説明

トロイダル型無段変速機

【目的】 潤滑油がスラスト転がり軸受34a全体に行きわたる様にして、著しい摩耗や焼き付きの発生を防止する。
【構成】 外輪37に形成した給油孔40から保持器36aに向けて潤滑油を吐出する。保持器36aの内外両面には凹溝42、42を、ポケット38を横切る状態で形成している。給油孔40から吐出された潤滑油は、前記各凹溝42、42を通じて流れる為、潤滑油が保持器36aの内外両面に行きわたる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図14〜15に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が、研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内面、或はこのケーシング内に設けられた支持ブラケットには、前記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6が設けられている。
【0003】
各トラニオン6、6は、両端部外側面に前記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させる事により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン6、6に支持された変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、各パワーローラ8、8を、前記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。
【0004】
入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧形の凹面をなしている。そして、球面状の凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面8a、8aは、前記内側面2a、4aに当接させている。
【0005】
前記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、前記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成されている。前記カム板10の片側面(図14〜15の左側面)
には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面13を形成し、又、前記入力側ディスク2の外側面(図14〜15の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、前記複数個のローラ12、12を、前記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0006】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13によって複数個のローラ12、12が、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧される。この結果、前記入力側ディスク2が、前記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、前記1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との噛合に基づいて、前記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0007】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図14に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。
【0008】
反対に、増速を行なう場合には、前記トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図15に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を、図14と図15との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得る事が出来る。
【0009】
更に、図16は、実願昭61−87523号(実開昭62−199557号)
のマイクロフィルムに記載されたトロイダル型無段変速機で、自動車用変速機として、より具体化した構造を示している。エンジンのクランク軸の回転は、クラッチ15を介して入力軸16に伝達され、この入力軸16の中間部にスプライン係合したカム板10を回転させる。そして、このカム板10を含んで構成される押圧装置9の作動により、入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け図16で左方に押圧しつつ、回転させる。入力側ディスク2の回転は、パワーローラ8、8によって出力側ディスク4に伝達される。
【0010】
この出力側ディスク4は前記入力軸16の周囲に、ニードル軸受17により支持され、この出力側ディスク4と一体に形成された円筒状の出力軸18は、ハウジング19の内側に、アンギュラ型の玉軸受20により支持されている。一方、前記入力軸16の一端(図16の右端)は前記ハウジング19の内側にころ軸受21により、他端は前記ハウジング19の内側にアンギュラ型の玉軸受22によりスリーブ23を介して、それぞれ回転自在に支持されている。
【0011】
前記出力軸18の外周面には、駆動側前進ギヤ24と駆動側後退ギヤ25とを一体とした伝達ギヤ26が、スプライン係合している。車両の前進時にはこの伝達ギヤ26を右行させて、前記駆動側前進ギヤ24と、取り出し軸27の中間部に設けた従動側前進ギヤ28とを直接噛合させ、後退時には前記伝達ギヤ26を左行させて、前記駆動側後退ギヤ25と、前記取り出し軸27の中間部に固定した従動側後退ギヤ29とを、図示しない中間ギヤを介して噛合させる。
【0012】
上述の様に構成される、トロイダル型無段変速機の使用時には、エンジンによりクラッチ15を介して入力軸16を回転させ、前記伝達ギヤ26を適宜の方向に移動させれば、前記取り出し軸27を任意方向に回転させる事ができる。又、各トラニオン6、6を揺動させて、各パワーローラ8、8の周面8a、8aと、入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4aとの接触位置を変えれば、前記入力軸16と取り出し軸27との回転速度比を変える事ができる。
【0013】
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、前記押圧装置9の作動に基づき、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け押圧する。この結果、押圧装置9を構成するカム板10を支持した入力軸16には、図16で右方向のスラスト荷重が、上記押圧に基づく反力として加わる。このスラスト荷重は、前記入力軸16の端部に螺合したナット30と前記スリーブ23とを介して、前記玉軸受22により支承される。又、押圧装置9の作動により前記出力軸18には、図16で左方向のスラスト荷重が、入力側、出力側両ディスク2、4とパワーローラ8、8とを介して加わる。このスラスト荷重は、前記出力軸18に外嵌したストップリング33を介して、前記玉軸受20により支承される。
【0014】
尚、図16で31はエンジンブレーキ用クラッチ、32は直結用クラッチであるが、これらの構造及び作用に就いては、前記マイクロフィルムに詳しく記載されており、又、本考案の要旨とも関係しないので、詳しい説明は省略する。
【0015】
又、上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、前記入力軸16及び出力軸18にスラスト荷重が加わる他、前記各パワーローラ8、8にも、スラスト荷重が加わる。この為、これら各パワーローラ8、8と前記各トラニオン6、6との間にスラスト転がり軸受34、34を設けて、これら各パワーローラ8、8に加わるスラスト荷重を支承する様に構成している。
【0016】
これら各スラスト転がり軸受34、34はそれぞれ、複数の転動体35、35と、これら複数の転動体35、35を転動自在に保持する為の保持器36と、外輪37とから構成されている。前記複数の転動体35、35は、軸受鋼、或はセラミックにより、球状、或はテーパころ状に形成されている。この様な転動体35、35は、前記各パワーローラ8、8の外端面に形成された軌道面と、前記外輪37の片面に形成された軌道面とに転接する。又、前記保持器36は、金属或は合成樹脂により円輪状に造られており、直径方向中間部で円周方向等間隔位置に形成したポケット38、38に、前記転動体35、35を、1個ずつ転動自在に保持している。更に、軸受鋼、或はセラミック等により円輪状に造られた外輪37、37は、やはり円輪状に形成されたスペーサ39(次述する図17参照)
を介して、前記各トラニオン6の内側面に突き当てられている。
【0017】
トロイダル型無段変速機の運転時に、この様なスラスト転がり軸受34、34は、前記各パワーローラ8、8に加わるスラスト荷重を支承しつつ、高速で回転する。従って、トロイダル型無段変速機の運転時に、前記各スラスト転がり軸受34、34には、十分な量の潤滑油を供給しなければならない。
【0018】
この為従来から、図17に示す様に、前記外輪37の一部に1乃至複数の給油孔40、40を形成し、トロイダル型無段変速機の運転時には、これら各給油孔40、40内に潤滑油を強制的に送り込む様にしていた。各給油孔40、40内に強制的に送り込まれた潤滑油は、前記外輪37の内面と前記保持器36の外面との間の隙間、並びにこの保持器36の内面と前記パワーローラ8の外端面との間の隙間を通じて流れ、その間に前記複数の転動体35、35の転動部分を潤滑する。
【0019】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の様な構造によりスラスト転がり軸受34、34に潤滑油を送り込む構造の場合には、部分的に潤滑油の供給が不足する場合が考えられる。即ち、図18(A)に示す様に、保持器36が外輪37の内面とパワーローラ8の外端面との中間に位置すれば、前記外輪37の内面と前記保持器36の外面との間の隙間、並びにこの保持器36の内面と前記パワーローラ8の外端面との間の隙間の何れにも潤滑油が流れる為、特に問題を生じない。
【0020】
ところが、前記外輪37に形成した給油孔40から保持器36の外面に向けて潤滑油を吐出すると、この潤滑油の流れに押されて前記保持器36が、図18(B)に示す様に、パワーローラ8側に変位する傾向となる。この様な変位に基づき、前記保持器36の内面と前記パワーローラ8の外端面とが密接すると、この外端面に形成した軌道面と各転動体35の転動面との当接部に十分量の潤滑油が存在しない状態となる。
【0021】
この結果、前記パワーローラ8外端面の軌道面と各転動体35の転動面との当接部での摩耗量が増大したり、著しい場合には当該当接部が焼き付く恐れがある。本考案のトロイダル型無段変速機は、この様な不都合を解消すべく考案したものである。
【0022】
【課題を解決する為の手段】
本考案のトロイダル型無段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同様に、回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内側面同士を互いに対向させた第一、第二のディスクと、前記第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに植設された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第一、第二の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備えている。そして、前記第一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と前記内側面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器とを備えたものである。
【0023】
特に、本考案のトロイダル型無段変速機に於いては、前記保持器は、円輪状の主体と、それぞれがこの主体の直径方向中間部に形成されて、その内側に前記転動体を転動自在に保持する複数のポケットと、このポケットを横切る状態で、前記主体の内周縁と外周縁との間に設けられた潤滑油流路とを備えている。
【0024】
【作用】
上述の様に構成される本考案のトロイダル型無段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同様の作用に基づき、回転軸と回転伝達部材との間で回転力の伝達を行ない、更にこれら回転軸と回転伝達部材との回転速度比を変える。
【0025】
特に、本考案のトロイダル型無段変速機の場合、スラスト転がり軸受を構成する保持器が軸方向に変位して、この保持器の片面とこの片面が対向する面とが密接した場合でも、各転動体を保持したポケット内には十分な量の潤滑油が、潤滑油流路を通じて流れる。この結果、前記スラスト転がり軸受の一部が著しく摩耗したり、或は焼き付いたりする危険性を低くできる。
【0026】
【実施例】
図1〜4は、本考案の第一実施例を示している。尚、本考案のトロイダル型無段変速機の特徴は、パワーローラ8に加わるスラスト荷重を支承する為のスラスト転がり軸受34aの潤滑性を向上させる部分にあり、その他の構成及び作用は、前述した従来構造と同様である。よって、重複する説明を省略し、本考案の特徴部分を中心に説明する。
【0027】
保持器36aの主体41は、合成樹脂、或は銅等の金属により円輪状に造られている。この主体41の直径方向中間部で、円周方向複数個所にはポケット38を、保持すべき転動体35の形状に合わせて形成している。又、上記主体41の内外両面には凹溝42、42を、この主体41の直径方向に亙り、前記各ポケット38を横切る状態で形成している。本実施例の場合には、これら各凹溝42、42が、前記主体41の内周縁と外周縁との間に設けられた潤滑油流路を構成する。
【0028】
上述の様に構成される本考案のトロイダル型無段変速機の場合、外輪37に形成した給油孔40から吐出する潤滑油の勢い等により、スラスト転がり軸受34aを構成する保持器36aが軸方向に変位して、図4に示す様に、この保持器36aの内面とパワーローラ8の外端面とが密接した場合でも、各転動体35を保持したポケット38内には十分な量の潤滑油が、前記各凹溝42、42を通じて流れる。
【0029】
この結果、前記パワーローラ8の外端面に形成した軌道面と転動体35の転動面との当接部に存在する潤滑油が不足する事もなく、前記スラスト転がり軸受34aの一部が著しく摩耗したり、或は焼き付いたりする危険性を低くできる。
【0030】
次に、図5〜8は本考案の第二実施例を示している。本実施例の場合には、保持器36bを構成する主体41の内周縁で、この主体41の内外両面に形成した凹溝42、42の端部に整合する部分に、切り欠き43を形成している。外輪37の給油孔40から吐出した潤滑油が、この切り欠き43を通じて前記主体41の内面側に向けて円滑に流れる。従って、パワーローラ8の外端面に形成した軌道面と転動体35の転動面との当接部に存在する潤滑油をより十分に確保できる。
【0031】
次に、図9〜11は本考案の第三実施例を示している。本実施例の場合には、保持器36cを構成する主体41の一部内周部分で、ポケット38と整合する位置に、このポケット38と前記主体41の内周縁とを連通させるスリット44を形成し、このスリットを潤滑油通路の一部としている。前記主体41の一部外周部分で、前記ポケット38と整合する位置には、前記潤滑油通路の残部を構成する凹溝42、42を構成している。本実施例の場合も、外輪37の給油孔40から吐出した潤滑油を前記主体41の内面側に向け円滑に流して、パワーローラ8の外端面に形成した軌道面と転動体35の転動面との当接部に存在する潤滑油をより十分に確保できる。
【0032】
次に、図12は本考案の第四実施例を示している。本実施例の場合には、保持器36dを構成する主体41の内外両面に、この主体41の直径方向に対し傾斜した凹溝42aを形成している。トロイダル型無段変速機の定常運転時(自動車用変速機の場合には自動車の前進時)に前記保持器36dは、図12に矢印で示す方向に回転して、前記凹溝42aが主体41の内径側に存在する潤滑油を掻き込む。従って、スラスト転がり軸受内部への潤滑油の供給量を十分に確保できる。
【0033】
次に、図13は本考案の第五実施例を示している。本実施例の場合には、保持器36eを構成する主体41の内外両面に、この主体41の直径方向に対し互いに逆方向に傾斜した凹溝42a、42bを形成している。従って、トロイダル型無段変速機が何れの方向に運転された場合にも、何れかの凹溝42a、42bが主体41の内径側に存在する潤滑油をに掻き込む。この結果、運転方向に関係なく、スラスト転がり軸受内部への潤滑油の供給量を十分に確保できる。
【0034】
【考案の効果】
本考案のトロイダル型無段変速機は、以上に述べた通り構成され作用して、パワーローラに付属のスラスト転がり軸受の潤滑性を向上させる為、このスラスト転がり軸受を組み込んだトロイダル型無段変速機の信頼性並びに耐久性を向上させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す、保持器の部分平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図2の右方から見た図。
【図4】図1〜3の保持器を組み込んだスラスト転がり軸受部分を示す、図17のB部に相当する図。
【図5】本考案の第二実施例を示す、保持器の部分平面図。
【図6】図5のC−C断面図。
【図7】図6の右方から見た図。
【図8】図5〜7の保持器を組み込んだスラスト転がり軸受部分を示す、図17のB部に相当する図。
【図9】本考案の第三実施例を示す、保持器の部分平面図。
【図10】図9のD−D断面図。
【図11】図10の右方から見た図。
【図12】本考案の第四実施例を示す、保持器の部分平面図。
【図13】同第五実施例を示す、保持器の部分平面図。
【図14】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図15】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図16】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図17】スラスト転がり軸受並びにその潤滑装置部分の断面図。
【図18】図17に示した装置で潤滑が良好に行なわれる状態と潤滑不良になる状態とを示す、図17のB部拡大図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8 パワーローラ
8a 周面
9 押圧装置
10 カム板
11 保持器
12 ローラ
13、14 カム面
15 クラッチ
16 入力軸
17 ニードル軸受
18 出力軸
19 ハウジング
20 玉軸受
21 ころ軸受
22 玉軸受
23 スリーブ
24 駆動側前進ギヤ
25 駆動側後退ギヤ
26 伝達ギヤ
27 取り出し軸
28 従動側前進ギヤ
29 従動側後退ギヤ
30 ナット
31 エンジンブレーキ用クラッチ
32 直結用クラッチ
33 ストップリング
34、34a スラスト転がり軸受
35 転動体
36、36a、36b、36c、36d、36e 保持器
37 外輪
38 ポケット
39 スぺーサ
40 給油孔
41 主体
42、42a、42b 凹溝
43 切り欠き
44 スリット

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内側面同士を互いに対向させた第一、第二のディスクと、前記第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに植設された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記第一、第二の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラと前記トラニオンとの間に設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト転がり軸受とを備え、前記第一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面と前記内側面とが互いに当接しており、前記スラスト転がり軸受は、複数の転動体と、この複数の転動体を転動自在に保持する保持器とを備えたものであるトロイダル型無段変速機に於いて、前記保持器は、円輪状の主体と、それぞれがこの主体の直径方向中間部に形成されて、その内側に前記転動体を転動自在に保持する複数のポケットと、このポケットを横切る状態で、前記主体の内周縁と外周縁との間に設けられた潤滑油流路とを備えている事を特徴とするトロイダル型無段変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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