説明

ナンバープレート、特に自動車のナンバープレート及びこのナンバープレートを製造する方法

【課題】
特に自動車用のナンバープレートの場合、偽造又は窃盗の危険が存在する。この危険に対抗するため、このようなナンバープレートを保護する様々な可能性が公知である。この保護は、コストがかかるか又は十分安全でない。
【解決手段】
本発明は、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12)が上層(15)の輪郭に沿って配置されているナンバープレートを提唱する。これによって、当該セキュリティーフィーチャー(12)、すなわちナンバープレートの統合された構成要素が、上層(15)中に埋設される。このようなセキュリティーフィーチャー(12)を、もはやナンバープレートから取り出すことはできない。これによって、本発明のナンバープレートは、偽造に対する最大限の保護を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載のナンバープレート、特に自動車のナンバープレートに関する。さらに、本発明は、請求項13の上位概念に記載のナンバープレートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナンバープレート、特に自動車のナンバープレートの偽造及び窃盗に対抗するため、ナンバープレートが、当該専門分野では電子透かし情報(Originalitaetsmerkmale)又は認証情報(Echtheitsmerkmale)とも呼ばれるセキュリティーフィーチャー(Sicherheitsmerkmale)を有する。異なる種類のこのようなセキュリティーフィーチャーが公知である。例えば、少なくとも1つのホログラムを有するステッカーとして構成されているセキュリティーフィーチャーが存在する。このようなセキュリティーフィーチャーは、外側からナンバープレート上に貼付される。この場合、ステッカーが再び剥がれるという危険がある。確かに、このようなセキュリティーフィーチャーを破壊することなしに剥がすことができないように、このセキュリティーフィーチャーは構成されているものの、セキュリティーフィーチャーを稀に破壊することなしにナンバープレートから剥がす方法がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、偽造防止が簡単に改良されるナンバープレート、特に自動車のナンバープレート及びこのナンバープレートを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。したがって、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、ナンバープレートのナンバープレート本体の輪郭に沿って配置されていることが提唱されている。これによって、当該少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、もはやナンバープレート上に貼付されているのではなくて、ナンバープレートの全体又はその一部の中に埋設されている。これによって、例えば、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、ナンバープレート中に組み込まれている。これによって、当該セキュリティーフィーチャーは、もはやナンバープレートから分離され得ない。
【0005】
好ましくは、当該少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーは、ナンバープレート本体、特にこのナンバープレート本体の上層中に埋設されている。一方では、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーの全面が、特に上層の材料によって包囲されていることによって、当該セキュリティーフィーチャーが、ナンバープレート本体又は上層の内部に完全に存在するように、当該埋設は実施され得る。他方では、それぞれのセキュリティーフィーチャーの1つの面が露出して、特に、ナンバープレート本体の境を接している面と同一平面になって結合するように、当該少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、ナンバープレート本体中に埋設されてもよい。このとき、それぞれのセキュリティーフィーチャーの対向する1つの面と側面とが、ナンバープレート本体の材料によって包囲されている。この場合、当該それぞれのセキュリティーフィーチャーは、このセキュリティーフィーチャーの寸法に一致する窪部又は凹部内に設置されている。上層中への少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーのこのような埋設の場合、当該上層が透明である必要がない。
【0006】
ナンバープレート本体の上層の内部に完全に配置されたセキュリティーフィーチャーを有するナンバープレートの好適な構造の場合、当該上層を重なり合う2つの層から形成することが提唱されている。この場合、それぞれのセキュリティーフィーチャーの全面が、上層中に埋設されていることによって、当該セキュリティーフィーチャーが、当該上層の2つの層の間に配置されている。
【0007】
セキュリティーフィーチャーの1つの面が、上層の境を接している面と同一平面になって結合するように、当該少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、当該上層中に埋設されている場合、それぞれのセキュリティーフィーチャーの当該露出面は、上層の目視可能な前面上に配置され得るものの、上層の後面上にも配置され得る。後者の場合では、それぞれのセキュリティーフィーチャーの、上層の材料によって覆われなかった面が、この上層の後面上の別の層によって覆われていることが提唱されている。それぞれのセキュリティーフィーチャーの、上層の前面と同一平面になって結合している露出面の場合、この露出面が被覆されてもよい。つまり、この露出面が、上層の前面上の保護フィルム若しくは保護ラッカーによって又は特に再帰反射膜の、上層の前面にわたって配置された反射層によって被覆されてもよい。
【0008】
本発明の好適な構造の場合、それぞれのセキュリティーフィーチャーが、少なくとも1つの電子透かし情報を有するキャリア、特に扁平状のキャリアを備えることが提唱されている。基本的に、当該セキュリティーフィーチャーは任意に構成され得る。しかし、好ましくは、セキュリティーフィーチャーを少なくとも1つのホログラムとして構成することが提唱されている。しかし、ホログラムが、セキュリティーフィーチャーの全体を構成することも考えられる。ホログラムとして構成されているか又は少なくとも1つのホログラムを有するセキュリティーフィーチャーの場合、特に上層の輪郭に沿った当該配置、特に上層中への当該一部若しくは全体の埋設及び/又は組み込みは、偽造不可能であるナンバープレート、特に自動車のナンバープレートを実現する。
【0009】
請求項13に記載の特徴が、冒頭で述べた課題を解決する方法を有する。この方法の場合、ナンバープレート、特に自動車のナンバープレートが、上層中への封入によって少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーを有する。当該封入は、上層の製造時に特に簡単に実施され得る。この場合、当該それぞれのセキュリティーフィーチャーは、成形によって実施される上層の製造時に「残された型枠(verlorene Schalthung)」として使用される。
【0010】
本発明の方法のその他の好適な構成の場合、それぞれのセキュリティーフィーチャーを上層の2つの層の間に埋設することが提唱されている。このため、上層の第1層が成形される。少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、この第1層上に搭載される。引き続き、上層の第2層が、この第1層及びこのセキュリティーフィーチャー上にわたって成形される。それぞれのセキュリティーフィーチャーは、上層の第1層の完全な硬化前に既に搭載され得る。上層の第2層が、当該第1層上に注入される場合は、上層のこの第1層をさらに硬化させる必要もない。このとき、当該第2層は、当該第1層上に「ウェットオンウェット」に被覆される。これによって、上層の当該両層の均質な接合がもたらされる。これによって、上層中への少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーの不可逆で完全な埋設が引き起こされる。これによって、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーが、上層中に一体的に且つ機械的に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】投影したナンバープレートの一部をこのナンバープレートの個々の層の厚さを著しく拡大して示す。
【図2】ナンバープレートの第2の実施の形態の横断面を個々の層の厚さを同様に著しく拡大して示す。
【図3】ナンバープレートの第3の実施の形態の横断面を図2と同様に示す。
【図4】ナンバープレートの第4の実施の形態の横断面を個々の層の厚さを同様に著しく拡大して示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0013】
図面中には、ナンバープレート、つまり自動車のナンバープレートの幾つかの実施の形態の一部だけが示されている。これらのナンバープレートの多くの部分が、合成樹脂製である。さらに、特に曲がりやすいナンバープレート本体10が、複数の層又は膜から形成されている。固有の文字が、ナンバープレート本体10に施されている。当該文字は、特にアンバープレート10の、ナンバープレートの表側の面を形成する前面11上にプリントされている。当該文字は、貼付された数字又はその他の作図から形成されてもよい。
【0014】
さらに、当該ナンバープレートは、いわゆるセキュリティーフィーチャーを有する。このセキュリティーフィーチャーは、図示された実施の形態では扁平状のセキュリティーフィーチャー12として形成されている。場合によっては、当該ナンバープレートは、複数のセキュリティーフィーチャー12を有してもよい。セキュリティーフィーチャー12は、任意の寸法及び底面を有し得る。この図示された実施の形態(図1)では、セキュリティーフィーチャー12が、四角形の底面を有する。このセキュリティーフィーチャー12は、このセキュリティーフィーチャー12に扁平状の外形を与えるキャリア13及び図面中に示されなかった少なくとも1つのホログラム又はその他のセキュリティーフィーチャーから構成される。セキュリティーフィーチャー12は、様々な種類の複数のセキュリティーフィーチャーを有してもよい。
【0015】
本発明によれば、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー12が、ナンバープレート本体10の輪郭に沿って位置決めされるように、このセキュリティーフィーチャー12をナンバープレート本体10に敷設すること、特にナンバープレート本体10中に収納することが提唱されている。その結果、貼付されたセキュリティーフィーチャーとは違って、当該収納された少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー12は、ナンバープレート本体10の面から張り出さない。好ましくは、この少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー12は、ナンバープレート本体中に組み込まれている。つまり、このセキュリティーフィーチャー12が、ナンバープレート本体の材料によって完全に包囲されていることによって(図2〜図4)、又は、このセキュリティーフィーチャー12の目視可能な表面14が、ナンバープレート本体10の前面11と同一平面となって結合すると同時に、このセキュリティーフィーチャー12の、ナンバープレートの前面11の一部を形成する表面14が、ナンバープレート本体10の材料によって包囲若しくは被覆されていないことによって(図1)、特にこのセキュリティーフィーチャー12が、ナンバープレート本体10中に埋設されているように、すなわちこのセキュリティーフィーチャー12の全体が、ナンバープレート本体10の内部に存在する。
【0016】
図1は、ナンバープレート本体10とこのナンバープレート本体10の輪郭に沿って配置されたセキュリティーフィーチャー12との一部を有するナンバープレートの一部を投影図で示す。ナンバープレートのナンバープレート本体10は、ナンバープレートの目視可能な前面11を形成する上層15、この上層15の下にある中間層16、反射層17、支持層18、接着剤層19及びナンバープレート本体10の後面21上の保護紙20を有する。ナンバープレートを自動車の例えばボディー部分上に貼付するため、保護紙20が剥がされる。その結果、保護紙20は、ナンバープレート本体10に含まれない。図1中に示されたナンバープレート本体10の場合、反射手段が、上層15及び中間層16中に埋設されている。当該反射手段は、図示された実施の形態ではガラス球22である。これらのガラス球22は、上層15と中間層16との間に埋設されている。
【0017】
当該図示された実施の形態では、セキュリティーフィーチャー12が、ナンバープレート本体10の上層15の前面11内に嵌入されている。この場合、セキュリティーフィーチャー12が、上層15中に埋設されている。つまり、直立した側面及びセキュリティーフィーチャー12の、ガラス球22に面する裏面が、上層15の材料によって覆われているように、このセキュリティーフィーチャー12が、上層15中に埋設されている。これに対して、セキュリティーフィーチャー12の、ナンバープレートの前面11と同一平面なって結合している目視可能な表面14が、上層15の材料によって覆われていない。こうして、確かに、セキュリティーフィーチャー12は、上層15内に配置されていて且つこの上層15の材料によって当該側面及び当該裏面に接合されているものの、この上層15は、セキュリティーフィーチャー12の目視可能な表面14を覆わない。その結果、セキュリティーフィーチャー12を読み取るため、上層15を透明にする必要がない。目視可能な表面14が、セキュリティーフィーチャー12を上層15中に埋設することによってこの上層15の前面11と同一平面になって結合するので、この上層15中に埋設されたセキュリティーフィーチャー12をナンバープレート、すなわちナンバープレート本体10から分離することが阻止されている。
【0018】
その他の構造、特にその他の反射体を有するナンバープレート本体又は反射体を全く有さずより少ない層を有する、最も簡単な場合は上層15、接着剤層19及び保護紙20だけを有するナンバープレート本体でも、上述したセキュリティーフィーチャー12の、ナンバープレート本体10中への埋設は実施され得る。
【0019】
図2は、ナンバープレート本体23を有する自動車のナンバープレートを示す。セキュリティーフィーチャー24が、ナンバープレート本体23の別の場所の中に埋設されている。このナンバープレート本体23は、固有の文字が施されている目視可能な前面26を有する透明な、特に透き通った上層25を備える。接着用ワニス層28、その後の絶縁ワニス層29及び接着剤層31が、上層25の後面27の後に存在する。アルミニウム蒸着部30が、絶縁ワニス層29の後面上に敷設されている。接着剤層31は、ナンバープレート本体23の裏面を形成する。ここで示されたナンバープレートの場合でも、ナンバープレート本体23を自動車の一部の部分の上に貼付するまで、接着剤層31の接合していない裏面が、保護紙32等で覆われている。ここでも、ガラス球33、特に極小のガラス球が、ナンバープレート23中に埋設されている、つまり接着用ワニス層28と絶縁ワニス層29との間に埋設されている。
【0020】
ナンバープレート本体23の場合、セキュリティーフィーチャー24が、上層25中にも配置されている。このセキュリティーフィーチャー24は、特にホログラム、特にキャリア13に敷設されたホログラムとして形成されている。当該図示されたナンバープレートの場合、セキュリティーフィーチャー24が、接着用ワニス層28と境を接している上層25の後面27内に存在する。このセキュリティーフィーチャー24は、上層25中に埋設されている。この場合、このセキュリティーフィーチャー24の後の面35が、上層25の後面27と同一平面になって結合する。上層25によって覆われなかったこの面35が、接着用ワニス層28によって覆われている。したがって、当該図示されたナンバープレートの場合、セキュリティーフィーチャー24は、一方では上層25によって及び他方では接着用ワニス層28によって完全に覆われている。上層25の前面26の後に設置されているセキュリティーフィーチャー24が、ナンバープレートの表面から目視可能であるように、この上層25は、完全に透明な、特に透き通った材料、特に合成樹脂から成る。
【0021】
図3は、ナンバープレート本体37を有するナンバープレートを示す。このナンバープレート本体37は、図2のナンバープレート本体23と同様な構造を有する。それ故に、図2のナンバープレート23に対応するナンバープレート本体37の部分に対しては、同じ符号が使用される。
【0022】
セキュリティーフィーチャー24と同様に形成され得るセキュリティーフィーチャー36が、ナンバープレート本体37中に存在する。このセキュリティーフィーチャー36は、このナンバープレート本体37の内部に完全に存在する。この場合、当該実施の形態(図3)では、セキュリティーフィーチャー36は、上層25の内部に完全に収納されている。図3のナンバープレート本体37の場合、セキュリティーフィーチャー36が、上層25の前面26の下で間隔をあけてこの上層25の内部に配置されていることによって、このセキュリティーフィーチャー36は、上層25の材料によって完全に包囲されている。同様に、このセキュリティーフィーチャー36は、上層25の後面27から間隔をあけて存在する。当該図示された実施の形態では、セキュリティーフィーチャー36は、中心から外れて上層25中に存在する。この場合、前面26からセキュリティーフィーチャー36までの距離は、上層25の後面27からこのセキュリティーフィーチャー36までの距離より短い。しかし、セキュリティーフィーチャー36は、上層25の前面26の下からより短い又はより長い距離を保って配置されてもよい。つまり、セキュリティーフィーチャー36の全面がそれぞれ、上層25の材料によって包囲されているように、セキュリティーフィーチャー36は、上層25の前面26の下からより短い又はより長い距離を保て配置されてもよい。
【0023】
図4は、ナンバープレートのもう1つの実施の形態を示す。このナンバープレートのナンバープレート本体38は、最も簡単な構造を有する。このナンバープレート本体38は、文字が施されていて透明な、特に透き通った前方の上層39及びその後に配置された接着剤層40、特に粘着性の接着剤層だけを有する。保護紙41が、接着剤層40の後に設けられている。この保護紙41は、ナンバープレートを自動車の部分上に貼付する前に剥がされる。
【0024】
当該図示されたナンバープレートの場合、セキュリティーフィーチャー42が、前面43と後面44との間に存在することによって、このセキュリティーフィーチャー42は、上層39中に埋設されている。しかし、セキュリティーフィーチャー42は、上層39中の図4中に示された場所と違う別の場所に埋設されてもよい。つまり、特に、セキュリティーフィーチャー42の面が、上層39の前面43又は後面44と同一平面になって結合し、図1及び2の実施の形態で示されているように、セキュリティーフィーチャー42は、上層39中の図4中に示された場所と違う別の場所に埋設されてもよい。
【0025】
図4中に示されたナンバープレートは、前面43が反射する層、特に反射膜によって被覆されているナンバープレート本体38を有してもよい。セキュリティーフィーチャー42の、上層39の前面43と同一平面になって結合している面の場合、このセキュリティーフィーチャー42のこの面は、反射膜によって被覆されている。
【0026】
本発明は、異なって構成された任意のナンバープレート本体、特にガラス球22又は33の場所にプリズム、特にマイクロプリズムのラスターを有するナンバープレート本体に対しても適している。
【0027】
以下に、本発明の方法を図1〜3に関連させて詳しく説明する:
それぞれのセキュリティーフィーチャー12,24又は36が、上層15又は25中に封入されることによって、これらのセキュリティーフィーチャー12,24又は36がそれぞれ、この上層15又は25中に組み込まれる。ナンバープレート10の場合、セキュリティーフィーチャー12は、上層15の材料が注入される安定した基礎部分上の適切な場所に搭載される。その後、上層15の材料が、当該基礎部分上に被覆され、このセキュリティーフィーチャー12が、上層15の材料によって被覆される。この場合、このセキュリティーフィーチャー12が、上層15中に埋設される。この場合、このセキュリティーフィーチャー12の、当該基礎部分上に搭載されている表面14が、上層15の、当該基礎部分上に被覆された前面11と同一平面になって結合する。
【0028】
図2のナンバープレート本体23を有するナンバープレートの場合、上層25の材料が、安定した基礎部分上の全面にわたって被覆される。つまり、所定の層厚になるまで、上層25の材料が、安定した基礎部分上の全面にわたって被覆される。引き続き、セキュリティーフィーチャーが、まだ硬化されていない上層25中に搭載され、この上層25のまだ液体の材料中に押し込まれる。その結果、セキュリティーフィーチャー24の後面35が、上層25の後面27と同一平面になって結合する。
【0029】
図3のナンバープレート本体37を有するナンバープレートを製造するため、上層25が、2つのステップで成形される。このため、ナンバープレート本体37の上層25が、2つの層から形成される。この場合、セキュリティーフィーチャー36が、これらの層の間に配置され、これによって上層25中に完全に埋設される。この目的のため、最初に、第1部分、すなわち上層25の第1層が、安定した平坦な基礎部分上に注入される。上層25の材料の、依然として一部が液状の状態中に、セキュリティーフィーチャー36が、この第1層上に搭載される。引き続き、第2部分、すなわち上層25の第2層が、当該第1層上に注入される。こうして、セキュリティーフィーチャー36が、上層25の前後して製造された両層間に完全に埋設される。上層25を形成するこれらの異なる層は、重なり合って湿式に成形される。その結果、埋設されたセキュリティーフィーチャー36を有する均質な上層25が、硬化後に形成される。
【符号の説明】
【0030】
10 ナンバープレート本体
11 前面
12 セキュリティーフィーチャー
13 キャリア
14 表面
15 上層
16 中間層
17 反射層
18 支持層
19 接着剤層
20 保護紙
21 後面
22 ガラス球
23 ナンバープレート本体
24 セキュリティーフィーチャー
25 上層
26 前面
27 後面
28 接着用ワニス層
29 絶縁ワニス層
30 アルミニウム蒸着部
31 接着剤層
32 保護紙
33 ガラス球
35 面
36 セキュリティーフィーチャー
37 ナンバープレート本体
38 ナンバープレート本体
39 上層
40 接着剤層
41 保護紙
42 セキュリティーフィーチャー
43 前面
44 後面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字が施されている1つのナンバープレート本体(10,23,37,38)及び少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)を有するナンバープレート、特に自動車のナンバープレートにおいて、
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、前記ナンバープレート本体(10,23,37,38)の輪郭に沿って配置されていることを特徴とするナンバープレート。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)が、前記ナンバープレート本体(10,23,37,38)から張り出さないように、前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、前記ナンバープレート本体(10,23,37,38)の輪郭に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のナンバープレート。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、前記ナンバープレート本体(10,23,37,38)中に埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のナンバープレート。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、前記ナンバープレート本体(10,23,37,38)の上層(15,25,39)中に埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のナンバープレート。
【請求項5】
前記セキュリティーフィーチャー(12,24)の1つの面(14,35)が露出して、特に、前記ナンバープレート本体(10,23)、特に前記上層(15,25)の1つの面と同一平面になって結合するように、前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24)が、前記ナンバープレート本体(14,35)又はこのナンバープレート本体(14,35)の上層(15,25)中に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載のナンバープレート。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(36,42)の全面が、前記ナンバープレート本体(37,38)によって包囲されていて且つ前記ナンバープレート本体(37,38)の内部に完全に存在するように、前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(36,42)は、前記ナンバープレート本体(37,38)中に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載のナンバープレート。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(36,42)の全面が、前記上層(25,39)によって包囲されていて且つ前記上層(25,39)中に完全に存在するように、前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(36,42)は、前記ナンバープレート本体(37,38)の前記上層(25,39)中に埋設されていることを特徴とする請求項4に記載のナンバープレート。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(36,42)が、前記上層(25,39)を形成する上層の2つの層の間に埋設されていることを特徴とする請求項1に記載のナンバープレート。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(24)の、前記上層(25)によって覆われていない1つの面(35)が、前記上層(25)の後面(27)と境を接している層によって覆われていることを特徴とする請求項4に記載のナンバープレート。
【請求項10】
前記上層(15,25,39)は、透明、特に透き通っていることを特徴とする請求項4に記載のナンバープレート。
【請求項11】
前記それぞれのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、少なくとも1つの電子透かし情報を有するキャリア(13)を備えることを特徴とする請求項1に記載のナンバープレート。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャーは、ホログラムとして構成されていることを特徴とする請求項11に記載のナンバープレート。
【請求項13】
ナンバープレート本体(10,23,37,38)を有するナンバープレートを製造する方法であって、このナンバープレート本体(10,23,37,38)は、少なくとも1つの上層(15,25,39)及び少なくとも1つの別の層から構成され、少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)が設けられている当該方法において、
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、前記ナンバープレート本体(10,23,37,38)中に封入されることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(12,24,36,42)は、上層(15,25,39)中に封入され、当該封入のため、前記上層(15,25,39)の少なくとも一部分の成形時に当該一部分内に嵌入されるか又はこの一部分上に搭載されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記上層(25,39)の第1層が成形され、前記少なくとも1つのセキュリティーフィーチャー(36,42)が、この第1層上に搭載され、引き続き前記上層(25,39)の第2層が、前記セキュリティーフィーチャー(36,42)の前記第1層上にわたって成形されることによって、前記それぞれのセキュリティーフィーチャー(36,42)が、前記上層(25,39)の2つの層の間に埋設されることを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−515680(P2012−515680A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546693(P2011−546693)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000386
【国際公開番号】WO2010/084013
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511109124)ヨット・ハー・テンイェス・エー・アー・エス・テー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】