トーナメント・スタイルのイベントに基づいたトレーディング・システム
【課題】複数の派生金融商品をトレーディングするシステムは、競争における競争者を表す派生金融商品を買う旨の第1の注文を受け取るよう動作可能なプロセッサを備えている。
【解決手段】プロセッサは、派生金融商品を売る旨の第2の注文を受け取るよう更に動作可能である。プロセッサは、第1の注文及び第2の注文に少なくとも部分的に基づいて市場価格を決定するよう更に動作可能である。プロセッサは、決定された市場価格で売買を実行するよう更に動作可能である。システムは、第1の注文及び/又は第2の注文を格納するよう動作可能なメモリを更に備えている。
【解決手段】プロセッサは、派生金融商品を売る旨の第2の注文を受け取るよう更に動作可能である。プロセッサは、第1の注文及び第2の注文に少なくとも部分的に基づいて市場価格を決定するよう更に動作可能である。プロセッサは、決定された市場価格で売買を実行するよう更に動作可能である。システムは、第1の注文及び/又は第2の注文を格納するよう動作可能なメモリを更に備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンピュータ実行金融システムに関し、特に、改良された自動化証券トレーディング・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ実行証券トレーディング・システムは当該技術分野において周知である。前述のシステムの1つには、本明細書及び特許請求の範囲に内容を援用する、「Automated Securities Trading System」と題する、Kalmusらによる米国特許第4674044号明細書に開示されている。このコンピュータ実行証券トレーディング・システムは、買い呼び値及び売り呼び値に基づいて買い呼び値取引及び売り呼び値取引を得る。しかし、一般に、こうしたシステムには人間の要素がなお存在している。
【0003】
例えば、大半の金融市場は、「スペシャリスト」と呼ばれる一又は複数のマーケット・メーカーも活用する。公開市場において顧客注文とのマッチングが存在しない場合、前述のスペシャリストが、スペシャリストのインベントリ・ポジションによって顧客注文に応じる。従来技術では、スペシャリスト機能は自動化されていないが、企業又は個人によって行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、売買される証券の市場を形成し、より小規模の証券市場のボラティリティを少なくするための自動化スペシャリスト機能を含む改良されたコンピュータ実行トレーディング・システムに対する必要性が当該技術分野において存在している。
【0005】
したがって、本発明の一目的は、前述の既存のシステムの課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の別の目的は、より狭い市場において売買される派生金融商品の価格ボラティリティを少なくすることである。
【0007】
本発明の別の目的は、オンライン仮想トレーディング・システムを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、価格ボラティリティを相殺し、市場に流動性を与えるよう市場においてトレーディングに参加する仮想スペシャリスト・プログラムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、売買取引の不均衡に依存した証券商品価格決定システムを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、証券のボラティリティをコントロールする証券商品価格コントロール・システムを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、証券商品の極端な価格ボラティリティを阻止するために証券商品売買停止システムを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、調整された市場コントロール要因が奏功するようにトレーディング活動をもたらすために証券のゴースト・トレーダーを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、仮想市場の金融市場金利及び大局的なボラティリティをコントロールするために仮想準備銀行プログラムを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、トレーディング行動に基づいた統計情報を得るよう調査者がアクセスすることが可能なオンライン市場調査ツールを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
従来技術の問題を解決し、本明細書を読み、理解すると明らかになる他の問題を解決するために、本発明は、複数の派生金融商品をトレーディングするシステムを記載している。このシステムは、競争における競争者を表す派生金融商品を買う旨の第1の注文を受け取るよう動作可能なプロセッサを備えている。このプロセッサは、派生金融商品を売る旨の第2の注文を受け取るよう更に動作可能である。プロセッサは、第1の注文及び第2の注文に少なくとも部分的に基づいて市場価格を決定するよう更に動作可能である。プロセッサは、決定された市場価格で売買を実行するよう更に動作可能である。システムは、第1の注文及び/又は第2の注文を格納するよう動作可能なメモリを更に備えている。
【実施例】
【0016】
一実施例では、証券のデータベースが、オープンであり、コンピュータ化された取引所におけるトレーディングのために提供される。一実施例では、映画、俳優、製品企業又はサービス企業に関する証券が公開される。別の実施例では、競争(例えば、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争など)における競争者に関する証券が公開される。
【0017】
ユーザは、標準インタフェースを用いてネットワークを介してシステムにアクセスすることができる。例示的なシステムは、標準化されたウェブ・ブラウザ・インタフェースを備えた、SQL準拠バックエンド・データベースを有するウェブ・サーバを有する。ウェブ・ブラウザを用いて、ユーザは、人口統計情報(年齢、性別、場所、職業、所得、趣味、及び同様なものなど)を提供して、ネットワークを介してオンライン・トレーディング・システムに登録することができる。登録されると、ユーザには、登録後にログインするために用いられる一意のユーザIDを選ぶ選択肢が与えられる。人口統計情報の提供において、ユーザは、ランダムに割り当てられたパスワードやその他のインストラクション情報を送付することが可能な宛先の電子メール・アドレスも提供する。
【0018】
ユーザがパスワードを受け取ると、ユーザは、システムのウェブ・ホームページ上に存在するスタート・ボタンを選択することによってウェブを介して自由にシステムにログインし、システムからログアウトすることができる。しかし、新しいユーザにパスワードが送付されている間に、トレーディングを即座に開始することが可能であるように、新しいユーザには、システムへの一時的なアクセスが与えられる。
【0019】
自動的に、ユーザには、トレーディングを開始するために、後述の準備銀行プログラムから一定量の仮想通貨が仮想ドル(V$)で与えられる。この量は、準備銀行プログラムからの融資(利息が課される)、又は贈与とみなすことが可能である。
【0020】
ログインした後、ユーザの現在の現金残高、株式、債券やその他のタイプの証券で保有された金額を表示する、ユーザのポートフォリオ要約ページが表示される。新しいユーザがログインすると、ユーザのポートフォリオのキャッシュ・バリューは現金のみで、又はマネー・マーケット・アカウントのみで表される。ユーザのポートフォリオの現金は、仮想準備銀行プログラムによって設定される金利で増える。
【0021】
ユーザは、購入が望まれる商品のシンボルをページの売買領域にタイプ入力することによって証券商品をトレーディングすることができる。数量も、売買領域において特定される。特定商品のシンボルをユーザが知らない場合、標準のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)機能(ドロップダウン・リスト・ボックス、テキスト・サーチ・ボックスや、スライダ・バー・リストなど)を用いたルックアップ又はサーチの機能が、画面の別の領域に設けられる。あるいは、画面の最下部にある、ティッカー・テープ・スタイルの更新メニューが、利用可能な商品を、対応する商品価格とともに表示する。
【0022】
利用可能な商品のシンボルをユーザが首尾良く入力すると、ページの売買領域内の買いボタンを押すことができる。ユーザがアカウントに現金を十分有しており、商品がトレーディング可能な場合、取引の実行前に確認画面が現れる。確認すると、売買が実行され、現金がユーザのアカウントから控除される。
【0023】
ユーザが証券商品を売りたい場合、ウェブページの売買領域内の売りボタンをクリックする以外は同じ手順に従う。確認後、売られるシェアの市場価格がユーザのアカウントに加えられ、購入注文のフルフィルメントを行うために、そのシェアはシステムにおいて入手可能にされる。
【0024】
システムは、とりわけ売買注文のフルフィルメントを扱う仮想スペシャリスト・プログラムを含む。本願のシステムの実施例では、仮想スペシャリスト・プログラムは、経済をコントロールし、それに流動性をもたらす。一実施例では、仮想スペシャリスト・プログラムは、買い注文を相殺する、等しく、マッチングしている売り注文が存在しているか否か(逆も同様である)にかかわらず全ての注文のフルフィルメントを行うことによって瞬間的な流動性をもたらす。システムは、売りトレード又は買いトレードを相殺することなく仮想スペシャリスト・プログラムがフルフィルメントを行わなければならなかった売りトレード又は買いトレードの量の現行の純変動残高を保有する。前述のアンバランスは、売り注文よりも多くの買い注文を実行したことを売買アンバランスが表す場合に正の数として記憶され、買い注文よりも多くの売り注文を実行したことを売買アンバランスが表す場合に負の数として記憶される。
【0025】
非仮想市場の場合とは違って、この実施例の仮想スペシャリスト・プログラムは、最後に実行された買い注文呼び値に基づいてシェアの価格を設定することによって経済をコントロールするものでない。むしろ、仮想スペシャリスト・プログラムは、未処理売買アンバランスを計算し、生じさせることによって、各売買後に商品の価格を決定する。
【0026】
売買アンバランス(本明細書では純変動残高(NMB)とも呼ぶ)は、証券価格増加(SPI)定数と一対の証券価格閾値定数との組合せを用いて証券価格を増やすか又は減らすことによって証券価格をコントロールする。正の証券価格閾値(PSPT)定数及び負の証券価格閾値(NSPT)定数が、システムの証券毎に証券定数テーブル2002において設定される。売買注文の純売買変動(NTM)変数は、売買注文が買いの場合には売買注文のシェアの正の量に設定され、売買注文が売りの場合には売買注文のシェアの負の量に設定される。新NMBは、売買前のNMB(純価格変動テーブル2008(NMB(旧))から取り出される)をNTMに加算することによって算出される。
【0027】
売買注文の対象である証券の証券価格増加(SPI)定数は、証券定数テーブル2002から取り出される。NMBは、次いでPSPTと比較される。NMBがPSPTより大きい場合、証券価格(SP)が、証券価格テーブル2006から取り出された、売買前のSPにSPIを加算することによって算出される。次いでNMBは、PSPTだけ減らされ、純価格変動テーブルにもう一度記憶される。
【0028】
逆に、NMBがNSPT(負の値)未満の場合、SP(新)は、SPIをSP(旧)から減算することによって算出される。NMBは次いで、NSPTだけ増やされる。
【0029】
上記算出が行われた後、SPは、全ての証券価格を記録する証券価格テーブル2006に記憶される。NMBは、純変動残高データベースにおいて更新される。純変動残高データベースの各レコードは、証券商品の連続的な増加(減少)の数の情報を記録するための増加トラッキング・フィールドを更に含む。更に、売買に関するSP、NMB、ユーザIDやその他の情報を備えたレコードを売買に加えるSQL書き込みステートメントを実行して、価格履歴トラッキング・テーブル2010が各売買の後に更新される。この情報は、市場調査者に統計情報を提供する後述のマーケティング・ツールによって用いられる。
【0030】
定期的に、特定の証券の自然な人気によって、又は個人トレーダー若しくはトレーダー群による市場操作によって、証券は、激しい価格変動を受ける。これは、仮想通貨が仮想市場において使用される市場において特にあてはまる。仮想市場の特殊な状況を前提とすれば、システムは、人為的な価格コントロール機構又は価格抑制機構を提供する。
【0031】
本発明の抑制機構は、仮想スペシャリストが実行する各価格増加を監視する。証券商品の価格が上又は下に変動した場合、その証券の純変動残高テーブル2012の増加トラッキング・フィールドが取り出される。証券抑制閾値(SBT)定数及び証券抑制増加(SBI)定数が証券定数テーブル2002から取り出される。価格増加の合計連続数(TCPI)がSBTより大きい場合、PSPTは、証券抑制増加だけ増やされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度記憶される。価格減少(負の値)の合計連続数がSBT未満の場合、NSPTは証券抑制増加だけ減らされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度記憶される。このようにして、設定された閾値より大きい価格変動を受けた証券の価格変動は遅くなる。
【0032】
しかし、抑制機構は、証券の極端な下げ市場又は上げ市場、又は市場全体において十分に効果的でないことがあり得る。そうした場合、停止機構がシステムによって提供される。停止機構は、抑制機構とかなり同様にふるまう。例外としては、証券停止閾値(SHT)定数がTCPI/TCPDフィールドと比較されるということがある。TCPI/TCPDフィールド値の絶対値がSBTを上回る場合、その特定の証券のトレーディングは停止する。トレーディングがシステムによって停止したことをユーザに通知する通知が、その証券をトレーディングしようとするトレーダーに向けて画面上に現れる。その証券のトレーディングは、管理上設定された期間後、又は管理モジュールによって手作業で再開され得る。
【0033】
仮想経済は、市場での成立価格によって反映されることと取引所の方針が異なる場合に生じ得る裁定状況をクロージングするうえで有限の量の資本を有し得る。仮想経済は、無限の量の資本を有し得る非仮想経済とは異なる。システム管理者には、市場に影響を及ぼすよう、大局的な定数(PSPT、NSPT、SBT、SBI等など)に対する変更を調整することが可能な別個のコントロール画面が与えられる。実質的に、このパスワード保護されたコントロール画面は、ボラティリティ・コントロール・モジュールとしての役目を担う。ボラティリティ・コントロール(又はゴースト・トレード)モジュールは、金融規制、及び全体としての市場を実現し、拡充するために用いる。所望の効果は、連係された一律の買いタイマ間隔及び売りタイマ間隔を備えた売りプログラム及び買いプログラムをシステムに出させることによって実現される。タイマはゴースト・トレーディング・テーブル2014に周期的にクエリを出す。ゴースト・トレーディング・テーブル2014の各証券商品レコードは、管理上設定されるトレーディング日毎の回数、トレードを引き起こすよう設定される。証券のトレード間の時間間隔の終了をタイマが検出した場合、ゴースト・トレーディング機構はゴースト買い確率(GBT)をゴースト・トレード・テーブル2014から取り出す。ランダム・トレード定数(RTC)がシステムによって生成される。次に、ゴースト証券売買量(GBQ)がゴースト・トレード・テーブル2014から取り出される。GBTがRTC以上の場合、GBQによって特定されるシェア数の買い注文がシステムによって出される。さもなければ、GBQによって特定されるシェア数の売り注文が出される。
【0034】
本発明のシステムは、仮想準備銀行プログラムを含む。この準備銀行プログラムは、準備銀行プログラム・モジュール内に備えられた金融ツールによって経済を調整する。前述のツールによって、特定の大局的なシステム定数(総マネーサプライや金利)を調整することが可能である。
【0035】
金利の場合、調整可能な大局的定数は、仮想トレーディング・システムの管理テーブル2016に組み込まれる。金利を上下させることによって、証券に関係していない仮想ドルに対して支払われる利子額が、ユーザのために調整される。このようにして、ユーザのアカウントにおける未使用額は、金利が適宜、調整されるマネー・マーケット・アカウントとしての役割を果たす。
【0036】
あるいは、仮想準備銀行プログラム長は、システムにおけるインフレ圧力及びデフレ圧力を監視する大局的な金利閾値定数(GITC)を用いて金利及び証券閾値定数を決めることが可能である。インフレ圧力及びデフレ圧力は、システム経済の規模(すなわち、特定の規定価格を得る証券のシェアの数)として定義することができる。例えば、合計流通シェアは80億仮想ドル(V$)の合計額面価格を有し得るものであり、流通シェアの合計市場価格は800億仮想ドル(V$)、一日平均のトレーディング量は約50億仮想ドル(V$)であり得る。仮想スペシャリスト・プログラムは、システムの大多数の証券の場合、価格変動閾値を+10,000及び−10,000に設定し得る。短期金融市場金利は、準備銀行プログラムによって前述の市場状況下で70%に設定することができる。しかし、例えば、取引所の成立価格が2千億仮想ドル(V$)に上昇する場合、価格変動閾値は+20,000及び−20,000それぞれにリセットし、短期金融市場金利を15%に再設定することができる。
【0037】
種々の関心、芸術的な嗜好及び経済的な購買力を備えた、オンライン・ユーザの典型を表す人々の群がおびただしいことを考慮すれば、本発明のシステムは更に、事業主体(市場調査企業、広告代理店、投資家、映画及びテレビのスタジオ、レコード会社、ラジオ局及び映画レンタル会社など)に非常に有用な情報を提供する。したがって、トレーダーの人口統計、関心、信条及び/又は嗜好に関する統計情報に市場調査ユーザがアクセスすることを可能にするオンライン市場調査ツールが、選択された市場調査ユーザに向けて提供される。
【0038】
本発明をより徹底的に理解するために、かつ、更なる特徴及び利点のために、添付図面とともに以下の説明を次に参照する。
【0039】
仮想トレーディング・システムの概要
本発明は、派生金融商品(「派生商品」)のコンピュータ実行トレーディング・システムを備えている。本発明は、派生金融商品のトレーダーから買い注文及び売り注文を受け入れ、需要と供給に基づいて市場価格を設定し、価格ボラティリティを最小にするためにトレーダーとして市場に参加する。特定の実施例では、本発明は、映画、タレント、CD及びテレビ番組を表す派生金融商品のコンピュータ実行取引所である。他の実施例では、本発明は、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争における競争者を表す派生金融商品のコンピュータ実行取引所である。
【0040】
コンピュータ実行取引所(「取引所」)は、シミュレーション(すなわち、ゲーム)として、又は前述の派生金融商品の実際のトレーディング・システムとして実現することができる。派生金融商品は、ドルによって、仮想準備銀行プログラムによってコントロールされる仮想通貨によって、又は何れかの適切な現実通貨又は人工通貨によって購入することができる。
【0041】
派生金融商品は、トレーダーに向けて表示される現行トレーディング・リストによって識別される。特定の実施例では、現行トレーディング・リストは、種々の制作段階における映画、タレントや、その他の娯楽指向の資産のリストを含む。他の実施例では、現行トレーディング・リストは、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争における競争者のリストを含む。リストは、以下を含み得る。
【0042】
派生金融商品名
流通シェア数
直近トレーディング価格(15分毎に印刷される)
直前の午前0時(太平洋標準時(PST))からの価格変動
直前の正午からの価格変動
期初から現在までの価格変動
映画及び/又は俳優に基づいた派生商品に関する取引所において、現行トレーディング・リストは、映画(アクション・アドベンチャー、ミステリー、ウェスタン、コメディ等)のジャンル、及び映画(脚本書き、制作準備、映画制作、編集、公開、ホームビデオ等)の制作状態を更に備えることができる。トレーダーは、以下によってソートされた現行トレーディング・リストをみることができる。
【0043】
名前(アルファベット順)
ジャンル(アルファベット順)
制作状態(アルファベット順)
最も活発なシェア(昨日売買されたシェア数)
最も値上がりしたシェア
最も値下がりしたシェア
本日の値動きが最も速いシェア(例えば、最も速く値上がりした20のシェア及び最も速く値下がりした20のシェア)
取引所で提供される他の派生金融商品の同様な情報が提供され得る。
【0044】
各トレーダーのポートフォリオは、トレーダーのアカウント状況を含むポートフォリオ・データ構造によって識別される。この情報には、以下が含まれる。
【0045】
トレーダーのアカウントにおける現金の額(日々加算される、システム割引率に特定の増加分を加えた支払利子)
現金に対して支払われる現行利率
保有株式の直近の売値での総価値
保有債券の直近の売値での総価値
TPV(総ポートフォリオ価値(現金+債券+株式))
現金のTPVに対する比率
債券のTPVに対する比率
株式のTPVに対する比率
トレーダーは、表示するために、種々のいかなる数のレポート(以下を含む)も生成することが可能である。
【0046】
売買される株式及び債券のリスト(上記参照)
数で表される総株式の指数(INDEX_STOCKS)(1000を初日の合計株式価値として定義する)(ここで、INDEX_STOCKS=(本日の総株式価値)/(初日の総株式価値)である)
数で表される総債券の指数(INDEX_BONDS)(1000を初日の合計債券価値として定義する)(ここで、INDEX_BONDS=(本日の総債券価値)/(初日の総債券価値)である)
株式及び債券全てを含む総取引所指数(INDEX_EXCHANGE)(1000が、初日の合計取引所価値である)(ここで、INDEX_EXCHANGE=(本日の総市場価値)/(初日の総市場価値)である)
上位のマーケット・パフォーマのリスト(例えば、純ポートフォリオ価値変動=(現金の変動率)+(株式の変動率)+(債券の変動率)として、かつ、カテゴリ(前日(直近の1つ前の午前0時から直近の午前0時まで)、前週(毎木曜日の午後12時に終了する7日間)、前月(月末の午後12時に終了)、前四半期(前月/前四半期の最終日の午後12時に終了)、期初から現在まで(現行の日次合計価値変動率)/(期初から現在までの日数)、及び年次(各年の12月31日の午後12時に終了))毎に算出されるポートフォリオ成長率による上位10位までのトレーダー)
売買停止銘柄のリストを含む全体の市場状況のレポート
名前
直近の売買価格
売買停止状態が発生した時間
当日、売買停止までに実際に値動きがあった銘柄の比率
本日売買されたシェア及び/又は債券の合計数
本日の総売買取引のドルでの価値
本日の売買取引数
今月の売買取引数
上記情報を用いると、将来の買い注文及び売り注文をトレーダーが出す手引きとなる。
【0047】
ハードウェア環境
図1を参照すれば、ブロック図は、本発明の好ましい実施例の例示的なハードウェア環境を示す。より詳細には、インターネット10を用いて、本発明を実施するコンピュータ・プログラムを実行するサーバ・コンピュータ14にクライアント・コンピュータ12(例えば、ウェブ・ブラウザを実行する)を接続する通常の分散型コンピュータ・システムを示す。通常の組み合わせのリソースは、パソコン、ワークステーション、ミニコンピュータ又はメインフレームであるサーバ・コンピュータ14にインターネット10を介して接続されるパソコン又はワークステーションであるクライアント・コンピュータ12を含み得る。
【0048】
一般に、クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14は、1つ又は複数のCPU16、コンピュータ・プログラム20やその他のデータを記憶する種々の量のRAM、及びコンピュータに通常みられるその他の構成部分を備える。更に、クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14は、1つ又は複数のモニタ、及び、固定型の、又は取り外し可能なデータ記憶装置20(ハード・ディスク・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ディスク・ドライブ及び/又はCD-ROMドライブなど)を含むことができる。更に、入力装置(マウス・ポインティング・デバイスやキーボードなど)が含まれ得る。
【0049】
クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14はオペレーティング・システム(ウィンドウズ(登録商標)、マッキントッシュ、UNIX(登録商標)等など)の制御下で動作する。更に、クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14それぞれは、それぞれのオペレーティング・システムの制御下で1つ又は複数のコンピュータ・プログラム18を実行する。本発明は好ましくは、サーバ・コンピュータ14によって実行される1つ又は複数のコンピュータ・プログラム18として実現されるが、別の実施例では、前述のコンピュータ・プログラム18は、クライアント・コンピュータ12上で実行することもできる。
【0050】
一般に、本発明を実現するコンピュータ・プログラム18は、コンピュータ読み取り可能媒体(例えば、コンピュータに接続された固定型データ記憶装置、及び/又は取り外し可能なデータ記憶装置20のうちの1つ又は複数)において有形に実施される。オペレーティング・システムの制御下で、コンピュータ・プログラム18は、CPU16による後の実行のためにコンピュータのRAMにデータ記憶装置20からロードすることができる。コンピュータ・プログラム18は、コンピュータによって読み込まれ、実行されると、本発明の工程又は構成要素をコンピュータに実行させるのに必要な工程を実行させる命令を有する。
【0051】
図1に示す例示的な環境が本発明を限定することを意図するものでないことを当業者は認識するであろう。実際に、本発明の範囲から逸脱することなく、他の別のハードウェア環境を用いることができると当業者は認識するであろう。
【0052】
I. トレーディング・システムの第1の実施例の概括的なロジック
図2を参照すれば、本発明の第1の実施例の概括的なロジックを示すフローチャートを示す。
【0053】
ブロック200は、サーバ・コンピュータ14が次のイベントが起きるのを待つことを表す。イベントが起きると、制御はイベントを識別し、適宜、応答するためにブロック202‐224に移される。
【0054】
ブロック202は、データを表示する旨の要求をクライアント・コンピュータ12から受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック204は、後に表示するためにサーバ・コンピュータ14がデータをクライアント・コンピュータ12に送信することを表す。表示するために送信されるデータは好ましくは、少なくとも3つのタイプ(派生金融商品のトレーディングの現行リスト、トレーダーのポートフォリオ、及びサーバ・コンピュータ14によって生成されるその他のレポート)のデータを含む。
【0055】
ブロック206は、特定の派生金融商品(例えば、株式や債券)の買い注文を出す旨の要求をクライアント・コンピュータ12から受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック208は、サーバ・コンピュータ14のメモリ内のキューに入れることによってサーバ・コンピュータ14が買い注文を処理することを表す。買い注文は、以下を含むデータ構造である。
【0056】
トレーダーのアカウント番号、
トレーダーの名前、
注文の時間及び日付、
買う対象の株式又は債券、
トレーダーのアカウントの現金残高、及び
買う対象の総数(一般に、100の倍数単位)をトレーダーが入力することができるテキスト・フィールド。
【0057】
第1の好ましい実施例では、買い注文は、所定の「スイープ価格設定サイクル」の満了を求めてキュー内で待つ。スイープ価格設定サイクルは周期的に(15分毎に、又は規定された別の時間間隔中に)生じる。派生金融商品に対してトレーダーが実際に支払う評価価格は、その注文が出されたスイープ価格設定サイクルの最後における、派生金融商品に対する合計供給/需要によって判定される。
【0058】
市場価格は、サーバ・コンピュータによって実行される価格設定/トレーディング・プログラムによって設定される(図3において後述する)。トレーダーのアカウントには次いで、派生金融商品の市場価格が課金される。この購入によって、トレーダーのアカウントにおいて利用可能な現金全てを使い果した場合、トレーダーには、購入に対する支払いを行うのに十分な金額が「融資され」、そのアカウントには、所定の利率(例えば、年率18%(日々加算される))での利息が計上される。株式を売るか又はドルを買うことによって、残高をゼロにするためにより多くの現金を蓄積するまで利息がトレーダーのアカウントに計上される。
【0059】
ブロック210は、売り注文を出す旨の要求をクライアント・コンピュータ12から受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック212は、サーバ・コンピュータ14のメモリ内のキューにおいて入れることによってサーバ・コンピュータ14が売り注文を処理することを表す。売り注文は、以下を含むデータ構造である。
【0060】
トレーダーのアカウント番号、
トレーダーの名前、
注文の時間及び日付、
売る対象の株式又は債券、
トレーダーのアカウントにおける株式又は債券の量、及び
売る対象の総数(一般に、100の倍数単位)をトレーダーが入力することができるテキスト・フィールド。
【0061】
第1の好ましい実施例では、買い注文と同様に、売り注文は、所定のスイープ価格設定サイクルの満了を求めてキュー内で待つ。派生金融商品をトレーダーが実際に売る市場価格は、その注文が出されたスイープ価格設定サイクルの最後における、派生金融商品に対する合計供給/需要によって決定される。市場価格は、サーバ・コンピュータによって実行される価格設定/トレーディング・プログラムによって設定される(図3において後述する)。トレーダーのアカウントの貸方には次いで、派生金融商品の市場価格が記入される。
【0062】
売り注文は、以下に更に詳細に説明するように、トレーダーによって出すか、又はサーバ・コンピュータ14によって生成することが可能である。トレーダーによって出される売り注文の場合、トレーダーは、自らが保有する株式又は債券のリストを、クライアント・コンピュータに接続されたモニタ上でみて、一定量を市場価格で売ることを選択する。
【0063】
株式のリストをみる旨の要求をトレーダーが出すと、サーバ・コンピュータ14は、表示するために、直近のトレーディング価格(LTP)、株式の数量、購入価格、及び購入日付を保有株式毎に含む特定情報をクライアント・コンピュータ12に送信する。同様に、債券のリストをみる場合、表示するために、サーバ・コンピュータ14は、直近のトレーディング価格(LTP)、債券の種類毎の受取利率、債券の数量、購入価格、及び購入日付を保有債券毎に含む特定情報をクライアント・コンピュータ12に送信する。
【0064】
ブロック214は、スイープ価格設定サイクルの内部タイマが満了したか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック216は、図3において説明したように、価格設定/トレーディング・プログラムを実行するタイマをサーバ・コンピュータ14が処理することを表す。
【0065】
ブロック218は、割引率を変える旨の要求を受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック220は、サーバ・コンピュータ14が割引率プログラムを実行することを表す。流動性を増加又は減少させるために、サーバ・コンピュータ14は時々、仮想準備銀行プログラムとしての役割を果たし、割引率を調整するよう介入する。割引率は、何れかの適切なデータ(例えば、特定の業界の業績、特定の番組のテレビ・レーティング、チケットの売り上げ、収入又は何れかの他の適切な情報など)に基づいて調整することができる。割引率は、流動性を増加又は減少させて、特定の市場及び/又は業界の成長に影響を及ぼすよう調整することができる。サーバ・コンピュータ14が割引率を下げると、全ての債券がより好適な取引であるように思われる。債券では、全く変動しない固定金利が支払われるからである。第1の好ましい実施例では、これによってトレーダーがより多くの債券を買うことが奨励され、購入の需要におけるそうした急増によって、前述のように、相関した増加が債券価格においてもたらされる。同じことが株式に発生する。トレーディング・アカウントの現金残高に対して支払われる利子によるトレーダーの儲けが少なくなるからである。サーバ・コンピュータ14が割引率を上げると、債券はより好適でない取引であるように思われる。これは、割引率に対する利点がより小さいからである。よって、サーバ・コンピュータ14は、債券に対する買い圧力又は需要を緩和する。それによって、売り注文の増加がもたらされるか、又は少なくとも、債券の購入のペースが低下し、よって、市場において売買されるにつれ、その価格が下落する。同様に、株式はより魅力的でないように思われる。トレーダーが、自らのアカウントに現金を保有し、この現金に対して利子を得ることによってより多くの儲けを得ることが可能であるからである。
【0066】
ブロック222は、派生商品のリストを修正する旨の要求を受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック224は、サーバ・コンピュータ14がリスティング・プログラムを実行することを表す。サーバ・コンピュータ14は、システムにおいてトレーディングされる派生商品のリストを修正するべきか否かを判定する。新たな派生商品の提供、満了した派生商品、及び公開廃止派生商品を反映するようリストを修正することが可能である。
【0067】
特定の派生商品の当初価格は、特定の派生商品によって表される映画、俳優、スポーツ選手、チーム、賞の候補者、競争者及び/又は事業主体に基づき得る。例えば、映画を表す派生商品の当初価格は、映画の潜在的ボックスオフィス収入の推定に基づき得る。別の例として、映画を表す派生商品の当初価格は、主観的な基準(例えば、ディレクターの評判、映画が制作されるスタジオが主要なスタジオか小さなスタジオか、映画における俳優の人気、及び/又は何れかの他の適切な基準など)に基づき得る。スポーツ・トーナメントにおける競争者(例えば、プレイオフのバスケットボール・チーム)を表す派生商品の当初価格は、トーナメントにおける競争者のシード、現在のランキング、勝敗記録、及び/又は、何れかの適切な数並びに組み合わせの客観的基準及び/又は主観的基準に基づき得る。賞の候補者に基づく派生商品の当初価格は、前述の候補者によって得られた過去の賞、業績又は表彰に基づき得る。現実に基づくテレビ番組における競争者に基づく派生商品の場合、取引所は、競争者に関連した当初価格が等しくなるように設定し得る。他の実施例では、取引所は、特定の派生商品の当初価格を、その派生商品が表す競争者の業績、技術及び/又は人気に基づいて設定し得る。取引所に存在しているタレントを表す債券の場合、債券の価格は、ハリウッド・レポーターのスター・パワー・インデックスに基づき得る。15という低いスター・パワー・インデックスを有するタレントを表す債券は、高いスター・パワー・インデックスを有するタレントを表す債券よりも高い利回りで出される。取引所は、何れかの適切な数及び組み合わせのデータ及び/又は基準を用いて、派生金融商品の価格を設定することができる。
【0068】
特定の実施例では、取引所は、特定の派生商品の当初価格を自動的に判定することができる。他の実施例では、一又は複数の個人(例えば、スペシャリストのパネルなど)が、何れかの適切な客観的基準及び/又は主観的基準を用いて特定の派生商品の当初価格を判定することができる。
【0069】
特定の実施例では、行使価格を有するワラントを、提供された時点で新規派生商品に付けることができる。派生商品及びワラントが最初に出される際、行使価格に達するまで、ワラントには価値が何らないことがあり得る。例えば、映画に基づく株式の場合、映画が特定レベルの収入を上げた後、行使価格に達し得る。派生商品が取引所で公開廃止になった場合(例えば、プロダクション・ランを終えた映画、又は引退若しくは死去によるタレントによる株式)、ワラントを償還し得るものであり、トレーダーには、ワラントの価値が支払われ得る。よって、スタジオに、オフバランスシート調達が提供される。
【0070】
価格設定/トレーディング・プログラム
図3を参照すれば、本発明の価格設定/トレーディング・プログラムのロジックを示すフローチャートを示す。ブロック300は、先行スイープ価格設定サイクル以降の期間中にキューにおいて蓄積された買い注文及び売り注文をサーバ・コンピュータ14が取り出すことを表す。ブロック302は、サーバ・コンピュータ14が買い注文を売り注文とマッチングさせることを表す。しかし、上記期間中にキューにおいて蓄積された買い注文数及び売り注文数が同一でない可能性が高い。ブロック304は、派生金融商品の市場価格を判定するために、図4に表す市場価格プログラムをサーバ・コンピュータ14が実行することを表す。市場価格が決定された後、ブロック306は、キュー内の買い注文及び売り注文が市場価格で処理されることを反映するようサーバ・コンピュータ14がトレーダーのポートフォリオを更新することを表す。ブロック308は、価格設定/トレーディング・プログラムの終了を表す。
【0071】
市場価格生成のプログラム
図4を参照すれば、本発明の市場価格生成プログラムのロジックを示すフローチャートを示す。市場価格生成のロジックの一目的は、市場における派生金融商品に対して需要があること又はないことを反映する、派生金融商品の市場価格の生成である。ブロック400は、先行スイープ価格設定サイクルからの期間中の買い注文及び売り注文間のアンバランスをサーバ・コンピュータ14が測定することを表す。ブロック402は、買い注文及び売り注文のアンバランスによって生じる派生金融商品の価格変動をサーバ・コンピュータ14が判定することを表す。ブロック404は、市場に安定性及び流動性をもたらすために、図5において表すように、サーバ・コンピュータ14が仮想スペシャリスト・プログラムを実行することを表す。ブロック406は、トレーディング日中に推定価格変動が過剰であり、その商品の市場の統合性を脅かす場合、図6にて表すように、サーバ・コンピュータ14が売買停止プログラムを実行して、派生金融商品におけるトレーディングを停止することを表す。ブロック408は、トレーダーのポートフォリオを更新するために価格設定/トレーディング・プログラムが用いる価格になる市場価格をサーバ・コンピュータ14が設定することを表す。ブロック410は、市場価格生成プログラムの終了を表す。
【0072】
ブロック400によって表すように、買い注文と売り注文との間のアンバランスの測定において、売りの数と買いの数との間の絶対差は、スイープにおける純変動(NMS)として定義される。スイープ増加変数(SIV)は、買い注文数及び売り注文数における漸増的なアンバランスによって生じる価格の上昇又は下落として定義される。ロット変動変数(LMV)は、1SIVの価格の上昇又は下落をもたらす増加ロット・サイズを表す。予測価格変動(PM)は、
PM=(NMS/LMV)*SIV
として表すことが可能である。
【0073】
例えば、特定の株式の買い注文数が42,000であり、売り注文数が30,000の場合、NMS=(42,000−30,000)=12,000である。SIV=$0.25及びLMV=5000の場合、特定の株式の価格変動は、(12,000/5,000)*0.25=0.50ドルである。よって、特定の株式の市場価格は、直近のトレーディング価格よりも0.50ドル大きい。
【0074】
前述の価格設定手法の場合、派生金融商品の価格における大きなボラティリティ、及び、市場原理における投資家の信頼の最終的な喪失の可能性が存在していることが容易に分かり得る。取引所では、急激な価格変動を故意にもたらすトレーディング戦略を一又は複数の個人が進めることが可能であり得る。
【0075】
本発明のトレーディング・システムによって調節される資本市場の成長及び安定性を助長するために、図4のブロック404に表すように、仮想スペシャリスト・プログラムはサーバ・コンピュータによって実行される。仮想スペシャリスト・プログラムの実行において、サーバ・コンピュータ14は、仮想スペシャリスト・ポートフォリオ(VSP)から市場において活発にトレーディングすることによってトレーディングを調整する。第1の好ましい実施例では、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオには当初、各派生金融商品の全発行シェアの半分が入っている。
【0076】
仮想スペシャリスト・プログラム
図5を参照すれば、本発明の仮想スペシャリスト・プログラムのロジックを示す流れ図を示す。ブロック500は、スイープ価格設定サイクル中の価格変動が、調整価格変動閾値(APT)以上か否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。APTは、サーバ・コンピュータ14のメモリにおける定数である。APTが価格変動より大きい場合、サーバ・コンピュータ14は市場において売買しない。価格変動がAPT以上の場合、サーバ・コンピュータ14は仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオから売買する。サーバ・コンピュータ14によるトレーディングのレベルは、価格変動がAPTを上回った量で判定される。価格変動が大きいほど、価格変動を相殺するためにサーバ・コンピュータ14がトレーディングするシェア数は多くなる。
【0077】
本発明の例示的な実施例では、ATP=1.25であり、サーバ・コンピュータ14は、以下の工程を実行する。PM=APTの場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェア20%をマッチングさせる。PM=APT+0.25の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの20%をマッチングさせる。PM=APT
+0.50の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの30%をマッチングさせる。PM=APT +0.75の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの40%をマッチングさせる。PM=APT
+1.0の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの50%をマッチングさせる。PM=APT +1.25の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの60%をマッチングさせる。PM=APT
+1.50の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの70%をマッチングさせる。PM=APT +1.75の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの80%をマッチングさせる。
【0078】
ブロック502は、価格変動を相殺するために買い注文又は売り注文をサーバ・コンピュータ14が生成することを表す。サーバ・コンピュータ14によって生成される買い注文又は売り注文はキューに入れられ、トレーダーの買い注文及び売り注文は次のスイープ・サイクル中に処理される対象である。
【0079】
第1の好ましい実施例では、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオが当初、トレーディングされる全証券の半分を含むので、サーバ・コンピュータ14は最終的には、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオを枯渇させ得るか、又は仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオに株式の全シェアを保有させ得る。バランスのとれた仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオを維持し、多少の流動性を市場にもたらすために、サーバ・コンピュータ14は、更なる買い注文及び売り注文を生成して、APTを上回る価格変動に応じて生成される注文を相殺する。ブロック504は、時間が指定された買い注文及び売り注文をサーバ・コンピュータ14が生成することを表す。本発明の一実施例では、サーバ・コンピュータ14は、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオの各株式及び各債券を評価する。サーバ・コンピュータ14は、当該アイテムにおける不足額又は余剰額を判定し、次いで、今後3日間の順次の15分セグメントそれぞれに不足額の1/288を「時間が指定されたリカバリ注文」として入れる。ブロック320において表すように、価格設定/トレーディング・プログラム255が買い注文及び売り注文をマッチングさせると、価格設定/トレーディング・プログラム255は、直近の3日間で未処理の「時間が指定されたリカバリ注文」があればこれをスイープに含める。前述の注文は、トレーダーの買い注文及び売り注文とマッチングされる。ブロック506は、仮想スペシャリスト・プログラムの終了を表す。
【0080】
トレーディング停止プログラム
図6は、本発明のトレーディング停止プログラムのロジックを示す流れ図である。ブロック600は、買い注文及び売り注文のアンバランスによって生じる株式の価格変動をサーバ・コンピュータ14が判定することを表す。ブロック602は、スイープ・サイクル期間中のみならず、当日の価格変動をサーバ・コンピュータ14が測定することを表す。ブロック604は、「一トレーディング日」(直近の1つの前の午前0時から直近の午前0時まで)内の純価格変動(NPM)が上方向又は下方向に50%超であるか否かを判定することを表す判定ブロックである。ブロック606によって表すように、20ドル超でトレーディングされる株式の純価格変動が50%より大きい場合、買い注文及び売り注文はキューから取り除かれる。その時点で、その銘柄のトレーディングは、追って通知があるまで15分以内で停止される。このスイープ中のその株式の注文(買い及び売り)には応じられない。「過剰な注文アンバランス」によってトレーディングは停止している。
【0081】
例えば、特定の映画に基づく特定の派生商品の直近トレーディング価格(LTP)が67ドル(当日+7.5)であるものとする。15分の一スイープ価格設定サイクル中、サーバ・コンピュータ24は、特定の派生商品の655,000シェアに対する買い注文を受け取る。更に、サーバ・コンピュータ14は、特定の派生商品の35,000シェアに対する売り注文を受け取る。サーバ・コンピュータ14は、スイープ価格設定サイクル中の価格変動を評価し、「当日の」純推定価格変動が50%より大きいかをみるために確認する。50%より大きい場合、その商品のみのトレーディングを停止させる。この例では、620,000ショアの純注文アンバランスが存在している。これによって、(+620,000/5,000)*
$0.25=+$31.00の上方価格変動が生じる。当日の総変動が、今までの7.50ドルに更に31.00ドルを加えた額になるので、当日の純推定価格変動は$31.00+$7.50=$38.50になる。当日の寄り付き価格が59.50ドルであった場合、当日の推定価格変動率は$38.50/$59.50=64%である。推定純価格変動が50%より大きいので、その商品のトレーディングは停止される。推定価格変動が50%未満の場合、商品の価格は適宜調整され、その株式の売買は続けられる。ブロック608は、特定の株式に関して売買停止命令が出ることを表す。株式の買い注文又は売り注文を出したトレーダーには、トレーディング日中の過剰な注文アンバランスによって注文に応じられなかった旨が通知される。最後に、ブロック610は、トレーディング停止プログラムの終了を表す。
【0082】
II. トレーディング・システムの第2の実施例の概括的なロジック
前述の第1の実施例と同様に、本発明のシステムの第2の実施例は、オープンな、コンピュータ化された取引所におけるトレーディングに提供される証券のデータベースを含む。特定の実施例では、映画、俳優、商品、及び/又はサービス企業に関する証券がリストされている。他の実施例では、例えば、トーナメント、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争などの競争における競争者に関する証券がリストされている。よって、第2の実施例の以下の説明は、機能における、第1の実施例との差に焦点を当て、第2の実施例に含まれるが、更なる説明を必要としない特徴を省略することがあり得る。
【0083】
システム構成部分の概要
図7を参照すれば、大局的な定数テーブル2022、価格履歴テーブル2020、純価格変動テーブル2008、証券価格テーブル2006、証券定数テーブル2002、売買履歴トラッキング・テーブル2010、純価格変動残高テーブル2012、ゴースト・トレーディング・テーブル2014、管理テーブル2016及びユーザ・データベース・テーブル2026(後述するように用いられる)を含む複数のテーブルがシステム内に含まれている。映画などの派生商品に基づいた取引所は、デベロップメント段階テーブル2024を更に備え得る。全テーブル間で経済コントロール・データ及び価格コントロール・データを転送する仮想スペシャリスト・プログラム2028、全テーブル間で経済コントロール・データを転送する準備銀行プログラム2030、及び後述するように売買及びポートフォリオの情報をそれ自体とユーザ・データベースとの間で転送するユーザ・インタフェース700が、前述のテーブルとインタフェースする。後述するようにマーケティング・ツール(2040)も全テーブルとインタフェースする。
【0084】
管理モジュール
図18を参照すれば、システムは、後述するようにシステム内の定数及び変数を調整するために用いる管理モジュールを含む。管理モジュールは、パスワード保護されており、ブラウザ・インタフェース700によって実現される(やはり後述する)。
【0085】
ユーザ登録及びログイン
図1を参照すれば、ユーザは、標準インタフェースを用いてネットワークを介してシステムにアクセスすることができる。例示的なシステムは、SQL準拠バックエンド・データベース・サーバ14に接続された、ネットワーク(インターネット10など)に接続されたウェブ・クライアント12を含む。
【0086】
図8Aを参照すれば、標準化されたウェブ・ブラウザ・インタフェース700は、人口統計情報(姓名、年齢、性別、場所、職業、所得、趣味等など)を提供して、インターネット10を介してオンライン・トレーディング・システムに登録するためにユーザによって用いることができる。登録されると、ユーザには、登録後にログインするために用いられる一意のユーザIDを選択する選択枝が与えられる。人口統計情報の提供において、ユーザは、ランダムに割り当てられたパスワード及びその他のインストラクション情報を転送することが可能な宛先の電子メール・アドレスも提供する。
【0087】
図8Bを参照すれば、ユーザが登録されると、始めてのユーザのデフォルト・ポートフォリオはウェルカム・ウェブページ804の左上コーナーのポートフォリオ表示ボタン802を選択することによってパスワードなしの一時ログインを用いてアクセスすることができる。
【0088】
図9を参照すれば、ユーザがその永久パスワードを受け取ったあと、システムのウェブ・ホームページ804にあるスタート・ボタン902を選択することによってインターネット・ブラウザ700を用いてインターネット10(図1)を介してシステムにアクセスすることが可能である。
【0089】
図10を参照すれば、ユーザには、ウェブページ700上にそのポートフォリオが提示される。自動的に、トレーディングを開始するために、新しいユーザには、準備銀行プログラム(後述する)から、一定量の仮想通貨1002を仮想ドル(V$)で提供される。この量は、準備銀行プログラムからの融資(利息が課される)又は贈与とみなし得る。
【0090】
ログイン後に、ユーザ・ポートフォリオ要約1004がページの最上部に示される。ユーザ・ポートフォリオ要約1004は、ユーザの現在の現金残高1002、株式で保有された額1006、債券で保有された額1008や他のタイプの証券で保有された額を表示する。新しいユーザがログインすると、ユーザ・ポートフォリオの現金価値は通常、単に現金1002だけで表されるか、又はマネー・マーケット・アカウントで表される。しかし、時々、システムは、例えば、債券証券1008を備えた無償証券の保有高を新しいユーザに与え得る。ユーザのポートフォリオにおける現金は、仮想予備銀行プログラムによって設定された利率で増える。
【0091】
売買注文
ユーザは、購入が望まれる商品のシンボル1012をページの売買領域1010においてタイプ入力することによって証券商品を売買することができる。数量1014も、売買領域1010において特定される。特定の商品のシンボルをユーザが知らない場合、ルックアップ又はサーチ機能が、標準のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)特徴(ドロップダウン・リスト・ボックス、テキスト・サーチ・ボックスやスライダ・バー・リストなど)を用いて画面のシンボル・サーチ領域1016において提供される。あるいは、画面の最下部にあるティッカー・テープ・スタイル更新メニュー1018が、利用可能な商品を、対応する商品価格とともに示す。
【0092】
利用可能な商品のシンボル1010、及び数量1014をユーザが首尾良く入力すると、売買域1010における買いボタン1020を押すことができる。図11を参照すれば、アカウント上に十分な現金をユーザが有する場合、及び利用可能な商品が存在している場合、確認画面1102が取引の実行前に現れる。確認すると、売買が実行され、現金がユーザの現金勘定1002(図10)から控除される。
【0093】
図10を参照すれば、ユーザが証券商品を売りたい場合、売りボタン1022が、ポートフォリオ・ページ1004の売買領域1010においてクリックされる以外は、買い注文を出す前述の手順と同じ手順に従う。確認後、売られる株式の市場価格がユーザの現金アカウント1008に加算され、購入注文に応じるために株式がシステムにおいて利用可能にされる。
【0094】
仮想スペシャリスト・プログラム
システムは、とりわけ、買い注文及び売り注文のフルフィルメントを扱う仮想スペシャリスト・プログラムを含む。本願のシステムの第2の実施例では、仮想スペシャリスト・プログラムは、経済をコントロールし、それに流動性をもたらす。買い注文を相殺するために等しく、マッチングしている売り注文が存在しているか(逆も同様)否かにかかわらず、注文全てのフルフィルメントを行うことによって、瞬間的な流動性を提供する。
【0095】
図12aを参照すれば、当初の証券価格を決定するために仮想スペシャリスト・プログラムによって実行される算出を示すフローチャートを示す。仮想スペシャリスト・プログラムは、管理者入力値に基づいて、取引所で公開する対象の新たな証券の公募の当初価格を算出する。システム管理者は、パスワード保護された管理モジュールによって、取引所で公開するための新たな証券を設定することができる。取引所は、下にある事業主体(例えば映画、俳優、競争者等)の性質に部分的に基づいて派生商品の価格を設定し、管理することができる。例えば、取引所は、現実に基づくテレビ番組の競争者の価格を取引所が設定し、管理するのと違ったふうに、映画に基づいた派生商品の価格を設定し、管理することができる。
【0096】
映画、タレント、商品及び/又はサービス企業に基づく派生商品
前述のような、取引所で公開されたフィルムの場合、価格を決定する1つのやり方は、映画の制作の段階によるものである。各映画には、関連した総ボックスオフィス業績がある。管理者は、工程1202で、証券の推定総ボックスオフィス業績(EGBO)を管理画面に入力することが可能である。管理者は、工程1204で、証券の当初発行シェア数(NIS)の数量を入力する。第2の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムは、実際にシェアを何ら保有しないので発行シェア数は仮想の数である。ユーザは、工程1205で、映画の制作の段階のコード(後述する)も入力する。仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1206で、EGBOをNISで除算して、未処理の当初シェア価格(RIS)を決定する。
【0097】
当初シェア株価(ISP)は次いで、制作段階係数で調整される。以下に、管理者によって入力されるコード・フォーマットとともに、種々の映画制作段階を説明する。
【0098】
C=Concept(コンセプト):映画のコンセプト段階中に、活発な制作はまだ行われていない。「新たな」プロジェクトについての噂を耳にする。場合によっては、既存の映画の続編、又は著書の焼き直しである。
【0099】
D=Development(デベロップメント):映画のデベロップメント段階中に、プロジェクトは関心を引きつけており、考えを更に発展させることに資金が費やされる。最終的なスクリプト前提が仕上げられる。
【0100】
前概念デザイン作業が行われる。より多くのクルー及び俳優が、この段階でプロジェクトに専念する。
【0101】
P=Production(制作):プロジェクトは、活発な制作に移っている。クルー及びスターは全て選ばれており、主要な写真撮影はスケジューリングされるか、又は開始される。リリース日は、固定され始める。
【0102】
W=Wrap(ラップ):映画は完全に完成し、リリースを待つ。リリース日が、商業的な成功の機会のより有利なウインドウを待って、スケジューリングされていない将来の日付まで、短い時間(場合によっては、数週又は数ヶ月)遅くされていることがあり得る。
【0103】
R=Release(リリース):映画は劇場で上映中である。
【0104】
映画がコンセプト段階にある際には、映画が制作中である際よりも映画の成功の可能性を判定することはずっと難しい。制作サイクルには、潜在的成功を判断することがより難しいコンセプト段階に始まり、映画の潜在的な成功をより正確に判定するために実際のボックスオフィス収入をみることが可能なリリース段階に終わる一連の成功レベルが関係する。よって、映画の当初の成功を判定する場合、RISを適宜、減らさなければならない。
【0105】
工程1208(図12a)から始めて、仮想スペシャリスト・プログラムは、映画がコンセプト段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1210で、コンセプト段階にある映画の管理上設定されたコンセプト係数で乗算される。
【0106】
仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1212で、映画がデベロップメント段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1214で、デベロップメント段階の映画の管理上設定されたデベロップメント係数で乗算される。
【0107】
仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1216で、映画が制作段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1218で、プロダクション段階の映画の管理上設定された制作係数で乗算される。
【0108】
仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1224で、映画がリリース段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1226で、未処理の不変のRISに固定される。
【0109】
前述の係数のみが、RISの調整に用いることが可能な係数でないことを当業者は認識するはずである。例えば、RISは、映画キャストの業界ボックスオフィス・インデックス、キャストの業界人気インデックス、推定予算、実際の予算、又は映画のリリース・シーズンなどのインデックスによって調整することが可能である。更に、商品、俳優又はサービス企業の証券に種々の係数を用いて当初価格を決定することになる。
【0110】
映画の算出当初価格は、上記の公式に静的に関係するものでない。上記係数で決定される推定価格に関係なく、第2の実施例のシステムでは、価格は、映画のリリース後、更に調整される。映画のリリース日の翌朝に、その映画の株式のトレーディングは、停止させられる。トレーディングは、以下の公式に基づく調整価格でその最初の週末の終わりに続けることが可能である。
(最初の週末の総ボックスオフィス収入/1MM)*(総国内収入に対する歴史的な乗数)
歴史的な観察によって、本発明の第2の実施例に理想的な歴史的乗数値は3.6であることが明らかになった。
【0111】
市場の債券の当初価格は、株式と同様に決定される。価格を決定する1つのやり方は、前述の、取引所で公開された映画スターの場合、そのスターが出演した映画の歴史的な業績による。
【0112】
取引所では、投資家は、スター債券の形態で個々の俳優をトレーディング可能である。スター債券によって、スターのレーティングに応じて利子が支払われる。レーティングは、
スターの36ヵ月遅行平均総額(TAG)で決定される。TAGは、先行する3年間にスターが出演している映画の遅行平均ボックスオフィス総収入である。TAG値及びレーティングは、11のクラス(すなわち、AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、C、U及びD)のうちの1つに対応する。11のスター債券のレーティング・クラスそれぞれは、仮想ドルの金利又は表面利率に対応する(下記の図を参照)。本発明のシステムの第2の実施例の個々の俳優のレーティング及び表面利率は、以下のようにそのTAG値に応じて決定される。
AAA 平均総収入:1億ドル以上 表面利率:V$60
AA 平均総収入:7500万〜9990万ドル 表面利率:V$80
A 平均収入:5000万〜7490万ドル 表面利率:V$100
BBB 平均総収入:4000万〜4990万ドル 表面利率:V$140
BB 平均総収入:3000万〜3990万ドル 表面利率:V$160
B 平均総収入:000万〜2990万ドル 表面利率:V$180
CCC 平均総収入:1500万〜1990万ドル 表面利率:V$220
CC 平均総収入:1000万〜1490万ドル 表面利率:V$240
C 平均総収入:500万〜990万ドル 表面利率:V$260
U(レーティングなし)平均総収入:500万ドル未満 表面利率:V$300
D(償還不能) 平均総収入:なし 表面利率:V$0
スター債券の投資家は、毎日、債券毎に表面利率の6分の1を受け取る。年間利回り率、又は直接利回りは、V$の表面利率を現在価格で除算することによって算出される。低いレーティングのスター債券は、高いリスクを表す。低いレーティングのスター債券のV$の日々の支払額は、低いレーティングのスター債券を保有するリスクをとるトレーダーを補償するために高い。高いレーティング(AAAなど)は、まさにこの逆を表す。
【0113】
システムは、近く公開の大ヒット作におけるスターの出演を予期して、レーティングが低いスター債券を一部のトレーダーが買い、それによって、TAG(遅行平均総収入)、レーティング及び価格が上がるという原理の下でプログラムされる。逆に、トレーダーは、近く公開の失敗作におけるスターの出演を予期して、レーティングが高いスター債券を売り、それによって、TAG、レーティング及び価格が下がる。
【0114】
Uのレーティングを有するスター債券は、その債券がレーティングされていないことを意味し、レーティングがDのスター債券はその債券が償還不能であることを意味する。
【0115】
年全体にわたって、システム管理者は、ボックスオフィス業績の報告に伴ってTAG値を更新し、よって、クラス・レーティングを更新する。各木曜日に、新しいボックス・オフィス・データが報告されるとともに、仮想スペシャリスト・プログラムは、更新を必要とする債券レーティングを求めてスター債券市場をスイープする。スター債券の価値は映画の累積的な業績に基づくので、仮想スペシャリスト・プログラムは4つの週末後の映画の合計総収入を推定するために総収入に1.24の乗数を用いる。
【0116】
あるいは、債券の価格はいくつかのやり方で決定することができる。債券価格を決定することができる1つの方法は、債券のレーティングに基づくボックスオフィス・インデックスを債券に割り当て、このインデックスを定数で乗算し価格を得ることによる。この方法を用いて、債券のレーティングは、他の係数(債券の関連スターが出演したフィルムの数、スターのキャリアの長さ、スターが出演した個々のフィルムに対してスターが受け取る相対的な請求額、及び世間一般による、スターの品行の認識など)で調整することが可能である。これらの係数を全て、システム管理者によって管理上設定し、次いで、ボックスオフィス・インデックスと掛け合わせて、調整されたボックスオフィス・インデックスを得る。
【0117】
債券の当初価格を決定する別のやり方は、前述のように他の証券価格が決定されるやり方と同様に(すなわち、いくつかの市場係数を用いる一方で、伝統的な固定債の額面価格を用いる代わりに、後述する仮想スペシャリスト・プログラムによって他の証券価格が調整されるやり方と同様に)債券の将来価格を決定することによって当初価値を決定することである。
【0118】
本発明のシステムの第2の実施例における非債券証券に関し、仮想スペシャリスト・プログラムは、仮想スペシャリスト・プログラムがフルフィルメントを行う、相殺する注文を何ら有しない注文の証券の数量を表す現行純変動残高(NMB)を格納する。このアンバランスは、実行される買いの売買注文が、実行される売り注文よりも多いことを売買アンバランスが表す場合、正の数として格納され、売り注文が買い注文よりも多いことを売買アンバランスが表す場合、負の数として格納される。
【0119】
競争に基づく派生商品
特定の実施例では、取引所は、競争における競争者を表す派生金融商品のトレーディングを容易にすることができる。競争は、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくTVシリーズ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争を含み得る。一般に、取引所は、派生金融商品の当初価格を設定し、売る対象のいくつかの派生商品を決定し、競争の過程で、派生商品に関連した価格の調整及びメンテナンスを行い、トレーダー間で派生商品のトレーディングを管理する。
【0120】
競争の開始時に、取引所及び/又は取引所管理者は、競争の競争者を識別することができる。競争者は、個人、チーム、スポーツ選手、グループ及び/又は何れかの適切な事業主体であり得る。特定の競争者の場合、取引所は、その競争者を表す派生商品の当初価格を決定することができる。特定の派生商品の当初価格は、何れかの適切な客観的基準及び/又は主観的基準に基づいて決定することができる。特に、特定の派生商品の当初価格は、少なくとも部分的には、その派生商品によって表される競争者に関連したランキング、記録、実績、統計及び/又はチームに基づき得る。更に、又はあるいは、特定の派生商品の当初価格は、少なくとも部分的には、その派生商品によって表される競争者に関連した健康状態、けが、履歴、サイズ、体重、及び/又は何れかの適切な数及び組合せの特性に基づき得る。例えば、競争がバスケットボール・トーナメントの場合、トーナメントにおける特定のチームを表す派生商品の当初価格は、少なくとも部分的には、特定のチームのランキング及び/又は勝敗記録に基づき得る。特定の実施例では、当初価格は、少なくとも部分的には、特定の競争者の実績、技術又は成果に基づき得る。例えば、競争が「オスカー」などの受賞イベントの場合、受賞候補者の派生商品は、その候補者が以前に賞を獲得したか否かに基づき得る。特定の実施例では、各競争者を表す派生商品の当初価格は、同じであり得る。
【0121】
特定の実施例では、取引所は、特定の派生商品の当初価格を自動的に決定することができる。他の実施例では、一又は複数の個人(例えば、専門家のパネルなど)は、何れかの適切な客観的基準及び/又は主観的基準を用いて特定の派生商品の当初価格を決定することができる。
【0122】
各競争者を表す派生商品の当初価格の決定に加えて、取引所は、競争の競争者毎に提供するシェアの数を決定することができる。取引所は、少なくとも部分的には、取引所に参加するトレーダーの数の予測に基づいて、提供するシェアの数を決定することができる。
特定の実施例では、特定の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムが実はシャアを何ら保有していないことがあり得るので、発行されるシェアの数は、仮想の数であり得る。
【0123】
取引所は、取引所を介してトレーディングに参加することができるトレーダー群を規定するよう構成することができる。トレーダー群は、何れかの適切な数及び組合せの特徴によって規定することができる。例えば、規定済みの群は、特定のインターネット・サービスの加入者、特定の組織のメンバー、特定の企業の顧客、及び/又は何れかの適切な群を表すことができる。特定の実施例では、取引所は、取引所を介してトレーディングに参加するために、構成可能なパスコードを個人が有することを必要とすることができる。パスコードは、個人が取引所に参加することができるか否かを検証するためのパスワード、アクセス鍵及び/又は何れかの適切な手段を表すことができる。特定の実施例では、個人は、商品を購入することによって、パスコードを「獲得する」ことができる。例えば、パスコードは、特定の飲料の特定のボトルのキャップの下側に印刷することができる。よって、取引所は、個人が特定の商品を購入して取引所に参加する機会を得ることに対するインセンティブを提供することができる。前述の実施例では、特定の飲料のボトルをより多く購入することによって、個人は、パスコードを有するボトル・キャップを取得して取引所に参加する機会を増やすことができる。他の実施例では、パスコードは、キャンディの包みの中に、シリアルの箱の中に、及び/又は商品に関連したスクラッチ・カード上に印刷することができる。前述の実施例は、商品に関連したパスコードを示すが、パスコードは、サービス(例えば、携帯電話サービス、音楽ダウンロード・サービス、インターネット・サービス、及び/又は何れかの適切なサービス)と関連していてもよい。こうした実施例では、パスコードは、電子的に、電子メール、印刷、及び/又は何れかの適切な媒体を介して、選択された個人に送ることができる。
【0124】
特定の実施例では、取引所は、トレーダーとして取引所に誰もが参加することを可能にし得る。取引所は、トレーダーがリーグ又はグループを構成することを可能にし得る。例えば、友人、同僚、及び/又は仕事関係の人の群によって、トレーダーとして互いに競争するためにリーグが構成され得る。リーグを構成することによって、トレーダーは、そのリーグの他のトレーダーと競争して、例えば、最高価値のポートフォリオを構築することが可能なトレーダー、取引所の基礎をなしている競争において勝利を得た競争者に関連したシェアを最も多く獲得することが可能なトレーダー、及び/又は何れかの適切な数及び組合せの目標を達成することが可能なトレーダーを決定することができる。
【0125】
派生商品の当初価格を決定した後、取引所は、売る対象の派生商品をトレーダーに提供することができる。特定の実施例では、トレーダーは、取引所の基礎をなしている競争の開始前に、取引所に参加するために登録することができる。取引所に登録すると、トレーダーは、構成可能な量の仮想通貨を受け取ることができる。取引所は、現在売買可能な派生商品をトレーダーに向けて表示することができる。表示された情報に少なくとも部分的に基づいて、トレーダーは、1つ又は複数の派生商品を買う旨の1つ又は複数の買い注文を出すことができる。1つ又は複数の買い注文を受け取ると、取引所は、要求されたシェア数をトレーダーに転送することができる。取引所は、購入されたシェアの価格に従って、トレーダーに関連したアカウントから自動的に控除することができる。
【0126】
トレーダーが派生商品を売買し始めると、派生商品の価格は、種々の派生商品の需要と供給に基づいて変動し得る。特定の実施例では、競争の過程で、仮想スペシャリスト・プログラムは、派生商品に関連した価格を時々調整するよう動作可能である。例えば、競争がスポーツ・トーナメントの場合、取引所はトーナメントの1つ又は複数のラウンドの後、派生商品に関連した価格を調整することができる。特定の派生商品の価格調整は、その派生商品に関連した競争者の実績に少なくとも部分的には基づき得る。例えば、スポーツ・トーナメントの場合、取引所は、トーナメントの第1ラウンドにおいて勝ったチームを表す派生商品の価格を上げることができる。大差で勝ったチームの派生商品は、近差で勝ったチームの派生商品より価格上昇が大きいことがあり得る。よって、取引所は、その派生商品によって表される競争者の実績に基づいて、特定の派生商品の価格調整を決定することができる。
【0127】
特定の実施例では、競争者が競争で負けた場合、及び/又は、競争者が競争から脱落した場合、その競争者に対応する派生商品の価格はゼロに下落し得る。他の実施例では、競争者が競争から脱落した場合、取引所は、対応する派生商品の価格を下げ得る。取引所が派生商品の価格を下げる量又は率は、少なくとも部分的に競争の段階に依存し得る。例えば、現実に基づいたTVシリーズ番組の第1話の後に脱落した競争者の場合、現実に基づいたTVシリーズ番組の、後の話において脱落した場合よりも高い率で、対応する派生商品の価格を下げることができる。他の実施例では、取引所は、現実に基づいたシリーズ番組の先行する話において競争者が脱落した場合に、競争者が後の話において脱落した場合よりも低い率で派生商品の価格を下げることができる。特定の実施例では、取引所は、競争の話、段階及び/又はラウンドそれぞれの後、派生商品の価格を調整することができる。
【0128】
取引所は、トレーダーの派生商品ポートフォリオの価値をトレーダーが上げることに対するインセンティブを提供するよう構成することができる。特定の実施例では、取引所の基礎をなしている競争の終了後、取引所は、複数のトレーダーのポートフォリオを比較することができる。取引所は、最高価値のポートフォリオを有する各トレーダーに賞を与えることができる。他の実施例では、競争の終了後、取引所は、勝利を得た競争者に関連した構成可能な数のシェアよりも多くのシェアを有するトレーダーに賞を与えることができる。更に他の実施例では、取引所は、競争の特定の段階の先に進む競争者に関連した派生商品を有するトレーダーに配当を与えることができる。配当は、仮想通貨、派生商品のシェア、及び/又は何れかの他の適切な報酬を表すことができる。
【0129】
取引所は、トレーディング活動を規制するよう動作可能であり得る。特に、取引所は、競争の特定の部分の間、トレ―ディングを停止させるよう動作可能であり得る。例えば、競争が、現実に基づいたTVシリーズ番組の場合、取引所は、TVシリーズ番組のそれぞれの話の放映中、トレーディングを停止させることができる。
【0130】
取引所は、相殺する注文を何ら有しない、仮想スペシャリスト・プログラムがフルフィルメントを行う注文の証券の数量を表す現行の純変動残高(NMB)を格納し得る。アンバランスは、実行される買い注文が、実行される売り注文より多いことを売買アンバランスが表す場合、正の数として格納され、又は、実行される売り注文が、実行される買い注文より多いことを売買アンバランスが表す場合、負の数として格納される。
【0131】
前述の実施例は、現実に基づくTVシリーズ番組におけるスポーツ選手、チーム、競技者、及び/又は参加者に基づいた派生商品を例証している。特定の実施例では、派生商品は、政治家、監督、公人、有名人及び/又はモデルに基づいてもよい。特定の実施例では、取引所に関連した競争は、政治イベント、世論調査、選挙、調査及び/又は何れかの適切なイベントを表し得る。例えば、取引所に関連した競争は選挙であり得るものであり、派生商品は選挙の候補を表し得る。別の例として、競争は調査又は世論調査(例えば、雑誌の「50人の最も素敵な人々」ランキングなど)を表し得るものであり、派生商品は、調査又は世論調査において対象になり得る有名人やその他の個人を表し得る。よって、取引所には、何れかの数及び組合せの競争、並びに、何れかの数及び組合せの競争者が関係し得る。
【0132】
特定の実施例では、取引所は、特定のトレーダーのポートフォリオの内容を規制することができる。例えば、トレーダーは、特定の派生商品の合計シェアのうちの構成可能な割合のシェアを超えるシェアを保有することが可能でないことがあり得る。別の例として、トレーダーは、単一の派生商品に関連したシェアのうちの構成可能な割合のシェアを超えるシェアを有することができない。取引所は、何れかの適切な数及び組み合わせの規制を、取引所に参加しているトレーダーに課すことができる。
【0133】
特定の実施例では、取引所は、最大及び/又は最小の「現金引出」価値又は償還価値を派生商品毎に決定することができる。特定の派生商品の最大償還価値は、トレーダーがその派生商品のシェアを買い、売り、かつ/又は、償還することができる最大価値であり得る。同様に、特定の派生商品の最小償還価値は、トレーダーがその派生商品のシェアを買い、売り、かつ/又は、償還することができる最小価値であり得る。取引所は、競争の各段階後に、特定の派生商品の最大及び/又は最小の償還価値を調整することができる。例えば、競争が野球プレイオフを表す場合、プレイオフの第1ラウンド中の最大償還価値は50ドルであり得る。プレイオフの第2ラウンドの開始時に、取引所は、残りのチームのために、派生商品のシェアの最大償還価値を100ドルに上げることができる。取引所は、何れかの適切な基準に基づいて特定の派生商品の最大及び/又は最小の償還価値を決定することができる。例えば、最大及び/又は最小の償還価値は、競争者の数、競争の段階、トレーダーの数、及び/又は何れかの他の適切な係数に基づき得る。前述の実施例は、野球プレイオフを表す競争を例証しているが、取引所は、何れかの数及び組み合わせの競争に関連し得る。前述の実施例では、取引所は、競争において先に進んだ競争者を表す派生商品の最大償還価値を2倍にした。しかし、取引所は、何れかの適切なやり方で派生商品の最大及び/又は最小の償還価値を調整することができる。
【0134】
図12bは、本発明の一実施例による、特定の競争に基づいた派生商品の取引所を管理する方法のフローチャートを示す。工程1252で、取引所は、特定の競争の競争者を識別する。工程1254で、識別された競争者毎に、取引所は、識別された競争者を表す派生金融商品の当初価格を決定する。当初価格の決定は、少なくとも部分的には、特定の競争者に関連した実績、記録、ランキング、技術及び/又は成果に基づき得る。工程1256で、取引所は、トレーダーに対して売り出す対象の各派生商品のシェアの数を決定する。売り出されるシェアの数は、少なくとも部分的には、取引所に参加するトレーダーの予想数の推定に基づき得る。
【0135】
工程1258では、取引所は、派生商品及び関連した価格をトレーダーに向けて表示する。取引所は、競争の競争者の名前、背景情報及び/又は特徴を表示することができる。工程1260で、取引所は、特定の派生商品の少なくとも1つのトレーディング注文をトレーダーから受け取る。トレーディング注文によって、派生商品のシェアの数、並びに、買い呼び値又は売り出し価格が特定され得る。工程1262で、取引所は、受け取られたトレーディング注文を実行する。工程1264で、取引所は、競争の構成可能な段階が完了したか否かを判定する。特定の実施例では、構成可能な段階は、トーナメントの一ラウンド、現実に基づくTVシリーズ番組の一話、又は何れかの他の適切な一部分を表し得る。
【0136】
工程1264で、取引所が、構成可能な競争段階がまだ完了していないと判定した場合、処理は工程1260に戻る。しかし、工程1264で、構成可能な競争段階が完了したと取引所が判定する場合、工程1266で、取引所は、競争に関連した派生商品の価格を調整する。特定の派生商品の価格調整は、少なくとも部分的には、競争の段階中の対応する競争者の実績に基づき得る。
【0137】
工程1268で、取引所は、競争が終わったか否かを判定する。工程1268で、競争が終わらなかったと取引所が判定した場合、処理は工程1260に戻る。しかし、工程1268で、競争が終わったと取引所が判定した場合、工程1270で、取引所は最大価値のポートフォリオを有する特定のトレーダーを決定する。工程1272で、取引所は、最大価値のポートフォリオを有する特定のトレーダーに賞を与えることができる。特定の実施例では、取引所は、トレーダーのポートフォリオの価値及び/又は資産に基づいて複数のトレーダーに複数の賞を与えることができる。
【0138】
証券の価格変動の決定
図13を参照すれば、証券の価格変動を決定するための算出を示すフローチャートを示す。非仮想トレーディング市場と違って、第2の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムは、直近に実行された買い注文価格に基づいてシェア価格を設定することによって、経済を管理するものでない。むしろ、仮想スペシャリスト・プログラムは、売買アンバランス残高を計算することによって、各売買後、商品の価格を決定する。システムは、価格調整のためにユーザによって出される買い注文及び売り注文のデータを含む売買キューを走査又はスイープする(工程1302)。
【0139】
証券の売買アンバランス(本明細書において純変動残高(NMB)とも呼ばれる)が、証券全ての純変動残高がトラッキングされる純変動残高データベースから読み出される(工程1304)。仮想スペシャリスト・プログラムは、証券価格増加(SPI)定数及び一対の証券価格閾値定数の組合せを用いてNMBに基づいて証券価格を増やすか、又は減らすことによって証券価格をコントロールする。正の証券価格閾値(PSPT)定数及び負の証券価格閾値(NSPT)定数が、システム管理者によってシステム内の証券毎に証券定数テーブル2002において設定される。
【0140】
ユーザが売買を実行すると、レコードが売買キューに追加される。売買レコードにおけるフィールドとして、売買注文の純売買変動(NTM)変数は、売買注文が買い注文の場合に正のシェア数量に設定され、売買注文が売り注文の場合に負のシェア数量に設定される(工程1306)。新しいNMBは、純価格変動テーブル2008(NMB(旧))から取り出された売買前NMBをNTMに加算することによって算出される(工程1308)。
【0141】
証券のNSPT定数及びPSPT定数が、証券定数テーブル2002から取り出される(工程1310)。売買注文の対象である証券の証券価格増加(SPI)定数が、証券定数テーブル2002から取り出される(工程1312)。NMBが次いでPSPTと比較される(工程1314)。NMBがPSPTより大きい場合、証券の価格(SP)は、証券価格テーブル2002から取り出された売買の前にSPIをSPに加算することによって算出される(工程1316)。NMBは次いで、PSPTが控除され、純価格変動テーブル2008にもう一度格納される(工程1318)。
【0142】
逆に、NMBがNSPT(負の値)未満の場合(工程1320)、SP(新)はSPIをSP(旧)から減算することによって算出される(工程1322)。NMBは次いで、NMB(この場合、やはり負である)によって増やされる(工程1324)。
【0143】
上記計算が行われた後、SPは証券価格テーブル2006に格納される(工程1326)。証券価格テーブル2006は全ての証券価格を記録する。証券の価格が変わった場合、売買に関するSP、NMB、ユーザID及びその他の情報を有するレコードを追加する書き込みSQLステートメントを実行して、価格履歴トラッキング・テーブル2020が更新される(工程1328)。NMBは、売買注文の対象であった証券の純変動残高テーブル2008において更新される(工程1330)。純変動残高データベースの各レコードは、証券商品の連続した増加(減少)の数を記録するための増加トラッキング・フィールドを更に含む。仮想スペシャリスト・プログラムを除いて、格納された情報は、マーケティング・ツール(後述する)によって用いられる。マーケティング・ツールは市場調査者に統計情報を提供する。
【0144】
売買レコードを処理するための最後の工程は、証券抑制確認ルーチン(工程1332)及び証券停止確認ルーチン(工程1334)(ともに以下に詳細に説明する)を呼び出すことである。
【0145】
周期的に、特定の証券の自然の人気のために、又はトレーダー個人若しくはトレーダー群による市場操作によって、証券は、価格における激しい変動を実現し得る。これは、特に仮想通貨が仮想市場において使用される市場においてあてはまる。仮想市場の特殊な状況を前提とすれば、システムは、人為的な価格のコントロール又は抑制の機構を提供する。
【0146】
本発明の抑制機構は、仮想スペシャリスト・プログラムが実行する各価格増加を監視する。証券商品の価格が上下に変動すると、純変動残高テーブル2008の、その証券の増加トラッキング・フィールドが取り出される(工程1402)。証券抑制閾値(SBT)定数及び証券抑制増加(SBI)定数が証券定数テーブル2002から取り出される(工程1404〜1406)。
価格増加の合計連続数(TCPI)がSBTより大きい場合(工程1408)、PSPTは、証券抑制増加分だけ増やされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度格納される(工程1410)。
価格減少の合計連続数がSBTより大きい場合(工程1412)、NSPTは証券抑制増加分だけ減らされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度格納される(1414)。このようにして、設定された閾値より価格が大きく変動した証券の場合、価格変動は、遅くさせられる。
【0147】
しかし、抑制機構は、証券の極端な下げ市場又は上げ市場、又は市場全体において十分に効果的でないことがあり得る。そうした場合、停止機構がシステムによって提供される。図15を参照すれば、過剰な価格変動を有する特定の証券の売買を先取りする方法を示すフローチャートを示す。
【0148】
停止機構は、抑制機構とかなり同様にふるまう。価格トラッキング履歴テーブル2020から、上記売買注文の対象であった証券のTCPI又はTCPDが取り出される(工程1502)。例外としては、証券停止閾値(SHT)定数がTCPI/TCPDフィールドからの値と比較される(工程1504)ということがある。TCPI/TCPDフィールド値がSHTを上回る場合(工程1506又は1508)、その特定の証券のトレーディングは停止させられる(工程1510)。トレーディングがシステムによって停止させられたことをユーザに通知する通知が、その証券を売買しようとするトレーダーに向けて画面上に現れる。その証券のトレーディングは、管理上設定された期間後、又は管理モジュールによって手作業で再開され得る。
【0149】
図16を参照すれば、ゴースト・トレーディング・システム・プロセスを示す。第2の実施例のゴースト・トレーディング・システムが、特定の証券のトレーディング・レベルにてこ入れする(さもなければ低いトレーディング・レベルを有するであろう)ためのツールとして、かつ、更に重要なことに、閾値、定数、及び大局的な変数を変えた後に経済をシステム管理者がコントロールする手段として用いられる。ゴースト・トレーディング・システムを用いて、市場の方向をすばやく変える新たな変数で処理されると出来高をもたらすことによって経済の活動を高速化する。
【0150】
特定の選択された証券毎に、ゴースト・トレーディング機構は、自動トレード又はゴースト・トレードをランダムに形成する。タイマを有するゴースト・トレーディング・テーブル2014が含まれている。タイマは、システム・クロックを読み込み、日々の時間間隔を定める。システムは周期的に、ゴースト・トレーディング・テーブル2014に照会する(工程1602)。ゴースト・トレーディング・テーブル2014における各証券商品レコードは、トレーディング日毎に、管理上設定される回数、売買を引き起こすよう設定される。証券の売買間の時間間隔が終了したことをタイマが検出した場合(工程1604)、ゴースト・トレーディング機構は、ゴースト買い確率(GBP)をゴースト・トレード・テーブル2014から取り出す(工程1606)。ランダムな売買定数(RTC)が、システムによって生成される(1608)。次に、ゴースト証券売買数量(GBQ)が、ゴースト・トレード・テーブル2014から取り出される(工程1610)。GBTがRTC以上の場合(工程1612)、GBQによって特定されるシェアの数の買い注文がシステムによって出される(工程1614)。さもなければ、GBQによって特定されるシェアの数の売り注文が出される(工程1616)。
【0151】
上記説明では、売買の語、又は売買注文の語は、指し値注文及び空売りも含む。これらのタイプの売買における唯一の違いは、実際の売買が計上される時点である。ユーザによって出される指し値注文の場合、例えば、売買が行なわれるべき条件をユーザが特定すると、指し値注文が指し値注文キューに格納される。証券の価格が変わる都度、指し値注文キューは、指し値注文条件が満たされるかをみるために仮想スペシャリスト・プログラムによって確認される。肯定の場合、通常の売買キューは指し値注文によって更新され、仮想スペシャリスト・プログラムは、通常の売買と同様に売買を実行する。
【0152】
仮想準備銀行プログラム
本発明のシステムは、仮想準備銀行プログラムを含む。準備銀行プログラムは、準備銀行プログラム・モジュールにおいて提供される金融ツールによって経済を規制する。このツールによって、特定の大局的なシステム定数(総マネーサプライや金利など)を調整することが可能である。
【0153】
金利の場合、調整可能な大局的定数は、仮想トレーディング・システムの管理テーブル2016に組み込まれる。金利を上下させることによって、証券に関係していない仮想ドルに対して支払われる利子の額が、ユーザのために調整される。このようにして、ユーザのアカウントにおける未使用額は、金利が適宜調節されるマネー・マーケット・アカウントとしてふるまう。
【0154】
第2の実施例では、仮想準備銀行プログラム長は、大局的な金利閾値定数(GITC)を用いることによって金利閾値定数及び証券閾値定数を決定することが可能であり、システムにおけるインフレ圧力及びデフレ圧力の監視役としてふるまう。インフレ圧力及びデフレ圧力は、システム経済の規模(すなわち、特定の規定価格を得る証券のシェアの数)として定義することができる。例えば、総流通シェア数は、V$80億の合計額面価格を有し得るものであり、総流通シェアの総市場価格はV$800億であり、一日平均売買高は約V$50億であり得る。システムの大多数の証券の場合、仮想スペシャリスト・プログラムは、PSPTを10,000に設定させ、NSPTを−10,000に設定させることができる。短期金融市場金利は、前述の市場状況下で準備銀行プログラムによって7%に設定することができる。しかし、取引所での成立価格がV$2000億の値まで膨れあがった場合、例えば、PSPTを10,000だけ増やし、NSPTを10,000だけ減らし、短期金融市場金利を15%に再設定し得る。
【0155】
健全な経済の維持の一部として、システムの仮想準備銀行プログラム及び/又は仮想スペシャリスト・プログラムは特定のインフレ閾値を監視し、その閾値が満たされる場合、システムのドレインを起動させることができる。システム・ドレインの間、ユーザは、仮想ドルを商品及び/又はサービスの交換のための米ドルと替える機会が提供される。ドレインは、システムから仮想通貨を取り出す効果を有する。これは、インフレのコントロールに役立つ。ドレインの実行は、大局的定数テーブル2022において管理上設定されたドレイン定数と、全体の通貨及び/又は証券の保有高との比較を含む。大局的な定数に達するか、又は大局的な定数を上回ると、ユーザには、商品(ソフトウェア商品や通信販売商品など)をその仮想ドルによって購入する機会が提供される。そうすることを選んだユーザの場合、商品の費用がそのアカウントから控除され、提供された商品をユーザに送付する必要があることを示す注文が、商品フルフィルメント・データベースに追加される。注文トラッキング・データベースと同様に、以下に説明するマーケティング調査ツールにおいて統計情報を引き出すことが可能であるように注文がドレイン履歴データベースに格納される。
【0156】
マーケティング調査ツール
図1を参照すれば、市場調査ツールの第2の実施例も、インターネット10を介してクライアント・サーバ環境において実現される。コンピュータ12は、本発明のシステムにアクセスして、ユーザの人口統計データ及びトレーディング履歴から、編集され、サーバ14上に格納された統計調査データを表示し、ダウンロードしたい市場調査ユーザのためのフロントエンドとして用いられる。
【0157】
図17を参照すれば、市場調査ユーザは、システムにログインすることによって市場調査ツールにアクセスする(工程1702)。各市場調査ユーザは、システムを用いる前に、オンライン又は電話で加入することによってアカウントを設定することができる。市場調査ユーザには、システムへの入力のためのユーザ識別コード及びパスワードがプロンプトされる。
【0158】
システムのログインが首尾良く行われると、市場調査ユーザには、システム・データベースの証券のリストが提示される(工程1704)。市場調査ユーザは、マウス又は矢印キーを用いることによって、ユーザが統計を表示するか、又はダウンロードしたい証券を強調表示することができる(工程1706)。複数の証券を選ぶために、市場調査ユーザは、マウス、矢印キー及びシフト・キーの組合せを用いることができる。選択中にシフト・キーが押し下げられている場合、ユーザによって行われた先行の選択は、新たな選択と組み合わせて、強調表示された選択として保持される。選択基準は、特定のクラスの証券、又は、例えば、指定された期間にわたって最小の出来高閾値を満たす証券を選ぶために選択することもできる。
【0159】
証券の選択後、市場調査ユーザは、得ることができる情報のカテゴリの選択肢が画面上で与えられる(工程1708)。証券又は証券群に関して得ることができる例示的なカテゴリには、売買高情報、買い対売りの出来高情報、出来高情報のタイミング、総保有数量情報、投資集中情報、価格情報、指し値注文出来高情報、空売り出来高情報、及び合計インデックス情報が含まれる。
【0160】
より具体的には、特定の証券の売買高を得ることにした市場調査ユーザは、一般大衆によるその証券に対する意識を評価することができる。一定期間にわたって売買高が非常に高いことは、その証券に対する意識レベルが高いことを示す。逆に、出来高が最小であることは、その証券に対する意識レベルが低いことを示す。仮想スペシャリスト・プログラムによってフルフィルメントが行われる売買全てのミラー・イメージを含む仮想スペシャリスト・プログラムによって維持される売買履歴トラッキング・テーブル2010に対してクエリが実行される。全体の売買高値、年間売買高値、月間売買高値、及び日々の売買高値を、要求された証券毎に含む売買高クエリ回答テーブルが作成される。
【0161】
買い対売りの出来高情報に関しては、証券の出来高は主に、買いサイドの出来高、又はトレーダーが証券を買うことによって生じる出来高の場合、通常、肯定的な意識による。証券の出来高が主に売りサイドであることは、証券が過大評価されているとトレーダーが思っていることを示す。市場調査ユーザが、買い対売りの出来高情報を得るようシステムに指示すると、市場調査ツールは、上記仮想スペシャリスト・プログラムに関して説明した売買履歴トラッキング・テーブル2010及び価格履歴トラッキング・テーブル2020に対してクエリを実行する。クエリによって、要求された証券全ての一時的な売買出来高回答テーブルが作成される。売買出来高回答テーブルは、証券毎に、合計買い出来高値、合計売り出来高値、年間買い出来高値、年間売り出来高値、月間買い出来高値、月間売り出来高値、一日の買い出来高値、及び一日の売り出来高値を含む。
【0162】
ボリューム情報のタイミングに関し、証券の売買高は、証券の基礎をなしている事業主体に関して評価することができる。フィルム又は俳優に基づく特定の証券の場合、特定の証券の売買高は、プロジェクト(例えば映画又は俳優のキャリア)が属するデベロップメントの段階に関して評価することができる。例えば、直近で制作に入ったフィルムは、スタジオによってまだ公に販売されていない。関連した映画の株式の出来高が高いことは、映画に対する一般大衆の意識が高いこと、又は、映画に出演している俳優の組み合わせに対するトレーダーによる肯定的な反応を表し得る。同様に、映画スター債券市場では、高い売買高を有する非Aリスト俳優に対しては比較的高い意識がある。
【0163】
他の実施例では、特定の競争の競争者に基づく証券の場合、特定の証券の売買高は、特定の競争者の、認識された人気に関して評価することができる。例えば、現実に基づくTVシリーズ番組の特定の競争者に基づく派生商品の売買高が高いことは、特定の競争者に対するトレーダーによる反応が肯定的であることを表し得る。
【0164】
市場調査ユーザが、タイミング出来高情報を得る旨をシステムに指示すると、市場調査ツールは、売買履歴トラッキング・テーブル2010、及びデベロップメントの段階の開始時点及び終了時点を記録する関連デベロップメント段階履歴テーブル2024に対してクエリを実行する。クエリによって、要求される全証券の一時的なタイミングの出来高回答テーブルが作成される。タイミング出来高回答テーブルは、証券毎に、制作又はプロジェクトの段階毎にタイミング出来高値を含む。
【0165】
保有される総証券数量に関し、トレーダーが特定の証券を買い、一般に、平均期間より長い間、それを保有した場合、それは、証券の長期パフォーマンスに対する高いレベルの信頼を示す。例えば、トレーダーが、俳優のスター債券に投資し、これを保有する傾向がある場合、それは多分、トレーダーが、俳優にはこれから先、長いキャリアがあり、俳優が、たった1本又は2本のフィルムよりの多くのフィルムについて人気があることになると考えているからである。市場調査ユーザが、総保有数量情報を得る旨をシステムに指示すると、市場調査ツールは、トレーダー毎に要求された証券について保有される平均シェア数を算出する売買履歴トラッキング・テーブル2010に対してクエリを実行する。クエリによって、要求された全ての証券について、総一時保有数量テーブルが作成される。総保有数量回答テーブルは、証券毎に、購入した各証券を各トレーダーが保有した時点を、保有された数量とともに含む。
【0166】
投資集中に関し、特定の証券の株主毎の投資数量が多い場合、それは、特定の証券の基礎をなしている事業主体への信頼又は信義を示し得る。例えば、50,000人のトレーダーがそれぞれ、特定のスポーツ・チームに対応するシェアを平均100シェア保有し、10,000人のトレーダーが、第2のスポーツ・チームのシェアを平均500シェア保有する場合、第1のスポーツ・チームは第2のスポーツ・チームより広範囲にわたる訴求力を有する傾向にあるが、第2のスポーツ・チームはより忠誠なファンを有する傾向にある。同様な原理は、俳優に基づく派生商品に適用することができる。例えば、50,000人のトレーダーがそれぞれ、第1の俳優のスター債券を平均100保有し、10,000人のトレーダーが第2の俳優のスター債券を平均500保有する場合、第1の俳優は第2の俳優より広範囲にわたる訴求力を有する傾向にあるが、第2の俳優はより忠誠なファンを有する傾向にある。金融市場では、これは、集中として知られている。前述の証券の保有者は、下げ相場では、売る気がなく、上げ相場では、自らのポジションを増やす気がある。投資集中情報を取得する旨を市場調査ユーザがシステムに指示すると、市場調査ツールは、全てのトレーダーによって何れかの時点において保有される要求される証券全てのシェア毎の平均数量値を取り出す旨のクエリを売買履歴トラッキング・テーブル2010に対して実行する。クエリによって、要求される証券全ての一時的投資集中回答テーブルが作成される。全体投資集中回答テーブルは、要求された証券毎に各トレーダーが保有する平均数量を証券毎に含む。
【0167】
価格情報に関し、証券価格は、証券が関係する事業主体の成功の認識された機会に関係する。例えば、映画又は俳優に基づく派生商品の場合、証券価格は、証券が関係する映画又は俳優の認識された営業実績に関係し得る。映画に関連した株価は、認識されたボックスオフィス実績に関係し得る。映画の株式の価格が30ドルであり、ボックスオフィスでその映画が3000万ドル以上の総収入を上げるとトレーダーが思った場合、トレーダーはその映画の株式をきっと買うであろう。よって、本発明のシステムによって、成功するであろうと消費者が認識する競争者、チーム、グループ、事業主体、フィルム、俳優、フォノレコーディング、又は商品を調べることができる。価格情報を得る旨の指示を市場調査ユーザがシステムに出すと、トレーダーによって保有される要求される証券全てのシェア当たり価格を取り出す旨のクエリを、仮想スペシャリスト・プログラムに関して前述した価格履歴トラッキング・テーブル2020に対して実行する。クエリによって、要求される証券全ての一時的価格回答テーブルが作成される。価格回答テーブルは、要求される証券毎の価格を証券毎に含む。
【0168】
指し値注文情報に関し、本発明のシステムは、売買注文に応じる前に、証券が得なければならない価格を設定するトレーダーをトラッキングする。注文が失効する時点の前に指定価格に達しない場合、指し値注文には応じない。この機能によって、価格に対するトレーダーの感度が評価される。例えば、トレーダーが30ドル未満でしか映画株を買わない場合、それは、トレーダーが、証券が上向くことが限られることしか認識せず、よって、映画が、業界の大ヒットにならないであろうと思っていることを示し得る。別の例として、株価が30ドル未満である場合に、特定のチームに関連した株しかトレーダーが買わない場合、それは、そのチームがトーナメントにおいて成功する機会が小さいとトレーダーが認識していることを示し得る。指し値注文情報を得る旨の指示を市場調査ユーザがシステムに出すと、市場調査ツールは、トレーダー全てによって何れかの時点において保有された、指し値注文であった要求された証券全てのシェア毎価格値及び数量値を取り出す旨のクエリを売買履歴トラッキング・テーブル2010に対して行う。指し値注文回答テーブルは、要求された証券の、トレーダーに要求された全指し値注文のシェア毎価格値及び数量値を含む。
【0169】
空売り情報に関し、トレーダーは、証券の価値が下落するであろうと思った場合、証券を空売りすることができる。証券の空売り取引高の分析により、その証券に対する否定的な心理が存在しているかを評価することが可能である。空売り情報を得るよう市場調査ユーザがシステムに指示すると、市場調査ツールは、空売り取引高値を取り出す旨のクエリを売買履歴トラッキング・テーブル2010に対して行う。クエリによって、要求される証券全ての空売り回答テーブルが作成される。空売り回答テーブルは、トレーダー全てによる空売り売買注文を、要求される証券毎に含む。
【0170】
インデックス実績情報に関し、市場情報をインデックスに集約することによって、市場全体についての洞察を得ることができる。例えば、映画スタジオ証券インデックスは、経時的に、上位10位までの価格のスタジオ映画株の和を算出することによって、映画スタジオ証券インデックスを生成することができる。別の例として、大学バスケットボール・コンファレンス・インデックスは、経時的に、上位10位までの価格のコンファレンス株式の和を算出することによって生成することができる。前述のインデックスの実績は、スタジオの配給の潜在的強さ、スタジオの、近く公開の映画の潜在的なボックスオフィス・ポテンシャル、又は、特定のコンファレンスの潜在的な強さ又は人気を測定することができる。インデックス実績情報を得る旨の指示を市場調査ユーザがシステムに出すと、市場調査ツールは、要求されるインデックス全てにおける証券の価格変動値を取り出す旨のクエリを価格履歴トラッキング・テーブル2020に対して行う。クエリによって、要求される証券全ての一時的インデックス実績回答テーブルが作成される。インデックス実績回答テーブルは、要求されるインデックス毎に経時的価格変動値を含む。
【0171】
工程1708(図17)では、市場調査ユーザは、画面上の選択リスト又はチェック・リストによって工程1706において選択される証券について、表示又はダウンロードするために何れかの数の上記情報カテゴリを選ぶことができる。
【0172】
前述の情報カテゴリが選ばれた後、市場調査ユーザは次いで、調査を実行するために画面上のOkボタンを選択することができる。システムは次いで、ユーザによって行われる全ての選択によってSQLクエリ・コールの選択を編集し、実行する(工程1710)。クエリ結果は、編集され、表示に準備される(工程1712)。
【0173】
結果が編集されると、予めプログラムされたグラフ、傾向線及びテキストのテンプレートを用いて、前述の選ばれた証券及び情報カテゴリ全てのクエリ結果をGUIクライアント・ディスプレイに表示する(工程1714)。
【0174】
表示後、選択ボタンによって、表示結果及びその基礎をなすクエリ・データをダウンロードするための選択肢が選択ボタンによって与えられる(工程1716)。これが選択された場合、市場調査ユーザは、種々のダウンロード・フォーマット(ASCII、xbase、dbf、HTML、tif、gif、bmp等など)から選ぶことが可能である(工程1718)。市場調査ユーザは、局所クライアント上のダウンロード場所を選ぶことが可能である(工程1720)。システムは、次いで、選ばれたフォーマットへのデータの編集に進む(工程1722)。データは、次いで、種々のプロトコル(zmodem、xmodem、ftpなど)の何れか1つ、又は、OS業界基準プロトコルの何れか1つを用いて転送される(工程1724)。ウェブ・クライアントサーバ環境では、TCP/IPソケットが用いられる。
【0175】
転送後、市場調査ユーザは、別のクエリを行いたいか否かを求めてプロンプトされる(工程1726)。別のクエリを行いたい場合、実行は、別の調査の反復のために工程1704に戻される。さもなければ、工程1702で、ログイン時間からトラッキングされる時間及び/又は取引のチャージが編集され、クライアント12上に表示される(工程1728)。前述のチャージは、次の請求サイクルのために請求データベースに格納される(工程1730)。ユーザは次いで、ログアウトされる(工程1732)。
【0176】
本発明を詳細に説明したが、特許請求の範囲記載の本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更、置換及び改変を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の例示的なハードウェア環境のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の概括的なロジックを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施例の価格設定/トレーディングのプログラムのロジックを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例の市場価格生成のロジックを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図6】本発明の第1の実施例のトレーディング停止プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図7】本発明の第2の実施例の例示的な管理モジュール画面を示す図である。
【図8A】新しいユーザの登録画面を備えた、本発明の第2の実施例の例示的なインタフェースを示す図である。
【図8B】新しいユーザに対するウェルカム画面を表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図9】システム・ホームページを表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図10】ユーザ・ポートフォリオ・ページを表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図11】売買確認画面を表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図12a】システムの第2の実施例の当初証券価格設定プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図12b】本発明の一実施例による、競争に基づいたトレーディング・システムを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施例の証券売買フルフィルメント及び証券価格設定プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図14】本発明の第2の実施例の売買抑制プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図15】本発明の第2の実施例の売買停止プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図16】本発明の第2の実施例のゴースト・トレーディング・プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図17】本発明の第2の実施例の市場調査ツールのロジックを示す流れ図である。
【図18】システムの定数及び変数の調節に用いる管理モジュールを示す図である。
【符号の説明】
【0178】
10 インターネット
12 クライアント・コンピュータ
14 サーバ・コンピュータ
16 CPU
18 コンピュータ・プログラム
20 データ記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンピュータ実行金融システムに関し、特に、改良された自動化証券トレーディング・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ実行証券トレーディング・システムは当該技術分野において周知である。前述のシステムの1つには、本明細書及び特許請求の範囲に内容を援用する、「Automated Securities Trading System」と題する、Kalmusらによる米国特許第4674044号明細書に開示されている。このコンピュータ実行証券トレーディング・システムは、買い呼び値及び売り呼び値に基づいて買い呼び値取引及び売り呼び値取引を得る。しかし、一般に、こうしたシステムには人間の要素がなお存在している。
【0003】
例えば、大半の金融市場は、「スペシャリスト」と呼ばれる一又は複数のマーケット・メーカーも活用する。公開市場において顧客注文とのマッチングが存在しない場合、前述のスペシャリストが、スペシャリストのインベントリ・ポジションによって顧客注文に応じる。従来技術では、スペシャリスト機能は自動化されていないが、企業又は個人によって行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、売買される証券の市場を形成し、より小規模の証券市場のボラティリティを少なくするための自動化スペシャリスト機能を含む改良されたコンピュータ実行トレーディング・システムに対する必要性が当該技術分野において存在している。
【0005】
したがって、本発明の一目的は、前述の既存のシステムの課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の別の目的は、より狭い市場において売買される派生金融商品の価格ボラティリティを少なくすることである。
【0007】
本発明の別の目的は、オンライン仮想トレーディング・システムを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、価格ボラティリティを相殺し、市場に流動性を与えるよう市場においてトレーディングに参加する仮想スペシャリスト・プログラムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、売買取引の不均衡に依存した証券商品価格決定システムを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、証券のボラティリティをコントロールする証券商品価格コントロール・システムを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、証券商品の極端な価格ボラティリティを阻止するために証券商品売買停止システムを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、調整された市場コントロール要因が奏功するようにトレーディング活動をもたらすために証券のゴースト・トレーダーを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、仮想市場の金融市場金利及び大局的なボラティリティをコントロールするために仮想準備銀行プログラムを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、トレーディング行動に基づいた統計情報を得るよう調査者がアクセスすることが可能なオンライン市場調査ツールを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
従来技術の問題を解決し、本明細書を読み、理解すると明らかになる他の問題を解決するために、本発明は、複数の派生金融商品をトレーディングするシステムを記載している。このシステムは、競争における競争者を表す派生金融商品を買う旨の第1の注文を受け取るよう動作可能なプロセッサを備えている。このプロセッサは、派生金融商品を売る旨の第2の注文を受け取るよう更に動作可能である。プロセッサは、第1の注文及び第2の注文に少なくとも部分的に基づいて市場価格を決定するよう更に動作可能である。プロセッサは、決定された市場価格で売買を実行するよう更に動作可能である。システムは、第1の注文及び/又は第2の注文を格納するよう動作可能なメモリを更に備えている。
【実施例】
【0016】
一実施例では、証券のデータベースが、オープンであり、コンピュータ化された取引所におけるトレーディングのために提供される。一実施例では、映画、俳優、製品企業又はサービス企業に関する証券が公開される。別の実施例では、競争(例えば、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争など)における競争者に関する証券が公開される。
【0017】
ユーザは、標準インタフェースを用いてネットワークを介してシステムにアクセスすることができる。例示的なシステムは、標準化されたウェブ・ブラウザ・インタフェースを備えた、SQL準拠バックエンド・データベースを有するウェブ・サーバを有する。ウェブ・ブラウザを用いて、ユーザは、人口統計情報(年齢、性別、場所、職業、所得、趣味、及び同様なものなど)を提供して、ネットワークを介してオンライン・トレーディング・システムに登録することができる。登録されると、ユーザには、登録後にログインするために用いられる一意のユーザIDを選ぶ選択肢が与えられる。人口統計情報の提供において、ユーザは、ランダムに割り当てられたパスワードやその他のインストラクション情報を送付することが可能な宛先の電子メール・アドレスも提供する。
【0018】
ユーザがパスワードを受け取ると、ユーザは、システムのウェブ・ホームページ上に存在するスタート・ボタンを選択することによってウェブを介して自由にシステムにログインし、システムからログアウトすることができる。しかし、新しいユーザにパスワードが送付されている間に、トレーディングを即座に開始することが可能であるように、新しいユーザには、システムへの一時的なアクセスが与えられる。
【0019】
自動的に、ユーザには、トレーディングを開始するために、後述の準備銀行プログラムから一定量の仮想通貨が仮想ドル(V$)で与えられる。この量は、準備銀行プログラムからの融資(利息が課される)、又は贈与とみなすことが可能である。
【0020】
ログインした後、ユーザの現在の現金残高、株式、債券やその他のタイプの証券で保有された金額を表示する、ユーザのポートフォリオ要約ページが表示される。新しいユーザがログインすると、ユーザのポートフォリオのキャッシュ・バリューは現金のみで、又はマネー・マーケット・アカウントのみで表される。ユーザのポートフォリオの現金は、仮想準備銀行プログラムによって設定される金利で増える。
【0021】
ユーザは、購入が望まれる商品のシンボルをページの売買領域にタイプ入力することによって証券商品をトレーディングすることができる。数量も、売買領域において特定される。特定商品のシンボルをユーザが知らない場合、標準のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)機能(ドロップダウン・リスト・ボックス、テキスト・サーチ・ボックスや、スライダ・バー・リストなど)を用いたルックアップ又はサーチの機能が、画面の別の領域に設けられる。あるいは、画面の最下部にある、ティッカー・テープ・スタイルの更新メニューが、利用可能な商品を、対応する商品価格とともに表示する。
【0022】
利用可能な商品のシンボルをユーザが首尾良く入力すると、ページの売買領域内の買いボタンを押すことができる。ユーザがアカウントに現金を十分有しており、商品がトレーディング可能な場合、取引の実行前に確認画面が現れる。確認すると、売買が実行され、現金がユーザのアカウントから控除される。
【0023】
ユーザが証券商品を売りたい場合、ウェブページの売買領域内の売りボタンをクリックする以外は同じ手順に従う。確認後、売られるシェアの市場価格がユーザのアカウントに加えられ、購入注文のフルフィルメントを行うために、そのシェアはシステムにおいて入手可能にされる。
【0024】
システムは、とりわけ売買注文のフルフィルメントを扱う仮想スペシャリスト・プログラムを含む。本願のシステムの実施例では、仮想スペシャリスト・プログラムは、経済をコントロールし、それに流動性をもたらす。一実施例では、仮想スペシャリスト・プログラムは、買い注文を相殺する、等しく、マッチングしている売り注文が存在しているか否か(逆も同様である)にかかわらず全ての注文のフルフィルメントを行うことによって瞬間的な流動性をもたらす。システムは、売りトレード又は買いトレードを相殺することなく仮想スペシャリスト・プログラムがフルフィルメントを行わなければならなかった売りトレード又は買いトレードの量の現行の純変動残高を保有する。前述のアンバランスは、売り注文よりも多くの買い注文を実行したことを売買アンバランスが表す場合に正の数として記憶され、買い注文よりも多くの売り注文を実行したことを売買アンバランスが表す場合に負の数として記憶される。
【0025】
非仮想市場の場合とは違って、この実施例の仮想スペシャリスト・プログラムは、最後に実行された買い注文呼び値に基づいてシェアの価格を設定することによって経済をコントロールするものでない。むしろ、仮想スペシャリスト・プログラムは、未処理売買アンバランスを計算し、生じさせることによって、各売買後に商品の価格を決定する。
【0026】
売買アンバランス(本明細書では純変動残高(NMB)とも呼ぶ)は、証券価格増加(SPI)定数と一対の証券価格閾値定数との組合せを用いて証券価格を増やすか又は減らすことによって証券価格をコントロールする。正の証券価格閾値(PSPT)定数及び負の証券価格閾値(NSPT)定数が、システムの証券毎に証券定数テーブル2002において設定される。売買注文の純売買変動(NTM)変数は、売買注文が買いの場合には売買注文のシェアの正の量に設定され、売買注文が売りの場合には売買注文のシェアの負の量に設定される。新NMBは、売買前のNMB(純価格変動テーブル2008(NMB(旧))から取り出される)をNTMに加算することによって算出される。
【0027】
売買注文の対象である証券の証券価格増加(SPI)定数は、証券定数テーブル2002から取り出される。NMBは、次いでPSPTと比較される。NMBがPSPTより大きい場合、証券価格(SP)が、証券価格テーブル2006から取り出された、売買前のSPにSPIを加算することによって算出される。次いでNMBは、PSPTだけ減らされ、純価格変動テーブルにもう一度記憶される。
【0028】
逆に、NMBがNSPT(負の値)未満の場合、SP(新)は、SPIをSP(旧)から減算することによって算出される。NMBは次いで、NSPTだけ増やされる。
【0029】
上記算出が行われた後、SPは、全ての証券価格を記録する証券価格テーブル2006に記憶される。NMBは、純変動残高データベースにおいて更新される。純変動残高データベースの各レコードは、証券商品の連続的な増加(減少)の数の情報を記録するための増加トラッキング・フィールドを更に含む。更に、売買に関するSP、NMB、ユーザIDやその他の情報を備えたレコードを売買に加えるSQL書き込みステートメントを実行して、価格履歴トラッキング・テーブル2010が各売買の後に更新される。この情報は、市場調査者に統計情報を提供する後述のマーケティング・ツールによって用いられる。
【0030】
定期的に、特定の証券の自然な人気によって、又は個人トレーダー若しくはトレーダー群による市場操作によって、証券は、激しい価格変動を受ける。これは、仮想通貨が仮想市場において使用される市場において特にあてはまる。仮想市場の特殊な状況を前提とすれば、システムは、人為的な価格コントロール機構又は価格抑制機構を提供する。
【0031】
本発明の抑制機構は、仮想スペシャリストが実行する各価格増加を監視する。証券商品の価格が上又は下に変動した場合、その証券の純変動残高テーブル2012の増加トラッキング・フィールドが取り出される。証券抑制閾値(SBT)定数及び証券抑制増加(SBI)定数が証券定数テーブル2002から取り出される。価格増加の合計連続数(TCPI)がSBTより大きい場合、PSPTは、証券抑制増加だけ増やされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度記憶される。価格減少(負の値)の合計連続数がSBT未満の場合、NSPTは証券抑制増加だけ減らされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度記憶される。このようにして、設定された閾値より大きい価格変動を受けた証券の価格変動は遅くなる。
【0032】
しかし、抑制機構は、証券の極端な下げ市場又は上げ市場、又は市場全体において十分に効果的でないことがあり得る。そうした場合、停止機構がシステムによって提供される。停止機構は、抑制機構とかなり同様にふるまう。例外としては、証券停止閾値(SHT)定数がTCPI/TCPDフィールドと比較されるということがある。TCPI/TCPDフィールド値の絶対値がSBTを上回る場合、その特定の証券のトレーディングは停止する。トレーディングがシステムによって停止したことをユーザに通知する通知が、その証券をトレーディングしようとするトレーダーに向けて画面上に現れる。その証券のトレーディングは、管理上設定された期間後、又は管理モジュールによって手作業で再開され得る。
【0033】
仮想経済は、市場での成立価格によって反映されることと取引所の方針が異なる場合に生じ得る裁定状況をクロージングするうえで有限の量の資本を有し得る。仮想経済は、無限の量の資本を有し得る非仮想経済とは異なる。システム管理者には、市場に影響を及ぼすよう、大局的な定数(PSPT、NSPT、SBT、SBI等など)に対する変更を調整することが可能な別個のコントロール画面が与えられる。実質的に、このパスワード保護されたコントロール画面は、ボラティリティ・コントロール・モジュールとしての役目を担う。ボラティリティ・コントロール(又はゴースト・トレード)モジュールは、金融規制、及び全体としての市場を実現し、拡充するために用いる。所望の効果は、連係された一律の買いタイマ間隔及び売りタイマ間隔を備えた売りプログラム及び買いプログラムをシステムに出させることによって実現される。タイマはゴースト・トレーディング・テーブル2014に周期的にクエリを出す。ゴースト・トレーディング・テーブル2014の各証券商品レコードは、管理上設定されるトレーディング日毎の回数、トレードを引き起こすよう設定される。証券のトレード間の時間間隔の終了をタイマが検出した場合、ゴースト・トレーディング機構はゴースト買い確率(GBT)をゴースト・トレード・テーブル2014から取り出す。ランダム・トレード定数(RTC)がシステムによって生成される。次に、ゴースト証券売買量(GBQ)がゴースト・トレード・テーブル2014から取り出される。GBTがRTC以上の場合、GBQによって特定されるシェア数の買い注文がシステムによって出される。さもなければ、GBQによって特定されるシェア数の売り注文が出される。
【0034】
本発明のシステムは、仮想準備銀行プログラムを含む。この準備銀行プログラムは、準備銀行プログラム・モジュール内に備えられた金融ツールによって経済を調整する。前述のツールによって、特定の大局的なシステム定数(総マネーサプライや金利)を調整することが可能である。
【0035】
金利の場合、調整可能な大局的定数は、仮想トレーディング・システムの管理テーブル2016に組み込まれる。金利を上下させることによって、証券に関係していない仮想ドルに対して支払われる利子額が、ユーザのために調整される。このようにして、ユーザのアカウントにおける未使用額は、金利が適宜、調整されるマネー・マーケット・アカウントとしての役割を果たす。
【0036】
あるいは、仮想準備銀行プログラム長は、システムにおけるインフレ圧力及びデフレ圧力を監視する大局的な金利閾値定数(GITC)を用いて金利及び証券閾値定数を決めることが可能である。インフレ圧力及びデフレ圧力は、システム経済の規模(すなわち、特定の規定価格を得る証券のシェアの数)として定義することができる。例えば、合計流通シェアは80億仮想ドル(V$)の合計額面価格を有し得るものであり、流通シェアの合計市場価格は800億仮想ドル(V$)、一日平均のトレーディング量は約50億仮想ドル(V$)であり得る。仮想スペシャリスト・プログラムは、システムの大多数の証券の場合、価格変動閾値を+10,000及び−10,000に設定し得る。短期金融市場金利は、準備銀行プログラムによって前述の市場状況下で70%に設定することができる。しかし、例えば、取引所の成立価格が2千億仮想ドル(V$)に上昇する場合、価格変動閾値は+20,000及び−20,000それぞれにリセットし、短期金融市場金利を15%に再設定することができる。
【0037】
種々の関心、芸術的な嗜好及び経済的な購買力を備えた、オンライン・ユーザの典型を表す人々の群がおびただしいことを考慮すれば、本発明のシステムは更に、事業主体(市場調査企業、広告代理店、投資家、映画及びテレビのスタジオ、レコード会社、ラジオ局及び映画レンタル会社など)に非常に有用な情報を提供する。したがって、トレーダーの人口統計、関心、信条及び/又は嗜好に関する統計情報に市場調査ユーザがアクセスすることを可能にするオンライン市場調査ツールが、選択された市場調査ユーザに向けて提供される。
【0038】
本発明をより徹底的に理解するために、かつ、更なる特徴及び利点のために、添付図面とともに以下の説明を次に参照する。
【0039】
仮想トレーディング・システムの概要
本発明は、派生金融商品(「派生商品」)のコンピュータ実行トレーディング・システムを備えている。本発明は、派生金融商品のトレーダーから買い注文及び売り注文を受け入れ、需要と供給に基づいて市場価格を設定し、価格ボラティリティを最小にするためにトレーダーとして市場に参加する。特定の実施例では、本発明は、映画、タレント、CD及びテレビ番組を表す派生金融商品のコンピュータ実行取引所である。他の実施例では、本発明は、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争における競争者を表す派生金融商品のコンピュータ実行取引所である。
【0040】
コンピュータ実行取引所(「取引所」)は、シミュレーション(すなわち、ゲーム)として、又は前述の派生金融商品の実際のトレーディング・システムとして実現することができる。派生金融商品は、ドルによって、仮想準備銀行プログラムによってコントロールされる仮想通貨によって、又は何れかの適切な現実通貨又は人工通貨によって購入することができる。
【0041】
派生金融商品は、トレーダーに向けて表示される現行トレーディング・リストによって識別される。特定の実施例では、現行トレーディング・リストは、種々の制作段階における映画、タレントや、その他の娯楽指向の資産のリストを含む。他の実施例では、現行トレーディング・リストは、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争における競争者のリストを含む。リストは、以下を含み得る。
【0042】
派生金融商品名
流通シェア数
直近トレーディング価格(15分毎に印刷される)
直前の午前0時(太平洋標準時(PST))からの価格変動
直前の正午からの価格変動
期初から現在までの価格変動
映画及び/又は俳優に基づいた派生商品に関する取引所において、現行トレーディング・リストは、映画(アクション・アドベンチャー、ミステリー、ウェスタン、コメディ等)のジャンル、及び映画(脚本書き、制作準備、映画制作、編集、公開、ホームビデオ等)の制作状態を更に備えることができる。トレーダーは、以下によってソートされた現行トレーディング・リストをみることができる。
【0043】
名前(アルファベット順)
ジャンル(アルファベット順)
制作状態(アルファベット順)
最も活発なシェア(昨日売買されたシェア数)
最も値上がりしたシェア
最も値下がりしたシェア
本日の値動きが最も速いシェア(例えば、最も速く値上がりした20のシェア及び最も速く値下がりした20のシェア)
取引所で提供される他の派生金融商品の同様な情報が提供され得る。
【0044】
各トレーダーのポートフォリオは、トレーダーのアカウント状況を含むポートフォリオ・データ構造によって識別される。この情報には、以下が含まれる。
【0045】
トレーダーのアカウントにおける現金の額(日々加算される、システム割引率に特定の増加分を加えた支払利子)
現金に対して支払われる現行利率
保有株式の直近の売値での総価値
保有債券の直近の売値での総価値
TPV(総ポートフォリオ価値(現金+債券+株式))
現金のTPVに対する比率
債券のTPVに対する比率
株式のTPVに対する比率
トレーダーは、表示するために、種々のいかなる数のレポート(以下を含む)も生成することが可能である。
【0046】
売買される株式及び債券のリスト(上記参照)
数で表される総株式の指数(INDEX_STOCKS)(1000を初日の合計株式価値として定義する)(ここで、INDEX_STOCKS=(本日の総株式価値)/(初日の総株式価値)である)
数で表される総債券の指数(INDEX_BONDS)(1000を初日の合計債券価値として定義する)(ここで、INDEX_BONDS=(本日の総債券価値)/(初日の総債券価値)である)
株式及び債券全てを含む総取引所指数(INDEX_EXCHANGE)(1000が、初日の合計取引所価値である)(ここで、INDEX_EXCHANGE=(本日の総市場価値)/(初日の総市場価値)である)
上位のマーケット・パフォーマのリスト(例えば、純ポートフォリオ価値変動=(現金の変動率)+(株式の変動率)+(債券の変動率)として、かつ、カテゴリ(前日(直近の1つ前の午前0時から直近の午前0時まで)、前週(毎木曜日の午後12時に終了する7日間)、前月(月末の午後12時に終了)、前四半期(前月/前四半期の最終日の午後12時に終了)、期初から現在まで(現行の日次合計価値変動率)/(期初から現在までの日数)、及び年次(各年の12月31日の午後12時に終了))毎に算出されるポートフォリオ成長率による上位10位までのトレーダー)
売買停止銘柄のリストを含む全体の市場状況のレポート
名前
直近の売買価格
売買停止状態が発生した時間
当日、売買停止までに実際に値動きがあった銘柄の比率
本日売買されたシェア及び/又は債券の合計数
本日の総売買取引のドルでの価値
本日の売買取引数
今月の売買取引数
上記情報を用いると、将来の買い注文及び売り注文をトレーダーが出す手引きとなる。
【0047】
ハードウェア環境
図1を参照すれば、ブロック図は、本発明の好ましい実施例の例示的なハードウェア環境を示す。より詳細には、インターネット10を用いて、本発明を実施するコンピュータ・プログラムを実行するサーバ・コンピュータ14にクライアント・コンピュータ12(例えば、ウェブ・ブラウザを実行する)を接続する通常の分散型コンピュータ・システムを示す。通常の組み合わせのリソースは、パソコン、ワークステーション、ミニコンピュータ又はメインフレームであるサーバ・コンピュータ14にインターネット10を介して接続されるパソコン又はワークステーションであるクライアント・コンピュータ12を含み得る。
【0048】
一般に、クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14は、1つ又は複数のCPU16、コンピュータ・プログラム20やその他のデータを記憶する種々の量のRAM、及びコンピュータに通常みられるその他の構成部分を備える。更に、クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14は、1つ又は複数のモニタ、及び、固定型の、又は取り外し可能なデータ記憶装置20(ハード・ディスク・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ディスク・ドライブ及び/又はCD-ROMドライブなど)を含むことができる。更に、入力装置(マウス・ポインティング・デバイスやキーボードなど)が含まれ得る。
【0049】
クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14はオペレーティング・システム(ウィンドウズ(登録商標)、マッキントッシュ、UNIX(登録商標)等など)の制御下で動作する。更に、クライアント・コンピュータ12及びサーバ・コンピュータ14それぞれは、それぞれのオペレーティング・システムの制御下で1つ又は複数のコンピュータ・プログラム18を実行する。本発明は好ましくは、サーバ・コンピュータ14によって実行される1つ又は複数のコンピュータ・プログラム18として実現されるが、別の実施例では、前述のコンピュータ・プログラム18は、クライアント・コンピュータ12上で実行することもできる。
【0050】
一般に、本発明を実現するコンピュータ・プログラム18は、コンピュータ読み取り可能媒体(例えば、コンピュータに接続された固定型データ記憶装置、及び/又は取り外し可能なデータ記憶装置20のうちの1つ又は複数)において有形に実施される。オペレーティング・システムの制御下で、コンピュータ・プログラム18は、CPU16による後の実行のためにコンピュータのRAMにデータ記憶装置20からロードすることができる。コンピュータ・プログラム18は、コンピュータによって読み込まれ、実行されると、本発明の工程又は構成要素をコンピュータに実行させるのに必要な工程を実行させる命令を有する。
【0051】
図1に示す例示的な環境が本発明を限定することを意図するものでないことを当業者は認識するであろう。実際に、本発明の範囲から逸脱することなく、他の別のハードウェア環境を用いることができると当業者は認識するであろう。
【0052】
I. トレーディング・システムの第1の実施例の概括的なロジック
図2を参照すれば、本発明の第1の実施例の概括的なロジックを示すフローチャートを示す。
【0053】
ブロック200は、サーバ・コンピュータ14が次のイベントが起きるのを待つことを表す。イベントが起きると、制御はイベントを識別し、適宜、応答するためにブロック202‐224に移される。
【0054】
ブロック202は、データを表示する旨の要求をクライアント・コンピュータ12から受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック204は、後に表示するためにサーバ・コンピュータ14がデータをクライアント・コンピュータ12に送信することを表す。表示するために送信されるデータは好ましくは、少なくとも3つのタイプ(派生金融商品のトレーディングの現行リスト、トレーダーのポートフォリオ、及びサーバ・コンピュータ14によって生成されるその他のレポート)のデータを含む。
【0055】
ブロック206は、特定の派生金融商品(例えば、株式や債券)の買い注文を出す旨の要求をクライアント・コンピュータ12から受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック208は、サーバ・コンピュータ14のメモリ内のキューに入れることによってサーバ・コンピュータ14が買い注文を処理することを表す。買い注文は、以下を含むデータ構造である。
【0056】
トレーダーのアカウント番号、
トレーダーの名前、
注文の時間及び日付、
買う対象の株式又は債券、
トレーダーのアカウントの現金残高、及び
買う対象の総数(一般に、100の倍数単位)をトレーダーが入力することができるテキスト・フィールド。
【0057】
第1の好ましい実施例では、買い注文は、所定の「スイープ価格設定サイクル」の満了を求めてキュー内で待つ。スイープ価格設定サイクルは周期的に(15分毎に、又は規定された別の時間間隔中に)生じる。派生金融商品に対してトレーダーが実際に支払う評価価格は、その注文が出されたスイープ価格設定サイクルの最後における、派生金融商品に対する合計供給/需要によって判定される。
【0058】
市場価格は、サーバ・コンピュータによって実行される価格設定/トレーディング・プログラムによって設定される(図3において後述する)。トレーダーのアカウントには次いで、派生金融商品の市場価格が課金される。この購入によって、トレーダーのアカウントにおいて利用可能な現金全てを使い果した場合、トレーダーには、購入に対する支払いを行うのに十分な金額が「融資され」、そのアカウントには、所定の利率(例えば、年率18%(日々加算される))での利息が計上される。株式を売るか又はドルを買うことによって、残高をゼロにするためにより多くの現金を蓄積するまで利息がトレーダーのアカウントに計上される。
【0059】
ブロック210は、売り注文を出す旨の要求をクライアント・コンピュータ12から受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック212は、サーバ・コンピュータ14のメモリ内のキューにおいて入れることによってサーバ・コンピュータ14が売り注文を処理することを表す。売り注文は、以下を含むデータ構造である。
【0060】
トレーダーのアカウント番号、
トレーダーの名前、
注文の時間及び日付、
売る対象の株式又は債券、
トレーダーのアカウントにおける株式又は債券の量、及び
売る対象の総数(一般に、100の倍数単位)をトレーダーが入力することができるテキスト・フィールド。
【0061】
第1の好ましい実施例では、買い注文と同様に、売り注文は、所定のスイープ価格設定サイクルの満了を求めてキュー内で待つ。派生金融商品をトレーダーが実際に売る市場価格は、その注文が出されたスイープ価格設定サイクルの最後における、派生金融商品に対する合計供給/需要によって決定される。市場価格は、サーバ・コンピュータによって実行される価格設定/トレーディング・プログラムによって設定される(図3において後述する)。トレーダーのアカウントの貸方には次いで、派生金融商品の市場価格が記入される。
【0062】
売り注文は、以下に更に詳細に説明するように、トレーダーによって出すか、又はサーバ・コンピュータ14によって生成することが可能である。トレーダーによって出される売り注文の場合、トレーダーは、自らが保有する株式又は債券のリストを、クライアント・コンピュータに接続されたモニタ上でみて、一定量を市場価格で売ることを選択する。
【0063】
株式のリストをみる旨の要求をトレーダーが出すと、サーバ・コンピュータ14は、表示するために、直近のトレーディング価格(LTP)、株式の数量、購入価格、及び購入日付を保有株式毎に含む特定情報をクライアント・コンピュータ12に送信する。同様に、債券のリストをみる場合、表示するために、サーバ・コンピュータ14は、直近のトレーディング価格(LTP)、債券の種類毎の受取利率、債券の数量、購入価格、及び購入日付を保有債券毎に含む特定情報をクライアント・コンピュータ12に送信する。
【0064】
ブロック214は、スイープ価格設定サイクルの内部タイマが満了したか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック216は、図3において説明したように、価格設定/トレーディング・プログラムを実行するタイマをサーバ・コンピュータ14が処理することを表す。
【0065】
ブロック218は、割引率を変える旨の要求を受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック220は、サーバ・コンピュータ14が割引率プログラムを実行することを表す。流動性を増加又は減少させるために、サーバ・コンピュータ14は時々、仮想準備銀行プログラムとしての役割を果たし、割引率を調整するよう介入する。割引率は、何れかの適切なデータ(例えば、特定の業界の業績、特定の番組のテレビ・レーティング、チケットの売り上げ、収入又は何れかの他の適切な情報など)に基づいて調整することができる。割引率は、流動性を増加又は減少させて、特定の市場及び/又は業界の成長に影響を及ぼすよう調整することができる。サーバ・コンピュータ14が割引率を下げると、全ての債券がより好適な取引であるように思われる。債券では、全く変動しない固定金利が支払われるからである。第1の好ましい実施例では、これによってトレーダーがより多くの債券を買うことが奨励され、購入の需要におけるそうした急増によって、前述のように、相関した増加が債券価格においてもたらされる。同じことが株式に発生する。トレーディング・アカウントの現金残高に対して支払われる利子によるトレーダーの儲けが少なくなるからである。サーバ・コンピュータ14が割引率を上げると、債券はより好適でない取引であるように思われる。これは、割引率に対する利点がより小さいからである。よって、サーバ・コンピュータ14は、債券に対する買い圧力又は需要を緩和する。それによって、売り注文の増加がもたらされるか、又は少なくとも、債券の購入のペースが低下し、よって、市場において売買されるにつれ、その価格が下落する。同様に、株式はより魅力的でないように思われる。トレーダーが、自らのアカウントに現金を保有し、この現金に対して利子を得ることによってより多くの儲けを得ることが可能であるからである。
【0066】
ブロック222は、派生商品のリストを修正する旨の要求を受け取ったか否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。肯定の場合、ブロック224は、サーバ・コンピュータ14がリスティング・プログラムを実行することを表す。サーバ・コンピュータ14は、システムにおいてトレーディングされる派生商品のリストを修正するべきか否かを判定する。新たな派生商品の提供、満了した派生商品、及び公開廃止派生商品を反映するようリストを修正することが可能である。
【0067】
特定の派生商品の当初価格は、特定の派生商品によって表される映画、俳優、スポーツ選手、チーム、賞の候補者、競争者及び/又は事業主体に基づき得る。例えば、映画を表す派生商品の当初価格は、映画の潜在的ボックスオフィス収入の推定に基づき得る。別の例として、映画を表す派生商品の当初価格は、主観的な基準(例えば、ディレクターの評判、映画が制作されるスタジオが主要なスタジオか小さなスタジオか、映画における俳優の人気、及び/又は何れかの他の適切な基準など)に基づき得る。スポーツ・トーナメントにおける競争者(例えば、プレイオフのバスケットボール・チーム)を表す派生商品の当初価格は、トーナメントにおける競争者のシード、現在のランキング、勝敗記録、及び/又は、何れかの適切な数並びに組み合わせの客観的基準及び/又は主観的基準に基づき得る。賞の候補者に基づく派生商品の当初価格は、前述の候補者によって得られた過去の賞、業績又は表彰に基づき得る。現実に基づくテレビ番組における競争者に基づく派生商品の場合、取引所は、競争者に関連した当初価格が等しくなるように設定し得る。他の実施例では、取引所は、特定の派生商品の当初価格を、その派生商品が表す競争者の業績、技術及び/又は人気に基づいて設定し得る。取引所に存在しているタレントを表す債券の場合、債券の価格は、ハリウッド・レポーターのスター・パワー・インデックスに基づき得る。15という低いスター・パワー・インデックスを有するタレントを表す債券は、高いスター・パワー・インデックスを有するタレントを表す債券よりも高い利回りで出される。取引所は、何れかの適切な数及び組み合わせのデータ及び/又は基準を用いて、派生金融商品の価格を設定することができる。
【0068】
特定の実施例では、取引所は、特定の派生商品の当初価格を自動的に判定することができる。他の実施例では、一又は複数の個人(例えば、スペシャリストのパネルなど)が、何れかの適切な客観的基準及び/又は主観的基準を用いて特定の派生商品の当初価格を判定することができる。
【0069】
特定の実施例では、行使価格を有するワラントを、提供された時点で新規派生商品に付けることができる。派生商品及びワラントが最初に出される際、行使価格に達するまで、ワラントには価値が何らないことがあり得る。例えば、映画に基づく株式の場合、映画が特定レベルの収入を上げた後、行使価格に達し得る。派生商品が取引所で公開廃止になった場合(例えば、プロダクション・ランを終えた映画、又は引退若しくは死去によるタレントによる株式)、ワラントを償還し得るものであり、トレーダーには、ワラントの価値が支払われ得る。よって、スタジオに、オフバランスシート調達が提供される。
【0070】
価格設定/トレーディング・プログラム
図3を参照すれば、本発明の価格設定/トレーディング・プログラムのロジックを示すフローチャートを示す。ブロック300は、先行スイープ価格設定サイクル以降の期間中にキューにおいて蓄積された買い注文及び売り注文をサーバ・コンピュータ14が取り出すことを表す。ブロック302は、サーバ・コンピュータ14が買い注文を売り注文とマッチングさせることを表す。しかし、上記期間中にキューにおいて蓄積された買い注文数及び売り注文数が同一でない可能性が高い。ブロック304は、派生金融商品の市場価格を判定するために、図4に表す市場価格プログラムをサーバ・コンピュータ14が実行することを表す。市場価格が決定された後、ブロック306は、キュー内の買い注文及び売り注文が市場価格で処理されることを反映するようサーバ・コンピュータ14がトレーダーのポートフォリオを更新することを表す。ブロック308は、価格設定/トレーディング・プログラムの終了を表す。
【0071】
市場価格生成のプログラム
図4を参照すれば、本発明の市場価格生成プログラムのロジックを示すフローチャートを示す。市場価格生成のロジックの一目的は、市場における派生金融商品に対して需要があること又はないことを反映する、派生金融商品の市場価格の生成である。ブロック400は、先行スイープ価格設定サイクルからの期間中の買い注文及び売り注文間のアンバランスをサーバ・コンピュータ14が測定することを表す。ブロック402は、買い注文及び売り注文のアンバランスによって生じる派生金融商品の価格変動をサーバ・コンピュータ14が判定することを表す。ブロック404は、市場に安定性及び流動性をもたらすために、図5において表すように、サーバ・コンピュータ14が仮想スペシャリスト・プログラムを実行することを表す。ブロック406は、トレーディング日中に推定価格変動が過剰であり、その商品の市場の統合性を脅かす場合、図6にて表すように、サーバ・コンピュータ14が売買停止プログラムを実行して、派生金融商品におけるトレーディングを停止することを表す。ブロック408は、トレーダーのポートフォリオを更新するために価格設定/トレーディング・プログラムが用いる価格になる市場価格をサーバ・コンピュータ14が設定することを表す。ブロック410は、市場価格生成プログラムの終了を表す。
【0072】
ブロック400によって表すように、買い注文と売り注文との間のアンバランスの測定において、売りの数と買いの数との間の絶対差は、スイープにおける純変動(NMS)として定義される。スイープ増加変数(SIV)は、買い注文数及び売り注文数における漸増的なアンバランスによって生じる価格の上昇又は下落として定義される。ロット変動変数(LMV)は、1SIVの価格の上昇又は下落をもたらす増加ロット・サイズを表す。予測価格変動(PM)は、
PM=(NMS/LMV)*SIV
として表すことが可能である。
【0073】
例えば、特定の株式の買い注文数が42,000であり、売り注文数が30,000の場合、NMS=(42,000−30,000)=12,000である。SIV=$0.25及びLMV=5000の場合、特定の株式の価格変動は、(12,000/5,000)*0.25=0.50ドルである。よって、特定の株式の市場価格は、直近のトレーディング価格よりも0.50ドル大きい。
【0074】
前述の価格設定手法の場合、派生金融商品の価格における大きなボラティリティ、及び、市場原理における投資家の信頼の最終的な喪失の可能性が存在していることが容易に分かり得る。取引所では、急激な価格変動を故意にもたらすトレーディング戦略を一又は複数の個人が進めることが可能であり得る。
【0075】
本発明のトレーディング・システムによって調節される資本市場の成長及び安定性を助長するために、図4のブロック404に表すように、仮想スペシャリスト・プログラムはサーバ・コンピュータによって実行される。仮想スペシャリスト・プログラムの実行において、サーバ・コンピュータ14は、仮想スペシャリスト・ポートフォリオ(VSP)から市場において活発にトレーディングすることによってトレーディングを調整する。第1の好ましい実施例では、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオには当初、各派生金融商品の全発行シェアの半分が入っている。
【0076】
仮想スペシャリスト・プログラム
図5を参照すれば、本発明の仮想スペシャリスト・プログラムのロジックを示す流れ図を示す。ブロック500は、スイープ価格設定サイクル中の価格変動が、調整価格変動閾値(APT)以上か否かをサーバ・コンピュータ14が判定することを表す判定ブロックである。APTは、サーバ・コンピュータ14のメモリにおける定数である。APTが価格変動より大きい場合、サーバ・コンピュータ14は市場において売買しない。価格変動がAPT以上の場合、サーバ・コンピュータ14は仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオから売買する。サーバ・コンピュータ14によるトレーディングのレベルは、価格変動がAPTを上回った量で判定される。価格変動が大きいほど、価格変動を相殺するためにサーバ・コンピュータ14がトレーディングするシェア数は多くなる。
【0077】
本発明の例示的な実施例では、ATP=1.25であり、サーバ・コンピュータ14は、以下の工程を実行する。PM=APTの場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェア20%をマッチングさせる。PM=APT+0.25の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの20%をマッチングさせる。PM=APT
+0.50の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの30%をマッチングさせる。PM=APT +0.75の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの40%をマッチングさせる。PM=APT
+1.0の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの50%をマッチングさせる。PM=APT +1.25の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの60%をマッチングさせる。PM=APT
+1.50の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの70%をマッチングさせる。PM=APT +1.75の場合、サーバ・コンピュータ14は、マッチしないシェアの80%をマッチングさせる。
【0078】
ブロック502は、価格変動を相殺するために買い注文又は売り注文をサーバ・コンピュータ14が生成することを表す。サーバ・コンピュータ14によって生成される買い注文又は売り注文はキューに入れられ、トレーダーの買い注文及び売り注文は次のスイープ・サイクル中に処理される対象である。
【0079】
第1の好ましい実施例では、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオが当初、トレーディングされる全証券の半分を含むので、サーバ・コンピュータ14は最終的には、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオを枯渇させ得るか、又は仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオに株式の全シェアを保有させ得る。バランスのとれた仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオを維持し、多少の流動性を市場にもたらすために、サーバ・コンピュータ14は、更なる買い注文及び売り注文を生成して、APTを上回る価格変動に応じて生成される注文を相殺する。ブロック504は、時間が指定された買い注文及び売り注文をサーバ・コンピュータ14が生成することを表す。本発明の一実施例では、サーバ・コンピュータ14は、仮想スペシャリスト・プログラム・ポートフォリオの各株式及び各債券を評価する。サーバ・コンピュータ14は、当該アイテムにおける不足額又は余剰額を判定し、次いで、今後3日間の順次の15分セグメントそれぞれに不足額の1/288を「時間が指定されたリカバリ注文」として入れる。ブロック320において表すように、価格設定/トレーディング・プログラム255が買い注文及び売り注文をマッチングさせると、価格設定/トレーディング・プログラム255は、直近の3日間で未処理の「時間が指定されたリカバリ注文」があればこれをスイープに含める。前述の注文は、トレーダーの買い注文及び売り注文とマッチングされる。ブロック506は、仮想スペシャリスト・プログラムの終了を表す。
【0080】
トレーディング停止プログラム
図6は、本発明のトレーディング停止プログラムのロジックを示す流れ図である。ブロック600は、買い注文及び売り注文のアンバランスによって生じる株式の価格変動をサーバ・コンピュータ14が判定することを表す。ブロック602は、スイープ・サイクル期間中のみならず、当日の価格変動をサーバ・コンピュータ14が測定することを表す。ブロック604は、「一トレーディング日」(直近の1つの前の午前0時から直近の午前0時まで)内の純価格変動(NPM)が上方向又は下方向に50%超であるか否かを判定することを表す判定ブロックである。ブロック606によって表すように、20ドル超でトレーディングされる株式の純価格変動が50%より大きい場合、買い注文及び売り注文はキューから取り除かれる。その時点で、その銘柄のトレーディングは、追って通知があるまで15分以内で停止される。このスイープ中のその株式の注文(買い及び売り)には応じられない。「過剰な注文アンバランス」によってトレーディングは停止している。
【0081】
例えば、特定の映画に基づく特定の派生商品の直近トレーディング価格(LTP)が67ドル(当日+7.5)であるものとする。15分の一スイープ価格設定サイクル中、サーバ・コンピュータ24は、特定の派生商品の655,000シェアに対する買い注文を受け取る。更に、サーバ・コンピュータ14は、特定の派生商品の35,000シェアに対する売り注文を受け取る。サーバ・コンピュータ14は、スイープ価格設定サイクル中の価格変動を評価し、「当日の」純推定価格変動が50%より大きいかをみるために確認する。50%より大きい場合、その商品のみのトレーディングを停止させる。この例では、620,000ショアの純注文アンバランスが存在している。これによって、(+620,000/5,000)*
$0.25=+$31.00の上方価格変動が生じる。当日の総変動が、今までの7.50ドルに更に31.00ドルを加えた額になるので、当日の純推定価格変動は$31.00+$7.50=$38.50になる。当日の寄り付き価格が59.50ドルであった場合、当日の推定価格変動率は$38.50/$59.50=64%である。推定純価格変動が50%より大きいので、その商品のトレーディングは停止される。推定価格変動が50%未満の場合、商品の価格は適宜調整され、その株式の売買は続けられる。ブロック608は、特定の株式に関して売買停止命令が出ることを表す。株式の買い注文又は売り注文を出したトレーダーには、トレーディング日中の過剰な注文アンバランスによって注文に応じられなかった旨が通知される。最後に、ブロック610は、トレーディング停止プログラムの終了を表す。
【0082】
II. トレーディング・システムの第2の実施例の概括的なロジック
前述の第1の実施例と同様に、本発明のシステムの第2の実施例は、オープンな、コンピュータ化された取引所におけるトレーディングに提供される証券のデータベースを含む。特定の実施例では、映画、俳優、商品、及び/又はサービス企業に関する証券がリストされている。他の実施例では、例えば、トーナメント、ゲーム番組、現実に基づくテレビ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争などの競争における競争者に関する証券がリストされている。よって、第2の実施例の以下の説明は、機能における、第1の実施例との差に焦点を当て、第2の実施例に含まれるが、更なる説明を必要としない特徴を省略することがあり得る。
【0083】
システム構成部分の概要
図7を参照すれば、大局的な定数テーブル2022、価格履歴テーブル2020、純価格変動テーブル2008、証券価格テーブル2006、証券定数テーブル2002、売買履歴トラッキング・テーブル2010、純価格変動残高テーブル2012、ゴースト・トレーディング・テーブル2014、管理テーブル2016及びユーザ・データベース・テーブル2026(後述するように用いられる)を含む複数のテーブルがシステム内に含まれている。映画などの派生商品に基づいた取引所は、デベロップメント段階テーブル2024を更に備え得る。全テーブル間で経済コントロール・データ及び価格コントロール・データを転送する仮想スペシャリスト・プログラム2028、全テーブル間で経済コントロール・データを転送する準備銀行プログラム2030、及び後述するように売買及びポートフォリオの情報をそれ自体とユーザ・データベースとの間で転送するユーザ・インタフェース700が、前述のテーブルとインタフェースする。後述するようにマーケティング・ツール(2040)も全テーブルとインタフェースする。
【0084】
管理モジュール
図18を参照すれば、システムは、後述するようにシステム内の定数及び変数を調整するために用いる管理モジュールを含む。管理モジュールは、パスワード保護されており、ブラウザ・インタフェース700によって実現される(やはり後述する)。
【0085】
ユーザ登録及びログイン
図1を参照すれば、ユーザは、標準インタフェースを用いてネットワークを介してシステムにアクセスすることができる。例示的なシステムは、SQL準拠バックエンド・データベース・サーバ14に接続された、ネットワーク(インターネット10など)に接続されたウェブ・クライアント12を含む。
【0086】
図8Aを参照すれば、標準化されたウェブ・ブラウザ・インタフェース700は、人口統計情報(姓名、年齢、性別、場所、職業、所得、趣味等など)を提供して、インターネット10を介してオンライン・トレーディング・システムに登録するためにユーザによって用いることができる。登録されると、ユーザには、登録後にログインするために用いられる一意のユーザIDを選択する選択枝が与えられる。人口統計情報の提供において、ユーザは、ランダムに割り当てられたパスワード及びその他のインストラクション情報を転送することが可能な宛先の電子メール・アドレスも提供する。
【0087】
図8Bを参照すれば、ユーザが登録されると、始めてのユーザのデフォルト・ポートフォリオはウェルカム・ウェブページ804の左上コーナーのポートフォリオ表示ボタン802を選択することによってパスワードなしの一時ログインを用いてアクセスすることができる。
【0088】
図9を参照すれば、ユーザがその永久パスワードを受け取ったあと、システムのウェブ・ホームページ804にあるスタート・ボタン902を選択することによってインターネット・ブラウザ700を用いてインターネット10(図1)を介してシステムにアクセスすることが可能である。
【0089】
図10を参照すれば、ユーザには、ウェブページ700上にそのポートフォリオが提示される。自動的に、トレーディングを開始するために、新しいユーザには、準備銀行プログラム(後述する)から、一定量の仮想通貨1002を仮想ドル(V$)で提供される。この量は、準備銀行プログラムからの融資(利息が課される)又は贈与とみなし得る。
【0090】
ログイン後に、ユーザ・ポートフォリオ要約1004がページの最上部に示される。ユーザ・ポートフォリオ要約1004は、ユーザの現在の現金残高1002、株式で保有された額1006、債券で保有された額1008や他のタイプの証券で保有された額を表示する。新しいユーザがログインすると、ユーザ・ポートフォリオの現金価値は通常、単に現金1002だけで表されるか、又はマネー・マーケット・アカウントで表される。しかし、時々、システムは、例えば、債券証券1008を備えた無償証券の保有高を新しいユーザに与え得る。ユーザのポートフォリオにおける現金は、仮想予備銀行プログラムによって設定された利率で増える。
【0091】
売買注文
ユーザは、購入が望まれる商品のシンボル1012をページの売買領域1010においてタイプ入力することによって証券商品を売買することができる。数量1014も、売買領域1010において特定される。特定の商品のシンボルをユーザが知らない場合、ルックアップ又はサーチ機能が、標準のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)特徴(ドロップダウン・リスト・ボックス、テキスト・サーチ・ボックスやスライダ・バー・リストなど)を用いて画面のシンボル・サーチ領域1016において提供される。あるいは、画面の最下部にあるティッカー・テープ・スタイル更新メニュー1018が、利用可能な商品を、対応する商品価格とともに示す。
【0092】
利用可能な商品のシンボル1010、及び数量1014をユーザが首尾良く入力すると、売買域1010における買いボタン1020を押すことができる。図11を参照すれば、アカウント上に十分な現金をユーザが有する場合、及び利用可能な商品が存在している場合、確認画面1102が取引の実行前に現れる。確認すると、売買が実行され、現金がユーザの現金勘定1002(図10)から控除される。
【0093】
図10を参照すれば、ユーザが証券商品を売りたい場合、売りボタン1022が、ポートフォリオ・ページ1004の売買領域1010においてクリックされる以外は、買い注文を出す前述の手順と同じ手順に従う。確認後、売られる株式の市場価格がユーザの現金アカウント1008に加算され、購入注文に応じるために株式がシステムにおいて利用可能にされる。
【0094】
仮想スペシャリスト・プログラム
システムは、とりわけ、買い注文及び売り注文のフルフィルメントを扱う仮想スペシャリスト・プログラムを含む。本願のシステムの第2の実施例では、仮想スペシャリスト・プログラムは、経済をコントロールし、それに流動性をもたらす。買い注文を相殺するために等しく、マッチングしている売り注文が存在しているか(逆も同様)否かにかかわらず、注文全てのフルフィルメントを行うことによって、瞬間的な流動性を提供する。
【0095】
図12aを参照すれば、当初の証券価格を決定するために仮想スペシャリスト・プログラムによって実行される算出を示すフローチャートを示す。仮想スペシャリスト・プログラムは、管理者入力値に基づいて、取引所で公開する対象の新たな証券の公募の当初価格を算出する。システム管理者は、パスワード保護された管理モジュールによって、取引所で公開するための新たな証券を設定することができる。取引所は、下にある事業主体(例えば映画、俳優、競争者等)の性質に部分的に基づいて派生商品の価格を設定し、管理することができる。例えば、取引所は、現実に基づくテレビ番組の競争者の価格を取引所が設定し、管理するのと違ったふうに、映画に基づいた派生商品の価格を設定し、管理することができる。
【0096】
映画、タレント、商品及び/又はサービス企業に基づく派生商品
前述のような、取引所で公開されたフィルムの場合、価格を決定する1つのやり方は、映画の制作の段階によるものである。各映画には、関連した総ボックスオフィス業績がある。管理者は、工程1202で、証券の推定総ボックスオフィス業績(EGBO)を管理画面に入力することが可能である。管理者は、工程1204で、証券の当初発行シェア数(NIS)の数量を入力する。第2の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムは、実際にシェアを何ら保有しないので発行シェア数は仮想の数である。ユーザは、工程1205で、映画の制作の段階のコード(後述する)も入力する。仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1206で、EGBOをNISで除算して、未処理の当初シェア価格(RIS)を決定する。
【0097】
当初シェア株価(ISP)は次いで、制作段階係数で調整される。以下に、管理者によって入力されるコード・フォーマットとともに、種々の映画制作段階を説明する。
【0098】
C=Concept(コンセプト):映画のコンセプト段階中に、活発な制作はまだ行われていない。「新たな」プロジェクトについての噂を耳にする。場合によっては、既存の映画の続編、又は著書の焼き直しである。
【0099】
D=Development(デベロップメント):映画のデベロップメント段階中に、プロジェクトは関心を引きつけており、考えを更に発展させることに資金が費やされる。最終的なスクリプト前提が仕上げられる。
【0100】
前概念デザイン作業が行われる。より多くのクルー及び俳優が、この段階でプロジェクトに専念する。
【0101】
P=Production(制作):プロジェクトは、活発な制作に移っている。クルー及びスターは全て選ばれており、主要な写真撮影はスケジューリングされるか、又は開始される。リリース日は、固定され始める。
【0102】
W=Wrap(ラップ):映画は完全に完成し、リリースを待つ。リリース日が、商業的な成功の機会のより有利なウインドウを待って、スケジューリングされていない将来の日付まで、短い時間(場合によっては、数週又は数ヶ月)遅くされていることがあり得る。
【0103】
R=Release(リリース):映画は劇場で上映中である。
【0104】
映画がコンセプト段階にある際には、映画が制作中である際よりも映画の成功の可能性を判定することはずっと難しい。制作サイクルには、潜在的成功を判断することがより難しいコンセプト段階に始まり、映画の潜在的な成功をより正確に判定するために実際のボックスオフィス収入をみることが可能なリリース段階に終わる一連の成功レベルが関係する。よって、映画の当初の成功を判定する場合、RISを適宜、減らさなければならない。
【0105】
工程1208(図12a)から始めて、仮想スペシャリスト・プログラムは、映画がコンセプト段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1210で、コンセプト段階にある映画の管理上設定されたコンセプト係数で乗算される。
【0106】
仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1212で、映画がデベロップメント段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1214で、デベロップメント段階の映画の管理上設定されたデベロップメント係数で乗算される。
【0107】
仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1216で、映画が制作段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1218で、プロダクション段階の映画の管理上設定された制作係数で乗算される。
【0108】
仮想スペシャリスト・プログラムは、工程1224で、映画がリリース段階にあるかをみる。肯定の場合、証券の価格が、工程1226で、未処理の不変のRISに固定される。
【0109】
前述の係数のみが、RISの調整に用いることが可能な係数でないことを当業者は認識するはずである。例えば、RISは、映画キャストの業界ボックスオフィス・インデックス、キャストの業界人気インデックス、推定予算、実際の予算、又は映画のリリース・シーズンなどのインデックスによって調整することが可能である。更に、商品、俳優又はサービス企業の証券に種々の係数を用いて当初価格を決定することになる。
【0110】
映画の算出当初価格は、上記の公式に静的に関係するものでない。上記係数で決定される推定価格に関係なく、第2の実施例のシステムでは、価格は、映画のリリース後、更に調整される。映画のリリース日の翌朝に、その映画の株式のトレーディングは、停止させられる。トレーディングは、以下の公式に基づく調整価格でその最初の週末の終わりに続けることが可能である。
(最初の週末の総ボックスオフィス収入/1MM)*(総国内収入に対する歴史的な乗数)
歴史的な観察によって、本発明の第2の実施例に理想的な歴史的乗数値は3.6であることが明らかになった。
【0111】
市場の債券の当初価格は、株式と同様に決定される。価格を決定する1つのやり方は、前述の、取引所で公開された映画スターの場合、そのスターが出演した映画の歴史的な業績による。
【0112】
取引所では、投資家は、スター債券の形態で個々の俳優をトレーディング可能である。スター債券によって、スターのレーティングに応じて利子が支払われる。レーティングは、
スターの36ヵ月遅行平均総額(TAG)で決定される。TAGは、先行する3年間にスターが出演している映画の遅行平均ボックスオフィス総収入である。TAG値及びレーティングは、11のクラス(すなわち、AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、C、U及びD)のうちの1つに対応する。11のスター債券のレーティング・クラスそれぞれは、仮想ドルの金利又は表面利率に対応する(下記の図を参照)。本発明のシステムの第2の実施例の個々の俳優のレーティング及び表面利率は、以下のようにそのTAG値に応じて決定される。
AAA 平均総収入:1億ドル以上 表面利率:V$60
AA 平均総収入:7500万〜9990万ドル 表面利率:V$80
A 平均収入:5000万〜7490万ドル 表面利率:V$100
BBB 平均総収入:4000万〜4990万ドル 表面利率:V$140
BB 平均総収入:3000万〜3990万ドル 表面利率:V$160
B 平均総収入:000万〜2990万ドル 表面利率:V$180
CCC 平均総収入:1500万〜1990万ドル 表面利率:V$220
CC 平均総収入:1000万〜1490万ドル 表面利率:V$240
C 平均総収入:500万〜990万ドル 表面利率:V$260
U(レーティングなし)平均総収入:500万ドル未満 表面利率:V$300
D(償還不能) 平均総収入:なし 表面利率:V$0
スター債券の投資家は、毎日、債券毎に表面利率の6分の1を受け取る。年間利回り率、又は直接利回りは、V$の表面利率を現在価格で除算することによって算出される。低いレーティングのスター債券は、高いリスクを表す。低いレーティングのスター債券のV$の日々の支払額は、低いレーティングのスター債券を保有するリスクをとるトレーダーを補償するために高い。高いレーティング(AAAなど)は、まさにこの逆を表す。
【0113】
システムは、近く公開の大ヒット作におけるスターの出演を予期して、レーティングが低いスター債券を一部のトレーダーが買い、それによって、TAG(遅行平均総収入)、レーティング及び価格が上がるという原理の下でプログラムされる。逆に、トレーダーは、近く公開の失敗作におけるスターの出演を予期して、レーティングが高いスター債券を売り、それによって、TAG、レーティング及び価格が下がる。
【0114】
Uのレーティングを有するスター債券は、その債券がレーティングされていないことを意味し、レーティングがDのスター債券はその債券が償還不能であることを意味する。
【0115】
年全体にわたって、システム管理者は、ボックスオフィス業績の報告に伴ってTAG値を更新し、よって、クラス・レーティングを更新する。各木曜日に、新しいボックス・オフィス・データが報告されるとともに、仮想スペシャリスト・プログラムは、更新を必要とする債券レーティングを求めてスター債券市場をスイープする。スター債券の価値は映画の累積的な業績に基づくので、仮想スペシャリスト・プログラムは4つの週末後の映画の合計総収入を推定するために総収入に1.24の乗数を用いる。
【0116】
あるいは、債券の価格はいくつかのやり方で決定することができる。債券価格を決定することができる1つの方法は、債券のレーティングに基づくボックスオフィス・インデックスを債券に割り当て、このインデックスを定数で乗算し価格を得ることによる。この方法を用いて、債券のレーティングは、他の係数(債券の関連スターが出演したフィルムの数、スターのキャリアの長さ、スターが出演した個々のフィルムに対してスターが受け取る相対的な請求額、及び世間一般による、スターの品行の認識など)で調整することが可能である。これらの係数を全て、システム管理者によって管理上設定し、次いで、ボックスオフィス・インデックスと掛け合わせて、調整されたボックスオフィス・インデックスを得る。
【0117】
債券の当初価格を決定する別のやり方は、前述のように他の証券価格が決定されるやり方と同様に(すなわち、いくつかの市場係数を用いる一方で、伝統的な固定債の額面価格を用いる代わりに、後述する仮想スペシャリスト・プログラムによって他の証券価格が調整されるやり方と同様に)債券の将来価格を決定することによって当初価値を決定することである。
【0118】
本発明のシステムの第2の実施例における非債券証券に関し、仮想スペシャリスト・プログラムは、仮想スペシャリスト・プログラムがフルフィルメントを行う、相殺する注文を何ら有しない注文の証券の数量を表す現行純変動残高(NMB)を格納する。このアンバランスは、実行される買いの売買注文が、実行される売り注文よりも多いことを売買アンバランスが表す場合、正の数として格納され、売り注文が買い注文よりも多いことを売買アンバランスが表す場合、負の数として格納される。
【0119】
競争に基づく派生商品
特定の実施例では、取引所は、競争における競争者を表す派生金融商品のトレーディングを容易にすることができる。競争は、トーナメント、プレイオフ、ゲーム番組、現実に基づくTVシリーズ番組、受賞番組、スポーツ・イベント、及び/又は何れかの適切な競争を含み得る。一般に、取引所は、派生金融商品の当初価格を設定し、売る対象のいくつかの派生商品を決定し、競争の過程で、派生商品に関連した価格の調整及びメンテナンスを行い、トレーダー間で派生商品のトレーディングを管理する。
【0120】
競争の開始時に、取引所及び/又は取引所管理者は、競争の競争者を識別することができる。競争者は、個人、チーム、スポーツ選手、グループ及び/又は何れかの適切な事業主体であり得る。特定の競争者の場合、取引所は、その競争者を表す派生商品の当初価格を決定することができる。特定の派生商品の当初価格は、何れかの適切な客観的基準及び/又は主観的基準に基づいて決定することができる。特に、特定の派生商品の当初価格は、少なくとも部分的には、その派生商品によって表される競争者に関連したランキング、記録、実績、統計及び/又はチームに基づき得る。更に、又はあるいは、特定の派生商品の当初価格は、少なくとも部分的には、その派生商品によって表される競争者に関連した健康状態、けが、履歴、サイズ、体重、及び/又は何れかの適切な数及び組合せの特性に基づき得る。例えば、競争がバスケットボール・トーナメントの場合、トーナメントにおける特定のチームを表す派生商品の当初価格は、少なくとも部分的には、特定のチームのランキング及び/又は勝敗記録に基づき得る。特定の実施例では、当初価格は、少なくとも部分的には、特定の競争者の実績、技術又は成果に基づき得る。例えば、競争が「オスカー」などの受賞イベントの場合、受賞候補者の派生商品は、その候補者が以前に賞を獲得したか否かに基づき得る。特定の実施例では、各競争者を表す派生商品の当初価格は、同じであり得る。
【0121】
特定の実施例では、取引所は、特定の派生商品の当初価格を自動的に決定することができる。他の実施例では、一又は複数の個人(例えば、専門家のパネルなど)は、何れかの適切な客観的基準及び/又は主観的基準を用いて特定の派生商品の当初価格を決定することができる。
【0122】
各競争者を表す派生商品の当初価格の決定に加えて、取引所は、競争の競争者毎に提供するシェアの数を決定することができる。取引所は、少なくとも部分的には、取引所に参加するトレーダーの数の予測に基づいて、提供するシェアの数を決定することができる。
特定の実施例では、特定の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムが実はシャアを何ら保有していないことがあり得るので、発行されるシェアの数は、仮想の数であり得る。
【0123】
取引所は、取引所を介してトレーディングに参加することができるトレーダー群を規定するよう構成することができる。トレーダー群は、何れかの適切な数及び組合せの特徴によって規定することができる。例えば、規定済みの群は、特定のインターネット・サービスの加入者、特定の組織のメンバー、特定の企業の顧客、及び/又は何れかの適切な群を表すことができる。特定の実施例では、取引所は、取引所を介してトレーディングに参加するために、構成可能なパスコードを個人が有することを必要とすることができる。パスコードは、個人が取引所に参加することができるか否かを検証するためのパスワード、アクセス鍵及び/又は何れかの適切な手段を表すことができる。特定の実施例では、個人は、商品を購入することによって、パスコードを「獲得する」ことができる。例えば、パスコードは、特定の飲料の特定のボトルのキャップの下側に印刷することができる。よって、取引所は、個人が特定の商品を購入して取引所に参加する機会を得ることに対するインセンティブを提供することができる。前述の実施例では、特定の飲料のボトルをより多く購入することによって、個人は、パスコードを有するボトル・キャップを取得して取引所に参加する機会を増やすことができる。他の実施例では、パスコードは、キャンディの包みの中に、シリアルの箱の中に、及び/又は商品に関連したスクラッチ・カード上に印刷することができる。前述の実施例は、商品に関連したパスコードを示すが、パスコードは、サービス(例えば、携帯電話サービス、音楽ダウンロード・サービス、インターネット・サービス、及び/又は何れかの適切なサービス)と関連していてもよい。こうした実施例では、パスコードは、電子的に、電子メール、印刷、及び/又は何れかの適切な媒体を介して、選択された個人に送ることができる。
【0124】
特定の実施例では、取引所は、トレーダーとして取引所に誰もが参加することを可能にし得る。取引所は、トレーダーがリーグ又はグループを構成することを可能にし得る。例えば、友人、同僚、及び/又は仕事関係の人の群によって、トレーダーとして互いに競争するためにリーグが構成され得る。リーグを構成することによって、トレーダーは、そのリーグの他のトレーダーと競争して、例えば、最高価値のポートフォリオを構築することが可能なトレーダー、取引所の基礎をなしている競争において勝利を得た競争者に関連したシェアを最も多く獲得することが可能なトレーダー、及び/又は何れかの適切な数及び組合せの目標を達成することが可能なトレーダーを決定することができる。
【0125】
派生商品の当初価格を決定した後、取引所は、売る対象の派生商品をトレーダーに提供することができる。特定の実施例では、トレーダーは、取引所の基礎をなしている競争の開始前に、取引所に参加するために登録することができる。取引所に登録すると、トレーダーは、構成可能な量の仮想通貨を受け取ることができる。取引所は、現在売買可能な派生商品をトレーダーに向けて表示することができる。表示された情報に少なくとも部分的に基づいて、トレーダーは、1つ又は複数の派生商品を買う旨の1つ又は複数の買い注文を出すことができる。1つ又は複数の買い注文を受け取ると、取引所は、要求されたシェア数をトレーダーに転送することができる。取引所は、購入されたシェアの価格に従って、トレーダーに関連したアカウントから自動的に控除することができる。
【0126】
トレーダーが派生商品を売買し始めると、派生商品の価格は、種々の派生商品の需要と供給に基づいて変動し得る。特定の実施例では、競争の過程で、仮想スペシャリスト・プログラムは、派生商品に関連した価格を時々調整するよう動作可能である。例えば、競争がスポーツ・トーナメントの場合、取引所はトーナメントの1つ又は複数のラウンドの後、派生商品に関連した価格を調整することができる。特定の派生商品の価格調整は、その派生商品に関連した競争者の実績に少なくとも部分的には基づき得る。例えば、スポーツ・トーナメントの場合、取引所は、トーナメントの第1ラウンドにおいて勝ったチームを表す派生商品の価格を上げることができる。大差で勝ったチームの派生商品は、近差で勝ったチームの派生商品より価格上昇が大きいことがあり得る。よって、取引所は、その派生商品によって表される競争者の実績に基づいて、特定の派生商品の価格調整を決定することができる。
【0127】
特定の実施例では、競争者が競争で負けた場合、及び/又は、競争者が競争から脱落した場合、その競争者に対応する派生商品の価格はゼロに下落し得る。他の実施例では、競争者が競争から脱落した場合、取引所は、対応する派生商品の価格を下げ得る。取引所が派生商品の価格を下げる量又は率は、少なくとも部分的に競争の段階に依存し得る。例えば、現実に基づいたTVシリーズ番組の第1話の後に脱落した競争者の場合、現実に基づいたTVシリーズ番組の、後の話において脱落した場合よりも高い率で、対応する派生商品の価格を下げることができる。他の実施例では、取引所は、現実に基づいたシリーズ番組の先行する話において競争者が脱落した場合に、競争者が後の話において脱落した場合よりも低い率で派生商品の価格を下げることができる。特定の実施例では、取引所は、競争の話、段階及び/又はラウンドそれぞれの後、派生商品の価格を調整することができる。
【0128】
取引所は、トレーダーの派生商品ポートフォリオの価値をトレーダーが上げることに対するインセンティブを提供するよう構成することができる。特定の実施例では、取引所の基礎をなしている競争の終了後、取引所は、複数のトレーダーのポートフォリオを比較することができる。取引所は、最高価値のポートフォリオを有する各トレーダーに賞を与えることができる。他の実施例では、競争の終了後、取引所は、勝利を得た競争者に関連した構成可能な数のシェアよりも多くのシェアを有するトレーダーに賞を与えることができる。更に他の実施例では、取引所は、競争の特定の段階の先に進む競争者に関連した派生商品を有するトレーダーに配当を与えることができる。配当は、仮想通貨、派生商品のシェア、及び/又は何れかの他の適切な報酬を表すことができる。
【0129】
取引所は、トレーディング活動を規制するよう動作可能であり得る。特に、取引所は、競争の特定の部分の間、トレ―ディングを停止させるよう動作可能であり得る。例えば、競争が、現実に基づいたTVシリーズ番組の場合、取引所は、TVシリーズ番組のそれぞれの話の放映中、トレーディングを停止させることができる。
【0130】
取引所は、相殺する注文を何ら有しない、仮想スペシャリスト・プログラムがフルフィルメントを行う注文の証券の数量を表す現行の純変動残高(NMB)を格納し得る。アンバランスは、実行される買い注文が、実行される売り注文より多いことを売買アンバランスが表す場合、正の数として格納され、又は、実行される売り注文が、実行される買い注文より多いことを売買アンバランスが表す場合、負の数として格納される。
【0131】
前述の実施例は、現実に基づくTVシリーズ番組におけるスポーツ選手、チーム、競技者、及び/又は参加者に基づいた派生商品を例証している。特定の実施例では、派生商品は、政治家、監督、公人、有名人及び/又はモデルに基づいてもよい。特定の実施例では、取引所に関連した競争は、政治イベント、世論調査、選挙、調査及び/又は何れかの適切なイベントを表し得る。例えば、取引所に関連した競争は選挙であり得るものであり、派生商品は選挙の候補を表し得る。別の例として、競争は調査又は世論調査(例えば、雑誌の「50人の最も素敵な人々」ランキングなど)を表し得るものであり、派生商品は、調査又は世論調査において対象になり得る有名人やその他の個人を表し得る。よって、取引所には、何れかの数及び組合せの競争、並びに、何れかの数及び組合せの競争者が関係し得る。
【0132】
特定の実施例では、取引所は、特定のトレーダーのポートフォリオの内容を規制することができる。例えば、トレーダーは、特定の派生商品の合計シェアのうちの構成可能な割合のシェアを超えるシェアを保有することが可能でないことがあり得る。別の例として、トレーダーは、単一の派生商品に関連したシェアのうちの構成可能な割合のシェアを超えるシェアを有することができない。取引所は、何れかの適切な数及び組み合わせの規制を、取引所に参加しているトレーダーに課すことができる。
【0133】
特定の実施例では、取引所は、最大及び/又は最小の「現金引出」価値又は償還価値を派生商品毎に決定することができる。特定の派生商品の最大償還価値は、トレーダーがその派生商品のシェアを買い、売り、かつ/又は、償還することができる最大価値であり得る。同様に、特定の派生商品の最小償還価値は、トレーダーがその派生商品のシェアを買い、売り、かつ/又は、償還することができる最小価値であり得る。取引所は、競争の各段階後に、特定の派生商品の最大及び/又は最小の償還価値を調整することができる。例えば、競争が野球プレイオフを表す場合、プレイオフの第1ラウンド中の最大償還価値は50ドルであり得る。プレイオフの第2ラウンドの開始時に、取引所は、残りのチームのために、派生商品のシェアの最大償還価値を100ドルに上げることができる。取引所は、何れかの適切な基準に基づいて特定の派生商品の最大及び/又は最小の償還価値を決定することができる。例えば、最大及び/又は最小の償還価値は、競争者の数、競争の段階、トレーダーの数、及び/又は何れかの他の適切な係数に基づき得る。前述の実施例は、野球プレイオフを表す競争を例証しているが、取引所は、何れかの数及び組み合わせの競争に関連し得る。前述の実施例では、取引所は、競争において先に進んだ競争者を表す派生商品の最大償還価値を2倍にした。しかし、取引所は、何れかの適切なやり方で派生商品の最大及び/又は最小の償還価値を調整することができる。
【0134】
図12bは、本発明の一実施例による、特定の競争に基づいた派生商品の取引所を管理する方法のフローチャートを示す。工程1252で、取引所は、特定の競争の競争者を識別する。工程1254で、識別された競争者毎に、取引所は、識別された競争者を表す派生金融商品の当初価格を決定する。当初価格の決定は、少なくとも部分的には、特定の競争者に関連した実績、記録、ランキング、技術及び/又は成果に基づき得る。工程1256で、取引所は、トレーダーに対して売り出す対象の各派生商品のシェアの数を決定する。売り出されるシェアの数は、少なくとも部分的には、取引所に参加するトレーダーの予想数の推定に基づき得る。
【0135】
工程1258では、取引所は、派生商品及び関連した価格をトレーダーに向けて表示する。取引所は、競争の競争者の名前、背景情報及び/又は特徴を表示することができる。工程1260で、取引所は、特定の派生商品の少なくとも1つのトレーディング注文をトレーダーから受け取る。トレーディング注文によって、派生商品のシェアの数、並びに、買い呼び値又は売り出し価格が特定され得る。工程1262で、取引所は、受け取られたトレーディング注文を実行する。工程1264で、取引所は、競争の構成可能な段階が完了したか否かを判定する。特定の実施例では、構成可能な段階は、トーナメントの一ラウンド、現実に基づくTVシリーズ番組の一話、又は何れかの他の適切な一部分を表し得る。
【0136】
工程1264で、取引所が、構成可能な競争段階がまだ完了していないと判定した場合、処理は工程1260に戻る。しかし、工程1264で、構成可能な競争段階が完了したと取引所が判定する場合、工程1266で、取引所は、競争に関連した派生商品の価格を調整する。特定の派生商品の価格調整は、少なくとも部分的には、競争の段階中の対応する競争者の実績に基づき得る。
【0137】
工程1268で、取引所は、競争が終わったか否かを判定する。工程1268で、競争が終わらなかったと取引所が判定した場合、処理は工程1260に戻る。しかし、工程1268で、競争が終わったと取引所が判定した場合、工程1270で、取引所は最大価値のポートフォリオを有する特定のトレーダーを決定する。工程1272で、取引所は、最大価値のポートフォリオを有する特定のトレーダーに賞を与えることができる。特定の実施例では、取引所は、トレーダーのポートフォリオの価値及び/又は資産に基づいて複数のトレーダーに複数の賞を与えることができる。
【0138】
証券の価格変動の決定
図13を参照すれば、証券の価格変動を決定するための算出を示すフローチャートを示す。非仮想トレーディング市場と違って、第2の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムは、直近に実行された買い注文価格に基づいてシェア価格を設定することによって、経済を管理するものでない。むしろ、仮想スペシャリスト・プログラムは、売買アンバランス残高を計算することによって、各売買後、商品の価格を決定する。システムは、価格調整のためにユーザによって出される買い注文及び売り注文のデータを含む売買キューを走査又はスイープする(工程1302)。
【0139】
証券の売買アンバランス(本明細書において純変動残高(NMB)とも呼ばれる)が、証券全ての純変動残高がトラッキングされる純変動残高データベースから読み出される(工程1304)。仮想スペシャリスト・プログラムは、証券価格増加(SPI)定数及び一対の証券価格閾値定数の組合せを用いてNMBに基づいて証券価格を増やすか、又は減らすことによって証券価格をコントロールする。正の証券価格閾値(PSPT)定数及び負の証券価格閾値(NSPT)定数が、システム管理者によってシステム内の証券毎に証券定数テーブル2002において設定される。
【0140】
ユーザが売買を実行すると、レコードが売買キューに追加される。売買レコードにおけるフィールドとして、売買注文の純売買変動(NTM)変数は、売買注文が買い注文の場合に正のシェア数量に設定され、売買注文が売り注文の場合に負のシェア数量に設定される(工程1306)。新しいNMBは、純価格変動テーブル2008(NMB(旧))から取り出された売買前NMBをNTMに加算することによって算出される(工程1308)。
【0141】
証券のNSPT定数及びPSPT定数が、証券定数テーブル2002から取り出される(工程1310)。売買注文の対象である証券の証券価格増加(SPI)定数が、証券定数テーブル2002から取り出される(工程1312)。NMBが次いでPSPTと比較される(工程1314)。NMBがPSPTより大きい場合、証券の価格(SP)は、証券価格テーブル2002から取り出された売買の前にSPIをSPに加算することによって算出される(工程1316)。NMBは次いで、PSPTが控除され、純価格変動テーブル2008にもう一度格納される(工程1318)。
【0142】
逆に、NMBがNSPT(負の値)未満の場合(工程1320)、SP(新)はSPIをSP(旧)から減算することによって算出される(工程1322)。NMBは次いで、NMB(この場合、やはり負である)によって増やされる(工程1324)。
【0143】
上記計算が行われた後、SPは証券価格テーブル2006に格納される(工程1326)。証券価格テーブル2006は全ての証券価格を記録する。証券の価格が変わった場合、売買に関するSP、NMB、ユーザID及びその他の情報を有するレコードを追加する書き込みSQLステートメントを実行して、価格履歴トラッキング・テーブル2020が更新される(工程1328)。NMBは、売買注文の対象であった証券の純変動残高テーブル2008において更新される(工程1330)。純変動残高データベースの各レコードは、証券商品の連続した増加(減少)の数を記録するための増加トラッキング・フィールドを更に含む。仮想スペシャリスト・プログラムを除いて、格納された情報は、マーケティング・ツール(後述する)によって用いられる。マーケティング・ツールは市場調査者に統計情報を提供する。
【0144】
売買レコードを処理するための最後の工程は、証券抑制確認ルーチン(工程1332)及び証券停止確認ルーチン(工程1334)(ともに以下に詳細に説明する)を呼び出すことである。
【0145】
周期的に、特定の証券の自然の人気のために、又はトレーダー個人若しくはトレーダー群による市場操作によって、証券は、価格における激しい変動を実現し得る。これは、特に仮想通貨が仮想市場において使用される市場においてあてはまる。仮想市場の特殊な状況を前提とすれば、システムは、人為的な価格のコントロール又は抑制の機構を提供する。
【0146】
本発明の抑制機構は、仮想スペシャリスト・プログラムが実行する各価格増加を監視する。証券商品の価格が上下に変動すると、純変動残高テーブル2008の、その証券の増加トラッキング・フィールドが取り出される(工程1402)。証券抑制閾値(SBT)定数及び証券抑制増加(SBI)定数が証券定数テーブル2002から取り出される(工程1404〜1406)。
価格増加の合計連続数(TCPI)がSBTより大きい場合(工程1408)、PSPTは、証券抑制増加分だけ増やされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度格納される(工程1410)。
価格減少の合計連続数がSBTより大きい場合(工程1412)、NSPTは証券抑制増加分だけ減らされ、次いで、証券定数テーブル2002にもう一度格納される(1414)。このようにして、設定された閾値より価格が大きく変動した証券の場合、価格変動は、遅くさせられる。
【0147】
しかし、抑制機構は、証券の極端な下げ市場又は上げ市場、又は市場全体において十分に効果的でないことがあり得る。そうした場合、停止機構がシステムによって提供される。図15を参照すれば、過剰な価格変動を有する特定の証券の売買を先取りする方法を示すフローチャートを示す。
【0148】
停止機構は、抑制機構とかなり同様にふるまう。価格トラッキング履歴テーブル2020から、上記売買注文の対象であった証券のTCPI又はTCPDが取り出される(工程1502)。例外としては、証券停止閾値(SHT)定数がTCPI/TCPDフィールドからの値と比較される(工程1504)ということがある。TCPI/TCPDフィールド値がSHTを上回る場合(工程1506又は1508)、その特定の証券のトレーディングは停止させられる(工程1510)。トレーディングがシステムによって停止させられたことをユーザに通知する通知が、その証券を売買しようとするトレーダーに向けて画面上に現れる。その証券のトレーディングは、管理上設定された期間後、又は管理モジュールによって手作業で再開され得る。
【0149】
図16を参照すれば、ゴースト・トレーディング・システム・プロセスを示す。第2の実施例のゴースト・トレーディング・システムが、特定の証券のトレーディング・レベルにてこ入れする(さもなければ低いトレーディング・レベルを有するであろう)ためのツールとして、かつ、更に重要なことに、閾値、定数、及び大局的な変数を変えた後に経済をシステム管理者がコントロールする手段として用いられる。ゴースト・トレーディング・システムを用いて、市場の方向をすばやく変える新たな変数で処理されると出来高をもたらすことによって経済の活動を高速化する。
【0150】
特定の選択された証券毎に、ゴースト・トレーディング機構は、自動トレード又はゴースト・トレードをランダムに形成する。タイマを有するゴースト・トレーディング・テーブル2014が含まれている。タイマは、システム・クロックを読み込み、日々の時間間隔を定める。システムは周期的に、ゴースト・トレーディング・テーブル2014に照会する(工程1602)。ゴースト・トレーディング・テーブル2014における各証券商品レコードは、トレーディング日毎に、管理上設定される回数、売買を引き起こすよう設定される。証券の売買間の時間間隔が終了したことをタイマが検出した場合(工程1604)、ゴースト・トレーディング機構は、ゴースト買い確率(GBP)をゴースト・トレード・テーブル2014から取り出す(工程1606)。ランダムな売買定数(RTC)が、システムによって生成される(1608)。次に、ゴースト証券売買数量(GBQ)が、ゴースト・トレード・テーブル2014から取り出される(工程1610)。GBTがRTC以上の場合(工程1612)、GBQによって特定されるシェアの数の買い注文がシステムによって出される(工程1614)。さもなければ、GBQによって特定されるシェアの数の売り注文が出される(工程1616)。
【0151】
上記説明では、売買の語、又は売買注文の語は、指し値注文及び空売りも含む。これらのタイプの売買における唯一の違いは、実際の売買が計上される時点である。ユーザによって出される指し値注文の場合、例えば、売買が行なわれるべき条件をユーザが特定すると、指し値注文が指し値注文キューに格納される。証券の価格が変わる都度、指し値注文キューは、指し値注文条件が満たされるかをみるために仮想スペシャリスト・プログラムによって確認される。肯定の場合、通常の売買キューは指し値注文によって更新され、仮想スペシャリスト・プログラムは、通常の売買と同様に売買を実行する。
【0152】
仮想準備銀行プログラム
本発明のシステムは、仮想準備銀行プログラムを含む。準備銀行プログラムは、準備銀行プログラム・モジュールにおいて提供される金融ツールによって経済を規制する。このツールによって、特定の大局的なシステム定数(総マネーサプライや金利など)を調整することが可能である。
【0153】
金利の場合、調整可能な大局的定数は、仮想トレーディング・システムの管理テーブル2016に組み込まれる。金利を上下させることによって、証券に関係していない仮想ドルに対して支払われる利子の額が、ユーザのために調整される。このようにして、ユーザのアカウントにおける未使用額は、金利が適宜調節されるマネー・マーケット・アカウントとしてふるまう。
【0154】
第2の実施例では、仮想準備銀行プログラム長は、大局的な金利閾値定数(GITC)を用いることによって金利閾値定数及び証券閾値定数を決定することが可能であり、システムにおけるインフレ圧力及びデフレ圧力の監視役としてふるまう。インフレ圧力及びデフレ圧力は、システム経済の規模(すなわち、特定の規定価格を得る証券のシェアの数)として定義することができる。例えば、総流通シェア数は、V$80億の合計額面価格を有し得るものであり、総流通シェアの総市場価格はV$800億であり、一日平均売買高は約V$50億であり得る。システムの大多数の証券の場合、仮想スペシャリスト・プログラムは、PSPTを10,000に設定させ、NSPTを−10,000に設定させることができる。短期金融市場金利は、前述の市場状況下で準備銀行プログラムによって7%に設定することができる。しかし、取引所での成立価格がV$2000億の値まで膨れあがった場合、例えば、PSPTを10,000だけ増やし、NSPTを10,000だけ減らし、短期金融市場金利を15%に再設定し得る。
【0155】
健全な経済の維持の一部として、システムの仮想準備銀行プログラム及び/又は仮想スペシャリスト・プログラムは特定のインフレ閾値を監視し、その閾値が満たされる場合、システムのドレインを起動させることができる。システム・ドレインの間、ユーザは、仮想ドルを商品及び/又はサービスの交換のための米ドルと替える機会が提供される。ドレインは、システムから仮想通貨を取り出す効果を有する。これは、インフレのコントロールに役立つ。ドレインの実行は、大局的定数テーブル2022において管理上設定されたドレイン定数と、全体の通貨及び/又は証券の保有高との比較を含む。大局的な定数に達するか、又は大局的な定数を上回ると、ユーザには、商品(ソフトウェア商品や通信販売商品など)をその仮想ドルによって購入する機会が提供される。そうすることを選んだユーザの場合、商品の費用がそのアカウントから控除され、提供された商品をユーザに送付する必要があることを示す注文が、商品フルフィルメント・データベースに追加される。注文トラッキング・データベースと同様に、以下に説明するマーケティング調査ツールにおいて統計情報を引き出すことが可能であるように注文がドレイン履歴データベースに格納される。
【0156】
マーケティング調査ツール
図1を参照すれば、市場調査ツールの第2の実施例も、インターネット10を介してクライアント・サーバ環境において実現される。コンピュータ12は、本発明のシステムにアクセスして、ユーザの人口統計データ及びトレーディング履歴から、編集され、サーバ14上に格納された統計調査データを表示し、ダウンロードしたい市場調査ユーザのためのフロントエンドとして用いられる。
【0157】
図17を参照すれば、市場調査ユーザは、システムにログインすることによって市場調査ツールにアクセスする(工程1702)。各市場調査ユーザは、システムを用いる前に、オンライン又は電話で加入することによってアカウントを設定することができる。市場調査ユーザには、システムへの入力のためのユーザ識別コード及びパスワードがプロンプトされる。
【0158】
システムのログインが首尾良く行われると、市場調査ユーザには、システム・データベースの証券のリストが提示される(工程1704)。市場調査ユーザは、マウス又は矢印キーを用いることによって、ユーザが統計を表示するか、又はダウンロードしたい証券を強調表示することができる(工程1706)。複数の証券を選ぶために、市場調査ユーザは、マウス、矢印キー及びシフト・キーの組合せを用いることができる。選択中にシフト・キーが押し下げられている場合、ユーザによって行われた先行の選択は、新たな選択と組み合わせて、強調表示された選択として保持される。選択基準は、特定のクラスの証券、又は、例えば、指定された期間にわたって最小の出来高閾値を満たす証券を選ぶために選択することもできる。
【0159】
証券の選択後、市場調査ユーザは、得ることができる情報のカテゴリの選択肢が画面上で与えられる(工程1708)。証券又は証券群に関して得ることができる例示的なカテゴリには、売買高情報、買い対売りの出来高情報、出来高情報のタイミング、総保有数量情報、投資集中情報、価格情報、指し値注文出来高情報、空売り出来高情報、及び合計インデックス情報が含まれる。
【0160】
より具体的には、特定の証券の売買高を得ることにした市場調査ユーザは、一般大衆によるその証券に対する意識を評価することができる。一定期間にわたって売買高が非常に高いことは、その証券に対する意識レベルが高いことを示す。逆に、出来高が最小であることは、その証券に対する意識レベルが低いことを示す。仮想スペシャリスト・プログラムによってフルフィルメントが行われる売買全てのミラー・イメージを含む仮想スペシャリスト・プログラムによって維持される売買履歴トラッキング・テーブル2010に対してクエリが実行される。全体の売買高値、年間売買高値、月間売買高値、及び日々の売買高値を、要求された証券毎に含む売買高クエリ回答テーブルが作成される。
【0161】
買い対売りの出来高情報に関しては、証券の出来高は主に、買いサイドの出来高、又はトレーダーが証券を買うことによって生じる出来高の場合、通常、肯定的な意識による。証券の出来高が主に売りサイドであることは、証券が過大評価されているとトレーダーが思っていることを示す。市場調査ユーザが、買い対売りの出来高情報を得るようシステムに指示すると、市場調査ツールは、上記仮想スペシャリスト・プログラムに関して説明した売買履歴トラッキング・テーブル2010及び価格履歴トラッキング・テーブル2020に対してクエリを実行する。クエリによって、要求された証券全ての一時的な売買出来高回答テーブルが作成される。売買出来高回答テーブルは、証券毎に、合計買い出来高値、合計売り出来高値、年間買い出来高値、年間売り出来高値、月間買い出来高値、月間売り出来高値、一日の買い出来高値、及び一日の売り出来高値を含む。
【0162】
ボリューム情報のタイミングに関し、証券の売買高は、証券の基礎をなしている事業主体に関して評価することができる。フィルム又は俳優に基づく特定の証券の場合、特定の証券の売買高は、プロジェクト(例えば映画又は俳優のキャリア)が属するデベロップメントの段階に関して評価することができる。例えば、直近で制作に入ったフィルムは、スタジオによってまだ公に販売されていない。関連した映画の株式の出来高が高いことは、映画に対する一般大衆の意識が高いこと、又は、映画に出演している俳優の組み合わせに対するトレーダーによる肯定的な反応を表し得る。同様に、映画スター債券市場では、高い売買高を有する非Aリスト俳優に対しては比較的高い意識がある。
【0163】
他の実施例では、特定の競争の競争者に基づく証券の場合、特定の証券の売買高は、特定の競争者の、認識された人気に関して評価することができる。例えば、現実に基づくTVシリーズ番組の特定の競争者に基づく派生商品の売買高が高いことは、特定の競争者に対するトレーダーによる反応が肯定的であることを表し得る。
【0164】
市場調査ユーザが、タイミング出来高情報を得る旨をシステムに指示すると、市場調査ツールは、売買履歴トラッキング・テーブル2010、及びデベロップメントの段階の開始時点及び終了時点を記録する関連デベロップメント段階履歴テーブル2024に対してクエリを実行する。クエリによって、要求される全証券の一時的なタイミングの出来高回答テーブルが作成される。タイミング出来高回答テーブルは、証券毎に、制作又はプロジェクトの段階毎にタイミング出来高値を含む。
【0165】
保有される総証券数量に関し、トレーダーが特定の証券を買い、一般に、平均期間より長い間、それを保有した場合、それは、証券の長期パフォーマンスに対する高いレベルの信頼を示す。例えば、トレーダーが、俳優のスター債券に投資し、これを保有する傾向がある場合、それは多分、トレーダーが、俳優にはこれから先、長いキャリアがあり、俳優が、たった1本又は2本のフィルムよりの多くのフィルムについて人気があることになると考えているからである。市場調査ユーザが、総保有数量情報を得る旨をシステムに指示すると、市場調査ツールは、トレーダー毎に要求された証券について保有される平均シェア数を算出する売買履歴トラッキング・テーブル2010に対してクエリを実行する。クエリによって、要求された全ての証券について、総一時保有数量テーブルが作成される。総保有数量回答テーブルは、証券毎に、購入した各証券を各トレーダーが保有した時点を、保有された数量とともに含む。
【0166】
投資集中に関し、特定の証券の株主毎の投資数量が多い場合、それは、特定の証券の基礎をなしている事業主体への信頼又は信義を示し得る。例えば、50,000人のトレーダーがそれぞれ、特定のスポーツ・チームに対応するシェアを平均100シェア保有し、10,000人のトレーダーが、第2のスポーツ・チームのシェアを平均500シェア保有する場合、第1のスポーツ・チームは第2のスポーツ・チームより広範囲にわたる訴求力を有する傾向にあるが、第2のスポーツ・チームはより忠誠なファンを有する傾向にある。同様な原理は、俳優に基づく派生商品に適用することができる。例えば、50,000人のトレーダーがそれぞれ、第1の俳優のスター債券を平均100保有し、10,000人のトレーダーが第2の俳優のスター債券を平均500保有する場合、第1の俳優は第2の俳優より広範囲にわたる訴求力を有する傾向にあるが、第2の俳優はより忠誠なファンを有する傾向にある。金融市場では、これは、集中として知られている。前述の証券の保有者は、下げ相場では、売る気がなく、上げ相場では、自らのポジションを増やす気がある。投資集中情報を取得する旨を市場調査ユーザがシステムに指示すると、市場調査ツールは、全てのトレーダーによって何れかの時点において保有される要求される証券全てのシェア毎の平均数量値を取り出す旨のクエリを売買履歴トラッキング・テーブル2010に対して実行する。クエリによって、要求される証券全ての一時的投資集中回答テーブルが作成される。全体投資集中回答テーブルは、要求された証券毎に各トレーダーが保有する平均数量を証券毎に含む。
【0167】
価格情報に関し、証券価格は、証券が関係する事業主体の成功の認識された機会に関係する。例えば、映画又は俳優に基づく派生商品の場合、証券価格は、証券が関係する映画又は俳優の認識された営業実績に関係し得る。映画に関連した株価は、認識されたボックスオフィス実績に関係し得る。映画の株式の価格が30ドルであり、ボックスオフィスでその映画が3000万ドル以上の総収入を上げるとトレーダーが思った場合、トレーダーはその映画の株式をきっと買うであろう。よって、本発明のシステムによって、成功するであろうと消費者が認識する競争者、チーム、グループ、事業主体、フィルム、俳優、フォノレコーディング、又は商品を調べることができる。価格情報を得る旨の指示を市場調査ユーザがシステムに出すと、トレーダーによって保有される要求される証券全てのシェア当たり価格を取り出す旨のクエリを、仮想スペシャリスト・プログラムに関して前述した価格履歴トラッキング・テーブル2020に対して実行する。クエリによって、要求される証券全ての一時的価格回答テーブルが作成される。価格回答テーブルは、要求される証券毎の価格を証券毎に含む。
【0168】
指し値注文情報に関し、本発明のシステムは、売買注文に応じる前に、証券が得なければならない価格を設定するトレーダーをトラッキングする。注文が失効する時点の前に指定価格に達しない場合、指し値注文には応じない。この機能によって、価格に対するトレーダーの感度が評価される。例えば、トレーダーが30ドル未満でしか映画株を買わない場合、それは、トレーダーが、証券が上向くことが限られることしか認識せず、よって、映画が、業界の大ヒットにならないであろうと思っていることを示し得る。別の例として、株価が30ドル未満である場合に、特定のチームに関連した株しかトレーダーが買わない場合、それは、そのチームがトーナメントにおいて成功する機会が小さいとトレーダーが認識していることを示し得る。指し値注文情報を得る旨の指示を市場調査ユーザがシステムに出すと、市場調査ツールは、トレーダー全てによって何れかの時点において保有された、指し値注文であった要求された証券全てのシェア毎価格値及び数量値を取り出す旨のクエリを売買履歴トラッキング・テーブル2010に対して行う。指し値注文回答テーブルは、要求された証券の、トレーダーに要求された全指し値注文のシェア毎価格値及び数量値を含む。
【0169】
空売り情報に関し、トレーダーは、証券の価値が下落するであろうと思った場合、証券を空売りすることができる。証券の空売り取引高の分析により、その証券に対する否定的な心理が存在しているかを評価することが可能である。空売り情報を得るよう市場調査ユーザがシステムに指示すると、市場調査ツールは、空売り取引高値を取り出す旨のクエリを売買履歴トラッキング・テーブル2010に対して行う。クエリによって、要求される証券全ての空売り回答テーブルが作成される。空売り回答テーブルは、トレーダー全てによる空売り売買注文を、要求される証券毎に含む。
【0170】
インデックス実績情報に関し、市場情報をインデックスに集約することによって、市場全体についての洞察を得ることができる。例えば、映画スタジオ証券インデックスは、経時的に、上位10位までの価格のスタジオ映画株の和を算出することによって、映画スタジオ証券インデックスを生成することができる。別の例として、大学バスケットボール・コンファレンス・インデックスは、経時的に、上位10位までの価格のコンファレンス株式の和を算出することによって生成することができる。前述のインデックスの実績は、スタジオの配給の潜在的強さ、スタジオの、近く公開の映画の潜在的なボックスオフィス・ポテンシャル、又は、特定のコンファレンスの潜在的な強さ又は人気を測定することができる。インデックス実績情報を得る旨の指示を市場調査ユーザがシステムに出すと、市場調査ツールは、要求されるインデックス全てにおける証券の価格変動値を取り出す旨のクエリを価格履歴トラッキング・テーブル2020に対して行う。クエリによって、要求される証券全ての一時的インデックス実績回答テーブルが作成される。インデックス実績回答テーブルは、要求されるインデックス毎に経時的価格変動値を含む。
【0171】
工程1708(図17)では、市場調査ユーザは、画面上の選択リスト又はチェック・リストによって工程1706において選択される証券について、表示又はダウンロードするために何れかの数の上記情報カテゴリを選ぶことができる。
【0172】
前述の情報カテゴリが選ばれた後、市場調査ユーザは次いで、調査を実行するために画面上のOkボタンを選択することができる。システムは次いで、ユーザによって行われる全ての選択によってSQLクエリ・コールの選択を編集し、実行する(工程1710)。クエリ結果は、編集され、表示に準備される(工程1712)。
【0173】
結果が編集されると、予めプログラムされたグラフ、傾向線及びテキストのテンプレートを用いて、前述の選ばれた証券及び情報カテゴリ全てのクエリ結果をGUIクライアント・ディスプレイに表示する(工程1714)。
【0174】
表示後、選択ボタンによって、表示結果及びその基礎をなすクエリ・データをダウンロードするための選択肢が選択ボタンによって与えられる(工程1716)。これが選択された場合、市場調査ユーザは、種々のダウンロード・フォーマット(ASCII、xbase、dbf、HTML、tif、gif、bmp等など)から選ぶことが可能である(工程1718)。市場調査ユーザは、局所クライアント上のダウンロード場所を選ぶことが可能である(工程1720)。システムは、次いで、選ばれたフォーマットへのデータの編集に進む(工程1722)。データは、次いで、種々のプロトコル(zmodem、xmodem、ftpなど)の何れか1つ、又は、OS業界基準プロトコルの何れか1つを用いて転送される(工程1724)。ウェブ・クライアントサーバ環境では、TCP/IPソケットが用いられる。
【0175】
転送後、市場調査ユーザは、別のクエリを行いたいか否かを求めてプロンプトされる(工程1726)。別のクエリを行いたい場合、実行は、別の調査の反復のために工程1704に戻される。さもなければ、工程1702で、ログイン時間からトラッキングされる時間及び/又は取引のチャージが編集され、クライアント12上に表示される(工程1728)。前述のチャージは、次の請求サイクルのために請求データベースに格納される(工程1730)。ユーザは次いで、ログアウトされる(工程1732)。
【0176】
本発明を詳細に説明したが、特許請求の範囲記載の本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更、置換及び改変を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の例示的なハードウェア環境のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の概括的なロジックを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施例の価格設定/トレーディングのプログラムのロジックを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例の市場価格生成のロジックを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施例の仮想スペシャリスト・プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図6】本発明の第1の実施例のトレーディング停止プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図7】本発明の第2の実施例の例示的な管理モジュール画面を示す図である。
【図8A】新しいユーザの登録画面を備えた、本発明の第2の実施例の例示的なインタフェースを示す図である。
【図8B】新しいユーザに対するウェルカム画面を表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図9】システム・ホームページを表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図10】ユーザ・ポートフォリオ・ページを表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図11】売買確認画面を表示した、図8Aのインタフェース画面を示す図である。
【図12a】システムの第2の実施例の当初証券価格設定プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図12b】本発明の一実施例による、競争に基づいたトレーディング・システムを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施例の証券売買フルフィルメント及び証券価格設定プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図14】本発明の第2の実施例の売買抑制プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図15】本発明の第2の実施例の売買停止プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図16】本発明の第2の実施例のゴースト・トレーディング・プログラムのロジックを示す流れ図である。
【図17】本発明の第2の実施例の市場調査ツールのロジックを示す流れ図である。
【図18】システムの定数及び変数の調節に用いる管理モジュールを示す図である。
【符号の説明】
【0178】
10 インターネット
12 クライアント・コンピュータ
14 サーバ・コンピュータ
16 CPU
18 コンピュータ・プログラム
20 データ記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の派生金融商品をトレーディングするシステムであって、
競争における競争者を表す派生金融商品を買う旨の第1の注文を受け取り、
前記派生金融商品を売る旨の第2の注文を受け取り、
前記第1の注文及び前記第2の注文に少なくとも部分的に基づいて市場価格を決定し、
前記決定された市場価格で売買を実行するよう動作可能なプロセッサと、
前記第1の注文及び/又は前記第2の注文を格納するよう動作可能なメモリとを備えるシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
前記派生金融商品が当初価格と関連しており、
前記当初価格が、前記競争者に関連した少なくとも1つのランキング及び/又は実績に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサが、前記派生金融商品に関連した市場価格を調整するよう更に動作可能であり、前記調整が、前記競争の少なくとも1つの段階に関連した結果に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムであって、前記調整が前記競争の各段階後に行われるシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサは、
前記競争者が前記競争から脱落したと判定し、
前記派生金融商品に関連した市場価格を調整するよう更に動作可能であり、
前記調整が、前記競争者が脱落したという前記判定に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムであって、
前記競争者が、前記競争の特定の段階において脱落しており、
前記調整が、前記競争の前記特定の段階に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムであって、前記プロセッサは、
第1のトレーダーに関連した派生金融商品のポートフォリオを、第2のトレーダーに関連した派生金融商品ポートフォリオと比較し、
勝利トレーダーを判定するよう更に動作可能であり、
該判定が、前記比較に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争がスポーツ・トーナメントを表し、
前記競争者は、前記スポーツ・トーナメントにおけるスポーツ選手及び/又はチームを表すシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争は、現実に基づくテレビ番組を表し、
前記競争者は、前記現実に基づくテレビ番組の参加者を表すシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争が受賞イベントを表し、
前記競争者が、賞の少なくとも一の候補者を表すシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争が政治イベントを表し、
前記競争者は、前記政治イベントに関連した少なくとも一の政治家を表すシステム。
【請求項12】
請求項1のシステムであって、
前記競争は調査を表し、
前記競争者は、前記調査に関連した少なくとも一の公人を表すシステム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の注文は第1のトレーダーから受け取られており、前記第1のトレーダーは第1の電子通貨アカウントと関連しており、
前記第2の注文は第2のトレーダーから受け取られており、前記第2のトレーダーは第2の電子通貨アカウントと関連しており、
前記プロセッサは、
前記実行された売買によって前記第1の電子通貨アカウントから控除し、
前記実行された売買の収入を前記第2の電子通貨アカウントに計上するよう更に動作可能なシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサは、
前記派生金融商品に関連した償還価値を決定し、
前記派生金融商品に関連した償還価値を調整するよう更に動作可能であり、
前記調整は、前記競争の少なくとも1つの段階に関連した結果に少なくとも部分的に基づくよう更に動作可能なシステム。
【請求項15】
請求項14記載のシステムであって、前記償還価値は、前記派生金融商品のシェアを取引所が償還する最大価値を表すシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の注文は第1のトレーダーから受け取られており、
前記派生金融商品は第1の派生金融商品を表しており、
前記第1のトレーダーには、1つ又は複数の派生金融商品の複数シェアを備えたポートフォリオが関連しており、
前記第1の派生金融商品のシェアの構成可能な閾値を超えるシェアを前記ポートフォリオが有することをもたらす場合、前記プロセッサは前記第1の注文を拒否するよう更に動作可能であるシステム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の命令は、第1のトレーダーから受け取られており、
前記プロセッサは、
商品の購入に関係したパスコードを前記第1のトレーダーから受け取り、
前記パスコードが無効な場合、システムへの第1のトレーダーのアクセスを拒否するよう更に動作可能であるシステム。
【請求項1】
複数の派生金融商品をトレーディングするシステムであって、
競争における競争者を表す派生金融商品を買う旨の第1の注文を受け取り、
前記派生金融商品を売る旨の第2の注文を受け取り、
前記第1の注文及び前記第2の注文に少なくとも部分的に基づいて市場価格を決定し、
前記決定された市場価格で売買を実行するよう動作可能なプロセッサと、
前記第1の注文及び/又は前記第2の注文を格納するよう動作可能なメモリとを備えるシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
前記派生金融商品が当初価格と関連しており、
前記当初価格が、前記競争者に関連した少なくとも1つのランキング及び/又は実績に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサが、前記派生金融商品に関連した市場価格を調整するよう更に動作可能であり、前記調整が、前記競争の少なくとも1つの段階に関連した結果に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムであって、前記調整が前記競争の各段階後に行われるシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサは、
前記競争者が前記競争から脱落したと判定し、
前記派生金融商品に関連した市場価格を調整するよう更に動作可能であり、
前記調整が、前記競争者が脱落したという前記判定に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムであって、
前記競争者が、前記競争の特定の段階において脱落しており、
前記調整が、前記競争の前記特定の段階に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムであって、前記プロセッサは、
第1のトレーダーに関連した派生金融商品のポートフォリオを、第2のトレーダーに関連した派生金融商品ポートフォリオと比較し、
勝利トレーダーを判定するよう更に動作可能であり、
該判定が、前記比較に少なくとも部分的に基づくシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争がスポーツ・トーナメントを表し、
前記競争者は、前記スポーツ・トーナメントにおけるスポーツ選手及び/又はチームを表すシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争は、現実に基づくテレビ番組を表し、
前記競争者は、前記現実に基づくテレビ番組の参加者を表すシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争が受賞イベントを表し、
前記競争者が、賞の少なくとも一の候補者を表すシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムであって、
前記競争が政治イベントを表し、
前記競争者は、前記政治イベントに関連した少なくとも一の政治家を表すシステム。
【請求項12】
請求項1のシステムであって、
前記競争は調査を表し、
前記競争者は、前記調査に関連した少なくとも一の公人を表すシステム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の注文は第1のトレーダーから受け取られており、前記第1のトレーダーは第1の電子通貨アカウントと関連しており、
前記第2の注文は第2のトレーダーから受け取られており、前記第2のトレーダーは第2の電子通貨アカウントと関連しており、
前記プロセッサは、
前記実行された売買によって前記第1の電子通貨アカウントから控除し、
前記実行された売買の収入を前記第2の電子通貨アカウントに計上するよう更に動作可能なシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムであって、前記プロセッサは、
前記派生金融商品に関連した償還価値を決定し、
前記派生金融商品に関連した償還価値を調整するよう更に動作可能であり、
前記調整は、前記競争の少なくとも1つの段階に関連した結果に少なくとも部分的に基づくよう更に動作可能なシステム。
【請求項15】
請求項14記載のシステムであって、前記償還価値は、前記派生金融商品のシェアを取引所が償還する最大価値を表すシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の注文は第1のトレーダーから受け取られており、
前記派生金融商品は第1の派生金融商品を表しており、
前記第1のトレーダーには、1つ又は複数の派生金融商品の複数シェアを備えたポートフォリオが関連しており、
前記第1の派生金融商品のシェアの構成可能な閾値を超えるシェアを前記ポートフォリオが有することをもたらす場合、前記プロセッサは前記第1の注文を拒否するよう更に動作可能であるシステム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の命令は、第1のトレーダーから受け取られており、
前記プロセッサは、
商品の購入に関係したパスコードを前記第1のトレーダーから受け取り、
前記パスコードが無効な場合、システムへの第1のトレーダーのアクセスを拒否するよう更に動作可能であるシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−287160(P2007−287160A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−109477(P2007−109477)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109477(P2007−109477)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)
[ Back to top ]