説明

ニューマチックケーソン工法における設備能力決定方法及び設備

【課題】ニューマチックケーソン工法においてサイクルタイムの最適化により工期を短縮する。
【解決手段】掘削作業室αの天井面に設置された潜函ショベル3と、ケーソン2に立設されたマテリアルシャフト4、マンシャフト5及びタワークレーン6と、地上に立設されたスケータークレーン7及び土砂ホッパ8と、スケータークレーン7により昇降可能及び横行可能に吊り下げられたアースバケット9と、を備える設備1において、アースバケット9の容量を、スケータークレーン7の定格荷重未満となる大きさであって、潜函ショベル3により土砂を掘削してアースバケット9に積み込む積込サイクルタイムT1が、アースバケット9に積み込まれた土砂を排出するためにスケータークレーン7によりアースバケット9を搬送する搬送サイクルタイムT2以上となる大きさとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューマチックケーソン工法における設備能力決定方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ニューマチックケーソン工法は、ケーソン下部に形成される掘削作業室を圧気状態とすることで掘削作業室に地下水が流入するのを防止し、掘削作業室の掘削床から土砂を掘削してケーソンを決設させる工法である。このニューマチックケーソン工法では、掘削作業室の天井(ケーソン下面)に設置された潜函ショベル、ケーソンに立設されたマテリアルシャフト、地上に設置されたスケータークレーン、スケータークレーンに吊り下げられてマテリアルシャフトを昇降するアースバケット、地上に設置された土砂ホッパ、などを備える設備が用いられている。そして、潜函ショベルにより土砂を掘削してアースバケットに土砂を満杯に積み込む積込サイクルと、スケータークレーンによりアースバケットを掘削作業室と土砂ホッパとの間で往復させてアースバケットに積み込まれた土砂を土砂ホッパに排出する搬送サイクルと、を繰返し行うことで、ケーソンを決設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−294063号公報
【特許文献2】特開平09−078594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなニューマチックケーソン工法では、リース品を転用することを大前提としており、現場毎に設備を新作することは行われない。このリース品のバケットは、有人掘削しか掘削方法が無かった時代に製作された1.0mのものが現在も使用されており、マテリアルシャフトも、この1.0mのバケットを昇降させることを前提としたものが使用されている。また、スケータークレーンも、1.0mのバケットを搬送することを想定して定格荷重が4.5t未満のものが使用されている。
【0005】
しかしながら、潜函ショベルに取り付けるショベルバケットを0.15m級や0.30m級としても、常に搬送サイクルタイムが積込サイクルタイムよりも長くなるため、潜函ショベルが遊び状態となるタイムロスが発生するという問題がある。
【0006】
近年、地上から潜函ショベルを遠隔操作する無人掘削の技術が開発され、作業気圧が0.19MPa前後になるまでは有人掘削を行い、それよりも深くなると無人掘削を行うようになった。しかしながら、有人掘削では、掘削作業室でバケットの吊り替えができるため、積込サイクルと搬送サイクルとを平行して行うことで掘削効率が向上するものの、無人掘削では、掘削作業室でのバケットの吊り替えができないため、掘削効率の向上が図れない。
【0007】
この点、特許文献1及び特許文献2において、無人掘削の状態でバケットの吊り替えを行うことが提案されているが、実現可能性が低いため未だ実際の稼動には至っていない。
【0008】
そこで、本発明は、ニューマチックケーソン工法においてサイクルタイムの最適化により工期を短縮できる設備能力決定方法及び設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るニューマチックケーソン工法における設備能力決定方法は、ケーソンの下部に形成された掘削作業室において土砂を掘削する掘削設備と、掘削設備で掘削した土砂が積み込まれるバケットと、ケーソンに立設されてバケットが昇降するマテリアルシャフトと、バケットを吊り下げてバケットを搬送する揚重設備と、を有するニューマチックケーソン工法の設備能力決定方法であって、バケットの容量を、揚重設備の定格荷重未満となる大きさであって、掘削設備により土砂を掘削してバケットに積み込む積込時間が、バケットに積み込まれた土砂を排出するために揚重設備によりバケットを搬送するバケット搬送時間以上となる大きさとすることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るニューマチックケーソン工法における設備能力決定方法によれば、バケットの容量を、揚重設備の定格荷重を上限として、積込サイクルタイムが搬送サイクルタイム以上となる大きさとすることで、掘削設備の遊び時間が削減されるため、排土のサイクルタイムが全体的に最適化され、工期を短縮することができる。
【0011】
この場合、掘削作業室におけるバケットの潜函高さと、バケットに土砂を積み込むために必要なバケットから掘削作業室の天井までの高さと、バケットの容量と、に基づいてバケットの形状を決定し、バケットの形状に基づいてマテリアルシャフトの内径を決定することが好ましい。このようにしてマテリアルシャフトの内径を決定することで、バケットへの土砂の積込作業性を阻害することなく、サイクルタイムの最適化を図ることができる。
【0012】
本発明に係るニューマチックケーソン工法における設備は、ケーソンの下部に形成された掘削作業室において土砂を掘削する掘削設備と、掘削設備で掘削した土砂が積み込まれるバケットと、ケーソンに立設されてバケットが昇降するマテリアルシャフトと、バケットを吊り下げてバケットを搬送する揚重設備と、を有するニューマチックケーソン工法における設備であって、バケットの容量は、揚重設備の定格荷重未満となる大きさであって、掘削設備により土砂を掘削してバケットに積み込む積込時間が、バケットに積み込まれた土砂を排出するために揚重設備によりバケットを搬送するバケット搬送時間以上となる大きさであることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るニューマチックケーソン工法における設備によれば、バケットの容量が、揚重設備の定格荷重を上限として、積込サイクルタイムが搬送サイクルタイム以上となる大きさとすることで、掘削設備の遊び時間が削減されるため、排土のサイクルタイムが全体的に最適化され、工期を短縮することができる。
【0014】
この場合、揚重設備の定格荷重が5t未満である場合、バケットの容量が約2.5mであることが好ましく、更には、マテリアルシャフトの内径が約2.2mであることが好ましい。このような寸法とすることで、排土能力の最大化を図ることができる。
【0015】
また、掘削作業室で掘削された土砂が仮積みされる仮積用容器を更に備え、バケットは、仮積用容器から土砂を積み替えられることで、掘削作業室において掘削された土砂が積み込まれることが好ましい。このように、土砂が仮積みされる仮積用容器を用いることで、土砂が積み込まれたバケットを昇降させて土砂を排土している間に、仮積用容器に土砂を仮積みすることができるため、時間的ロスを大幅に削減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ニューマチックケーソン工法においてサイクルタイムの最適化により工期を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係るニューマチックケーソン工法の設備を示す図である。
【図2】図1に示す設備におけるケーソン底部を拡大した図である。
【図3】設備設計に用いる項目の一覧を示している。
【図4】有人掘削期間及び無人掘削期間における排土サイクルタイムの算出方法を示した図である。
【図5】他の例の設備におけるケーソン底部を拡大した図である。
【図6】実施例1及び実施例2のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】比較例1及び比較例2のシミュレーション結果を示す図である。
【図8】比較例3及び比較例4のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係るニューマチックケーソン工法における設備設計方法及び設備の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0019】
図1は、実施形態に係るニューマチックケーソン工法の設備を示す図であり、図2は、図1に示す設備におけるケーソン底部を拡大した図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る設備1は、ケーソン2下部に形成される掘削作業室αを圧気状態として掘削作業室αの掘削床から土砂を掘削することでケーソン2を決設させための設備である。このため、設備1は、掘削作業室αの天井面に設置された潜函ショベル3と、ケーソン2に立設されたマテリアルシャフト4、マンシャフト5及びタワークレーン6と、地上に立設されたスケータークレーン7及び土砂ホッパ8と、スケータークレーン7により昇降可能及び横行可能に吊り下げられたアースバケット9と、を備えている。
【0020】
ケーソン2は、複数のロットを積層して構築されるものであり、最下層に配置される第1ロットは、下面から円筒状の刃先が突出されて掘削作業室αを形成する円板状に形成されており、第2ロット以降は、所定高さの円筒状に形成されている。そして、ケーソン2の沈下長に応じて新たなロットを構築(上積み)していくことで、所定沈下長のケーソン2が構築される。
【0021】
潜函ショベル3は、掘削作業室αの天井面であるケーソン2の底面に固定されたレールにより横行及び旋回可能に吊り下げられており、土砂を掘削するショベルバケット3aが設けられている。このため、潜函ショベル3は、ショベルバケット3aにより土砂を掘削してアースバケット9に積み込むことが可能となっている。この潜函ショベル3は、有人運転のもの、遠隔操作による無人運転のもの、有人運転及び無人運転が切り換え可能なものがある。
【0022】
マテリアルシャフト4は、掘削作業室αと連通されており、その上端に設置されたマテリアルロック4aの圧力制御により圧気状態に保持されている。このマテリアルロック4aは、上下2段のハッチで気密に形成されており、上下2段のハッチの開閉制御とマテリアルロック4a内の圧力制御とを行うことで、マテリアルシャフト4内部を圧気状態に保持しながら、アースバケット9の通過を可能にしている。また、マテリアルシャフト4の内周面には、マテリアルシャフト内設備として、アースバケット9の揺れ止めを行うガイド11が取り付けられている。なお、マテリアルシャフト4の内周面には、マテリアルシャフト内設備として、人が昇降する梯子が取り付けられることもある。
【0023】
マンシャフト5は、マテリアルシャフト4と同様に、掘削作業室αと連通されており、その上端に設置されたマンロック5aの圧力制御により圧気状態に保持されている。
【0024】
なお、マテリアルシャフト4及びマンシャフト5は、その上端がケーソン2の上端よりも上方に配置されるように、ケーソン2のロットが新たに構築されるたびに艤装替えされる(継ぎ足される)。
【0025】
スケータークレーン7は、アースバケット9を昇降及び横行させる揚重設備である。このスケータークレーン7は、マテリアルシャフト4の上方においてアースバケット9の巻下げ及び巻上げを行うことで、アースバケット9をマテリアルシャフト4内で昇降させることができる。また、スケータークレーン7は、アースバケット9の吊り下げ位置を移動させることで、アースバケット9をマテリアルシャフト4の上方から土砂ホッパ8の上方に横行させることができる。また、スケータークレーン7は、土砂ホッパ8の上方においてアースバケット9の巻下げ及び巻上げを行うことで、アースバケット9を土砂ホッパ8に対して昇降させることができる。
【0026】
土砂ホッパ8は、アースバケット9から排出される土砂を受けて、トラックの荷台に土砂を積み込む設備である。
【0027】
アースバケット9は、上部に開口を有する円筒状容器であり、土砂を上方から積み込むことが可能となっている。このため、アースバケット9は、土砂ホッパ8の上方で反転させることで、積み込まれた土砂を土砂ホッパ8に排出することが可能となっている。なお、底が開く構造のアースバケット9を採用する場合は、土砂ホッパ8の上方でアースバケット9の底を開くことで、積み込まれた土砂を土砂ホッパ8に排出することが可能となる。このアースバケット9は、スケータークレーン7(スケータークレーン7から吊り下げられたワイヤ)に対して脱着可能に吊り下げられている。このため、掘削作業室αにおいてアースバケット9を吊り替えることで、2台のアースバケット9を用いて排土を行うことが可能となっている。
【0028】
ここで、設備設計の説明に先立ち、設備1の動作について説明する。
【0029】
ニューマチックケーソン工法では、まず、マテリアルロック4a及びマンロック5aによる圧力制御により、マテリアルシャフト4、マンシャフト5及び掘削作業室αを圧気状態にする。
【0030】
そして、スケータークレーン7を巻下げて、アースバケット9をマテリアルシャフト4から掘削作業室αまで下降させる。なお、アースバケット9がマテリアルロック4aを通過する際は、まず、上部ハッチを開いてアースバケット9をマテリアルロック4a内に進入させる。そして、上部ハッチを閉じてマテリアルロック4a内部を加圧し、所定の圧力に達すると、下部ハッチを開いてアースバケット9を降下させる。これにより、マテリアルシャフト4内部を圧気状態に保持しながら、アースバケット9をマテリアルシャフト4内に挿入することができる。
【0031】
このようにアースバケット9が掘削作業室αに配置されると、次に、潜函ショベル3のショベルバケット3aで掘削作業室αの掘削床を掘削し、潜函ショベル3を旋回させて、掘削した土砂をアースバケット9に積み込み、アースバケット9に満杯(又は所定量)の土砂を積み込む。このように、アースバケット9に満杯の土砂が積み込まれるまで、潜函ショベル3で掘削床を掘削し、潜函ショベル3を旋回させ、土砂をアースバケット9に積み込むサイクルを、積込サイクルといい、この積込サイクルに要する時間を積込サイクルタイムという。
【0032】
そして、このような積込サイクルによりアースバケット9に満杯(又は所定量)の土砂が積み込まれると、次に、スケータークレーン7によりアースバケット9を巻上げる。なお、2台のアースバケット9を用いる場合は、スケータークレーン7に吊り下げられている空のアースバケット9と、積込サイクルにより土砂が満杯に積み込まれたアースバケット9とを吊り替えて、スケータークレーン7によりアースバケット9を巻上げる。すると、アースバケット9は、マテリアルシャフト4内を上昇してマテリアルロック4aを通過し、マテリアルシャフト4の上方に配置される。なお、アースバケット9がマテリアルロック4aを通過する際は、まず、アースバケット9をマテリアルロック4a内に進入させる。なお、アースバケット9がマテリアルシャフト4内にある間は、下部ハッチが常に開いた状態となっている。そして、下部ハッチを閉じてマテリアルロック4a内部を減圧し、大気圧に達すると、上部ハッチを開いてアースバケット9を上昇させる。これにより、マテリアルシャフト4内部を圧気状態に保持しながら、アースバケット9をマテリアルシャフト4から抜き出すことができる。
【0033】
そして、スケータークレーン7によりアースバケット9を横行させ、アースバケット9をマテリアルシャフト4の上方から土砂ホッパ8の上方に移動させる。
【0034】
アースバケット9が土砂ホッパ8の上方に至ると、スケータークレーン7を巻下げて、アースバケット9を土砂ホッパ8に近接する位置まで下降させる。そして、アースバケット9を反転させて、積み込まれた土砂を土砂ホッパ8に排出する。
【0035】
全ての土砂が土砂ホッパ8に排出されると、アースバケット9を元の姿勢に戻し、スケータークレーン7を巻上げて、マテリアルロック4aよりも高い位置までアースバケット9を上昇させる。
【0036】
そして、スケータークレーン7によりアースバケット9を横行させ、アースバケット9を土砂ホッパ8の上方からマテリアルシャフト4の上方に移動させる。
【0037】
アースバケット9がマテリアルシャフト4の上方に至ると、スケータークレーン7によりアースバケット9を巻下げる。すると、アースバケット9は、マテリアルロック4aを通過してマテリアルシャフト4内を下降し、掘削作業室αに配置される。なお、アースバケット9がマテリアルロック4aを通過する際は、まず、上部ハッチを開いてアースバケット9をマテリアルロック4a内に進入させる。そして、上部ハッチを閉じてマテリアルロック4a内部を加圧し、所定の圧力に達すると、下部ハッチを開いてアースバケット9を降下させる。
【0038】
このように、スケータークレーン7によりアースバケット9を掘削作業室αと土砂ホッパ8との間で往復させてアースバケット9に積み込まれた土砂を排出するサイクルを、搬送サイクルといい、この搬送サイクルに要する時間を搬送サイクルタイムという。
【0039】
このような搬送サイクルによりアースバケット9が掘削作業室αに戻ると、再度上述した積込サイクル及び搬送サイクルを繰り返すことで、掘削床を掘り進めてケーソン2を順次沈下させる。
【0040】
そして、ケーソン2が所定深さ沈下するたびにケーソン2に新たなロットを構築していくことで、ケーソン2を決設する。
【0041】
このとき、掘削作業室αの気圧が0.19MPa前後になるまでの深度では、作業者が掘削作業室αに入って潜函ショベル3を操作する有人掘削を行い、それよりも深くなると、地上から潜函ショベル3を遠隔操作する無人掘削を行う。そして、有人掘削では、掘削作業室αで作業者がアースバケット9の吊り替えを行うことで、積込サイクルと搬送サイクルとを並行して行う。一方、無人掘削では、掘削作業室αでアースバケット9の吊り替えを行うことができないため、積込サイクルと搬送サイクルとを連続して行う。
【0042】
次に、図2及び図3を参照して、設備1の能力決定方法について説明する。図3は、設備設計に用いる項目の一覧を示している。
【0043】
まず、現在広く使われている定格荷重が4.5[t]未満のスケータークレーン7及び容量が1.0[m]のアースバケットにより排土を行う場合に比べて工期を短縮できるように、アースバケット9の容量Q[m]を、スケータークレーン7の定格荷重W[t]未満となる大きさであって、現在広く使われているアースバケット9の容量(1.0[m])よりも大きくする。すなわち、アースバケット9の容量Qを、スケータークレーン7の定格荷重W未満となる大きさであって、積込サイクルタイムT1[分]が搬送サイクルタイムT2[分]以上となる大きさとなるように決定する。以下、アースバケット9の容量Qを決定する工程について詳しく説明する。
【0044】
アースバケット9の容量Qとスケータークレーン7の定格荷重Wとの関係は、土砂の単位体積当たりの湿潤重量をγ[t/m]、アースバケット9の容量に対して実際にアースバケット9に土砂を積み込むことができる積込有効率をA、アースバケット9の自重をW1[t]とすると、
Q×γ×η+W1<W …(式1)
で表される。
【0045】
そこで、(式1)の関係を満たすようにアースバケット9の容量Qを求める。
【0046】
例えば、定格荷重Wが5[t]、湿潤重量γが2.0[t/m]、積込有効率ηが0.8、アースバケット9の自重W1が0.9[t]である場合、アースバケット9の容量Qは2.5625[m]未満となる。そこで、(式1)を満たすように、例えば、アースバケット9の容量Qを2.5[m]とする。なお、アースバケット9の自重W1は、アースバケット9の容量Qによって決まる変動値であるが、アースバケット9の容量Qとアースバケット9の自重W1とは所定の関係にあるため、この関係に基づいてアースバケット9の容量Qを求めることができる。
【0047】
次に、このように求めたアースバケット9の容量Qが、積込サイクルタイムT1が搬送サイクルタイムT2以上となる大きさであるか否かを判断する。
【0048】
積込サイクルタイムT1は、ショベルバケット3aに積み込める土砂の容量(ショベルバケット3aの容量)をq[m]、ショベルバケット3aにより土砂を掘削してアースバケット9に土砂を1回積み込む時間をt1[秒]、1本のマテリアルシャフト4に対する潜函ショベル3の台数をn[台]とすると、
T1=Q/(q×n)×(t1/60) …(式2)
により求められる。
【0049】
なお、ショベルバケット3aに積み込める土砂の容量qは、掘削床の土質によっても変動する。そこで、より正確に積込サイクルタイムT1を求めるためには、この変動要因に基づく補正係数Kでショベルバケット3aに積み込める土砂の容量qを補正することが好ましい。この補正係数Kは、例えば、砂質土が1.00又は0.95、砂礫土が0.90、軟質粘性土が0.90となる。
【0050】
搬送サイクルタイムT2は、マテリアルシャフト4の上方においてスケータークレーン7がアースバケット9を巻上げ及び巻下げする時間をt2[秒]、スケータークレーン7によりアースバケット9を横行させてアースバケット9の上方と土砂ホッパ8の上方との間で往復させる時間をt3[秒]、土砂ホッパ8の上方においてスケータークレーン7がアースバケット9を巻上げ及び巻下げする時間をt4[秒]、土砂ホッパ8の上方においてアースバケット9を反転させてアースバケット9に積み込まれた土砂を土砂ホッパ8に排出させる時間をt5[秒]、有人掘削に場合に掘削作業室αにおいてアースバケット9を交換する時間をt6[秒]、マテリアルロック4aを加圧する時間をt7[秒]、マテリアルロック4aを減圧する時間をt8[秒]とすると、
T2=t2+t3+t4+t5+t6+t7+t8 …(式3)
により求められる。なお、スケータークレーン7の巻上げ速度、巻下げ速度及び横行速度は、スケータークレーン7の定格荷重やケーソン2の沈下深度によって変わらないものとして考える。
【0051】
そして、(式1)で求めたアースバケット9の容量Qを(式2)に代入し、(式2)及び(式3)によりT1(積込サイクルタイム)≧T2(搬送サイクルタイム)の関係が成立すれば、アースバケット9の容量Qを決定する。一方、T1≧T2の関係が成立しなければ、アースバケット9の容量Qを見直し、再度(式1)を満たすようにアースバケット9の容量Qを求める。なお、後述する実施例で詳しく説明するが、スケータークレーン7の定格荷重Wが5[t]未満である場合に、アースバケット9の容量Qを2.5[m]とすることで、T1≧T2の関係が成立する。
【0052】
次に、アースバケット9の外径(直径)D1を算出する。ここで、掘削作業室αにおけるアースバケット9の潜函高さをh1[m]、アースバケット9から掘削作業室αの天井面までの高さであってアースバケット9に土砂を積み込むために必要な高さをh2[m]とすると、アースバケット9の高さH[m]はH=h1−h2となる。このため、アースバケット9の外径D1[m]は、
D1=(4×Q/(H×π))1/2 …(式4)
により求められる。例えば、アースバケット9の容量Qが2.5[m]、アースバケット9の高さHが1.3[m]である場合を考えると、アースバケット9の外径D1は1.6[m]となる。
【0053】
次に、マテリアルシャフト4の内径(直径)D2を算出する。上述したように、マテリアルシャフト4の内周面には、マテリアルシャフト内設備としてガイド11が設けられている。このため、ガイド11の厚み(半径方向長さ)をMとすると、マテリアルシャフト4の内径D2は、
D2=D1+M …(式5)
となる。例えば、アースバケット9の外径D1が1.6[m]、ガイドの厚みMが0.6[m]である場合を考えると、マテリアルシャフト4の内径D2は2.2[m]となる。
【0054】
このようにしてアースバケット9及びマテリアルシャフト4の寸法が算出されると、次に、設備1の排土能力P[m/h]を算出する。
【0055】
排土能力Pは、積込サイクルを開始してから搬送サイクルを終了するまでの時間である排土サイクルタイムをT[分]とすると、
P=Q×(60/T) …(式6)
により求められる。
【0056】
ここで、有人掘削では、2つのアースバケット9を吊り替えることにより積込サイクルと搬送サイクルとを並行して行うのに対し、無人掘削では、1つのアースバケットにより積込サイクルと搬送サイクルとを連続的に行う。このため、排土サイクルタイムTは、有人掘削と無人掘削とで算出方法が異なる。このため、図4に示すように、有人掘削期間における排土サイクルタイムTは、積込サイクルタイムT1又は搬送サイクルタイムT2の何れか長いほうの時間となり、無人掘削期間における排土サイクルタイムTは、積込サイクルタイムT1と搬送サイクルタイムT2とを足し合わせた時間となる。なお、図4は、有人掘削期間及び無人掘削期間における排土サイクルタイムの算出方法を示した図である。
【0057】
そして、(式6)により算出された排土能力Pに基づいて、全体の施工日程を計画する。
【0058】
このように、本実施形態によれば、アースバケット9の容量Qを、スケータークレーン7の定格荷重Wを上限として、積込サイクルタイムT1が搬送サイクルタイムT2以上となる大きさとすることで、潜函ショベル3の遊び時間が削減されるため、排土のサイクルタイムが全体的に最適化されて、工期を短縮することができる。
【0059】
そして、掘削作業室αにおけるアースバケット9の潜函高さH1と、アースバケット9の積み込み必要高さH2と、に基づいてアースバケット9の高さHを決定することで、アースバケット9への土砂の積込作業性を阻害することなく、サイクルタイムの最適化を図ることができる。
【0060】
また、スケータークレーン7の定格荷重Wが約5[t]である場合に、アースバケット9の容量Qを約2.5mとすることで、排土能力Pの最大化を図ることができる。
【0061】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、土砂が積み込まれるバケットはアースバケットの1台のみとして説明したが、特許文献1及び特許文献2に記載されたようにアースバケットを2台用いてもよく、また、図5に示す設備21のように、掘削作業室αで掘削された土砂が積み込まれる仮積用バケット(仮積用容器)を更に備えてもよい。
【0062】
ここで、図5に示す設備21について簡単に説明する。図5は、他の例の設備におけるケーソン底部を拡大した図である。
【0063】
図5に示すように、設備21は、アースバケット9と、マテリアルシャフト4の下端部において水平移動可能に設置されたホイスト23に吊り下げられて、アースバケット9の昇降位置から水平方向にずれた位置で掘削作業室α及びマテリアルシャフト4の下端部に形成される下部空間β内を昇降する仮積用バケット24と、を有している。
【0064】
仮積用バケット24には、上部ピン25及び下部ピン26が固定されている。一方、マテリアルシャフト4の下端部には、仮積用バケット24の昇降、横行及び転倒を案内するために、上部ピン25及び下部ピン26が挿入されるガイドレール27が固定されている。このガイドレール27は、仮積用バケット24の昇降位置において仮積用バケット24を鉛直方向に案内する鉛直レール部28と、仮積用バケット24を仮積用バケット24の昇降位置からアースバケット9の昇降位置に向けて水平方向に案内する水平レール部29と、を有している。なお、鉛直レール部28は、下部ピン26が水平レール部29の高さに位置した際に、上部ピン25を水平レール部29側に開放する形状となっている。
【0065】
そして、このように構成される設備21では、以下に説明するように、アースバケット9による搬送サイクルを行っている間に、仮積用バケット24による積込サイクルを行う。
【0066】
すなわち、仮積用バケット24による積込サイクルでは、まず、仮積用バケット24を掘削作業室αに配置して、掘削作業室αで掘削した土砂を仮積用バケット24に仮積みする。
【0067】
次に、ホイスト23の巻上げにより仮積用バケット24を上昇させて、上部ピン25及び下部ピン26を鉛直レール部28に挿入する。そして、下部ピン26が水平レール部29の高さになると(図5に示す2点鎖線の仮積用バケット24’)、ホイスト23による巻上げを停止する。
【0068】
次に、ホイスト23をアースバケット9の昇降位置側に向けて水平移動させて、仮積用バケット24を横行させ、下部ピン26のみを水平レール部29に挿入する。そして、下部ピン26が水平レール部29の先端に達すると、更にホイスト23をアースバケット9の昇降位置側に向けて走行させるとともに、ホイスト23により仮積用バケット24を巻下げて、水平レール部29に挿入されている下部ピン26を軸として仮積用バケット24を転倒させる(図5に示す2点鎖線の仮積用バケット24’’)。
【0069】
これにより、仮積用バケット24からアースバケット9に土砂が積み替えられるため、次に、ホイスト23により仮積用バケット24を巻上げるとともに、ホイスト23を仮積用バケット24の昇降位置側に向けて走行させる。そして、仮積用バケット24が仮積用バケット24の昇降位置に戻ると(図5に示す2点鎖線の仮積用バケット24’)、ホイストにより仮積用バケット24を巻下げて、仮積用バケット24を掘削作業室αに戻す(図5に示す実線の仮積用バケット24)。
【0070】
一方、アースバケット9による搬送サイクルでは、上述した実施形態で説明した搬送サイクルと基本的に同一であり、仮積用バケット24に仮積みされた土砂をアースバケット9に積み込み、スケータークレーン7によりアースバケット9を昇降及び横行させてアースバケット9に積み込まれた土砂を排出した後、再度スケータークレーン7によりアースバケット9を昇降及び横行させて仮積用バケット24から土砂が積み替えられる位置に戻す。
【0071】
このように、アースバケット9と仮積用バケット24とを用いることで、仮積用バケット24による積込サイクルとアースバケット9による搬送サイクルとを並行して行うことができるため。積込サイクル又は搬送サイクルの待ち時間を大幅に削減することができる。
【0072】
また、アースバケット9の容量Qは、積込サイクルタイムT1が搬送サイクルタイムT2以上となる大きさであれば良いが、積込サイクルタイムT1と搬送サイクルタイムT2とが同じとなる大きさにすることで、より排土能力Pを向上させることができる。
【実施例】
【0073】
上述したように定格荷重が5t未満のスケータークレーン7を用いて排土すると、大容量のアースバケット9が利用可能となり、1回当たりの排土量が増加する。一方で、アースバケット9を満杯にするのに必要な時間が長くなるため、積込サイクルタイムが長くなる。そこで、以下に、本発明に係る設備の排土能力Pについて検証する。
【0074】
(実施例1)
実施例1は、スケータークレーン7の定格荷重が5t未満、アースバケット9の容量が2.5m、マテリアルシャフト4の内径が2.2m、ショベルバケット3aの容量が0.15mである設備とした。
【0075】
ところで、日本圧気技術協会のニューマチックケーソン積算資料によれば、マテリアルシャフト4(マテリアルロック4a)は、掘削作業室αの平面積300mごとに1基を設置し、掘削機(潜函ショベル3)は、作業室の平面積150mごとに1基設置することとなっている。そこで、実施例1では、2基の潜函ショベル3で1台のアースバケット9に土砂を積み込むものとした。なお、現存する掘削機で平面積150mを掘削して1.0mのアースバケット9を満杯にするには凡そ2分を要するため、アースバケット9の容量が2.5mになれば、アースバケット9を満杯にするのに2.5倍の時間である凡そ約5分を要することになる。
【0076】
ケーソン2は、10ロットで構成され、ケーソン2の沈下長が10.2m、14.5m、18.8m、23.3m、27.8m、33.2m、38.7m、44.2mになると新たなロットを構築して、ケーソン2の沈下長を50.0mとした。そして、ケーソン2の沈下長が18.8mとなるまでは有人掘削を行い、2つのアースバケットを吊り替えることにより積込サイクルと搬送サイクルとを並行して行った。更に、ケーソン2の沈下長が18.8mを超えると無人掘削を行い、1つのアースバケットにより積込サイクルと搬送サイクルとを連続的に行った。
【0077】
そして、ケーソン2の沈下長が0m、10.2m、14.5m、18.8m、23.3m、27.8m、33.2m、38.7m、44.2m、50.0mとなる際の、積込サイクルタイムT1、搬送サイクルタイムT2、排土サイクルタイムT、排土能力Pをそれぞれシミュレーションした。
【0078】
なお、排土サイクルタイムTは、上述したように、有人掘削期間と無人掘削期間とで異なるため、有人掘削期間では、積込サイクルタイムT1又は搬送サイクルタイムT2の何れか長い方の時間となり、無人掘削期間では、積込サイクルタイムT1と搬送サイクルタイムT2とを足し合わせた時間となる。
【0079】
また、積込サイクルタイムT1は、ケーソンの沈下長に関わらず一定であるものとし、搬送サイクルタイムT2は、ショベルバケットの容量によって変化しないものとした。
【0080】
(実施例2)
実施例2は、ショベルバケット3aの容量を0.30mとした他は実施例1と同一条件とした。
【0081】
そして、実施例1と同様に、ケーソン2が各沈下長となる際の、積込サイクルタイムT1、搬送サイクルタイムT2、排土サイクルタイムT、排土能力Pをそれぞれシミュレーションした。
【0082】
(比較例1)
比較例1は、現在広く使われているニューマチックケーソン工法の設備であって、スケータークレーン7の定格荷重が4.5t未満、アースバケット9の容量が1.0m、マテリアルシャフト4の内径が1.3m、ショベルバケット3aの容量が0.15mである設備とした。
【0083】
そして、実施例1と同様に、ケーソン2が各沈下長となる際の、積込サイクルタイムT1、搬送サイクルタイムT2、排土サイクルタイムT、排土能力Pをそれぞれシミュレーションした。
【0084】
(比較例2)
比較例2は、ショベルバケット3aの容量を0.30mとした他は、比較例1と同一条件とした。
【0085】
そして、実施例1と同様に、ケーソン2が各沈下長となる際の、積込サイクルタイムT1、搬送サイクルタイムT2、排土サイクルタイムT、排土能力Pをそれぞれシミュレーションした。
【0086】
(比較例3)
比較例3は、作業効率を高くすべく、非現実的ではあるが、比較例1において、ケーソン2の沈下長が50.0mに至るまで有人掘削を行い、2つのアースバケット9を吊り替えることにより積込サイクルと搬送サイクルとを並行して行った。
【0087】
そして、実施例1と同様に、ケーソン2が各沈下長となる際の、積込サイクルタイムT1、搬送サイクルタイムT2、排土サイクルタイムT、排土能力Pをそれぞれシミュレーションした。
【0088】
(比較例4)
比較例4は、ショベルバケット3aの容量を0.30mとした他は、比較例3と同一条件とした。
【0089】
そして、実施例1と同様に、ケーソン2が各沈下長となる際の、積込サイクルタイムT1、搬送サイクルタイムT2、排土サイクルタイムT、排土能力Pをそれぞれシミュレーションした。
【0090】
(結果)
図6は、実施例1及び実施例2のシミュレーション結果を示す図である。図7は、比較例1及び比較例2のシミュレーション結果を示す図である。図8は、比較例3及び比較例4のシミュレーション結果を示す図である。
【0091】
なお、図6〜図8において、同一沈下長に2つの搬送サイクルタイムT2が示されているが、これは、以下の理由による。すなわち、ケーソン2が所定の沈下長となると新たなロットを構築するが、その際、マテリアルシャフト4も艤装替え(継ぎ足し)を行うため、マテリアルシャフト4の艤装替えを行う前後においてマテリアルシャフト4の長さが変わり、アースバケット9の搬送距離が変わる。そこで、同一沈下長において、艤装替えを行う前の搬送サイクルタイムT2と、艤装替えを行った後の搬送サイクルタイムT2とを計算した。
【0092】
図6〜図8に示すように、比較例1〜比較例4では、積込サイクルタイムT1が搬送サイクルタイムT2よりも短くなり、掘削設備に遊び時間が発生しているのに対し、実施例1及び実施例2では、積込サイクルタイムT1が搬送サイクルタイムT2よりも長くなり、掘削設備の遊び時間が削減さていることが分かる。
【0093】
更に、実施例1及び実施例2は、比較例1〜4よりも排土サイクルタイムTが長くなっているが、全ての深度において、比較例1〜4よりも排土能力Pが大きくなっている。しかも、比較例3及び比較例4は、ケーソン2の沈下長が50.0mに至るまで有人掘削を行うという効率重視の非現実的な工法であるが、それでもなお実施例1及び実施例2では比較例3及び比較例4よりも排土能力Pが高くなっている。
【0094】
このことから、実施例1及び実施例2のように、スケータークレーン7の定格荷重が5t未満である場合に、アースバケット9の容量を2.5mとすることで、従来に比べて排土能力Pが向上するため、工期の短縮に寄与できることが分かった。
【符号の説明】
【0095】
1…設備、2…ケーソン、3…潜函ショベル(掘削設備)、3a…ショベルバケット、4…マテリアルシャフト(排土設備)、4a…マテリアルロック、5…マンシャフト、6…タワークレーン、7…スケータークレーン(揚重設備)、8…土砂ホッパ、9…アースバケット(排土設備)、11…ガイド、21…設備、23…ホイスト、24…仮積用バケット、25…上部ピン、26…下部ピン、27…ガイドレール、28…鉛直レール部、29…水平レール部、α…掘削作業室、β…下部空間、T1…積込サイクルタイム(積込時間)、T2…搬送サイクルタイム(バケット搬送時間)、T…排土サイクルタイム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーソンの下部に形成された掘削作業室において土砂を掘削する掘削設備と、前記掘削設備で掘削した土砂が積み込まれるバケットと、前記ケーソンに立設されて前記バケットが昇降するマテリアルシャフトと、前記バケットを吊り下げて前記バケットを搬送する揚重設備と、を有するニューマチックケーソン工法の設備能力決定方法であって、
前記バケットの容量を、前記揚重設備の定格荷重未満となる大きさであって、前記掘削設備により土砂を掘削して前記バケットに積み込む積込時間が、前記バケットに積み込まれた土砂を排出するために前記揚重設備により前記バケットを搬送するバケット搬送時間以上となる大きさとすることを特徴とする、ニューマチックケーソン工法における設備能力決定方法。
【請求項2】
前記掘削作業室における前記バケットの潜函高さと、前記バケットに土砂を積み込むために必要な前記バケットから前記掘削作業室の天井までの高さと、前記バケットの容量と、に基づいて前記バケットの形状を決定し、前記バケットの形状に基づいて前記マテリアルシャフトの内径を決定することを特徴とする、請求項1に記載のニューマチックケーソン工法における設備能力決定方法。
【請求項3】
ケーソンの下部に形成された掘削作業室において土砂を掘削する掘削設備と、前記掘削設備で掘削した土砂が積み込まれるバケットと、前記ケーソンに立設されて前記バケットが昇降するマテリアルシャフトと、前記バケットを吊り下げて前記バケットを搬送する揚重設備と、を有するニューマチックケーソン工法における設備であって、
前記バケットの容量は、前記揚重設備の定格荷重未満となる大きさであって、前記掘削設備により土砂を掘削して前記バケットに積み込む積込時間が、前記バケットに積み込まれた土砂を排出するために前記揚重設備により前記バケットを搬送するバケット搬送時間以上となる大きさであることを特徴とする、ニューマチックケーソン工法における設備。
【請求項4】
前記揚重設備の定格荷重が5t未満である場合、
前記バケットの容量が約2.5mであることを特徴とする、請求項3に記載のニューマチックケーソン工法における設備。
【請求項5】
前記マテリアルシャフトの内径が約2.2mであることを特徴とする、請求項4に記載のニューマチックケーソン工法における設備。
【請求項6】
前記掘削作業室で掘削された土砂が仮積みされる仮積用容器を更に備え、
前記バケットは、前記仮積用容器から土砂を積み替えられることで、掘削作業室において掘削された土砂が積み込まれることを特徴とする、請求項3〜5の何れか1項に記載のニューマチックケーソン工法における設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−67456(P2012−67456A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210870(P2010−210870)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)