説明

トレーニングシステムおよびトレーニングシステム用装置

【課題】所定の反復動作を行なう利用者を撮影した画像の一部を効率良く抽出することのできるトレーニングシステムおよびトレーニングシステム用装置を得る。
【解決手段】本発明にかかるトレーニングシステムは、利用者に反復動作させるための可動部11を備えたトレーニングシステムであって、可動部11を駆動制御する制御手段10と、利用者の反復動作を連続撮影する撮影手段20と、撮影手段20により連続撮影された画像情報を記憶する第1記憶手段31と、可動部11の駆動に応じて制御手段10から供給される駆動信号に基づいて、第1記憶手段31に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段48と、抽出手段48により抽出された画像情報を記憶する第2記憶手段32と、第2記憶手段32に記憶されている画像情報を出力する出力手段50と、を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に反復動作させるための可動部を備えたトレーニングシステムに関して、特に、利用者の反復動作を連続撮影した画像の一部を効率よく抽出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の動作を練習する場合、その動作を何度も繰り返して行なう反復動作が有効である。たとえば、ゴルフや野球、テニスといった球技スポーツでは、球技で使用するボールを、クラブやバットもしくはラケットといったスポーツ用打撃具で繰り返し打つことが行なわれている。この場合、ただ単にボールを打つといった反復動作を行なえば良いというものではなく、上達するために利用者は、好適なフォームまたは不適なフォームとを確認することが必要である。
従来、自らのフォームが好適なフォームなのか、不適なフォームなのか、その是非を確認する方法として、インストラクタやコーチといった指導者にスイング動作を見てもらい、指導者の判断に基づいてアドバイスを受けることが一般的に行なわれている。
【0003】
ところが、指導者からアドバイスを受ける場合、反復動作を行なう練習者の傍らにアドバイスを行なう指導者が付き添っていなければならない。したがって、練習者の傍らに指導者がいなければ、スウィングといった反復動作の練習を行なうことはできてもアドバイスを受けることができず、自らのスウィングフォームの是非を確認することができない。
【0004】
そこで近年、指導者が不要で、客観的に反復動作の是非を確認することができる手段として、練習者の正面や側面にビデオカメラを設置し、練習者の動作を撮影することが行なわれている。
たとえば、ゴルフの場合を例に説明すると、ビデオカメラによって練習者のスウィング動作を撮影し、撮影されたスウィングフォームを練習者自らが確認することや、撮影された練習者のスウィングフォームと理想のスウィングフォームとを比較し、その比較結果から自らのスウィングフォームの是非を診断して理想のスウィングフォームへ矯正する手段が種々提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0005】
しかしながらこの場合、単に撮影したスウィング動作だけを見ても、その結果ボールがどのように飛んだのかわからず、好適なスウィングフォームなのか否かその是非を判断することが困難である。しかも、スウィング動作の練習は、何十、何百といった多くのボールを打つため練習時間は長く、この練習時間と同じ長い時間をかけて連続撮影したスウィング動作を見て自分のスウィングフォームを確認するのは非常に疲れるものである。この場合、練習者の立場からみれば、練習した全てのスウィングフォームを一つ一つ確認するのではなく、練習中になされた好適なスウィングフォームや、不適なスウィングフォームのみを効率良く確認することができれば好ましい。
【特許文献1】特開2005−288014号公報
【特許文献2】特開2005−270508号公報
【特許文献3】特開2005−237494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、所定の反復動作を行なう利用者を撮影した画像の一部を効率良く抽出することのできるトレーニングシステムおよびトレーニングシステム用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるトレーニングシステムは、利用者に反復動作させるための可動部を備えたトレーニングシステムであって、可動部を駆動制御する制御手段と、利用者の反復動作を連続撮影する撮影手段と、撮影手段により連続撮影された画像情報を記憶する第1記憶手段と、可動部の駆動に応じて制御手段から供給される駆動信号に基づいて、第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された画像情報を記憶する第2記憶手段と、第2記憶手段に記憶されている画像情報を出力する出力手段と、を有してなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、利用者の反復動作の各動作を検出するセンサをさらに備え、「制御手段から受信した駆動信号に基づいて、第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段」に代えて、「利用者の反復動作の各動作を検出した際にセンサから供給される検出信号に基づいて、第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段」としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、利用者に操作された際に選択信号を供給する選択手段をさらに備え、抽出手段は、制御手段から供給される駆動信号と、選択手段から供給される選択信号とに基づいて、第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、第1記憶手段には、撮影手段により連続撮影された画像情報が撮影時刻と共に記憶されていて、抽出手段は、駆動信号の供給時刻と撮影時刻とに基づいて、画像情報を抽出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、利用者に操作された際に選択信号を供給する選択手段をさらに備え、抽出手段は、駆動信号の供給時刻と選択信号の供給時刻と第1記憶手段に記憶されている撮影時刻とに基づいて、この第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、利用者に操作された際に選択信号を供給する選択手段をさらに備え、第1記憶手段には、撮影手段により連続撮影された画像情報が撮影時刻と共に記憶されていて、抽出手段は、選択信号の供給があったとき、この選択信号の供給直前の駆動信号の供給時刻からこの選択信号の供給直後の駆動信号の供給時刻までの時間帯の撮影時刻と関連付けて記憶されている画像情報を第1記憶手段から抽出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、駆動信号の供給時刻を特定する手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるトレーニングシステムは、第2記憶手段に記憶されている複数の画像情報を比較して、各画像情報に含まれる共通動作を特定し、この特定された共通動作を含む画像情報を出力する手段、をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるトレーニングシステム用装置は、利用者に反復動作させるための可動部を駆動制御する制御手段と、利用者の反復動作を連続撮影する撮影手段のそれぞれと接続した装置であって、可動部の駆動に応じて制御手段から供給される駆動信号に基づいて、撮影手段により連続撮影された画像情報の一部を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された画像情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている画像情報を出力する手段と、を有してなることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかるコンピュータプログラムは、コンピュータを、本発明にかかるトレーニングシステム用装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の反復動作を行なう利用者を撮影した画像の一部を効率良く抽出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるトレーニングシステムおよびトレーニングシステム用装置の実施の形態について説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、ゴルフクラブをスイングする練習者が、自動的にティーにセットされるゴルフボールを繰り返して打つことのできる、いわゆる打ち放しゴルフ練習場に設置されているトレーニングシステムを例に説明する。すなわち、ゴルフボールを打つ練習者は利用者の例であり、練習者のゴルフスイングは利用者の反復動作の例であり、ゴルフボールをティーにセットするボール供給装置は利用者に反復動作させるための可動部の例である。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明にかかるトレーニングシステムの実施の形態を示す模式図である。
トレーニングシステム(以下、「本システム」という。)は、練習者Uに反復動作させるためのボール供給装置11を駆動制御する制御部10と、練習者Uの反復動作を連続撮影する撮影部20と、練習者Uに所望の反復動作を選択させる選択装置60と、トレーニングシステム用装置(以下、「本装置」という。)110と、を有してなる。
【0020】
本装置110は、記憶部30、計時部40、駆動信号受信部41、画像情報受信部42、選択信号受信部43、抽出部48、出力部50、CPU(不図示)、プログラム記憶部(不図示)、その他後述する各手段を有してなる情報処理装置であって、たとえば、パーソナルコンピュータで実現される。
CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、本装置110の各手段を制御し、プログラム処理を実行する手段である。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、本システムが使用する各種コンピュータプログラムを記憶している手段である。
【0021】
ボール供給装置11は、複数のゴルフボールが格納された格納庫(不図示)から、ゴルフボールを1個ずつ取り出してティーTにセットする手段である。ボール供給装置11は、ゴルフボールがティーT上に存在しないことを感知すると、次のゴルフボールを格納庫から取り出してティーTに自動的にセットする。
なお、ボール供給装置11は、所定の個数のゴルフボールを格納庫からティーTにセットし終えるまで、あるいは、最初のゴルフボールをセットしてから所定の時間が経過するまで、ティーTへのゴルフボールのセットを繰り返す。
【0022】
制御部10は、可動部であるボール供給装置11を駆動制御する手段である。制御部10は、たとえば、所定の個数を供給するまで、あるいは、ボール供給装置11の駆動開始時刻から所定の時間が経過するまで、練習者Uが連続してゴルフクラブCでゴルフボールBを打つことができるように、ボール供給装置11を駆動して、ゴルフボールBをティーTにセットさせる。練習者Uは、ゴルフボールBがティーTにセットされるのを待って、次々とゴルフクラブCをスイングすればよく、自らゴルフボールBをティーにセットする必要がない。
なお、制御部10は、たとえば、本装置110が備えるようにしてもよいし、あるいは、ボール供給装置11が備えるようにしてもよい。
【0023】
制御部10は、所定の基準信号の供給に基づいてボール供給装置11の駆動制御を開始する。基準信号には、たとえば、貨幣投入器(不図示)に規定金額の貨幣が投入されることにより発せられる貨幣投入信号や、スタートスイッチ(不図示)を練習者Uが手や足で押すことにより発せられスタート信号などがある。
また、制御部10は、ボール供給装置11の駆動に応じて、すなわち、ボール供給装置11を駆動してティーTにボールがセットされるごとに、駆動信号を発生する。
本システムは、制御部10から供給される駆動信号に基づいて、後述する特定方法により、繰り返される練習者Uのスウィング動作のそれぞれを特定することができる。
【0024】
撮影部20は、スウィング動作を繰り返す練習者Uを撮影する手段である。撮影部20の例としては、CCDカメラがある。
撮影部20は、所定の基準信号に基づいて撮影を開始し、撮影した画像情報を順次記憶部30に記憶する。所定の基準信号には、たとえば、スタートスイッチ(不図示)を練習者Uが手や足で押すことにより発せられスタート信号や、制御部10から供給される始動信号がある。
【0025】
撮影部20は、所定の範囲、すなわち、ティーTにセットされたゴルフボールBをゴルフクラブCで打撃する練習者Uの様子を視認することができる範囲を撮影する。
撮影方向は、練習者Uの正面側方向、側面方向、斜め方向、もしくは上面方向のいずれでもよい。また、練習者Uを正面から撮影する第1カメラ、側面から撮影する第2カメラ、斜めから撮影する第3カメラ、上面から撮影する第4カメラ、など、複数のカメラを設けるようにしてもよい。図1は、撮影部20が練習者Uを正面側方向から撮影することを示している。
なお、撮影部20は、昇降手段を備える三脚等によって最適な高さ位置に上下動するものであると望ましい。
【0026】
撮影部20は、練習者UがゴルフクラブCをスウィングする様子、すなわち、たとえば、アドレスしてからテイクバックを開始し、バックスウィング、ダウンスウィングを経てフォロースルーに至るまでの一連のフォームを撮影する。
また、撮影部20は、利用者の反復動作、つまり、練習者Uのゴルフスウィングを連続撮影する。ここで、「練習者Uのゴルフスウィングを連続撮影する」とは、「n回目のスウィング」「(n+1)回目のスウィング」「(n+2)回目のスウィング」・・・といった連続した複数回の練習者Uのスウィングの様子を、スウィング間の繋ぎ目なく撮影することを意味する。つまり、連続撮影された画像情報を再生(ディスプレイ装置などに表示する)した場合、連続した複数回のスウィングの様子が、スウィングの順番に再生される。
【0027】
記憶部30は、撮影部20により撮影された画像情報を記憶するための手段であって、複数のデータベース(記憶部)31,32,33,34から構成されている。
第1記憶部31には、撮影部20により連続撮影された画像情報が撮影時刻と共に記憶される。すなわち、本システムは、撮影時刻を基に、第1記憶部31に記憶されている画像情報を検索・抽出することができる。
図2は、第1記憶部31に記憶されている画像情報の例を示す模式図であり、画像情報が、その画像情報の撮影時刻を示す時刻情報「2007年5月26日12時32分20秒」「2007年5月26日12時32分21秒」「2007年5月26日12時32分22秒」と共に記憶されていることを示している。
なお、符号KGは1コマの画像情報を示し、画像情報が毎秒10コマずつ連続撮影されていることを示している。
【0028】
第1記憶部31は、図1に示すように、本装置110内に設けられていてもよいし、あるいは、撮影部20内に設けられていてもよい。
【0029】
選択装置60は、練習者Uに抽出したい画像情報を選択させる手段である。選択装置60には、ボタン61,62が設けられていて、各ボタンが押されたとき、各ボタンに対応する選択信号を発生する。練習者Uは、この画像情報の選択を、ゴルフボールBの飛球結果などから判断する。すなわち、たとえば、練習者UがゴルフクラブCをスウィングしてゴルフボールBを打撃して、飛球結果に基づいてそのスウィングの様子を撮影した部分の画像を抽出したいときに、ボタンを押す。2つのボタンは、たとえば、練習者Uが、良いスウィングと思ったときにボタン61を、悪いスウィングと思ったときにボタン62を、練習者Uに押させる。
【0030】
計時部40は、時刻を計時する手段である。本システムは、後述するように、計時部40を用いて、駆動信号や選択信号の受信時刻を特定する。
【0031】
駆動信号受信部41は、制御部10から供給された駆動信号を受信する手段である。駆動信号受信部41は、駆動信号の受信に応じて計時部40へ時刻を問い合わせ、その受信時刻(駆動信号の供給時刻)を特定する。すなわち、計時部40は、駆動信号受信部41から問合せがあった時の時刻を通知する。
駆動信号受信部41は、特定された駆動信号の受信時刻を、本装置110内の駆動信号受信時刻記憶部(不図示)に記憶する。
【0032】
画像情報受信部42は、撮影部20により連続撮影された画像情報を受信する手段である。画像情報受信部42は、撮影部20から画像情報を受信して第1記憶部31に記憶する。
なお、撮影部20から受信した情報に、画像情報の撮影時刻が含まれていない場合、画像情報受信部42は、画像情報の受信に応じて計時部40へ時刻を問い合わせ、その受信時刻を特定する。本システムは、この特定された受信時刻を、この画像情報の撮影時刻として用いる。
【0033】
選択信号受信部43は、選択装置60から供給された選択信号を受信すると共に、受信した選択信号により2つのボタン61,62のいずれのボタンが押されたかを特定する手段である。選択信号受信部43は、選択信号の受信に応じて計時部40へ時刻を問い合わせ、その受信時刻(選択信号の供給時刻)を特定する。
選択信号受信部43は、特定された選択信号の受信時刻を、本装置110内の選択信号受信時刻記憶部(不図示)に記憶する。なお、選択信号受信時刻記憶部には、選択信号の受信時刻と、選択信号の種類、つまり、選択装置60のボタン61,62のいずれかのボタンが押されたかを示す情報とが、関連付けて記憶されている。
【0034】
抽出部48は、第1記憶部31に記憶されている画像情報の一部を抽出して第2記憶部32または第3記憶部33に記憶する手段である。
抽出部48は、駆動信号の受信時刻と、選択信号の受信時刻とに基づいて、抽出する画像情報を第1記憶部31から検索(決定)する。
ここで、抽出する画像情報の検索方法について、説明する。
【0035】
図3は、本システムが制御部10から供給された駆動信号を受信した時刻を示す模式図であり、駆動制御が開始されてから、1番目の駆動信号が時刻「KS1」に、2番目の駆動信号が時刻「KS2」に、・・・供給された(受信した)ことを示している。これら駆動信号の受信時刻「KS1」「KS2」・・・は、前述のとおり、本装置110内の記憶手段に記憶されている。
【0036】
駆動信号は、前述のとおり、ティーTにボールがセットされるごとに供給される。したがって、駆動信号の受信時刻から次の受信時刻までの間に、練習者UはゴルフクラブCをスウィングしてボールを打ったことになる。すなわち、時刻「KS1」「KS2」・・・にティーTにボールがセットされていたことから、時刻「KS1」にティーTにセットされたボールは、時刻「KS2」までに打たれたことになる。時刻「KS2」にティーTにボールがセットされたのは、時刻「KS1」にセットされたボールが打たれてティーT上に存在しなくなったからである。
このように、練習者UがゴルフクラブCをスウィングしてボールを打ったのは、駆動信号の受信時刻から次の受信時刻までの間である。
【0037】
図4(a)は、駆動信号の受信時刻と、選択信号の受信時刻との関係を示す模式図であり、選択信号が時刻「SS1」と「SS2」に本システムに供給された(本システムが受信した)ことを示している。また、選択信号の受信時刻「SS1」は、駆動信号の受信時刻「KS1」から時刻「KS2」の間であることや、選択信号の受信時刻「SS2」は、駆動信号の受信時刻「KS4」から時刻「KS5」の間であることを示している。
これら選択信号の受信時刻「SS1」「SS2」・・・は、前述のとおり、本装置110内の記憶手段に記憶されている。
【0038】
選択信号は、前述のとおり、選択装置60のボタンが押されるごとに供給される。したがって、図4(a)は、練習者Uが、時刻「KS1」にティーTにセットされたボールを、時刻「KS1」から時刻「KS2」までの間にゴルフクラブCをスウィングして打った後に、時刻「SS1」に選択装置60のボタンを押したことを示す。すなわち、練習者Uは、時刻「KS1」にティーTにセットされたボールを打ったスウィングを撮影した部分の画像情報の抽出を希望したことを示している。
同様に、同図によれば、練習者Uは、時刻「KS4」にティーTにセットされたボールを打ったスウィングを撮影した部分の画像情報の抽出も希望していることを示している。
【0039】
抽出部48は、選択信号の受信時刻から駆動信号の受信時刻の組を特定し、特定された時刻の組みに含まれる時間帯の画像情報を第1記憶部31から読み出す。
【0040】
まず、抽出部48は、選択信号受信時刻記憶部から選択信号の受信時刻「SS1」を読み出す。
次に、抽出部48は、駆動信号受信時刻記憶部に記憶されている駆動信号の受信時刻の中から、先に読み出した選択信号の受信時刻「SS1」の直前・直後の時刻の組(駆動信号の受信時刻の組)「KS1」「KS2」を読み出す。
その上で、抽出部48は、読み出した駆動信号の受信時刻の組「KS1」「KS2」に基づいて、第1記憶部31に記憶されている画像情報を検索し、時刻「KS1」から時刻「KS2」までの画像情報「KG1」・・・「KGn」を読み出す。ここで、図2に示したように、第1記憶部31には、画像情報が撮影時刻と共に記憶されている。したがって、抽出部48は、時刻「KS1」から時刻「KS2」に含まれる時刻を検索キーとして、これらの時刻と共に記憶されている画像情報を第1記憶部31から読み出す。
【0041】
抽出部48は、読み出した画像情報を、第2記憶部32または第3記憶部33に記憶する。抽出部48は、第2記憶部32と第3記憶部33の振り分けを、選択信号受信時刻記憶部から読み出した選択信号の受信時刻と関連付けて記憶されている選択信号の種類、つまり、選択装置のボタンを特定する情報に基づいて行う。すなわち、時刻「SS1」と関連付けて記憶されているのがボタン61を特定する情報であれば第2記憶部32へ、一方、ボタン62を特定する情報であれば第3記憶部33へ記憶する。
【0042】
このように、抽出部48は、選択信号の受信時刻「SS1」と、駆動信号の受信時刻の組「KS1」「KS2」と、画像情報の撮影時刻とを用いて、抽出する画像情報を決定する。また、抽出部48は、選択信号の受信時刻「SS1」と関連付けて記憶されている選択装置60のボタンを特定する情報を用いて、抽出した画像情報の記憶先を決定する。
【0043】
なお、選択信号の受信時刻から特定される駆動信号の受信時刻の組は、図4(a)に示した例では、選択信号の受信時刻の直前・直後の受信時刻の組であった。
一方、同(b)に示す例において、選択信号の受信時刻から特定される駆動信号の受信時刻の組は、選択信号の受信時刻「SSx」の直前の受信時刻「KSn+1」と、さらにその前の受信時刻「KSn」としてもよい。すなわち、同図は、時刻「KSn」にティーTにセットされたボールを打ったスウィング、つまり、練習開始からn回目のスウィングを撮影した画像情報の抽出を練習者Uが希望して選択ボタンを押したところ、選択ボタンを押す前に、次のボールがティーTにセットされたことを示している。この場合、選択信号の受信時刻の直前・直後の駆動信号の受信時刻の組「KSn+1」と「KSn+2」を、画像情報の抽出に用いることはできない。
【0044】
このように、画像情報の抽出に用いる駆動信号の受信時刻の組は、選択信号の受信時刻から一意に定まらない場合もある。
この場合、たとえば、選択信号の受信時刻から、その直前・直後の駆動信号の受信時刻を特定し、直前の駆動信号の受信時刻から選択信号の受信時刻までの時間「KSn+1〜SSx」と、選択信号の受信時刻から直後の駆動信号の受信時刻までの時間「SSx〜KSn+2」とを比較して、その結果に応じて画像情報の抽出に用いる駆動信号の受信時刻の組を選択するとよい。
すなわち、「KSn+1〜SSx」≦「SSx〜KSn+2」の関係が成立すれば、画像情報の抽出に用いる駆動信号の受信時刻の組として、「KSn」と「KSn+1」を選択する。
一方、「KSn+1〜SSx」>「SSx〜KSn+2」の関係が成立すれば、画像情報の抽出に用いる駆動信号の受信時刻の組として、「KSn+1」と「KSn+2」を選択する。
【0045】
図5は、駆動信号の受信時刻KSおよび選択信号の受信時刻SSと、画像情報KGとの関係を示す模式図である。前述のとおり、抽出部48は、選択信号の受信時刻「SS1」から駆動信号の受信時刻の組「KS1」「KS2」を特定し、この時刻の組に対応する時間帯「KS1」〜「KS2」に撮影された画像情報「KG1」・・・「KGn」を抽出する。
【0046】
なお、図6に示すように、時間帯「KS1」〜「KS2」に撮影された画像情報に加えて、その時間帯の前後の時間「BT」または「AT」に撮影された画像情報「BG1」「BG2」(同図(a))、「AG1」「AG2」(同図(b))、あるいは、「BG1」「BG2」「AG1」「AG2」(同図(c))を抽出するようにしてもよい。
【0047】
次に、本システムによる情報処理について、図7に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
【0048】
練習者Uは、ゴルフ練習場でのスウィング動作の練習開始に先立って、たとえば貨幣投入器に規定金額の貨幣を投入し、制御部10と撮影部20を始動させる(SA,SB)。
なお、制御部10と撮影部20は、ティーTへのゴルフボールの供給の終了と共に、動作を終了する。
【0049】
撮影部20は、練習者Uの撮影を開始し(S100)、撮影した画像情報を本装置110に送信する(S110)。本装置110は、受信した画像情報を撮影時刻と共に第1記憶部31に記憶する(S200A)。
一方、制御部10は、ボール供給装置11を駆動制御して、ティーTにゴルフボールBをセットし(S300A)、駆動信号を本装置110に送信する(S310A)。
本装置110は、駆動信号受信部41を用いて、制御部10から供給された駆動信号を受信し(S400A)、駆動信号の受信時刻を特定して駆動信号受信時刻記憶部に記憶する(S410A)。
【0050】
練習者Uがボタン61または62を押すと、選択装置60は、押されたボタンを特定する情報を選択信号として本装置110に送信する(S500)。
本装置110は、選択信号受信部43を用いて、選択装置60から供給された選択信号を受信し、選択信号の受信時刻を特定して選択信号受信時刻記憶部に記憶する(S600)。
【0051】
その後、本装置110は、抽出部48を用いて、選択信号の受信時刻と、駆動信号の受信時刻と、撮影時刻とを用いて、第1記憶部31に記憶されている画像情報の一部を抽出する(S610A)。
【0052】
抽出された画像情報は、選択信号の種類に基づいて、つまり、ボタン61が押されていたときは第2記憶部32に記憶し、ボタン62が押されていたときは第3記憶部33に記憶する(S700)。
【0053】
本装置110は、出力部50を用いて、第2記憶部32または第3記憶部33に記憶されている画像情報を出力(表示)する。画像情報の出力先は、たとえば、本装置110に接続されたゴルフ練習場内のディスプレイ71や、本装置110と通信ネットワークを介して接続可能な情報処理端末である。ここで、通信ネットワークの例としては、インターネットやLAN(Local Area Network)などがある。また、情報処理装置の例としては、たとえば、パーソナルコンピュータ72aや、ディスプレイ装置を備えたデータ通信可能な携帯電話機72bがある。
【0054】
以上説明した実施の形態によれば、繰り返される練習者Uのスウィング動作が連続撮影されて第1記憶部31に記憶された画像情報のうち、ボタン61,62が押されたときの直前のスウィング動作を撮影した画像情報のみを第2記憶部32または第3記憶部33に記憶して、ディスプレイ71などに出力することができる。
【0055】
したがって、練習者Uが長時間、スウィング動作を繰り返したとしても、第2記憶部32または第3記憶部33には、ボタンが押されたときの直前のスウィング動作を撮影した画像情報のみが記憶される。そのため、練習者Uは、第2記憶部32に記憶されている画像情報を閲覧することで、自分が良いと思ったスウィング動作のみを連続して閲覧することができる。同様に、練習者Uは第3記憶部33に記憶されている画像情報を閲覧することで、自分が悪いと思ったスウィング動作のみを連続して閲覧することができる。
このように、繰り返されたスウィング動作を連続して撮影した画像情報の中から、所望のスウィング動作の画像情報のみを、練習者Uに閲覧させることができる。
【0056】
なお、以上説明した実施の形態では、反復動作を繰り返す者と、選択装置を操作する者と、抽出された画像情報を閲覧する者は、すべて練習者Uで共通であるが、これら3者は、必ずしも同一人である必要はない。すなわち、たとえば、選択装置を操作する者はトレーナーで、抽出された画像情報を閲覧する者は、練習者やトレーナーとは別の第三者であってもよい。
【0057】
また、本装置110が第1記憶部31から画像情報を抽出する時期は、選択信号を受信する都度であってもよいし、あるいは、たとえば、練習者Uの練習が終わった後、つまり、撮影部20による練習者Uの撮影が終了した後であってもよい。
【0058】
さらに、本装置110が抽出した画像情報の出力先は、本装置110に接続されたディスプレイ71に限らず、練習者Uが指定できるようにしてもよい。
すなわち、たとえば、本装置110内の記憶部に練習者Uを特定する識別子と電子メールアドレスとを関連付けて記憶しておく。一方、本装置110には、図1に示すように、出力先指定部46を設けると共に、カードリーダ90を接続する。
【0059】
練習者Uは、練習開始に先立って、メンバーカードをカードリーダ90に読み取らせる。カードリーダ90は、メンバーカードに記憶されている練習者Uを特定する識別子を読み取り、本装置110に送信する。本装置110は、受信した識別子を、撮影部20から受信した画像情報と関連付けて記憶しておく。
【0060】
練習者Uがゴルフスウィングの練習を終えた後、つまり、第2記憶部32または第3記憶部33に画像情報を記憶し終えた後に、本装置110は、出力先指定部46を用いて、カードリーダ90が読み取った識別子と関連付けて記憶されている電子メールアドレスを宛先アドレスとした電子メールを作成して送信する。この電子メールには、本装置110が抽出して第2記憶部32または第3記憶部33に記憶している画像情報の閲覧に必要な情報が記載されている。画像情報の閲覧に必要な情報の例としては、たとえば、URL(Uniform Resource Locator)がある。つまり、練習者Uは、自宅のパーソナルコンピュータで本装置110が送信した電子メールを受信し、そこに記載されているURLにアクセスする。
【0061】
本装置110は、練習者Uのパーソナルコンピュータからのリクエストを受信すると、そのリクエストに含まれる情報、たとえば、第2記憶部32内のディレクトリ情報などに基づいて、第2記憶部32内に記憶されている画像情報を読み出して、練習者Uのパーソナルコンピュータに送信する。
【0062】
なお、練習者Uに画像情報の出力先を指定させる別の構成として、図1に示すように、本装置110に装置100を接続し、練習者Uに装置100が備える情報入力手段を操作させて、出力先を指定させるようにしてもよい。本装置110は、出力要求受信部47を用いて、装置100に入力された出力先を特定する情報、たとえば、練習者Uの電子メールアドレスを受信する。本装置110は、先の例と同様、受信した電子メールアドレス宛に、第2記憶部32または第3記憶部33に記憶されている画像情報を閲覧するために必要な情報を記載した電子メールを送信する。
【0063】
このように、練習者Uに画像情報の出力先および出力時期を指定させる構成により、練習者Uには、都合の良いとき、たとえば、ゴルフの練習した日後、自宅で画像情報を閲覧させることができる。
【0064】
<第2の実施の形態>
次に、本システムおよび本装置の別の実施の形態について、先に説明した実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施の形態は、本システムが抽出した複数の画像情報を分析して、その結果を出力するものである。すなわち、先に説明した実施の形態では、練習者Uは、ゴルフクラブCをスウィングしてゴルフボールBを打ったときに、良いスウィングと判断してボタン61を押すと、そのスウィングを撮影した画像情報のみを第2記憶手段32に記憶させておくことができる。したがって、練習者Uは、練習中または練習後に、第2記憶手段32に記憶されている画像情報をディスプレイ71に表示させて閲覧することで、繰り返してスウィングした中から、良いと判断したスウィングのみを閲覧することができる。
【0065】
本実施の形態では、さらに、第2記憶手段32に記憶されている複数の画像情報を分析、つまり、複数の画像情報を比較して共通動作を特定し、その結果を出力することで、練習者Uに良いスウィングの共通動作を閲覧させる。
なお、複数の画像情報とは、複数のスウィング動作に係る画像情報の意であり、たとえば、図4に示した例であれば、1回目のスウィング動作を撮影した画像情報と、4回目のスウィング動作を撮影した画像情報、である。
【0066】
本実施の形態において本システムは、図1に示すように、分析要求装置80と、分析要求受信部45と、共通動作特定部49と、をさらに備える。分析要求受信部45と共通動作特定部49は、本装置110内に設けられている。
【0067】
分析要求装置80は、利用者から分析要求を受け付ける装置であって、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、マウスやキーボード等の入力装置、等を有する情報処理装置であり、たとえば、パーソナルコンピュータなどで実現される。分析要求装置80は、通信ネットワークを介して接続するなど、本装置110とデータ交換可能に接続されている。
【0068】
分析要求受信部45は、分析要求装置80より送信された分析要求を受信する手段である。
【0069】
共通動作特定部49は、分析要求受信部45が受信した分析要求に基づいて、第2記憶部32または第3記憶部33に記憶されている複数の画像情報を比較して、共通動作を特定する手段である。
【0070】
共通動作の特定方法としては、たとえば、第2記憶部32に記憶されている複数の画像情報に含まれる比較対象物の輪郭を画像処理により特定し、これらを重ね合わせて輪郭の濃淡により重ね合い度を判断することにより行なう。この場合、輪郭の濃い部分を共通動作と判断し、輪郭の薄い部分を共通動作ではないと判断する。
なお、比較対象物とは、アドレス時、テイクバック時、トップ時、ダウンスウィング時、インパクト時、フォロースルー時など、一連のスウィング動作の中の所定の動作時の練習者UやゴルフクラブCである。
【0071】
次に、本システムによる情報処理について、図8に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
本装置110が画像情報を抽出して第2記憶部32に記憶する(S700)までの情報処理は、図7に示したシーケンス図と同様である。
【0072】
分析要求装置80は、練習者U等から分析要求を受付けて(S710)、分析要求情報を本装置110へ送信する(S720)。
本装置110は、分析要求受信部45を用いて、分析要求装置80から分析要求情報を受信する。
【0073】
分析要求情報を受信した本装置110は、共通動作特定部49を用いて、第2記憶部32に記憶されている複数の画像情報を読み出して、所定の分析方法により、読み出した画像情報を比較して、共通動作を特定し(S730)、特定した共通動作を含む画像情報を第4記憶部34に記憶する(S740)。共通動作を含む画像情報とは、前述の例において、輪郭の濃い部分が視認可能となるように表示された画像情報である。
本装置110は、第4記憶部34に記憶されている画像情報をディスプレイ71などに出力して練習者Uに閲覧させる(S810)。練習者Uは、共通動作を含む画像情報を閲覧することで、良いと思ったスウィング動作の共通点、たとえば、アドレス時の肩や腰の位置、あるいは、テイクバック時の手首の高さなどを、視認することで、次からのスウィング動作の参考とすることができる。
【0074】
以上説明した実施の形態によれば、練習者Uが良いと判断した複数のスウィングの共通動作を練習者Uに確認させることができる。
【0075】
なお、本装置110が、第4記憶部34に記憶されている画像情報と、第3記憶部33に記憶されている画像情報とを読み出して、両画像情報を識別可能に重ね合わせてディスプレイ71に表示させる構成を備えてもよい。この構成によれば、練習者Uに、良いスウィングと、悪いスウィングの動作の相違点、たとえば、アドレス時の肩の位置の違いなどを視認させて、次からのスウィングの参考とさせることができる。
【0076】
<第3の実施の形態>
次に、本システムおよび本装置の別の実施の形態について、先に説明した実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
これまで説明した実施の形態は、第1記憶部31に記憶されている画像情報の一部を抽出するのに駆動信号を用いたが、本実施の形態では、駆動信号に代えて、検出信号を用いたものである。検出信号については、後述する。
本システムは、図1に示すように、センサ12と、検出信号受信部44とを備える。
【0077】
センサ12は、練習者Uの反復動作の各動作を検出し、検出した際に検出信号を供給する手段である。ここで、「練習者Uの反復動作の各動作を検出する」とは、連続して練習者Uがスウィングしたとき、各スウィングを検出することを意味する。つまり、センサ12は、たとえば、練習者Uが連続して3回スウィングをしたとき、「1回目のスウィング」を検出した時に検出信号を供給し、「2回目のスウィング」を検出した時に検出信号を供給し、「3回目のスウィング」を検出した時に検出信号を供給する。このセンサ12の例としては、たとえば、ゴルフボールBがゴルフクラブCにより打撃された瞬間の打球音を検出するマイクロホンがある。センサ12は、練習者UがゴルフボールBをゴルフクラブCで打った時の打撃音を検知すると、検出信号を本装置110に供給する。
【0078】
検出信号受信部44は、本装置110内に設けられた手段であって、センサ12から供給された検出信号を受信する手段である。検出信号受信部44は、検出信号を受信した際、計時部40へ時刻を問い合わせて、その受信時刻を特定し、記憶手段(不図示)に記憶する。
【0079】
センサ12が検出信号を供給するということは、ティーTにセットされたゴルフボールBが、練習者UのゴルフクラブCのスウィングにより打たれたことを意味する。すなわち、先に説明した実施の形態において、駆動信号の受信時刻から次の駆動信号の受信時刻までの時間帯にスウィングがあったのと同様に、本実施の形態においては、検出信号の受信時刻から次の検出信号の受信時刻までの時間帯にスウィングがあったことになる。つまり、本実施の形態では、本装置110は、検出信号の受信時刻を、図4に示した選択信号の受信時刻に代わりに用いる。
このように、本装置110は、センサ12から供給される検出信号に基づいて練習者Uの1回ごとのスウィング動作を特定することができる。
【0080】
次に、本システムによる情報処理について、図12に示すシーケンス図を参照しながら、図7に示したシーケンス図と異なる点を中心に説明する。
【0081】
センサ12は、たとえば、撮影部20の始動(SB)と連動して始動(SC)し、練習者UがゴルフクラブCをスウィングしてゴルフボールBを打った打球音を検知する(S300B)と、検出信号を本装置110に送信する(S310B)。
【0082】
本装置110は、検出信号受信部44を用いて、センサ12から検出信号を受信し(S400B)、時刻を計時部40に問い合わせて、検出信号の受信時刻を特定して記憶手段に記憶する(S410B)。
【0083】
本装置110は、選択信号の受信時刻と、検出信号の受信時刻とを用いて、第1記憶部31に記憶されている画像情報の一部を抽出して(S610B)、第2記憶部32または第3記憶部33に記憶し(S700)、出力する(S800)。
【0084】
以上説明した実施の形態によれば、センサ12からの検出信号を用いて、繰り返されたゴルフスウィングのうち、練習者Uが所望するゴルフスウィングを撮影した画像情報のみを抽出して記憶することができる。
【0085】
なお、センサとしては、音を検知するマイクロホンに限らず、ゴルフボールBがティー上に存在しない状態を検知する装置や、ゴルフクラブCが所定の位置(たとえば、ティーT上など)を通過したことを光学的に検知する装置など、練習者UがゴルフクラブCをスウィングしたことを検出することができる手段であればよい。
【0086】
また、センサとして音を検知するマイクロホンを用いる場合、このマイクロホンを選択装置として利用してもよい。すなわち、たとえば、練習者Uは、ゴルフクラブCをスウィングしてゴルフボールBを打った際に、良いスウィングと判断したときに、マイクロホンに届く大きさの声を発する。マイクロホンに接続された情報処理機器は、マイクロホンを介して練習者Uが発した声を検知すると、前述の選択信号を本装置110に供給する。
なお、マイクロホンに接続された機器は、練習者Uが発する声の種類に応じて供給する選択信号を選択するように構成してもよい。すなわち、たとえば、練習者Uは「YES」か「NO」のいずれかを発し、マイクロホンに接続された機器が、マイクロホンが拾った練習者Uの音声を分析して、「YES」と発したときの選択信号と、「NO」と発したときの選択信号を、選択的に供給する。
【0087】
このように、前述の実施の形態における選択装置60の代わりに、マイクロホンを用いることで、既存のゴルフ練習場への本システムの導入が容易となる。すなわち、たとえば、すでにゴルフ練習場に導入されているボール供給装置はそのままで、新たに、撮影部20とセンサ12、並びに、これら撮影部20とセンサ12とに接続した本装置110とをゴルフ練習場に設置するだけで、本システムを構成することができる。
なお、センサとしてのマイクロホンと、選択装置としてのマイクロホンを、同一のマイクロホンで兼用させてもよいし、あるいは、別々に設置してもよい。
【0088】
なお、これまで説明した実施の形態は、ゴルフクラブのスウィング動作を利用者の反復動作の例として説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。すなわち、たとえば、音楽に合わせて身体を動かすダンス(舞踊)の振り付け動作や、部品の供給に合わせて物品を製造する工場での組み立て作業動作など、利用者が同じ動作を繰り返して行うものであれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明にかかるトレーニングシステムの実施の形態を示す模式図である。
【図2】上記システム内に記憶される画像情報の例を示す模式図である。
【図3】利用者に反復動作させるための可動部の駆動時に上記システムが受信した駆動信号の受信時刻と、利用者の反復動作の関係を示す模式図である。
【図4】上記駆動信号と、上記システム内の選択装置が供給する選択信号との関係を示す模式図である。
【図5】上記駆動信号と選択信号と抽出される画像情報の関係を示す模式図である。
【図6】上記駆動信号と選択信号と抽出される画像情報の別の関係を示す模式図である。
【図7】上記システムによる情報処理の例を示すシーケンス図である。
【図8】上記システムによる情報処理の別の例を示すシーケンス図である。
【図9】上記システムによる情報処理のさらに別の例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0090】
B ゴルフボール
C ゴルフクラブ
U 利用者
10 制御部
11 可動部(ボール供給装置)
20 撮影部(カメラ)
30 記憶部
40 計時部
48 抽出部
50 出力部
60 選択装置
71 表示部(ディスプレイ)
72 表示部を備える通信端末(携帯電話機)
110 トレーニングシステム用装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に反復動作させるための可動部を備えたトレーニングシステムであって、
上記可動部を駆動制御する制御手段と、
利用者の反復動作を連続撮影する撮影手段と、
上記撮影手段により連続撮影された画像情報を記憶する第1記憶手段と、
上記可動部の駆動に応じて上記制御手段から供給される駆動信号に基づいて、上記第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された画像情報を記憶する第2記憶手段と、
上記第2記憶手段に記憶されている画像情報を出力する出力手段と、
を有してなることを特徴とするトレーニングシステム。
【請求項2】
利用者の反復動作の各動作を検出するセンサをさらに備え、
「上記制御手段から受信した駆動信号に基づいて、上記第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段」
に代えて
「利用者の反復動作の各動作を検出した際にセンサから供給される検出信号に基づいて、上記第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する抽出手段」
とした請求項1記載のトレーニングシステム。
【請求項3】
利用者に操作された際に選択信号を供給する選択手段をさらに備え、
抽出手段は、制御手段から供給される駆動信号と、上記選択手段から供給される選択信号とに基づいて、第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する、
請求項1記載のトレーニングシステム。
【請求項4】
第1記憶手段には、撮影手段により連続撮影された画像情報が撮影時刻と共に記憶されていて、
抽出手段は、駆動信号の供給時刻と上記撮影時刻とに基づいて、画像情報を抽出する、
請求項1記載のトレーニングシステム。
【請求項5】
利用者に操作された際に選択信号を供給する選択手段をさらに備え、
抽出手段は、駆動信号の供給時刻と上記選択信号の供給時刻と第1記憶手段に記憶されている撮影時刻とに基づいて、この第1記憶手段に記憶されている画像情報の一部を抽出する、
請求項4記載のトレーニングシステム。
【請求項6】
利用者に操作された際に選択信号を供給する選択手段をさらに備え、
第1記憶手段には、撮影手段により連続撮影された画像情報が撮影時刻と共に記憶されていて、
抽出手段は、選択信号の供給があったとき、この選択信号の供給直前の駆動信号の供給時刻からこの選択信号の供給直後の駆動信号の供給時刻までの時間帯の撮影時刻と関連付けて記憶されている画像情報を第1記憶手段から抽出する、
請求項1記載のトレーニングシステム。
【請求項7】
駆動信号の供給時刻を特定する手段をさらに備えた、請求項4乃至6のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項8】
第2記憶手段に記憶されている複数の画像情報を比較して、各画像情報に含まれる共通動作を特定し、この特定された共通動作を含む画像情報を出力する手段、
をさらに備えた、
請求項1乃至7のいずれかに記載のトレーニングシステム。
【請求項9】
利用者に反復動作させるための可動部を駆動制御する制御手段と、利用者の反復動作を連続撮影する撮影手段のそれぞれと接続した装置であって、
上記可動部の駆動に応じて上記制御手段から供給される駆動信号に基づいて、上記撮影手段により連続撮影された画像情報の一部を抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された画像情報を記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶されている画像情報を出力する手段と、
を有してなることを特徴とするトレーニングシステム用装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項9記載のトレーニングシステム用装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−34360(P2009−34360A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201495(P2007−201495)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(504251333)エヌ・ティ・ティジーピー・エコ株式会社 (13)