説明

トロリーホイール用のジャーナル軸受

トロリーホイールアセンブリ(210)は、ハブ部(214)の周りに回転可能に配置されるホイール部(212)と、ホイール部およびハブ部間に配置される少なくとも1つの摺動部材(217)とを含む。摺動部材は、ホイール部および/またはハブ部のほぼ対応して形成された合わせ面と合わせ合う合わせ面を画定する。摺動部材の合わせ面は、摺動部材にわたって少なくとも概ね円周方向に半径方向突出部(217a)を画定する。半径方向突出部は、ホイール部および/またはハブ部のほぼ対応して形成された合わせ面と摺動可能に合わせ合い、ハブ部の周りでのホイール部の回転を容易にする。ホイールアセンブリは、対応して形成された合わせ面を画定するとともに、摺動部材とホイール部またはハブ部との間に配置されることにより、ホイールアセンブリの製造および組み立てを容易にする、1つまたは複数のインサート(216a、216b)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、包括的にはトロリーホイールアセンブリに関し、特に、悪環境での使用に適したトロリー用のホイールアセンブリに関する。
【0002】
[発明の背景]
コンベヤトロリーは通常、各トロリーホイールアセンブリのホイールとハブとの間に、ハブおよびトロリーアームに対するホイールの滑らかな概ね低摩擦の転動を可能にする軸受を有する。しかしながら、軸受は通常、潤滑を必要とし、塗装プロセス中にホイールアセンブリおよびトロリーが移動する際に、オイルまたは潤滑剤が軸受からにじみ出るか漏れるかまたは滴る場合、各種塗装プロセスを汚染する可能性がある。また、塗装前洗浄作業等は通常、軸受内の潤滑剤を分解する(breakdown)場合がある強苛性(highly caustic)物質または溶液を用いるため、軸受が早期に故障する。
【0003】
従来のジャーナル軸受は、通常の転がり軸受に伴う問題をなくすために実施することができる。しかしながら、このようなジャーナル軸受は通常、高摩擦のアセンブリであるため、コンベヤシステムに沿ってホイールを滑らかに低摩擦で転動させることができない。ジャーナル軸受は転がり軸受を含まず、ホイールとハブとの間に高摩擦界面を有するため、このようなジャーナル軸受は、ハブの周りでホイールを滑らかに回転させるために潤滑剤を必要とすることが多い。
【0004】
したがって、従来技術の欠点を克服するトロリーホイールアセンブリが、当該技術分野で必要とされる。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、ハブの周りでトロリーホイールを低摩擦で転動させ、かつ悪環境での使用に適するように高温および苛性洗浄化学物質等に耐えることができる、ベアリングレストロリーホイールアセンブリを提供することが意図される。ベアリングレスホイールアセンブリはまた、潤滑剤を必要としなくてもよいため、使用中に塗装プロセス等を汚染することがない。
【0006】
本発明の一態様によると、コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリは、ハブ部の周りに回転可能に配置されるホイール部と、ホイール部およびハブ部間に配置される少なくとも1つの摺動部材とを備える。摺動部材は、ホイール部およびハブ部の少なくとも一方の、ほぼ対応して形成された合わせ面(mating surface)と合わせ合う(mate)、少なくとも1つの合わせ面を画定する。摺動部材の合わせ面は、摺動部材にわたって少なくとも概ね円周方向に半径方向突出部または突起を画定する。半径方向突出部は、ホイール部および/またはハブ部のほぼ対応して形成された合わせ面と摺動可能に合わせ合い、ハブ部の周りでのホイール部の回転を容易にする。
【0007】
半径方向突出部は、ホイール部および/またはハブ部の対応して湾曲した合わせ面と合わせ合う湾曲半径方向突出部を含んでもよい。摺動部材およびホイール部および/またはハブ部は、摺動部材とホイール部および/またはハブ部との軸方向の整列を維持するようにほぼ対応して形成される。
【0008】
ホイール部および/またはハブ部は、ホイール部および/またはハブ部の対応して形成された合わせ面を画定する少なくとも1つのインサート部を備えてもよい。摺動部材およびインサート部材の一方はプラスチックまたはポリマー材料を含んでもよく、摺動部材およびインサート部材の他方は金属材料を含んでもよく、低摩擦コーティングが施されていてもよい。
【0009】
本発明の別の態様によると、コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリは、ハブ部の周りに回転可能に配置されるホイール部と、それらの間に配置される少なくとも1つの摺動部材とを備える。摺動部材は、摺動部材とホイール部および/またはハブ部との間に低摩擦係数界面を提供する。摺動部材は、別の摺動部材および/またはハブ部および/またはホイール部のほぼ対応して形成された部分と係合して、ホイールアセンブリをまとめて軸方向に保持し、かつホイールアセンブリの軸方向荷重(アキシアル荷重)および/または半径方向荷重(ラジアル荷重)下での滑らかな動き(performance)を維持するために、ほぼ円形または他の形の丸形または湾曲断面部、あるいは凹凸または半径方向突起部を有してもよい。
【0010】
1つまたは複数の摺動部材は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、金属材料、エンジニアリング熱可塑性材料等のポリマーまたはプラスチック材料、セラミック材料、フルオロカーボン材料および/または同様のもの等、任意の適切な耐久性のある低摩擦材料を含むことができる。
【0011】
一形態では、ホイールアセンブリの摺動部材は、ポリマー摺動部材と、ポリマー摺動部材およびホイールまたはハブ部間に配置される金属摺動部材とを備える。ポリマー摺動部材および金属摺動部材は、ほぼ円形または他の形の丸形の、あるいは湾曲した長手方向断面を有するように対応して形成され、摺動部材の一方の丸形部が他方の摺動部材の対応して形成された丸形溝または溝路と係合するようにする。金属摺動部材は、ダイヤモンドライクコーティング等のような低摩擦係数すなわちスリック(slick)コーティングでコーティングすることにより、ホイールアセンブリのポリマー摺動部材および/またはハブ部および/またはホイール部に対する金属摺動部材の摺動運動を改善することができる。
【0012】
本発明の別の態様によると、コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリは、ハブ部の周りに回転可能に配置されるホイール部と、ホイール部およびハブ部間に配置される摺動アセンブリとを備える。摺動アセンブリは、ホイール部がハブ部の周りで回転する際に互いに摺動可能に係合する、第1の摺動部材および第2の摺動部材を備える。摺動部材は、間に環状摺動界面を画定し、摺動界面において、ホイール部がハブ部の周りで回転する際に摺動部材間の軸方向運動を制限するために丸形または湾曲または軸方向凹凸摺動界面を画定するように、対応して形成される。
【0013】
摺動部材の少なくとも一方は、半径方向外方または内方に突起するとともに、他方の摺動部材および/またはハブ部および/またはホイール部の対応して形成された部分または溝または溝路と係合して、ホイールアセンブリをまとめて保持し、摺動部材同士の、またホイール部とハブ部との軸方向の整列を維持し、したがってホイールアセンブリの軸方向推力または荷重および/または半径方向荷重下で滑らかな動きを維持する、丸形または湾曲断面部を有することができる。
【0014】
場合によっては、摺動アセンブリの摺動部材の一方は、ダイヤモンドライクコーティング(DLC)等のような低摩擦係数すなわちスリックコーティングでコーティングすることにより、互いおよび/またはホイール部またはハブ部に対する当該部分の摺動運動を改善し、したがってハブ部の周りでのホイール部の回転を改善することができる。
【0015】
摺動部材の一方はプラスチックまたはポリマー材料から成ってもよく、他方の摺動部材あるいはホイールまたはハブ部は金属材料から成ってもよい。一形態では、プラスチック摺動部材は、内側ポリマー部と外側ポリマー部とを備えることができ、それにより、内側ポリマー部はハブ部に隣接して配置されるとともにハブ部と係合することができ、外側ポリマー部はホイール部に隣接して配置されるとともにホイール部と係合する。金属摺動部材は、ほぼトロイダル(toroidal)形状のリングまたは部分的にトロイダル形状のリング等のような金属リング等を含んでもよく、内側ポリマー摺動部材と外側ポリマー摺動部材との間に配置されて、これらと摺動可能に係合してもよい。
【0016】
別の形態では、ポリマー摺動部材はハブ部に隣接して配置されてもよく、金属摺動部材はホイール部に隣接して配置されてポリマー摺動部材と摺動可能に係合することにより、ハブ部の周りでのホイール部の回転を促してもよい。あるいは、金属摺動部材がハブ部に隣接して配置されてもよく、ポリマー摺動部材がホイール部に隣接して配置されて金属摺動部材と摺動可能に係合することにより、ハブ部の周りでのホイール部の回転を促してもよい。プラスチックまたはポリマーおよび/または金属(または他の適当な材料の)摺動部材の他の構成は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに実施することができる。
【0017】
別の形態では、摺動部材は、両方が金属材料から成ってもよく、または両方がポリマー材料等から成ってもよい。セラミック材料、フルオロカーボン材料および/または同様のもの等の他の適当な材料を、摺動アセンブリの摺動部材の片方または両方に用いることができ、このような材料は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、十分に耐久性があり十分に低い摩擦係数を有する磨耗または摺動界面を提供する。場合によっては、摺動部材の1つまたは複数が、摺動部材間、および/またはホイールアセンブリの摺動部材とホイール部またはハブ部との間に低摩擦係数磨耗面を提供する、エンジニアリング熱可塑性プラスチック材料等から成ってもよい。
【0018】
したがって、本発明は、軸受または潤滑剤を必要とせずに、ホイールアセンブリのハブ部に対するホイール部の回転を改善させる、ベアリングレストロリーホイールアセンブリを提供する。ホイールアセンブリの1つまたは複数のプラスチックおよび/または金属摺動部材は、ハブ部の周りでホイール部を滑らかに回転させるように互いに滑らかに摺動係合する。1つまたは複数の摺動部材の低摩擦係数選択材料は、部品間の摺動をさらに改善することができ、低摩擦係数コーティングを施して摺動係合を改善することもできる。摺動部材は、互いにまたはホイールアセンブリのハブ部またはホイール部に対応して形成される。1つまたは複数の摺動部材は、別の摺動部材またはハブ部またはホイール部の対応して形成された溝路または溝または凹凸合わせ面内に沿って係合して、ハブ部とのホイール部の整列を維持し、かつハブ部の周りでホイール部を滑らかに回転させるために、ほぼ円形または部分円形、または他の形の湾曲または凹凸断面または合わせ面等の、半径方向突起、あるいは軸方向凹凸また長手方向凹凸または湾曲合わせ面を画定する。
【0019】
本発明のこれらおよび他の目的、利点、目標、および特徴は、図面とともに以下の明細書を読めば明らかとなるであろう。
【0020】
[好ましい実施形態の説明]
次に、図面および図面に示す例示的な実施形態を参照すると、トロリーホイールアセンブリ10は、金属ホイール部12と、金属または鋼ハブ部14と、ホイール部12およびハブ部14間に配置される、すなわち挟まれるプラスチックジャーナル軸受部材16とを備える(図1および図2)。プラスチックジャーナル軸受16は、ホイールアセンブリ10のハブ部14に対してホイール部12を滑らかに低摩擦転動させる、エンジニアリング熱可塑性低摩擦化合物または材料から成る。
【0021】
図2に示すように、ホイールアセンブリ10は、ボルトオンホイール・トロリー構造体(construction)の一部であってもよく、この場合、ホイールアセンブリ10がボルトまたは他の締結具20を介してトロリーアーム18に締め付けられる。したがって、ハブ部14がアーム部18に固定されることにより、ホイールアセンブリ10およびアーム18がトロリーコンベヤシステムのIビーム22等に沿って移動する際に、ホイール部12はハブ部14の周りで回転する。場合によっては、図3に示すように、本発明のホイールアセンブリは、スエージホイール・トロリー(swaged wheel to trolley)構造体の一部であってもよく、この場合、トロリーアーム18’が、ハブ部14の対応して形成された領域14aと係合するフレア状部18a’を介してハブ部14に固定される。本発明の範囲に影響を及ぼさずに、ホイールアセンブリをトロリーアームに接続する他の手段を実施することができる。
【0022】
プラスチックジャーナル軸受16は、複合繊維および固体潤滑剤を混ぜ合わせてできた(alloyed)熱可塑性基材(base)を用いて形成される、エンジニアリング熱可塑性化合物等のポリマー材料から成る。プラスチック材料は、アルカリおよびほとんどの有機および無機溶液に耐性があるため、苛性洗浄溶液等との接触に耐えることができる。軸受材料は、連続では約−40℃〜93℃(−40°F〜200°F)の温度定格を有し、間欠定格は最大約121℃(250°F)以上である。場合によっては、材料は、約232℃(450°F)を超えることができる材料等、高温が可能であるように選択することができる。したがって、プラスチック軸受材料は、金属ホイール部12とジャーナル軸受16との間、および/または金属ハブ部14とジャーナル軸受16との間を低摩擦で摺動接触させて、ホイールアセンブリ10のハブ14の周りでホイール部12を滑らかに回転させる。プラスチック軸受材料は、特定のトロリーおよびトロリーコンベヤアセンブリの用途に応じて、トロリーホイールアセンブリが受ける可能性がある種々の悪影響に耐えることができるようにすることもできる。
【0023】
ホイールアセンブリ10はさらに、プラスチックスラスト軸受24と、金属ホイール部12をハブ部14と整列させて保持する機能を果たす鋼または金属座金26とを含む。図1において見ることができるように、ハブ部14は、半径方向外方に延びるフランジまたはリング14bを含み、ホイール部12は、ホイール部12とハブ部14のリング14bとの間にプラスチックジャーナル軸受16のフレア状リング部16aを受け入れる、リセス領域12aを含む。ホイール部12は、スラスト軸受24を内部に受け入れる別のリセス12bもリセス12aの反対側に含み、スラスト軸受24は、ホイール部12およびプラスチックジャーナル軸受16をハブ部14のフランジまたはリング14bに押し付けて、部品をまとめて保持する。次に、座金26がハブ部14およびスラスト軸受24に押し当たって、ハブ部14の周りの全ての部品をさらに保持する。
【0024】
場合によっては、ホイール部12およびハブ部14は、金属部品を備えてもよく、低摩擦コーティング等でコーティングすることにより、少なくとも合わせ面または磨耗面12c、14cにおいて部品の低摩擦係数面を提供することができ、合わせ面または磨耗面12c、14cは、ホイール部12がハブ部14の周りで回転する際にプラスチックジャーナル軸受16と可動係合することができる。例えば、ハブ部およびホイール部は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、テフロン(登録商標)タイプの材料または硬質炭素またはダイヤモンドライクコーティング(DLC)または材料、あるいは任意の他の耐久性のある低摩擦係数材料またはスリック材料で処理されてもよい。低摩擦コーティングは、ドリルビット、タブ、および他の切削工具等での使用が既知であるような、DLCコーティング等の耐久性のある低摩擦タイプのコーティングまたは面を含むことができる。このような低摩擦係数プラスチック材料および/または低摩擦係数コーティングが合わせ磨耗面にあると、部品間の相対可動性が高まるとともに、使用中の部品の磨耗が低減する。低摩擦係数面および/またはコーティングは、ハブ部14の周りでのホイール部12の滑らかな回転を維持するために、部品間にオイルまたはグリース等の任意の液体潤滑剤が必要となる可能性も低減する。
【0025】
次に、図4および図4Aを参照すると、本発明によるトロリーホイールアセンブリ110は、外側金属または鋼ホイール部112と、金属または鋼ハブ部114と、ホイール部112およびハブ部114間に配置される、すなわち挟まれる摺動アセンブリまたはジャーナル軸受アセンブリ116とを含む。ジャーナル軸受アセンブリ116は、内側インサートまたは摺動部材116aと、外側インサートまたは摺動部材116bと、内側インサート116aおよび外側インサート116b間に配置される、すなわち挟まれるインサートまたは部分または摺動部材117とを含む。例示的な実施形態では、内側インサート116aおよび外側インサート116bはプラスチックまたはポリマー材料から成り、摺動部材117は金属材料から成る。
【0026】
図4に見られるように、摺動部材117は、一対の逆方向に湾曲した金属プレートまたはリング117a、117bを含み、これらは互いに固定されることができ、かつ隆起部または半径方向突起または半径方向突起部117dを有する合わせ面117cを画定する。隆起部または半径方向突起または半径方向突起部117dは、ほぼ円形または丸形または湾曲断面を有するリング形インサートまたは部分を画定する(図4に見られるように、湾曲または円形断面は、ホイールアセンブリの中心線すなわち軸119に沿って軸方向すなわち長手方向に取ったものであり、湾曲または凹凸部は、部分ごとに(therealong)異なる半径を有する合わせ面により画定される)。摺動部材117の逆方向に湾曲した半径方向突起または部分117dは、開口を有する中空のリング部117eを画定する。リング117a、117bの半径方向隆起または突起部117dは、半径方向外方および内方に延び、すなわち突起し、インサート116a、116bの対応して形成された合わせ面と係合し、プラスチックインサート部116a、116bにわたって円周方向に対応して形成された環状リセスまたは溝または半径方向突起または窪み内に嵌まる。図4において見ることができるように、リング117a、117bは、リング117a、117bに沿って長手方向に変化する半径により画定されることができ、半径方向突起117dは、リング117a、117bの両端よりも大きいかまたは小さい半径により画定される。インサート116a、116bは同様に、部分ごとに異なる半径により画定され、リング117a、117bの合わせ面にほぼ対応する合わせ面を画定する。摺動部117a、117bの合わせ面117cおよび逆方向湾曲部117dと、内側および外側インサート116a、116bとの係合または摺動界面は、内側プラスチックインサート部116aおよびハブ部114に対して外側インサート部116bおよびホイール部112を軸方向に保持し、かつホイールアセンブリを滑らかに動作させる機能を果たす。
【0027】
インサート116aおよび116bは、各ハブ部114およびホイール部112とそれぞれ固定、接着または接合、あるいは他の方法で固着することができ、リング部117a、117bは、摺動界面に沿って各プラスチックインサート116a、116bと摺動可能に係合しすることにより、ハブ部114の周りでのホイール部112の回転を容易にする。図4において見ることができるように、インサート116a、116bの一方または両方は、ホイールアセンブリの両端または両端付近に両端部またはリングを有する、2ピースインサートアセンブリを含むことができる。インサート部116a、11bの2ピース構造は、ハブ部の周りおよびホイールアセンブリのハブ部とホイール部との間で、摺動アセンブリまたはジャーナル軸受アセンブリ116を容易に組み立てることを可能にする。例えば、各インサートの端部の一方を各ホイール部およびハブ部に配置することができ、ホイール部をハブ部の周りに配置することができる。次に、半径方向突起部がインサートの端部により画定される半円形リセス内にある状態で、摺動部117a、117bを端部間に配置する。インサート116a、116bの他方の端部は、第1の端部に隣接して配置することができ、ホイール部またはハブ部に固定または接着または押し当てまたは別の方法で配置して、ホイール部とハブ部との間の所定位置に摺動部材117a、117bを保持することができる。
【0028】
場合によっては、摺動部117a、117bは金属材料から成ってもよく、ホイールアセンブリ10に関して上述した低摩擦コーティングと同様の低摩擦コーティング等で(少なくとも、インサート116a、116bと係合するかまたは合わせ面117cを)コーティングすることができる。場合によっては、部分またはインサート116a、116bは、ジャーナル軸受16に関して上述したような低摩擦係数熱可塑性材料から成ってもよい。摺動インサートまたは部分117は、鋼、青銅、または任意の他の適当な金属材料等の金属材料から成るものとして図示および説明されているが、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、ポリマー材料、セラミック材料、フルオロカーボン材料および/または同様のもの等、十分な耐久性を有するとともに十分な低摩擦面を提供する他の適当な材料から成ってもよい。同様に、インサートまたは部分116a、116bは、プラスチック材料から成るものとして図示および説明されているが、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、金属材料、セラミック材料、フルオロカーボン材料、および/または同様のもの等、十分な耐久性を有するとともに十分な低摩擦面を提供する他の適当な材料から成ってもよい(また、低摩擦コーティング等でコーティングまたは処理されてもよい)。
【0029】
丸形または湾曲または他の形で半径方向に突起したリングと、ほぼ対応して形成されたインサートとの合わせ合い係合または摺動界面は、ホイールアセンブリの半径方向荷重および/または軸方向推力または荷重がかかる間、ハブ部上のホイール部の整列を維持する機能を果たす。摺動アセンブリまたはジャーナル軸受アセンブリの長手方向湾曲または凹凸合わせ合い係合は、ホイールアセンブリの動作中に部品が結合すること(binding)なく、滑らかな動きを提供することができる。したがって、ジャーナル軸受アセンブリ116は、荷重状態中に潤滑剤を必要とせずにホイールアセンブリ110を滑らかに動作させることができる。ホイールアセンブリ110は、スラスト座金等の必要をなくすこともできる。
【0030】
図5を参照すると、金属または鋼ホイール部212と、金属または鋼ハブ部214と、ホイール部212およびハブ部214間に挟まれるジャーナル軸受アセンブリまたはインサートまたは摺動部材216とを含む、本発明による別のホイールアセンブリ210が示される。ホイールアセンブリ110と同様に、ホイールアセンブリ210のジャーナル軸受アセンブリ216は、内側インサート部216aと外側インサート部216bとの間に配置される摺動部材またはインサート部またはリング217を含む。
【0031】
摺動部材217は、ほぼ円形または丸形断面を有するとともに半径方向突起合わせ面217aを画定する、ほぼトロイダル形状のリングを備え、半径方向突起合わせ面217aは、内側インサート部216aと外側インサート部216bとの間にわたって円周方向に画定される、対応して形成されたリセスまたは溝または溝路に係合するかまたは合わせ合うかまたは嵌まる。しかしながら、リング部または部材は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、少なくとも1つの半径方向突起または半径方向突起部または延出部を有する、部分円形形態または楕円形形態あるいは他の長手方向湾曲または丸形または非平坦または凹凸形態等、異なる断面形態を有する他の形状のリングを含むことができ、インサート部は、リング部にほぼ均一に係合するように対応して形成される。摺動部材またはリング部217は、金属材料から成ってもよく、低摩擦コーティング(上述のような)でコーティングされてもよく、プラスチックまたはポリマーまたは熱可塑性材料(同様に上述のような)から成ってもよいインサート216a、216bと摺動可能に係合する。インサートまたはインサート部216a、216bは、ハブ部214およびホイール部212それぞれにほぼ動かないように(fixedly)取り付けることができる。場合によっては、インサート部216a、216bは、上述のような低摩擦係数熱可塑性材料から成ってもよい。場合によっては、インサート部および/またはリング部は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、上述のような金属材料、プラスチックまたはポリマー材料、あるいは他の適当な材料から成ってもよい。
【0032】
ホイールアセンブリ210の製造を容易にするために、内側および外側インサート部216a、216bはそれぞれ2つの端部を有することができ、2つのプラスチックインサートの片側すなわち一端同士を組み合わせ、摺動部材またはインサート217がジャーナル軸受アセンブリ216およびホイールアセンブリ210内にわたって(around and within)配置された後で、他方の側を組み合わせるようにすることができる。
【0033】
次に、図6を参照すると、本発明による別のトロリーホイールアセンブリ310は、金属または鋼ホイール部312と、金属または鋼ハブ部314と、ホイール部312およびハブ部314間に配置される、すなわち挟まれるジャーナル軸受アセンブリまたは装置316とを含む。ジャーナル軸受アセンブリ316は、ハブ部314の周りに配置される内側リングインサートまたは部分または摺動部材316a(または、上述のように、ホイールアセンブリの組立てを容易にするために、ハブ部の周りに配置される一対のリングまたはリング部)を含む。リング部316aには、円周方向にわたって、溝またはリセスあるいは半径方向突起または窪み316bが画定される。ほぼ円形または丸形断面を有するほぼトロイダル形状の金属リングまたは摺動部材317が、1つまたは複数のリング316aに沿って溝316b内に配置されるとともに、ホイール部312の対応して形成された溝または半径方向突起部312a内に受け入れられる。対応して形成された溝または半径方向突起部312aは、ホイール部312の内面領域または合わせ面にわたって円周方向に延びることにより、ホイールアセンブリ310のジャーナル軸受アセンブリ316およびハブ部314の周りでホイール部312を保持する。摺動部材またはリング317および溝312aおよび316bは、摺動部材が溝312aと316bとの間に配置されてこれらと係合すると、プラスチックリング316aとホイール部312との間に隙間315ができるようなサイズにすることができ、それにより、摺動部材またはリング317と内側インサートまたはリング316aとの間でハブ部314に対するホイール部312の摺動係合が行われ、ハブ部314およびホイール部312が互いに対して回転する際にこれらの部品が結合するのを制限するかまたは実質的になくすようにする。場合によっては、上述のように、摺動部材またはリング部317は、金属材料から成ってもよく、低摩擦コーティング等でコーティングされてもよく、内側インサートまたは1つまたは複数のリング316aは、低摩擦熱可塑性材料等のようなプラスチックまたはポリマー材料から成ることにより、ハブ部314の周りのホイール部312の転動を改善してもよい。
【0034】
次に、図7を参照すると、本発明によるトロリーホイールアセンブリ410は、金属または鋼ホイール部412と、金属または鋼ハブ部414と、ホイール部412およびハブ部414間に挟まれるジャーナル軸受アセンブリ416とを含む。ジャーナル軸受アセンブリ416は、金属およびプラスチック部品が逆であることを除いて、上述のジャーナル軸受アセンブリ316とほぼ同様の設計である。より詳細には、図7のジャーナル軸受アセンブリ416の金属リング部417は、ハブ部414の周りに1つまたは複数の内側金属リングを含み、プラスチックリング部416aは、ほぼ円形または丸形断面を有するほぼトロイダル形状のプラスチックリングを含む。プラスチックリング部416aは、上述のジャーナル軸受アセンブリ316と同様に、金属リング417の周りに、かつリング417の内側溝417a内に、円周方向に配置される。リング416aの半径方向外方突出部または凹凸合わせ面は、ホイール部412の内側合わせ面にわたって円周方向に形成された外側溝412aに係合する、すなわち受け入れられる。したがって、この摺動係合は、ホイール部412がハブ部414の周りで回転する際に、プラスチックリング416aと金属リング417および/またはホイール部412との間に提供されることができる。場合によっては、ホイール部412、または少なくともホイール部412の内側合わせ面412aは、低摩擦コーティング等でコーティングしてもよく、金属リング417の(少なくとも溝417aに沿った)外側合わせ面も同様に、低摩擦コーティング等でコーティングしてもよい。
【0035】
次に、図8を参照すると、本発明によるトロリーホイールアセンブリ510は、金属または鋼ホイール部512と、金属または鋼ハブ部514と、ホイール部512およびハブ部514間に配置される、すなわち挟まれる摺動アセンブリまたはジャーナル軸受アセンブリ516とを含む。ジャーナル軸受アセンブリ516は、半径方向内方に配置されたリングまたはインサートまたは摺動部材516a(または、上述のように、ジャーナル軸受アセンブリ516とホイールアセンブリ510とを容易に組み立てるために2つのインサート)と、半径方向外方に配置された摺動部材またはリングまたはインサート517とを含む。摺動部材またはインサート517は、その合わせ面上にわたって、湾曲または丸形リッジまたはリング517a等の半径方向内方突出部または突起部を含み、これは、インサート516aの合わせ面内にわたって対応して形成された半径方向突起部あるいは湾曲または丸形溝または溝路516bと合わせ合って、すなわち係合して、インサート516aの周りに摺動部材またはインサート517を保持し、かつ軸方向推力および/または半径方向荷重状態中にホイールアセンブリの滑らかな動作を維持するようにする。
【0036】
ホイール部512は、摺動部材517から半径方向外方に延びる一対のフランジ517b内およびその間で、かつホイール部512の合わせ面512aに沿ってほぼ対応して形成されたリセス部または溝路512b内で、摺動部材517に対して保持されることができる。摺動部材517は、ホイール部512にほぼ動かないように取り付けられてもよく(ホイール部に接着、接合、圧入、または他の方法での固定等)、摺動係合は、摺動部材517と、同様にハブ部514にほぼ動かないように取り付けられ得るインサート516aとの間に提供される。場合によっては、摺動部材517は金属材料から成ってもよく、摺動部材517の半径方向内方合わせ面は、上述のように低摩擦コーティング等でコーティングされることにより、金属摺動部材517とジャーナル軸受516のプラスチックまたはポリマーインサート516aとの間の摺動を改善してもよい。場合によっては、摺動部材またはインサート517および/または内側インサート516aは、上述のように、低摩擦熱可塑性材料等の他の適当な材料から成ることにより、摺動アセンブリまたはジャーナル軸受の摺動部材またはインサート間の摺動をさらに改善してもよい。
【0037】
次に、図9を参照すると、本発明によるトロリーホイールアセンブリ610は、金属または鋼ホイール部612と、金属または鋼ハブ部614と、ホイール部612およびハブ部614間に配置される摺動アセンブリまたはジャーナル軸受アセンブリ616とを含む。以下で説明するように、ハブ部614は、中央部614aと、中央部614aの一端から半径方向外方に延びるとともにジャーナル軸受アセンブリ616の一部を形成する半径方向隆起部614bとを含む。ジャーナル軸受アセンブリ616は、ハブ部614の中央部614aの周りに配置されるとともに隆起ハブ部614bに当接する内側リング部またはインサート617aを含む。隆起ハブ部614bおよび内側リング部617aは、ハブ部614の周りに円周方向に溝路または溝または半径方向突起またはリセス617bを形成または画定するように組み合わさる。
【0038】
ジャーナル軸受アセンブリ616はさらに、内側湾曲インサートまたはスペーサまたは摺動部材616aと、外側湾曲インサートまたはスペーサまたは摺動部材616bとを含み、これらは互いに逆方向に湾曲して、ほぼ円形の通路またはリング形の通路を間に画定する。ほぼトロイダル形状の(または他の形でほぼ丸形のまたは湾曲した)リング部または摺動部材617cが、インサート616aと616bとの間に画定されるほぼ円形または丸形の通路内に沿って配置されてもよい。リング617cおよび対応して形成されたインサート616a、616bは、ホイール部612に形成された対応する溝612a内、および隆起ハブ部614bと内側リング部617aとの接点に形成された対応する溝617b内に、部分的に受け入れられる。リング617cおよびインサート616a、616bは、リング617cがインサート616aと616bとの間およびそれらの間に画定される丸形通路内に配置されると、インサート616aと616bとの間に隙間615ができるようなサイズにすることができる。したがってホイール部とハブ部との間の摺動係合または界面は、リング617cの1つまたは複数の合わせ面と、インサートまたはスペーサ616a、616bにわたる溝または溝路に沿って画定される合わせ面との間にもたらすことができる。
【0039】
場合によっては、リング617cは、金属材料から成ってもよく、低摩擦コーティング等でコーティングすることにより、上述のような低摩擦熱可塑性材料等のようなプラスチックまたはポリマー材料から成り得る内側インサート616aおよび外側インサート616bに対する金属リング617cの摺動運動を改善してもよい。場合によっては、リングまたは部分617a、617c、および/またはインサートまたはスペーサ616a、616b、および/またはハブ部614は、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、上述のように、金属材料、低摩擦熱可塑性材料等のプラスチックまたはポリマー材料、セラミック材料、フルオロカーボン材料および/または同様のもの等、他の適当な材料から成ることにより、ホイールアセンブリ610のハブ部614に対するホイール部612の滑らかな運動または回転を改善するようにしてもよい。
【0040】
次に、図10を参照すると、本発明によるトロリーホイールアセンブリ710は、ホイール部712およびハブ部714を、ホイール部712およびハブ部714間に配置される、すなわち挟まれる摺動アセンブリまたはジャーナル軸受アセンブリ716とともに含む。ハブ部714は、金属材料から成ってもよく、ハブ部714から半径方向外方に延びる一対の外方に向いたまたは湾曲した、あるいは半径方向に突起した内側金属部714aを含んでもよい。図10において見ることができるように、半径方向突起部714aは、ジャーナル軸受アセンブリ716の一対のリング部または摺動部材716a、716bを受け入れる一対の部分円形または丸形または湾曲トラックまたは通路または溝路を、ハブ部714の周りに部分的に画定する。ジャーナル軸受アセンブリ716はさらに、プラスチックリング716a、716bの円形または湾曲通路の外側部を画定する、外側部または摺動部材またはスペーサ717を含む。リング716a、716bは、ほぼトロイダル形状であってもよく、ほぼ円形または他の形の丸形または凹凸または半径方向突起断面を有してもよい。したがって、リング716a、716bおよびスペーサ717およびハブ部714は、半径方向および/または軸方向推力または荷重状態中に、部分714aおよび717の溝路内に沿った摺動係合により、ホイールアセンブリ710を滑らかに転動動作させるように協働することができる。
【0041】
ジャーナル軸受716の外側部717は、ホイール部712にほぼ動かないように取り付けられる、すなわち固定されることができる。場合によっては、内側ハブ部714aおよび外側ホイール部717は、金属材料から成ってもよい。内側ハブ部714aの外側合わせ面714bは、低摩擦コーティング等でコーティングしてもよく、外側部717の内側合わせ面717aも同様に、低摩擦コーティング等でコーティングしてもよい。リング716a、716bは、低摩擦熱可塑性材料等のようなプラスチックまたはポリマー材料から成ることにより、リング716a、716bと、内側金属ハブ部714aおよび外側金属部717との間の摺動運動を改善してもよい。場合によっては、内側部および外側部714a、717、および/またはリング716a、716bは、本発明の範囲に影響を及ぼさずに、上述のように、金属材料、低摩擦熱可塑性材料等のプラスチックまたはポリマー材料、セラミック材料、フルオロカーボン材料および/または同様のもの等、他の適当な材料から成ることにより、内側ハブ部714aおよび外側部717およびホイール部712に対するリング部716a、716bの摺動運動を改善することができる。
【0042】
上述するとともに図面に示した各実施形態は、特定のプラスチック部品および金属部品を有するように図示および説明されているが、これらの実施形態は単に例示を目的としたものである。種々の実施形態の種々の例示的な摺動部材またはインサートまたは部分またはリングは、本発明の範囲に影響を与えずに、鋼または他の金属材料、低摩擦熱可塑性材料等のプラスチックまたはポリマー材料、セラミック材料、フルオロカーボン材料および/または同様のもの等、任意の適当な材料から成ることができる。場合によっては、ホイールアセンブリのインサート、リングまたは部分、および/またはハブ部またはホイール部の1つまたは複数が、本発明の範囲に影響を与えずに、低摩擦コーティングまたは材料等でコーティングされてもよい。また、特定の実施形態および形状を図示するとともに上述しているが、本発明に影響を及ぼさずに、摺動部材およびホイール部およびハブ部の明らかに他の形状、形態、および構成を実施することができる。
【0043】
したがって、本発明は、ハブ部に対するトロリーホイールアセンブリのホイール部の回転を改善する、ベアリングレストロリーホイールアセンブリを提供する。本発明のベアリングレストロリーホイールアセンブリは、ホイール部とハブ部との間に低摩擦界面を提供することにより、軸受または潤滑剤を必要とせずに、ハブ部に対するホイール部の滑らかな回転を容易にする。部材またはインサートまたはリングのほぼ円形または部分円形または他の形の丸形または半径方向突起または軸方向湾曲合わせ面と、他方のインサートまたはハブ部またはホイール部の対応して形成された溝路または溝または半径方向突起または軸方向湾曲とが、摺動部品をほぼ均一に係合させ、したがって、ホイールアセンブリの軸方向推力および/または半径方向荷重中のホイールアセンブリの滑らかな転動作を提供する。したがって、丸形または軸方向凹凸インサートまたは摺動部材は、部品の結合を制限するかまたは実質的になくす一方で、ホイールアセンブリの一端または両端にスラスト座金等を設ける必要性もなくす。
【0044】
本発明のジャーナル軸受アセンブリの選択された材料は、部品間の改善された低摩擦界面を提供し、さらに、従来の軸受の潤滑剤を分解する場合がある多くの溶液に実質的に耐性であることができる。好ましいプラスチック材料は、トロリーアセンブリの周囲にあり得る種々の環境での使用に適するように、高温に耐えることができる。また、本発明のベアリングレストロリーホイールアセンブリは、特に金属部品が低摩擦コーティング等でコーティングされる場合、プラスチック部品と金属部品との間に潤滑剤を必要としないため、本ホイールアセンブリは、従来の軸受からの潤滑剤が塗装プロセスを汚染する場合がある塗装処理ステーション等での使用に特に適している。
【0045】
具体的に説明した実施形態の変更および改変は、本発明の原理から逸脱せずに行うことができ、本発明は、特許法の原則に従って解釈される添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によるトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図2】コンベヤアセンブリのビームに沿って可動なトロリーアームに組み付けられた、図1のトロリーホイールアセンブリの端面部分断面図である。
【図3】別のトロリーアームに取り付けられた、図1および図2のホイールアセンブリと同様のトロリーホイールアセンブリの別の端面部分断面図である。
【図4】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図4A】図4のトロリーホイールアセンブリの端面図である。
【図5】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図6】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図7】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図8】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図9】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。
【図10】本発明による別のトロリーホイールアセンブリの中心線断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリであって、
ハブ部と、
該ハブ部の周りに回転可能に配置されるホイール部と、
該ホイール部および前記ハブ部間に配置される少なくとも1つの摺動部材であって、前記ホイール部および前記ハブ部の少なくとも一方の、ほぼ対応して形成された合わせ面と合わせ合う、少なくとも1つの合わせ面を画定し、該摺動部材の前記合わせ面は、該摺動部材にわたって少なくとも概ね円周方向に半径方向突出部を画定し、該半径方向突出部は、前記ホイール部および前記ハブ部の前記少なくとも一方の前記ほぼ対応して形成された合わせ面と摺動可能に合わせ合い、前記ハブ部の周りでの前記ホイール部の回転を容易にする、少なくとも1つの摺動部材と
を備える、コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項2】
前記半径方向突出部は、前記ホイール部および前記ハブ部の前記少なくとも一方の対応して湾曲した合わせ面と合わせ合う、長手方向に湾曲した半径方向突出部を含む、請求項1に記載のコンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項3】
前記半径方向突出部は半径方向外方に突出し、
前記ホイール部は前記対応して形成された合わせ面を有する、請求項1に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項4】
前記半径方向突出部は半径方向内方に突出し、
前記ハブ部は前記対応して形成された合わせ面を有する、請求項1に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項5】
前記摺動部材の前記半径方向突出部は、半径方向内方および半径方向外方に突出し、
前記対応して形成された合わせ面は、前記ホイール部および前記ハブ部に画定される対応して形成された合わせ面を含む、請求項1に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項6】
前記摺動部材と、前記ホイール部および前記ハブ部の前記少なくとも一方とは、
前記摺動部材と、前記ホイール部および前記ハブ部の前記少なくとも一方との、軸方向整列を維持するように対応して形成される、請求項1に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項7】
前記ホイール部および前記ハブ部の前記少なくとも一方は、少なくとも1つのインサート部を備え、
該少なくとも1つのインサート部は、前記ホイール部および前記ハブ部の前記少なくとも一方の前記対応して形成された合わせ面を画定する、請求項1に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項8】
前記摺動部材および前記少なくとも1つのインサート部材の一方は、
ポリマー材料から成る、請求項7に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項9】
前記摺動部材および前記少なくとも1つのインサート部材の他方は、
低摩擦コーティングが施された金属材料から成る、請求項8に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項10】
前記摺動部材および前記少なくとも1つのインサート部材は、
前記摺動部材と前記少なくとも1つのインサート部材との、
また前記ホイール部と前記ハブ部との
軸方向整列を維持するように対応して形成される、請求項7に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのインサートは、2つの対向する端インサート部を含み、
前記2つの端インサート部はともに、前記対応して形成された合わせ面を画定する、請求項7に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項12】
前記ホイール部は少なくとも1つのホイールインサート部を備え、
前記ハブ部は少なくとも1つのハブインサート部を備え、
前記少なくとも1つのホイールインサート部は対応して形成された外側合わせ面を画定し、
前記少なくとも1つのハブ部は対応して形成された内側合わせ面を画定する、請求項7に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの摺動部材は、金属材料、ポリマー材料、エンジニアリング熱可塑性材料、セラミック材料、およびフルオロカーボン材料の少なくとも1つから成る、請求項1に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項14】
コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリであって、
ハブ部と、
該ハブ部の周りに回転可能に配置されるホイール部と、
該ホイール部および前記ハブ部間に配置される少なくとも1つの摺動部材であって、前記ホイール部および前記ハブ部間に凹凸の第1の合わせ面を有する少なくとも1つのリング形部分を含み、前記ホイール部および前記ハブ部間に配置され、前記凹凸の第1の合わせ面は、前記ハブ部、前記ホイール部、および別の摺動部材の少なくとも1つの、ほぼ対応して形成された凹凸の第2の合わせ面と摺動可能に係合する、少なくとも1つの摺動部材と
を備える、コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの摺動部材は、少なくとも1つのポリマー摺動部材を含む、請求項14に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのポリマー摺動部材は、
前記少なくとも1つの摺動部材と、前記ハブ部、前記ホイール部、および別の摺動部材の前記少なくとも1つとの間に低摩擦係数を提供する、エンジニアリング熱可塑性材料から成る、請求項15に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項17】
前記ハブ部、前記ホイール部、および別の摺動部材の前記少なくとも1つは、別の摺動部材を含み、
該別の摺動部材は、前記少なくとも1つのポリマー摺動部材と前記ホイール部および前記ハブ部の少なくとも一方との間に配置される金属摺動部材を含む、請求項15に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項18】
前記金属摺動部材は、低摩擦係数またはスリックコーティングでコーティングされることにより、前記少なくとも1つのポリマー摺動部材に対する前記金属摺動部材の摺動運動を改善する、請求項17に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの摺動部材は、金属材料、ポリマー材料、エンジニアリング熱可塑性材料、セラミック材料、およびフルオロカーボン材料の少なくとも1つから成る、請求項14に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項20】
前記ハブ部、前記ホイール部、および別の摺動部材の前記少なくとも1つは、別の摺動部材を含む、請求項14に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの摺動部材は金属部を含み、
前記他の摺動部材はポリマー部を含み、
前記金属部は、前記ホイール部が前記ハブ部の周りで回転する際に前記ポリマー部と摺動可能に係合する、請求項14に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項22】
前記ポリマー部および前記金属部は、
前記ポリマー部と前記金属部との、
また前記ホイール部と前記ハブ部との
軸方向整列を維持するように対応して形成される、請求項21に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項23】
前記金属部は、低摩擦係数またはスリックコーティングでコーティングされることにより、前記ポリマー部に対する前記金属部の摺動運動を改善する、請求項21に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項24】
前記ポリマー部は、内側ポリマー部および外側ポリマー部を含み、それにより、
前記内側ポリマー部は、前記ハブ部に隣接して配置されるとともに該ハブ部と係合し、
前記外側ポリマー部は、前記ホイール部に隣接して配置されるとともに該ホイール部と係合し、
前記金属部は、前記内側ポリマー部と前記外側ポリマー部との間に概ね挟まれる、請求項21に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項25】
前記金属部は、前記凹凸の第1の合わせ面を有し、かつ前記内側ポリマー部と前記外側ポリマー部との間に配置されるとともに、前記内側ポリマー部および前記外側ポリマー部の少なくとも一方と摺動可能に係合する、金属リングを含む、請求項24に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項26】
前記ポリマー部は、前記ハブ部に隣接して配置され、
前記金属部は、前記ホイール部に隣接して配置されるとともに、前記ポリマー部と摺動可能に係合することにより、前記ハブ部の周りでの前記ホイール部の回転を容易にする、請求項21に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項27】
前記金属部は、前記ハブ部に隣接して配置され、
前記ポリマー部は、前記ホイール部に隣接して配置されるとともに、前記金属部と摺動可能に係合することにより、前記ハブ部の周りでの前記ホイール部の回転を容易にする、請求項21に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項28】
コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリであって、
ハブ部と、
該ハブ部の周りに回転可能に配置されるホイール部と、
前記ホイール部および前記ハブ部間に配置される摺動アセンブリであって、前記ハブ部に対して前記ホイール部を回転させ、摺動界面を有する第1の摺動部材および第2の摺動部材を備え、前記第1の摺動部材および前記第2の摺動部材は、前記摺動界面にほぼ対応して形成されるとともに、前記摺動界面にほぼ対応する半径方向突出部を画定することにより、前記第1の摺動部材および前記第2の摺動部材間の軸方向運動を制限し、前記第1の摺動部材および前記第2の摺動部材は、前記摺動界面で互いに摺動可能に係合する、摺動アセンブリと
を備える、コンベヤトロリー用のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項29】
前記第1の摺動部材はポリマー部を含み、前記第2の摺動部材は金属部を含む、請求項28に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項30】
前記第2の摺動部材は、低摩擦係数またはスリックコーティングでコーティングされることにより、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材との間の摺動運動を改善する、請求項29に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項31】
前記第1の摺動部材は、前記ハブ部および前記ホイール部の一方に隣接して配置されるとともに該一方と係合し、
該トロリーホイールアセンブリは、前記ハブ部および前記ホイール部の他方に隣接して配置されるとともに該他方と係合する第3の摺動部材を含み、
前記第2の摺動部材は、前記第1の摺動部材と前記第3の摺動部材との間に配置される、請求項28に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項32】
前記第2の摺動部材は、前記第1の摺動部材と前記第3の摺動部材との間に配置されるとともに、前記第1の摺動部材および前記第3の摺動部材の少なくとも一方と摺動可能に係合するリング形状の部材を含む、請求項31に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項33】
前記リング形部材はほぼトロイダル形状のリングを含む、請求項32に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項34】
前記第1の摺動部材は、前記ホイール部および前記ハブ部の一方に配置される2ピース部材を含み、
該2ピース部材は、該ホイールアセンブリの軸方向両端付近に配置される、対向する端部材を含み、
該対向する端部材および前記第2の摺動部材は、前記摺動界面を画定するように協働する、請求項28に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項35】
前記第1の摺動部材は前記ハブ部に隣接して配置され、前記第2の摺動部材は前記ホイール部に隣接して配置される、請求項28に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項36】
前記第1の摺動部材は前記ハブ部にほぼ固着され、前記第2の摺動部材は前記ホイール部にほぼ固着される、請求項35に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項37】
前記第1の摺動部材は、金属材料、ポリマー材料、エンジニアリング熱可塑性材料、フルオロカーボン材料、およびセラミック材料の少なくとも1つから成る、請求項28に記載のトロリーホイールアセンブリ。
【請求項38】
前記第2の摺動部材は、金属材料、ポリマー材料、エンジニアリング熱可塑性材料、フルオロカーボン材料、およびセラミック材料の少なくとも1つから成る、請求項28に記載のトロリーホイールアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−508006(P2006−508006A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555832(P2004−555832)
【出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/038195
【国際公開番号】WO2004/048126
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505195199)フロスト・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】FROST INC.
【住所又は居所原語表記】2020 Bristol NW, Grand Rapids, MI 49504, United States of America
【Fターム(参考)】