説明

ドラム洗濯機

【課題】洗濯機のサイズを縮小するか、または同一のサイズにおいて洗濯機の容量を大きくすることができ、乾燥装置を備えているので、洗濯物を乾燥させることができるドラム洗濯機を提供する。
【解決手段】キャビネットと、キャビネットの内部に直接固設されるタブと、タブの内部に設けられ、洗濯が行われるドラムと、タブの後方に設けられ、ドラムを回転させるモータと、ドラムとモータとの間の回転軸からキャビネットに連結され、ドラムを回転可能に支持する支持装置と、タブの後面に設けられ、回転軸とタブとの間を緩衝するとともに、タブの後面をシールする緩衝シール機構と、タブの一方からタブの他方に連結され、ドラム中の空気を循環させながらドラム中の洗濯物を乾燥させる乾燥装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム洗濯機に関し、より詳細には、キャビネットの内側にタブが直接連設され、乾燥装置を備えたドラム洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、洗濯機は、洗濯機能のみを有する洗濯機と、洗濯機能と乾燥機能を有する洗濯乾燥機とに大別される。
【0003】
図1は、前記洗濯機のうち従来の乾燥装置が備えられたドラム洗濯機の内部構成を示す側断面図である。
【0004】
図1に示すように、従来のドラム洗濯機は、キャビネット2の内側にバネ4及びダンパー6で支持されたタブ10と、前記タブ10の内側に設けられ、洗濯物が収容されるドラム20と、前記ドラム20の前方を開閉するように、前記キャビネット2に連結されたドア22と、前記タブ10に熱風を吐き出すように、前記タブ10の上部に設けられ、ヒータ26及び送風機27が内蔵されたヒータダクト30と、一方が前記タブ10の側面下部に連結され、他方が前記ヒータダクト30に連結されて循環する空気の湿気を凝縮させる凝縮ダクト40と、を備えている。
【0005】
前記タブ10には、前記ドア22を閉めたとき、前記ドア22と密着して前記ヒータダクト30が連結されるガスケット12が取り付けられている。
【0006】
前記タブ10には、前記ドラム20を回動させるモータ14が設けられる。
前記タブ10には、洗濯またはすすぎの際に、前記タブ10の内部へ洗濯水またはすすぎ水を供給する給水装置15が連結されている。また、前記タブ10の下部には、排水装置16が連結されている。
【0007】
前記排水装置16は、前記タブ10の下部に連結された排水ベローズ17と、前記排水ベローズに連結された排水ポンプ18と、前記排水ポンプ18に連結された排水ホース19と、を備えている。
【0008】
前記ドラム20には、その周縁部または背面部に洗濯水または空気が通過する通孔21が形成されている。
【0009】
前記ドラム20には、内周面に洗濯物を流動させるリフタ24が取り付けられている。
前記送風機27は、前記ヒータダクト30の内部に回転可能に配置された循環ファン28と、前記循環ファン28を回転させるように、前記ヒータダクトに設置されたファンモータ29と、を備えている。
【0010】
前記凝縮ダクト40には、洗濯物を乾燥させながら循環する空気中の湿気が凝縮するように、凝縮用冷却水を前記凝縮ダクト40の内部に供給する冷却水供給器42が連結されている。
【0011】
前記冷却水供給器42は、外部ホース43に連結され、外部ホースから供給される凝縮用冷却水を断続する冷却水弁44と、前記冷却水弁を通過した凝縮用冷却水を前記凝縮ダクト40の内部に案内する冷却水ホース45と、を備えている。
【0012】
以下、このように構成された従来のドラム洗濯機の動作について説明する。
先ず、前記ドラム20の内部に洗濯物を投入した後、前記ドア22を閉めて洗濯機を作動させると、前記給水装置15から洗濯水が給水される。給水された洗濯水は、前記タブ10の内部に供給され、前記タブ10の内部に入れられ、前記ドラム20の通孔21から前記ドラム20の内部に流入されて洗濯物が浸されるようになる。
【0013】
このような洗濯水の給水が行われた後、前記モータ14が駆動すると、前記ドラム20は回転され、前記ドラム20の内部の洗濯物は前記ドラム20の内部で流動しながら洗濯水の作用によって付いた汚れが落ちるようになる。このような洗濯行程が終了した後、前記排水装置16から前記タブ10内部の汚れた洗濯水を前記ドラム洗濯機の外部へ排水する。
【0014】
その後、洗濯物に残留する洗剤泡を取り除くためのすすぎ行程が数回行われるので、洗い行程と同様に前記給水装置15と前記モータ14を制御して、洗濯物に残留する洗剤泡を取り除き、洗剤泡を含む汚れた水を前記排水装置16から前記ドラム洗濯機の外部へ排水させる。
このような数回のすすぎ行程の以降、洗濯物の水気を遠心脱水させる脱水行程が行われる。前記モータ14を高速駆動させて前記洗濯物を遠心脱水させ、洗濯物から脱水された水を前記排水装置16から前記ドラム洗濯機の外部へ排水させる。
【0015】
その後、前記ドラム洗濯機は、洗濯物を乾燥させる乾燥行程を行う。
先ず、前記ドラム洗濯機は、前記モータ14を駆動させて前記ドラム20を回転させ、前記ドラム20内部の洗濯物は前記ドラム20内で流動する。また、前記ヒータ26がオンされて前記ドラム20内の温度を昇温させ、前記ファンモータ29が駆動されて前記循環ファン28を回転させ、前記冷却水弁44と前記排水ポンプ18は、設定時間の間隔でオン/オフを繰り返す。
【0016】
前記循環ファン28の回転によって、前記ドラム20内部の空気は、洗濯物と接触しながら洗濯物の熱と水分を奪って低温多湿に変わり、前記通孔21を通って前記ドラム20と前記タブ10との間に移動した後、前記凝縮ダクト40に流入され、前記凝縮ダクト40を通過しながら凝縮用冷却水によって凝縮される。
【0017】
前記凝縮ダクト40を通った空気は、前記ヒータダクト30を通過するとともに、前記ヒータ26で加熱されて熱風に変わり、熱風は前記ガスケット12を通って前記ガスケット12の内側に吐き出され、前記ドラム20の内部へ循環されてから、このような循環を繰り返しながら洗濯物を乾燥させる。
【0018】
また、前記凝縮ダクト40に供給された凝縮用冷却水は、前記凝縮ダクト40を通って前記タブ10に集まり、前記排水ポンプ18によって周期的にポンピングされて外部に排水される。
【0019】
このような熱風乾燥を一定時間の間行った後、前記ヒータ26をオフさせ、前記ドラム20と前記循環ファン28のみを回転させて冷風乾燥を行う。
【0020】
前記ドラム洗濯機は、冷風乾燥が設定時間の間行われると、前記循環ファン28と前記モータ14を停止させ、乾燥行程は終了する。
【0021】
しかしながら、上述したような従来の乾燥装置を備えた前記ドラム洗濯機は、前記ヒータダクト30に連結されたインレットダクト31が前記ガスケット12に連設されるため、前記キャビネット2と前記タブ10との間の空間が必要となり、洗濯機の全体外形のサイズが大きくなるという問題があった。
【0022】
また、前記インレットダクト31から吐き出された空気中の一部が前記ドラム20の内部を通らず、前記タブ10と前記ドラム20との間の開口部から直接前記タブ10の内部へ流入されてから排出されるため、洗濯物の乾燥効率が劣るという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、キャビネットとタブが一体として設置されることにより、洗濯機のサイズを縮小することができるとともに、乾燥装置を備えて洗濯物を洗濯後にすぐに乾燥させることができるドラム洗濯機を提供することにある。
【0024】
また、本発明の他の目的は、乾燥空気が循環されるダクトがタブとドラムとの間のガスケットを介さずに直接タブの内側に連結され、タブとドラムの開口部との間にはドラムガスケットが設けられることによって、ドラムの内部へ流入する有効風量を極大化して洗濯物の乾燥効率を高めることができるドラム洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成すべく、本発明の一側面によれば、キャビネットと、前記キャビネットの内部に直接固設されるタブと、前記タブの内部に設けられ、洗濯が行われるドラムと、前記タブの後方に設けられ、前記ドラムを回転させるモータと、前記ドラムと前記モータとの間の回転軸から前記キャビネットに連結され、前記ドラムを回転可能に支持する支持装置と、前記タブの後面に設けられ、前記回転軸と前記タブとの間を緩衝するとともに、前記タブの後面をシールする緩衝シール機構と、前記タブの一方から前記タブの他方に連結され、前記ドラム中の空気を循環させながら前記ドラム中の洗濯物を乾燥させる乾燥装置と、を備えることを特徴とする、ドラム洗濯機が提供される。
【0026】
前記乾燥装置は、前記タブからの外側面から前記タブの前面側に連結される循環ダクトと、前記循環ダクトの入口側に設けられ且つ湿った空気を凝縮させる凝縮機構と、前記循環ダクト上に設けられ且つ空気を強制循環させる送風機と、前記循環ダクト上に設けられ且つ循環空気を加熱するヒータと、を備えることが好ましい。
【0027】
前記凝縮機構は、前記タブの側面に設けられ且つ湿った空気を凝縮させる金属材質の凝縮プレートと、前記循環ダクトの入口部またはタブから前記凝縮プレート側へ湿った空気を凝縮するための水を供給する冷却水供給部と、を備えることが好ましい。
【0028】
前記循環ダクトは、前記タブの外側面から送風機まで連結された入口ダクトと、前記送風機の出口から前記タブの前面まで連結され、内部にヒータが設けられたヒータダクトと、前記ヒータダクトから前記タブの前面まで連結される連結ダクトと、で構成されることが好ましい。
【0029】
前記タブには、前記ヒータダクトを支持するためのダクトブラケットが設けられることが好ましい。
【0030】
前記タブと前記ドラムとの間には、前記タブと前記ドラムとの間の開口部を塞ぐとともに、前記タブと前記ドラムとの衝突を防ぐガスケットが設けられることが好ましい。
【0031】
前記ガスケットは、前記ドラムに固定され、前記タブ方向に延長するドラムガスケットと、前記キャビネットまたはタブに固定され、前記ドラム方向に延長するタブガスケットと、で構成されることが好ましい。
【0032】
前記循環ダクトの出口部は、前記ドラムガスケットと前記タブガスケットとの間に設けられることが好ましい。
【0033】
本発明の他の側面によれば、キャビネットと、前記キャビネットの内部に設けられるタブと、前記タブの内部に設けられ、洗濯が行われるドラムと、前記タブの後方に設けられ、前記ドラムを回転させるモータと、前記タブの一方から前記タブの前方に連結され、且つドラム中の空気を循環させながら前記ドラム中の洗濯物を乾燥させる乾燥装置と、前記タブと前記ドラムとの間に設けられ、前記乾燥装置を循環する空気を前記ドラムの内部へ導く乾燥空気案内部材と、を備えることを特徴とする、ドラム洗濯機が提供される。
【0034】
前記乾燥空気案内部材は、前記タブと前記ドラムとの間に設けられ、前記タブと前記ドラムとの間の開口部の周囲を塞ぐガスケットからなることが好ましい。
前記ガスケットは、前記ドラムに固定され、前記タブ方向に延長するドラムガスケットからなることが好ましい。
【0035】
本発明のさらに他の側面によれば、キャビネットと、前記キャビネットの内部に直接固設されるタブと、前記タブの内部に設けられ、洗濯が行われるドラムと、前記タブの後方に設けられ、前記ドラムを回転させるモータと、前記ドラムと前記モータとの間の回転軸から前記キャビネットに連結され、前記ドラムを回転可能に支持する支持装置と、前記タブの後面に設けられ、前記回転軸と前記タブとの間を緩衝するとともに、前記タブの後面をシールする緩衝シール機構と、前記タブと前記ドラムとの間に設けられ、前記タブと前記ドラムとの間の開口部の周囲を塞ぐとともに、前記タブと前記ドラムの衝突を防ぐガスケットと、前記タブの後方から前記タブの前方に連結され、前記ドラム中の空気を循環させながら前記ドラム中の洗濯物を乾燥させる乾燥装置と、を備えることを特徴とする、ドラム洗濯機が提供される。
【0036】
前記乾燥装置は、前記タブの後方から前記ガスケット間に連結される循環ダクトと、前記循環ダクトの入口側に設けられ、湿った空気を凝縮させる凝縮機構と、前記循環ダクト上に設けられ、空気を強制循環させる送風機と、前記循環ダクト上に設けられ、循環空気を加熱するヒータと、を備えることが好ましい。
【0037】
前記循環ダクトは、前記タブの外側面から送風機まで連結された入口ダクトと、前記送風機の出口から前記タブの前面まで連結され、内部にヒータが設けられたヒータダクトと、前記ヒータダクトから前記ガスケット間に連結される連結ダクトと、で構成されることが好ましい。
【0038】
前記タブには、前記ヒータダクトを支持するためのダクトブラケットが設けられることが好ましい。
【0039】
前記凝縮機構は、前記タブの側面に設けられ、湿った空気を凝縮させる金属材質の凝縮プレートと、前記循環ダクトの入口部またはタブから前記凝縮プレート側へ湿った空気を凝縮するための水を供給する冷却水供給部と、を備えることが好ましい。
【0040】
前記ガスケットは、前記ドラムに固定され、前記タブ方向に延長するドラムガスケットと、前記キャビネットまたはタブに固定され、前記ドラム方向に延長するタブガスケットと、で構成されることが好ましい。
【0041】
前記乾燥装置における循環空気の出口部は、前記ドラムガスケットとタブガスケットとの間に設けられることが好ましい。
前記ガスケットは、タブとドラムとの間において、前記乾燥装置を循環する空気を前記ドラムの内部へ導くように構成される。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、キャビネットとタブが一体となるので、洗濯機のサイズを縮小するか、または同一のサイズにおいて洗濯機の容量を大きくすることができる。
【0043】
また、乾燥装置を備えているので、洗濯物を洗濯後にすぐに乾燥させることができる。
さらに、乾燥空気が循環するダクトが、タブとドラムとの間のガスケットを介さずに直接タブの内側に連結され、タブとドラムの開口部との間にはドラムガスケットが設けられるので、ドラムの内部へ流入する有効風量を極大化して洗濯物の乾燥効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の乾燥装置が備えられたドラム洗濯機を示す内部構成図である。
【図2】本発明によるドラム洗濯機を示す内部構成図である。
【図3】本発明によるドラム洗濯機を示す要部斜視図である。
【図4】図3における“A”部分を示す一部切欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明によるドラム洗濯機の実施形態としては、様々のものがあり得るが、以下では、最も好ましい実施形態について説明する。
【0046】
図2は、本発明によるドラム洗濯機を示す内部構成図であり、図3は、本発明によるドラム洗濯機を示す要部斜視図であり、図4は、図3における“A”部分を示す一部切欠き斜視図である。
【0047】
図示のように、本発明によるドラム洗濯機は、四角柱状型のキャビネット50の内部に、洗濯水が貯水されるタブ55が直接連設されている。即ち、一般の洗濯機では、タブがバネまたはダンパーによってキャビネットに連結されるが、本発明による洗濯機では、タブ55が別途のダンパー手段を介さずに、キャビネット50に直接固定された構造で設けられている。
【0048】
このように前記タブ55がキャビネット50に直接設置されることによって、洗濯物の洗浄が行われるドラム60と、このドラム60を回転させるモータ66のような振動要素は、後述するベアリングハウジング75とサスペンション90からなる支持装置によって前記キャビネット50の内部に支持され、前記ドラム60の回動時に発生する振動を緩和させるように構成される。
【0049】
即ち、前記ドラム60は、前記モータ66と回転軸69で連結されて回転するので、前記ドラム60とモータ66との間には、前記回転軸69を支持する支持装置であるベアリング71、72が収納されたベアリングハウジング75が設けられ、このベアリングハウジング75に前記サスペンション90が連結されることにより、前記ドラム60とモータ66のような振動要素が前記ベアリングハウジング75によってキャビネット50の内部に支持される。
【0050】
また、前記ベアリングハウジング75の前方には、タブ55の後面に設けられ、前記回転軸69とタブ55との間の空間を緩衝するとともに、タブ55の後面をシールする緩衝シール機構が設けられ、この緩衝シール機構は、前記タブ55の後面を構成するブラケット80と、前記ブラケット80とタブ55の後部との間に設けられ、前記振動要素からタブ55側へ伝達される振動が遮断されるとともに、タブ55の内部に貯水された水が外部に漏れないようにする後方ガスケット85と、からなっている。
【0051】
前記キャビネット50、タブ55、ドラム60の前面には、洗濯物を投入または引出可能に開口部50a、55a、60aがそれぞれ設けられ、前記タブ55とドラム60の開口部との間へ異物が落ち込まず、また洗い及び脱水作動の際にドラム60がタブ55と衝突しないように、前記タブ55とドラム60との間にはガスケット58、64がそれぞれ設けられている。
【0052】
さらに、このようなドラム洗濯機は、洗濯済みの洗濯物を乾かすように乾燥装置100を備えている。
【0053】
前記乾燥装置100は、前記タブ55の後上方の側面から前記タブ55の前面側である前記ガスケット58、64間に連設され、ドラム60内の空気を循環させながらドラム中の洗濯物を乾燥させることができるように構成される。
以下、このように構成される本発明によるドラム洗濯機における主要構成部分について詳しく説明する。
【0054】
前記キャビネット50は、一般の洗濯機のように四角柱状に形成されることが好ましく、前面には、前記タブ55の内部を開閉させるドア52が設けられている。
前記タブ55は、前記キャビネット50の前面に直接固設されるタブ本体56と、前記タブ本体56の後方に結合され、中央部分に前記ブラケット80と後方ガスケット85が設けられるようにリング状に形成されたタブカバー57と、を備えている。
【0055】
前記ドラム60は、その後部が前記回転軸69に連結され支持されており、このため、後面に前記回転軸69が連結されるハブ65が設けられている。また、前記ドラム60の内側面には、ドラム内に洗濯物を持ち上げて落下させる複数枚のリフト63が設けられている。さらに、前記ドラム60の前面と後面には、ドラムの回動時にバランス作用を果たすバランス機構61、62が設けられている。
【0056】
また、前記サスペンション90は、前記ベアリングハウジング75に連結されたダンパーブラケット91と、キャビネット50の底面に連結されたダンパー93、95と、からなり、中央にはメインダンパー93が傾斜して位置し、また、このメインダンパー93の両方にはサブダンパー95が垂直方向に位置しているので、振動要素から発生する振動を吸収するようになる。
【0057】
前記ガスケット58、64は、前記キャビネット50またはタブ55に固定され、前記ドラム60方向に延長するタブガスケット58と、前記ドラム60に固定され、前記タブ55方向に延長するドラムガスケット64と、で構成される。
【0058】
ここで、前記ドラムガスケット64は、前記乾燥装置100を循環する空気を前記ドラム60の内部へ導く乾燥空気案内部材としての役割を果たすようになる。
前記乾燥装置100は、前記タブ55の外側面から前記タブ55の前面側に連設される循環ダクト110と、前記循環ダクト110の入口側に設けられ、湿った空気を凝縮させる凝縮機構120と、前記循環ダクト110上に設けられ、空気を強制循環させる送風機130と、前記循環ダクト110上に設けられ、循環空気を加熱するヒータ140と、を備えている。
【0059】
前記循環ダクト110は、前記タブ55の後上方の外側面から前記送風機130まで連設された入口ダクト111と、前記送風機130の出口ダクト132から前記タブ55の前面側に連設され、内部にヒータ140が設けられたヒータダクト113と、前記ヒータダクト113から前記タブ55の前面に連設される連結ダクト115と、から構成されている。
【0060】
ここで、前記入口ダクト111には、循環空気の温度を測定する温度感知センサ112が設けられ、前記タブ55の上部には、前記ヒータ140で発生した熱がタブ55に輻射することを防止することができるように、前記ヒータダクト113をタブ55から一定間隔だけ離隔した状態で支持するためのダクトブラケット150が設けられている。
【0061】
前記循環ダクト110の出口部117を構成する連結ダクト115の端部は、図4に示すように、前記ドラムガスケット64とタブガスケット58との間に位置するようになる。
【0062】
前記凝縮機構120は、前記タブ55の内側面に設けられ、湿った空気を凝縮させる金属材質の凝縮プレート125と、前記循環ダクト110の入口部またはタブ55から前記凝縮プレート125側へ湿った空気を凝縮するための水を供給する冷却水供給部122と、から構成されている。
【0063】
次に、上記のように構成される本発明によるドラム洗濯機の作用について説明する。
【0064】
本発明において、タブ55が前記キャビネット50に直接設置されることにより、キャビネット50が従来のドラム洗濯機のキャビネットと同体積を有する場合、タブ55のサイズを最大限大きくすることができるようになる。このため、前記タブ55の内部に設けられるドラム60のサイズも相対的に大きくすることができるので、キャビネット50のサイズを大きくしなくても、全体的に洗濯機の洗濯容量を増加させることができる。
【0065】
このような本発明によるドラム洗濯機は、脱水行程が終わって乾燥行程が進行すると、ドラム60が徐々に回転するとともに、送風機130とヒータ140が作動しながらドラム60の内部に熱風を循環、供給して洗濯物を乾燥させる。
【0066】
即ち、前記ヒータダクト113を通過しながらヒータ140によって加熱された熱風は、連結ダクト115からタブ55の内部へ吐き出され、吐き出された熱風は、ドアガラス53で反射されてドラム60の内部へ流入された後、洗濯物を乾燥させるようになる。
【0067】
このとき、前記ドラム60とタブ55との間には、ドラム60に設けられてタブ方向に延長するドラムガスケット64が乾燥空気案内部材の役割を果たすので、前記連結ダクト115から吐き出された熱風の大部分は、ドラム60の内部へ流入されて洗濯物を乾燥させた後、タブ55から抜け出るようになる。従って、前記ドラムガスケット64によって、前記連結ダクトから排出された熱風が直接タブ55の内部に流入される量が最小化するので、洗濯物の乾燥効率を高めることができる。
【0068】
このようにドラム60内部の洗濯物を乾燥させた湿った空気は、ドラム60の側面及び後面に設けられた複数の孔を通ってタブ55の側面に設けられた凝縮プレート125に接触しながら高温多湿の空気が凝縮され、タブ55の底面に設けられた排水装置から洗濯機の外部へ排出される。このとき、前記凝縮プレート125には、冷却水供給部122から水が継続または間欠的に供給されるので、前記凝縮プレート125は、冷たい状態を維持しながら湿った空気を凝縮させることができるようになる。
【0069】
このように湿気がある程度凝縮した空気は、送風機130を通って再度ヒータダクト113の内部に流入された後、ヒータ140によって加熱され、このように加熱された空気は、再度ドラム60の内部へ供給されて洗濯物を乾燥させる作動を続けて行うようになる。
【符号の説明】
【0070】
50 キャビネット
52 ドア
53 ドアガラス
55 タブ
58 タブガスケット
60 ドラム
61、62 バランス機構
64 ドラムガスケット
66 モータ
69 回転軸
71、72 ベアリング
75 ベアリングハウジング又は支持装置
80 ブラケット又は緩衝シール機構
85 後方ガスケット又は緩衝シール機構
90 サスペンション
91 ダンパーブラケット
93 メインダンパー
95 サブダンパー
100 乾燥装置
110 循環ダクト
111 入口ダクト
113 ヒータダクト
115 連結ダクト
117 出口部
120 凝縮機構
122 冷却水供給部
125 凝縮プレート
130 送風機
140 ヒータ
150 ダクトブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット50と、
前記キャビネット50の内部に直接固設されるタブ55と、
前記タブ55の内部に設けられ、洗濯が行われるドラム60と、
前記タブ55の後方に設けられ、前記ドラム60を回転させるモータ66と、
前記ドラム60と前記モータ66との間の回転軸69から前記キャビネット50に連設され、前記ドラム60を回転可能に支持する支持装置75と、
前記タブ55の後面に設けられ、前記回転軸69と前記タブ55との間の空間を緩衝するとともに、前記タブ55の後面をシールする緩衝シール機構80、85と、
前記タブ55の一方から前記タブ55の他方に連設され、前記ドラム60中の空気を循環させながら前記ドラム60中の洗濯物を乾燥させる乾燥装置100と、
を備えることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記乾燥装置100が、前記タブ55の外側面から前記タブ55の前面側に連設される循環ダクト110と、前記循環ダクト110の入口側に設けられ、湿った空気を凝縮させる凝縮機構120と、前記循環ダクト110上に設けられ、空気を強制循環させる送風機130と、前記循環ダクト110上に設けられ、循環空気を加熱するヒータ140と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
前記凝縮機構120が、前記タブ55の側面に設けられ、湿った空気を凝縮させる金属材質の凝縮プレート125と、前記循環ダクト110の入口部またはタブ55から前記凝縮プレート125側へ湿った空気を凝縮するための水を供給する冷却水供給部122と、を備えることを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
前記循環ダクト110が、前記タブ55の外側面から送風機130まで連設された入口ダクト111と、前記送風機130の出口から前記タブ55の前面まで連設され、内部にヒータ140が設けられたヒータダクト113と、前記ヒータダクト113から前記タブ55の前面まで連設される連結ダクト115と、で構成されることを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項5】
前記凝縮機構120が、前記タブ55の側面に設けられ、湿った空気を凝縮させる金属材質の凝縮プレート125と、前記循環ダクト110の入口部またはタブ55から前記凝縮プレート125側へ湿った空気を凝縮するための水を供給する冷却水供給部122と、を備えることを特徴とする請求項4に記載のドラム洗濯機。
【請求項6】
前記タブ55には、前記ヒータダクト113を支持するためのダクトブラケット150が設けられることを特徴とする請求項4に記載のドラム洗濯機。
【請求項7】
前記タブ55と前記ドラム60との間には、前記タブ55と前記ドラム60との間の開口部を塞ぐとともに、前記タブ55と前記ドラム60との衝突を防ぐガスケット58、64が設けられることを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項8】
前記ガスケット58、64が、前記ドラム60に固定され、前記タブ55方向に延長するドラムガスケット64と、前記キャビネット50またはタブ55に固定され、前記ドラム60方向に延長するタブガスケット58と、で構成されることを特徴とする請求項7に記載のドラム洗濯機。
【請求項9】
前記循環ダクト110の出口部が、前記ドラムガスケット64と前記タブガスケット58との間に設けられることを特徴とする請求項8に記載のドラム洗濯機。
【請求項10】
キャビネット50と、前記キャビネット50の内部に設けられるタブ55と、前記タブ55の内部に設けられ、洗濯が行われるドラム60と、前記タブ55の後方に設けられ、前記ドラム60を回転させるモータ66と、前記タブ55の一方から前記タブ55の前方に連設され、前記ドラム60中の空気を循環させながら前記ドラム60中の洗濯物を乾燥させる乾燥装置100と、前記タブ55と前記ドラム60との間に設けられ、前記乾燥装置100を循環する空気を前記ドラム60の内部へ導く乾燥空気案内部材64と、を備えることを特徴とするドラム洗濯機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−251160(P2011−251160A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178399(P2011−178399)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【分割の表示】特願2005−191878(P2005−191878)の分割
【原出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】