ドライマニキュアアップリケとその製造方法
ネイルアップリケの製造方法およびシステムを適用する。高粘度液状ネイルエナメルを準備して、少なくとも100°Fに加熱する。接着部材層を基板に形成して、少なくとも加熱された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材層上に形成する。オプションとしてグリッタあるいはマイカなどの粒状物質をもち、オプションとして層のうちの一以上が透明コート層である、多層のネイルエナメルを使用することもできる。層堆積ステーション間にヒータを使用して、次の層を形成する前に、先の層を少なくとも部分的に乾燥させる。さらに、異なる色および/または粘度の、多数の液状ネイルエナメル調合物を受動的に混合して、縞状のあるいは渦巻状の興味深い模様を形成することもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2004年5月12日出願のU.S.特許仮出願番号60/570,713の国内優先権を請求しており、その主題をここに参照として組み込む。
【0002】
本発明は、大まかに言ってマニキュアに関している。より具体的には、発明は、液体状のマニキュアにマニキュアあるいは刷毛跡を残さずに、爪に塗ることのできるマニキュアのフィルムコーティングを即座に乾かすことに関している。
【背景技術】
【0003】
何百年もの間、人々はマニキュアを使用して自分の爪を色づけたり飾ったりしてきた。通常、マニキュアは液体状のままブラシを使用して塗られ、その後乾燥させなければならない。乾燥工程は時間がかかり、その間マニキュアを塗られた人には、マニキュアを汚したり台無しにしないために非常な注意が強いられる。
【0004】
市販のマニキュアはその大半が1/4秒および1/2秒のニトロセルロースを使用している(ブルックフィールド粘度計により60rpmで計測したとき、約300−800センチポアズ)。「秒」を使用しているのは、金属玉が任意の大きさのその素材のドラムの底面に沈むのにかかる時間を示しており、その時間が長いほど、ニトロセルロースの粘度も高いことになる。その後、少量の(つまり、1−5w/w%)より高い粘度を持つニトロセルロースを使用して(つまり、40−60秒および60−80秒である)、粘度調整が行われる。このような高粘度のニトロセルロースは1−5%を超えて用いられることは決してなかった、というのも結果物であるマニキュアがブラシで塗るには濃くなりすぎるからである。典型的なマニキュア(ネイルエナメルとも呼ばれる)の組成は、約25−32%の固形物と68−73%の溶剤である。固形物中、重量/重量パーセントにおいては、6−12%がニトロセルロースであり(1/4秒あるいは1/2秒)、約6−12%が樹脂、6−10%が可塑剤である。残りの内容物は通常以下のようである:
8−15%:マイカと着色顔料
20−30%:エチルアセテート
20−30%:n−ブチルアセテート
5−10%:イソプロピルアルコール
3−7%:その他
溶剤含有量が高いことにより、市販の液状マニキュアは可燃性であり、特別な配送方法・取り扱いの指定のない限りは陸上あるいは水上輸送しなければならない。
【0005】
より近年になると、この分野で、人の爪に塗る用途で、ドライあるいは略ドライなフィルムコーティングの開発が行われるようになっている。この類のアップリケを記載している二つの特許が、Soの米国特許番号4,903,840、およびHoffmanらの5,415,903である。
【0006】
Soの特許は、目下の譲受人に譲渡されているが、この性質をもつ自動接着性のマニキュアコーティングの基本的な作成方法を教示している。Soの特許では、マニキュアコーティングは、接着裏のついたシートが通過できるよう、注ぎ孔とスロットあるいは経路を持つ型を使用して作成される。接着裏のついた紙を型からゆっくり引き出しながら、通常の液状ネイルエナメルを注ぐ。このようにして、均一にコーティングがされて、接着裏のついたマニキュアコーティングのシートが作成される。シートはその後所定の時間、所定の温度で、シートのマニキュアコーティングが半固体であるが完全には乾燥状態でないところまで乾燥させられる。その一片は、その後五つの爪のコーティングのセットに切断されることが好ましい。そのシートはさらに、リボンまたは開封帯を施され、接着裏のついた用紙からの取り外しを容易にすることで、ネイルコーティングを指の爪に個々に貼付する助けとすることが望ましい。コーティングのセットは、部分的に乾燥された後、使用されるまでの間、略気密封止された状態に包装される。
【0007】
Hoffmanの特許も類似したドライネイルコーティングを教示しており、少なくとも一つの可塑剤(これもまた、通常のネイルエナメルである)と、それの上に位置する感圧粘着層と、この感圧粘着層を被覆して除去可能な、好ましくはシリコーン処理されたキャリアフィルムあるいは支持ホイルとを含む塗膜形成ポリマー層からなっている。塗膜形成ポリマー層は、さらに他の側も(つまり、上部)ラミネートの他の成分、およびラミネート準備に使用される材料に対して抵抗性のある、完全に除去可能な保護層で被覆されている。Hoffmanの特許がSoの特許の教示に加えるものは、エナメル層の上部に施される完全に除去可能な保護層の追加以外、あまりないので、当技術分野ではいずれにしても通常のもののように思われる。
【0008】
ネイルコーティングラミネートの製造工程の速度を上げることが望ましいと思われる。さらには、多数の色をもち、模様のある、メタリック仕上げなどの(これらはネイルコーティングラミネートでは今までは達成されていなかった)、ネイルコーティングラミネートあるいはアップリケの作成方法を提供することが望ましいと思われる。
【発明の開示】
【0009】
先行技術における上述およびその他の問題が、改善された自動接着性ネイルアップリケあるいはラミネート、その製造方法、および前記発明の方法で使用される発明の液状ネイルエナメルである本発明により解決される。本発明の方法では、発明の高粘度液状ネイルエナメルの様々な調合物を100°Fより高い温度(好適には100と150°Fの間まで)に加熱する。少なくとも二部材層がリリースライナーペーパあるいはプラスチックフィルムの基板上に堆積される。実施形態の全てが、接着コーティングをこの基板上に形成すること、および発明の、加熱された液状ネイルエナメルをこの接着層上に塗布することを少なくとも含んでいる。
【0010】
オプションとして、発明の高粘度液状ネイルエナメルによる第二コーティングを形成することもできる。加えてあるいは代わりに、グリッタあるいはマイカあるいは同様に望ましい粒状物質を、透明あるいは透光性コーティングと混合してもよい(発明におけるネイルエナメルに類似しているが、着色顔料を殆どあるいは全く用いない)。この時点で、ホログラフィー画像などの印刷工程を加えてもよい。最後に、また別のオプションとしてあるいは上述の工程のうちのいずれかに加えて、透明なあるいは透光性のトップコートを最終層として形成することもできる。
【0011】
発明における高粘度液状ネイルエナメルはいくつかの方法のうちの一つにより、高粘度を獲得する。ある調合物においては、1/4あるいは1/2秒のニトロセルロースが、従前のマニキュアよりもかなり多い重量%で使用されるが、より詳しくは、従前のマニキュアは、25−32重量%の固形物を持つことがあるが、発明によるネイルエナメルは35−60重量%の固形物を含む。他の調合物においては、60−80秒のニトロセルロースが従前のマニキュアと比べて格段に多い割合で使用される。つまり、従前のマニキュアは、マニキュアの粘度の微調整のためだけに60−80秒のニトロセルロースを約1−5重量%で使用することがある。しかし、本発明は60−80秒のニトロセルロースを支配的なあるいは主たる固形物として、6−25%まで多量に使用することがある。より多くの固形物あるいは粘度がより高いエナメルを使用すると、最終製品にはより多くの耐久性と柔軟性が出る。さらに発明の方法の結果として、エナメルの調合における固形物の使用割合を多くすると、溶剤の使用割合が低くなる。溶剤含有量の割合を低くすると幾つかの利点がある。処理の観点からは、乾燥・蒸発(つまり、最終製品を作成すること)に要する時間が、目下入手可能な液状調合物に比べて約30−40%短くなる。第二に、乾燥処理において排出される溶剤が少ないので、本発明のドライマニキュアフィルムは環境面で優れる。
【0012】
より具体的には、発明は、上述の高粘度(室温で1500センチポアズより高い)液状ネイルエナメルを準備する工程と、前記高粘度液状ネイルエナメルを少なくとも100°Fに加熱する工程と、接着部材層を基板に形成する工程と、前記加熱された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材層上に形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法を含む。第二高粘度液状ネイルエナメル層を前記第一高粘度液状エナメル層上に形成してもよい。前記第二層は略透明(つまり、色あるいは顔料をほぼ使用していない)であってもよく、および/または、前記第二層内に形成される前にグリッタあるいはマイカなどの粒状物質が添加されていてもよい。画像あるいはデザインを、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により、前記第一あるいは前記第二高粘度ネイルエナメル層上に追加することもできる。
【0013】
ネイルエナメル層は、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つにより、好適には次の層が堆積あるいは形成される前に、少なくとも部分的に乾燥させられることが好ましい。最後に、最終層が形成された後、製品は略爪の形の断片に切断され、包装される。
【0014】
上述の発明の方法に加えて、あるいはその代わりに、前記準備する工程は、少なくとも二つの高粘度液状ネイルエナメル調合物を準備して、前記アップリケの製造中に前記二つ以上の調合物を受動的に混合させる工程を含んでもよい。前記二つ以上の調合物は異なる粘度を持ってもよく、あるいは異なる色を持ってもよい。オプションとして、一以上の前記調合物は従前の液状ネイルエナメル粘度でもよい。前記受動的に混合させる工程は、前記調合物の各々を、別個の入力ホースを介して共通の受入タンクに汲み入れる工程を含むこともできる。前記汲み入れる工程は、全ての入力ホースについて共通のポンプを使用することも、前記入力ホース各々について別個のポンプを使用することもできる。前記調合物の各々の流量は、例えば、各調合物に対して異なる直径の入力ホースを提供することにより、あるいは前記入力ホース各々について別個のポンプを提供して各ポンプの流量を個別に制御することにより、制御されてもよい。
【0015】
上述の方法に加えて、発明はさらに、ネイルアップリケ製造システムを含む。発明のシステムは、基板シートを搬送する少なくとも一つの手段(好適には、システムの始まりの解き放ちローラと、システムの終わりの巻き上げローラ)を含む。第一ステーションが前記基板シートの上方の第一位置に配置されており、接着剤を前記基板シートに層状に塗布する。加熱機器を使用して、高粘度液状ネイルエナメルを加熱する。第二ステーションが前記基板シートの上方の、前記第一位置の下流の第二位置に配置されており、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記基板シートの前記接着層上に、層状に塗布する。実施形態によっては、前記基板シートの上方の、記第二位置の下流の第三位置に配置され、同じまたは異なる加熱機器と連通している第三ステーションが配置されることもある。第三ステーションは、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを、前記基板シートの、前のネイルエナメル層上に、層状に塗布する。ヒータは基板と熱連通するよう配置され、前記ヒータの少なくとも一つは前記第一位置より下流であって前記第二位置の上流に配置されており、前記ヒータの少なくとも他の一つは前記第二位置の下流に配置されていることが好ましい。前記ヒータは、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つ、あるいは両方であってもよい。最終材料適用ステーションの下流には、ダイス切断機が配置されており、前記基板およびその様々な層を略爪の形のアップリケに切断する。前記ステーションの各々はスロットダイを含むことが好ましいが、それに加えてあるいはその代わりに、グラビア印刷機器を含むこともできる。
【0016】
発明のシステムの一実施形態においては、前記第二ステーションと前記第三ステーションは各々、加熱された高粘度液状エナメルの異なる調合物を受け取る。第一ポンプは前記第二ステーションと連通しており、液状エナメルの一つの調合物を前記第二ステーションへ汲み出してもよく、第二ポンプは前記第三ステーションと連通しており、液状エナメルの第二の調合物を前記第三ステーションへ汲み出してもよい。受入容器は、前記加熱手段と、加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記加熱手段から受け取る前記第二ステーションとの間に介在させられることが好ましい。前記受入容器は複数の入力ホースを含み、前記入力ホースの各々は異なる液状ネイルエナメルの調合物を受け取り、前記受入容器に配給することができるようにすることもできる。オプションとして、一以上の前記調合物は従前の液状ネイルエナメル粘度でもよい。さらなるオプションの特徴としては、前記第二ステーションの下流にあり、前記エナメル層に対して、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により、画像あるいはデザインを印刷するよう適合している印刷ステーションが設けられていてもよい。前記印刷ステーション(あるいは他の第三ステーションあるいは最初の第二ステーション)の下流に設けられ、透明な高粘度液状ネイルエナメル層を形成する最終ステーションが設けられていてもよい。
【0017】
本発明はさらに、取り外し可能な基板と、前記取り外し可能な基板上に配置される感圧接着層と、前記感圧接着層に対して、高粘度液状ネイルエナメルを使用して形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層とを含む、自動接着性ネイルアップリケを含む。前記ネイルエナメル層は、固形物含有量が少なくとも35重量%である液状ネイルエナメルから、あるいは60−80秒のニトロセルロースを主たる固形物として有す(好適には6重量%以上)液状ネイルエナメルから形成される。発明のアップリケは高粘度液状ネイルエナメルから形成される、前記第一層とは高粘度液状ネイルエナメル調合物が異なることがある、第二ネイルエナメル層を含むことができる。製造中、いずれかのネイルエナメル層に対して粒状物質が添加されてもよい。前記オプショナルの第二ネイルエナメル層は、略透明な高粘度液状ネイルエナメル調合物から形成されてもよい。画像層が、前記少なくとも一つのネイルエナメル層上に配置されてもよく、この画像層は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】発明の方法で使用されるスロットコーティングダイの底部投影図である。
【0019】
【図2】図1のスロットコーティングダイの正面底部投影図である。
【0020】
【図3】組立られていない、シムと図1のスロットコーティングダイの半分の正面図である。
【0021】
【図4】図3のシムとダイの半分が組み立てられた正面図である。
【0022】
【図5】発明の方法で使用されるコーティング装置の正面投影図である。
【0023】
【図6】図5のコーティング装置の裏面投影図である。
【0024】
【図7】発明による2層ネイル製品の断面概略図である。
【0025】
【図8】発明による3層ネイル製品の断面概略図である。
【0026】
【図9】発明による4層ネイル製品の断面概略図である。
【0027】
【図10】発明による別の4層ネイル製品の断面概略図である。
【0028】
【図11】発明の方法のフローチャートである。
【0029】
【図12】発明による、切断された最終ネイルアップリケ製品の正面図である。
【0030】
【図13】発明による、別の切断された最終ネイルアップリケ製品の正面図である。
【0031】
【図14】両端が同じ形のアップリケを持つ発明による、また別の切断された最終ネイルアップリケ製品の正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
大まかに言って、本発明は、丈夫で、長持ちする、美しいドライネイルエナメルのアップリケの作成法、およびアップリケ自身を含む。ここで使用される、「アップリケ」という用語は、爪に着けることのできる最終製品のことを意味し、一方「フィルム」は幅広い切断されていない製品のことを意味する。発明の方法においては、通常基板と呼ばれる市販の4−5mil(約100−130mic)のシリコンコーティングされたリリースライナーペーパあるいはアルミニウムラミネートプラスチックフィルム上に、2−5層の様々な調合物を下記の通りコーティング法により塗布する。前記基板は、印刷技術ではよく知られた、工程の始まりには解き放ちローラでロールあるいは類似の構造から広げられ、工程の終わりには巻き上げローラにより取り上げられるものが好ましい。基板を前進・搬送する任意のほかの通常の手段も本発明の一部として考慮されている。様々な最終製品を達成するために多数のコーティングステップが使用されるが、その全てが従来のセミ・ドライのマニキュアコーティングよりも長持ちし、光沢に優れ、その上、効果、製造効率が高い。
【0033】
基本的な工程では、新規な液状マニキュアの調合物を、好ましくは100と150°Fの間に加熱することが含まれる。これは、発熱体をもつ熱ドラム、浸漬ヒーター、可撓性のラップアラウンドヒータ、スチールバンドドラムヒータ、あるいは液体を加熱する任意の知られた手段あるいは後に発明される手段で達成することができる。約5−24g/m2の量の接着コーティング(層1)をリリースペーパに塗布する。次に、液状マニキュアを約0.5−3.5milの厚みのコーティング(層2)として塗布する。オプションとして、このステップを繰り返してもよい、つまり、約0.5−3milの液状ネイルエナメルの別のコーティング(層3)を塗布してもよい。グリターあるいはマイカ、あるいは類似の望ましい微粒子を、透明あるいは透光性の膜と混合して、次にコーティング(層4、これもまた0.5−3mil)として塗布してもよい。最後に、透明なトップコートあるいは透光性のカラーコーティング(層5、0.5−3mil)を塗布する。
【0034】
発明のネイルエナメルの説明をする。発明のネイルエナメルは、従前のマニキュアと比べて、ずっと高い固形含有量(35%あるいはそれ以上)および/または、より高粘度のニトロセルロース(60−80秒あるいはそれ以上)を含む。従前のマニキュアではこの特性を使用することはできない、というのも結果物であるマニキュアが濃くなりすぎて(つまり、粘度が高くなりすぎるということ)、ブラシで塗布できなくなるからである。しかしながら大量生産の観点からは、調合物において揮発性溶剤が少ないほど、製造能力は増す。さらには、より粘度の高いニトロセルロース(60−80秒)を使用すると、薄くなるが、丈夫で光沢に優れたフィルムを製造することができる。多層のフィルムは製造において卓越した柔軟性を提供するので、様々な異なる製品を提供することができる。
【0035】
以下に、セミドライあるいはドライな(以後、セミ・ドライ)マニキュアフィルムの加工、製品に使用される高粘度の液状原料マニキュアの基本成分の三例を挙げる。
【0036】
例1
【0037】
本発明の非金属ドライマニキュアフィルムは35−60%の固形物を使用しており、そのうち、25−35%(w/w)が1/4および1/2秒のニトロセルロースである。それにひきかえ、従来の、ビン入りの液状マニキュアは、せいぜい13−17%のニトロセルロースを含んでいる。従って本発明は固形含有量が二倍になっている。伝統的な液状ネイルエナメルに使用されている約70%の溶剤に反して、本発明は約40−50%の溶剤を含む。この溶剤の含有量の低さによって幾つかの利点がある。加工面からは、乾燥/蒸発の所要時間(つまり、最終製品を製造する所要時間)が、現在入手可能な液状調合物よりも約30−40%短くなる。第二に、本発明のドライマニキュアフィルムは酸化物溶剤に関して環境、エネルギー節約の観点から優れている。このマニキュア調合物は濃すぎるためブラシでは塗布できないが、本発明では、調合物は約100−150°Fに加熱されるので、粘度が減り、素材をノズルから注ぎ出すことができるようになる。第一に、非金属調合物は以下の通りである:
25―35%:1/4あるいは1/2秒のニトロセルロース
8―12%:ポリマー、コポリマー樹脂(一又は複数)(例えば、アクリル、ポリエステル、あるいはポリウレタンなど)
8−17%:可塑剤
7−12%:着色顔料
18−25%:エチルアセテート
18−25%:ブチルアセテート
(全固形物の量は35−60%)
この調合物は、室温で約1500−4000センチポアズ(60rpm)である。
【0038】
例2
【0039】
上述のように、高粘度のニトロセルロース(60−80秒)が従前は1−5%未満の量の割合で、単にエナメルの粘度を調節する目的から使用されており、5%未満ビン入りクロムマニキュアのために使用されている。このような調合物の製造者の一例は、Socciらの米国特許番号6,565,835に記載されているように、ニュージャージー州のKirker Enterprisesである。一方、発明の金属あるいは非金属調合物は、6%より多く25%までの量の高粘度のニトロセルロース(60−80秒)を含む。このような極めて粘着性のあるニトロセルロースをこのように高パーセンテージ使用することで、より薄く、より光沢に優れた、強度と柔軟性の増したフィルムが可能となる。この調合物は以下のようである:
6−25%:60−80秒のニトロセルロース
8−12%:ポリマー、コポリマー樹脂(一又は複数)
5−10%:着色顔料
4−15%:可塑剤
1−2%:その他固形物
残り:溶媒(一又は複数)(例えば、エチルおよびブチルアセテート、イソプロピルアルコール)
この調合物は、室温で約1500−4000センチポアズ(60rpm)である。
【0040】
例3
【0041】
第三の調合物は、上述した最初の二つのうち「両方のベストなもの」が組み合わせられている。具体的には、この調合物の組成は、高粘度のニトロセルロース(60−80秒)と、1/4または1/2秒のニトロセルロースとを40%−60%の組み合わせ(お互いに対して)で含んでいる。この調合物によれば、媒体強度、柔軟性、および光沢を備えた、より薄いフィルムが達成される。
8−17%:1/4または1/2秒のニトロセルロース
6−15%:60−80秒のニトロセルロース
8−12%:ポリマー、コポリマー樹脂(一又は複数)
5−10%:着色顔料
4−15%:可塑剤
1−2%:その他固形物
残り:溶媒(一又は複数)(例えば、エチルおよびブチルアセテート、イソプロピルアルコール)
この調合物もまた、室温で約1500−4000センチポアズ(60rpm)である。
【0042】
上述の三つの例全てにおいて、従来の液状マニキュアに比したときの、新たな発明のセミ・ドライネイルエナメルの調合物の差異と利点は多数ある。それらは、従来のマニキュアあるいは従来のセミ・ドライネイルエナメルアップリケよりも、爪の上で丈夫で、ずっと長持ちするフィルムを形成する。このフィルムはまた、先に製作されているものよりも光沢に優れる。発明のフィルムアップリケは従来のサロンでやってもらうマニキュアあるいは従前のアップリケよりも薄いので、爪の空気透過性が増す。このフィルムはまた、柔軟であり、従前のものに比べて簡単に伸び、爪をより全体的に完全に覆うことができ、溶剤残留がより少ない(5%未満)。機械類の設備一新を図ることなく、多くの異なる種類のフィルムを製造することができる。最後に、固形物のパーセンテージがずっと多いので、より多くのフィルムを、より速く、より安価に製作することができる。
【0043】
ドライネイルエナメルフィルム製造についての従前のコーティング工程においては、ニトロセルロースベースは、コーティングダイの非常に小さい孔を流れるよう、十分に低い粘度を持たねばならない(つまり、スロット内に300ミクロン未満のスロットおよび穴)。粘度が1000センチポアズを超えるマニキュアの調合物(ニトロセルロースベースの)は、一般に流れにくく、ダイに詰まりやすいため(特に、グリッタあるいは大きな粒子のマイカを含むものに当てはまる)、60―80秒のニトロセルロースなどは、典型的に、少量を除いては(例えば、上述の最終製品の粘度を調節する目的から、最大5%、典型的には1−3%)マニキュア製造においては使用されない。本発明においては、調合物を100−150°Fの間(好ましくは約125°F)まで加熱することで、より高い粘度のニトロセルロースを汲み出し使用することができる。同様に、1/4あるいは1/2秒のニトロセルロース含有量が組成の約35重量%よりも多い場合、調合物は約100−150°F(好ましくは約125°F)に加熱せねばならない。
【0044】
以下、添付の図1−14を参照して説明を行う。図面は単にその性質上例示的であり、下の請求項が定める、発明の範囲を制限するものでは全くない。
【0045】
製品の様々なコーティングは、ここで「スロットカーテンダイコーティング」と称される技術により塗布される。懸案のダイがダイ10として様々な組立状態で図1−4に示されている。図1に一番よく示されているように、ダイ10は前面ダイ部20と、裏面ダイ部40と、その間に配置された特殊な形のシム60とを含む。三つの部材全てがしっかり取り付けられる(好適には、例えば図2のボルト24などによるボルト締めにより)。前面ダイ部20は、内部ボア25に液状マニキュアあるいは製品のその他の任意の成分を供給するインレット22を含む。
【0046】
図3および4はダイ10の内部を示している。これら両図面において、裏面ダイ部40は明確化のため除去されている。前面ダイ部20の内部ボア25は、内面30のアウトレット穴26で終わり、流路28に存在している。流路28の目的は、液状マニキュアが流れ出た後に基板上にエナメルが均一にムラなく塗布されるように、液状マニキュアをアウトレット穴26から流すことにある。こういう訳であるから、各流路28は、上部の略水平な分岐28Aを含み、それが略垂直な分岐28Bへ、そして下部の略水平な分岐28Cへと供給を行う。図1−4ではダイ10が上下逆さまに描かれていることに注意されたい、故に、流体の存在するアウトレット穴26は水平分岐28Aを通り、下方の垂直分岐28Bへと浸出して、その後、水平分岐28Cへと浸出する。液状エナメルは分岐28Cから基板へと浸出する。
【0047】
シム60がないと、前面・裏面ダイ部20および40の二つの内面はぴっちり当接して、エナメルが水平分岐28Cから浸出する余地がなくなる。しかし、図3および4に示すように、シム60は切り欠き部64の間に垂直な突起62を含む。シム60が前面ダイ部20にボルト24により取り付けられていると(図4参照)、下方水平分岐28Cの大部分を除いて流路28の全体を保護、被覆する。このようにして、分岐28Aあるいは28Bに流れ込んだエナメルはこれら分岐からは浸出せず、代わりに前進(下方へ)して、結果として分岐28Cへ辿り着く。分岐28Cは覆われていないので、エナメルは単にそこから溢れ出し、スロット70から出て(図1参照)、シート状あるいはカーテン状の構成の基板上に溢れ出る。
【0048】
より具体的には、図5および6が一番よく示すように、基板100は機械類にローラ110により供給される。液状エナメル源112がインレット22に取り付けられ、加熱、加圧された液状エナメルがダイ10へ押し込められる。基板100がダイ10の下を通過する際、液状エナメルあるいは他の部材がコーティングされ、スロット70から基板100へと排出され、これにより層102が形成される。
【0049】
全ての層をこのように形成する必要はない。例えば、接着層は巻かれ、当初の固形状態から熱溶解されてもよい。さらに、全ての層が高粘度の液状ネイルエナメルから出来ている必要もない。これら、従前の粘度の液状ネイルエナメルから形成される層については、そのエナメルを加熱する必要はない。
【0050】
図7−10は、発明に則って作成できる様々な層を持つ、様々な異なる製品(全て、ネイルエナメルアップリケあるいはフィルムである)を図示している。図7は、基板層100と、接着層102Aと、透明コート層(あるいは透光性カラーコーティング)102Cとを持つ、発明の基本製品150を図示している。この製品において、接着コーティング102Aは5−24g/m2の範囲に形成されるのが好ましく、透明/透光性層102Cは0.5−3.0milの範囲で形成されるのが好ましい。図8は、図7と同じ層を持つ製品160を示すが、この製品160はさらに他の、0.5−3.5milの範囲で形成されるのが好ましい、色つきのマニキュア層102Bも持っている。
【0051】
図9は、図8と同じ層に加えて、ネイルカラー層102Bの上であって、透明/透光性コート層102Cの前に形成された効果層102Dをさらに含む(0.5−3.0mil)、製品170を図示している。ここで「効果」は、グリッタ、マイカ、類似の粒状物質、などの特殊効果の形態を意味する。輝くグリターにより、発明のセミ・ドライマニキュアで使用されたとき、深い3次元の様相を呈し、さらには「星のように輝く」効果を呈す。そのような製品を製造するべく、市販のグリッタ(一又は複数であり、色つきプラスチック、マイカなど)が液状マニキュアと(つまり発明の高粘度液状ネイルエナメルあるいは従前の粘度の液状ネイルエナメルと)混合される。ダイ10にはより大きなスロット70を使用して(粒子の大きさによって10−30mil)、エナメル内の粒子を、スロット70を詰まらせずに基板100に成功裏に均一に着地やすくすることが好ましい。
【0052】
製品および効果の様々な種類がグリッタの使用により生成されうる。一つの例としては、グリッタ(一又は複数であり、マイカおよび/またはプラスチックおよび/またはその他)を、透明あるいは着色顔料を持つ色つきのマニキュア調合物と混合して、発明のコーティング工程を用いることで、スパークリングで淡彩な仕上げの、ネイルアップリケを作成することができる。グリッタはさらに明るい透光性色と混合することもでき(例えば、着色顔料が標準的な色の層よりも少ない明るいブルーあるいは明るいピンク)、これにより、前に塗布したフィルムの上に配置されると、新たな煌きの効果が生まれる。例えば、明るいブルーの透光性グリッタアップリケが、前に塗布された赤のネイルアップリケ上に塗布されると、紫色になる。異なる色を持つ一以上のネイルアップリケを同じパッケージに含めることで、ユーザは色をこのように混ぜたり合わせたりすることができるようになる。グリッタを透明コート層と混合して、単純な多層、模様のついた(後に説明)あるいはその他のマニキュアコーティング上に載せて、その後一以上の透明トップコートで被覆する。すると煌きがあるが落ち着いた効果が出る。代わりに、ドライグリッタ(マイカ、プラスチック、その他、1−30ミクロン)をカラーマニキュアコーティングの直後あるいは透明コーティングがまだ乾いていない状態の製品上に渦巻状に落とす、あるいはカーテン状に落とし、トップコートを塗布することもできる。上述のように、粒状物質を従前の粘度の液状マニキュアおよび上述の高粘度液状ネイルエナメルに添加することもできる。
【0053】
図10は図9に記載の前述の層全部に加えて、層102B/C(カラー層あるいは透明層を使用できる)上であり、トップ透明コート層102Cの前に形成されたプリント層102Eを含む製品180を図示している。プリントは単色でも多色プロセス印刷でもよく、様々なデザイン、動画、画像などが、セミ・ドライマニキュアフィルム上に、産業上利用可能な、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーニング技術で行うことができる。
【0054】
従前および上述のSoの特許で記載されているように、パッド印刷法のみが使用できた。今日では、発明の方法を利用して多くのほかの工程により画像をセミ・ドライマニキュアに画像を印刷することができる。そのような工程の一つがフレキソ印刷である。この工程では、デザインあるいは画像は、セミあるいはドライなマニキュアの表面に印刷を行う目的で円筒に取り付けられたゴム、ポリマー、あるいは他の市販のプレートに彫り込まれる。他のそのような工程がグラビア印刷であり、これによると、デザインあるいは画像はセミ・ドライマニキュアフィルムに適用される金属円筒に彫り込まれる。他に可能性のあるものとしては、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、シルクスクリーニングが挙げられる。
【0055】
目下の方法の、Soの特許で請求されているパッド印刷工程を超える利点は数多い。本工程は、略10倍速度が速い(1分に50フィート)。本工程によりさらに、製造者は写真を含む画像の印刷を、四色工程を用いてできるようになる(例えば、CYMK、つまり減法混色の原色であるシアン、イエロー、マジェンタ、ブラックの色指定システム)。さらに、発明の工程はくっきりした解像度のよい画像を生じる。他の選択肢として、標準のUVインクを使用することで、ナイトクラブやバーなどの黒色灯の下で、デザインが目に見えるようになり、隠れていたデザインを浮かび上がらせることができる。パノラマ画像や文章、つまり、爪毎の語あるいは文字ごとにひとつ、を実現することもできる(例えば、マンハッタンスカイライン、「愛してる」など)。
【0056】
この発明の方法を使用して、他の多くの様々な製品を作成することができる。別の例としては、多色のグラデーションあるいは縞模様のマニキュアフィルムを、この業界でビネットとして知られているデザインとともに作成することができる。この種類の製品については、二つから五つのマニキュアの色が自然にあるいは受動的に混合され、ビネットの画像が形成される。
【0057】
多色効果は一より多い方法で達成される。第一に、主なホースから別個の様々なインレットホースから共通の受入タンクに、一つのポンプを使用して、二つから五つの異なる色の液状マニキュアが汲み上げられる。全ての色はこのポンプ内で(受入タンクの下流で)、一つの主なホース(ダイ10に供給を行う)で、混合物がさらに強制的に混合されることなく、自然にあるいは受動的に混合される。単一のコーティングダイが、混合された色をリリースライナー上に堆積させる。様々な色は均一には混色されないので、色の変化および縞模様の効果により、非常に美的に魅力的な外見が生まれる。より詳しくは、400から2500センチポアズの範囲(好ましくは500から1700センチポアズ)にある個々の色のマニキュアが、直径が1/16から1インチの間で変化する(好ましくは1/8から3/4インチ)、別個の入力ホースから共通の受入容器へ汲み上げられる。受入容器から、液状マニキュアの組み合わせが一つの主なホース(直径が5/8から2インチ)内ではさらに混合されることなく、汲み上げられる。
【0058】
代わりに、多数のポンプを使用することもできる。特に、二つから五つのポンプの各ポンプが、二つから五つの異なる色の同じまたは異なる粘度の液状マニキュアのうちの一つであり、それぞれが別個の、同一の直径の、カラーマニキュア液体の制御量について様々な汲み上げ速度をもつインレットホースから、共通の受入タンクへ、である。上述のように、混合物は受入タンク内で強制的には混合されず、コーティングダイ10の幾つかのインレットへと汲み入れられて、その後基板100へと注がれる。
【0059】
製造者が入手可能な、発明の方法を利用したさらに別の製品は、ホログラフィー像を使用したセミ・ドライマニキュアフィルムである。市販のホログラフィー像はセミ・ドライマニキュア上にラミネートされる。ペーパあるいはプラスチックフィルム上に形成されたホログラフィー像は様々な用途に幅広く利用される。発明の製造工程においては、市販の予め印刷されたホリグラフィー像(例えば、Crown Roll Leaf,Inc.−Paterson NJ製のもの)をセミ・ドライマニキュアコーティング表面へラミネーション工程で転写する。具体的には、まず接着剤のコーティング(8−13ミクロンの厚み)をリリースライナーへ塗布して、接着剤のコーティングが完全に乾くのを待つ。次に、透明なコロジオンあるいはカラーネイルコーティングである液体調合物(好ましくは、上述の例2あるいは例3、しかし、従前の粘度のものでも構わない)を接着層に塗布する。そして、結果としてできるフィルムを、溶剤残留量が2−15%になるまで乾燥させ、これによりフィルムの柔軟性を保持する。その後、前記フィルムに対して、一以上のホリグラフィーデザインを持つ市販の転写可能なホログラフィーフィルムを、当業者にはよく知られた産業上の加熱ラミネータの類を使用してラミネートする。最後に、透明のマニキュアコーティングをフィルムに塗布して、溶剤残留量が3−15%になるまで乾燥させ、爪の形にダイス切断を行い包装する。
【0060】
発明の方法から作成できる別の製品はクロムのセミ・ドライマニキュアフィルムである。この製品には、ホログラフィーのレベルの輝きほどキラキラはしていないが、素晴らしいメタリック色という独自の特徴をもつ、美しいメタリックな輝きがある。これは、10%−25%の60−80秒のニトロセルロースというより重い荷重を持つ、上述の例2の調合物を利用して形成される。この、より高粘度のニトロセルロースを使用すると、より丈夫で、より長持ちし、より光沢に優れるドライマニキュアフィルムが作成される。より詳しくは、本発明のクロムのドライマニキュアフィルムは2週間まで持ちこたえる。それにひきかえ、ブラシで塗るタイプの市販の液状クロムマニキュアは、寿命が2−5日間しかない。
【0061】
発明の工程により作成されるまた別の製品は、「フレンチマニキュア」のような、先端に白あるいは他の色がついたネイルフィルムあるいはアップリケである。大半の従前のサロンでやってもらうフレンチマニキュアにおいては、マニキュアを塗る工程は二以上のステップで行われざるを得ない。これにより、自分でマニキュアに取り入れようとする普通の消費者にとっては技術が非常に難しくなる。しかし、この発明によれば、ユーザは単にセミ・ドライアップリケを自分の爪に貼るだけの1ステップだけでよく、フレンチマニキュアらしい外観を達成できる。前述のSoの特許(4903840)においては、「フレンチマニキュア」という言い回しが「洗練された」あるいは「ハイクラスの」という意味で使用されており、通常その用語が意味する、先端が白あるいは他の色になっている爪のことは特に示していないことに注意されたい。
【0062】
フレンチマニキュア効果は、フレンチマニキュアの先端の形のカーブを(白やゴールドなど)、下記のリストにより製造される、無地の薄い色のマニキュアフィルム(例えば、薄いピンク、クリーム、ピーチなどの色)の上から印刷することで作成される。フレンチマニキュアの先端の形が印刷されたら、透明のトップコートを塗布して、その結果できるフィルムを、溶剤残留量が約3−8%になるまで乾燥させる。最終の爪の形には定型切断され、包装される。フレンチマニキュアを達成するのに最善と思われる印刷方法には、シルクスクリーニング、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷あるいはデジタルフレキソ(Digital Flexo)、オフセット印刷、および熱間鍛造が含まれるが、これらに限定はされない。代わりに、発明の方法としては、先端部を別個の部材として形成してもよい。つまり、別個の半月型のような部材を別個の基板から形成して、主なネイルアップリケとは別に切断してもよい。二つの部材は別個に販売されるか、あるいは同じ包装内で販売されるが、お互い別個である形であっても構わず、さらには、予め組み立てられて売られていても構わない(先端の部材が主なアップリケの上部に予め貼付されている形で)。
【0063】
最後に、上で示唆したが、混合および整合のセミ・ドライマニキュアを提供することもできる。例えば、多透光色あるいはグリッタのセミ・ドライマニキュアアップリケを一つ、他の上に載せると、その結果色や効果が変わる。製品は基本的に上述のように2層あるいは3層の製品であるが、各層(あるいはまとめて各フィルム)における顔料の量は透光色のフィルムに到達する最小量であるべきである。例えば、青色のアップリケのセットを販売してもよいが、黄色のセットと組み合わせて販売されて、重ねたときに緑色になるようにしてもよい。二つの(あるいはそれ以上の)異なる色のアップリケが全く同じ寸法あるいは構成であることは要求されない。一方が他方よりも小さいと、縁取り効果が生まれる。代わりに、一方が他方よりも小さくて、爪の形でない構成(例えば、星型、ハート型、文字の形など)であってもよい。
【0064】
好ましい製造工程を今から、詳細に記載する。図11は、発明の製造工程の様々なステップを図式的に示すプロセス図である。先のSoの特許では、基板が金型に押圧されて、徐々に金型の通路から引き出され、マニキュアをコートする(例えば、Soの特許の図3Aと3Bを参照)。発明の方法は、コーティング中に決して基板に接触しないスロットコーティングダイを使用する。コーティング重量はポンプの速度(rpm)、ウェブの速度、あるいは両方を調節することで調節できる。さらに、発明の方法は、従前技術の単一コーティング、矯正ステップの代わりに、多数コーティングステップを使用する。
【0065】
図11のステップS1に記載の通り、基板ウェブ100はスプールから解き放たれ、発明の(従前の)搬送システムに装着される。ステップS2にて、接着コーティング層102Aが塗布される。このステップでは、液状の接着剤がスロットダイコーティング法で塗布されるか、あるいは、固体の接着剤が熱溶解法で塗布される。コーティングの厚みは5−20ミクロンであり、理想的な重量は5−24g/m2である。フィルムの剥離強度は2.0−2.8PLI(線状のインチに対するポンド)であり、標準偏差が0.2PLIである。ステンレススチール試験用パネルにPSTC(Pressure Sensitive Tape Council)試験法1と、所定の15分間のドウェル時間により試験を行う。剥離接着は180°に設定したIstron(登録商標)マシンでサンプルを牽引してみることで決定される。ステップS3において、400−600°Fの赤外線ヒータと130−200°Fの熱風を使用するドライヤ内で、接着剤が1−5分間、生産ライン沿いの様々なスポットのナイフノズルにより矯正される。
【0066】
第二コーティングステップがステップS4に図示されている。このコーティングは第一接着コーティングの上に堆積される、(カラー)マニキュアコーティングである。このコーティングステップは、上述のスロットカーテンコーティングダイにより達成され、コーティングの厚みは作成される製品によって15−40ミクロンである。矯正はステップS5とS6において、約400−700°FのIRヒータと様々なスポットの約130−230°Fのナイフノズルにより達成される。
【0067】
第三のコーティングはステップS4Aで、ステップS4の下流のどの時点かで適用され、オプショナルなステップである。このステップは透明トップコーティングあるいはグリッタトップコーティングをスロットカーテンコーティングダイにより適用する。このステップはマニキュアフィルムと結果物であるアップリケの輝きを極めて増し、フィルムをより丈夫に、より長持ちさせる。コーティングの厚みは15−30ミクロンであり、矯正は500−800°FのIRヒータと160−250°Fの熱風で様々なスポットのナイフノズルによる。
【0068】
第四の最終コーティングはステップS7で、最終的な好適な透明トップコートとして適用される。この処理により、平坦な表面で丈夫なフィルムが生まれる。コーティングの厚みは10−20ミクロンであり、ステップS8とS9における矯正は500−800°FのIRヒータと160−250°Fの熱風で様々なスポットのナイフノズルによる。
【0069】
この後、取り扱い用ストリップ(好適には光沢のあるホイル)がステップS10でローラにより取り付けられ、プラスチックのトップ層がステップS11で塗布される。このフィルムはその後ステップS12で、特定の爪の形のアップリケにダイス切断されるが、これについては後で説明する。最後に、真空コンベヤにより完成した製品を動かし、ステップS13の最終工程へ導く。
【0070】
アップリケの様々な最終版を図12−14に示す。図12においては、ネイルアップリケ202の基本セット200が示されている。各アップリケは大体爪の形をしており、10個の異なる大きさのアップリケが好適には提供される。ホイルのストリップ204は製品のより良い、より簡易な取り扱いを実現する。爪の形は図11のダイス切断ステップS12中に行われるのが好ましい。通常、一つのセット200はフィルムの同じ部分から切断される。図13は、1つのダイス切断ステップで、フィルムの一つの箇所から切断された多数のセット200を示している。
【0071】
図12と13のネイルアップリケ200の形状は従前のSo特許のものと等しい。これらは十個の異なる大きさのアップリケを提供した。本発明の他の改善が図14に示されている。発明のネイルアップリケ302のセット300は両端が同じ形で、一端302Aがある大きさを持ち、同じアップリケの他端302Bは前記一端302Aとは異なる大きさを持つ。この構成においては、ユーザは20個の異なる大きさのアップリケを指の爪に適用することができる。
【0072】
使用に際しては、ユーザはプラスチック310(セミ・ドライ製品が完全に乾燥するのを防ぐために施されている)を開封し、アップリケ302を裏紙301から剥がす。通常、ユーザは取り扱いの簡便性を考慮してセット300をストリップ304に保持する。そして、選択したアップリケ302の一端302AあるいはBを、任意の手の指あるいは足の指の爪の上に配置する。ユーザは爪を押圧して接着剤を効かし、皺を伸ばし、爪の周りの余分なフィルムを切断する(マニキュア鋏あるいは自分の爪を使用して)。この結果、サロンに行かなくても即席マニキュアが完成する。
【0073】
発明は上述の記載に制限されない。例えば、スロットダイコーティングが高粘度のネイルエナメルを塗布するのに好適ではあるが、グラビア法を使用してもよい。
【0074】
発明を好ましい実施形態の観点から記載したが、発明の範囲は上述の記載により限定されるべきではなく、むしろ以下の請求項により限定されるものであり、当業者に知られている全ての均等物を含む。
【技術分野】
【0001】
2004年5月12日出願のU.S.特許仮出願番号60/570,713の国内優先権を請求しており、その主題をここに参照として組み込む。
【0002】
本発明は、大まかに言ってマニキュアに関している。より具体的には、発明は、液体状のマニキュアにマニキュアあるいは刷毛跡を残さずに、爪に塗ることのできるマニキュアのフィルムコーティングを即座に乾かすことに関している。
【背景技術】
【0003】
何百年もの間、人々はマニキュアを使用して自分の爪を色づけたり飾ったりしてきた。通常、マニキュアは液体状のままブラシを使用して塗られ、その後乾燥させなければならない。乾燥工程は時間がかかり、その間マニキュアを塗られた人には、マニキュアを汚したり台無しにしないために非常な注意が強いられる。
【0004】
市販のマニキュアはその大半が1/4秒および1/2秒のニトロセルロースを使用している(ブルックフィールド粘度計により60rpmで計測したとき、約300−800センチポアズ)。「秒」を使用しているのは、金属玉が任意の大きさのその素材のドラムの底面に沈むのにかかる時間を示しており、その時間が長いほど、ニトロセルロースの粘度も高いことになる。その後、少量の(つまり、1−5w/w%)より高い粘度を持つニトロセルロースを使用して(つまり、40−60秒および60−80秒である)、粘度調整が行われる。このような高粘度のニトロセルロースは1−5%を超えて用いられることは決してなかった、というのも結果物であるマニキュアがブラシで塗るには濃くなりすぎるからである。典型的なマニキュア(ネイルエナメルとも呼ばれる)の組成は、約25−32%の固形物と68−73%の溶剤である。固形物中、重量/重量パーセントにおいては、6−12%がニトロセルロースであり(1/4秒あるいは1/2秒)、約6−12%が樹脂、6−10%が可塑剤である。残りの内容物は通常以下のようである:
8−15%:マイカと着色顔料
20−30%:エチルアセテート
20−30%:n−ブチルアセテート
5−10%:イソプロピルアルコール
3−7%:その他
溶剤含有量が高いことにより、市販の液状マニキュアは可燃性であり、特別な配送方法・取り扱いの指定のない限りは陸上あるいは水上輸送しなければならない。
【0005】
より近年になると、この分野で、人の爪に塗る用途で、ドライあるいは略ドライなフィルムコーティングの開発が行われるようになっている。この類のアップリケを記載している二つの特許が、Soの米国特許番号4,903,840、およびHoffmanらの5,415,903である。
【0006】
Soの特許は、目下の譲受人に譲渡されているが、この性質をもつ自動接着性のマニキュアコーティングの基本的な作成方法を教示している。Soの特許では、マニキュアコーティングは、接着裏のついたシートが通過できるよう、注ぎ孔とスロットあるいは経路を持つ型を使用して作成される。接着裏のついた紙を型からゆっくり引き出しながら、通常の液状ネイルエナメルを注ぐ。このようにして、均一にコーティングがされて、接着裏のついたマニキュアコーティングのシートが作成される。シートはその後所定の時間、所定の温度で、シートのマニキュアコーティングが半固体であるが完全には乾燥状態でないところまで乾燥させられる。その一片は、その後五つの爪のコーティングのセットに切断されることが好ましい。そのシートはさらに、リボンまたは開封帯を施され、接着裏のついた用紙からの取り外しを容易にすることで、ネイルコーティングを指の爪に個々に貼付する助けとすることが望ましい。コーティングのセットは、部分的に乾燥された後、使用されるまでの間、略気密封止された状態に包装される。
【0007】
Hoffmanの特許も類似したドライネイルコーティングを教示しており、少なくとも一つの可塑剤(これもまた、通常のネイルエナメルである)と、それの上に位置する感圧粘着層と、この感圧粘着層を被覆して除去可能な、好ましくはシリコーン処理されたキャリアフィルムあるいは支持ホイルとを含む塗膜形成ポリマー層からなっている。塗膜形成ポリマー層は、さらに他の側も(つまり、上部)ラミネートの他の成分、およびラミネート準備に使用される材料に対して抵抗性のある、完全に除去可能な保護層で被覆されている。Hoffmanの特許がSoの特許の教示に加えるものは、エナメル層の上部に施される完全に除去可能な保護層の追加以外、あまりないので、当技術分野ではいずれにしても通常のもののように思われる。
【0008】
ネイルコーティングラミネートの製造工程の速度を上げることが望ましいと思われる。さらには、多数の色をもち、模様のある、メタリック仕上げなどの(これらはネイルコーティングラミネートでは今までは達成されていなかった)、ネイルコーティングラミネートあるいはアップリケの作成方法を提供することが望ましいと思われる。
【発明の開示】
【0009】
先行技術における上述およびその他の問題が、改善された自動接着性ネイルアップリケあるいはラミネート、その製造方法、および前記発明の方法で使用される発明の液状ネイルエナメルである本発明により解決される。本発明の方法では、発明の高粘度液状ネイルエナメルの様々な調合物を100°Fより高い温度(好適には100と150°Fの間まで)に加熱する。少なくとも二部材層がリリースライナーペーパあるいはプラスチックフィルムの基板上に堆積される。実施形態の全てが、接着コーティングをこの基板上に形成すること、および発明の、加熱された液状ネイルエナメルをこの接着層上に塗布することを少なくとも含んでいる。
【0010】
オプションとして、発明の高粘度液状ネイルエナメルによる第二コーティングを形成することもできる。加えてあるいは代わりに、グリッタあるいはマイカあるいは同様に望ましい粒状物質を、透明あるいは透光性コーティングと混合してもよい(発明におけるネイルエナメルに類似しているが、着色顔料を殆どあるいは全く用いない)。この時点で、ホログラフィー画像などの印刷工程を加えてもよい。最後に、また別のオプションとしてあるいは上述の工程のうちのいずれかに加えて、透明なあるいは透光性のトップコートを最終層として形成することもできる。
【0011】
発明における高粘度液状ネイルエナメルはいくつかの方法のうちの一つにより、高粘度を獲得する。ある調合物においては、1/4あるいは1/2秒のニトロセルロースが、従前のマニキュアよりもかなり多い重量%で使用されるが、より詳しくは、従前のマニキュアは、25−32重量%の固形物を持つことがあるが、発明によるネイルエナメルは35−60重量%の固形物を含む。他の調合物においては、60−80秒のニトロセルロースが従前のマニキュアと比べて格段に多い割合で使用される。つまり、従前のマニキュアは、マニキュアの粘度の微調整のためだけに60−80秒のニトロセルロースを約1−5重量%で使用することがある。しかし、本発明は60−80秒のニトロセルロースを支配的なあるいは主たる固形物として、6−25%まで多量に使用することがある。より多くの固形物あるいは粘度がより高いエナメルを使用すると、最終製品にはより多くの耐久性と柔軟性が出る。さらに発明の方法の結果として、エナメルの調合における固形物の使用割合を多くすると、溶剤の使用割合が低くなる。溶剤含有量の割合を低くすると幾つかの利点がある。処理の観点からは、乾燥・蒸発(つまり、最終製品を作成すること)に要する時間が、目下入手可能な液状調合物に比べて約30−40%短くなる。第二に、乾燥処理において排出される溶剤が少ないので、本発明のドライマニキュアフィルムは環境面で優れる。
【0012】
より具体的には、発明は、上述の高粘度(室温で1500センチポアズより高い)液状ネイルエナメルを準備する工程と、前記高粘度液状ネイルエナメルを少なくとも100°Fに加熱する工程と、接着部材層を基板に形成する工程と、前記加熱された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材層上に形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法を含む。第二高粘度液状ネイルエナメル層を前記第一高粘度液状エナメル層上に形成してもよい。前記第二層は略透明(つまり、色あるいは顔料をほぼ使用していない)であってもよく、および/または、前記第二層内に形成される前にグリッタあるいはマイカなどの粒状物質が添加されていてもよい。画像あるいはデザインを、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により、前記第一あるいは前記第二高粘度ネイルエナメル層上に追加することもできる。
【0013】
ネイルエナメル層は、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つにより、好適には次の層が堆積あるいは形成される前に、少なくとも部分的に乾燥させられることが好ましい。最後に、最終層が形成された後、製品は略爪の形の断片に切断され、包装される。
【0014】
上述の発明の方法に加えて、あるいはその代わりに、前記準備する工程は、少なくとも二つの高粘度液状ネイルエナメル調合物を準備して、前記アップリケの製造中に前記二つ以上の調合物を受動的に混合させる工程を含んでもよい。前記二つ以上の調合物は異なる粘度を持ってもよく、あるいは異なる色を持ってもよい。オプションとして、一以上の前記調合物は従前の液状ネイルエナメル粘度でもよい。前記受動的に混合させる工程は、前記調合物の各々を、別個の入力ホースを介して共通の受入タンクに汲み入れる工程を含むこともできる。前記汲み入れる工程は、全ての入力ホースについて共通のポンプを使用することも、前記入力ホース各々について別個のポンプを使用することもできる。前記調合物の各々の流量は、例えば、各調合物に対して異なる直径の入力ホースを提供することにより、あるいは前記入力ホース各々について別個のポンプを提供して各ポンプの流量を個別に制御することにより、制御されてもよい。
【0015】
上述の方法に加えて、発明はさらに、ネイルアップリケ製造システムを含む。発明のシステムは、基板シートを搬送する少なくとも一つの手段(好適には、システムの始まりの解き放ちローラと、システムの終わりの巻き上げローラ)を含む。第一ステーションが前記基板シートの上方の第一位置に配置されており、接着剤を前記基板シートに層状に塗布する。加熱機器を使用して、高粘度液状ネイルエナメルを加熱する。第二ステーションが前記基板シートの上方の、前記第一位置の下流の第二位置に配置されており、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記基板シートの前記接着層上に、層状に塗布する。実施形態によっては、前記基板シートの上方の、記第二位置の下流の第三位置に配置され、同じまたは異なる加熱機器と連通している第三ステーションが配置されることもある。第三ステーションは、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを、前記基板シートの、前のネイルエナメル層上に、層状に塗布する。ヒータは基板と熱連通するよう配置され、前記ヒータの少なくとも一つは前記第一位置より下流であって前記第二位置の上流に配置されており、前記ヒータの少なくとも他の一つは前記第二位置の下流に配置されていることが好ましい。前記ヒータは、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つ、あるいは両方であってもよい。最終材料適用ステーションの下流には、ダイス切断機が配置されており、前記基板およびその様々な層を略爪の形のアップリケに切断する。前記ステーションの各々はスロットダイを含むことが好ましいが、それに加えてあるいはその代わりに、グラビア印刷機器を含むこともできる。
【0016】
発明のシステムの一実施形態においては、前記第二ステーションと前記第三ステーションは各々、加熱された高粘度液状エナメルの異なる調合物を受け取る。第一ポンプは前記第二ステーションと連通しており、液状エナメルの一つの調合物を前記第二ステーションへ汲み出してもよく、第二ポンプは前記第三ステーションと連通しており、液状エナメルの第二の調合物を前記第三ステーションへ汲み出してもよい。受入容器は、前記加熱手段と、加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記加熱手段から受け取る前記第二ステーションとの間に介在させられることが好ましい。前記受入容器は複数の入力ホースを含み、前記入力ホースの各々は異なる液状ネイルエナメルの調合物を受け取り、前記受入容器に配給することができるようにすることもできる。オプションとして、一以上の前記調合物は従前の液状ネイルエナメル粘度でもよい。さらなるオプションの特徴としては、前記第二ステーションの下流にあり、前記エナメル層に対して、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により、画像あるいはデザインを印刷するよう適合している印刷ステーションが設けられていてもよい。前記印刷ステーション(あるいは他の第三ステーションあるいは最初の第二ステーション)の下流に設けられ、透明な高粘度液状ネイルエナメル層を形成する最終ステーションが設けられていてもよい。
【0017】
本発明はさらに、取り外し可能な基板と、前記取り外し可能な基板上に配置される感圧接着層と、前記感圧接着層に対して、高粘度液状ネイルエナメルを使用して形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層とを含む、自動接着性ネイルアップリケを含む。前記ネイルエナメル層は、固形物含有量が少なくとも35重量%である液状ネイルエナメルから、あるいは60−80秒のニトロセルロースを主たる固形物として有す(好適には6重量%以上)液状ネイルエナメルから形成される。発明のアップリケは高粘度液状ネイルエナメルから形成される、前記第一層とは高粘度液状ネイルエナメル調合物が異なることがある、第二ネイルエナメル層を含むことができる。製造中、いずれかのネイルエナメル層に対して粒状物質が添加されてもよい。前記オプショナルの第二ネイルエナメル層は、略透明な高粘度液状ネイルエナメル調合物から形成されてもよい。画像層が、前記少なくとも一つのネイルエナメル層上に配置されてもよく、この画像層は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】発明の方法で使用されるスロットコーティングダイの底部投影図である。
【0019】
【図2】図1のスロットコーティングダイの正面底部投影図である。
【0020】
【図3】組立られていない、シムと図1のスロットコーティングダイの半分の正面図である。
【0021】
【図4】図3のシムとダイの半分が組み立てられた正面図である。
【0022】
【図5】発明の方法で使用されるコーティング装置の正面投影図である。
【0023】
【図6】図5のコーティング装置の裏面投影図である。
【0024】
【図7】発明による2層ネイル製品の断面概略図である。
【0025】
【図8】発明による3層ネイル製品の断面概略図である。
【0026】
【図9】発明による4層ネイル製品の断面概略図である。
【0027】
【図10】発明による別の4層ネイル製品の断面概略図である。
【0028】
【図11】発明の方法のフローチャートである。
【0029】
【図12】発明による、切断された最終ネイルアップリケ製品の正面図である。
【0030】
【図13】発明による、別の切断された最終ネイルアップリケ製品の正面図である。
【0031】
【図14】両端が同じ形のアップリケを持つ発明による、また別の切断された最終ネイルアップリケ製品の正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
大まかに言って、本発明は、丈夫で、長持ちする、美しいドライネイルエナメルのアップリケの作成法、およびアップリケ自身を含む。ここで使用される、「アップリケ」という用語は、爪に着けることのできる最終製品のことを意味し、一方「フィルム」は幅広い切断されていない製品のことを意味する。発明の方法においては、通常基板と呼ばれる市販の4−5mil(約100−130mic)のシリコンコーティングされたリリースライナーペーパあるいはアルミニウムラミネートプラスチックフィルム上に、2−5層の様々な調合物を下記の通りコーティング法により塗布する。前記基板は、印刷技術ではよく知られた、工程の始まりには解き放ちローラでロールあるいは類似の構造から広げられ、工程の終わりには巻き上げローラにより取り上げられるものが好ましい。基板を前進・搬送する任意のほかの通常の手段も本発明の一部として考慮されている。様々な最終製品を達成するために多数のコーティングステップが使用されるが、その全てが従来のセミ・ドライのマニキュアコーティングよりも長持ちし、光沢に優れ、その上、効果、製造効率が高い。
【0033】
基本的な工程では、新規な液状マニキュアの調合物を、好ましくは100と150°Fの間に加熱することが含まれる。これは、発熱体をもつ熱ドラム、浸漬ヒーター、可撓性のラップアラウンドヒータ、スチールバンドドラムヒータ、あるいは液体を加熱する任意の知られた手段あるいは後に発明される手段で達成することができる。約5−24g/m2の量の接着コーティング(層1)をリリースペーパに塗布する。次に、液状マニキュアを約0.5−3.5milの厚みのコーティング(層2)として塗布する。オプションとして、このステップを繰り返してもよい、つまり、約0.5−3milの液状ネイルエナメルの別のコーティング(層3)を塗布してもよい。グリターあるいはマイカ、あるいは類似の望ましい微粒子を、透明あるいは透光性の膜と混合して、次にコーティング(層4、これもまた0.5−3mil)として塗布してもよい。最後に、透明なトップコートあるいは透光性のカラーコーティング(層5、0.5−3mil)を塗布する。
【0034】
発明のネイルエナメルの説明をする。発明のネイルエナメルは、従前のマニキュアと比べて、ずっと高い固形含有量(35%あるいはそれ以上)および/または、より高粘度のニトロセルロース(60−80秒あるいはそれ以上)を含む。従前のマニキュアではこの特性を使用することはできない、というのも結果物であるマニキュアが濃くなりすぎて(つまり、粘度が高くなりすぎるということ)、ブラシで塗布できなくなるからである。しかしながら大量生産の観点からは、調合物において揮発性溶剤が少ないほど、製造能力は増す。さらには、より粘度の高いニトロセルロース(60−80秒)を使用すると、薄くなるが、丈夫で光沢に優れたフィルムを製造することができる。多層のフィルムは製造において卓越した柔軟性を提供するので、様々な異なる製品を提供することができる。
【0035】
以下に、セミドライあるいはドライな(以後、セミ・ドライ)マニキュアフィルムの加工、製品に使用される高粘度の液状原料マニキュアの基本成分の三例を挙げる。
【0036】
例1
【0037】
本発明の非金属ドライマニキュアフィルムは35−60%の固形物を使用しており、そのうち、25−35%(w/w)が1/4および1/2秒のニトロセルロースである。それにひきかえ、従来の、ビン入りの液状マニキュアは、せいぜい13−17%のニトロセルロースを含んでいる。従って本発明は固形含有量が二倍になっている。伝統的な液状ネイルエナメルに使用されている約70%の溶剤に反して、本発明は約40−50%の溶剤を含む。この溶剤の含有量の低さによって幾つかの利点がある。加工面からは、乾燥/蒸発の所要時間(つまり、最終製品を製造する所要時間)が、現在入手可能な液状調合物よりも約30−40%短くなる。第二に、本発明のドライマニキュアフィルムは酸化物溶剤に関して環境、エネルギー節約の観点から優れている。このマニキュア調合物は濃すぎるためブラシでは塗布できないが、本発明では、調合物は約100−150°Fに加熱されるので、粘度が減り、素材をノズルから注ぎ出すことができるようになる。第一に、非金属調合物は以下の通りである:
25―35%:1/4あるいは1/2秒のニトロセルロース
8―12%:ポリマー、コポリマー樹脂(一又は複数)(例えば、アクリル、ポリエステル、あるいはポリウレタンなど)
8−17%:可塑剤
7−12%:着色顔料
18−25%:エチルアセテート
18−25%:ブチルアセテート
(全固形物の量は35−60%)
この調合物は、室温で約1500−4000センチポアズ(60rpm)である。
【0038】
例2
【0039】
上述のように、高粘度のニトロセルロース(60−80秒)が従前は1−5%未満の量の割合で、単にエナメルの粘度を調節する目的から使用されており、5%未満ビン入りクロムマニキュアのために使用されている。このような調合物の製造者の一例は、Socciらの米国特許番号6,565,835に記載されているように、ニュージャージー州のKirker Enterprisesである。一方、発明の金属あるいは非金属調合物は、6%より多く25%までの量の高粘度のニトロセルロース(60−80秒)を含む。このような極めて粘着性のあるニトロセルロースをこのように高パーセンテージ使用することで、より薄く、より光沢に優れた、強度と柔軟性の増したフィルムが可能となる。この調合物は以下のようである:
6−25%:60−80秒のニトロセルロース
8−12%:ポリマー、コポリマー樹脂(一又は複数)
5−10%:着色顔料
4−15%:可塑剤
1−2%:その他固形物
残り:溶媒(一又は複数)(例えば、エチルおよびブチルアセテート、イソプロピルアルコール)
この調合物は、室温で約1500−4000センチポアズ(60rpm)である。
【0040】
例3
【0041】
第三の調合物は、上述した最初の二つのうち「両方のベストなもの」が組み合わせられている。具体的には、この調合物の組成は、高粘度のニトロセルロース(60−80秒)と、1/4または1/2秒のニトロセルロースとを40%−60%の組み合わせ(お互いに対して)で含んでいる。この調合物によれば、媒体強度、柔軟性、および光沢を備えた、より薄いフィルムが達成される。
8−17%:1/4または1/2秒のニトロセルロース
6−15%:60−80秒のニトロセルロース
8−12%:ポリマー、コポリマー樹脂(一又は複数)
5−10%:着色顔料
4−15%:可塑剤
1−2%:その他固形物
残り:溶媒(一又は複数)(例えば、エチルおよびブチルアセテート、イソプロピルアルコール)
この調合物もまた、室温で約1500−4000センチポアズ(60rpm)である。
【0042】
上述の三つの例全てにおいて、従来の液状マニキュアに比したときの、新たな発明のセミ・ドライネイルエナメルの調合物の差異と利点は多数ある。それらは、従来のマニキュアあるいは従来のセミ・ドライネイルエナメルアップリケよりも、爪の上で丈夫で、ずっと長持ちするフィルムを形成する。このフィルムはまた、先に製作されているものよりも光沢に優れる。発明のフィルムアップリケは従来のサロンでやってもらうマニキュアあるいは従前のアップリケよりも薄いので、爪の空気透過性が増す。このフィルムはまた、柔軟であり、従前のものに比べて簡単に伸び、爪をより全体的に完全に覆うことができ、溶剤残留がより少ない(5%未満)。機械類の設備一新を図ることなく、多くの異なる種類のフィルムを製造することができる。最後に、固形物のパーセンテージがずっと多いので、より多くのフィルムを、より速く、より安価に製作することができる。
【0043】
ドライネイルエナメルフィルム製造についての従前のコーティング工程においては、ニトロセルロースベースは、コーティングダイの非常に小さい孔を流れるよう、十分に低い粘度を持たねばならない(つまり、スロット内に300ミクロン未満のスロットおよび穴)。粘度が1000センチポアズを超えるマニキュアの調合物(ニトロセルロースベースの)は、一般に流れにくく、ダイに詰まりやすいため(特に、グリッタあるいは大きな粒子のマイカを含むものに当てはまる)、60―80秒のニトロセルロースなどは、典型的に、少量を除いては(例えば、上述の最終製品の粘度を調節する目的から、最大5%、典型的には1−3%)マニキュア製造においては使用されない。本発明においては、調合物を100−150°Fの間(好ましくは約125°F)まで加熱することで、より高い粘度のニトロセルロースを汲み出し使用することができる。同様に、1/4あるいは1/2秒のニトロセルロース含有量が組成の約35重量%よりも多い場合、調合物は約100−150°F(好ましくは約125°F)に加熱せねばならない。
【0044】
以下、添付の図1−14を参照して説明を行う。図面は単にその性質上例示的であり、下の請求項が定める、発明の範囲を制限するものでは全くない。
【0045】
製品の様々なコーティングは、ここで「スロットカーテンダイコーティング」と称される技術により塗布される。懸案のダイがダイ10として様々な組立状態で図1−4に示されている。図1に一番よく示されているように、ダイ10は前面ダイ部20と、裏面ダイ部40と、その間に配置された特殊な形のシム60とを含む。三つの部材全てがしっかり取り付けられる(好適には、例えば図2のボルト24などによるボルト締めにより)。前面ダイ部20は、内部ボア25に液状マニキュアあるいは製品のその他の任意の成分を供給するインレット22を含む。
【0046】
図3および4はダイ10の内部を示している。これら両図面において、裏面ダイ部40は明確化のため除去されている。前面ダイ部20の内部ボア25は、内面30のアウトレット穴26で終わり、流路28に存在している。流路28の目的は、液状マニキュアが流れ出た後に基板上にエナメルが均一にムラなく塗布されるように、液状マニキュアをアウトレット穴26から流すことにある。こういう訳であるから、各流路28は、上部の略水平な分岐28Aを含み、それが略垂直な分岐28Bへ、そして下部の略水平な分岐28Cへと供給を行う。図1−4ではダイ10が上下逆さまに描かれていることに注意されたい、故に、流体の存在するアウトレット穴26は水平分岐28Aを通り、下方の垂直分岐28Bへと浸出して、その後、水平分岐28Cへと浸出する。液状エナメルは分岐28Cから基板へと浸出する。
【0047】
シム60がないと、前面・裏面ダイ部20および40の二つの内面はぴっちり当接して、エナメルが水平分岐28Cから浸出する余地がなくなる。しかし、図3および4に示すように、シム60は切り欠き部64の間に垂直な突起62を含む。シム60が前面ダイ部20にボルト24により取り付けられていると(図4参照)、下方水平分岐28Cの大部分を除いて流路28の全体を保護、被覆する。このようにして、分岐28Aあるいは28Bに流れ込んだエナメルはこれら分岐からは浸出せず、代わりに前進(下方へ)して、結果として分岐28Cへ辿り着く。分岐28Cは覆われていないので、エナメルは単にそこから溢れ出し、スロット70から出て(図1参照)、シート状あるいはカーテン状の構成の基板上に溢れ出る。
【0048】
より具体的には、図5および6が一番よく示すように、基板100は機械類にローラ110により供給される。液状エナメル源112がインレット22に取り付けられ、加熱、加圧された液状エナメルがダイ10へ押し込められる。基板100がダイ10の下を通過する際、液状エナメルあるいは他の部材がコーティングされ、スロット70から基板100へと排出され、これにより層102が形成される。
【0049】
全ての層をこのように形成する必要はない。例えば、接着層は巻かれ、当初の固形状態から熱溶解されてもよい。さらに、全ての層が高粘度の液状ネイルエナメルから出来ている必要もない。これら、従前の粘度の液状ネイルエナメルから形成される層については、そのエナメルを加熱する必要はない。
【0050】
図7−10は、発明に則って作成できる様々な層を持つ、様々な異なる製品(全て、ネイルエナメルアップリケあるいはフィルムである)を図示している。図7は、基板層100と、接着層102Aと、透明コート層(あるいは透光性カラーコーティング)102Cとを持つ、発明の基本製品150を図示している。この製品において、接着コーティング102Aは5−24g/m2の範囲に形成されるのが好ましく、透明/透光性層102Cは0.5−3.0milの範囲で形成されるのが好ましい。図8は、図7と同じ層を持つ製品160を示すが、この製品160はさらに他の、0.5−3.5milの範囲で形成されるのが好ましい、色つきのマニキュア層102Bも持っている。
【0051】
図9は、図8と同じ層に加えて、ネイルカラー層102Bの上であって、透明/透光性コート層102Cの前に形成された効果層102Dをさらに含む(0.5−3.0mil)、製品170を図示している。ここで「効果」は、グリッタ、マイカ、類似の粒状物質、などの特殊効果の形態を意味する。輝くグリターにより、発明のセミ・ドライマニキュアで使用されたとき、深い3次元の様相を呈し、さらには「星のように輝く」効果を呈す。そのような製品を製造するべく、市販のグリッタ(一又は複数であり、色つきプラスチック、マイカなど)が液状マニキュアと(つまり発明の高粘度液状ネイルエナメルあるいは従前の粘度の液状ネイルエナメルと)混合される。ダイ10にはより大きなスロット70を使用して(粒子の大きさによって10−30mil)、エナメル内の粒子を、スロット70を詰まらせずに基板100に成功裏に均一に着地やすくすることが好ましい。
【0052】
製品および効果の様々な種類がグリッタの使用により生成されうる。一つの例としては、グリッタ(一又は複数であり、マイカおよび/またはプラスチックおよび/またはその他)を、透明あるいは着色顔料を持つ色つきのマニキュア調合物と混合して、発明のコーティング工程を用いることで、スパークリングで淡彩な仕上げの、ネイルアップリケを作成することができる。グリッタはさらに明るい透光性色と混合することもでき(例えば、着色顔料が標準的な色の層よりも少ない明るいブルーあるいは明るいピンク)、これにより、前に塗布したフィルムの上に配置されると、新たな煌きの効果が生まれる。例えば、明るいブルーの透光性グリッタアップリケが、前に塗布された赤のネイルアップリケ上に塗布されると、紫色になる。異なる色を持つ一以上のネイルアップリケを同じパッケージに含めることで、ユーザは色をこのように混ぜたり合わせたりすることができるようになる。グリッタを透明コート層と混合して、単純な多層、模様のついた(後に説明)あるいはその他のマニキュアコーティング上に載せて、その後一以上の透明トップコートで被覆する。すると煌きがあるが落ち着いた効果が出る。代わりに、ドライグリッタ(マイカ、プラスチック、その他、1−30ミクロン)をカラーマニキュアコーティングの直後あるいは透明コーティングがまだ乾いていない状態の製品上に渦巻状に落とす、あるいはカーテン状に落とし、トップコートを塗布することもできる。上述のように、粒状物質を従前の粘度の液状マニキュアおよび上述の高粘度液状ネイルエナメルに添加することもできる。
【0053】
図10は図9に記載の前述の層全部に加えて、層102B/C(カラー層あるいは透明層を使用できる)上であり、トップ透明コート層102Cの前に形成されたプリント層102Eを含む製品180を図示している。プリントは単色でも多色プロセス印刷でもよく、様々なデザイン、動画、画像などが、セミ・ドライマニキュアフィルム上に、産業上利用可能な、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーニング技術で行うことができる。
【0054】
従前および上述のSoの特許で記載されているように、パッド印刷法のみが使用できた。今日では、発明の方法を利用して多くのほかの工程により画像をセミ・ドライマニキュアに画像を印刷することができる。そのような工程の一つがフレキソ印刷である。この工程では、デザインあるいは画像は、セミあるいはドライなマニキュアの表面に印刷を行う目的で円筒に取り付けられたゴム、ポリマー、あるいは他の市販のプレートに彫り込まれる。他のそのような工程がグラビア印刷であり、これによると、デザインあるいは画像はセミ・ドライマニキュアフィルムに適用される金属円筒に彫り込まれる。他に可能性のあるものとしては、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、シルクスクリーニングが挙げられる。
【0055】
目下の方法の、Soの特許で請求されているパッド印刷工程を超える利点は数多い。本工程は、略10倍速度が速い(1分に50フィート)。本工程によりさらに、製造者は写真を含む画像の印刷を、四色工程を用いてできるようになる(例えば、CYMK、つまり減法混色の原色であるシアン、イエロー、マジェンタ、ブラックの色指定システム)。さらに、発明の工程はくっきりした解像度のよい画像を生じる。他の選択肢として、標準のUVインクを使用することで、ナイトクラブやバーなどの黒色灯の下で、デザインが目に見えるようになり、隠れていたデザインを浮かび上がらせることができる。パノラマ画像や文章、つまり、爪毎の語あるいは文字ごとにひとつ、を実現することもできる(例えば、マンハッタンスカイライン、「愛してる」など)。
【0056】
この発明の方法を使用して、他の多くの様々な製品を作成することができる。別の例としては、多色のグラデーションあるいは縞模様のマニキュアフィルムを、この業界でビネットとして知られているデザインとともに作成することができる。この種類の製品については、二つから五つのマニキュアの色が自然にあるいは受動的に混合され、ビネットの画像が形成される。
【0057】
多色効果は一より多い方法で達成される。第一に、主なホースから別個の様々なインレットホースから共通の受入タンクに、一つのポンプを使用して、二つから五つの異なる色の液状マニキュアが汲み上げられる。全ての色はこのポンプ内で(受入タンクの下流で)、一つの主なホース(ダイ10に供給を行う)で、混合物がさらに強制的に混合されることなく、自然にあるいは受動的に混合される。単一のコーティングダイが、混合された色をリリースライナー上に堆積させる。様々な色は均一には混色されないので、色の変化および縞模様の効果により、非常に美的に魅力的な外見が生まれる。より詳しくは、400から2500センチポアズの範囲(好ましくは500から1700センチポアズ)にある個々の色のマニキュアが、直径が1/16から1インチの間で変化する(好ましくは1/8から3/4インチ)、別個の入力ホースから共通の受入容器へ汲み上げられる。受入容器から、液状マニキュアの組み合わせが一つの主なホース(直径が5/8から2インチ)内ではさらに混合されることなく、汲み上げられる。
【0058】
代わりに、多数のポンプを使用することもできる。特に、二つから五つのポンプの各ポンプが、二つから五つの異なる色の同じまたは異なる粘度の液状マニキュアのうちの一つであり、それぞれが別個の、同一の直径の、カラーマニキュア液体の制御量について様々な汲み上げ速度をもつインレットホースから、共通の受入タンクへ、である。上述のように、混合物は受入タンク内で強制的には混合されず、コーティングダイ10の幾つかのインレットへと汲み入れられて、その後基板100へと注がれる。
【0059】
製造者が入手可能な、発明の方法を利用したさらに別の製品は、ホログラフィー像を使用したセミ・ドライマニキュアフィルムである。市販のホログラフィー像はセミ・ドライマニキュア上にラミネートされる。ペーパあるいはプラスチックフィルム上に形成されたホログラフィー像は様々な用途に幅広く利用される。発明の製造工程においては、市販の予め印刷されたホリグラフィー像(例えば、Crown Roll Leaf,Inc.−Paterson NJ製のもの)をセミ・ドライマニキュアコーティング表面へラミネーション工程で転写する。具体的には、まず接着剤のコーティング(8−13ミクロンの厚み)をリリースライナーへ塗布して、接着剤のコーティングが完全に乾くのを待つ。次に、透明なコロジオンあるいはカラーネイルコーティングである液体調合物(好ましくは、上述の例2あるいは例3、しかし、従前の粘度のものでも構わない)を接着層に塗布する。そして、結果としてできるフィルムを、溶剤残留量が2−15%になるまで乾燥させ、これによりフィルムの柔軟性を保持する。その後、前記フィルムに対して、一以上のホリグラフィーデザインを持つ市販の転写可能なホログラフィーフィルムを、当業者にはよく知られた産業上の加熱ラミネータの類を使用してラミネートする。最後に、透明のマニキュアコーティングをフィルムに塗布して、溶剤残留量が3−15%になるまで乾燥させ、爪の形にダイス切断を行い包装する。
【0060】
発明の方法から作成できる別の製品はクロムのセミ・ドライマニキュアフィルムである。この製品には、ホログラフィーのレベルの輝きほどキラキラはしていないが、素晴らしいメタリック色という独自の特徴をもつ、美しいメタリックな輝きがある。これは、10%−25%の60−80秒のニトロセルロースというより重い荷重を持つ、上述の例2の調合物を利用して形成される。この、より高粘度のニトロセルロースを使用すると、より丈夫で、より長持ちし、より光沢に優れるドライマニキュアフィルムが作成される。より詳しくは、本発明のクロムのドライマニキュアフィルムは2週間まで持ちこたえる。それにひきかえ、ブラシで塗るタイプの市販の液状クロムマニキュアは、寿命が2−5日間しかない。
【0061】
発明の工程により作成されるまた別の製品は、「フレンチマニキュア」のような、先端に白あるいは他の色がついたネイルフィルムあるいはアップリケである。大半の従前のサロンでやってもらうフレンチマニキュアにおいては、マニキュアを塗る工程は二以上のステップで行われざるを得ない。これにより、自分でマニキュアに取り入れようとする普通の消費者にとっては技術が非常に難しくなる。しかし、この発明によれば、ユーザは単にセミ・ドライアップリケを自分の爪に貼るだけの1ステップだけでよく、フレンチマニキュアらしい外観を達成できる。前述のSoの特許(4903840)においては、「フレンチマニキュア」という言い回しが「洗練された」あるいは「ハイクラスの」という意味で使用されており、通常その用語が意味する、先端が白あるいは他の色になっている爪のことは特に示していないことに注意されたい。
【0062】
フレンチマニキュア効果は、フレンチマニキュアの先端の形のカーブを(白やゴールドなど)、下記のリストにより製造される、無地の薄い色のマニキュアフィルム(例えば、薄いピンク、クリーム、ピーチなどの色)の上から印刷することで作成される。フレンチマニキュアの先端の形が印刷されたら、透明のトップコートを塗布して、その結果できるフィルムを、溶剤残留量が約3−8%になるまで乾燥させる。最終の爪の形には定型切断され、包装される。フレンチマニキュアを達成するのに最善と思われる印刷方法には、シルクスクリーニング、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷あるいはデジタルフレキソ(Digital Flexo)、オフセット印刷、および熱間鍛造が含まれるが、これらに限定はされない。代わりに、発明の方法としては、先端部を別個の部材として形成してもよい。つまり、別個の半月型のような部材を別個の基板から形成して、主なネイルアップリケとは別に切断してもよい。二つの部材は別個に販売されるか、あるいは同じ包装内で販売されるが、お互い別個である形であっても構わず、さらには、予め組み立てられて売られていても構わない(先端の部材が主なアップリケの上部に予め貼付されている形で)。
【0063】
最後に、上で示唆したが、混合および整合のセミ・ドライマニキュアを提供することもできる。例えば、多透光色あるいはグリッタのセミ・ドライマニキュアアップリケを一つ、他の上に載せると、その結果色や効果が変わる。製品は基本的に上述のように2層あるいは3層の製品であるが、各層(あるいはまとめて各フィルム)における顔料の量は透光色のフィルムに到達する最小量であるべきである。例えば、青色のアップリケのセットを販売してもよいが、黄色のセットと組み合わせて販売されて、重ねたときに緑色になるようにしてもよい。二つの(あるいはそれ以上の)異なる色のアップリケが全く同じ寸法あるいは構成であることは要求されない。一方が他方よりも小さいと、縁取り効果が生まれる。代わりに、一方が他方よりも小さくて、爪の形でない構成(例えば、星型、ハート型、文字の形など)であってもよい。
【0064】
好ましい製造工程を今から、詳細に記載する。図11は、発明の製造工程の様々なステップを図式的に示すプロセス図である。先のSoの特許では、基板が金型に押圧されて、徐々に金型の通路から引き出され、マニキュアをコートする(例えば、Soの特許の図3Aと3Bを参照)。発明の方法は、コーティング中に決して基板に接触しないスロットコーティングダイを使用する。コーティング重量はポンプの速度(rpm)、ウェブの速度、あるいは両方を調節することで調節できる。さらに、発明の方法は、従前技術の単一コーティング、矯正ステップの代わりに、多数コーティングステップを使用する。
【0065】
図11のステップS1に記載の通り、基板ウェブ100はスプールから解き放たれ、発明の(従前の)搬送システムに装着される。ステップS2にて、接着コーティング層102Aが塗布される。このステップでは、液状の接着剤がスロットダイコーティング法で塗布されるか、あるいは、固体の接着剤が熱溶解法で塗布される。コーティングの厚みは5−20ミクロンであり、理想的な重量は5−24g/m2である。フィルムの剥離強度は2.0−2.8PLI(線状のインチに対するポンド)であり、標準偏差が0.2PLIである。ステンレススチール試験用パネルにPSTC(Pressure Sensitive Tape Council)試験法1と、所定の15分間のドウェル時間により試験を行う。剥離接着は180°に設定したIstron(登録商標)マシンでサンプルを牽引してみることで決定される。ステップS3において、400−600°Fの赤外線ヒータと130−200°Fの熱風を使用するドライヤ内で、接着剤が1−5分間、生産ライン沿いの様々なスポットのナイフノズルにより矯正される。
【0066】
第二コーティングステップがステップS4に図示されている。このコーティングは第一接着コーティングの上に堆積される、(カラー)マニキュアコーティングである。このコーティングステップは、上述のスロットカーテンコーティングダイにより達成され、コーティングの厚みは作成される製品によって15−40ミクロンである。矯正はステップS5とS6において、約400−700°FのIRヒータと様々なスポットの約130−230°Fのナイフノズルにより達成される。
【0067】
第三のコーティングはステップS4Aで、ステップS4の下流のどの時点かで適用され、オプショナルなステップである。このステップは透明トップコーティングあるいはグリッタトップコーティングをスロットカーテンコーティングダイにより適用する。このステップはマニキュアフィルムと結果物であるアップリケの輝きを極めて増し、フィルムをより丈夫に、より長持ちさせる。コーティングの厚みは15−30ミクロンであり、矯正は500−800°FのIRヒータと160−250°Fの熱風で様々なスポットのナイフノズルによる。
【0068】
第四の最終コーティングはステップS7で、最終的な好適な透明トップコートとして適用される。この処理により、平坦な表面で丈夫なフィルムが生まれる。コーティングの厚みは10−20ミクロンであり、ステップS8とS9における矯正は500−800°FのIRヒータと160−250°Fの熱風で様々なスポットのナイフノズルによる。
【0069】
この後、取り扱い用ストリップ(好適には光沢のあるホイル)がステップS10でローラにより取り付けられ、プラスチックのトップ層がステップS11で塗布される。このフィルムはその後ステップS12で、特定の爪の形のアップリケにダイス切断されるが、これについては後で説明する。最後に、真空コンベヤにより完成した製品を動かし、ステップS13の最終工程へ導く。
【0070】
アップリケの様々な最終版を図12−14に示す。図12においては、ネイルアップリケ202の基本セット200が示されている。各アップリケは大体爪の形をしており、10個の異なる大きさのアップリケが好適には提供される。ホイルのストリップ204は製品のより良い、より簡易な取り扱いを実現する。爪の形は図11のダイス切断ステップS12中に行われるのが好ましい。通常、一つのセット200はフィルムの同じ部分から切断される。図13は、1つのダイス切断ステップで、フィルムの一つの箇所から切断された多数のセット200を示している。
【0071】
図12と13のネイルアップリケ200の形状は従前のSo特許のものと等しい。これらは十個の異なる大きさのアップリケを提供した。本発明の他の改善が図14に示されている。発明のネイルアップリケ302のセット300は両端が同じ形で、一端302Aがある大きさを持ち、同じアップリケの他端302Bは前記一端302Aとは異なる大きさを持つ。この構成においては、ユーザは20個の異なる大きさのアップリケを指の爪に適用することができる。
【0072】
使用に際しては、ユーザはプラスチック310(セミ・ドライ製品が完全に乾燥するのを防ぐために施されている)を開封し、アップリケ302を裏紙301から剥がす。通常、ユーザは取り扱いの簡便性を考慮してセット300をストリップ304に保持する。そして、選択したアップリケ302の一端302AあるいはBを、任意の手の指あるいは足の指の爪の上に配置する。ユーザは爪を押圧して接着剤を効かし、皺を伸ばし、爪の周りの余分なフィルムを切断する(マニキュア鋏あるいは自分の爪を使用して)。この結果、サロンに行かなくても即席マニキュアが完成する。
【0073】
発明は上述の記載に制限されない。例えば、スロットダイコーティングが高粘度のネイルエナメルを塗布するのに好適ではあるが、グラビア法を使用してもよい。
【0074】
発明を好ましい実施形態の観点から記載したが、発明の範囲は上述の記載により限定されるべきではなく、むしろ以下の請求項により限定されるものであり、当業者に知られている全ての均等物を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘度液状ネイルエナメルを準備する工程と、
前記高粘度液状ネイルエナメルを少なくとも100°Fに加熱する工程と、
接着部材層を基板に形成する工程と、
前記加熱された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材層上に形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項2】
前記準備する工程は、固形物含有量が少なくとも35重量%である液状ネイルエナメルを準備する工程を含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項3】
前記準備する工程は、60−80秒のニトロセルロースを主たる固形物として有す液状ネイルエナメルを準備する工程を含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項4】
前記準備する工程は、60−80秒のニトロセルロースを6重量%以上有す液状ネイルエナメルを準備する工程を含む、請求項3に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項5】
第二高粘度液状ネイルエナメル層を前記第一高粘度液状エナメル層上に形成する工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項6】
第二高粘度液状ネイルエナメルを、前記第二ネイルエナメル層としての塗布用に準備する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項7】
前記高粘度液状ネイルエナメルを前記第二層に塗布する前に、粒状物質を前記高粘度液状ネイルエナメルに添加する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項8】
前記添加する工程で添加される前記粒状物質はグリッタあるいはマイカを含む、請求項7に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項9】
前記第二ネイルエナメル層は略透明である、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項10】
画像あるいはデザインを、前記第一あるいは前記第二高粘度ネイルエナメル層上に追加する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項11】
前記画像を追加する工程は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理を含む、請求項10に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項12】
略透明な高粘度液状エナメルを前記追加された画像あるいはデザイン上に塗布する工程をさらに含む、請求項10に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項13】
略透明な高粘度液状エナメルを前記第一ネイルエナメル層上に塗布する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項14】
画像あるいはデザインを前記第一高粘度ネイルエナメル層上に追加する工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項15】
前記画像を追加する工程は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理を含む、請求項14に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項16】
略透明な高粘度液状エナメルを前記追加された画像あるいはデザイン上に塗布する工程をさらに含む、請求項14に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項17】
前記準備する工程は、少なくとも二つの高粘度液状ネイルエナメル調合物を準備して、前記アップリケの製造中に前記二つの調合物を受動的に混合させる工程を含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項18】
前記二つの調合物は異なる粘度を持つ、請求項17に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項19】
前記二つの調合物は異なる色を持つ、請求項17に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項20】
前記受動的に混合させる工程は、前記調合物の各々を、別個の入力ホースを介して共通の受入タンクに汲み入れる工程を含む、請求項17に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項21】
前記汲み入れる工程は、全ての入力ホースについて共通のポンプを使用する、請求項20に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項22】
前記汲み入れる工程は、前記入力ホース各々について別個のポンプを使用する、請求項20に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項23】
前記調合物の各々の流量を制御する工程をさらに含む、請求項20に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項24】
前記流量を制御する工程は、各調合物に対して異なる直径の入力ホースを提供する工程を含む、請求項23に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項25】
前記流量を制御する工程は、前記入力ホース各々について別個のポンプを提供し、各ポンプの流量を個別に制御する工程をさらに含む、請求項23に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項26】
赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つにより、前記ネイルエナメル層を少なくとも部分的に乾燥させる工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項27】
別の層を形成する前に、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つにより、各ネイルエナメル層を少なくとも部分的に乾燥させる工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項28】
最終形成工程の後、前記製品を略指の爪の形の断片に切断する工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項29】
最終形成工程の後、前記製品を略指の爪の形の断片に切断する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項30】
最終形成工程の後、前記製品を略指の爪の形の断片に切断する工程をさらに含む、請求項13に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項31】
基板シートを搬送する少なくとも一つの手段と、
前記基板シートの上方の第一位置に配置されている第一ステーションであって、前記第一ステーションは接着剤を前記基板シートに層状に塗布する、第一ステーションと、
高粘度液状ネイルエナメルを加熱する加熱手段と、
前記基板シートの上方の、前記第一位置の下流の第二位置に配置される第二ステーションであって、前記第二ステーションは前記加熱手段と連通しており、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記基板シートの前記接着層上に、層状に塗布する、第二ステーションとを含む、ネイルアップリケ製造システム。
【請求項32】
前記基板シートの上方の、前記第二位置の下流の第三位置に配置される第三ステーションであって、前記第三ステーションは前記加熱手段と連通しており、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記基板シートの、前のネイルエナメル層上に、層状に塗布する、第三ステーションをさらに含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項33】
前記基板シートと熱連通するよう配置されるヒータをさらに含み、前記ヒータの少なくとも一つは前記第一位置より下流であって前記第二位置の上流に配置されており、前記ヒータの少なくとも他の一つは前記第二位置の下流に配置されている、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項34】
前記ヒータは、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つ、あるいは両方を含む、請求項33に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項35】
最終材料適用ステーションの下流に配置されるダイス切断機をさらに含み、前記ダイス切断機は前記基板およびその様々な層を所定の形状に切断するよう適合している、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項36】
前記ステーションの各々はスロットダイを含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項37】
前記スロットダイは、
液状部材を受け入れるインレットを持つ前面ダイ部であって、前記インレットはアウトレット穴と連通しており、前記アウトレット穴は前記前面ダイ部の第一面に形成された流路と連通している、前面ダイ部と、
前記前面ダイ部の前記第一面にしっかり取り付け可能な裏面ダイ部と、
前記前面ダイ部と前記裏面ダイ部との間にしっかり配置可能なシムとを含む、請求項36に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項38】
前記シムは前記前面ダイ部と前記裏面ダイ部との間にしっかり配置でき、前記シムは前記流路のいくらかを被覆するが、前記流路のその他の箇所は被覆せず、前記インレットに入る前記液状部材は、前記被覆されていない流路から前記基板へと浸出する、請求項37に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項39】
前記第二ステーションと前記第三ステーションは各々、加熱された高粘度液状エナメルの異なる調合物を受け取る、請求項32に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項40】
前記第二ステーションと連通しており、液状エナメルの一つの調合物を前記第二ステーションへ汲み出す第一ポンプと、
前記第三ステーションと連通しており、液状エナメルの第二の調合物を前記第三ステーションへ汲み出す第二ポンプとをさらに含む、請求項39に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項41】
前記加熱手段と、加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記加熱手段から受け取る前記第二ステーションとの間に介在させられる受入容器をさらに含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項42】
前記受入容器は複数の入力ホースを含み、前記入力ホースの各々は異なる液状ネイルエナメルの調合物を受け取り、前記受入容器に配給することができる、請求項41に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項43】
前記第二ステーションの下流にあり、前記エナメル層に対して、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により、画像あるいはデザインを印刷するよう適合している印刷ステーションをさらに含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項44】
前記印刷ステーションの下流にあり、前記画像あるいはデザインの層の上に透明な高粘度液状ネイルエナメル層を形成するよう適合している第四ステーションをさらに含む、請求項43に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項45】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板上に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、高粘度液状ネイルエナメルを使用して形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層とを含む、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項46】
前記ネイルエナメル層は、固形物含有量が少なくとも35重量%である液状ネイルエナメルから形成される、請求項44に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項47】
前記ネイルエナメル層は、60−80秒のニトロセルロースを主たる固形物として有す液状ネイルエナメルから形成される、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項48】
前記ネイルエナメル層は、60−80秒のニトロセルロースを6重量%以上有す液状ネイルエナメルから形成される、請求項47に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項49】
高粘度液状ネイルエナメルから形成される第二ネイルエナメル層をさらに含む、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項50】
前記第二ネイルエナメル層は、前記第一層とは高粘度液状ネイルエナメル調合物が異なる、請求項49に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項51】
製造中、いずれかのネイルエナメル層に対して添加される粒状物質をさらに含む、請求項50に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項52】
前記第二ネイルエナメル層は、略透明な高粘度液状ネイルエナメル調合物から形成される、請求項50に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項53】
前記少なくとも一つのネイルエナメル層上に配置される画像層をさらに含む、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項54】
前記画像層は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により形成される、請求項53に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項55】
前記ネイルエナメル層は、液体状の間に受動的に混合される複数の液状ネイルエナメル調合物から形成される、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項56】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる色をもつ、請求項55に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項57】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる粘度をもつ、請求項55に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項58】
ネイルアップリケ製造方法であって、
少なくとも二つの液状ネイルエナメル調合物を準備する工程と、
前記アップリケの製造中に、前記少なくとも二つの調合物を受動的に混合させる工程と、
基板に接着部材層を形成する工程と、
前記混合された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材上に形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項59】
液状ネイルエナメルを準備する工程と、
前記液状ネイルエナメルに粒状物質を添加する工程と、
基板に接着部材層を形成する工程と、
前記接着部材層上に、第一の前記液状ネイルエナメルの層を形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項60】
前記添加する工程中で添加される前記粒状物質はグリッタあるいはマイカを含む、請求項59に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項61】
液状ネイルエナメルを準備する工程と、
基板に接着部材層を形成する工程と、
前記接着部材層上に、第一の前記液状ネイルエナメルの層を形成する工程と、
前記第一ネイルエナメル層上に、画像あるいはデザインを追加する工程とを含み、
前記画像を追加する工程は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理を含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項62】
前記追加された画像あるいはデザインの上に、略透明な液状エナメルを塗布する工程をさらに含む、請求項61に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項63】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、高粘度液状ネイルエナメルを使用して形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層とを含み、
前記ネイルエナメル層は、液体状の間に受動的に混合される複数の液状ネイルエナメル調合物から形成される、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項64】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる色を持つ、請求項63に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項65】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる粘度をもつ、請求項63に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項66】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、液状ネイルエナメルから形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層と、
製造中、前記少なくとも一つのネイルエナメル層に添加される粒状物質とを含む、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項67】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、液状ネイルエナメルから形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層と、
前記少なくとも一つのネイルエナメル層上に配置される画像層とを含み、
前記画像層は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により形成される、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項1】
高粘度液状ネイルエナメルを準備する工程と、
前記高粘度液状ネイルエナメルを少なくとも100°Fに加熱する工程と、
接着部材層を基板に形成する工程と、
前記加熱された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材層上に形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項2】
前記準備する工程は、固形物含有量が少なくとも35重量%である液状ネイルエナメルを準備する工程を含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項3】
前記準備する工程は、60−80秒のニトロセルロースを主たる固形物として有す液状ネイルエナメルを準備する工程を含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項4】
前記準備する工程は、60−80秒のニトロセルロースを6重量%以上有す液状ネイルエナメルを準備する工程を含む、請求項3に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項5】
第二高粘度液状ネイルエナメル層を前記第一高粘度液状エナメル層上に形成する工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項6】
第二高粘度液状ネイルエナメルを、前記第二ネイルエナメル層としての塗布用に準備する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項7】
前記高粘度液状ネイルエナメルを前記第二層に塗布する前に、粒状物質を前記高粘度液状ネイルエナメルに添加する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項8】
前記添加する工程で添加される前記粒状物質はグリッタあるいはマイカを含む、請求項7に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項9】
前記第二ネイルエナメル層は略透明である、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項10】
画像あるいはデザインを、前記第一あるいは前記第二高粘度ネイルエナメル層上に追加する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項11】
前記画像を追加する工程は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理を含む、請求項10に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項12】
略透明な高粘度液状エナメルを前記追加された画像あるいはデザイン上に塗布する工程をさらに含む、請求項10に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項13】
略透明な高粘度液状エナメルを前記第一ネイルエナメル層上に塗布する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項14】
画像あるいはデザインを前記第一高粘度ネイルエナメル層上に追加する工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項15】
前記画像を追加する工程は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理を含む、請求項14に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項16】
略透明な高粘度液状エナメルを前記追加された画像あるいはデザイン上に塗布する工程をさらに含む、請求項14に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項17】
前記準備する工程は、少なくとも二つの高粘度液状ネイルエナメル調合物を準備して、前記アップリケの製造中に前記二つの調合物を受動的に混合させる工程を含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項18】
前記二つの調合物は異なる粘度を持つ、請求項17に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項19】
前記二つの調合物は異なる色を持つ、請求項17に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項20】
前記受動的に混合させる工程は、前記調合物の各々を、別個の入力ホースを介して共通の受入タンクに汲み入れる工程を含む、請求項17に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項21】
前記汲み入れる工程は、全ての入力ホースについて共通のポンプを使用する、請求項20に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項22】
前記汲み入れる工程は、前記入力ホース各々について別個のポンプを使用する、請求項20に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項23】
前記調合物の各々の流量を制御する工程をさらに含む、請求項20に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項24】
前記流量を制御する工程は、各調合物に対して異なる直径の入力ホースを提供する工程を含む、請求項23に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項25】
前記流量を制御する工程は、前記入力ホース各々について別個のポンプを提供し、各ポンプの流量を個別に制御する工程をさらに含む、請求項23に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項26】
赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つにより、前記ネイルエナメル層を少なくとも部分的に乾燥させる工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項27】
別の層を形成する前に、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つにより、各ネイルエナメル層を少なくとも部分的に乾燥させる工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項28】
最終形成工程の後、前記製品を略指の爪の形の断片に切断する工程をさらに含む、請求項1に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項29】
最終形成工程の後、前記製品を略指の爪の形の断片に切断する工程をさらに含む、請求項5に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項30】
最終形成工程の後、前記製品を略指の爪の形の断片に切断する工程をさらに含む、請求項13に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項31】
基板シートを搬送する少なくとも一つの手段と、
前記基板シートの上方の第一位置に配置されている第一ステーションであって、前記第一ステーションは接着剤を前記基板シートに層状に塗布する、第一ステーションと、
高粘度液状ネイルエナメルを加熱する加熱手段と、
前記基板シートの上方の、前記第一位置の下流の第二位置に配置される第二ステーションであって、前記第二ステーションは前記加熱手段と連通しており、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記基板シートの前記接着層上に、層状に塗布する、第二ステーションとを含む、ネイルアップリケ製造システム。
【請求項32】
前記基板シートの上方の、前記第二位置の下流の第三位置に配置される第三ステーションであって、前記第三ステーションは前記加熱手段と連通しており、前記加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記基板シートの、前のネイルエナメル層上に、層状に塗布する、第三ステーションをさらに含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項33】
前記基板シートと熱連通するよう配置されるヒータをさらに含み、前記ヒータの少なくとも一つは前記第一位置より下流であって前記第二位置の上流に配置されており、前記ヒータの少なくとも他の一つは前記第二位置の下流に配置されている、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項34】
前記ヒータは、赤外線ヒータと熱風送風機の少なくとも一つ、あるいは両方を含む、請求項33に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項35】
最終材料適用ステーションの下流に配置されるダイス切断機をさらに含み、前記ダイス切断機は前記基板およびその様々な層を所定の形状に切断するよう適合している、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項36】
前記ステーションの各々はスロットダイを含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項37】
前記スロットダイは、
液状部材を受け入れるインレットを持つ前面ダイ部であって、前記インレットはアウトレット穴と連通しており、前記アウトレット穴は前記前面ダイ部の第一面に形成された流路と連通している、前面ダイ部と、
前記前面ダイ部の前記第一面にしっかり取り付け可能な裏面ダイ部と、
前記前面ダイ部と前記裏面ダイ部との間にしっかり配置可能なシムとを含む、請求項36に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項38】
前記シムは前記前面ダイ部と前記裏面ダイ部との間にしっかり配置でき、前記シムは前記流路のいくらかを被覆するが、前記流路のその他の箇所は被覆せず、前記インレットに入る前記液状部材は、前記被覆されていない流路から前記基板へと浸出する、請求項37に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項39】
前記第二ステーションと前記第三ステーションは各々、加熱された高粘度液状エナメルの異なる調合物を受け取る、請求項32に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項40】
前記第二ステーションと連通しており、液状エナメルの一つの調合物を前記第二ステーションへ汲み出す第一ポンプと、
前記第三ステーションと連通しており、液状エナメルの第二の調合物を前記第三ステーションへ汲み出す第二ポンプとをさらに含む、請求項39に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項41】
前記加熱手段と、加熱された高粘度液状ネイルエナメルを前記加熱手段から受け取る前記第二ステーションとの間に介在させられる受入容器をさらに含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項42】
前記受入容器は複数の入力ホースを含み、前記入力ホースの各々は異なる液状ネイルエナメルの調合物を受け取り、前記受入容器に配給することができる、請求項41に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項43】
前記第二ステーションの下流にあり、前記エナメル層に対して、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により、画像あるいはデザインを印刷するよう適合している印刷ステーションをさらに含む、請求項31に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項44】
前記印刷ステーションの下流にあり、前記画像あるいはデザインの層の上に透明な高粘度液状ネイルエナメル層を形成するよう適合している第四ステーションをさらに含む、請求項43に記載のネイルアップリケ製造システム。
【請求項45】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板上に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、高粘度液状ネイルエナメルを使用して形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層とを含む、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項46】
前記ネイルエナメル層は、固形物含有量が少なくとも35重量%である液状ネイルエナメルから形成される、請求項44に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項47】
前記ネイルエナメル層は、60−80秒のニトロセルロースを主たる固形物として有す液状ネイルエナメルから形成される、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項48】
前記ネイルエナメル層は、60−80秒のニトロセルロースを6重量%以上有す液状ネイルエナメルから形成される、請求項47に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項49】
高粘度液状ネイルエナメルから形成される第二ネイルエナメル層をさらに含む、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項50】
前記第二ネイルエナメル層は、前記第一層とは高粘度液状ネイルエナメル調合物が異なる、請求項49に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項51】
製造中、いずれかのネイルエナメル層に対して添加される粒状物質をさらに含む、請求項50に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項52】
前記第二ネイルエナメル層は、略透明な高粘度液状ネイルエナメル調合物から形成される、請求項50に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項53】
前記少なくとも一つのネイルエナメル層上に配置される画像層をさらに含む、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項54】
前記画像層は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により形成される、請求項53に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項55】
前記ネイルエナメル層は、液体状の間に受動的に混合される複数の液状ネイルエナメル調合物から形成される、請求項45に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項56】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる色をもつ、請求項55に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項57】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる粘度をもつ、請求項55に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項58】
ネイルアップリケ製造方法であって、
少なくとも二つの液状ネイルエナメル調合物を準備する工程と、
前記アップリケの製造中に、前記少なくとも二つの調合物を受動的に混合させる工程と、
基板に接着部材層を形成する工程と、
前記混合された第一液状ネイルエナメル層を前記接着部材上に形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項59】
液状ネイルエナメルを準備する工程と、
前記液状ネイルエナメルに粒状物質を添加する工程と、
基板に接着部材層を形成する工程と、
前記接着部材層上に、第一の前記液状ネイルエナメルの層を形成する工程とを含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項60】
前記添加する工程中で添加される前記粒状物質はグリッタあるいはマイカを含む、請求項59に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項61】
液状ネイルエナメルを準備する工程と、
基板に接着部材層を形成する工程と、
前記接着部材層上に、第一の前記液状ネイルエナメルの層を形成する工程と、
前記第一ネイルエナメル層上に、画像あるいはデザインを追加する工程とを含み、
前記画像を追加する工程は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理を含む、ネイルアップリケ製造方法。
【請求項62】
前記追加された画像あるいはデザインの上に、略透明な液状エナメルを塗布する工程をさらに含む、請求項61に記載のネイルアップリケ製造方法。
【請求項63】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、高粘度液状ネイルエナメルを使用して形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層とを含み、
前記ネイルエナメル層は、液体状の間に受動的に混合される複数の液状ネイルエナメル調合物から形成される、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項64】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる色を持つ、請求項63に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項65】
前記複数の液状ネイルエナメル調合物は異なる粘度をもつ、請求項63に記載の自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項66】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、液状ネイルエナメルから形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層と、
製造中、前記少なくとも一つのネイルエナメル層に添加される粒状物質とを含む、自動接着性ネイルアップリケ。
【請求項67】
取り外し可能な基板と、
前記取り外し可能な基板に配置される感圧接着層と、
前記感圧接着層に対して、液状ネイルエナメルから形成される、少なくとも一つのネイルエナメル層と、
前記少なくとも一つのネイルエナメル層上に配置される画像層とを含み、
前記画像層は、シルクスクリーニング印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、デジタルフレキソ印刷、オフセット印刷、熱間鍛造、ホログラフィーラミネーションのうち少なくとも一つの処理により形成される、自動接着性ネイルアップリケ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−537285(P2007−537285A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513365(P2007−513365)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/016667
【国際公開番号】WO2005/112873
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506360756)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/016667
【国際公開番号】WO2005/112873
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506360756)
【Fターム(参考)】
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