説明

ドラムの減衰固定具

【課題】打たれたドラムヘッド膜により生成される共鳴音を減衰させるデバイスを提供する。
【解決手段】少なくとも1つの開口部と、開口部を覆っている打面42を備えた、ぴんと張られた膜34を備えたドラムヘッド30とを有する中空のシェルを備えた音楽用ドラムと組み合わせて、打面上に取り付けられている環状固定具であって、固定具44は、打面に対向する内面を有するフランジ部材に隣接する外側同心縁部と、前記打面から離間されている内側同心縁部と、環状固定具で固定され保持された関係で減衰部材を受容するためにドラムヘッドと共に環状溝部を画定する内側同心縁部に隣接する領域とを有する、環状固定具から成る。減衰部材を含む環状固定具は、フランジ部材を打面に取り付けるために設けられる、一連の増加的に離間された非接着手段、または連続的配列で配設されている非接着手段により、打面に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に音楽用ドラムの分野に関し、さらに詳細には、ドラムの音を減衰させてその音響的魅力を高める、改良された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラムはドラムヘッドと呼ばれる少なくとも1つの膜を含むため、「膜状」と言われる楽器の打楽器群の1つである。ドラムヘッドは、通常、シェルの一方の端部または両端部を覆って張設されており、シェルは、ドラム音の所望の特徴および他の美的要因によって幅および高さおよびさらには形状が変化する中空の円筒または槽である。音は、ドラムヘッドをスティック、マレット、ブラシ、またはさらには演奏者の手で叩くことにより生成される。最近のバンドドラムおよびオーケストラドラムでは、ドラムヘッドは、ドラムの開口部を覆って配置されており、通常、カウンターフープによりシェルに取り付けられており、シェル外面を巡って均一に配置されている対応する突起物内にねじ留めできる一連のテンションロッドによりシェルに固定されている。ヘッドの張りは、ロッドをしっかり締めるかまたは緩めるだけで調節され得る。ドラムの音は、シェルの形状、寸法および厚さ、シェルが製造される材料、カウンターフープの材料、ドラムヘッドを構成している材料(通常はポリエステル)、およびドラムヘッドにかけられる張力量を含むがそれらに限定されない種々の要因に左右される。
【0003】
先行技術で公知であるのは、共鳴倍音ならびに関連する望ましくない高周波音および長引く減衰時間に関する絶えざる問題である。これらの問題に対処するために、長年に亙って、様々な手段および努力が、特に、ドラムヘッドが叩かれた場合に減衰時間を減少させ、低減し、またはさらには無くしかつ望ましくない高周波音の振幅を減少させる努力が試みられてきた。これらの手段および努力には、ドラムのシェルの内部に毛布または枕または何らかの同様の物質を配置すること、任意の種類のドラムのドラムヘッド上に直接、ドラムヘッドの打たれる面または打たれない面のどちらかの上に、接着剤、もしくは布、紙、プラスチック等などの何らかの他の種類の物質を配置することなどの簡単な方策が含まれる。しかし、これらの努力の結果は、一貫性がなく、信頼性がないことも多かった。これら物質の多くの見苦しい外見の他に、減衰物質により影響を及ぼされているかまたは覆われている領域を打たないようにする努力において、打面(playing surface)の全表面積を使用することができないことを含む他の問題が存続している。周波数を減衰させ減衰を低減するこれら先行技術の努力に関する別の問題が、ドラムヘッド上でのこれら物質の不均一な配分のせいで、これら減衰物質の全部ではないが多くが、ドラム音の不均一な消音を引き起こす傾向である。
【0004】
ドラムセットのバスドラムは、バスドラムペダルに関係して用いられる演奏技術のために、一貫して消音することが特に難しい。奏者によっては、例えば、自身の脚全体をペダル上に下ろして、衝撃時にペダルビータをヘッドに当接したままにすることを好む。このことは、急速な減衰音と増大した高周波を有する音をもたらす。他の奏者は、自身の踵を床に置いて演奏するので、衝撃後にビータがドラムヘッドから後退することを可能にする。その結果、この例では、音はより長い減衰を有する。
【0005】
米国特許第5,892,168号が、望ましくない共鳴音または音減衰の振幅および継続時間を最小化する目的でドラムに取り付けられている浮遊式吸音消音リング(a floating sound absorbing mullfing ring)を備えたドラムヘッドを開示している。消音リングは、平坦で、幅が広く、環状であり、様々な間隔でドラムヘッドの内面すなわち打たれない面に取り付けられており、固定された位置の間にあるリングの部分が浮遊することを可能にする。このことはまた、打面が物体により打たれた時に、取り付けられていない部分がドラムヘッド膜から一瞬離れて動き、次いで、膜と接触するように直ちに戻ることを可能にする。その目的は、ヘッドが打たれた時に生成される膜振動の減衰を最小化し、減衰が低減した、より望ましい切れの良い音もたらすことである。このデバイスは、ドラムヘッドから高周波および中周波を全て除去して、米国特許第5,107,741号および同第5,088,376号に開示されている枕減衰システムと類似した音をもたらす傾向がある。しかし、この種の消音は、一般に、打たれた膜により生成される、最初のドラム音の鮮やかさおよび切れの良さを失わせる。そのような大表面積を有して幅広い消音リングは過剰な音響エネルギーを吸収するため、音の音量も低減される。
【0006】
シェル室の内側にドラムヘッドの打たれない面に当接してデバイスが配置されているので、この装置に関連する欠点にはまた、デバイスを交換するために、または調節するために、または修理するために、デバイスに容易に手を届かせることができないことも含まれる。別の欠点が、シェル室の内側にデバイスを配置することにより引き起こされる、ドラム音の付加的な、望ましくないことが多い抑制であり、その抑制は、消音リングを膜に当接させることによりもたらされる効果に加えて、それ自体の消音効果をもたらす。
【0007】
米国特許第6,291,754(B1)号は、ドラムヘッドの打面の外周に接着剤で取り付けられている、外部から取り付けられた減衰固定具から成る消音手段を例示している。固定具は、種々の材料、好ましくは発泡体で作製されている取外し可能な消音リングを受容する環状溝部を画定する。このデバイスに関連する深刻な欠点は、固定具をドラムヘッド膜の外周に結合する接着剤の排他的使用である。当初、接着結合は確実であるように見え、固定具の全外周部分と膜との間の結合は完全なままである。しかし、最終的に、接着結合は劣化し始める。結合は乾燥し、もろくなり、その接着特性を失う。このことにより、固定具はその外周全体で緩み、それにより、膜が打たれ振動させられる度に、ドラム膜にぶつかる分離した固定具部分がガタガタ鳴ることから生成される様々な望ましくない音を発する。このことにより、ドラム音の不均一な消音に加えて、固定具の部分と膜とが膜の外周を巡って結合を損失した所はどこでも、固定具の他の意図された長所および目的がひどく弱体化し、デバイスが劣った状態に追いやられる。
【0008】
米国特許第5,892,168号は、ドラムヘッドの下方に配置されているベアリングエッジ受け皿(bearing edge tray)を使用する。種々の発泡体リングおよび発泡体円板が、受け皿との組み合わせで使用されてもよい。このシステムは、ドラムヘッドに取り付けられないため、枕システムで経験により分かった結果と類似した音量の損失および減衰時間の増加がある。
【0009】
本発明のドラムの減衰固定具は、固定具をドラムヘッドに取り付けるために、増加的に離間されてまたは連続的配列で配設されてのどちらかで、非接着結合を用いてドラムヘッドの打面の外周部分上に外部から取り付けられる取付け式減衰要素と一体となった固定具から成る改良された装置を提供することにより、先行技術の問題を解決する。この改良された装置は、固定具の外周の裏面に接着されている緩衝材または詰め物と結合されており、持続可能な永久的結合と、固定具の外周の緩い部分が膜にぶつかることにより別途引き起こされる可能性があると考えられる振動雑音の消去とを確実にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,892,168号
【特許文献2】米国特許第5,107,741号
【特許文献3】米国特許第5,088,376号
【特許文献4】米国特許第6,291,754(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、打たれたドラムヘッド膜により生成される共鳴音を減衰させる改良されたデバイスを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、非接着手段を利用して減衰デバイスをドラムヘッドの打面に固定する、打たれたドラムヘッド膜から発せられる共鳴音を減衰させる改良されたデバイスを提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、増加的に離間された非接着手段が減衰デバイスをドラムヘッドの打面に固定する、改良されたデバイスを提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、連続的配列で配設されている非接着手段を利用して減衰デバイスをドラムヘッドの打面に固定する、打たれたドラムヘッド膜から発せられる共鳴音を減衰させる、改良されたデバイスを提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、減衰デバイスと打面とが膜の外周の所でそれに沿って接触した場合の振動および振動で生成される雑音を低減するかまたは消去するかのどちらかにより制御する手段を含む、打たれたドラムヘッド膜により生成される共鳴音を減衰させる改良されたデバイスを提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、製造するのが容易でかつ費用効果的な、打たれたドラムヘッド膜により生成される共鳴音を減衰させる改良されたデバイスを提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、ドラムヘッドの打面上に取付け易く固定し易い、その構成部品のいずれかの修理または交換のために手を届かせるのに都合がよい、打たれたドラムヘッド膜により生成される共鳴音を減衰させる改良されたデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
その好適な実施形態では、本発明は、少なくとも1つの開口部と、開口部を覆っている打面を備えた、ぴんと張られた膜を備えたドラムヘッドとを有する中空のシェルを備えた音楽用ドラムと組み合わせて、ドラムヘッドを叩くと生成される共鳴するドラム音を減衰させる改良された手段を提供する。減衰手段は、打面上に取り付けられている環状固定具であって、固定具は、打面に対向する内面を有するフランジ部材に隣接する外側同心縁部と、前記打面から離間されている内側同心縁部と、環状固定具で固定され保持された関係で減衰部材を受容するためにドラムヘッドと共に環状溝部を画定する内側同心縁部に隣接する領域とを有する、環状固定具から成る。減衰部材を含む環状固定具は、一連の増加的に離間された非接着手段、またはフランジ部材を打面に取り付けるために設けられている連続的配列で配設されている非接着手段により、打面に取り付けられている。ドラムヘッドが打たれると、内面と打面とが接触するドラムヘッドの部分に沿って起こる振動および振動で生成される雑音を低減するかまたは消去する手段は、フランジ部材の内面と略共形の関係(conformal relation)で含まれている。
【0019】
本発明の好適な実施形態が示されている添付図面に照らして考慮すると、本発明の他の目的および利点が、以下の明細事項において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による、打たれたドラムヘッドにより生成される共鳴音を減衰させるデバイスを含む、ドラムセットのバスドラムの正面斜視図である。
【図2】本発明による、打たれたドラムヘッドにより生成される共鳴音を減衰させるデバイスの斜視図である。
【図3】本発明による、打たれたドラムヘッドにより生成される共鳴音を減衰させるデバイスの分解斜視図である。
【図4】本発明による、打たれたドラムヘッドにより生成される共鳴音を減衰させるデバイスの正面図である。
【図5】線5−5に沿った、本発明の好適な実施形態による、図4の共鳴音を減衰させるデバイスの部分断面図である。
【図6】本発明の代替的実施形態による、共鳴音を減衰させるデバイスの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ドラムセットのバスドラム10と組み合わせて示されている、本発明による、改良された音楽用ドラムの好適な実施形態を示す。
【0022】
バスドラム10は、中空の円筒状シェル12とドラムヘッド14とを含む。また、支持脚部18と、足踏みペダル20と、足踏みペダル20が押し下げられるとドラムヘッド14を叩かされてドラム音を生成するマレット22とを含む、バスペダル組立体16が示されている。シェル12の外壁24の周囲に、ドラムヘッド14をぴんと張るのに使用される一連のテンションロッドおよび突起物26が取り付けられている。シェル12の端部28を覆ってしっかりと嵌合しており、かつドラムヘッド14の張りを調節するのにも役立つテンションロッドおよび突起物26によりその位置に堅く保持されているカウンターフープ32から成るドラムヘッド組立体30が、シェル12の一方の端部28に取り付けられ、それを覆っている。また、ドラムヘッド組立体30の一部が膜34であり、カウンターフープ32により画定されている内部空間に亙るように形成されており、かつカウンターフープ32の内部に形成されており、その中に任意の適切な樹脂材料37が注がれ硬化された外周溝部38内に環状縁部36を配置することにより、そこに固定されている。本発明の適用は、マーチング手持ち式バスドラム(図示せず)を含むがそれに限定されない種々の他のドラムに拡大する。
【0023】
ドラムヘッド14は、内面すなわち打たれない面40と、打面としても既知の外面すなわち打たれる面42と、外周部分41とを含む。
【0024】
本発明のドラムの減衰固定具44が、図2および図4にその組み立てられた形状で、図3の分解図に、図1にバスドラム10と組み合わせて、かつ図5および図6の横断面に、示されている。
【0025】
減衰固定具44は、内面45および外面47を有する環状リング46を含む。固定具44はポリエステルで作製されることが好ましいが、任意の他の適切な合成材料(例えば、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂)または天然材料で作製されてもよく、通常、厚さが0.254cm(0.1インチ)あるが、厚さは、従来の様々な要因によって、0.127cm(0.05インチ)と0.381cm(0.15インチ)との間で変化し変動する可能性がある。固定具44の外周部分74は、外面52と内面54とを有するフランジ51を画定する外側同心縁部50を含む。固定具44の内側外周部分53に沿って、外面60と内面62とを有する径方向内側部分58を画定する内側同心縁部56がある。固定具44は、通常、平らに水平に置かれると内側同心縁部56により画定される領域に沿ってより高く、かつ外側同心縁部50により画定される領域に沿ってその最低点にある先細の外形を有する。
【0026】
一般的に、遅延音減衰および望ましくない高周波を引き起こすドラムの膜振動を低減するかまたは消去するのに適した吸音特性を有する発泡体、フェルト、ゴム、パイプ掃除具、撚り糸、紙、空気またはジェルが充填された小包、または任意の他の適切な天然材料もしくは合成材料で作製されている環状減衰部材64が、内側同心縁部56から中に引っ込められて内面45に取り付けられている。環状減衰部材64は、幅が3.492cm(1.375インチ)あり(1.905cm(0.75インチ)と5.08cm(2インチ)の間で変動する)、厚さが0.635cm(0.25インチ)ある(0.3175cm(0.125インチ)と0.9525cm(0.375インチ)の間で変動する)ことが好ましい。
【0027】
その好適な実施形態では、環状減衰部材64は、固定具44がドラムヘッド14に取り付けられた場合に固定具44の下方に作り出される空間63に合致する楔形である。環状減衰部材64は、固定具44の内面45に取り付けられる場合により容易に自体を合致させることを可能にするために、複数の径方向刻み目65を含む。環状減衰部材64は、任意の適切な接着剤55またはしっかりした結合を可能にする他の手段を使用して、内側同心縁部56と外側同心縁部50との間の内面45に取り付けられる。
【0028】
固定具44はまた、先細になっておらずかつ適宜構成されている環状減衰部材64を収容すると考えられる長方形の外形を有するものを含むがそれに限定されない他の構成を採用してもよい。ある例が、均一な厚さの取り付けられた環状減衰部材64を有する、長方形に構成されている固定具44であってもよいと考えられる。
【0029】
打たれた膜により生成される望ましくない音の吸収において助けとなるために、環状減衰部材68が、この目的のための任意の適切な結合剤57を使用して、全体的または部分的な等角関係で環状減衰部材64への取付けにより利用されてもよい。環状減衰部材68は、幅が1.778cm(0.70インチ)あり(0.9525cm(0.375インチ)と3.81cm(1.5インチ)の間で変動する)、厚さが1.333cm(0.525インチ)ある(1.587cm(0.625インチ)と2.286cm(0.90インチ)の間で変動する)ことが好ましく、通常、フェルトで構成されているが、前段で詳述された、音を減衰させるのに適した任意の材料が、適切である可能性があると考えられる。
【0030】
フランジ51の任意のまたは少なくとも任意の顕著なばたつきを確実に防ぐために外周部分41に当接して設けられている環状詰め物90が、フランジ51の内面54に結合され合致している。詰め物90は、幅が0.9525cm(0.375インチ)あり、厚さが0.7925cm(0.312インチ)あることが好ましいが、幅が0.635cm(0.25インチ)と1.016cm(0.4インチ)の間で変動し、厚さが0.0762cm(0.03インチ)と1.587cm(0.625インチ)の間で変動する可能性がある。具体的には、一連の溶接部73と組み合わさった詰め物90、または本明細書に詳述されている任意の他の適切な手段が、溶接部間の領域内でかまたはその横方向にかのどちらかで、打たれたドラムヘッドにより生成される振動の結果としてフランジ51が外周部分41にぶつかるのを防止する。任意の適切な接着剤または他の適切な結合剤または手段59が利用されて、内面54を詰め物90に永久的に固定してもよい。
【0031】
その組み立てられた形状の減衰固定具44は、打たれる面42上に配置され、ドラムヘッド14と固定具44との幾何学的中心が略一直線になっているように置かれる。超音波溶接、かすがい、鋲、縫い糸、または任意の他の非接着の適切な手段を使用して、減衰固定具44は、ドラムヘッド14に取り付けられる。一例では、減衰固定具44の外周部分74を巡って間隔を置いて配置されている複数の個々の溶接部73などの一連の結合要素72が、この目的のために使用される。外周部分74に沿って配設されている連続的溶接部配列が、同様に使用されてもよい別のものである。かすがい、鋲、縫い糸および他の非接着の代替案が同様に使用されてもよい。溶接が選択された手段である場合、各個々の溶接部73は、従来の溶接法(例えば、超音波)を用いて形成され、フランジ51を外周部分41と一体化させまたは合体させ、2つの材料を一緒に固着する複数の略均一に離間された溶接部を作り出す。超音波溶接部は、任意の形状であってもよく、またはさらには、詳述された通り、1つの連続的な溶接ビードまたは線であってもよい。好適な実施形態では、溶接部は30個の溶接部の極性配列であり、各溶接部は、直径およそ0.475cm(0.187インチ)である。各溶接部の寸法は変動する可能性がある。例えば、円形溶接部の直径は、0.3175cm(0.125インチ)と0.7925cm(0.312インチ)の間で変動する可能性がある。
【0032】
したがって、その好適な適用では、減衰固定具44は、固定具と膜との対向面を実質的にまたは完全に接触しているように維持して、完全に消去しない場合は、異なって構成されている先行技術のデバイスに同じように関連しておりかつ最も広く行き渡ったいかなる振動雑音の問題も低減するというさらなる目的を果たしながら、共鳴音の望ましくない高周波を減衰させ、完全に消去しない場合は、ヘッドが打たれた後に吸音材料を打たれたヘッドに当接させることにより、関連する音減衰を低減し、固定具をドラムヘッド膜に結合させる一連の離間された非接着手段または連続的配列で配設されている非接着手段を使用することにより、デバイスの耐用期間および長期間の有効性を持続する。
【0033】
本発明はある好適な実施形態に関連して記載されるであろうが、本発明をその特定の実施形態に限定することが意図されていないことが理解されるべきである。むしろ、添付の特許請求の範囲により定められる本発明の精神および範囲内に含まれてもよい全ての代替案、修正形態、および等価物を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0034】
10 バスドラム
12 シェル
14 ドラムヘッド
16 バスペダル組立体
18 支持脚部
20 足踏みペダル
22 マレット
24 (シェルの)外壁
26 テンションロッドおよび突起物
28 (シェルの)端部
30 ドラムヘッド組立体
32 カウンターフープ
34 膜
36 環状縁部
38 外周溝部
40 内面、打たれない面
41 外周部分
42 外面、打たれる面、打面
44 (ドラムの)減衰固定具
45 (環状リングの)内面
46 環状リング
47 (環状リングの)外面
50 外側同心縁部
51 フランジ
52 (フランジの)外面
53 内側外周部分
54 (フランジの)内面
55 接着剤
56 内側同心縁部
57 結合剤
58 径方向内側部分
59 手段
60 (径方向内側部分の)外面
62 (径方向内側部分の)内面
63 空間
64、68 環状減衰部材
65 径方向刻み目
72 結合要素
73 溶接部
74 (固定具の)外周部分
90 詰め物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの開口部を有し、かつ前記開口部を覆っている打面を備えたぴんと張られた膜を含むドラムヘッドを有する中空シェルを備えた音楽用ドラムにおいて、改良点には、
前記ドラムヘッドが物体で打たれると生成される共鳴音を減衰させる手段であって、前記共鳴音を減衰させる前記手段は、前記打面上に取り付けられている環状固定具を含み、前記環状固定具は、前記打面に対向する内面を有するフランジ部材に隣接する外側同心縁部、前記打面から離間されている内側同心縁部、および前記環状固定具で固定され保持された関係で減衰部材を受容するために前記ドラムヘッドと共に環状溝部を画定する前記内側同心縁部に隣接する領域を有し、前記環状固定具は、前記フランジ部材を前記打面に永久的に接合するための非接着手段により前記打面に取り付けられており、前記対向する内面と略等角関係で、前記ドラムヘッドが打たれると前記内面と前記打面とが接触する前記ドラムヘッドの部分に沿った振動および振動で生成される雑音を低減するかまたは消去する手段を含む、手段
が含まれる、改良された音楽用ドラム。
【請求項2】
前記環状固定具は、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂から成る材料群から作製される、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項3】
前記非接着手段は、複数の溶接部、かすがい、鋲、および縫い糸から成る群から作製される、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項4】
前記振動で生成される雑音を低減するかまたは消去する前記手段は、フェルト、発泡体、布、紙、プラスチックおよびゴムから成る材料群から作製される、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項5】
前記減衰部材は、形状が環状である、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項6】
前記減衰部材は、前記環状固定具の、前記内側同心縁部と前記外側同心縁部との間の前記環状溝部の内部に取り付けられる、請求項5に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項7】
前記減衰部材は、前記環状固定具に接着固定される、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項8】
前記減衰部材は、永久的に固定されている少なくとも2つの環状部材で構成されている、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項9】
前記環状部材は、発泡材料で構成されている第1の部材と、フェルト材料で構成されている第2の部材とを含む、請求項8に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項10】
前記非接着手段は増加的に離間されている、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。
【請求項11】
前記非接着手段は連続的配列で配設されている、請求項1に記載の改良された音楽用ドラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−145915(P2012−145915A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236452(P2011−236452)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(595028731)リモ・インコーポレーテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Remo,Inc.