説明

ドレナブル排泄物収容装具

【課題】装具使用中に、排出口の固定が外れることがなく、排出口の繰り返しの開閉操作後も安定した排出口固定が維持でき、かつ排出口の固定操作を簡便に行うことを可能とし、さらに使用中の違和感が少なく、経済性も良いドレナブル排泄物収容装具を提供する。
【解決手段】袋体2と、排泄物を排出するための排出口17を有する筒状の頸状部16と、少なくとも一方をフラップ状に形成した、排出口を閉鎖するための1対の互いに係合可能な面ファスナ係合部材(19,20)とを備えたドレナブル排泄物収容装具において、面ファスナの係合は、フック部材−ループ部材係合、又は、突起部材−突起部材係合とし、かつ、前記各部材の厚さを0.2〜3.0mm、面ファスナ係合部材を互いに係合させた状態の厚さを0.3〜4.0mmとし、さらに所定の係合強度測定方法に基づいて測定した、面ファスナ係合部材の係合強度(N/50mm)を、1.5〜10.0とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の表面に形成された開口に装着し、生体内からの排泄物、排泄液、ガス等(以下排泄物と称する)を一時的に収容し、収容された排泄物を排出する機構を備えたドレナブル排泄物収容装具に関する。
【背景技術】
【0002】
便、尿の失禁者、消化器系、泌尿器系器官の疾患のため外科的手術を行い腸管や尿管を体表まで導き体表面にストーマを造設した人、或いはその他の疾患で体表面にストーマやフィステルを造設した人は、それらの人体の開口から排出される排泄物を処理するため、排泄物を一時的に貯留できる排泄物収容装具を人体の開口に装着する。この排泄物収容装具は一般に面板と袋体とから構成され、面板は人体の開口の周囲に粘着固定し、排泄物が漏れないように袋体へ受容すると共に袋体を保持する機能を持っている。そして、袋体に受容された排泄物は、そのまま袋体内に入れたまま保持しておくことは好ましくない場合があるので、これを排出して袋体を空にして再度利用することが行われている。このような目的のために、排泄物を排出する排出口とその排出後に再度袋体を使用できるように排出口を閉鎖する手段とを備えた排泄物収容装具が知られている。
【0003】
前記の排出口を閉鎖する手段としては、袋体の排出口を巻き上げて面ファスナや粘着テープで閉鎖するもの、排出口をジッパーで閉鎖するもの、細い金属線をビニル樹脂で被服した線材を用いた閉鎖クリップで閉鎖するものや、排出口に特殊な構成を用いた方式等々、種々の方式が提案されている。中でも、排出口開閉の操作性や確実性の観点から、袋体の下方に延びた筒状の頸状部の端部に排出口を設け、この排出口を上方に巻き上げ、巻上げた排出口を、面ファスナを有するフラップにより固定する方式が最近注目されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
上記排出口を巻上げるタイプのドレナブル排泄物収容装具について、以下に述べる。図9は、特許文献2に開示されたドレナブル・オストミーパウチの構成を示し、図9(a),(b)および(c)は、それぞれ、特許文献2の図1,図5および図3に相当し、部番を変更して示す。また、図10は、特許文献3に開示された人排泄物収集パウチの構成を示し、図10(a),(b),(c)および(d)は、それぞれ、特許文献3の図1,図2,図9(a)および図9(f)に相当し、部番を一部変更して示す。
【0005】
まず、図9について述べる。特許文献2の請求項1の記載(和訳)によれば、図9に示すドレナブル・オストミーパウチは、下記の構成を備える。即ち、「可撓性のシート材料からなる第1又は近位(人体側)の側壁(1b)及び第2又は遠位の側壁(2b)を有し、これらの側壁は互いにシールされ両側壁間に室を画成して前記近位の側壁にある開口(8b)を通る排泄物を受けるようになっており、側壁の長手方向に下方へ広がり前記長手方向に対し横に広がる排出口(5b)に終わる長く伸びた排出部を有し、前記排出口(5b)に密接し且つ排出口に沿って延び、それぞれ前記排出部の前記第1及び第2の側壁の外表面に例えば熱シール又は粘着により取り付けられたPET、ナイロン、高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンのような比較的堅い材料からなり曲げることができ強さを増した第1又は近位側及び第2又は遠位側のストリップ(6b,7b)を有し、パウチは更に前記第1及び第2の強さを増したストリップ(6b,7b)を少なくとも2回、好ましくは3回上方へ回転させて形成される巻き付け部を固定するための固定手段(9b,13b)を含むことを特徴とする。」
即ち、図9に示すパウチは、排出口に近接するフィルムのそれぞれの側に板状で硬く、かつバネの性質をもったプラスチック部材(図9における6b,7b)を設け、この2枚の部材の両端を指で、図9(b)においてR4で示すように押した際に、排出口が開放するような構成としたものである。また、図9(c)に示すように、排出口(5b)を上方に巻き上げた際に、フラップ10bをR2からR1方向に回転させて、巻きつけ部を固定手段(9b,13b)により固定できるように構成したものである。なお、図9において、固定手段の(9b,13b)は、それぞれ、ベルクロファスナのストリップであり、8gは腸内ガスを排出するための開口、3g,4gは腸内ガス分離用の中間壁とその端部、3s,3tは各分離空間、4bは面板を示す。
【0006】
次に、図10について述べる。特許文献3の要約の記載によれば、図10に示す人排泄物収集パウチは、下記の構成を備える。即ち、「排出可能なオストミーパウチ10cが、排出口22cを有する。排出口22cにおける補強部材32、34が、排出口22cを拡張させるように、それらの両縁に、手で圧力を加えることにより変形可能である。補強部材32、34の側部縁は、互いに離れて常に屈曲するように補強部材を促すようにオフセットすることができる。剥離可能な分離型機械式結合ファスナ46(46a,46b)が、折り畳んだ状態の排出口22cを確保する。ファスナ部46a,46bは、フック−フックタイプのプラスチック鍛造であり、そしてスナップ結合を提供する。折り畳んだ状態のとき、セキュリティフラップ50は、排出口22cの下に折り畳まれる。排出口は、2段階で解放される。」なお、図10において、16cはパウチ10cの共通外面、18cはパウチの入口開口、20cは身体備品、24はパウチの尾部、26は排出口開口、28は排出口22cの末縁、30はクッション材の快適層、42は折り畳まれた排出口22cの折り目の長さ単位の間隔である。
【0007】
さらに、図10に示すパウチついて、排出口22cを解放するように広げた状態の図(c)および排出口22cを巻き上げてフラップで固定した状態の図(d)に基づき、特許文献3の記載を引用して詳述する。即ち、「図10(d)を参照すると、排出口22cが閉じた状態のとき、セキュリティフラップ50は、排出口22cの下に折り畳まれるように構成され、そしてパウチ14cの後壁に固定される。フラップファスナ52は、セキュリティフラップ50上に搬送された第1ファスナ部52aと後壁14c上に搬送された第2ファスナ部52bで形成される。後壁14c上の第2フラップファスナ部52bは、前壁12c上の第1排出口ファスナ部46aと共におよそ効果的になる。セキュリティフラップ50が、排出口22cの下に保護三角巾の単位を提供し、付加的な安全手ステップを提供することができる。セキュリティフラップ50は、排出口ファスナ46の偶発的な緩みを予防する。セキュリティフラップ50が固定状態にある間、セキュリティフラップ50は、また、排出する位置への排出口22cの落下を防止することができる。」
【特許文献1】特開昭54−18195号公報(第3−5頁、図1−5)
【特許文献2】国際公開第03/086250号パンフレット(第6−12頁、図1−5)
【特許文献3】特開2004−130084号公報(第10−14頁、図1−9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のような排出口固定用のフラップは、排出口の開閉時の操作性を向上させることができ、また、外部からの接触が直接面ファスナ係合部分に作用するのを防ぐことにより、排出口の固定が外れてしまうのを防止できる。しかしながら、従来のフラップ固定構造のドレナブル排泄物収容装具においては、下記のような問題があった。
【0009】
即ち、日常生活の中では、不意にフラップに衣服やその他の接触物が引っ掛かってしまうことがあり、そのような引っ掛かりが生じた場合には、フラップの係合は一気に剥がれてしまう可能性があり、その結果、排泄物の漏れが起こる恐れがあった。もちろん、特許文献3の構成のように、固定手段を2箇所設けることで、排出口からの排泄物の漏れは起こり難くなるが、操作が煩雑になる上、装具が嵩張り装着時の違和感が起こり易いという問題があった。また、仮に、フラップの係合部材を薄くし、接触物の引っ掛かりを低減させようとしても、この場合には、フラップの十分な係合耐久性が得られなくなり、繰り返しの係合操作により係合強度が極端に低下し、フラップの剥がれを引き起こす恐れがあった。ストーマを造設して装具を使用する人は一般に高齢者が多いので、手先の器用さも劣ってきていることもあって、より簡便に扱える装具が望まれる。又、このような装具は、毎日使用するものであるから、装着時に違和感が少ないものであることは勿論、数日使用した後に、新しいものと交換するため、経済性が良いことも望まれる。
【0010】
この発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、上記のような排泄物収容装具の使用中に、排出口の固定が外れることがなく、排出口の繰り返しの開閉操作後も安定した排出口固定が維持でき、かつ排出口の固定操作を簡便に行うことができるようにし、さらに使用中の違和感が少なく、経済性も良いドレナブル排泄物収容装具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するため、本発明においては、人体の開口より排出される排泄物を受容するための開口部を有する袋体と、この袋体に連通して袋体の下方に延びその端部に前記袋体内に受容された排泄物を排出するための排出口を有する筒状の頸状部と、この頸状部または袋体に設けられ前記排出口からの排泄物の流出を閉鎖するための1対の互いに係合可能な面ファスナ係合部材とを備え、前記面ファスナ係合部材の少なくとも一方をフラップ状に形成したドレナブル排泄物収容装具において、前記面ファスナの係合は、フック部材とループ部材による係合、又は、突起部材とそれと相応する突起部材とによる係合とし、かつ、前記フック部材、ループ部材、又は突起部材の厚さを0.2〜3.0mm、面ファスナ係合部材を互いに係合させた状態の厚さを0.3〜4.0mmとし、さらに、係合面が所定幅(50mm)の係合部材に対して、所定の係合強度測定方法に基づいて測定した、面ファスナ係合部材の係合強度(N/50mm)を、1.5〜10.0としてなることを特徴とする(請求項1)。
【0012】
前記請求項1の発明の実施態様としては、下記請求項2の発明が好ましい。即ち、請求項1に記載のドレナブル排泄物収容装具において、フック部材又は突起部材におけるフック又は突起の高さを0.2〜1.0mm、フック又は突起の数を1cm2あたり100〜300本とし、ループ部材におけるループ起毛の高さを0.5〜2.0mm、ループ起毛の数を流れ方向と幅方向共に25mmあたり20〜100本、ループ起毛を形成する繊維の太さを1〜50デシテックスとする(請求項2)。
【0013】
前記請求項1または2の発明によれば、面ファスナ係合部材の厚さが従来のものに比較して、極めて薄いにも係らず、必要十分な係合強度を備えるものとしたので、排泄物収容装具の係合部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かることを抑制し、安定した排出口の固定が維持でき、装着時の違和感もなく、係合部材に排泄物や洗浄時の水分が付着し難く使用者に不快感を与えないようにすることができる。一般的には、上記面ファスナ係合部材の厚さと係合強度はトレードオフの関係にあるが、本発明は、薄くする程、単位面積当りの係合強度を高めることにより、前記一般的通念を打破した点に技術的意義がある。
【0014】
また、前記請求項1または2の発明とは解決手段が異なる発明として、フラップ状係合部材に作用する外力を抑制することに着目した下記請求項3ないし8の発明が好ましい。即ち、人体の開口より排出される排泄物を受容するための開口部を有する袋体と、この袋体に連通して袋体の下方に延びその端部に前記袋体内に受容された排泄物を排出するための排出口を有する筒状の頸状部と、この頸状部または袋体に設けられ前記排出口からの排泄物の流出を閉鎖するための1対の互いに係合可能な係合部材とを備え、前記係合部材の少なくとも一方をフラップ状に形成したドレナブル排泄物収容装具において、前記フラップ状係合部材は、フラップ状係合部材に作用する外力により、フラップ状係合部材が剥がれるのを抑制する、剥がれ抑制手段を備えることを特徴とする(請求項3)。
【0015】
前記請求項3の発明における剥がれ抑制手段の実施態様としては、下記請求項4ないし6の発明が好ましい。即ち、前記剥がれ抑制手段は、前記フラップ状係合部材の外周縁部に形成した少なくとも1つの凹凸曲面又は切り込みからなるものとする(請求項4)。また、前記剥がれ抑制手段は、前記フラップ状係合部材の内部に形成した少なくとも1つのスリット状又は窓状開口からなるものとする(請求項5)。さらに、前記剥がれ抑制手段は、係合部材の外周縁に形成した係合部分のない領域、又は係合部材の係合部分を複数の領域に区画する係合部分のない領域からなるものとする(請求項6)。
【0016】
なお、前記剥がれ抑制手段は、必要に応じて、前記請求項4ないし6の発明の剥がれ抑制手段を組み合わせたものとすることもできる。上記請求項3ないし6の発明によれば、フラップ状係合部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かったとしても、フラップ状係合部材を剥離しようとする外力を緩衝することができ、フラップ状係合部材全体が一気に剥がれることを抑制し、安定した排出口の固定が維持できる。
【0017】
また、人体の開口より排出される排泄物を受容するための開口部を有する袋体と、この袋体に連通して袋体の下方に延びその端部に前記袋体内に受容された排泄物を排出するための排出口を有する筒状の頸状部と、この頸状部または袋体に設けられ前記排出口からの排泄物の流出を閉鎖するための1対の互いに係合可能な係合部材とを備え、前記係合部材の少なくとも一方をフラップ状に形成したドレナブル排泄物収容装具において、前記フラップ状係合部材は、フラップ状係合部材に剥がし外力が直接的に作用するのを抑制する、剥がし外力抑制手段を備えることを特徴とする(請求項7)。
【0018】
前記請求項7の発明における剥がし外力抑制手段の実施態様としては、下記請求項8の発明が好ましい。即ち、前記剥がし外力抑制手段は、前記フラップ状係合部材外周部の少なくとも一部を囲むように頸状部又は袋体に設けた防護壁からなり、前記防護壁の高さ寸法は、係合部材を互いに係合させた状態の厚さ寸法より大きいものとする(請求項8)。この構成によれば、フラップ状係合部材に剥がし外力が直接的に作用するのを防ぐことができるので、フラップ状係合部材が剥がれるのを防止することができる。
【0019】
さらに、前記請求項3ないし8のいずれか1項に記載のドレナブル排泄物収容装具において、係合部材は面ファスナ係合部材とし、前記面ファスナの係合は、フック部材とループ部材による係合、又は、突起部材とそれと相応する突起部材とによる係合とし、かつ、前記フック部材、ループ部材、又は突起部材の厚さを0.2〜3.0mm、面ファスナ係合部材を互いに係合させた状態の厚さを0.3〜4.0mmとし、さらに、係合面が所定幅(50mm)の係合部材に対して、所定の係合強度測定方法に基づいて測定した、面ファスナ係合部材の係合強度(N/50mm)を、1.5〜10.0としてなることを特徴とする(請求項9)。
【0020】
さらにまた、前記請求項1ないし9のいずれか1項に記載のドレナブル排泄物収容装具において、係合部材を互いに係合した状態において、係合部材を袋体の外周縁から突出しないように形成し、一方の係合部材をフラップ状に形成し、他方の係合部材をその片側全表面を頸状部または袋体に固定し、さらに、前記一方又は他方のいずれか一側の係合部材を、他側の係合部材より小さい外形寸法としてなるものとする(請求項10)。本構成によれば、フラップ状係合部材に指で摘める部分が形成されるので、排出口の固定または固定解除操作を簡便に行うことができる。又、固定または固定解除のために多くの部品を使う必要がないので製造上も有利であり、経済性も向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ドレナブル排泄物収容装具の使用中に、排出口の固定が外れることがなく、排出口の繰り返しの開閉操作後も安定した排出口固定が維持でき、かつ排出口の固定操作を簡便に行うことができるようにし、さらに使用中の違和感が少なく、経済性も良いドレナブル排泄物収容装具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜8に基づき、本発明の実施形態について述べる。図1は、本発明の第1の実施形態の、aは正面図、bはaのB-B線に沿う縦断面図であり、排出口が開放状態にある図を示す。図2は、図1の実施形態において、排出口を上方に折り畳んで、排出口を開放状態から閉鎖状態に固定するまでの説明図で、fは閉鎖固定状態の部分背面図、a〜eは、排出口開放状態から閉鎖固定状態のfに至る経過を説明する部分断面図である。
【0023】
図1において、1は面板、2は袋体、3は支持層、4は粘着層、5は剥離フィルム、6は開口部、7は袋体の内側フィルム、8は袋体の外側フィルム、9は人体と袋体との接触を快適にするための不織布、10は袋体の内部空間、11は腸内ガスを排出するためのガス排出用通気口、12は脱臭フィルター、13は排泄物が脱臭フィルターに付着するのを防止する中間壁、14は中間壁と袋体の外側フィルムとの結合箇所、15は袋体の外周縁、16は筒状の頸状部、17は排出口、18は頸状部を巻上げるための補助部材、19、20は1対の互いに係合可能な係合部材、21は切り欠き部、22は排出口を巻上げる(折り畳む)際の目安線を示す。
【0024】
図1において、面板1、袋体2を構成する素材には、従来と同様のものを使用することができる。面板の支持層3には、不織布等の布帛、フィルム、発泡シート等が使用できる。布帛の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;アクリル;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;等をあげることができる。これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。
【0025】
フィルムの材料としては、例えば、ポリウレタン;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA) 、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・メタクリル酸重合体(EMAA) 等のオレフィン系共重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;フッ素樹脂:ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリアクリルニトリル;シリコーン;等をあげることができる。これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。発泡シートの材料としては、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル、クロロプレンゴム、シリコーン等をあげることができる。
【0026】
粘着層4には水を吸着又は吸収する親水性物質を含有させた公知のハイドロコロイド粘着剤を使用することができる。袋体2の両フィルム7、8、及び中間壁13の材料としては、前記面板の支持層に使用できるフィルム材料と同様のものを選択でき、特に、ポリオレフィンまたはそれらの塩素化物、オレフィン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンを材料とするものが好ましい。また、フィルムは単層で使用しても、複数枚を積層させた複合フィルムを使用しても良い。不織布9の材料としては、前記面板の支持層に使用できる布帛材料と同様のものを使用できる。上記袋体2の両フィルム7、8は、外周縁において、筒状の頸状部を含めて、溶着等により一体となるように形成される。
【0027】
補助部材18は、袋体のフィルム7、8より硬質の板状部材であり、前記面板の支持層に使用できるフィルム材料と同様のものを選択できる。特に、頸状部の巻上げのし易さ、排出口の密閉性を向上させるためには、補助部材18は、排出口の直上に排出口の幅全体に亘って設置されることが好ましい。切り欠き部21は、頸状部の排出口端部に指をかけて排出口を広げるためのものであって、本実施例では、補助部材18及びそれが設置させるフィルム7に設けられており、切り欠き部21から指を入れ、フィルム8を外側に押し出すようにすれば、排出口の開放操作性がさらに向上する。
【0028】
排出口を巻上げる際の目安線22は、補助部材18の高さと同じ長さの間隔をあけて頸状部に印刷等により設けることができる。目安線により、排出口を巻上げる回数や位置を確認することができるので、排出口を正確な位置で固定することを意識するようになる。これにより、排出口が正しい位置で固定されないことでしばしば起こる排泄物の漏れを、防ぐことができる。
【0029】
次に、係合部材19、20について述べる。係合部材19、20は、1対の互いに係合可能な係合手段を有する部材の組み合わせであり、係合手段としては、例えば、面ファスナ、ボタン、粘着等の手段が使用でき、特に、面ファスナが好ましい。この面ファスナ係合部材としては、釣針状又はキノコ(マッシュルーム)状のパイル(以下フック部材と呼ぶ)とループ状のパイル(以下ループ部材と呼ぶ)による係合、又は、突起とそれと相応する突起(以下突起部材と呼ぶ)とによる係合を用いたものを使用することができる。特に、フック部材とループ部材の係合を使用した面ファスナ係合部材は、係合操作が簡便であり、柔らかい部材として形成可能なため、使用時中に違和感が少ないという利点がある。他方、突起部材同士を使用した面ファスナ係合部材は、係合が外れないように比較的硬い材料で形成されるため、互いの突起を係合させる際には大きな力を要し、さらに、係合を確実に行うためには面ファスナ係合部材の全面を指で念入りに押圧する必要があり、係合操作が煩雑になるという問題があるものの、係合強度は比較的大きい。
【0030】
面ファスナ係合部材のフック部材及び突起部材の材料としては、前記面板の支持層に使用できるフィルム材料から選択できるほか、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン/エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、水添スチレン-ブタジエンラバー(HSBR)、スチレン-エチレン/ブチレン-オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、オレフィン結晶-エチレン/ブチレン-オレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール等を使用することができる。これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。面ファスナ係合部材のループ部材としては、表面にループを有する編布、織布等のシート状繊維構造物を使用でき、その材料としては、前記面板の支持層に使用できる布帛材料と同様のものを使用できる。
【0031】
このフック部材、ループ部材、又は突起部材の厚さは、0.2〜3.0mmが好ましく、0.2〜1.0mmがさらに好ましい。又、前記部材を互いに係合させた状態での厚さは、0.3〜4.0mmが好ましく、0.3〜1.5mmがさらに好ましい。尚、これらの厚さは、0.7kPaの圧力を10秒間かけた後の厚さである。前記厚さが0.2mm以下であると、繰り返しの剥離に耐えるのに十分な強度が得られず、前記部材が破損したり、十分な係合強度が得られなかったりする可能性がある。又、前記部材厚さが3.0mm以上であると、前記部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かり、係合が外れ易くなる恐れがあり、さらに、前記部材に排泄物や洗浄時の水分が付着し、それらを除去し難くなるので使用者に不快感を与える可能性がある。又、フック部材、又は突起部材の単位面積当りの重さは、50〜400g/m2が好ましく、80〜300g/m2がさらに好ましい。又、ループ部材の単位面積辺りの重さは、20〜800g/m2が好ましく、50〜200g/m2がさらに好ましい。
【0032】
フック部材とループ部材による係合、又は、突起部材とそれと相応する突起部材とによる係合の強度は、後述する係合強度の測定方法に基づき、剥離1回から30回の係合強度が1.5〜10.0N/50mmの範囲であることが好ましい。排泄物収容装具のように、繰り返し同一部分を係合する場合、前記フック部材や突起部材の係合部分が変形したり、ループ部材の起毛部分が切れたりして、係合強度は徐々に低下するが、1.5N/50mm以上の係合強度を維持していれば係合部分の不意の剥がれを防止し、安定した係合状態を維持することが可能となる。ただし、排出口の開放を行う際には、簡単に操作できるように、係合強度は10.0N/50mm以下が好ましい。
【0033】
(係合強度の測定方法)
本測定は、23℃の環境下で行う。まず、長さ100mm、幅50mmの1対の係合部材の係合面同士を重ね合わせ、その上から2kgローラーを2往復させ係合部材同士を係合させ試験片を作成する。次に、その試験片のそれぞれの係合部材の同側片端部を引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAG−I)のつかみに取り付け、引き剥がし速度300mm/minで長さ方向にT型剥離させ、その際の剥離力の最大値を係合強度(N/50mm)とする。係合強度は、最初に剥離する1回目の係合強度から、同じ試験片を同様の操作で30回繰り返し剥離させた30回目の係合強度まで測定する。
【0034】
前記フック部材、ループ部材、又は突起部材の厚さを維持しながら、前記係合強度を実現するためには、次のような特性を有することが好ましい。即ち、フック部材又は突起部材におけるフック又は突起の高さが0.2〜1.0mm、フック又は突起の数が1cm2あたり100〜300本であることが好ましい。又、ループ部材におけるループ起毛の高さが0.5〜2.0mm、ループ起毛の数が流れ方向と幅方向共に25mmあたり20〜100本(好ましくは40〜60本)、ループ起毛を形成する繊維の太さが1〜50デシテックスであることが好ましい。特に、フック部材とループ部材との係合が好ましく、フック又はループを前記範囲(フックの高さ、数、並びにループ起毛の高さ、数、繊維太さ)に特定することで、フックの永久ひずみと、ループの起毛部分の切れを抑え、繰り返しの係合強度の低下を抑えることができる。
【0035】
次に、係合部材の使用方法について述べる。図1の実施形態において、係合部材19および20は、図2に示すように、排出口17を上方に巻上げて、排出口を閉鎖状態に固定する場合に用いる面ファスナであり、図2のeで示すように、係合部材19と20とが重なることにより固定される。この場合、排出口17は、図2のa〜eの一連の巻上げ状態の図が示すように、補助部材18を起点として頸状部16の上方に4回巻上げられ、その巻上げ部分が固定される。これにより、巻上げ部分の複数の面は平坦なシール面として機能し、排出口から排泄物が漏出することを確実に防止することができる。
【0036】
又、係合部材19、20は、それらを互いに係合した状態で、係合部材が袋体の外周縁から突出しないように形成されているため、係合部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かり難くなっている。しかも、図2のfに示すように、係合部材19は、係合部材20より小さい台形形状に形成してあるため、係合部材19と20を互いに係合させたときに係合部材20の両端部分に係合されない領域が形成されるので、その非係合領域を指で摘んで操作することにより、係合を剥がす際に操作性がよい利点がある。
【0037】
次に、図3について述べる。図3は図1とは異なる実施形態を示し、フラップ状係合部材19としての面ファスナを人体側のフィルムに取り付けた場合を示す。図3のaは部分正面図、bは部分断面図、cは固定した状態の部分背面図である。基本的な構成および作用効果は、図1の実施形態と同様であるが、図3の実施形態の場合には、排出口に近い方の係合部材19をフラップ状にすることで、巻上げていく操作をするだけで自然に係合部材19と係合部材20とを係合させることができるので、片手でも固定操作ができる利点がある。なお、図3の実施形態では、排出口17は、補助部材18を起点として頸状部16の上方に3回巻上げられ、その巻上げ部分が固定される。
【0038】
又、図1と同様に、係合部材19、20は、係合時に袋体の外周縁から突出しないように形成されているため、係合部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かるのを抑制することができる。さらに、係合部材19の外周縁に複数の凹凸曲面から形成される剥がれ抑制手段23を備えるので、仮にこの係合部材になんらかの引っ掛かりが生じ、フラップ状の係合部材が剥離し始めたとしても、この係合部材の凹凸曲面の変曲点が剥離をストップする役目を果たすため、係合部材全体が一気に剥がれることを抑制することができる。
【0039】
又、係合部材20は、その中央部に凹曲面を設けることで係合部材19より外形寸法を小さく形成してあるため、図1の実施形態と同様に指で摘める非係合領域が形成され、係合を剥がす際に操作性が良い。
【0040】
次に、図4について述べる。図4は図1とは異なる実施形態を示し、係合部材19、20を両方ともフラップ状の面ファスナにした場合を示す。図4のa〜dは一連の巻上げ状態を示す部分断面図、eは固定した状態の部分背面図である。基本的な構成および作用効果は、図1の実施形態と同様であるが、図4の実施形態の場合には、係合部材を2枚のフラップで構成することで、係合時に係合部分が袋体又は頸状部から独立してひらひらと自由に動くことができるため、外部からの接触があっても、その可動性により剥離にかかる力を緩衝し、係合部分の剥離を抑制することができる。なお、図4の実施形態においても、図3の実施形態と同様に、複数の凹凸曲面から形成される剥がれ抑制手段23が設けられている。
【0041】
次に、図5について述べる。図5は図1とは異なる実施形態を示し、係合部材を互いに係合させた状態の厚さより高さ寸法が大きい剥がし外力抑制手段23aを、係合部材外周縁近傍の頸状部に設けた場合を示す。図5のaは部分正面図、bは部分断面図、cは固定した状態の部分背面図である。基本的な構成および作用効果は、図1の実施形態と同様であるが、図5の実施形態の場合には、剥がし外力抑制手段23aとしてコの字型に形成された防護壁が、係合した状態の係合部材よりも外側に出っ張っているため、係合部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かりそうな場合でも、それらの接触が優先的に剥がし外力抑制手段23aに接触することで係合部材の剥離に影響する外力を防護し、係合部分の剥離を抑制することができる。なお、図5の実施形態では、剥がし外力抑制手段23aを、係合部材外周縁近傍の頸状部に設けた例を示したが、係合部材の設置位置により、袋体に設ける場合もある。また、剥がし外力抑制手段23aの高さ寸法は、係合部材を互いに係合させた状態の厚さと同レベルでも、剥離外力を防護する効果はある。
【0042】
次に、図6〜8に基づき、係合部材に設ける剥がれ抑制手段の他の実施形態を説明する。図6〜8は、フラップ状に形成した係合部材に、剥がれ抑制手段23を設けた正面図であり、各形態の機能を説明するためにフラップ状係合部材のみを記載している。このフラップ状係合部材は、図1、3、5の実施形態のように、袋体を形成する2枚のフィルムのどちらか一方の側に設置しても良いし、図4の実施形態のように両側に設置しても良い。
【0043】
図6のa、bの実施形態は、剥がれ抑制手段23を、係合部材の外周縁に設けた複数の凹凸曲面として形成した前述の実施形態で、c、dは、剥がれ抑制手段23を、係合部材の外周縁に設けた少なくとも1つの切り込みとして形成したものである。このような凹凸曲面や切り込みを設けることで、仮にこの係合部材になんらかの引っ掛かりが生じ、フラップ状の係合部材が剥離し始めたとしても、この係合部材の凹凸曲面の変曲点又は切り込み部分が剥離を途中でストップする機能を果たすため、係合部材全体が一気に剥がれることを抑制することができる。
【0044】
図7のa、bの実施形態は、剥がれ抑制手段23を、係合部材の内部に形成した少なくとも1つのスリット状又は窓状開口として形成したものである。図7はスリット状開口のみを示すが、矩形または円形の窓状開口でもよい。このようなスリット状又は窓状開口を設けることで、係合部材が剥離し始めたとしても、係合部材内部に形成された開口の部分で剥離がストップされ、係合部材全体が一気に剥がれることを抑制することができる。
【0045】
図8のaの実施形態は、剥がれ抑制手段23を、係合部材の外周縁に形成する係合部分のない領域として形成したもので、bはその断面図を示す。さらに、図8のcの実施形態では、剥がれ抑制手段23を、係合部材の係合部分24を複数の領域に区画する係合部分のない領域として形成したもので、dはその断面図を示す。係合部分24を取り囲むように係合部材の外周縁に係合部分のない領域を設けることで、フラップ状係合部材の外周縁の厚さを薄くすることができるので、係合部材に衣服やその他の接触物が引っ掛かり難くなり、係合部材の剥がれを抑制することができる。又、係合部分24を複数の領域に分割する溝状の剥がれ抑制手段23を設けることで、係合部材が剥離し始めたとしても、この溝状の係合部分のない領域で剥離がストップされ、係合部材全体が一気に剥がれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のドレナブル排泄物収容装具の実施形態を示す図。
【図2】図1の実施形態において、排出口を上方に折り畳んで、排出口を開放状態から閉鎖状態にして固定するまでの説明図。
【図3】図1とは異なるドレナブル排泄物収容装具の実施形態を示す図。
【図4】図1とはさらに異なる実施形態に関し、排出口を上方に折り畳んで、排出口を開放状態から閉鎖状態にして固定するまでの説明図。
【図5】本発明に関わる剥がし外力抑制手段の実施形態を示す図。
【図6】本発明に関わる剥がれ抑制手段の実施形態を示す図。
【図7】図6とは異なる剥がれ抑制手段の実施形態を示す図。
【図8】図6とはさらに異なる剥がれ抑制手段の実施形態を示す図。
【図9】特許文献2に開示された従来のドレナブル排泄物収容装具を示す図。
【図10】特許文献3に開示された従来のドレナブル排泄物収容装具を示す図。
【符号の説明】
【0047】
1 面板
2 袋体
6 開口部
7 袋体の内側フィルム
8 袋体の外側フィルム
16 頸状部
17 排出口
18 補助部材
19,20 係合部材
21 切り欠き部
22 目安線
23 剥がれ抑制手段
23a 剥がし外力抑制手段
24 係合部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の開口より排出される排泄物を受容するための開口部を有する袋体と、この袋体に連通して袋体の下方に延びその端部に前記袋体内に受容された排泄物を排出するための排出口を有する筒状の頸状部と、この頸状部または袋体に設けられ前記排出口からの排泄物の流出を閉鎖するための1対の互いに係合可能な面ファスナ係合部材とを備え、前記面ファスナ係合部材の少なくとも一方をフラップ状に形成したドレナブル排泄物収容装具において、
前記面ファスナの係合は、フック部材とループ部材による係合、又は、突起部材とそれと相応する突起部材とによる係合とし、かつ、前記フック部材、ループ部材、又は突起部材の厚さを0.2〜3.0mm、面ファスナ係合部材を互いに係合させた状態の厚さを0.3〜4.0mmとし、さらに、係合面が所定幅(50mm)の係合部材に対して、所定の係合強度測定方法に基づいて測定した、面ファスナ係合部材の係合強度(N/50mm)を、1.5〜10.0としてなることを特徴とするドレナブル排泄物収容装具。
【請求項2】
フック部材又は突起部材におけるフック又は突起の高さを0.2〜1.0mm、フック又は突起の数を1cm2あたり100〜300本とし、ループ部材におけるループ起毛の高さを0.5〜2.0mm、ループ起毛の数を流れ方向と幅方向共に25mmあたり20〜100本、ループ起毛を形成する繊維の太さを1〜50デシテックスとすることを特徴とする請求項1に記載のドレナブル排泄物収容装具。
【請求項3】
人体の開口より排出される排泄物を受容するための開口部を有する袋体と、この袋体に連通して袋体の下方に延びその端部に前記袋体内に受容された排泄物を排出するための排出口を有する筒状の頸状部と、この頸状部または袋体に設けられ前記排出口からの排泄物の流出を閉鎖するための1対の互いに係合可能な係合部材とを備え、前記係合部材の少なくとも一方をフラップ状に形成したドレナブル排泄物収容装具において、
前記フラップ状係合部材は、フラップ状係合部材に作用する外力により、フラップ状係合部材が剥がれるのを抑制する、剥がれ抑制手段を備えることを特徴とするドレナブル排泄物収容装具。
【請求項4】
剥がれ抑制手段は、前記フラップ状係合部材の外周縁部に形成した少なくとも1つの凹凸曲面又は切り込みからなることを特徴とする請求項3に記載のドレナブル排泄物収容装具。
【請求項5】
剥がれ抑制手段は、前記フラップ状係合部材の内部に形成した少なくとも1つのスリット状又は窓状開口からなることを特徴とする請求項3に記載のドレナブル排泄物収容装具。
【請求項6】
剥がれ抑制手段は、係合部材の外周縁に形成した係合部分のない領域、又は係合部材の係合部分を複数の領域に区画する係合部分のない領域からなることを特徴とする請求項3に記載のドレナブル排泄物収容装具。
【請求項7】
人体の開口より排出される排泄物を受容するための開口部を有する袋体と、この袋体に連通して袋体の下方に延びその端部に前記袋体内に受容された排泄物を排出するための排出口を有する筒状の頸状部と、この頸状部または袋体に設けられ前記排出口からの排泄物の流出を閉鎖するための1対の互いに係合可能な係合部材とを備え、前記係合部材の少なくとも一方をフラップ状に形成したドレナブル排泄物収容装具において、
前記フラップ状係合部材は、フラップ状係合部材に剥がし外力が直接的に作用するのを抑制する、剥がし外力抑制手段を備えることを特徴とするドレナブル排泄物収容装具。
【請求項8】
剥がし外力抑制手段は、前記フラップ状係合部材外周部の少なくとも一部を囲むように頸状部又は袋体に設けた防護壁からなり、前記防護壁の高さ寸法は、係合部材を互いに係合させた状態の厚さ寸法より大きいことを特徴とする請求項7に記載のドレナブル排泄物収容装具。
【請求項9】
係合部材は面ファスナ係合部材とし、前記面ファスナの係合は、フック部材とループ部材による係合、又は、突起部材とそれと相応する突起部材とによる係合とし、かつ、前記フック部材、ループ部材、又は突起部材の厚さを0.2〜3.0mm、面ファスナ係合部材を互いに係合させた状態の厚さを0.3〜4.0mmとし、さらに、係合面が所定幅(50mm)の係合部材に対して、所定の係合強度測定方法に基づいて測定した、面ファスナ係合部材の係合強度(N/50mm)を、1.5〜10.0としてなることを特徴とする請求項3ないし8のいずれか1項に記載のドレナブル排泄物収容装具。
【請求項10】
係合部材を互いに係合した状態において、係合部材を袋体の外周縁から突出しないように形成し、一方の係合部材をフラップ状に形成し、他方の係合部材をその片側全表面を頸状部または袋体に固定し、さらに、前記一方又は他方のいずれか一側の係合部材を、他側の係合部材より小さい外形寸法としてなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のドレナブル排泄物収容装具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−43037(P2006−43037A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226580(P2004−226580)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000151380)アルケア株式会社 (88)
【Fターム(参考)】