説明

トルクリミッタ及び画像形成装置

【課題】 画像形成装置等に用いるトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸と従動側回転軸とが軸方向に離れた状態であっても、一定範囲のトルクを従動側回転軸に対して適切に伝達できると共に、従動側回転軸に伝達させるトルクの調整も簡単に行えるようにする。
【解決手段】 駆動側回転軸4の一端部に設けた第1磁性体4aと従動側回転軸6の一端部に設けた第2磁性体6aとが軸方向に間隔を介して対向するように設けると共に、第1磁性体と第2磁性体との少なくとも一方を磁石で構成し、第1磁性体と第2磁性体との間の磁気力により駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸に設けた第1磁性体と従動側回転軸に設けた第2磁性体との間隔を調整する間隔調整手段8を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるのに用いるトルクリミッタ及びこのようなトルクリミッタを用いた画像形成装置に係り、特に、駆動側回転軸と従動側回転軸とが軸方向に離れた状態であっても、一定範囲のトルクを従動側回転軸に対して適切に伝達できると共に、従動側回転軸に伝達させるトルクの調整も簡単に行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるのに様々なトルクリミッタが用いられており、また複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置においては、給紙ローラや定着ローラ等の回転部材に必要以上のトルクが加わるのを防止するため、上記のようなトルクリミッタが様々な回転部材に設けられている。
【0003】
そして、近年においては、上記のようなトルクリミッタとして、摩耗や発熱等の問題が生じる摩擦板を用いるタイプのものに代えて、特許文献1,2に示されるように、磁力によって駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるようにしたトルクリミッタが用いられるようになった。
【0004】
ここで、特許文献1に示されるトルクリミッタにおいては、駆動側回転軸に設けた円板と従動側回転軸に設けた円板とにそれぞれ円周方向に沿って複数の永久磁石を配置させ、この駆動側回転軸に設けた円板と従動側回転軸に設けた円板とを軸方向に一定間隔を介して対向させると共に、上記の永久磁石の磁極が駆動側回転軸に設けた円板と従動側回転軸に設けた円板とで逆極性になるようにして配置させ、駆動側回転軸に設けた円板と従動側回転軸に設けた円板との間の磁気力によって、駆動側回転軸の回転を一定範囲のトルクで従動側回転軸に伝達させるようにしている。
【0005】
しかし、この特許文献1に示されるトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に伝達させるトルクの範囲を変更させるにあたっては、駆動側回転軸における円板と従動側回転軸における円板とに設ける永久磁石の数を変更させるようにしており、この場合、永久磁石の数を変更させた数多くの円板を準備して交換することが必要になり、駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に伝達させるトルクの範囲を簡単に変更させることができないという問題があった。
【0006】
また、特許文献2に示されるトルクリミッタにおいては、円筒状の回転可能な永久磁石に対して、この永久磁石と略同一中心軸を中心に回転可能になった円筒形状の磁性体が半径方向に所要間隔を介して対向するようにして、上記の永久磁石の外周を覆うように設けると共に、上記の永久磁石に対して円筒形状の磁性体を軸方向に移動させて、永久磁石と円筒形状の磁性体とが対向する面積を変更させて、伝達させるトルクの範囲を変更させるようにしている。
【0007】
しかし、この特許文献2に示されるトルクリミッタにおいては、上記のように永久磁石の外周を覆うように円筒形状の磁性体を設けているため、駆動側回転軸に対して従動側回転軸を軸方向に離隔させて設ける必要がある場合、例えば、駆動側回転軸と従動側回転軸との間に障害物がある場合や、駆動側回転軸と従動側回転軸との間で熱等が伝わらないようにする必要がある場合等に対応させることができず、その用途が限定されるという問題があった。
【特許文献1】特開平5−168222号公報
【特許文献2】特開平11−218152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるのに用いるトルクリミッタにおける上記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0009】
本発明においては、駆動側回転軸に対して従動側回転軸を軸方向に離隔させて設けるトルクリミッタにおいて、一定範囲のトルクが従動側回転軸に対して適切に伝達できるようにすると共に、従動側回転軸に伝達させるトルクの調整も簡単に行えるようにし、画像形成装置における給紙ローラや定着ローラ等の回転部材に対して、必要以上のトルクが加わるのを適切に防止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、駆動側回転軸の一端部に設けられた第1磁性体と従動側回転軸の一端部に設けられた第2磁性体とが軸方向に間隔を介して対向するように設けられると共に、上記の第1磁性体と第2磁性体との少なくとも一方が磁石で構成され、第1磁性体と第2磁性体との間の磁気力により駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整する間隔調整手段を設けた。
【0011】
ここで、本発明のトルクリミッタにおいて、上記の間隔調整手段により駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整するにあたっては、上記の駆動側回転軸を軸方向に移動させて、駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整させるようにし、或いは、上記の駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と上記の従動側回転軸に設けられた第2磁性体との少なくとも一方を、これらの軸方向にスライドさせて、駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整させるようにすることができる。
【0012】
そして、本発明の画像形成装置においては、給紙ローラや定着ローラ等の回転部材を回転させるのに、上記のようなトルクリミッタを用いるようにした。
【発明の効果】
【0013】
本発明のトルクリミッタにおいては、駆動側回転軸の一端部に設けられた第1磁性体と従動側回転軸の一端部に設けられた第2磁性体とが軸方向に間隔を介して対向するように設け、上記の第1磁性体と第2磁性体との少なくとも一方を磁石で構成するようにしたため、第1磁性体と第2磁性体との間の磁気力により、上記の駆動側回転軸から軸方向に間隔を介して設けられた従動側回転軸に対して、駆動側回転軸の回転が一定範囲のトルクで適切に伝達されるようになる。
【0014】
この結果、本発明のトルクリミッタにおいては、駆動側回転軸と従動側回転軸との間に障害物がある場合においても、従動側回転軸に一定範囲のトルクが適切に伝達されるようになると共に、駆動側回転軸と従動側回転軸との間で熱等が伝わらないようにして、従動側回転軸に一定範囲のトルクを伝達させることも可能になる。
【0015】
さらに、本発明のトルクリミッタにおいては、駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を間隔調整手段によって調整するようにしたため、駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間の磁気力を簡単に変更させて、従動側回転軸に伝達させるトルクを簡単に調整できるようになる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置において、給紙ローラや定着ローラ等の回転部材を回転させるのに、上記のようなトルクリミッタを用いると、これらの回転部材を適切なトルクの範囲で回転させることが容易に行えるようになると共に、これらの回転部材に回転を伝達させる駆動側との間に障害物があっても、これらの回転部材に一定範囲のトルクが適切に伝達されるようになり、また定着ローラのように従動側回転軸が加熱されるような場合においても、この熱等に駆動側回転軸に伝わるのを防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明に係るトルクリミッタの実施形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るトルクリミッタは、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0018】
(実施形態1)
実施形態1のトルクリミッタにおいては、図1に示すように、回転装置1を取付部材2によって支持部材3に取り付け、この回転装置1から延出されて回転駆動される駆動側回転軸4の先端に永久磁石で構成された第1磁性体4aを取り付けている。
【0019】
また、上記の駆動側回転軸4のトルクが伝達されるローラ5から回転装置1に向けて延出された従動側回転軸6を軸受7に回転可能に保持させると共に、この従動側回転軸6の先端に、上記の第1磁性体4aと逆極性の永久磁石で構成された第2磁性体6aを設け、この第2磁性体6aと上記の第1磁性体4aとを所定間隔を介して対向させるようにしている。
【0020】
このようにすると、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間の磁気力により、上記の回転装置1によって回転する駆動側回転軸4から従動側回転軸6に一定範囲のトルクが伝達され、このトルクの範囲において従動側回転軸6に設けられたローラ5が回転されるようになる。
【0021】
また、このように所定間隔を介して対向する第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間の磁気力によって駆動側回転軸4から従動側回転軸6にトルクを伝達させるため、磁気力に影響を及ぼさない材料の障害物(図示せず)であれば、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間に存在しても、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に一定範囲のトルクが伝達されるようになり、また上記の従動側回転軸6に設けられたローラ5が加熱されて熱くなる場合においても、この熱が上記の駆動側回転軸4や回転装置1に伝わるのが防止されるようになる。
【0022】
そして、この実施形態1のトルクリミッタにおいて、図2に示すように、回転装置1を支持部材3に取り付ける取付部材2と支持部材3との間に適当な厚みのスペーサ部材8を介在させ、この回転装置1から延出された駆動側回転軸4を上記の従動側回転軸6から軸方向に離れる方向に移動させて、上記の第1磁性体4aと第2磁性体6aとが対向する間隔を大きくすると、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間の磁気力が弱くなって、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達させるトルクを弱めることができ、このスペーサ部材8の厚みを調整することにより、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達させるトルクを適切に調整できるようになる。
【0023】
(実施形態2)
実施形態2のトルクリミッタにおいては、図3及び図4に示すように、回転装置1を取付部材2によって支持部材3に取り付け、この回転装置1から延出されて回転駆動される駆動側回転軸4の先端部に、永久磁石で構成された第1磁性体4aを軸方向に移動できるように設けると共に、この第1磁性体4aとスペーサ部材4bとを位置決め部材4c,4dにより挟み込むようにして位置決めするようにしている。
【0024】
一方、ローラ5から回転装置1に向けて延出された従動側回転軸6においては、上記の実施形態1の場合と同様に、従動側回転軸6の先端に上記の第1磁性体4aと逆極性の永久磁石で構成された第2磁性体6aを設け、この第2磁性体6aと上記の第1磁性体4aとを所定間隔を介して対向させるようにしている。
【0025】
そして、この実施形態2のトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達させるトルクを強くする場合には、図3に示すように、上記の駆動側回転軸4の先端部に設けるスペーサ部材4bを従動側回転軸6と反対側に配置させて、上記の第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間隔を狭くし、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間の磁気力を強くして、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達されるトルクを強くする。
【0026】
一方、この実施形態2のトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達させるトルクを弱くする場合には、図4に示すように、上記のスペーサ部材4bを従動側回転軸6と対向する側に配置させて、上記の第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間隔を広くし、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間の磁気力を弱めて、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達されるトルクを弱くする。
【0027】
また、この実施形態2のトルクリミッタにおいても、上記のスペーサ部材4bの厚みを変更させることにより、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達させるトルクを適切に調整できるようになる。
【0028】
(実施形態3)
実施形態3のトルクリミッタにおいては、図5に示すように、回転装置1を取付部材2によって支持部材3に取り付け、この回転装置1から延出されて回転駆動される駆動側回転軸4の先端部に、永久磁石で構成された第1磁性体4aを軸方向に移動できるように設けると共に、この第1磁性体4aにバネ部材4eを取り付けて第1磁性体4aを適当な位置に維持させ、この状態で、第1磁性体4aを取付ネジ4fにより駆動側回転軸4に固定させるようにしている。
【0029】
一方、ローラ5から回転装置1に向けて延出された従動側回転軸6においては、上記の実施形態1,2の場合と同様に、従動側回転軸6の先端に上記の第1磁性体4aと逆極性の永久磁石で構成された第2磁性体6aを設け、この第2磁性体6aと上記の第1磁性体4aとを所定間隔を介して対向させるようにしている。
【0030】
そして、この実施形態3のトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達させるトルクを変更させるにあたっては、第1磁性体4aに取り付けるバネ部材4eを変更させると共に、上記の取付ネジ4fによって第1磁性体4aを駆動側回転軸4に固定させる位置を変更させて、上記の第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間隔を調整し、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間における磁気力を適切に調整して、駆動側回転軸4から従動側回転軸6に伝達されるトルクを適切に設定することができるようになる。
【0031】
なお、この実施形態3のトルクリミッタにおいては、第1磁性体4aにバネ部材4eを取り付けるようにしたが、このバネ部材4eをなくし、第1磁性体4aを駆動側回転軸4に固定させる位置を、上記の取付ネジ4fだけで変更させることも可能である。
【0032】
また、上記の実施形態2及び実施形態3のトルクリミッタにおいては、回転装置1から延出されて回転駆動される駆動側回転軸4の先端部に設ける第1磁性体4aを軸方向に移動させて、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間隔を調整するようにしているが、上記の実施形態2及び実施形態3の場合とは逆に、ローラ5から回転装置1に向けて延出された従動側回転軸6先端部に設ける第2磁性体6aを軸方向に移動させて、第1磁性体4aと第2磁性体6aとの間隔を調整させるようにすることも可能である。
【0033】
さらに、上記の実施形態1〜実施形態3の各トルクリミッタにおいては、回転装置1から延出させるようにして駆動側回転軸4を設け、この駆動側回転軸4を回転装置1によって直接回転させるようにしたが、上記の回転装置1と駆動側回転軸4との間にギア機構等の回転伝達機構(図示せず)を設け、この回転伝達機構を介して駆動側回転軸4を回転させるようにすることも可能である。
【0034】
次に、上記のようなトルクリミッタを用いる画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0035】
この画像形成装置においては、図6に示すように、感光体11と、この感光体11を帯電させる帯電装置12と、転写後における感光体11の表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置13とを備えた感光体ユニット10と、上記の感光体11に現像剤を搬送させる現像ローラ21を備えた現像ユニット20とをそれぞれ4つ設け、各現像ユニット20には、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを含む現像剤を収容させるようにしている。
【0036】
ここで、この画像形成装置において、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各感光体ユニット10における感光体11を回転させて、各感光体11の表面をそれぞれ帯電装置12により帯電させ、このように帯電された各感光体11に対して、それぞれ潜像形成装置31により画像データに従った露光を行って、各感光体11の表面にそれぞれ静電潜像を形成する。
【0037】
そして、このように静電潜像が形成された各感光体11に対して、対応した各現像ユニット20に設けられた現像ローラ21によりそれぞれの色彩のトナーを含む現像剤を搬送し、各感光体11の表面に静電潜像に対応したそれぞれの色彩のトナー像を形成する。
【0038】
次いで、上記の各感光体11に形成されたそれぞれの色彩のトナー像を、駆動ローラ32aと従動ローラ32bに架け渡されて駆動される無端ベルト状になった中間転写体33に順々に一次転写させて、この中間転写体33の上にフルカラーのトナー像を形成する一方、トナー像を転写させた後の各感光体11の表面に残留しているトナー等の残留物を、各感光体ユニット10に設けられた上記のクリーニング装置13により各感光体11の表面から除去させるようにしている。
【0039】
そして、上記のように中間転写体33の上に形成されたフルカラーのトナー像を、ローラ状になった二次転写装置34と対向する位置に導くと共に、給紙ローラ35によって給紙したシート状の記録媒体Sを中間転写体33と二次転写装置34との間に導き、上記の二次転写装置34により中間転写体33の上に形成されたフルカラーのトナー像を記録媒体Sに二次転写させ、転写後の中間転写体33の表面に残留しているトナー等の残留物をクリーニング装置36により中間転写体33の表面から除去させるようにしている。
【0040】
また、上記のようにフルカラーのトナー像が転写された記録媒体Sを一対の定着ローラ37間に導いて、転写されたフルカラーのトナー像を記録媒体Sに加熱定着させた後、フルカラーのトナー像が定着された記録媒体Sを排紙させるようにしている。
【0041】
そして、このような画像形成装置において、上記のトルクリミッタを使用するにあたっては、過剰のトルクが加わらないようにして回転させることか必要な回転部材、例えば、上記の給紙ローラ35や、定着ローラ37や、中間転写体33を回転駆動させる駆動ローラ32aや、感光体11等を回転させる場合に用いることができる。
【0042】
また、上記のようにトルクリミッタによって伝達させるトルクを変更させることにより、これらの各回転部材に対応した適切なトルクの範囲で、これらの回転部材を適切に回転させることが可能になり、またトナー像を記録媒体Sに加熱定着させる定着ローラ37に用いた場合にも、この定着ローラ37における熱が上記の駆動側回転軸4や回転装置1に伝わるのが防止されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態1に係るトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸に設けた第1磁性体と従動側回転軸に設けた第2磁性体との間隔を狭くして、駆動側回転軸から従動側回転軸に伝達されるトルクを強くする状態を示した概略説明図である。
【図2】上記の実施形態1に係るトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸に設けた第1磁性体と従動側回転軸に設けた第2磁性体との間隔を広くして、駆動側回転軸から従動側回転軸に伝達されるトルクを弱くする状態を示した概略説明図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸に設けた第1磁性体と従動側回転軸に設けた第2磁性体との間隔を狭くして、駆動側回転軸から従動側回転軸に伝達されるトルクを強くする状態を示した概略説明図である。
【図4】上記の実施形態2に係るトルクリミッタにおいて、駆動側回転軸に設けた第1磁性体と従動側回転軸に設けた第2磁性体との間隔を広くして、駆動側回転軸から従動側回転軸に伝達されるトルクを弱くする状態を示した概略説明図である。
【図5】本発明の実施形態3に係るトルクリミッタを示した概略説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係るトルクリミッタを使用する画像形成装置の一例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 回転装置
2 取付部材
3 支持部材
4 駆動側回転軸
4a 第1磁性体
4b スペーサ部材
4c,4d 位置決め部材
4e バネ部材
4f 取付ネジ
5 ローラ
6 従動側回転軸
7 軸受
8 スペーサ部材
10 感光体ユニット
11 感光体
12 帯電装置
13 クリーニング装置
20 現像ユニット
21 現像ローラ
31 潜像形成装置
32a 駆動ローラ
32b 従動ローラ
33 中間転写体
34 二次転写装置
35 給紙ローラ
36 クリーニング装置
37 定着ローラ
S 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動側回転軸の一端部に設けられた第1磁性体と従動側回転軸の一端部に設けられた第2磁性体とが軸方向に間隔を介して対向するように設けられると共に、上記の第1磁性体と第2磁性体との少なくとも一方が磁石で構成され、第1磁性体と第2磁性体との間の磁気力により駆動側回転軸の回転を従動側回転軸に対して一定範囲のトルクで伝達させるトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整する間隔調整手段を設けたことを特徴とするトルクリミッタ。
【請求項2】
請求項1に記載のトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸を軸方向に移動させて、駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整することを特徴とするトルクリミッタ。
【請求項3】
請求項1に記載のトルクリミッタにおいて、上記の駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と上記の従動側回転軸に設けられた第2磁性体との少なくとも一方を、これらの軸方向にスライドさせて、駆動側回転軸に設けられた第1磁性体と従動側回転軸に設けられた第2磁性体との間隔を調整することを特徴とするトルクリミッタ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のトルクリミッタを用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−287756(P2009−287756A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144034(P2008−144034)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)