説明

ドリップ分離容器

【課題】安価な構成で内容物とドリップとを確実に分離できるドリップ分離容器を提供する。
【解決手段】ドリップ分離容器100は、収納空間14の底部にドリップ保持空間12を形成した容器本体10と、容器本体底部のドリップ保持空間12を閉塞する大きさに形成された弾性変形可能な硬質性のカバー部20とを備え、カバー部20が表面を線状にカットしたスリット22を一以上形成している。これにより、カバー部20をセットした容器本体10の収納空間14にカット野菜などの内容物を載置すると、内容物の自重によってカバー部20が弾性変形し、スリット22が開口してドリップが下方のドリップ保持空間12に流下できるので、液状のドリップから内容物を離間させて、内容物が含浸されるのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カット野菜や果物などの、果物汁等の水分(ドリップ)を生じる内容物、あるいは冷凍物を解凍することで解凍水が生じる内容物を保持するトレイなどのドリップ分離容器に関する。
【背景技術】
【0002】
カットレタスやスライストマトなど、汁等の水分がしみ出る果物や野菜、肉類等を、レストランなどの外食産業で利用する場合は、これらを速やかに調理や盛り合わせ等に利用できるよう、予めカットしておくと共に、汁成分(ドリップ)を分離しておくことが望ましい。例えばスライスしたトマトは、切り口から野菜汁が滲みだし、そのままではびしょびしょになる。
【0003】
ドリップに漬かったまま果物や肉類などを保存しておくと、水分中に微生物が発生して汚染されたり腐敗の原因になるなど、衛生上好ましくない。また濡れた状態の野菜や果物は、見栄えや味、触感にも悪影響を与える。このため、水分を拭き取る作業が必要となる。従来、このような拭き取り作業を軽減して衛生的に保持するために、カット野菜等を載置する底面に水分吸収シートなどを載置したトレイが開発されている。しかしながら、水分吸収シートに直接カット野菜を載置すると、水分吸収シートに吸収された水分が滲み出して再びカット野菜を濡らすという問題があった。
【0004】
この問題を解決するため、図11に示すようにトレイ400の下方に複数のセル50を区画し、区画されたセル50内に水分吸収剤52を保持すると共に、セル50の上面を水分透過性シート54で閉塞して野菜や肉類を水分吸収剤52と離間させた構造のトレイ400が開発されている(特許文献1参照)。この構造のトレイ400は、水分吸収剤52とカット野菜などの内容物が水分透過性シート54で分離されるため、水分吸収剤52に含まれる水分で内容物を濡らすことがない。
【特許文献1】特表2002−519252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の構造では各セルの上面に水分透過性シートを貼付する必要があり、トレイの製造工程が増えてコストが高くなるという問題があった。特に水分透過性シートはコストがかかる上、セル毎に一々糊などで貼付しなければならない。さらに水分透過性シートは、上面に肉類などの重量のある内容物を載置した状態で、水分吸収剤と内容物が接触しないように保持する必要があるので、ピンと張った状態に張設しなければならない。加えて、水分吸収剤を再充填してトレイを再利用することも困難であった。
【0006】
また一方で、ドリップを内容物と分離するために水分透過性シートに代わってプラスチック製のトレイの底面に多数の孔を設けた透過層を配置し、孔を通じてドリップを滴下させる構成も開発されている。しかしながらこの場合は、常時孔が開口されているため、輸送の際等にトレイに振動が加わると、滴下されたドリップが孔を通じて逆流し、内容物を汚染するという問題があった。さらにこの構成では、透過層をパンチングなどで穿孔する必要があり、穿孔のための手間やコストがかかるという問題もあった。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するために成されたものである。本発明の主な目的は、安価な構成で内容物とドリップとを確実に分離できるドリップ分離容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係るドリップ分離容器は、保持対象の内容物と、内容物から生じるドリップとを分離可能なドリップ分離容器であって、一方を開口した収納空間を形成し、収納空間の底部にドリップ保持空間を形成した容器本体と、容器本体底部のドリップ保持空間を閉塞する大きさに形成された弾性変形可能な硬質性のカバー部とを備え、カバー部が表面を線状にカットしたスリットを一以上形成している。これにより、カバー部をセットした容器本体の収納空間にカット野菜などの内容物を載置すると、内容物の自重によってカバー部が弾性変形し、スリットが開口してドリップが下方のドリップ保持空間に流下あるいは滴下できるので、液状のドリップから内容物を離間させて、内容物が含浸されるのを防止できる。またドリップ分離容器が振動等により上向きの応力が加わっても、弾性変形したカバー部が元に戻ってスリットが閉塞されるため、ドリップがスリットを通して収納空間に戻ることが阻止され、内容物をドリップと分離して清潔に保つことが可能となる。
【0009】
また、本発明の第2の側面に係るドリップ分離容器は、さらに、ドリップ保持空間に配置される吸水性部材を備える。これにより、ドリップ保持空間に保持されたドリップが吸水性部材で吸水されるので、液状のドリップを内容物から確実に分離して清潔に保つことができる。
【0010】
さらに、本発明の第3の側面に係るドリップ分離容器は、吸水性部材が、紙、不織布、スポンジ、綿花、あるいはポリマー吸収剤のいずれかである。これにより、吸水性を発揮してドリップ保持空間でドリップを効率よく吸収できる。また吸水性部材を薄型のシート状に構成することで、ドリップ保持空間への配置が容易となり好ましい。特にポリマー吸収剤は吸収率が高く、吸水性部材として好適である。袋状の内部にポリマー吸収剤を含んだシート状の吸水性部材を使用すれば、吸水性部材の吸水性を高めつつ薄型にできるので、特に好ましい。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の側面に係るドリップ分離容器は、容器本体とカバー部とは、カバー部が容器本体底部のドリップ保持空間を閉塞した状態で保持する保持構造を備える。これにより、カバー部を容器本体底部の定位置に位置決めして保持でき、ドリップの逆流を阻止して安定してドリップと内容物とを分離できる。
【0012】
さらにまた、本発明の第5の側面に係るドリップ分離容器は、カバー部に形成したスリットが、カバー部の長手方向に沿って直線状のスリットを略平行に複数条形成している。これにより、各スリットを長く形成でき、内容物の自重によるたわみでスリットを開口し易くして、ドリップを確実にスリットを透過させて分離させることができる。
【0013】
さらにまた、本発明の第6の側面に係るドリップ分離容器は、容器本体とカバー部とを保持する保持構造が、カバー部の長手方向における両端に設けられている。これにより、長手方向の両端で固定されたカバー部は、上面に載置される内容物の重さで弾性変形するたわみ量が大きくなり、スリットをより大きく開口することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のドリップ分離容器は、硬質のカバー部にスリットを切り込みで設ける構成により、内容物がカバー部に載置されて加重がかかると、カバー部がたわんで変形することによりスリットが開き、ドリップが下方のドリップ保持空間に保持される。一方、振動等で下から応力が加わった場合には、カバー部への加重が弱くなることで変形が戻りスリットが閉塞されて、スリットを通じてドリップが上方の収納空間に戻ることが阻止される。このように、スリットの開口を最小限に抑えると共に、逆向きの力が加わったときにスリットを閉塞してドリップの戻りを阻止でき、ドリップ分離容器として理想的な機能を発揮できる。特に、このドリップ分離容器は、容器を構成する部材が容器本体とカバー部であり、これらを同質の素材で構成できる上、スリットの加工も簡単であるため、製造コストを極めて安価に抑えることができ、さらに組み立て作業自体も容易である。また、別部材の吸水性部材を使用しても、これを廃棄する際は、容器本体からカバー部を外して吸水性部材を容易に取り出すことができるので、分別廃棄にも対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのドリップ分離容器を例示するものであって、本発明はドリップ分離容器を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0016】
図1〜図8に、本発明の一実施の形態に係るドリップ分離容器を示す。図1は、ドリップ分離容器100の斜視図、図2は図1のドリップ分離容器100の平面図、図3は、図2のドリップ分離容器100の容器本体10底部からカバー部20を外した状態を示す平面図、図4はカバー部20の平面図、図5は図1のドリップ分離容器100の正面図、図6は側面図、図7は吸水性部材30を示す斜視図、図8はドリップ分離容器100に内容物Nを収納した状態を示す断面図を、それぞれ示している。これらの図に示すドリップ分離容器100は、上方を開口した有底の容器本体10と、容器本体10の底面に形成されたドリップ保持空間12を閉塞するカバー部20とを備える。ドリップ保持空間12には、吸水性部材30が載置される。
(容器本体10)
【0017】
容器本体10は、図1等に示すように内容物を収納する収納空間14を形成し、さらに底面をカバー部20で区画してドリップ保持空間12を形成する。容器本体10の形状及び大きさは、収納対象の内容物に応じて設計され、典型的には箱形とする。また容器本体10の強度は、内容物を収納して保護できる強度に設計される。特に内容物がドリップを生じることを前提としてるため、耐水性を備えることが望ましい。例えば容器本体10を合成樹脂製とし、典型的にはスチロールなどのプラスチックで形成される。素材にはポリスチレン、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、コポリエステル等が利用できる。また必要に応じて生物分解性プラスチックなども利用できる。これらの材質で、金型を利用した射出あるいは真空、圧空成型などにより、箱状に形成する。また内容物の鮮度を保つため、容器本体にガスバリア性などを持たせてもよい。例えば、容器本体の通気度を内容物に応じて適切に設定する。
【0018】
一方で、容器本体10は内容物を外部から確認しやすくするため、半透明や透明とするなど、何らかの透光性を持たせてもよい。あるいは逆に、遮光が必要な内容物を収納する場合は遮光性のある部材で構成する。また図1の例では、表面を波状に形成しており、空気層によってスライストマトなどが壁面に付着し難くできる。また収納空間14の開口部端縁に枠状の平坦面16を形成しており、内容物を収納した状態でこの平坦面16を利用してラップやシールを容易に貼付できる。
(カバー部20)
【0019】
カバー部20は、図2等に示すように、容器本体10の底部を閉塞できるように、容器本体10底部とほぼ同じ大きさ、もしくは若干小さい大きさに形成される。図5の側面図及び図8の断面図に示すように、容器本体10の底部より、ドリップ保持空間12となる突出部分18を突出させている。カバー部20は、この突出部分18を内部で閉塞して、ドリップ保持空間12を区画する。突出部分18は、容器本体10の底面よりも長さ及び/又は幅を一回り小さくして突出させることで、底面と突出部分18との間に段差部分19を設け、この段差部分19にカバー部20を係止して保持する。図5及び図8の例では、容器本体10の長手方向において段差部分19を形成し、カバー部20の長手方向の両端で係止して保持する。このようにカバー部20を長手方向の両端で保持することにより、上面に載置される内容物の重さでカバー部20がたわんで弾性変形する変形量を大きくし、後述するようにスリット22の開口を大きくすることができる。ただ、係止可能な段差部分19はカバー部20の両端位置に限られず、たわみの程度に応じて長手方向に沿って設けたり、カバー部の全周に沿って設けることも可能である。
【0020】
カバー部20も、容器本体10と同様に合成樹脂等で構成できる。カバー部20を容器本体10と同じ部材で構成することで、これらを安価に製造でき、廃棄も分別の必要が無く容易に行える。またカバー部20の強度は、上面に内容物を載置した状態で、ドリップ保持空間12を維持できる十分な強度が必要となる。特に、後述するようにカバー部20にはスリット22が設けられるため、スリット22を有しても十分な強度とし、かつ内容物の自重でカバー部20が弾性変形してたわむことによりスリット22が開口する程度の弾性も備える。このためカバー部20の材質は、好適には硬質プラスチックが利用できる。さらにカバー部20は、ドリップ保持空間12に保持されるドリップの跳ね返りを阻止するため、カバー部20の端縁を折曲させて下向きに突出する状態で容器本体10に固定している。
(保持構造40)
【0021】
カバー部20は容器本体10の開口部から挿入して、底面に位置決めして保持される。このように、カバー部20を容器本体10に位置決めして保持、固定するために保持構造40を、カバー部20と容器本体10の双方に備えている。具体的には、図2及び図3に示すように、一方に円筒状のボス42を設け、他方にボス42を嵌入可能な円筒状の凹部44を設けている。これにより、ボス42を凹部44に嵌入して両者を容易に勘合できる。図の例では、カバー部20にボス42を設け、容器本体10に凹部44を設けているが、この逆とすることも可能であることはいうまでもない。また保持構造40は、上記のボス構造に限られず、フックやカギによる係止、嵌入構造や面ファスナ、ネジ式など、2部材を連結可能な構造が適宜利用できる。
【0022】
保持構造40は、カバー部20を容器本体10に永久的に固定するものでなく、脱着可能に連結する構成が好ましい。これにより、吸水性部材30を交換してドリップ分離容器を再利用可能としたり、ドリップ分離容器を廃棄する際に、吸水性部材30を分離して分別回収を容易にできる。このように本実施の形態に係るドリップ分離容器は、リユース、リサイクルが容易な構造として環境にも配慮している。
(スリット22)
【0023】
カバー部20には、スリット22を形成している。スリット22は、切り込み状に形成される。すなわち、カバー部20に応力が印加されない状態ではスリット22が閉じられており、カバー部20が応力で湾曲すると、スリット22部分が歪んで開口する状態となる。このように、当初からカバー部20を開口させず、歪んだ状態、すなわち上面に内容物を載置した状態で初めて開口するように構成することで、内容物のドリップを透過させてカバー部20下方のドリップ保持空間12に流下あるいは滴下できる。
【0024】
一方で、ドリップ保持空間12からドリップが内容物の収納空間14に逆流する事態を阻止する必要がある。一般には、ドリップ分離容器の運搬時等において、衝撃で下から上に向かう応力が加わったとき、ドリップの逆流が生じる。この場合において、下から上向きの力が内容物にも加わると、カバー部20の上面から内容物が浮いた状態となって、一時的に内容物の重さによるカバー部20のたわみが緩和される状態となる。言い換えると、カバー部20の湾曲が少なくなる結果、スリット22部分の開口が狭くなる、あるいは閉じられる状態となる。このようにスリット22の開口を狭くする方向に働くことで、ドリップの逆流が抑制され、ドリップで内容物が濡れる状態を緩和、あるいは阻止することが可能となる。このように、本発明は機械的なスリット22を設けるという極めて簡単な構成でありながら、効果的にドリップの流下と分離、さらには逆流の阻止を図ることができるのである。
【0025】
線状のスリット22は、図4などに示すように、直線状に切り込みを設けている。これらの切り込みは、複数をほぼ平行に設けることで、ドリップの通過量を多くできる。この例では、スリット22をカバー部20の長手方向に沿ってほぼ等間隔に3本設けている。長手方向にスリット22を設ける構成は、スリット22の本数を少なくして距離を長くし、少ない加工量でドリップの透過量を確保できる利点がある。ただ、スリットのパターンはこの例に限られず、例えば長手方向に直交するように設けたり、十字状、斜めに交差するクロス状などとしてもよい。
(吸水性部材30)
【0026】
さらに、ドリップ保持空間12には、ドリップを吸収する吸水性部材30を配置することが好ましい。吸水性部材30の一例を図7の斜視図に示す。この図に示す吸水性部材30は、シート状の袋32に水分吸収剤としてポリマー吸収剤34を収納している。このようにシート状の袋32を利用することで、一定量のポリマー吸収剤34を保持させて吸収量を一定とできる上、ドリップ保持空間12に配置して、均一、均質な水分吸収能力を発揮できる。特に、粒子状の吸水性部材を一々充填する必要が無く、予め容器本体10の突出部分18に配置してカバー部20を勘合することで容易にセットできるので、製造工程も簡素化できる上、交換や廃棄の際に吸水性部材30を容易に容器本体10から分離できる利点が得られる。また、吸水性部材30は一枚だけドリップ保持空間12に配置する他、複数枚を配置してもよい。さらに、配置の際に吸水性部材30が完全に収納されるように配置する他、吸水性部材30の一部をカバー部20と容器本体10の保持構造40で部分的に挟むようにして、吸水性部材30がドリップ保持空間12で移動しないように固定できる。
【0027】
このように、本実施の形態に係るドリップ分離容器100によれば、図8に示すようにスライストマトなどの内容物Nを収納すると共に、ドリップを分離して衛生的に保持できる。またカット野菜に限られず、例えばレバーなどの冷凍物を解凍するためにドリップ分離容器に保持しておくことで、解凍水や血液、肉汁等を吸水性部材30で吸収して内容物の表面に水分を残さず、衛生的に保持できる。
(変形実施例)
【0028】
なお、上記の例ではカバー部を容器本体の底面を閉塞する平板状に構成したが、この例に限られず、容器本体の底部にドリップ及び吸水性部材を配置するためのドリップ保持空間12を形成できる構成であれば他の構成も採用できる。例えば図9に示すように、ドリップ分離容器200のカバー部20Bを容器本体10Bの内面と一致するように上方を開口した有底の箱状に形成する。カバー部20Bの方が容器本体10Bよりも浅底に形成することで、二重底状にカバー部20Bと容器本体10Bとの間にドリップ保持空間12を形成できる。あるいは、図10に示すようにドリップ分離容器300のカバー部20Cの底面から脚部を突出させて、カバー部20Cの底面と容器本体10Cの底面を離間させ、この空間をドリップ保持空間12として利用することもできる。このように、カバー部や容器本体の形状は、ドリップ保持空間12を形成できるあらゆる形状が採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のドリップ分離容器は、外食チェーンの食材収納容器として、冷蔵庫にカット食材を入れるための容器として好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態に係るドリップ分離容器を示す斜視図である。
【図2】図1のドリップ分離容器を示す平面図である。
【図3】図2のドリップ分離容器の容器本体底部からカバー部を外した状態を示す平面図である。
【図4】カバー部を示す平面図である。
【図5】図1のドリップ分離容器を示す正面図である。
【図6】図1のドリップ分離容器を示す側面図である。
【図7】吸水性部材を示す斜視図である。
【図8】ドリップ分離容器に内容物を収納した状態を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るドリップ分離容器を示す断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係るドリップ分離容器を示す断面図であ
【図11】従来のドリップ分離容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
100、200、300…ドリップ分離容器
400…トレイ
10、10B、10C…容器本体
12…ドリップ保持空間
14…収納空間
16…平坦面
18…突出部分
19…段差部分
20、20B、20C…カバー部
22…スリット
30…水分吸収剤
32…袋
34…ポリマー吸収剤
40…保持構造
42…ボス
44…凹部
50…セル
52…水分吸収剤
54…水分透過性シート
N…内容物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持対象の内容物と、内容物から生じるドリップとを分離可能なドリップ分離容器であって、
一方を開口した収納空間を形成し、収納空間の底部にドリップ保持空間を形成した容器本体と、
前記容器本体底部のドリップ保持空間を閉塞する大きさに形成された弾性変形可能な硬質性のカバー部と、
を備え、前記カバー部が表面を線状にカットしたスリットを一以上形成していることを特徴とするドリップ分離容器。
【請求項2】
請求項1に記載のドリップ分離容器であって、さらに、
前記ドリップ保持空間に配置される吸水性部材を備えることを特徴とするドリップ分離容器。
【請求項3】
請求項2に記載のドリップ分離容器であって、
前記吸水性部材が、紙、不織布、スポンジ、綿花、あるいはポリマー吸収剤のいずれかであることを特徴とするドリップ分離容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載のドリップ分離容器であって、
前記容器本体とカバー部とは、前記カバー部が前記容器本体底部のドリップ保持空間を閉塞した状態で保持する保持構造を備えることを特徴とするドリップ分離容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載のドリップ分離容器であって、
前記カバー部に形成したスリットが、前記カバー部の長手方向に沿って直線状のスリットを略平行に複数条形成してなることを特徴とするドリップ分離容器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載のドリップ分離容器であって、
前記容器本体とカバー部とを保持する保持構造が、カバー部の長手方向における両端に設けられてなることを特徴とするドリップ分離容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−69958(P2007−69958A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259968(P2005−259968)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(591016334)大塚テクノ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】