10は、略筒状の壁体11と、この壁体11の上端を閉じる天板12と、壁体11の下端を閉じる底板13とを備えている。
壁体11は、それぞれ同心状に設けられた略筒状の内側壁体11Aと外側壁体11Bとを備えている。これら内側壁体11Aと外側壁体11Bとの間には、円筒状の空間(円筒状流路11a)が形成されている。外側壁体11Bの下端部は底板13に接続して閉塞されており、一方、内側壁体11Aは下端部が底板13から離間するように配置されている。これにより、リング状のガス導入流路11bが、内側壁体11Aの下端部に開口し、円筒状流路11aと内側壁体11Aの内部空間とを連通させている。
【0026】
この壁体11において、円筒状流路11aの上部に接続する環状流路11cが設けられている。さらに、この環状流路11cの上部に、原料ガス供給管14が接続されている。また、壁体11の上端を閉じる天板12の中央を貫通するように、反応ガスを装置外に導出するガス導出管15が接続されている。
【0027】
反応容器10の底板13は、外側壁体11Bの下端に接続されて壁体11の下端を閉じるとともに、複数のヒータ20を同心状の多重に円を描いて配列されるように立設保持している。また、反応容器10の天板12は、壁体11の内側壁体11Aおよび外側壁体11Bの上端に接続されて壁体11の上端を閉じている。この天板12,壁体11(内側壁体11A)、および底板13によって囲まれて複数のヒータ20が立設している空間が、このトリクロロシラン製造装置100における反応室101である。
【0028】
この反応室101内で原料ガスを加熱する複数(本実施形態では28個)のヒータ20は、それぞれ、上下方向に延び電気を供給されて抵抗発熱する略板状の発熱体21と、底板13に固定されて発熱体21の下端を支持する受台22とを有し、三重の同心円を描くように配列されている。受台22は、発熱体21を支持するとともに、隣接するヒータ20同士を電気的に接続するための電極である。すなわち、受台22を通じて直列に接続された複数個(たとえば4個)のヒータ20が複数列(たとえば7組)並列に接続され、各列の電極(受台22)から電力を供給されることにより、各発熱体21が一様に抵抗発熱して、反応室101内の原料ガスを加熱することができる。
【0029】
図3に示すように、発熱体21の下端部は板厚が厚いため抵抗が小さく、発熱量が小さい非発熱部21aとなっている。一方、発熱体21の上部は板厚が薄いため抵抗が大きく、発熱量が大きい発熱部21bとなっている。この発熱体21には、その高さ方向の途中位置、すなわち非発熱部21aと発熱部21bとの境界部に、フランジ23が設けられている。フランジ23は、ガス導入流路11bの上方に配置され、反応室101内における各ヒータ20の配置位置に応じた形状に形成され、隣接するもの同士が互いに接触しないようにかつ内側壁体11Aの内周面に接触しないように間隔(分散流路102)を空けて、いずれのフランジ23も同じ高さに配置されており、全体として略同一面を形成している(図2および図3参照)。なお、フランジ23は、構造上電流が流れにくいため、発熱量は小さい。このように配置されたフランジ23によって、反応室101は、原料ガスが導入される下部と、原料ガスを加熱する上部とに隔てられる。なお、ヒータ20が密接して配列されているので、受台22が固定される底板13や内側壁体11Aの内面等には、さらに他の部材(たとえばガス分散板)やその部材を固定するための構造物などを設ける余地はほとんどない。
【0030】
なお、フランジ23は、フランジ23を含む反応室101内の横断面に占める発熱体21およびフランジ23の面積割合が70%以上となるように設けられていることが好ましい。また、本実施形態では図2に示すように、フランジ23間の隙間の大きさは、反応室101全域でほぼ均等に設けている。しかしながら、反応室101内に原料ガスをより均一に流通させるために、外周側の隙間が狭く内周側の隙間が広くなるように各フランジ23を設けてもよい。
【0031】
以上のように構成されたトリクロロシラン製造装置100において、原料ガス供給管14から反応容器10に供給された原料ガスは、環状流路11cに充満した後、円筒状流路11aに導入され、ガス導入流路11bを通じて反応室101内の下部へ導入される。
【0032】
反応室101に導入された原料ガスは、流通抵抗によりフランジ23の下方に充満し、分散流路102を通過することにより整流されてフランジ23の上方に分散し、発熱体21の発熱部21bによって均一に加熱される。そして、ヒータ20によって加熱された原料ガスの転換反応により生成された反応ガスは、ガス導出管15を通じてこのトリクロロシラン製造装置100から取り出される。
【0033】
以上説明したように、このトリクロロシラン製造装置100によれば、ヒータ20を反応室101の中に設置することにより、ヒータ20の熱がその周囲を流通する原料ガスに直接伝わるので、原料ガスを高い熱効率で加熱することができる。また、反応室101内にヒータ20を設置するので、反応容器10を大型化しても、その必要個所にヒータ20を設置することができ、熱効率を損なうことがない。
【0034】
また、このトリクロロシラン製造装置100では、発熱体21に設けられたフランジ23を有するヒータ20が複数配列されることにより、各フランジ23によって狭められた隙間が原料ガスの流路102となる。すなわち、フランジ23によって原料ガスを整流できるので、反応容器10の内部を下方から上方へ向かって原料ガスを一様に流通させることができる。これにより、各ヒータ20の発熱体21によって原料ガス全量が均一に加熱されるので、加熱ムラによる反応効率の低下等を防ぐことができる。また、フランジ23が非発熱部21aと発熱部21bとの境界部に設けられていることにより、原料ガスはフランジ23によって整流された状態で発熱部21bの近傍を流れるので、効率のよい加熱が可能である。
【0035】
さらに、このトリクロロシラン製造装置100では、反応容器10の底板13に多数のヒータ20が密に立設しているため、たとえば分散板のような他部品をさらに取り付けることが難しいが、ヒータ20の発熱体21にフランジ23を設けて分散板として機能させているので、さらに分散板を取り付けることなく、効果的に原料ガスを分散させることができる。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。たとえば、前記実施形態では各フランジが同一高さに配置されているが、図4に示すように、隣接する発熱体21におけるフランジ23の高さ方向の位置が異なっていてもよい。この場合、フランジ23同士の接触を防止し、隣接するヒータ20間の短絡を防止することができる。
【0037】
また、図5に示すように、より高い整流効果を売るために、一つの発熱体21に複数段のフランジ23を設けてもよい。さらに、図6に示すように、隣接する発熱体21におけるフランジ23の高さ方向の位置が異なっていると、隣接するフランジ23同士の接触によるヒータ20間の短絡を防止しながら、高い整流効果を得ることができる。
【0038】
図4〜図6に示すようにフランジ23が複数の高さ位置に設けられている場合には、いずれかの高さ位置におけるフランジ23を含む反応室101内の横断面において、発熱体21およびフランジ23の占める面積割合が70%以上となるように、フランジ23を設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0039】
10 反応容器
11 壁体
11a 円筒状流路
11b ガス導入流路
11c 環状流路
11A 内側壁体
11B 外側壁体
12 天板
13 底板
14 原料ガス供給管
15 ガス導出管
20 ヒータ
21 発熱体
21a 非発熱部
21b 発熱部
22 受台
23 フランジ
30 断熱容器
100 トリクロロシラン製造装置
101 反応室
102 分散流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスからトリクロロシランを製造する装置であって、
略筒状の壁体、この壁体の上端を閉じる天板および下端を閉じる底板を備え、前記壁体の下部に設けられたガス導入流路を通じて前記原料ガスを供給されてトリクロロシランと塩化水素とを含む反応ガスを生成する反応容器と、
前記反応容器内に設置され、前記原料ガスを加熱する複数のヒータとを備え、
前記ヒータは、上下方向に延び電気を供給されて発熱する発熱体と、前記底板に固定されてこの発熱体の下端を支持する受台とを有し、
前記発熱体に、その高さ方向の途中位置かつ前記ガス導入流路の上方に配置されるフランジが水平方向に沿って設けられており、隣接する前記ヒータ間に前記フランジにより狭められた前記原料ガスの流路が形成されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
【請求項2】
前記発熱体は、発熱量が小さく下部に設けられた非発熱部と、発熱量が大きく前記非発熱部の上部に設けられた発熱部とを有し、
前記フランジは、前記発熱部よりも下方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトリクロロシラン製造装置。
【請求項3】
前記フランジは、前記非発熱部と前記発熱部との境界部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のトリクロロシラン製造装置。
【請求項4】
隣接する前記発熱体における前記フランジの高さ方向の位置が異なっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトリクロロシラン製造装置。
【請求項5】
一つの前記発熱体に複数段の前記フランジが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のトリクロロシラン製造装置。
【請求項6】
隣接する前記発熱体における前記フランジの高さ方向の位置が異なっていることを特徴とする請求項5に記載のトリクロロシラン製造装置。
【請求項7】
テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスからトリクロロシランを製造する方法であって、
フランジを途中位置に備える発熱体を有する複数のヒータを、原料ガスを流通させる上下方向に沿って前記発熱体が延びるように、かつ隣接する前記ヒータ間に前記フランジによって狭められた前記原料ガスの流路を形成するように配列することにより、前記原料ガスを整流しながら直接加熱することを特徴とするトリクロロシラン製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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