説明

ドームカメラのインナードームおよびドームカメラ並びにドームカメラのインナードームの製造方法

【課題】撮像範囲を広くできるドームカメラのインナードームおよびドームカメラ並びにドームカメラのインナードームの製造方法を提供する。
【解決手段】カメラと、カメラを収容するインナードーム14と、インナードーム14の少なくとも一部を覆うドームカバーと、を備えるドームカメラのインナードーム14であって、インナードーム14が、第1半球部22と、第1半球部22の半球端面21に連結され、第1半球部22の第1外周面25と連続する第2外周面26が設けられた第2半球部23と、第2半球部23における第1半球部22と反対側に設けられた開口部20と、第2半球部23の第2内周面30から第1半球部22の第1内周面31の一部分に渡って設けられ、開口部20の開口縁部から第1半球部22および第2半球部23の連結する方向に沿う複数のリブ24と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドームカメラのインナードームおよびドームカメラ並びにドームカメラのインナードームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドームカメラは、例えば、施設の監視用に用いられ、施設の壁や天井等に設置される(例えば特許文献1参照)。図9(A),(B)に示すように、この種のドームカメラ101は、所定の撮影方向を撮影するカメラ102と、カメラ102が取り付けられる下ケース103と、下ケース103に取り付けられる上ケース104と、カメラ102を覆うカバー105とを備えている。カバー105は、透明なプラスチック製の図示しないドームカバーと、不透明なプラスチック製のインナードーム106とから構成されている。ドームカメラ101のカバー105には、カメラ102の撮影方向の視野を確保しつつ、他の部分は外部から見えないように保護するために、カメラ102の画角の分だけ切り欠いた切欠部107が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−110484号公報(請求項1、図1、段落0016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のドームカメラ101は、図9(B)に示すように、インナードーム106が半球部108と円筒部109とからなる。このため、半球部108にカメラ102の視野を確保するための切欠部107を形成していた。カメラ102の撮像軸線111は、切欠部107を通して、円筒部109の端面の半径方向を基点として、俯仰回動する。俯仰回動の範囲は、基点により定まる。撮像範囲は、俯仰回動の範囲を超えれば画像がゆがむことから従来では約75度が限界であった。一方、撮像範囲を拡げるには、切欠部107の拡大が考えられる。ところが、切欠部107の拡大には、半球部108の半球端面110に他方の半球部へ外周面が連続するアンダーカット部112を設けなければならず、インナードーム106の射出成形を困難にした。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、撮像範囲を広くできるドームカメラのインナードームおよびドームカメラ並びにドームカメラのインナードームの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドームカメラのインナードームは、カメラと、前記カメラを収容するインナードームと、前記インナードームの少なくとも一部を覆うドームカバーと、を備えるドームカメラのインナードームであって、前記インナードームが、第1半球部と、前記第1半球部の半球端面に連結され、前記第1半球部の第1外周面と連続する第2外周面が設けられた第2半球部と、前記第2半球部における前記第1半球部と反対側に設けられた開口部と、前記第2半球部の第2内周面から前記第1半球部の第1内周面の一部分に渡って設けられ、前記開口部の開口縁部から前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿う複数のリブと、を有するものである。
【0007】
また、本発明のドームカメラのインナードームは、前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿う前記第1半球部の母線に沿って設けられた切欠部を有し、前記複数のリブのうち少なくとも1つが、前記切欠部の切欠縁部に沿って設けられたものである。
【0008】
さらに、本発明のドームカメラのインナードームは、前記複数のリブが前記第2半球部の第2内周面における対称位置に設けられているものである。
【0009】
さらに、本発明のドームカメラのインナードームは、前記複数のリブが、前記第2半球部の周方向に対面する周方向端面と、前記第2半球部の径方向に対面する径方向端面とを有し、前記リブの前記径方向端面における第2半球部側端部が第1半球部側端部よりも前記第2半球部の内側に突出していないものである。
【0010】
さらに、本発明のドームカメラのインナードームは、前記リブの前記径方向端面が前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿っているものである。
【0011】
さらに、本発明のドームカメラは、上記のうちの1つのドームカメラのインナードームを用いたものである。
【0012】
さらに、本発明のドームカメラのインナードームの製造方法は、カメラと、前記カメラを収容するインナードームと、前記インナードームの少なくとも一部を覆うアウタードームと、を備え、前記インナードームが、第1半球部と、前記第1半球部の半球端面に連結され、前記第1半球部の第1外周面と連続する第2外周面が設けられた第2半球部と、前記第2半球部における前記第1半球部と反対側に設けられた開口部とを有するドームカメラのインナードームの製造方法であって、前記インナードームの内側となる雄金型が、前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿う略板状の第1雄金型と、前記第1雄金型の厚み方向両面に沿う第2雄金型とを備え、射出成形後に前記第1雄金型をそれぞれの前記第2雄金型から前記開口部側に移動させ、次いでそれぞれの前記第2雄金型を互いに接近させ、前記第1雄金型およびそれぞれの前記第2雄金型を前記開口部側に移動させることにより前記インナードームを脱型させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るドームカメラのインナードームによれば、第1半球部の半球端面に、第2半球部を連続させたので、撮像範囲を広くできる。
【0014】
本発明に係るドームカメラによれば、従来、第1半球部のみに形成されていた切欠部を、第2半球部まで拡大できるので、撮像範囲を広くできる。
【0015】
本発明に係るドームカメラのインナードームの製造方法によれば、従来、形成できなかったアンダーカット部分となる第2半球部をインナードームに形成できるので、撮像範囲を広くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る実施形態のドームカメラの側面図
【図2】(A)は図1に示したインナードームの正面図、(B)は(A)の平面図、(C)は(A)の下面図、(D)は(A)のS−S断面図、(E)は(A)のT−T断面図、(F)は図1に示したインナードームのU−U断面図
【図3】図1に示したインナードームを開口部の斜め下方から見た斜視図
【図4】図3に示したインナードームの一部分を切り欠いた斜視図
【図5】斜め上方から見たインナードームの一部分を切り欠いた斜視図
【図6】図1に示したインナードームを半球端面と平行な面で切り欠いた斜視図
【図7】(A)はインナードームを射出成形する金型の断面図、(B)は(A)の平面図、(C)は脱型時の分解断面図、(D)は脱型前の金型の断面図、(E)は脱型時の金型の断面図
【図8】(A)は脱型前の雄金型の縦断面図、(B)は(A)の平面図、(C)は脱型中の雄金型の縦断面図、(D)は(C)の平面図
【図9】(A)は従来のドームカメラの斜視図、(B)は(A)の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明に係る実施形態のドームカメラの側面図である。
本実施の形態に係るドームカメラ10は、例えば、施設の監視用に用いられ、施設の壁や天井等に設置される。ドームカメラ10は、カメラ11が、図示しない下ケースに取り付けられる。カメラ11は、下ケース、または下ケースに取り付けられる図示しない上ケースを介して取り付けられるカバー12によって覆われる。カバー12は、透明なプラスチック製のドームカバー(アウタードーム)13と、不透明なプラスチック製のインナードーム14とから構成されている。
なお、ドームカメラ10は、例えば天井に設置された場合は、下ケースが上となり、上ケースが下となる。
【0018】
本実施形態において、インナードーム14は、外周面の円周方向に段部15を有する。段部15の段差は、ドームカバー13の厚みと等しい。段部15は、上下軸16に直交する仮想面に対して傾斜して形成される。つまり、ドームカバー13は、インナードーム14の一部を覆っている。カメラ11は、上下軸16に直交する支持軸17を中心に俯仰回動するように取り付けられている。カメラ11のレンズ部18の前方は、カメラ11の撮影方向の視野を確保するためのインナードーム14に形成された切欠部19(図2参照)となっている。切欠部19は、他の部分は外部から見えないように保護するために、カメラ11の画角の分だけインナードーム14を切り欠いて形成される。
【0019】
次に、上記ドームカメラ10が有するインナードーム14について説明する。
図2(A)は図1に示したインナードーム14の正面図、図2(B)は図2(A)の平面図、図2(C)は図2(A)の下面図、図2(D)は図2(A)のS−S断面図、図2(E)は図2(A)のT−T断面図、図2(F)は図1に示したインナードーム14のU−U断面図、図3は図1に示したインナードーム14を開口部20の斜め下方から見た斜視図、図4は図3に示したインナードーム14の一部分を切り欠いた斜視図、図5は斜め上方から見たインナードーム14の一部分を切り欠いた斜視図、図6は図1に示したインナードーム14を半球端面21と平行な面で切り欠いた斜視図である。
インナードーム14は、第1半球部22と、第2半球部23と、開口部20と、リブ24と、を有して形成される。第1半球部22は、第2半球部23と一体に射出成形される部位で、アンダーカットは存在しない。
【0020】
第2半球部23は、第1半球部22の半球端面21に連結され、第1半球部22の第1外周面25と連続する第2外周面26が設けられる。第1半球部22の半球端面21で内部空間27が最大直径となったインナードーム14は、内部空間27を第2半球部側に移動するにつれて内部空間27の直径が縮径する。つまり、インナードーム14は、この第2半球部23が、第1半球部22の半球端面21に一体に連続して形成されることで、アンダーカットが発生している。
【0021】
開口部20は、第2半球部23における第1半球部22と反対側に設けられる。開口部20の周囲にはフランジ部28が形成される。インナードーム14は、第1半球部22とこのフランジ部28との間が第2半球部23で絞られた形状となっている。フランジ部28の下面にはセレーション29が環状に形成され、セレーション29は図示しない下ケースのケース側セレーションと噛み合う。
【0022】
リブ24は、第2半球部23の第2内周面30(図5参照)から第1半球部22の第1内周面31の一部分に渡って設けられている。すなわち、開口部20の開口縁部32から第1半球部22および第2半球部23の連結する方向に沿って形成されている。本実施形態では、6つのリブ24が形成されている。
【0023】
インナードーム14に形成される上記の切欠部19は、第1半球部22および第2半球部23の連結する方向に沿う第1半球部22の母線に沿って設けられている。それぞれのリブ24のうち少なくとも1つは、図4に示すように、切欠部19の切欠縁部33に沿って設けられている。本実施形態では、切欠部19の両側の切欠縁部33にリブ24がそれぞれ設けられる。切欠縁部33に沿ってリブ24が設けられることで、切欠縁部33の強度が高められ、切欠部19を形成してもインナードーム14の強度が低下しなくなる。
【0024】
それぞれのリブ24は、第2半球部23の第2内周面30における対称位置に設けられている。すなわち、リブ24は、第1半球部22における半球端面21の中心を点対称に配設される。複数のリブ24が、点対称に配設されることで、射出成形時の偏肉が生じ難くなる。また、リブ24が円周方向に均等に配置されることにより、インナードーム14の強度も均等に高まる。
【0025】
それぞれのリブ24は、第2半球部23の周方向に対面する図5に示す周方向端面34と、第2半球部23の径方向に対面する径方向端面35とを有して形成される。図3に示すように、リブ24の径方向端面35における第2半球部側端部36は、第1半球部側端部37よりも第2半球部23の内側に突出していない。つまり、径方向端面35は、上下軸16と平行となる。後に詳述するように、このリブ24が形成されることで、インナードーム14は、射出成形後、雄金型38(図7(A)参照)が開口部20から脱型され易くなっている。
【0026】
脱型方向の手前側に位置する第2半球部側端部36が、脱型方向の奥側に位置する第1半球部側端部37よりも、第2半球部23の内側に突出していないことで、径方向端面35がアンダーカットとならず、雄金型38の脱型が容易となっている。
【0027】
また、リブ24の径方向端面35は、第1半球部22および第2半球部23の連結する方向に沿っている。リブ24の径方向端面35が、雄金型38の脱型方向に沿って形成されていることで、雄金型38の脱型が容易となっている。
【0028】
次に、上記構成を有するインナードーム14の作用を説明する。
上記のように構成されるインナードーム14では、第1半球部22の半球端面21に、第2半球部23が連結されることで、従来、第1半球部22のみの範囲でしか形成できなかった切欠部19が、第2半球部23に渡って拡大形成可能となる。これにより、切欠部19を通して俯仰回動するカメラ11の撮像軸線が従来よりも大きな範囲で俯仰回動可能となる。また、インナードーム14のアンダーカット部分にリブ24が形成されていることにより、アンダーカットの存在するインナードーム14であっても、リブ24に沿う雄金型38は脱型が可能となる。つまり、リブ24を設けることで、アンダーカットによる脱型の制約が回避可能となっている。
【0029】
従って、上記構成のインナードーム14を備えるドームカメラ10では、従来、第1半球部22のみで形成されていた切欠部19が、第2半球部23まで拡大されることになり、カメラ11の俯仰回動の範囲が従来よりも大きくなる。
【0030】
次に、インナードーム14の製造方法について説明する。
インナードーム14は、金型39を用いた射出成形によって製造される。製造方法に先立ち、金型39について説明する。
図7(A)はインナードーム14を射出成形する金型39の断面図、図7(B)は図7(A)の平面図、図7(C)は脱型時の分解断面図、図7(D)は脱型前の金型39の断面図、図7(E)は脱型時の金型39の断面図である。
金型39は、雄金型38と、雌金型40と、スライド金型41と、からなる。雄金型38は、第1雄金型42と、第2雄金型43と、からなる。雌金型40は、第1雌金型44と、第2雌金型45とからなる。スライド金型41は、切欠部用スライド金型46と、切欠部アンダーカット用スライド金型47と、からなる。すなわち、金型39は、6種のものからなる。
【0031】
図8(A)は脱型前の雄金型38の縦断面図、図8(B)は図8(A)の平面図、図8(C)は脱型中の雄金型38の縦断面図、図8(D)は図8(C)の平面図である。
インナードーム14の内側となる雄金型38は、第1半球部22および第2半球部23の連結する方向に沿う略板状の第1雄金型42と、第1雄金型42の厚み方向両面48に沿う第2雄金型43とを備える。すなわち、第1雄金型42は、放射状に配置した複数の立板部49を、中心の軸部50に連結した平断面視、菊花状に形成される。軸部50は、脱型の方向に向かって徐々に大径となるテーパーで形成される。それぞれの立板部49は、平断面形状が軸部50に向かって薄厚となる楔形状となる。立板部同士の間には、それぞれ第2雄金型43が配置される。第2雄金型43も、平断面形状が軸部50に向かって薄厚となる楔形状となる。第2雄金型43の輪郭形状は、図8(A)に示すように、インナードーム14の第1内周面31、第2内周面30を形成する形状となる。第1雄金型42の側端面は、図8(B)に示すように、リブ24の径方向端面35を形成する形状となる。
【0032】
第1雄金型42は、複数の立板部49が軸部50で一体に形成され、図8(C)に示すように、軸部50が脱型されることで、複数の立板部49が同時に脱型の方向(矢印G方向)へ移動される。この移動により、第2雄金型43は、縮径方向(矢印H方向)へ移動が可能となる。第1雄金型42が脱型の方向へ移動され、第2雄金型43が縮径方向へ移動されることで、図8(D)に示すように、第2雄金型43の輪郭は、リブ24の厚み分縮径が可能となる。
【0033】
第1雌金型44と、第2雌金型45とは、切欠部19を挟むインナードーム14の左右の第1外周面25および第2外周面26を形成する。切欠部用スライド金型46は、切欠部19を形成する。切欠部用スライド金型46のスライド下面51(図7(C)参照)は、第1半球部22と第2半球部23との境界面と同一面となる。切欠部アンダーカット用スライド金型47は、切欠部19のアンダーカット部分を形成する。これらそれぞれの第1雄金型42、第2雄金型43、第1雌金型44、第2雌金型45、切欠部用スライド金型46、切欠部アンダーカット用スライド金型47は、図7(C)に付したそれぞれの矢印方向へ移動できるよう構成されている。
【0034】
次に、金型39を用いたインナードーム14の製造方法について説明する。
インナードーム14を射出成形するには、第1雄金型42の立板部同士の間に、第2雄金型43を配置し、図8(A)の状態とする。次いで、これら組み付けられた第1雄金型42、第2雄金型43を覆うようにして第1雌金型44と第2雌金型45が合わせられる。合わせられた第1雌金型44と第2雌金型45の切欠部19に相当する部分には、切欠部アンダーカット用スライド金型47と、切欠部用スライド金型46とが配置される。これにより、図7(A)に示す状態とする。
【0035】
この状態で、雄金型38と雌金型40との射出成形間隙に、所定の樹脂材料を射出して、インナードーム14の成形品を得る。
【0036】
射出成形後の脱型は、先ず、図8(C)に示すように、第1雄金型42のみをそれぞれの第2雄金型43から開口部側に移動させる。次いで、それぞれの第2雄金型43を互いに接近させ、第1雄金型42およびそれぞれの第2雄金型43を開口部側に移動させることによりインナードーム14を脱型させる。
【0037】
このように、インナードーム14の製造方法では、雄金型38の脱型方向に沿う雄金型中心軸52を中心として円周方向で、第1雄金型42を挟んで複数の第2雄金型43が配置されて雄金型38が構成されている。射出成形の後、第1雄金型42が第2雄金型43に対して開口部20へ移動されることで、第2雄金型43には第1雄金型42が移動されたことによる間隙が円周方向に形成される。第2雄金型同士は、この間隙を無くす方向に相互に接近させることが可能となる。この接近移動により第2雄金型43は、図8(D)に示すように、外径が縮径可能となる。この縮径によって、アンダーカット成形部分が外周に設けられた第2雄金型43であっても、製品であるインナードーム14の開口部20から脱型が可能となる。この際、第2雄金型43の脱型に先立ち脱型される第1雄金型42は、インナードーム14にリブ24が形成されていることにより、リブ24に沿う容易な脱型が実現する。
【0038】
従って、本実施形態に係るドームカメラ10のインナードーム14によれば、第1半球部22の半球端面21に、第2半球部23を連続させたので、撮像範囲を広くできる。
【0039】
また、本実施形態に係るドームカメラ10によれば、従来、第1半球部22のみに形成されていた切欠部19を、第2半球部23まで拡大できるので、撮像範囲を広くできる。
【0040】
さらに、本実施形態に係るドームカメラ10のインナードーム14の製造方法によれば、従来、形成できなかったアンダーカット部分となる第2半球部23をインナードーム14に形成できるので、撮像範囲を広くできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、撮像範囲を広くできるドームカメラに適用できる。
【符号の説明】
【0042】
10 ドームカメラ
11 カメラ
13 ドームカバー(アウタードーム)
14 インナードーム
19 切欠部
20 開口部
21 半球端面
22 第1半球部
23 第2半球部
24 リブ
25 第1外周面
26 第2外周面
30 第2内周面
31 第1内周面
32 開口縁部
33 切欠縁部
34 周方向端面
35 径方向端面
36 第2半球部側端部
37 第1半球部側端部
38 雄金型
42 第1雄金型
43 第2雄金型
48 厚み方向両面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラを収容するインナードームと、
前記インナードームの少なくとも一部を覆うドームカバーと、を備えるドームカメラのインナードームであって、
前記インナードームが、
第1半球部と、
前記第1半球部の半球端面に連結され、前記第1半球部の第1外周面と連続する第2外周面が設けられた第2半球部と、
前記第2半球部における前記第1半球部と反対側に設けられた開口部と、
前記第2半球部の第2内周面から前記第1半球部の第1内周面の一部分に渡って設けられ、前記開口部の開口縁部から前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿う複数のリブと、を有するドームカメラのインナードーム。
【請求項2】
請求項1に記載のドームカメラのインナードームにおいて、
前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿う前記第1半球部の母線に沿って設けられた切欠部を有し、
前記複数のリブのうち少なくとも1つが、前記切欠部の切欠縁部に沿って設けられたドームカメラのインナードーム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のドームカメラのインナードームにおいて、
前記複数のリブが前記第2半球部の第2内周面における対称位置に設けられているドームカメラのインナードーム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちの1項に記載のドームカメラのインナードームにおいて、
前記複数のリブが、前記第2半球部の周方向に対面する周方向端面と、前記第2半球部の径方向に対面する径方向端面とを有し、
前記リブの前記径方向端面における第2半球部側端部が第1半球部側端部よりも前記第2半球部の内側に突出していないドームカメラのインナードーム。
【請求項5】
請求項4に記載のドームカメラのインナードームにおいて、
前記リブの前記径方向端面が前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿っているドームカメラのインナードーム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちの1項に記載のドームカメラのインナードームを用いたドームカメラ。
【請求項7】
カメラと、
前記カメラを収容するインナードームと、
前記インナードームの少なくとも一部を覆うアウタードームと、を備え、
前記インナードームが、
第1半球部と、
前記第1半球部の半球端面に連結され、前記第1半球部の第1外周面と連続する第2外周面が設けられた第2半球部と、
前記第2半球部における前記第1半球部と反対側に設けられた開口部とを有するドームカメラのインナードームの製造方法であって、
前記インナードームの内側となる雄金型が、
前記第1半球部および前記第2半球部の連結する方向に沿う略板状の第1雄金型と、
前記第1雄金型の厚み方向両面に沿う第2雄金型と、を備え、
射出成形後に前記第1雄金型をそれぞれの前記第2雄金型から前記開口部側に移動させ、
次いでそれぞれの前記第2雄金型を互いに接近させ、
前記第1雄金型およびそれぞれの前記第2雄金型を前記開口部側に移動させることにより前記インナードームを脱型させるドームカメラのインナードームの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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