説明

トレーサ含有組成物

【課題】正規メーカーまたは前供給源の管理を離れた後に、冷媒組成物が希釈又は変質されたのかを、明確に識別できるようにした組成物の提供。
【解決手段】トレーサ含有組成物であって、(i)不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒から選択されるフルオロカーボン冷媒を含む冷却/加熱流体と、(ii)少なくとも一のトレーサ化合物であって、前記トレーサ化合物は分析可能であり、ハイドロフルオロカーボン、重水素化ハイドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒドおよびケトン、亜酸化窒素、ならびにそれらの組合せからなる群から選択され、ただし、前記冷却/加熱流体はトレーサ化合物とは異なることを特徴とするトレーサ含有組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮冷却および空調に関する。具体的には、本発明は、冷媒およびトレーサ化合物を含む組成物に関する。さらに、本発明は、正規メーカーの管理下を離れた後の冷媒ガスの識別、および、冷媒の信頼性の検証に関する。上述の方法では、トレーサ化合物の検出が行われ、さらに、希釈、改質、または汚染の発生、あるいは冷却製品に承認されていない他の改変がなされたことについての警報を冷却企業に出す。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2004年2月26日に出願された米国仮特許出願第60/548,085号明細書の優先権の利益を主張するものである。これは本明細書に参照として組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
環境問題により、冷却業界は、冷媒の責任ある使用に関して高いレベルで意識をもつようになった。冷媒を製造、販売、および使用するあらゆる人々、または冷却装置および空調装置を運用するあらゆる人々が、達成可能な最も高いレベルのエネルギー効率で装置が作動しつづけるようにする適用可能なすべての手段を使った場合、社会全体と同様に、冷却業界にとっても恩恵がもたらされる。これにより、装置によって消費されるエネルギー量が低減される。冷媒の漏出と同様、必要以上のエネルギーの消費は、我々の大気の不必要な汚染、および現存する資源の不必要な浪費の一因となる可能性がある。この不必要な浪費は、漏出した冷媒を交換するというコストを消費者にもたらす。
【0004】
環境問題に応じて、冷媒の製造業者は、適切に設計された装置で使用された場合に高いレベルのエネルギー効率を可能にする新しい冷媒製品を開発してきた。新世代HFC冷媒は、不注意に大気に漏出してしまった場合、古い世代の塩素化された冷媒よりも環境に与える影響が少ない。HFC冷媒はオゾン層破壊係数がゼロであり、HFC冷媒に取って代わられる冷媒よりも対流圏気候を変化させる可能性が低い。さらに、業界の慣行として、現在ほとんどのタイプの作動装置からの漏出をなくすことを義務付けており、そして、装置が非稼動であるか、または、点検作業の実施のために装置が開いているときに、冷媒ガスを回収する必要がある。
【0005】
新しい高効率冷媒および責任ある使用方針は環境に恩恵をもたらすが、その恩恵は可能な限りのものとは言えない。例えば、回収された冷媒ガスが適切に再生または再利用されていない場合がある。回収された冷媒は、適切に再生せず、および有害なまたはエネルギー効率を下げるような不純物を除去するために適切に洗浄せずに、装置の別の部分に再び設置されている可能性がある。この不純物は、取り扱い時に混入するか、あるいは、低性能なまたは損傷した装置が原因で混入し得る。このような冷媒が導入されている装置は最大効率で作動せず、必要以上のエネルギーを消費する。
【0006】
さらに、使用された冷媒は未使用の冷媒と混合可能であり、それは一般に非標準の冷媒ガス組成ということになる。同様に、使用された冷媒は、純度と品質の保証なしで、再度パッケージにして未使用の冷媒として販売することが可能である。このような慣例は、大気汚染の増加およびエネルギー使用の増加につながり、高価な冷却設備を損傷の危険にさらす。
【0007】
環境および装置への悪影響に加えて、冷媒の製造業者および販売業者の経済的損失にもなる。冷媒の製造業者は高品質の新しい冷媒製品の開発に莫大な投資をしている。冷媒の販売業者も同様に、パッケージ、保管、および販売時に、異物混入から冷媒を適切に保護するための設備に投資している。冷媒が希釈されるか、または回収された冷媒とブレンドされ未使用の冷媒として販売されていた場合、製造業者および販売業者は、彼らの投資分の利益を得ることはない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ミロス・ハドリッキー(Milos Hudlicky)編「有機弗素化合物の化学第2版(改訂版)(Chemistry of Organic Fluorine Compounds 2nd(revised edition))」、エリス・ハーウッド−プレンティス・ホール出版(Ellis Harwood−Prentice Hall Publishers)、1992年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の理由から、いつ冷媒組成物が希釈または変質されたのかを、測定可能な程度まで性能と品質特性に妥協することなく、何かしらの方法で明確に判断する能力が必要である。
【0010】
本発明は、未使用の冷媒製品に標識付けするための信頼性の高い方法を提供することによってこのような要求に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、トレーサ含有組成物に関し、前記組成物は冷却/加熱流体および少なくとも1つのトレーサ化合物を含み、前記トレーサ化合物は分析的に検出可能な状態で存在し、ハイドロフルオロカーボン、重水素化ハイドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ化化合物、アルコール、アルデヒドおよびケトン、亜酸化窒素、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。さらに、本発明は、少なくとも1種の前記トレーサ化合物が単一の所定の異性体として存在する前記のような組成物に関する。
【0012】
本発明は、さらに、本発明のトレーサ含有組成物の使用方法に関し、前記方法は、前記トレーサ化合物を前記冷却/加熱流体と組み合わせてトレーサを含有する冷媒組成物を生成する工程、ならびに、前記トレーサ含有冷媒組成物でトレーサ化合物の存在を検出する工程を含む。前記方法は、前記組成物の希釈、改質、または汚染の発生を検知する工程を含む。
【0013】
さらに、本発明は、冷却される物体の近傍で前記組成物を蒸発させ、その後前記組成物を凝縮させる工程を含む冷却を起こす方法において、トレーサ含有組成物を使用することに関する。また、本発明はさらに、加熱される物体の近傍で前記組成物を凝縮させ、その後前記組成物を蒸発させる工程を含む、熱を発生させるためにトレーサ含有冷媒組成物を使用する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
出願人らは特に、記載した全ての参考文献の全内容を組み入れる。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、ある範囲、好適な範囲、または好ましい上限値および好ましい下限値のリストのいずれかとして与えられた場合、そのような範囲が別々に開示されているかどうかに関わらず、これは、範囲上限または好適な値と範囲下限または好適な値との任意の組み合わせから形成される全ての範囲を特に開示していることが理解される。本明細書で数値の範囲が記載されている場合、特に明記しない限り、その範囲はその端点を含み、その範囲内のすべての整数および端数を含むことを意図している。ある範囲が定義された場合、記載された特定の値に本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0015】
本発明の冷却/加熱流体は、冷却産業で使用される任意の一般的な冷却/加熱流体でよい。そのような冷却/加熱流体は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ペルフルオロカーボン(PFC)、フルオロカーボンエーテル(HFE)、炭化水素、二酸化炭素(CO2)、アンモニア(NH3)、またはそれらの混合物であってよい。フッ素化された冷却/加熱流体、HFC、HCFC、HFE、およびPFCは、フルオロカーボン冷媒と称してよい。
【0016】
本発明のフルオロカーボン冷媒は、1〜8個の炭素原子を有し、少なくとも1つのフッ素原子を含み、任意選択的に塩素原子および酸素原子を含み、標準沸点が−90℃〜80℃である。これらのフルオロカーボンは、一般式Cw2w+2-x-yxClyzで表され、ここでwは1〜6、xは0〜9、yは0〜3、zは0〜2であり、さらにここで2w+2−x−yは正の整数である。
【0017】
好適なフルオロカーボンは、wが1〜6、xが1〜5、yが0〜1、およびzが0〜1のものである。本発明は、ハイドロフルオロカーボン冷媒およびハイドロクロロフルオロカーボン系冷媒で特に有用である。フルオロカーボン冷媒は、本願特許出願人などの数多くの供給源から市販されているか、または米国、32602、フロリダ州ゲインズビル私書箱1466番(P.O.Box1466,Gainesville,Florida,32602,USA)のPCR Inc.などの受託化学合成会社から市販されており、そしてさらに(非特許文献1)などの出版物に開示された合成プロセスにより入手可能である。代表的なフルオロカーボンには以下のものが含まれるが、これらに限定されない:CHClF2(HCFC−22)、CHF3(HFC−23)、CH22(HFC−32)、CH3F(HFC−41)、CF3CF3(FC−116)、CHClFCF3(HCFC−124)、CHF2CF3(HFC−125)、CH2ClCF3(HCFC−133a)、CHF2CHF2(HFC−134)、CH2FCF3(HFC−134a)、CClF2CH3(HCFC−142b)、CHF2CH2F(HFC−143)、CF3CH3(HFC−143a)、CHF2CH3(HFC−152a)、CHF2CF2CF3(HFC−227ca)、CF3CFHCF3(HFC−227ea)、CHF2CF2CHF2(HFC−236ca)、CH2FCF2CF3(HFC−236cb)、CHF2CHFCF3(HFC−236ea)、CF3CH2CF3(HFC−236fa)、CH2FCF2CHF2(HFC−245ca)、CH3CF2CF3(HFC−245cb)、CHF2CHFCHF2(HFC−245ea)、CH2FCHFCF3(HFC−245eb)、CHF2CH2CF3(HFC−245fa)、CH2FCF2CH2F(HFC−254ca)、CH3CF2CHF2(HFC−254cb)、CH2FCHFCHF2(HFC−254ea)、CH3CHFCF3(HFC−254eb)、CHF2CH2CHF2(HFC−254fa)、CH2FCH2CF3(HFC−254fb)、CH3CF2CH3(HFC−272ca)、CH3CHFCH2F(HFC−272ea)、CH2FCH2CH2F(HFC−272fa)、CH3CH2CF2H(HFC−272fb)、CH3CHFCH3(HFC−281ea)、CH3CH2CH2F(HFC−281fa)、CHF2CF2CF2CF2H(HFC−338pcc)、CF3CH2CF2CH3(HFC−365mfc)、CF3CF2CF2OCHFCF3(フレオン(Freon(登録商標))E1)、CF3CHFCHFCF2CF3(HFC−43−10mee)、C49OCH3、およびC49OC25
【0018】
さらに、本発明のフルオロカーボン冷媒は、一般式Cw2w-xxzで表され、ここでwは3〜8、xは0〜17、およびzは0〜2に等しく、さらにここで、2w−xは正の整数である。そのようなフルオロカーボン冷媒は、CF3(CF23CH=CH2(ペルフルオロブチルエチレン、PFBE)、CF3CF2C(O)CF(CF32(ペルフルオロエチルイソプロピルケトン、PEIK)、およびCF3C(O)CF(CF32(ペルフルオロメチルイソプロピルケトン、PMIK)などの不飽和化合物および他の官能化フルオロカーボンが挙げられる。
【0019】
より好適なフルオロカーボン冷媒は、CHClF2(HCFC−22)、CHF3(HFC−23)、CH22(HFC−32)、CHClFCF3(HCFC−124)、CHF2CF3(HFC−125)、CHF2CHF2(HFC−134)、CH2FCF3(HFC−134a)、CF3CH3(HFC−143a)、CHF2CH3(HFC−152a)、CHF2CF2CF3(HFC−227ca)、CF3CFHCF3(HFC−227ea)、CF3CH2CF3(HFC−236fa)、CHF2CH2CF3(HFC−245fa)、CHF2CF2CF2CF2H(HFC−338pcc)、CF3CHFCHFCF2CF3(HFC−43−10mee)、CF3(CF23CH=CH2(ペルフルオロブチルエチレン、PFBE)、CF3CF2C(O)CF(CF32(ペルフルオロエチルイソプロピルケトン、PEIK)、CF3C(O)CF(CF32(ペルフルオロメチルイソプロピルケトン、PMIK)などのハイドロフルオロカーボン系冷媒およびハイドロクロロフルオロカーボン系冷媒、ならびにHCFC−22/HFC−152a/HCFC−124(米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)商品名R−401A、R−401BおよびR−401Cによって知られている)、HFC−125/HFC−143a/HFC−134a(ASHRAE商品名R−404Aによって知られている)、HFC−32/HFC−125/HFC−134a(ASHRAE商品名R−407A、R−407BおよびR−407Cによって知られている)、HCFC−22/HFC−143a/HFC−125(ASHRAE商品名R−408Aによって知られている)、HCFC−22/HCFC−124/HCFC−142b(ASHRAE商品名R−409Aによって知られている)、HFC−32/HFC−125(R−410A)、およびHFC−125/HFC−143a(ASHRAE商品名R−507によって知られている)などの共沸および共沸様フルオロカーボン冷媒組成物である。
【0020】
本発明のフルオロカーボン冷媒は、任意選択的に10重量パーセント以下のジメチルエーテルまたは少なくとも1種のC3〜C5の炭化水素(例えば、プロパン、プロピレン、シクロプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、およびネオペンタン(2,2−ジメチルプロパン))をさらに含んでもよい。このようなC3〜C5の炭化水素を含むフルオロカーボンの例は、HCFC−22/HFC−125/プロパン(ASHRAE商品名R−402AおよびR−402Bによって知られている)、HCFC−22/オクタフルオロプロパン/プロパン(ASHRAE商品名R−403AおよびR−403Bによって知られている)、オクタフルオロプロパン/HFC−134a/イソブタン(ASHRAE商品名R−413Aによって知られている)、HCFC−22/HCFC−124/HCFC−142b/イソブタン(ASHRAE商品名R−414AおよびR−414Bによって知られている)、HFC−134a/HCFC−124/n−ブタン(ASHRAE商品名R−416Aによって知られている)、HFC−125/HFC−134a/n−ブタン(ASHRAE商品名R−417Aによって知られている)、HFC−125/HFC−134a/ジメチルエーテル(ASHRAE商品名R−419Aによって知られている)、およびHFC−125/HFC−134a/イソブタン(ASHRAE商品名R−422Aによって知られている)の共沸様組成物である。
【0021】
本発明のトレーサ化合物は、ハイドロフルオロカーボン、重水素化炭化水素もしくは重水素化ハイドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ化化合物、アルコール、アルデヒドおよびケトン、亜酸化窒素(N2O)、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。冷却/加熱流体として定義された化学化合物と、トレーサ化合物として定義された化学化合物との間に重複するものがあってもよいが、同一の組成物が所与の組成物の両要素として作用することはできない。好適なトレーサ化合物の候補を表1に列挙する。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
【表3】

【0025】
【表4】

【0026】
表1に列挙された化合物は(ワイオミング州、ミルウォーキー(Milwaukee,WI)のアルドリッチ(Aldrich)社などの薬品供給会社から)市販されているか、当該分野で既知のプロセスによって調製してもよい。
【0027】
本発明の組成物においては、単一のトレーサ化合物を、冷却/加熱流体と組み合わせで使用してよく、あるいは、複数のトレーサ化合物を、任意の比率で組み合わせてトレーサブレンドとして供してもよい。トレーサブレンドは、同じ種類の化合物類からの複数のトレーサ化合物または異なる種類の化合物類からの複数のトレーサ化合物を含んでよい。例えば、トレーサブレンドは、1つまたは複数のペルフルオロカーボンと組み合わせて、2つ以上の重水素化ハイドロフルオロカーボンまたは1つの重水素化ハイドロフルオロカーボンを含んでよい。
【0028】
さらに、表1のいくつかの化合物は、構造的または光学的に、複数の異性体として存在する。同じ化合物の単一の異性体または複数の異性体は、トレーサ化合物を調製する任意の比率で使用してよい。所与の化合物の単一または複数の異性体は、任意の比率で任意の数の他の化合物と組み合わせて、トレーサブレンドとして供してもよい。
【0029】
本発明のトレーサ含有冷却組成物は、所望の量の個々の成分を組み合わせる任意の好都合な方法によって調製してよい。好ましい方法では、所望の成分量を量り、その後適当な容器内で該当成分を組み合わせる。所望ならば、攪拌を使用してよい。
【0030】
「分析的に検出可能」とは、トレーサまたはトレーサブレンドを、トレーサを冷却/加熱流体から識別することが可能、または存在するトレーサの量を測定することが可能である分析的方法によって検出することを意味する。トレーサ含有組成物の稀釈が起こった場合、トレーサ化合物は、最初に冷却/加熱流体に加えられた量より少ない量で存在する。少ない量の分析的な検出は、冷却産業の助けとなる。このような検出により、稀釈、改質、または汚染の発生を企業に警報を出すことが可能となる。さらに、製造業者、販売業者、および購入者は、検出されたトレーサの量のいずれも、供給元によって冷却/加熱流体と意図的に混合された量と比較することにより、冷却組成物の供給元(つまり、供給業者)を確認または認証することが可能になる。
【0031】
ガスクロマトグラフィー(GC)は、冷却/加熱流体中のトレーサまたはトレーサブレンドを検出および定量するのに使用できる分析方法の1つである。トレーサ化合物の検出および定量が可能であるいかなるGC検出器を使用してもよい。そのような検出器としては、これらに限定されるものではないが、フレームイオン化検出器(FID)、熱伝導度型検出器(TCD)、電子捕獲型検出器(ECD)、光イオン化検出器(PID)、赤外線検出器(IRD)、および質量分析計検出器(ガスクロマトグラフを兼備する場合、通常、GC−MSと称される)が挙げられる。検出前にガスクロマトグラフ分離を必要としない他の分析的方法を使用してもよい。そのような追加の分析方法には、核磁気共鳴(NMR)または赤外線(IR)分光測定が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
ガスクロマトグラフィーを使用して本発明の混合物を分析する場合、冷却/加熱流体の存在下でのトレーサの識別および定量が可能である条件を使用してよい。分析に使用するGCカラムは、トレーサ化合物、またはトレーサブレンドの成分を冷却/加熱流体から分離することが可能になるように選択しなければならない。充填GCカラムおよびキャピラリーGCカラムの両方を使用してよい。好適なGCカラムは、フルオロカーボン化合物の相互の分離、および本発明のトレーサ化合物の候補の種類の分離を行うとして知られているものである。
【0033】
本発明で有用である充填GCカラムは、長さが約1メートルから約12メートルである。一般に、充填GCカラムはステンレス・スチールで構成される。本発明で有用であり得る市販の充填GCカラムとしてはこれらに限定されず、ポラパック(Porapack(登録商標))Qまたはポラパック(Porapack(登録商標))Tなどの多孔性ポリマー固定相、カーボパック(Carbopack(登録商標))BサポートのSP(登録商標)−1000またはスペルコポート(Supelcoport(登録商標))サポートのSP(登録商標)−2100(メチルシリコーン)、ペルフルオロ化ポリマー固定相、カーボパック(Carbopack(登録商標))Bサポートのフレオロコル(Fluorcol(登録商標))などのシリコーンポリマー固定相、およびカーボパック(Carbopack(登録商標))Cサポートのカーボワックス(Carbowax(登録商標))などのポリエチレングリコール固定相が挙げられる。ポリマー被膜サポートが充填された充填GCカラムの場合、ポリマー担持量は約0.1%〜約10%の範囲内である。ここで列挙した充填GCカラムは、スペルコ(Supelco)(ペンシルベニア州、ベルフォンテ(Bellefonte,PA))から市販されている。
【0034】
本発明に有用であると見られるキャピラリーGCカラムは市販ものである。キャピラリーカラムは、長さが約10メートル〜約105メートルの間で変動してよいが、2つ以上のカラムを連結する場合、さらに長いものでもよい(例えば、60メートルのキャピラリーGCカラムを2つ接合して120メートルにする)。本発明に有用であるキャピラリーGCカラムは、一般に融解石英管材料で構成され、内径(ID)が約0.1ミリメートル〜約0.53ミリメートルの間で変動する。キャピラリーGCカラム用固定相は、カラムの内表面にコーティングされ、厚さが約0.1マイクロメートル〜約5マイクロメートルの間で変動する。本発明に有用な固定相としては、これらに限定されないが、市販のポリマー相である、ペンシルベニア州ベルフォンテのレステック社(Restek Corporation,Bellefonte,PA)製の、RTx(登録商標)−1(クロスボンド(Crossbond(登録商標))ジメチルポリシロキサン100%)、RTx(登録商標)−200(クロスボンド(Crossbond(登録商標))トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン)、RTx(登録商標)−1301(クロスボンド(Crossbond(登録商標))シアノプロピルフェニル6%/ジメチルポリシロキサン94%)、RTx(登録商標)−1701(クロスボンド(Crossbond(登録商標))シアノプロピルフェニル14%/ジメチルポリシロキサン86%)が挙げられる。多孔質層開管(PLOT)キャピラリーカラムも本発明に有用である。そのようなPLOTキャピラリーGCカラムとして、バリアン・クロムパック(Varian Chrompack)(オランダ、ミデルブルグ(Middelburg,Netherlands))のCP−PoraPLOT(登録商標)Q(スチレンジビニルベンゼン100%)カラムがあるが、これに限定されない。
【0035】
GC分析の温度および圧力条件は、冷却/加熱流体および組成物内で使用されるトレーサに応じて異なる。必要な場合、低沸点成分(冷却/加熱流体またはトレーサ化合物のどちらか)の分離を提供するために、極低温(周囲温度以下であり、液体窒素、ドライアイス、または液体炭酸が必要)を使用してよい。
【0036】
トレーサ化合物またはブレンドは、どの分析方法を選んでも検出可能である濃度で存在してよい。さらに、トレーサ濃度は、トレーサまたはトレーサブレンドが冷却/加熱流体の性能に干渉しない量であるように選択されなければならない。トレーサ化合物またはブレンドは、約50重量ppm〜約1000ppmの合計濃度で存在し得る。好ましくは、トレーサ化合物またはトレーサブレンドは約50ppm〜約500ppmの合計濃度で存在し、最も好ましくは、トレーサ化合物またはトレーサブレンドは約100ppm〜約300ppmの合計濃度で存在する。
【0037】
本発明は、さらに、本発明のトレーサ含有組成物の使用方法に関し、前記方法は、前記トレーサ化合物を前記冷却/加熱流体と組み合わせてトレーサ含有冷媒組成物を生成する工程、および、前記トレーサ含有冷媒組成物において前記トレーサ化合物の存在を検出する工程を含む。本方法は、(i)稀釈、改質、または汚染の発生の判断、あるいは(ii)上記組成物の冷媒組成物の源の確認を行うのに有用である。
【0038】
本発明は、さらに本発明のトレーサ含有冷媒組成物の使用方法に関し、前記方法は、(i)冷却される物体の近傍で、トレーサ含有冷媒組成物を蒸発させることによって冷却を起こし、その後前記組成物を凝縮させる工程、または(ii)加熱される物体の近傍で、トレーサ含有冷媒組成物を凝縮させることによって熱を生起し、その後前記組成物を蒸発させる工程を含む。
【0039】
蒸気圧縮冷却システムは、エバポレータ、コンプレッサ、コンデンサ、液体貯蔵容器、および膨張装置を含む。蒸気圧縮サイクルでは、1ステップで冷却効果を、さらに異なる1ステップで加熱効果を生む複数のステップで冷媒が再使用される。このサイクルは以下のように簡単に説明できる。液体冷媒は膨張装置を介してエバポレータに入り、エバポレータ内で低温で蒸発して、ガスを形成して冷却を起こす。低圧ガスがコンプレッサに入り、そこで圧縮され圧力と温度が上がる。次いで、高圧ガス状冷媒がコンデンサに入り、そこで冷媒が凝縮され、熱を環境内に放出する。冷媒は、膨張装置へ戻り、液体をコンデンサでの高圧レベルからエバポレータでの低圧レベルへ膨張させ、これによりこのサイクルを繰り返す。
【実施例】
【0040】
本発明のトレーサ含有冷却組成物を調製し、次いで、いくつかの異なるGCカラムを使用して、異なる分析条件で分析した。冷却/加熱流体およびトレーサ化合物の保持時間は定められており、各実施例に与えてある。特定のGCカラムで特定のガスクロマトグラフにおいて測定した正確な保持時間は、異なる器具およびカラムで測定した保持時間とはわずかに異なるであろうことに留意されたい。
【0041】
サンプルはすべてアジレント(Agilent)6890ガスクロマトグラフで分析し、データはアジレントケムステーション(Agilent Chemstation(登録商標))ソフトウェアで収集および処理を行った。両方とも、アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)(カリフォルニア州、パロアルト(Palo Alto,CA))から市販されている。
【0042】
(実施例1)
R22(冷媒HCFC−22、クロロジフルオロメタン)の試料を、100ppm(重量ppm)のPFC-C318(ペルフルオロシクロブタン)でスパイクした。次いで、以下に記載の条件を使用して、試料をGCによって分析した。
【0043】
カラム:RTX(登録商標)−1701(クロスボンド(Crossbond(登録商標))シアノプロピルフェニル14%/ジメチルポリシロキサン86%)
長さ:105メートル
内径:0.25ミリメートル
固定相膜厚:0.25マイクロメートル
キャリアガスおよび流量:He、1.0ミリリットル/分
オーブン温度:
初期温度:−20℃
初期保持時間:15分
温度勾配:10℃/分
最終温度:50℃
最終保持時間:0分(最終保持時間なし)
検出器:フレームイオン化検出器(FID)
温度:250℃
水素流量:42ミリリットル/分
空気流量:450ミリリットル/分
注入ポート:スプリット
温度:150℃
ヘッド圧:22psi
試料タイプ:気相、手動シリンジ注入
試料サイズ:1.0ミリリットル
スプリット比:50:1
【0044】
冷媒、R−22およびトレーサ、PFC−C318の保持時間を表2に示す。
【0045】
【表5】

【0046】
(実施例2)
R−134a(冷媒HFC−134a、1,1,1,2−テトラフルオロエタン)の試料を、100ppm(重量ppm)のHFC−236fa(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)でスパイクした。次いで、以下に記載の条件を使用して、試料をGCによって分析した。
【0047】
カラム:RTx(登録商標)−1(クロスボンド(Crossbond(登録商標))ジメチルポリシロキサン100%)
長さ:105メートル
内径:0.25ミリメートル
固定相膜厚:1.0マイクロメートル
キャリアガスおよび流量:ヘリウム、0.75ミリリットル/分
オーブン温度:
初期温度:−20℃
初期保持時間:13分
温度勾配:5℃/分
最終温度:50℃
最終保持時間:10分
検出器:フレームイオン化検出器(FID)
温度:250℃
水素圧:20psi
空気圧:45psi
注入ポート:スプリット
温度:175℃
ヘッド圧:38psi
試料タイプ:気相、手動シリンジ注入
試料サイズ:1.0ミリリットル
スプリット比:75:1
【0048】
冷媒、R−134aおよびトレーサ、HFC−236faの保持時間を表3に示す。
【0049】
【表6】

【0050】
(実施例3)
R−410A(冷媒ブレンド、50重量%のR−32、ジフルオロメタンおよび50重量%のR−125、ペンタフルオロエタン)の試料を、100ppm(重量ppm)のHFE−236fa(1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエタン)でスパイクした。次いで、以下に記載の条件を使用して、試料をGCによって分析した。
【0051】
カラム:カーボパック(Carbopack(登録商標))B60/80メッシュのフルオロコル(Fluorcol(登録商標))
長さ:20フィート(6.1メートル)
内径:1/8インチ(0.32センチメートル)
キャリアガスおよび流量:ヘリウム、30ミリリットル/分
オーブン温度:
初期温度:60℃
初期保持時間:3分
温度勾配:8℃/分
最終温度:180℃
最終保持時間:10分
検出器:フレームイオン化検出器(FID)
温度:250℃
水素圧:20psi
空気圧:45psi
注入ポート:充填
温度:250℃
ヘッド圧:67psi
試料タイプ:気相、試料バルブ注入
試料サイズ:50マイクロリットル
【0052】
冷媒、R−410A、具体的にはR−32およびR−125、ならびにトレーサ、HFE236faの保持時間を表4に示す。
【0053】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーサ含有組成物であって、
(i)不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒から選択されるフルオロカーボン冷媒を含む冷却/加熱流体と、
(ii)少なくとも一のトレーサ化合物であって、前記トレーサ化合物は分析可能であり、ハイドロフルオロカーボン、重水素化ハイドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒドおよびケトン、亜酸化窒素、ならびにそれらの組合せからなる群から選択され、
ただし、前記冷却/加熱流体はトレーサ化合物とは異なることを特徴とするトレーサ含有組成物。
【請求項2】
前記冷却/加熱流体が、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロカーボンエーテル、炭化水素、二酸化炭素、およびアンモニアからなる群から選択される少なくとも一の冷媒と、前記不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒との混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項3】
前記不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒は
一般式Cw2w-xxz
(式中、wは3〜8であり、xは0〜15であり、zは0から2であり、2w−xは正の整数である)で表されることを特徴とする請求項1に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項4】
前記不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒は、CF3(CF23CH=CH2(ペルフルオロブチルエチレン、PEBE)、CF3CF2C(O)CF(CF32(ペルフルオロエチルイソプロピルケトン、PEIK)、およびCF3C(O)CF(CF32(ペルフルオロメチルイソプロピルケトン、PMIK)から選択されることを特徴とする請求項1に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項5】
前記不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒は、不飽和フルオロカーボン冷媒であることを特徴とする請求項1に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項6】
前記不飽和フルオロカーボン冷媒または他の官能基化フルオロカーボン冷媒は、ペルフルオロブチルエチレンであることを特徴とする請求項1に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項7】
前記組成物が単一のトレーサ化合物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項8】
前記組成物がトレーサブレンドを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項9】
少なくとも一の前記トレーサ化合物が単一の所定の異性体として存在することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項10】
少なくとも一の前記トレーサ化合物が複数の所定の異性体として存在することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約1000ppmまでの量のトレーサ化合物またはトレーサブレンドを含むことを特徴とする請求項7または8に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約50ppm〜約500ppmの量のトレーサ化合物またはトレーサブレンドを含むことを特徴とする請求項11に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項13】
前記組成物が、約100ppm〜約300pppmの量のトレーサ化合物またはトレーサブレンドを含むことを特徴とする請求項11に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項14】
前記トレーサ化合物が、HFOC−125E、HFOC−134aE、HFOC−143aE、HFOC−227eaE、HFOC−236faE、HFOC−245faEβγまたはHFOC−245faEαβ、HFOC−245cbEβγまたはHFOC−245cbαβ、HFE−42−11mcc(またはフレオン(Freon(登録商標))E1)、フレオン(Freon(登録商標))E2、HFC−23、HFC−161、HFC−152a、HFC−134、HFC−227ea、HFC−227ca、HFC−236cb、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−245cb、HFC−245fa、HFC−254cb、HFC−254eb、HFC−263fb、HFC−272ca、HFC−281ea、HFC−281fa、HFC−329p、HFC−329mmz、HFC−338mf、HFC−338pcc、HFC−347s、HFC−43−10mee、PFC−116、PFC−C216、PFC−218、PFC−C318、PFC−31−10mc、PFC−31−10my、PFC−C51−12mycm、PFC−C51−12mym、トランス、PFC−C51−12mym、シス、ペルフルオロメチルシクロペンタン、ペルフルオロメチルシクロ−ヘキサン、ペルフルオロジメチルシクロ−ヘキサン(オルト、メタ、またはパラ)、ペルフルオロエチルシクロヘキサン、ペルフルオロインダン、ペルフルオロトリメチルシクロ−ヘキサンおよびその異性体、ペルフルオロイソプロピルシクロ−ヘキサン、シス−ペルフルオロデカリン、トランス−ペルフルオロデカリン、シス−またはトランス−ペルフルオロメチルデカリンおよびその異性体、ブロモメタン、ブロモフルオロメタン、ブロモジフルオロメタン、ジブロモフルオロメタン、トリブロモメタン、ブロモエタン、ブロモエテン、1,2−ジブロモエタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエテン、ヨードトリフルオロメタン、ジフルオロヨードメタン、フルオロヨードメタン、1,1,2−トリフルオロ−1−ヨードエタン、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−ヨードエタン、1,1,2,2−テトラフルオロ−1,2−ジヨードエタン、ヨードペンタフルオロベンゼン、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン(2−プロパノン)、n−プロパナール、n−ブタナール、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、亜酸化窒素、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのトレーサ化合物であることを特徴とする請求項1に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項15】
前記トレーサ化合物がPFC−116、PFC−216、PFC−218、PFC−C318、PFC−31−10mc、PFC−31−10my、PFC−C51−12mycm、PFC−C−51−12mym、トランス、PFC−C51−12mym、シス、ペルフルオロメチルシクロ−ペンタン、ペルフルオロメチルシクロ−ヘキサン、ペルフルオロジメチルシクロ−ヘキサン(オルト、メタ、またはパラ)、ペルフルオロエチルシクロヘキサン、ペルフルオロインダン、ペルフルオロメチルシクロ−ヘキサンおよびその異性体、ペルフルオロイソプロピルシクロ−ヘキサン、シス−ペルフルオロデカリン、トランス−ペルフルオロデカリン、シス−またはトランス−ペルフルオロメチルデカリンおよびその異性体から選択される少なくとも一の化合物であることを特徴とする請求項14に記載のトレーサ含有組成物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物を使用する方法であって、
前記トレーサ化合物と前記フルオロカーボン冷媒とを組合せ、トレーサ含有冷媒組成物を生成する工程、および
前記トレーサ含有冷媒組成物中の前記トレーサ化合物を検出する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記検出する工程は、前記トレーサ化合物の存在を検出する工程、前記トレーサ化合物の品質を検出する工程、または前記トレーサ化合物の存在および品質のいずれをも検出する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物を使用して、冷却を起こす方法であって、
冷却される物体の近傍で前記トレーサ含有組成物を蒸発させ、その後、前記組成物を凝縮させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物を使用して熱を起こす方法であって、
加熱される物体の近傍で前記トレーサ含有組成物を凝縮させ、その後、前記組成物を蒸発させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記組成物がペルフルオロカーボントレーサ化合物を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のトレーサ含有組成物。

【公開番号】特開2012−82425(P2012−82425A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255034(P2011−255034)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【分割の表示】特願2007−500922(P2007−500922)の分割
【原出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY