説明

ナットピッチ設定装置

【課題】ナット孔間のピッチ設定を容易に行うことのできるナットピッチ設定装置を提供する。
【解決手段】フレーム11に装着された複数のナット12に、複数のボルト孔13aの形成された外装板13がボルト14にて固定されて成る箱体10を形成する際に、複数のナット12のネジ孔12a間ピッチを設定するためのナットピッチ設定装置において、細長の本体部110と、本体部110の長手方向に移動可能であり、本体部110の長手方向に交差する方向に突出して、ボルト孔13aおよびネジ孔12aに挿入可能な第1突出部120、第2突出部140と、本体部110に対する第1突出部120、第2突出部140の位置を固定する第1固定部130、第2固定部150と、本体部110の長手方向の一端側に設けられて、第1突出部120、第2突出部140の基準位置を形成する基準部160とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば設備用のフレームに設けられるナットに、ボルトにてカバーを取付ける際に、ナット孔間のピッチ設定を行うナットピッチ設定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、波板の波間のピッチを測定する装置として、例えば特許文献1に示す波板用ピッチゲージが知られている。
【0003】
この波板用ピッチゲージにおいては、主尺および副尺のそれぞれに波板の波形状に合致するような突出部が設けられており、これにより、突出部が波形状に対して滑動することなく、簡単、且つ精度良く波板の波間のピッチ寸法を測定できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−281705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、設備等の箱体を製作する際に、箱体のフレーム(骨組み)を形成し、このフレームの所定部位に複数のナットを装着し、更に複数のボルト孔を供えるカバーをボルトによってナット(フレーム)に組付ける場合、ナット孔間のピッチ設定を行う必要が生じる。この時、上記従来技術のピッチゲージでは、単なるスケール(物差し)として機能させることしかできない。即ち、ピッチゲージの突出部間の寸法を必要とされるナット孔間のピッチに合わせ、更に、突出部の位置に合わせてフレームにケガキ等を行ってナット位置を定め、その位置にナットを装着する必要がある。
【0006】
更に、設定すべきナット間のピッチが複数ある場合は、毎回ケガキを行ってナットを装着することとなり、作業が非常に煩雑となる。
【0007】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、ナットの孔間のピッチ設定を容易に行うことのできるナットピッチ設定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
請求項1に記載の発明では、フレーム(11)に装着された複数のナット(12)に、複数のボルト孔(13a)の形成された外装板(13)がボルト(14)にて固定されて成る箱体(10)を形成する際に、ナット(12)のネジ孔(12a)間ピッチを設定するためのナットピッチ設定装置であって、
細長の本体部(110)と、
本体部(110)の長手方向に移動可能であり、本体部(110)の長手方向に交差する方向に突出して、ボルト孔(13a)およびネジ孔(12a)に挿入可能な第1突出部(120)と、
本体部(110)に対する第1突出部(120)の位置を固定する第1固定部(130)と、
本体部(110)の長手方向に移動可能であり、第1突出部(120)と同一方向に突出して、ボルト孔(13a)およびネジ孔(12a)に挿入可能な第2突出部(140)と、
本体部(110)に対する第2突出部(140)の位置を固定する第2固定部(150)と、
本体部(110)の長手方向の一端側に設けられて、第1突出部(120)および第2突出部(140)の基準位置を形成する基準部(160)とを備えることを特徴としている。
【0010】
これにより、外装板(13)の基準端に基準部(160)を合わせ、外装板(13)のボルト孔(13a)に直接、第1突出部(120)および第2突出部(140)を差込み、その位置で第1固定部(130)および第2固定部(150)によって第1突出部(120)および第2突出部(140)の位置を固定することで、第1突出部(120)および第2突出部(140)間の寸法を、ボルト孔(13a)のピッチと等しい寸法に設定することができる。
【0011】
そして、外装板(13)の基準端に対応するフレーム(11)の基準端に基準部(160)を合わせ、第1突出部(120)および第2突出部(140)をナット(12)のネジ孔(12a)に差込むことで、ボルト孔(13a)のピッチをナット(12)に転写することが可能となり、従来技術のようなケガキを不要として、ナット(12)の装着位置を容易に決定することができる。
【0012】
また、外装板(13)に実際に形成されたボルト孔(13a)のピッチの出来栄えに合わせたピッチ寸法をナット(12)側に転写できるので、外装板(13)をフレーム(11)に組付けする時のナット(12)位置の微調整も不要となる
請求項2に記載の発明では、第1突出部(120)および第2突出部(140)は、根本側から先端側に向けてボルト孔(13a)に対応する大径部(122、142)と、ネジ孔(12a)に対応する小径部(123、143)とを備えることを特徴としている。
【0013】
これにより、ボルト孔(13a)に大径部(122、142)を差込むことによって、より正確にボルト孔(13a)のピッチを第1突出部(120)および第2突出部(140)間の寸法として設定が可能となり、更に、ネジ孔(12a)に小径部(123、143)を差込むことによって、より正確にナット(12)の位置を決定できる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、本体部(110)は、断面が多角形に形成されており、
第1突出部(120)、第1固定部(130)、第2突出部(140)、および第2固定部(150)は、多角形の各辺に対応するように複数組設けられ、第1突出部(120)、および第2突出部(140)の径寸法が各組毎に異なるように設定されたことを特徴としている。
【0015】
これにより、1つのナットピッチ設定装置(100)によって、複数種類のボルト孔(13a)およびネジ孔(12a)のサイズに対応が可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、本体部(110)には、基準部(160)に対する第1突出部(120)および第2突出部(140)の固定位置を示すスケール(113)が設けられたことを特徴としている。
【0017】
これにより、スケール(113)を用いた第1突出部(120)および第2突出部(140)の位置決めも可能となる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、第1突出部(120)および第2突出部(140)の先端は、尖るように形成されたことを特徴としている。
【0019】
これにより、第1突出部(120)および第2突出部(140)の先端部を用いたケガキが可能となる。
【0020】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】箱体を示す分解斜視図である。
【図2】箱体を示す部分断面図である。
【図3】第1実施形態におけるナットピッチ設定装置を示す斜視図である。
【図4】図3における本体部に設けられるスケールを示す斜視図である。
【図5】図3におけるボス部を示す斜視図である。
【図6】図3におけるボス部を示す断面図である。
【図7】ボルト孔によってボス部の位置決めを行う際の要領を示す平面図である。
【図8】ボス部によってナットの位置設定を行う際の要領を示す平面図である。
【図9】第2実施形態におけるボス部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態のナットピッチ設定装置100について図1〜図8を用いて説明する。ナットピッチ設定装置100は、例えば図1、図2に示すような箱体10を製作する際に、フレーム11に設けられるナット12のネジ孔12aのピッチをカバー13のボルト孔13aに合わせるように設定する装置である。
【0023】
ここで、箱体10について簡単に説明する。箱体10は、例えば設備の制御部、動力部等を収容する収容部、あるいは計測器、工具等を保管するケース等として使用されるものである。箱体10は、所定部位にナット12が装着されたフレーム11の外側に、カバー13がボルト14によって締結されて形成される。
【0024】
フレーム11は、複数の棒状部材が継手部11cを介してボルト締結あるいは溶接等によって立方体状に組み立てられている。複数の棒状部材の断面形状はアウトラインが四角形を成し、四角形の角部および対角線部に対応する部位が肉部となっている。肉部の形成されない部位は、棒状部材の四角形断面の4辺に対応する部位における開口部11a(4箇所)、および四角形の中心側部位における内部空間11b(4箇所)になっており、開口部11aは内部空間11bと繋がっている。
【0025】
ナット12は、外観が扁平な立法体を成しており、中央部にはネジ孔12aが形成されている。また、ナット12には、球状を成すストッパ12bが設けられている。ストッパ12は、ナット12の内部に収容された弾性部材(バネ等)によってネジ孔軸の外方に付勢されて球状の先端部が所定量突出するようになっている。ナット12は、フレーム11の四角形断面の4辺のうち、外側を向く辺に対応する内部空間11bに、ネジ孔12aが開口部11aに対向するように挿入されている。この時、ストッパ12bの先端部が内部空間11bの内壁に当接して、ナット12の自重によってナット12が内部空間11b内を容易に移動しないようになっている。ナット12は、一本の棒状部材に対して複数(ここでは2個)設けられており、ナットピッチ設定装置100によって、ネジ孔12a間の寸法(ナットピッチ)が設定されるようになっている(詳細後述)。
【0026】
カバー(外装板)13は、立法体状のフレーム11の各面に相当する四角形状を成す板状部材であり、上記ナット12の位置に対応するようにボルト孔13aが複数(ここでは一辺に対して2個)形成されている。そして、ボルト14がボルト孔13aに挿通され、更に対応するナット12に螺合されることで、カバー13がフレーム11に固定され、箱体10となる。
【0027】
箱体10のフレーム11およびカバー13は、アルミニウム材、鉄鋼材、樹脂材等によって形成される。また、ボルト14およびナット12のネジサイズは、本実施形態では例えばM8としている。
【0028】
次に、ナットピッチ設定装置100について図3〜図6を用いて説明する。ナットピッチ設定装置100は、図3に示すように、本体部110、ボス部120、140、固定部130、150、および基準板160を備えている。
【0029】
本体部110は、図3、図6に示すように、断面形状が多角形の細長の棒状部材である。ここでは、本体部110は、上記フレーム11と同様の形状としている。つまり、本体部110の断面形状は、アウトラインが四角形を成し、四角形の角部および対角線部に対応する部位が肉部となっている。肉部の形成されない部位は、四角形断面の4辺に対応する部位における開口部111(4箇所)、および四角形の中心側部位における内部空間112(4箇所)になっており、開口部111は内部空間112と繋がっている。
【0030】
そして、本体部110のボス部120、140が配設される表面には、図4に示すように、本体部110の長手方向に沿うようにスケール113が設けられている。スケール113は、本体部110の長手方向の一端側となる基準板160の位置を基準にして、他方側に向けて目盛りが増加していくように設けられている。
【0031】
ボス部120、140は、それぞれ第1突出部、第2突出部を成すものであり、本体部110の長手方向に移動可能として、本体部110の長手方向に交差する方向に、つまり、本体部110の表面から垂直方向外側に突出するように設けられている。ボス部120およびボス部140は、基本的に同一の形状、構造となっている。
【0032】
図5、図6に示すように、ボス部120、140は、ベース121、141、大径部122、142および小径部123、143を有している。ベース121、141は、扁平な円筒状を成しており、大径部122、142および小径部123、143は、ベース121、141の軸線上に設けられている。ベース121、141の表面側(根本側)から外方側(先端側)に向けて、大径部122、142、小径部123、143の順に配置されている。
【0033】
大径部122、142および小径部123、143は、共に円筒形状を成している。大径部122、142の外径寸法は、カバー13のボルト孔13aよりもわずかに小さく形成されている。例えばボルト孔13aをM8用の直径9mmの孔とすると、大径部122、142の外径は8.9mmとなっている。また、小径部123、143の外径寸法は、ナット12のネジ孔12a内径よりもわずかに小さく形成されている。例えばネジ孔12a内径をM8用の内径(6.65mm)の孔とすると、小径部123の外径は6.6mmとなっている。
【0034】
固定部130、150は、本体部110に対して上記ボス部120、140の位置を固定する第1固定部、第2固定部であり、ネジ部131、151、ナット132、152および取っ手133、153を有している。
【0035】
ネジ部131、151は、ベース121、141から本体部110の内部空間112側に向けて延びており、ベース121、141に一体で形成されている。ナット132、152は、外観が扁平な立法体を成しており、ネジ孔が本体部110の開口部111に対向するように内部空間112内に挿入されている。そして、ネジ部131、151がナット132、152に螺合されるようになっている。また、取っ手133、153は、細長の棒状部材であり、ベース121、141の軸線に交差するようにベース121、141を貫通して設けられている。
【0036】
取っ手133、153によってベース121、141をネジ部131、151の締め付け方向に回転させることで、ベース121、141とナット132、152とが本体部110を挟み込む形となり、ボス部120、140は本体部110に対して位置固定される。逆に、取っ手133、153によってベース121、141をネジ部131、151の緩め方向に回転させることで、ベース121、141とナット132、152とによる本体部110の挟み込みが解除されて、ボス部120、140は本体部110の長手方向に移動可能となる。
【0037】
本実施形態では、上記ボス部120、140、固定部130、150は、本体部110の四角形断面の各辺に対応するように、4組設けられている。各組のボス部120、140は、大径部122、142、小径部123、143の外径寸法が、それぞれ異なっている。例えば、1組の大径部122、142、小径部123、143の外径寸法が上記で説明したような、M8ボルト用のサイズ設定されているものに対して、他の3組は、それぞれM6、M5、M4ボルト用のサイズに設定されている。
【0038】
基準板160は、本体部110の長手方向の一端側に設けられた板部材である。基準板160は、本体部110の四角形断面よりも大きく形成された四角形状を成しており、基準板160の一方の表面が本体部110の端部(面)に当接して接続されている。基準板160の各辺は、本体部110の表面から外方に離れた位置に設けられている。基準板160は、本体部160に対して図示しないボルトによって締結されており、着脱可能となっている。
【0039】
次に、ナットピッチ設定装置100による、ナット12のナットピッチの設定方法について図7、図8を用いて説明する。
【0040】
まず、ナットピッチ設定装置100のボス部120、140が本体部110に対して移動可能となるように、固定部130、150を緩めておく。そして、図7に示すように、カバー13の一辺を板基準位置(図7の左側端部)と想定して、この板基準位置に基準板160を合わせる。更に、ボス部120、140を移動させながら、大径部122、142をボルト孔13aに挿入し、固定部130、150を締め付けることによりボス部120、140の本体部110に対する位置を固定する。
【0041】
次に、図8に示すように、カバー13の板基準位置に対応するフレーム11の一端側をフレーム基準位置(図8の左側端部)と想定して、このフレーム基準位置に基準板160を合わせる。そして、ナット12を移動させながら、小径部123、143をナット孔12aに挿入し、ナット12のフレーム11に対する位置を決定する。この時、ナット12のストッパ12bによって、ナット12のフレーム11に対する移動が阻止される。
【0042】
そして、カバー13の板基準位置をフレーム11のフレーム基準位置に合わせて、ボルト14をボルト孔13aに挿通して、ナット12に螺合させることで、カバー13をフレーム11に固定する。
【0043】
そして、上記の作業をカバー13の他のボルト孔13aおよびナット12に対して、更にはフレーム11の各面に相当する他のカバー13のボルト孔13aおよびナット12に対して繰り返し実行し、箱体10を完成させる。
【0044】
このように、本実施形態では、カバー13の板基準位置に基準板160を合わせ、カバー13のボルト孔13aに直接、ボス部120、140の大径部122、142を差込み、その位置で固定部130、150によってボス部120、140の位置を固定することで、ボス部120、140間の寸法を、ボルト孔13aのピッチと等しい寸法に設定することができる。
【0045】
そして、カバー13の板基準位置に対応するフレーム11のフレーム基準位置に基準板160を合わせ、ボス部120、140の小径部123、143をナット12のネジ孔12aに差込むことで、ボルト孔13aのピッチをナット12に転写することが可能となり、従来技術のようなケガキを不要として、ナット12の装着位置を容易に決定することができる。
【0046】
そして、カバー13に実際に形成されたボルト孔13aのピッチの出来栄えに合わせたピッチ寸法をナット12側に転写できるので、カバー13をフレーム11に組付けする時のナット12位置の微調整も不要となる。
【0047】
また、ボス部120、140に大径部122、142、および小径部123、143を設けるようにしている。これにより、ボルト孔13aに大径部122、142を差込むことによって、より正確にボルト孔13aのピッチをボス部120、140間の寸法として設定が可能となり、更に、ネジ孔12aに小径部123、143を差込むことによって、より正確にナット12の位置を決定できる。
【0048】
また、本体部110の断面形状を多角形(本実施形態では四角形)として、この断面の各辺に対応するように、複数組(4組)のボス部120、140、および固定部130、140を設けるようにしている。これにより、1つのナットピッチ設定装置100によって、複数種類のボルト孔13aおよびネジ孔12aのサイズに対応が可能となる。
【0049】
また、本体部110の表面にスケール113を設けるようにしている。これにより、スケール113を用いたボス部120、140の位置決めも可能となる。
【0050】
(第2実施形態)
第2実施形態を図9に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、ボス部120A、140Aの先端が、尖るように形成されたものとしている。具体的には小径部123、143の先端が尖って形成されている。
【0051】
これにより、ボス部120A、140Aの先端部を用いたケガキが可能となる。
【0052】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、ボス部120、140に大径部122、142と小径部123、143とを設けたものとして説明したが、小径部123、143のみを設けるものとしても良い。
【0053】
また、本体部110の断面形状を四角形としたが、これに限らず、他の多角形、例えば、三角形、五角形等として、各辺に対応するボス部120、140、固定部130、150を複数組、設けたものとしても良い。
【0054】
また、ボス部120、140、固定部130、150は、本体部110に1組のみ設けられるものとしても良い。
【0055】
また、本体部110のスケール113は、必須構成ではなく、廃止したものとしても良い。
【0056】
また、基準部は、基準板160による構成に限定されることなく、基準板160を廃止して、本体部110の長手方向端部自体を基準部として構成しても良い。
【符号の説明】
【0057】
10 箱体
11 フレーム
12 ナット
12a ネジ孔
13 カバー(外装板)
13a ボルト孔
14 ボルト
100 ナットピッチ設定装置
110 本体部
113 スケール
120、140 ボス部(第1突出部、第2突出部)
122、142 大径部
123、143 小径部
130、150 固定部(第1固定部、第2固定部)
160 基準板(基準部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(11)に装着された複数のナット(12)に、複数のボルト孔(13a)の形成された外装板(13)がボルト(14)にて固定されて成る箱体(10)を形成する際に、前記ナット(12)のネジ孔(12a)間ピッチを設定するためのナットピッチ設定装置であって、
細長の本体部(110)と、
前記本体部(110)の長手方向に移動可能であり、前記本体部(110)の長手方向に交差する方向に突出して、前記ボルト孔(13a)および前記ネジ孔(12a)に挿入可能な第1突出部(120)と、
前記本体部(110)に対する前記第1突出部(120)の位置を固定する第1固定部(130)と、
前記本体部(110)の長手方向に移動可能であり、前記第1突出部(120)と同一方向に突出して、前記ボルト孔(13a)および前記ネジ孔(12a)に挿入可能な第2突出部(140)と、
前記本体部(110)に対する前記第2突出部(140)の位置を固定する第2固定部(150)と、
前記本体部(110)の長手方向の一端側に設けられて、前記第1突出部(120)および前記第2突出部(140)の基準位置を形成する基準部(160)とを備えることを特徴とするナットピッチ設定装置。
【請求項2】
前記第1突出部(120)および前記第2突出部(140)は、根本側から先端側に向けて前記ボルト孔(13a)に対応する大径部(122、142)と、前記ネジ孔(12a)に対応する小径部(123、143)とを備えることを特徴とする請求項1に記載のナットピッチ設定装置。
【請求項3】
前記本体部(110)は、断面が多角形に形成されており、
前記第1突出部(120)、前記第1固定部(130)、前記第2突出部(140)、および前記第2固定部(150)は、前記多角形の各辺に対応するように複数組設けられ、前記第1突出部(120)、および前記第2突出部(140)の径寸法が各組毎に異なるように設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナットピッチ設定装置。
【請求項4】
前記本体部(110)には、前記基準部(160)に対する前記第1突出部(120)および前記第2突出部(140)の固定位置を示すスケール(113)が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のナットピッチ設定装置。
【請求項5】
前記第1突出部(120)および前記第2突出部(140)の先端は、尖るように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のナットピッチ設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−247298(P2010−247298A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101242(P2009−101242)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】