説明

トルクリミッタ

【課題】 コンパクトでかつ所定の範囲のトルクを容易に得ることができるトルクリミッタを提供する。
【解決手段】 磁石22、25とヒステリシス材13とを円周方向に所定の間隔を保った状態で相対的に回転させることによって発生するヒステリシスを利用したトルクリミッ10は、永久磁石22とヒステリシス材である半硬質磁石13との対向面積が固定された第1部分と、第1部分に隣接して設けられ、永久磁石25と半硬質磁石13との対向面積が変化する第2部分とを有する。永久磁石25の位置を調整ネジ30を操作することによって調整し、所望のトルクを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トルクを変えることのできるトルクリミッタに関し、特に、所定のトルクを容易に得ることができる、トルクリミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、コピー機等に用いられる給紙装置の重送防止機構を示す。図9において摩擦ローラ101は給送ローラ102に所定圧で押し付けられている。この摩擦ローラ101には、トルクリミッタ103を介して用紙104を戻す方向のトルクTが与えられている。トルクリミッタ103は、駆動側すなわちシャフト105から従動側すなわち摩擦ローラ101へ、所定のトルク値Taの範囲内で回転を伝達するが、所定のトルク値Taを越えるトルクが発生した場合には回転の伝達を遮断する機能を有している。所定のトルク値Taは、用紙どうしの摩擦力よりは大きく、給送ローラ102の回転力よりは小さい値に設定されている。従って、給送ローラ102と摩擦ローラ101との間に2枚以上の用紙104が案内されたときには、2枚目以降の用紙は1枚目と分離されて用紙104の進行方向とは逆の方向に戻される(A)。しかし、給送ローラ102と摩擦ローラ101とが直接接しているか、1枚の用紙104のみを挟んで接しているときには、摩擦ローラ101の回転は、トルクリミッタ103の機能によってシャフト105の回転と遮断され、摩擦ローラ101は給送ローラ102と一緒に連れ回りする(B)。このようにして、給紙装置からは用紙104が一枚ずつ送り出される。給紙装置から用紙104を1枚ずつ確実に送り出す為には、トルクリミッタ103には、伝達トルクの最大値Taが安定していることが要求されている。
【0003】
トルクリミッタは、使用箇所に応じて所望のトルクが異なる。したがって、作動トルクの異なるトルク可変式のトルクリミッタが望まれてきた。
【0004】
そのような、トルク可変式のトルクリミッタがたとえば、特開平5-248453号公報(特許文献1)や、特開平11-218152号公報(特許文献2)や、特開平11-311261号公報(特許文献3)に記載されている。
【0005】
特許文献1や特許文献2においては、円筒の内周面に設けられた磁性部材と軸に設けられた円周状の永久磁石とが対向し、その対向面積がネジを回転することによって変化される。
【0006】
特許文献3においては、円筒の内周面に設けられたヒス材と軸に設けられた円周状の磁石とが対向し、ヒス材を治具で押すことによって、その対向面積を変化させている。
【特許文献1】特開平5-248453号公報(図1および段落番号0008)
【特許文献2】特開平11-218152号公報(図1および段落番号0009)
【特許文献3】特開平11-311261号公報(図1および段落番号0011)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トルク可変式のトルクリミッタは、上記のように構成されていた。特許文献1や2においては、トルクを変えることはできるものの、そのときには、トルクリミッタの軸方向の全長が変化し、限られた空間内には取付けられないという問題があった。
【0008】
特許文献3においては、その軸方向の全長は変わらないものの、治具を用いてヒス材を押すことによって、磁石とヒス材との対向面積を変えていたため、所望のトルクの設定が困難であるため、所定のトルクを容易に得ることはできなかった。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、コンパクトでかつ所定の範囲のトルクを容易に得ることができるトルクリミッタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る、磁石とヒステリシス材とを径方向に所定の間隔を保った状態で相対的に回転させることによって発生するヒステリシスを利用したトルクリミッタは、磁石とヒステリシス材との対向面積を固定した第1部分と、第1部分に隣接して設けられ、磁石とヒステリシス材との対向面積を調整可能とした第2部分とを有する。
【0011】
好ましくは、第2部分は、磁石とヒステリシス材との対向する面積の割合が0%から100%まで変化するよう磁石をヒステリシス材に相対的に移動させる移動手段を含む。
【0012】
さらに好ましくは、移動手段は、ネジである。
【0013】
さらに好ましくは、第1部分および第2部分は軸方向において所定の位置に設けられた両端部と、前記両端部に接続された円周面を有するハウジング内に収納される。
【0014】
ヒステリシス材と磁石とは、いずれか一方をハウジングの円周内面に設け、他方を軸に固定された固定座および軸方向に移動可能な円筒状筒体の外周面に設ける。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、磁石とヒステリシス材との対向面積を固定した第1部分と、対向面積を連続的に調整可能とした第2部分とが隣接して設けられるため、固定された部分では一定のトルクが発生し、それに隣接した部分では、可変トルクが得られる。
【0016】
その結果、所定の範囲のトルクを容易に得ることができるトルクリミッタを提供できる。
【0017】
好ましくは、第1部分および第2部分は軸方向において所定の位置に設けられた両端部と、両端部に接続された円周面を有するハウジング内に収納される。
【0018】
所定の寸法のハウジング内にトルク発生部が収容されるため、コンパクトなトルクリミッタを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(1)第1実施の形態
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の第1実施の形態に係る、トルク可変式のトルクリミッタの全体構成を示す断面図である。ここでは、トルクリミッタが図9の給紙装置の重送防止機構として使用される場合を例にあげて説明する。また、図1は、最低トルクを発生する状態に対応している。
【0020】
図1を参照して、トルクリミッタ10は、一端が密閉され、他方端が開放された、円筒状外周部12と、円筒状外周部12の開放端部を覆うキャップ45とを有する第1回転体11と、第1回転体11内に収容され、駆動軸41に一体化され、駆動軸41とともに回転する第2回転体21とを含む。
【0021】
円筒状外周部12の内周面のキャップ45側の端部には、円筒状の半硬質磁石(ヒステリシス材)13が固着されている。
【0022】
第2回転体21は、駆動軸41に一体化され、半硬質磁石13に対向するように設けられた円筒状の永久磁石22と、永久磁石22と同一面上の両端面を有し、永久磁石22を保持するための円柱状の固定座23とを含む。固定座23は、軸方向に沿った円筒状のガイド部24を有している。
【0023】
第2回転体21はさらに、ガイド部24に沿って、永久磁石22に近接/離隔可能に設けられた、永久磁石25と、永久磁石25と同一面上の両端面を有し、永久磁石25を保持するための、円筒状筒体26とを含む。
【0024】
永久磁石25の永久磁石22側への移動は、後に説明する調整ネジで行う。永久磁石22および永久磁石25の外周面には多極着磁が行なわれている。
【0025】
また、第2回転体21は、ガイド部24の一部に設けられた切欠き部において、ネジ(またはビス)29を駆動軸41に押し付けることによって、駆動軸41と一体化している。
【0026】
固定座23と円筒状筒体26は、それぞれ、穴27と、ネジ穴28とを有し、調整ネジ30は、穴27を貫通し、ネジ穴28に係合する。調整ネジ30のキャップ45側に設けられた頂部には、溝33が設けられ、溝33を介して調整ネジ30を回転することにより、ネジ部31が回転し、永久磁石25を永久磁石22側へ移動できる。
【0027】
なお、キャップ45の調整ネジ30に対応する位置には、調整ネジ30を回転させて、トルクを調整する治具を通過させるための、トルク調整用穴35が設けられている。
【0028】
図1に示すように、半硬質磁石13と永久磁石22とは、キャップ45側の端面の位置が一致している。キャップ45の軸受部と第1回転体11の軸受部は円筒状のガイド部24の両端で支持され、回転摺動する。この摺動面には、予め固体潤滑剤の塗膜を形成している。
【0029】
なお、固体潤滑剤の塗膜を形成する代りに、摺動剤を混入させた樹脂スリーブ成形品を圧入固定してもよい。
【0030】
なお、キャップ45は、透明な材料で構成してもよい。そうすれば、トルクリミッタ10の内部の動きを見ることができる。また、調整ネジ30による永久磁石25の位置調整が容易になる。
【0031】
図1を参照して、半硬質磁石13は、幅T1、永久磁石22は、幅T2、永久磁石25は幅T3の寸法を有し、T1=T2+T3となっている。
【0032】
図2は、調整ネジ30を回転させて、永久磁石22と、永久磁石25とを接触させた状態を示す図であり、最大のヒステリシストルクが得られる状態を示す。
【0033】
図1および図2を参照して、半硬質磁石13と、永久磁石21とは、常に幅T1で対向しているとともに、半硬質磁石13と、永久磁石25とは、その対向する寸法を、調整ネジ30を回転することによって、0からT3迄変化させることができる。
【0034】
ここで、半硬質磁石13と、永久磁石21とが幅T1で対向している部分を第1部分といい、半硬質磁石13と、永久磁石25とが、その対向する寸法を調整することによって、0からT3迄変化させることができる部分を第2部分という。
【0035】
すなわち、トルク値を上げる場合は、キャップ45のトルク調整用穴35からドライバーで調整ネジ30を操作し、永久磁石25を永久磁石22側に寄せる。永久磁石22と永久磁石25とが接する程、永久磁石22,25と半硬質磁石13との対向面積が大きくなり、両永久磁石22、25が接触すると最大トルク値が得られる。
【0036】
一方、トルク値を下げる場合はキャップ45のトルク調整用穴35からドライバーで調整ネジ30を操作し、永久磁石25を永久磁石22から離せば半硬質磁石13と永久磁石25との対向面積が減少し低いトルク値が得られる。
【0037】
したがって、ヒステリシストルクとして、幅T2で規定される面積に対応するトルクから、幅T2+T3で規定される面積に対応するトルクまで変化させることができる。
【0038】
また、トルクを変化させても、キャップ45の端面から、第1回転体のキャップ45に対向する側の端面は、一定の寸法に保たれているため、トルクリミッタ全体としてコンパクトになり、取り付け箇所を考慮する必要がなくなる。
【0039】
すなわち、この実施の形態における、発生トルク値は、半硬質磁石13に対抗する永久磁石22と永久磁石25の合計面積、材質による磁気特性と着磁電圧及び設定ギャップにより決定され、トルク可変量は、永久磁石22と永久磁石25の面積比率と軸方向の距離で決定される。一例として、図1および図2に示した状態で、トルクを、100gfcmから300gfcmまで変化させる等、自由自在に調節ができる。
【0040】
次に各構成要素の材質について説明する。キャップ45を含む第1回転体11は、摺動部を構成する合成樹脂材料は、熱可塑性・結晶性樹脂として結晶化度が38%以上の熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。必要に応じてチタン酸カリウムウイスカーやリン片状ヘキサアルミネート・カーボン繊維・繊維状ケイ酸カルシウム・グラファイト等の充填材を5〜30Wt%混入してもよい。
【0041】
具体的にはポリフエニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリアセタール樹脂(POM)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリカーボネート樹脂(PC)等が好ましい。
【0042】
第1回転体11の内周面に設けられる半硬質磁石13としては、ヒステリシス材(Fe−Cr−Co系磁性材料)を使用する。半硬質磁石13はシームレスパイプ状又はカール状であってもよい。
【0043】
第2回転体21の固定座23としては、高速・高トルクで高荷重と発熱を伴う場合はアルミニウム合金、ステンレス合金、銅合金等の熱伝導率の小さい金属が適している。低速・低トルクで発熱が伴わない場合はポリアセタール樹脂・ポリオレフイン樹脂・ポリプチレンテレフタレート樹脂・ポリフェニレンサルファイド樹脂・全芳香族系ポリエステル液晶ポリマー・ポリカーボネート樹脂、等の摺動剤や充填剤入りを使用してもよい。第2回転体21の、第1回転体11との摺動部は、上記したように、自己潤滑性に優れた固体潤滑剤をバインダーに分散させ電着塗装またはスプレー塗装にて8μm〜25μmの塗膜を形成する。
【0044】
固体潤滑剤はフッ素樹脂単独或いは二硫化モリブデンとグラファイトを混合したもの,フッ素樹脂と二硫化モリブデンを混合したもの、フッ素樹脂と二硫化モリブデンとグラファイトを混合したもの、二硫化タングステン(WS2)、フツ化黒鉛、等が摺動特性に信頼性がある。
【0045】
固体潤滑剤の塗膜形成をより安価にする為に、摺動剤を混入させた樹脂スリーブ成形品を第2回転体21の摺動部分に圧入固着させる方法も有効である。
【0046】
永久磁石22,25としてはNd−Fe−B系ボンド磁石・フェライト系ボンド磁石・Sm−Fe−N系・Sm−Co系・金属磁石(Al−Ni−Co系・Fe−Cr−Co系)等を用いても良い。
【0047】
次に、この実施の形態の変形例について説明する。
【0048】
図3および図4は、第1実施の形態の変形例を示す図である。図3は先の実施の形態の、図1に対応し、図4は図2に対応する。
【0049】
この変形例においては、トルクリミッタ10aの半硬質磁石13aの幅寸法T1は、先の実施の形態と同じであるが、永久磁石22aの幅方向寸法T4と、永久磁石25aの幅方向寸法T5とは、それぞれ、T1=T4+T5で、且つ、T4<T2、T5>T3となるように選ばれている。
【0050】
永久磁石22aの幅方向寸法をこのように設定することによって、常時発生するトルクを抑え、変化されるトルクの量を大きくすることができる。
【0051】
上記以外の部分については、先の実施の形態と同じであるため、その説明は省略する。
(2)第2実施の形態
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。
【0052】
図5および図6は、第2実施の形態にかかるトルクリミッタ50の全体構成を示す断面図である。図5は、第1実施の形態の図1に対応し、図6は図2に対応する。
【0053】
この実施の形態においては、第2回転体61の固定座63のキャップ55側の端面が、トルクリミッタ50の外部端面、すなわち、キャップ55の端面位置まで延びており、それによって、調整ネジ60のドライバによる調整が外部から可能になっている。また、これに伴って、第1回転体51のキャップ55の内径寸法が大きくなっている。それ以外の点については、先の実施の形態と同じであるので、その説明は省略する。
【0054】
この実施の形態においては、調整ネジ65の調整を外部から出来るようにしたため、トルクの設定がより容易になる。
【0055】
次に、第2実施の形態の変形例について説明する。
【0056】
図7および図8は、第2実施の形態の変形例を示す図である。図7は、先の実施の形態の図5に対応し、図8は図6に対応する。
【0057】
この変形例においては、第1実施の形態の変形例と同様に、半硬質磁石13の幅寸法T1は、同一でありながら、永久磁石22aの幅方向寸法T4と、永久磁石25aの幅方向寸法T5とは、それぞれ、T1=T4+T5で、且つ、T4<T2、T5>T3となるように選ばれている。
【0058】
永久磁石の幅方向寸法をこのように設定することによって、常時発生するトルクを抑え、変化されるトルクの量を大きくすることができる。
【0059】
上記以外の部分については、上記した実施の形態と同じであるため、その説明は省略する。
【0060】
以上説明したように、この実施の形態にかかるトルクリミッタは、永久磁石25を駆動軸41方向にスライド移動させ、永久磁石25と半硬質磁石13の対向面積を変えることで、ヒステリシストルクを容易に調整することが出来る。更に、永久磁石22とトルク調整用の移動可能な永久磁石25のそれぞれの磁気特性や材質・外径寸法・長さ寸法を組み合わせる事により広範囲なトルク調整が可能になり、通紙用紙の種類や給紙装置の設計仕様、或いは使用する部位別に応じた各種トルクリミッタの準備が不要となる。
【0061】
また、トルクリミッタは、全長寸法が変化しないため、トルクリミッタの着脱部位に全長寸法の変動を吸収する機構が不要となり互換性も高まる。
【0062】
上記実施の形態においては、半硬質磁石の全幅寸法と、固定側永久磁石と移動側永久磁石との幅寸法の和を一致させたが、これに限らず、ずらしてもよい。
【0063】
上記実施の形態においては、移動側永久磁石を単一の永久磁石で構成したが、これに限らず、複数の永久磁石で構成してもよい。
【0064】
上記実施の形態においては、半硬質磁石を第1回転体の内面に設け、永久磁石を2分割して、半硬質磁石に対向して設けた場合について説明したが、これに限らず、半硬質磁石と永久磁石とをそれぞれ、逆に設けてもよい。
【0065】
上記実施の形態においては、キャップを透明にしてもよいと記載したが、これに限らず、全体を透明、または半透明にしてもよい。
【0066】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明によれば、磁石とヒステリシス材との対向面積が固定された部分と、対向面積が連続して変化する部分とが隣接して設けられるため、固定された部分では一定のトルクが発生し、それに隣接した部分では、可変トルクが得られる。その結果、所定の範囲のトルクを容易に得ることができるトルクリミッタとして有利に利用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るトルクリミッタの全体構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るトルクリミッタにおいてヒステリシストルクが最大の状態を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態の変形例に係る、トルクリミッタの全体構成を示す断面図である。
【図4】第1の実施の形態の変形例に係る、トルクリミッタにおいてヒステリシストルクが最大の状態を示す断面図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態に係るトルクリミッタの全体構成を示す断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るトルクリミッタにおいてヒステリシストルクが最大の状態を示す断面図である。
【図7】第2の実施の形態の変形例に係る、トルクリミッタの全体構成を示す断面図である。
【図8】第2の実施の形態の変形例に係る、トルクリミッタにおいてヒステリシストルクが最大の状態を示す断面図である。
【図9】トルクリミッタの具体的な使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
10 トルクリミッタ、11 第1回転体、12 円筒状外周部、13 半硬質磁石、21 第2回転体、22 永久磁石、23 固定座、24 ガイド部、25 永久磁石、26 円筒状筒体、27 穴、28 ネジ穴、30 調整ネジ、31 ネジ部、33 溝、35 トルク調整用穴、41駆動軸、45 キャップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石とヒステリシス材とを径方向に所定の間隔を保った状態で相対的に回転させることによって発生するヒステリシスを利用したトルクリミッタであって、
前記磁石とヒステリシス材との対向面積を固定した第1部分と、
前記第1部分に隣接して設けられ、前記磁石とヒステリシス材との対向面積を調整可能とした第2部分とを有する、トルクリミッタ。
【請求項2】
前記第2部分は、前記磁石と前記ヒステリシス材との対向する面積の割合が0%から100%まで変化するよう前記磁石を前記ヒステリシス材に相対的に移動させる移動手段を含む、請求項1に記載のトルクリミッタ。
【請求項3】
前記移動手段は、ネジである、請求項2に記載のトルクリミッタ。
【請求項4】
前記第1部分および第2部分は軸方向において所定の位置に設けられた両端部と、前記両端部に接続された円周面を有するハウジング内に収納される、請求項1から3のいずれかに記載のトルクリミッタ。
【請求項5】
前記ヒステリシス材は、前記ハウジングの円周内面に延在し、前記第1部分の磁石は、前記軸に固定された固定座の外周面に設けられ、前記第2部分の磁石は、前記軸方向に移動可能な円筒状筒体の外周面に設けられた、請求項4に記載のトルクリミッタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−17141(P2006−17141A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192615(P2004−192615)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000114710)ヤマウチ株式会社 (82)