ナノ粒子のコーティング方法
【課題】ナノ粒子のコーティング方法を提供する。
【解決手段】(a)ナノ粒子の疎水性表面を、親水性基を有する有機物質で置換して、親水性表面するステップと、(b)両親媒性界面活性剤を含む有機溶媒に、前記(a)ステップで得られたナノ粒子および金属酸化物前駆体を加えて、前記ナノ粒子の表面を金属酸化物でコーティングするステップと、を含むことを特徴とするナノ粒子のコーティング方法である。
【解決手段】(a)ナノ粒子の疎水性表面を、親水性基を有する有機物質で置換して、親水性表面するステップと、(b)両親媒性界面活性剤を含む有機溶媒に、前記(a)ステップで得られたナノ粒子および金属酸化物前駆体を加えて、前記ナノ粒子の表面を金属酸化物でコーティングするステップと、を含むことを特徴とするナノ粒子のコーティング方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子のコーティング方法に関し、さらに詳細には、ナノ粒子の表面を金属酸化物で均一にコーティングし、ナノ粒子の表面安定性を向上させうる、ナノ粒子のコーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ粒子の代表的な例として、化合物半導体ナノ粒子である量子ドット(QD:Quantum Dot)が挙げられる。半導体物質から形成される量子ドットは、ナノサイズを有し、量子制限効果を示す。量子ドットが、励起源から発光される光によって励起されると、量子ドットは、エネルギーバンドギャップに相当するエネルギーを放出する。そのため、量子ドットは、可視光領域および赤外線領域の発光材料として用いられうる。一方、量子ドットは、可視光領域および赤外線領域の光を吸収すると電流を発生させるので、受光材料として用いられうる。したがって、量子ドットは、次世代のエレクトロニクス素材として期待されている。
【0003】
湿式合成法によって製造された量子ドットは、コロイド状態で溶媒内に分散されているので、様々な理由により、量子ドットにコーティング工程が実施される。ナノ粒子をコーティングする方法の例としては、適当な結晶表面を維持しながら、他の種類の物質を量子ドット表面上で成長させるエピタキシャル成長法、ナノ粒子の表面にコーティング物質の前駆体を形成させ、重合反応を通じて前記コーティング物質の前駆体をコーティング物質に変化させる表面開始重合法、またはゾル−ゲルコーティング法もしくは濃縮液コーティング法などの非晶質コーティング法などがある。
【0004】
ゾル−ゲルコーティング法の1つである、油中水逆相ミセルを利用する従来のナノ粒子コーティング法において、疎水性界面活性剤でキャップされたナノ粒子は、疎水性溶媒に加えられて、疎水性溶媒中で分散する。疎水性溶媒中に存在する両親媒性界面活性剤によって形成されるミセルのコア部分は、親水性であるため、疎水性界面活性剤でコーティングされたナノ粒子は、ミセルのコア部分へ容易には移動できない。また、ミセルのコア部分に移動したナノ粒子は、ミセルの親水性のコア部分で凝集する。このような条件下で、金属酸化物の前駆体を疎水性溶媒に加えると、金属酸化物は、凝集したナノ粒子の表面上に形成されるか、またはナノ粒子を含まない分離した粒子内に形成される。例えば、オレイン酸が配位しているCeSeSナノ粒子に、従来の方法(例えば、非特許文献1参照)によって、シリカをコーティングすると、CdSeSナノ粒子の表面が疎水性であるため、シリカ分子の親水性コア内で凝集する。それゆえ、ナノ粒子を均一にコートすることが難しくなる。
【0005】
図1は、ナノ粒子をコーティングする従来の方法によって、シリカでコーティングされた、CdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。図1を参照すれば、CdSeSナノ粒子(黒色)は、シリカ(灰色)で均一にコートされず、シリカでコートされた1つの塊の中に存在するナノ粒子の数が、塊と塊との間で大きく異なるということが分かる。したがって、均一にナノ粒子をコーティングする方法が必要とされている。
【非特許文献1】Advanced Materials,2005,Vol.17,p.1620−1625
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであって、その目的は、金属酸化物を用いてナノ粒子の表面を均一にコーティングするナノ粒子のコーティング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、(a)ナノ粒子の疎水性表面を、親水性基を有する有機物質置換して、親水性表面にするステップと、(b)両親媒性界面活性剤を含む有機溶媒に、前記(a)ステップで得られたナノ粒子および金属酸化物前駆体を加えて、前記ナノ粒子の表面を金属酸化物でコーティングするステップと、を含むことを特徴とする、ナノ粒子のコーティング方法を提供する。
【0008】
本発明において、前記(a)ステップは、前記ナノ粒子の疎水性表面を、親水性界面活性剤で置換して親水性表面にするステップと、親水性溶媒中に親水性表面を有するナノ粒子を分散させるステップと、を含むことが好ましい。
【0009】
本発明において、前記親水性界面活性剤は、ピリジン、ジチオール、メルカプトアルキルアルコール、メルカプトアルキルアミン、メルカプトアルキルシラン、アミノアルキルシラン、およびジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0010】
本発明において、前記親水性溶媒は、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコール、ジオール、ポリオール、環状アミン、環状エーテル、およびケトンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記ナノ粒子は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物、貴金属化合物、遷移金属化合物、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0012】
本発明において、前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、およびHgZnSTeからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbGaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、およびInAlPSbからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0014】
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】
前記IV族化合物は、Si、Ge、SiC、およびSiGeからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0016】
前記貴金属および前記遷移金属は、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Au、Ag、Cu、およびこれらの元素を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】
本発明において、前記2元化合物、前記3元化合物、または前記4元化合物は、均一な濃度かまたは濃度勾配を有する状態で、それぞれのナノ粒子の中に含まれることが好ましい。
【0018】
本発明において、前記金属酸化物は、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO、In2O3−SnO2、Al2O3、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0019】
本発明において、前記金属酸化物前駆体は、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリブトキシシラン、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、スズブトキシド、スズ酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、ジンクアセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、ジンクイソプロポキシド(zinc isopropoxide)、ジンクブトキシド(zinc butoxide)、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトネート(indium acetylacetonate)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、インジウムブトキシド(indium butoxide)、硝酸インジウム、硫酸インジウム、過塩素酸インジウム、酸化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum acetylacetonate)、アルミニウムイソプロポキシド(aluminum isopropoxide)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、フッ化ハフニウム、水酸化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウムアセチルアセトネート(hafnium acetylacetonate)、オキシ塩化ハフニウム、ハフニウムイソプロポキシド(hafnium isopropoxide)、硝酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、フッ化バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、バリウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、バリウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、バリウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸バリウム、硫酸バリウム、シュウ酸バリウム、メタケイ酸バリウム、チタン酸バリウム、過塩素酸バリウム、酸化バリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、水酸化セシウム、酢酸セシウム、セシウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、セシウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、セシウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸セシウム、硫酸セシウム、シュウ酸セシウム、過塩素酸セシウム、プロピオン酸セシウム、酸化セシウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウムイソプロポキシド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、過塩素酸ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化タンタル、臭化タンタル、ヨウ化タンタル、フッ化タンタル、水酸化タンタル、酢酸タンタル、タンタルアセチルアセトネート(tantalum acetylacetonate)、タンタルメトキシド(tantalum methoxide)、タンタルエトキシド(tantalum ethoxide)、タンタルイソプロポキシド(tantalum isopropoxide)、タンタルブトキシド(tantalum butoxide)、硝酸タンタル、硫酸タンタル、および酸化タンタルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0020】
本発明において、前記ナノ粒子は、コアシェル構造またはコアマルチシェル構造を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、金属酸化物を用いてナノ粒子の表面を均一にコーティングするナノ粒子のコーティング方法が提供されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の一実施形態によるナノ粒子のコーティング方法について、さらに詳細に説明する。
【0023】
図2A〜図2Eは、本発明の一実施形態によるナノ粒子のコーティング方法を示す図面である。
【0024】
まず、本発明に用いられるナノ粒子は、湿式合成法によって製造されうる。湿式合成法では、例えば窒素ガスまたはアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、適切な溶媒に対して特定の濃度で、界面活性剤を加え、その結果得られた溶液は、結晶が成長できる特定の反応温度に維持される。次に、ナノ粒子の前駆体を溶液に加えて、ナノ粒子の所望のサイズに成長できるように、所定の時間維持される。その後、反応を終了させ、溶液を冷却しナノ粒子を溶液から分離する。このように、湿式合成法によって製造されたナノ粒子は、疎水性表面を有している。それゆえ、ナノ粒子が親水性溶媒に添加されると、前記ナノ粒子は、通常、不均一に分散し、凝集する。このような現象を防止するために、ナノ粒子の表面は、親水性を有するように処理される。
【0025】
図2Aを参照すれば、湿式合成法によって製造されたナノ粒子21は、疎水性溶媒21aの中に存在している。ナノ粒子21は、疎水性表面Rを有している。
【0026】
図2Bを参照すれば、ナノ粒子21の疎水性表面Rを、親水性表面に変えるために、ナノ粒子21は、親水性界面活性剤を含む親水性溶媒22aに加えられる。分散は、疎水性表面Rが親水性表面Xに置換されるまで続けられる。必要であれば、前記ナノ粒子の表面の置換は、遠心分離を行った後に繰り返される。前記親水性界面活性剤の例としては、ピリジン、ジチオール、メルカプトアルキアルコール、メルカプトアルキルアミン、メルカプトアルキルシラン、アミノアルキルシラン、またはジアミンなどが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。また、親水性溶媒としては、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコール、ジオール、ポリオール、環状アミン、環状エーテル、またはケトンを使用でき、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1級アルコール、イソプロパノール、イソブタノールなどの2級アルコール、tert−ブタノールなどの3級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのジオール、ポリエチレングリコールなどのポリオール、ピリジン、イミダゾールなどの環状アミン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、アセトンなどのケトンなどが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0027】
前記親水性溶媒中の前記親水性界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、好ましくは0.01M以上である。前記濃度が0.01M未満であると、疎水性表面Rが十分親水性表面Xに置換されない場合がある。なお、上記濃度の上限は、特に制限されないが、濃縮液であってもよい。また、前記親水性界面活性剤と前記ナノ粒子との混合比は、特に制限されないが、好ましくは、ナノ粒子が、親水性界面活性剤100質量%に対して、0.001〜50質量%である。このようにナノ粒子に比して親水性界面活性剤を多く使用することによって、疎水性表面Rから親水性表面Xへの置換が良好に行なわれる。ゆえに、親水性界面活性剤を、ナノ粒子に対して、過量に使用することが好ましい。逆に、親水性界面活性剤よりもナノ粒子を多く使用することによって、疎水性表面Rから親水性表面Xへの置換が良好に行なわれない場合がある。このようにして、ナノ粒子21は、親水性溶媒に均一に分散しうる。
【0028】
図2Cを参照すれば、両親媒性界面活性剤分子が有機溶媒23a中で、ミセル構造を形成している。なお、図2C〜Eにおいて白抜きの丸が両親媒性界面活性剤の親水性部分を、波線が両親媒性界面活性剤の疎水性部分を、それぞれ、示し、ゆえに、白抜きの丸と波線を合わせたものが両親媒性界面活性剤分子となる。両親媒性界面活性剤としてはBRIJ、Igepal(登録商標)、TX−100、またはブロックコポリマー(例えば、Pluronic P123、F127など)などの良く知られている両親媒性界面活性剤が使われうる。有機溶媒としては、非極性溶媒が使われうる。前記非極性溶媒の例としては、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン、オクタデセン等の、炭素数6〜22の直鎖、分岐鎖または環状のアルカン、アルケンおよびアルキル;ならびにベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン等の芳香族化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。有機溶媒23aに両親媒性界面活性剤が加えられると、図2Cに示したように、両親媒性界面活性剤分子の親水性部分が、接近して集まり、ミセルコア23bを形成する。この際、有機溶媒中の両親媒性界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜50質量%である。前記濃度が上記範囲を逸脱すると、ミセルが良好に形成されない場合がある。また、前記両親媒性界面活性剤と前記ナノ粒子との混合比は、特に制限されないが、好ましくは、ナノ粒子が、両親媒性界面活性剤100質量%に対して、0.01〜20質量%である。この際、ナノ粒子の混合比が上記下限を下回ると、ナノ粒子の含まれていない金属酸化物粒子が形成する場合があり、逆に上限を超えると、ナノ粒子同士が凝集したり固まったりする場合がある。
【0029】
図2Dを参照すれば、親水性表面Xを有するナノ粒子21は、有機溶媒23aに加えられる。このとき、ナノ粒子21は、親水性表面を有しているので、両親媒性界面活性剤分子によって形成されるミセルのコア部23bへ容易に移動する。
【0030】
図2Eを参照すれば、有機溶媒23a中に金属酸化物前駆体、水、および縮合可能な酸または塩基触媒が加えられる。前記酸または塩基触媒の例としては、金属酸化物前駆体を金属酸化物に変換できるものであれば特に制限されず、公知の酸および塩基触媒が使用できる。また、これらは単独でもまたは2種以上組み合わせて使用しても良い。なお、図2E中、上記触媒は省略している。前記金属酸化物前駆体は、一般的に親水性である。そのため、金属酸化物前駆体は、両親媒性界面活性剤分子から形成されたミセルのコア部23bに移動し、ミセルのコア部23b中のナノ粒子21の表面上で、金属酸化物前駆体は金属酸化物に変化する。このように、ナノ粒子21の表面で形成された金属酸化物は、ナノ粒子21の表面の安定性を向上させうる。さらに、ナノ粒子21が発光体として使われる場合、金属酸化物は、前記ナノ粒子の発光効率および寿命を向上させうる。
【0031】
前記金属酸化物前駆体の例としては、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリブトキシシラン、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、スズブトキシド、スズ酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、ジンクアセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、ジンクイソプロポキシド(zinc isopropoxide)、ジンクブトキシド(zinc butoxide)、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトネート(indium acetylacetonate)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、インジウムブトキシド(indium butoxide)、硝酸インジウム、硫酸インジウム、過塩素酸インジウム、酸化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum acetylacetonate)、アルミニウムイソプロポキシド(aluminum isopropoxide)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、フッ化ハフニウム、水酸化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウムアセチルアセトネート(hafnium acetylacetonate)、オキシ塩化ハフニウム、ハフニウムイソプロポキシド(hafnium isopropoxide)、硝酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、フッ化バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、バリウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、バリウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、バリウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸バリウム、硫酸バリウム、シュウ酸バリウム、メタケイ酸バリウム、チタン酸バリウム、過塩素酸バリウム、酸化バリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、水酸化セシウム、酢酸セシウム、セシウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、セシウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、セシウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸セシウム、硫酸セシウム、シュウ酸セシウム、過塩素酸セシウム、プロピオン酸セシウム、酸化セシウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウムイソプロポキシド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、過塩素酸ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化タンタル、臭化タンタル、ヨウ化タンタル、フッ化タンタル、水酸化タンタル、酢酸タンタル、タンタルアセチルアセトネート(tantalum acetylacetonate)、タンタルメトキシド(tantalum methoxide)、タンタルエトキシド(tantalum ethoxide)、タンタルイソプロポキシド(tantalum isopropoxide)、タンタルブトキシド(tantalum butoxide)、硝酸タンタル、硫酸タンタル、および酸化タンタルなどの前駆体が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0032】
本発明において、前記ナノ粒子は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物、貴金属、および遷移金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0033】
前記II−VI族化合物の例としては、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTeなどの2元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSeなどの3元化合物、またはHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeなどの4元化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0034】
前記III−V族化合物の例としては、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbなどの2元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNPなどの3元化合物、またはGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbなどの4元化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0035】
IV−VI族化合物の例としては、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeなどの2元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeなどの3元化合物、またはSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeなどの4元化合物が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0036】
前述した2元化合物、3元化合物、または4元化合物は、均一な濃度か、または濃度分布がある状態で、それぞれのナノ粒子内に存在することが好ましい。
【0037】
IV族化合物の例としては、Si、Geなどの単体、またはSiC、SiGeなどの2元化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0038】
前記ナノ粒子の粒径は、特に制限されないが、好ましくは1〜100nmである。
【0039】
前記貴金属および前記遷移金属化合物の例としては、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、Fe、Au、Ag、Cuなどの単体、またはこれらの元素を含む化合物が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。なお、上記貴金属および遷移金属元素を含む化合物は、特に制限されず、所望の用途によって適宜選択される。
【0040】
前記金属酸化物の例としては、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO、In2O3−SnO2、Al2O3、HfO2、BaTiO3、CeO2、ZrO2、Ta2O5、またはこれらの混合物が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0041】
ナノ粒子をコーティングする金属酸化物層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmであることが好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を通じて、本発明によるナノ粒子のコーティング方法をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0043】
(実施例1:CdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液を製造する工程)
トリオクチルアミン(以下、TOA)16g、オレイン酸0.5g、および酸化カドニウム0.4mmolを、還流冷却器が設置された125mlのフラスコに入れ、反応温度を300℃に保ちながら攪拌し、きれいな反応混合物を得た。別途、Se(セレン)粉末をトリオクチルホスフィン(TOP)に溶かした、Seの濃度が約0.25MであるSe−TOP錯体溶液を製造し、さらに、S(イオウ)粉末をTOPに溶かした、S濃度が約1.0MであるS−TOP錯体溶液を製造した。前記酸化カドニウムを含む反応混合物に、S−TOP錯体溶液0.9mlおよびSe−TOP錯体溶液0.1mlの混合物を素早く添加して4分ほどさらに攪拌した。反応終了後、反応混合物を急速に冷却した。次に、非溶媒であるエタノール20mlを反応混合物に添加して遠心分離を実施した。その後、遠心分離された溶液の上澄み液はろ過により除き、残留した沈殿を、シクロヘキサン中のCdSeSの濃度が約1質量%となるように、シクロヘキサンに分散させ、CdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液を得た。
【0044】
(実施例2:CdSeSナノ粒子のピリジン分散液、およびCdSeSナノ粒子のブタノール分散液を製造する工程)
実施例1で製造したCdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液に対して、非溶媒であるエタノールを20ml添加して遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、ピリジン5mlに分散させて約30分間攪拌した。攪拌後、非溶媒であるヘキサンを1質量%の濃度になるように添加して、遠心分離を実施した。上澄み液をろ過により除いた後、得られた沈殿を用い、CdSeSナノ粒子の濃度が約1質量%となるように、CdSeSナノ粒子のピリジン分散液およびCdSeSナノ粒子のブタノール分散液をそれぞれ調製し、CdSeSナノ粒子のピリジン分散液およびCdSeSナノ粒子のブタノール分散液を得た。ピリジン中に分散したCdSeSナノ粒子およびブタノール中に分散したCdSeSナノ粒子は、522nmの波長で発光する量子ドットとして用いることができることがわかった。CdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルを図3に示す。
【0045】
(実施例3:ピリジンに分散しているCdSeSナノ粒子をSiO2でコーティングする工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加え、約30分間常温で攪拌して、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、前記実施例2で製造したCdSeSナノ粒子のピリジン分散液40μlを加えて約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)10μlを加え、約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿をエタノール20mlに分散させた。図4Aは、本実施例で得られた、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルであり、図4Bは、本実施例で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSの電子顕微鏡写真である。図4Aを参照すれば、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子は、図3に示している、コーティングされていないCdSeSナノ粒子の発光波長と同じ522nmの発光波長を有するということが分かった。
【0046】
(実施例4:ブタノールに分散しているCdSeSナノ粒子をSiO2でコーティングする工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加えて約30分間常温で攪拌し、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、実施例2で製造した、CdSeSナノ粒子の濃度が1質量%であるブタノール分散液40μlを加えて約30分間常温で攪拌した後、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、TEOS 10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿をエタノール20mlに分散させた。図5Aは、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【0047】
(実施例5:CdSeSナノ粒子をSnOでコーティングする工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加えて約30分間常温で攪拌して、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、実施例2で製造したCdSeSナノ粒子のピリジン分散液40μlを加え、約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液40μlを加え、約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に対して、スズ酸ナトリウム水溶液10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、エタノール20mlに分散させた。図5Bは、本実施例で得られた、エタノール中に分散している、SnOでコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【0048】
(実施例6:パラジウムナノ粒子をSiO2でコーティングする工程)
1mLのTOP、9mLのオレイルアミン、およびパラジウム(II)アセチルアセトネート0.1gを、還流冷却器が設置された125mlのフラスコに入れ、攪拌しながら反応温度を徐々に260℃まで上げて、260℃で約30分間反応させた。反応終了後、反応混合物を急速に冷却した。次に、非溶媒であるエタノール20mlを反応混合物に添加して遠心分離を実施した。その後、遠心分離された溶液の上澄み液はろ過により除き、残留した沈殿を、ヘキサン中のパラジウムナノ粒子の濃度が約1質量%となるように、ヘキサンに分散させ、パラジウムナノ粒子のヘキサン分散液を得た。
【0049】
上記のように製造したパラジウムナノ粒子のへキサン分散液に、非溶媒であるエタノールを20ml添加して遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、ピリジン5mlに分散させて約30分間攪拌した。攪拌後、非溶媒であるヘキサンを1質量%の濃度になるように添加して遠心分離を実施し、沈殿をピリジンに分散させ、パラジウムナノ粒子の濃度が約1質量%となるように調製し、パラジウムナノ粒子のピリジン分散液を得た。
【0050】
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加え、約30分間常温で攪拌して、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、前記で得られたパラジウムナノ粒子のピリジン分散液40μlを加え、約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、TEOS10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、エタノール20mlに分散させた。図5Cは、本実施例で得られた、ピリジン中に分散している、SiO2でコーティングされたパラジウムナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【0051】
(比較例:CdSeSナノ粒子をSiO2でコーティングする、従来の工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加えて約30分間常温で攪拌し、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、実施例1で製造した、CdSeSナノ粒子の濃度が1質量%である、CdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液40μlを加え、約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、TEOS10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、エタノール20mlに分散させた。本比較例で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真の様子は、図1と同様であった。
【0052】
本発明によるナノ粒子のコーティング方法によって製造されたナノ粒子の電子顕微鏡写真は、図4B、図5A、図5B、および図5Cに示した通りである。従来のコーティング方法によって形成されたナノ粒子の電子顕微鏡写真は、図1に示した通りである。図4B、図5A、図5B、および図5Cから分かるように、本発明のコーティング方法によって製造された、コーティングされたナノ粒子は、それぞれのナノ粒子上に、金属酸化物が均一にコーティングしているということが分かった。一方、図1に示すように、従来のコーティング方法によって製造されたナノ粒子は、数個のナノ粒子の塊の上に、金属酸化物が不均一にコーティングしているということが分かる。
【0053】
本発明を、実施例を参照しながら詳細に説明したが、これら実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。それゆえ、当業者ならば、特許請求の範囲で定義された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多様な変形や応用が可能であることが、理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、半導体関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来のコーティング方法によって、金属酸化物でコーティングされたナノ粒子を表す電子顕微鏡写真である。
【図2A】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2B】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2C】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2D】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2E】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図3】CdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルを示す図である。
【図4A】実施例3で得られた、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルを示す図である。
【図4B】実施例3で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5A】実施例4で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5B】実施例5で得られた、エタノール中に分散している、SnOでコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5C】実施例6で得られた、ピリジン中に分散している、SiO2でコーティングされたパラジウムナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0056】
21 ナノ粒子、
21a 疎水性溶媒、
22a 親水性溶媒、
23a 有機溶媒、
23b ミセルのコア部、
R 疎水性表面、
X 親水性表面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子のコーティング方法に関し、さらに詳細には、ナノ粒子の表面を金属酸化物で均一にコーティングし、ナノ粒子の表面安定性を向上させうる、ナノ粒子のコーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ粒子の代表的な例として、化合物半導体ナノ粒子である量子ドット(QD:Quantum Dot)が挙げられる。半導体物質から形成される量子ドットは、ナノサイズを有し、量子制限効果を示す。量子ドットが、励起源から発光される光によって励起されると、量子ドットは、エネルギーバンドギャップに相当するエネルギーを放出する。そのため、量子ドットは、可視光領域および赤外線領域の発光材料として用いられうる。一方、量子ドットは、可視光領域および赤外線領域の光を吸収すると電流を発生させるので、受光材料として用いられうる。したがって、量子ドットは、次世代のエレクトロニクス素材として期待されている。
【0003】
湿式合成法によって製造された量子ドットは、コロイド状態で溶媒内に分散されているので、様々な理由により、量子ドットにコーティング工程が実施される。ナノ粒子をコーティングする方法の例としては、適当な結晶表面を維持しながら、他の種類の物質を量子ドット表面上で成長させるエピタキシャル成長法、ナノ粒子の表面にコーティング物質の前駆体を形成させ、重合反応を通じて前記コーティング物質の前駆体をコーティング物質に変化させる表面開始重合法、またはゾル−ゲルコーティング法もしくは濃縮液コーティング法などの非晶質コーティング法などがある。
【0004】
ゾル−ゲルコーティング法の1つである、油中水逆相ミセルを利用する従来のナノ粒子コーティング法において、疎水性界面活性剤でキャップされたナノ粒子は、疎水性溶媒に加えられて、疎水性溶媒中で分散する。疎水性溶媒中に存在する両親媒性界面活性剤によって形成されるミセルのコア部分は、親水性であるため、疎水性界面活性剤でコーティングされたナノ粒子は、ミセルのコア部分へ容易には移動できない。また、ミセルのコア部分に移動したナノ粒子は、ミセルの親水性のコア部分で凝集する。このような条件下で、金属酸化物の前駆体を疎水性溶媒に加えると、金属酸化物は、凝集したナノ粒子の表面上に形成されるか、またはナノ粒子を含まない分離した粒子内に形成される。例えば、オレイン酸が配位しているCeSeSナノ粒子に、従来の方法(例えば、非特許文献1参照)によって、シリカをコーティングすると、CdSeSナノ粒子の表面が疎水性であるため、シリカ分子の親水性コア内で凝集する。それゆえ、ナノ粒子を均一にコートすることが難しくなる。
【0005】
図1は、ナノ粒子をコーティングする従来の方法によって、シリカでコーティングされた、CdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。図1を参照すれば、CdSeSナノ粒子(黒色)は、シリカ(灰色)で均一にコートされず、シリカでコートされた1つの塊の中に存在するナノ粒子の数が、塊と塊との間で大きく異なるということが分かる。したがって、均一にナノ粒子をコーティングする方法が必要とされている。
【非特許文献1】Advanced Materials,2005,Vol.17,p.1620−1625
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであって、その目的は、金属酸化物を用いてナノ粒子の表面を均一にコーティングするナノ粒子のコーティング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、(a)ナノ粒子の疎水性表面を、親水性基を有する有機物質置換して、親水性表面にするステップと、(b)両親媒性界面活性剤を含む有機溶媒に、前記(a)ステップで得られたナノ粒子および金属酸化物前駆体を加えて、前記ナノ粒子の表面を金属酸化物でコーティングするステップと、を含むことを特徴とする、ナノ粒子のコーティング方法を提供する。
【0008】
本発明において、前記(a)ステップは、前記ナノ粒子の疎水性表面を、親水性界面活性剤で置換して親水性表面にするステップと、親水性溶媒中に親水性表面を有するナノ粒子を分散させるステップと、を含むことが好ましい。
【0009】
本発明において、前記親水性界面活性剤は、ピリジン、ジチオール、メルカプトアルキルアルコール、メルカプトアルキルアミン、メルカプトアルキルシラン、アミノアルキルシラン、およびジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0010】
本発明において、前記親水性溶媒は、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコール、ジオール、ポリオール、環状アミン、環状エーテル、およびケトンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記ナノ粒子は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物、貴金属化合物、遷移金属化合物、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0012】
本発明において、前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、およびHgZnSTeからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbGaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、およびInAlPSbからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0014】
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】
前記IV族化合物は、Si、Ge、SiC、およびSiGeからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0016】
前記貴金属および前記遷移金属は、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Fe、Ru、Au、Ag、Cu、およびこれらの元素を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】
本発明において、前記2元化合物、前記3元化合物、または前記4元化合物は、均一な濃度かまたは濃度勾配を有する状態で、それぞれのナノ粒子の中に含まれることが好ましい。
【0018】
本発明において、前記金属酸化物は、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO、In2O3−SnO2、Al2O3、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0019】
本発明において、前記金属酸化物前駆体は、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリブトキシシラン、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、スズブトキシド、スズ酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、ジンクアセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、ジンクイソプロポキシド(zinc isopropoxide)、ジンクブトキシド(zinc butoxide)、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトネート(indium acetylacetonate)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、インジウムブトキシド(indium butoxide)、硝酸インジウム、硫酸インジウム、過塩素酸インジウム、酸化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum acetylacetonate)、アルミニウムイソプロポキシド(aluminum isopropoxide)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、フッ化ハフニウム、水酸化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウムアセチルアセトネート(hafnium acetylacetonate)、オキシ塩化ハフニウム、ハフニウムイソプロポキシド(hafnium isopropoxide)、硝酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、フッ化バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、バリウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、バリウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、バリウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸バリウム、硫酸バリウム、シュウ酸バリウム、メタケイ酸バリウム、チタン酸バリウム、過塩素酸バリウム、酸化バリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、水酸化セシウム、酢酸セシウム、セシウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、セシウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、セシウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸セシウム、硫酸セシウム、シュウ酸セシウム、過塩素酸セシウム、プロピオン酸セシウム、酸化セシウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウムイソプロポキシド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、過塩素酸ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化タンタル、臭化タンタル、ヨウ化タンタル、フッ化タンタル、水酸化タンタル、酢酸タンタル、タンタルアセチルアセトネート(tantalum acetylacetonate)、タンタルメトキシド(tantalum methoxide)、タンタルエトキシド(tantalum ethoxide)、タンタルイソプロポキシド(tantalum isopropoxide)、タンタルブトキシド(tantalum butoxide)、硝酸タンタル、硫酸タンタル、および酸化タンタルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0020】
本発明において、前記ナノ粒子は、コアシェル構造またはコアマルチシェル構造を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、金属酸化物を用いてナノ粒子の表面を均一にコーティングするナノ粒子のコーティング方法が提供されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の一実施形態によるナノ粒子のコーティング方法について、さらに詳細に説明する。
【0023】
図2A〜図2Eは、本発明の一実施形態によるナノ粒子のコーティング方法を示す図面である。
【0024】
まず、本発明に用いられるナノ粒子は、湿式合成法によって製造されうる。湿式合成法では、例えば窒素ガスまたはアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、適切な溶媒に対して特定の濃度で、界面活性剤を加え、その結果得られた溶液は、結晶が成長できる特定の反応温度に維持される。次に、ナノ粒子の前駆体を溶液に加えて、ナノ粒子の所望のサイズに成長できるように、所定の時間維持される。その後、反応を終了させ、溶液を冷却しナノ粒子を溶液から分離する。このように、湿式合成法によって製造されたナノ粒子は、疎水性表面を有している。それゆえ、ナノ粒子が親水性溶媒に添加されると、前記ナノ粒子は、通常、不均一に分散し、凝集する。このような現象を防止するために、ナノ粒子の表面は、親水性を有するように処理される。
【0025】
図2Aを参照すれば、湿式合成法によって製造されたナノ粒子21は、疎水性溶媒21aの中に存在している。ナノ粒子21は、疎水性表面Rを有している。
【0026】
図2Bを参照すれば、ナノ粒子21の疎水性表面Rを、親水性表面に変えるために、ナノ粒子21は、親水性界面活性剤を含む親水性溶媒22aに加えられる。分散は、疎水性表面Rが親水性表面Xに置換されるまで続けられる。必要であれば、前記ナノ粒子の表面の置換は、遠心分離を行った後に繰り返される。前記親水性界面活性剤の例としては、ピリジン、ジチオール、メルカプトアルキアルコール、メルカプトアルキルアミン、メルカプトアルキルシラン、アミノアルキルシラン、またはジアミンなどが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。また、親水性溶媒としては、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコール、ジオール、ポリオール、環状アミン、環状エーテル、またはケトンを使用でき、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1級アルコール、イソプロパノール、イソブタノールなどの2級アルコール、tert−ブタノールなどの3級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのジオール、ポリエチレングリコールなどのポリオール、ピリジン、イミダゾールなどの環状アミン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、アセトンなどのケトンなどが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0027】
前記親水性溶媒中の前記親水性界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、好ましくは0.01M以上である。前記濃度が0.01M未満であると、疎水性表面Rが十分親水性表面Xに置換されない場合がある。なお、上記濃度の上限は、特に制限されないが、濃縮液であってもよい。また、前記親水性界面活性剤と前記ナノ粒子との混合比は、特に制限されないが、好ましくは、ナノ粒子が、親水性界面活性剤100質量%に対して、0.001〜50質量%である。このようにナノ粒子に比して親水性界面活性剤を多く使用することによって、疎水性表面Rから親水性表面Xへの置換が良好に行なわれる。ゆえに、親水性界面活性剤を、ナノ粒子に対して、過量に使用することが好ましい。逆に、親水性界面活性剤よりもナノ粒子を多く使用することによって、疎水性表面Rから親水性表面Xへの置換が良好に行なわれない場合がある。このようにして、ナノ粒子21は、親水性溶媒に均一に分散しうる。
【0028】
図2Cを参照すれば、両親媒性界面活性剤分子が有機溶媒23a中で、ミセル構造を形成している。なお、図2C〜Eにおいて白抜きの丸が両親媒性界面活性剤の親水性部分を、波線が両親媒性界面活性剤の疎水性部分を、それぞれ、示し、ゆえに、白抜きの丸と波線を合わせたものが両親媒性界面活性剤分子となる。両親媒性界面活性剤としてはBRIJ、Igepal(登録商標)、TX−100、またはブロックコポリマー(例えば、Pluronic P123、F127など)などの良く知られている両親媒性界面活性剤が使われうる。有機溶媒としては、非極性溶媒が使われうる。前記非極性溶媒の例としては、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン、オクタデセン等の、炭素数6〜22の直鎖、分岐鎖または環状のアルカン、アルケンおよびアルキル;ならびにベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン等の芳香族化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。有機溶媒23aに両親媒性界面活性剤が加えられると、図2Cに示したように、両親媒性界面活性剤分子の親水性部分が、接近して集まり、ミセルコア23bを形成する。この際、有機溶媒中の両親媒性界面活性剤の濃度は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜50質量%である。前記濃度が上記範囲を逸脱すると、ミセルが良好に形成されない場合がある。また、前記両親媒性界面活性剤と前記ナノ粒子との混合比は、特に制限されないが、好ましくは、ナノ粒子が、両親媒性界面活性剤100質量%に対して、0.01〜20質量%である。この際、ナノ粒子の混合比が上記下限を下回ると、ナノ粒子の含まれていない金属酸化物粒子が形成する場合があり、逆に上限を超えると、ナノ粒子同士が凝集したり固まったりする場合がある。
【0029】
図2Dを参照すれば、親水性表面Xを有するナノ粒子21は、有機溶媒23aに加えられる。このとき、ナノ粒子21は、親水性表面を有しているので、両親媒性界面活性剤分子によって形成されるミセルのコア部23bへ容易に移動する。
【0030】
図2Eを参照すれば、有機溶媒23a中に金属酸化物前駆体、水、および縮合可能な酸または塩基触媒が加えられる。前記酸または塩基触媒の例としては、金属酸化物前駆体を金属酸化物に変換できるものであれば特に制限されず、公知の酸および塩基触媒が使用できる。また、これらは単独でもまたは2種以上組み合わせて使用しても良い。なお、図2E中、上記触媒は省略している。前記金属酸化物前駆体は、一般的に親水性である。そのため、金属酸化物前駆体は、両親媒性界面活性剤分子から形成されたミセルのコア部23bに移動し、ミセルのコア部23b中のナノ粒子21の表面上で、金属酸化物前駆体は金属酸化物に変化する。このように、ナノ粒子21の表面で形成された金属酸化物は、ナノ粒子21の表面の安定性を向上させうる。さらに、ナノ粒子21が発光体として使われる場合、金属酸化物は、前記ナノ粒子の発光効率および寿命を向上させうる。
【0031】
前記金属酸化物前駆体の例としては、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリブトキシシラン、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、スズブトキシド、スズ酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、ジンクアセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、ジンクイソプロポキシド(zinc isopropoxide)、ジンクブトキシド(zinc butoxide)、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトネート(indium acetylacetonate)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、インジウムブトキシド(indium butoxide)、硝酸インジウム、硫酸インジウム、過塩素酸インジウム、酸化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum acetylacetonate)、アルミニウムイソプロポキシド(aluminum isopropoxide)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、フッ化ハフニウム、水酸化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウムアセチルアセトネート(hafnium acetylacetonate)、オキシ塩化ハフニウム、ハフニウムイソプロポキシド(hafnium isopropoxide)、硝酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、フッ化バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、バリウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、バリウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、バリウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸バリウム、硫酸バリウム、シュウ酸バリウム、メタケイ酸バリウム、チタン酸バリウム、過塩素酸バリウム、酸化バリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、水酸化セシウム、酢酸セシウム、セシウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、セシウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、セシウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸セシウム、硫酸セシウム、シュウ酸セシウム、過塩素酸セシウム、プロピオン酸セシウム、酸化セシウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウムイソプロポキシド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、過塩素酸ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化タンタル、臭化タンタル、ヨウ化タンタル、フッ化タンタル、水酸化タンタル、酢酸タンタル、タンタルアセチルアセトネート(tantalum acetylacetonate)、タンタルメトキシド(tantalum methoxide)、タンタルエトキシド(tantalum ethoxide)、タンタルイソプロポキシド(tantalum isopropoxide)、タンタルブトキシド(tantalum butoxide)、硝酸タンタル、硫酸タンタル、および酸化タンタルなどの前駆体が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0032】
本発明において、前記ナノ粒子は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物、貴金属、および遷移金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0033】
前記II−VI族化合物の例としては、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTeなどの2元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSeなどの3元化合物、またはHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeなどの4元化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0034】
前記III−V族化合物の例としては、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSbなどの2元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNPなどの3元化合物、またはGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSbなどの4元化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0035】
IV−VI族化合物の例としては、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTeなどの2元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTeなどの3元化合物、またはSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTeなどの4元化合物が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0036】
前述した2元化合物、3元化合物、または4元化合物は、均一な濃度か、または濃度分布がある状態で、それぞれのナノ粒子内に存在することが好ましい。
【0037】
IV族化合物の例としては、Si、Geなどの単体、またはSiC、SiGeなどの2元化合物などが好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0038】
前記ナノ粒子の粒径は、特に制限されないが、好ましくは1〜100nmである。
【0039】
前記貴金属および前記遷移金属化合物の例としては、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、Fe、Au、Ag、Cuなどの単体、またはこれらの元素を含む化合物が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。なお、上記貴金属および遷移金属元素を含む化合物は、特に制限されず、所望の用途によって適宜選択される。
【0040】
前記金属酸化物の例としては、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO、In2O3−SnO2、Al2O3、HfO2、BaTiO3、CeO2、ZrO2、Ta2O5、またはこれらの混合物が好ましく挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合して使用しても良い。
【0041】
ナノ粒子をコーティングする金属酸化物層の厚さは、特に制限されないが、1〜100nmであることが好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を通じて、本発明によるナノ粒子のコーティング方法をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0043】
(実施例1:CdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液を製造する工程)
トリオクチルアミン(以下、TOA)16g、オレイン酸0.5g、および酸化カドニウム0.4mmolを、還流冷却器が設置された125mlのフラスコに入れ、反応温度を300℃に保ちながら攪拌し、きれいな反応混合物を得た。別途、Se(セレン)粉末をトリオクチルホスフィン(TOP)に溶かした、Seの濃度が約0.25MであるSe−TOP錯体溶液を製造し、さらに、S(イオウ)粉末をTOPに溶かした、S濃度が約1.0MであるS−TOP錯体溶液を製造した。前記酸化カドニウムを含む反応混合物に、S−TOP錯体溶液0.9mlおよびSe−TOP錯体溶液0.1mlの混合物を素早く添加して4分ほどさらに攪拌した。反応終了後、反応混合物を急速に冷却した。次に、非溶媒であるエタノール20mlを反応混合物に添加して遠心分離を実施した。その後、遠心分離された溶液の上澄み液はろ過により除き、残留した沈殿を、シクロヘキサン中のCdSeSの濃度が約1質量%となるように、シクロヘキサンに分散させ、CdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液を得た。
【0044】
(実施例2:CdSeSナノ粒子のピリジン分散液、およびCdSeSナノ粒子のブタノール分散液を製造する工程)
実施例1で製造したCdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液に対して、非溶媒であるエタノールを20ml添加して遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、ピリジン5mlに分散させて約30分間攪拌した。攪拌後、非溶媒であるヘキサンを1質量%の濃度になるように添加して、遠心分離を実施した。上澄み液をろ過により除いた後、得られた沈殿を用い、CdSeSナノ粒子の濃度が約1質量%となるように、CdSeSナノ粒子のピリジン分散液およびCdSeSナノ粒子のブタノール分散液をそれぞれ調製し、CdSeSナノ粒子のピリジン分散液およびCdSeSナノ粒子のブタノール分散液を得た。ピリジン中に分散したCdSeSナノ粒子およびブタノール中に分散したCdSeSナノ粒子は、522nmの波長で発光する量子ドットとして用いることができることがわかった。CdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルを図3に示す。
【0045】
(実施例3:ピリジンに分散しているCdSeSナノ粒子をSiO2でコーティングする工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加え、約30分間常温で攪拌して、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、前記実施例2で製造したCdSeSナノ粒子のピリジン分散液40μlを加えて約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)10μlを加え、約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿をエタノール20mlに分散させた。図4Aは、本実施例で得られた、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルであり、図4Bは、本実施例で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSの電子顕微鏡写真である。図4Aを参照すれば、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子は、図3に示している、コーティングされていないCdSeSナノ粒子の発光波長と同じ522nmの発光波長を有するということが分かった。
【0046】
(実施例4:ブタノールに分散しているCdSeSナノ粒子をSiO2でコーティングする工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加えて約30分間常温で攪拌し、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、実施例2で製造した、CdSeSナノ粒子の濃度が1質量%であるブタノール分散液40μlを加えて約30分間常温で攪拌した後、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、TEOS 10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿をエタノール20mlに分散させた。図5Aは、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【0047】
(実施例5:CdSeSナノ粒子をSnOでコーティングする工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加えて約30分間常温で攪拌して、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、実施例2で製造したCdSeSナノ粒子のピリジン分散液40μlを加え、約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液40μlを加え、約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に対して、スズ酸ナトリウム水溶液10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、エタノール20mlに分散させた。図5Bは、本実施例で得られた、エタノール中に分散している、SnOでコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【0048】
(実施例6:パラジウムナノ粒子をSiO2でコーティングする工程)
1mLのTOP、9mLのオレイルアミン、およびパラジウム(II)アセチルアセトネート0.1gを、還流冷却器が設置された125mlのフラスコに入れ、攪拌しながら反応温度を徐々に260℃まで上げて、260℃で約30分間反応させた。反応終了後、反応混合物を急速に冷却した。次に、非溶媒であるエタノール20mlを反応混合物に添加して遠心分離を実施した。その後、遠心分離された溶液の上澄み液はろ過により除き、残留した沈殿を、ヘキサン中のパラジウムナノ粒子の濃度が約1質量%となるように、ヘキサンに分散させ、パラジウムナノ粒子のヘキサン分散液を得た。
【0049】
上記のように製造したパラジウムナノ粒子のへキサン分散液に、非溶媒であるエタノールを20ml添加して遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、ピリジン5mlに分散させて約30分間攪拌した。攪拌後、非溶媒であるヘキサンを1質量%の濃度になるように添加して遠心分離を実施し、沈殿をピリジンに分散させ、パラジウムナノ粒子の濃度が約1質量%となるように調製し、パラジウムナノ粒子のピリジン分散液を得た。
【0050】
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加え、約30分間常温で攪拌して、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、前記で得られたパラジウムナノ粒子のピリジン分散液40μlを加え、約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、TEOS10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、エタノール20mlに分散させた。図5Cは、本実施例で得られた、ピリジン中に分散している、SiO2でコーティングされたパラジウムナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【0051】
(比較例:CdSeSナノ粒子をSiO2でコーティングする、従来の工程)
Igepal(登録商標)CO−520 0.1gをシクロヘキサン2mLに加えて約30分間常温で攪拌し、Igepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液を得た。得られたIgepal(登録商標)CO−520/シクロヘキサン溶液に、実施例1で製造した、CdSeSナノ粒子の濃度が1質量%である、CdSeSナノ粒子のシクロヘキサン分散液40μlを加え、約30分間常温で攪拌した。次に、NH4OH水溶液50μlを加えて約1時間常温で攪拌した。得られた混合溶液に、TEOS10μlを加えて約24時間常温で攪拌した。攪拌後、メタノール20mlを加えて遠心分離を実施した。遠心分離された沈殿を、エタノール20mlに分散させた。本比較例で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真の様子は、図1と同様であった。
【0052】
本発明によるナノ粒子のコーティング方法によって製造されたナノ粒子の電子顕微鏡写真は、図4B、図5A、図5B、および図5Cに示した通りである。従来のコーティング方法によって形成されたナノ粒子の電子顕微鏡写真は、図1に示した通りである。図4B、図5A、図5B、および図5Cから分かるように、本発明のコーティング方法によって製造された、コーティングされたナノ粒子は、それぞれのナノ粒子上に、金属酸化物が均一にコーティングしているということが分かった。一方、図1に示すように、従来のコーティング方法によって製造されたナノ粒子は、数個のナノ粒子の塊の上に、金属酸化物が不均一にコーティングしているということが分かる。
【0053】
本発明を、実施例を参照しながら詳細に説明したが、これら実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。それゆえ、当業者ならば、特許請求の範囲で定義された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多様な変形や応用が可能であることが、理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、半導体関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来のコーティング方法によって、金属酸化物でコーティングされたナノ粒子を表す電子顕微鏡写真である。
【図2A】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2B】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2C】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2D】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図2E】本発明によるナノ粒子のコーティング方法を示す概略図である。
【図3】CdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルを示す図である。
【図4A】実施例3で得られた、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の光励起発光スペクトルを示す図である。
【図4B】実施例3で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5A】実施例4で得られた、エタノール中に分散している、SiO2でコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5B】実施例5で得られた、エタノール中に分散している、SnOでコーティングされたCdSeSナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図5C】実施例6で得られた、ピリジン中に分散している、SiO2でコーティングされたパラジウムナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0056】
21 ナノ粒子、
21a 疎水性溶媒、
22a 親水性溶媒、
23a 有機溶媒、
23b ミセルのコア部、
R 疎水性表面、
X 親水性表面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ナノ粒子の疎水性表面を、親水性基を有する有機物質で置換して、親水性表面にするステップと、
(b)両親媒性界面活性剤を含む有機溶媒に、前記(a)ステップで得られたナノ粒子および金属酸化物前駆体を加えて、前記ナノ粒子の表面を金属酸化物でコーティングするステップと、
を含むことを特徴とする、ナノ粒子のコーティング方法。
【請求項2】
前記(a)ステップは、前記ナノ粒子の疎水性表面を、親水性界面活性剤で置換して、親水性表面にするステップと、
親水性溶媒中に親水性表面を有するナノ粒子を分散させるステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項3】
前記親水性界面活性剤は、ピリジン、ジチオール、メルカプトアルキルアルコール、メルカプトアルキルアミン、メルカプトアルキルシラン、アミノアルキルシラン、およびジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項2に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項4】
前記親水性溶媒は、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコール、ジオール、ポリオール、環状アミン、環状エーテル、およびケトンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項2または3に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項5】
前記親水性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ピリジン、イミダゾール、テトラヒドロフラン、およびアセトンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項6】
前記ナノ粒子は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物、貴金属、および遷移金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項7】
前記II−VI族化合物は、2元化合物、3元化合物、または4元化合物であり、
前記III−V族化合物は、2元化合物、3元化合物、または4元化合物であり、
前記IV−VI族化合物は、2元化合物、3元化合物、または4元化合物であり、
前記IV族化合物は、単体または2元化合物であることを特徴とする、請求項6に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項8】
前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、およびHgZnSTeからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、およびInAlPSbからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記IV族化合物は、Si、Ge、SiC、SiGeからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6または7に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項9】
前記貴金属および前記遷移金属は、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、Fe、Au、Ag、Cu、およびこれらの金属を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項10】
前記2元化合物前記3元化合物、または前記4元化合物は、均一な濃度かまたは濃度勾配を有する状態で、それぞれのナノ粒子の中に含まれることを特徴とする、請求項7または8に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項11】
前記金属酸化物は、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO、In2O3−SnO2、Al2O3、HfO2、BaTiO3、CeO2、ZrO2、Ta2O5、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項12】
前記金属酸化物前駆体は、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリブトキシシラン、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、スズブトキシド、スズ酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、ジンクアセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、ジンクイソプロポキシド(zinc isopropoxide)、ジンクブトキシド(zinc butoxide)、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトネート(indium acetylacetonate)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、インジウムブトキシド(indium butoxide)、硝酸インジウム、硫酸インジウム、過塩素酸インジウム、酸化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum acetylacetonate)、アルミニウムイソプロポキシド(aluminum isopropoxide)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、フッ化ハフニウム、水酸化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウムアセチルアセトネート(hafnium acetylacetonate)、オキシ塩化ハフニウム、ハフニウムイソプロポキシド(hafnium isopropoxide)、硝酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、フッ化バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、バリウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、バリウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、バリウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸バリウム、硫酸バリウム、シュウ酸バリウム、メタケイ酸バリウム、チタン酸バリウム、過塩素酸バリウム、酸化バリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、水酸化セシウム、酢酸セシウム、セシウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、セシウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、セシウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸セシウム、硫酸セシウム、シュウ酸セシウム、過塩素酸セシウム、プロピオン酸セシウム、酸化セシウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウムイソプロポキシド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、過塩素酸ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化タンタル、臭化タンタル、ヨウ化タンタル、フッ化タンタル、水酸化タンタル、酢酸タンタル、タンタルアセチルアセトネート(tantalum acetylacetonate)、タンタルメトキシド(tantalum methoxide)、タンタルエトキシド(tantalum ethoxide)、タンタルイソプロポキシド(tantalum isopropoxide)、タンタルブトキシド(tantalum butoxide)、硝酸タンタル、硫酸タンタル、および酸化タンタルからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項13】
前記ナノ粒子は、コアシェル構造またはコアマルチシェル構造を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項1】
(a)ナノ粒子の疎水性表面を、親水性基を有する有機物質で置換して、親水性表面にするステップと、
(b)両親媒性界面活性剤を含む有機溶媒に、前記(a)ステップで得られたナノ粒子および金属酸化物前駆体を加えて、前記ナノ粒子の表面を金属酸化物でコーティングするステップと、
を含むことを特徴とする、ナノ粒子のコーティング方法。
【請求項2】
前記(a)ステップは、前記ナノ粒子の疎水性表面を、親水性界面活性剤で置換して、親水性表面にするステップと、
親水性溶媒中に親水性表面を有するナノ粒子を分散させるステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項3】
前記親水性界面活性剤は、ピリジン、ジチオール、メルカプトアルキルアルコール、メルカプトアルキルアミン、メルカプトアルキルシラン、アミノアルキルシラン、およびジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項2に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項4】
前記親水性溶媒は、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコール、ジオール、ポリオール、環状アミン、環状エーテル、およびケトンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項2または3に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項5】
前記親水性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ピリジン、イミダゾール、テトラヒドロフラン、およびアセトンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項6】
前記ナノ粒子は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物、貴金属、および遷移金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項7】
前記II−VI族化合物は、2元化合物、3元化合物、または4元化合物であり、
前記III−V族化合物は、2元化合物、3元化合物、または4元化合物であり、
前記IV−VI族化合物は、2元化合物、3元化合物、または4元化合物であり、
前記IV族化合物は、単体または2元化合物であることを特徴とする、請求項6に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項8】
前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、およびHgZnSTeからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、およびInAlPSbからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記IV族化合物は、Si、Ge、SiC、SiGeからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6または7に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項9】
前記貴金属および前記遷移金属は、Pd、Pt、Ni、Co、Rh、Ir、Ru、Fe、Au、Ag、Cu、およびこれらの金属を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項10】
前記2元化合物前記3元化合物、または前記4元化合物は、均一な濃度かまたは濃度勾配を有する状態で、それぞれのナノ粒子の中に含まれることを特徴とする、請求項7または8に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項11】
前記金属酸化物は、SiO2、TiO2、SnO2、ZnO、In2O3−SnO2、Al2O3、HfO2、BaTiO3、CeO2、ZrO2、Ta2O5、およびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項12】
前記金属酸化物前駆体は、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリブトキシシラン、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、スズブトキシド、スズ酸ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛、水酸化亜鉛、酢酸亜鉛、ジンクアセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、ジンクイソプロポキシド(zinc isopropoxide)、ジンクブトキシド(zinc butoxide)、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、酢酸インジウム、インジウムアセチルアセトネート(indium acetylacetonate)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、インジウムブトキシド(indium butoxide)、硝酸インジウム、硫酸インジウム、過塩素酸インジウム、酸化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート(aluminum acetylacetonate)、アルミニウムイソプロポキシド(aluminum isopropoxide)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、ヨウ化ハフニウム、フッ化ハフニウム、水酸化ハフニウム、酢酸ハフニウム、ハフニウムアセチルアセトネート(hafnium acetylacetonate)、オキシ塩化ハフニウム、ハフニウムイソプロポキシド(hafnium isopropoxide)、硝酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、酸化ハフニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、フッ化バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、バリウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、バリウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、バリウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸バリウム、硫酸バリウム、シュウ酸バリウム、メタケイ酸バリウム、チタン酸バリウム、過塩素酸バリウム、酸化バリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、水酸化セシウム、酢酸セシウム、セシウムアセチルアセトネート(barium acetylacetonate)、セシウムイソプロポキシド(barium isopropoxide)、セシウムブトキシド(barium butoxide)、硝酸セシウム、硫酸セシウム、シュウ酸セシウム、過塩素酸セシウム、プロピオン酸セシウム、酸化セシウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート(zirconium acetylacetonate)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウムイソプロポキシド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、過塩素酸ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、塩化タンタル、臭化タンタル、ヨウ化タンタル、フッ化タンタル、水酸化タンタル、酢酸タンタル、タンタルアセチルアセトネート(tantalum acetylacetonate)、タンタルメトキシド(tantalum methoxide)、タンタルエトキシド(tantalum ethoxide)、タンタルイソプロポキシド(tantalum isopropoxide)、タンタルブトキシド(tantalum butoxide)、硝酸タンタル、硫酸タンタル、および酸化タンタルからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【請求項13】
前記ナノ粒子は、コアシェル構造またはコアマルチシェル構造を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のナノ粒子のコーティング方法。
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4A】
【図1】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4A】
【図1】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【公開番号】特開2007−130755(P2007−130755A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306805(P2006−306805)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
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