説明

ニューロン回路の電流を変更する方法

【課題】 集束超音波のパルス(「FUP」)で被験者のニューロン活性を変更する方法を提供する。
【解決手段】 このような方法は、脳内のニューロン回路を含む生物学的メカニズムを有する精神、神経、及び神経内分泌異常の調査、治療、及び診断に適用可能である。集束超音波のパルスの適用は通常、被験者が着用したキャップに収容された複数の超音波トランスデューサを介する。様々なトーンバースト継続時間、合計音波処理継続時間、及びパルス繰り返し周波数の設定でFUPを適用すると、ニューロン活性の増大又は低下を誘発する結果となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
[0001] 本出願は、2007年8月27日出願の「Methods for Modifying Electrical Currents in Neuronal Circuits」と題した米国特許出願第11/895,687号の一部継続出願であり、これは2002年4月30日出願の米国特許出願第10/135,137号で現在の米国特許第7,283,861号の一部継続出願である。
【0002】
[0002] 本発明の分野は、集束超音波(「FUS」)のシステム及び方法である。特に、本発明は、磁気共鳴画像(「MRI」)システムなどの撮像システムの案内で、脳内のニューロン回路の様々な点に集束超音波パルス(「FUP」)を送達する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 人体組織などの物質が均一な磁場(分極場B)に曝されると、組織内にある核の個々の磁気モーメントがこの分極場と整列しようとするが、それを中心にランダムな順序で特徴的なラーモア周波数にて歳差運動をする。物質、すなわち、組織が、x−y面にあってラーモア周波数に近い磁場(励起場B)に曝されると、正味整列モーメントMがx−y面へと回転、すなわち、「チップ」して、正味横方向磁気モーメントMxyを生成する。励起信号Bが消滅した後、励起した核又は「スピン」によって信号が送信され、この信号を受信して処理し、像を形成することができる。
【0004】
[0004] このような「MR」信号を使用して像を生成する場合は、磁場勾配(G、G、及びG)を使用する。通常、使用されている特定の局在化方法に従ってこれらの勾配が変動する測定サイクルのシーケンスで、撮像される領域をスキャンする。その結果となる受信MR信号のセットをデジタル化して、処理し、多くの周知の復元技術のうち1つを使用して像を復元する。
【0005】
[0005] 各MR信号を取得するために使用する測定サイクルは、パルスシーケンサによって生成されるパルスシーケンスの指示下で実行される。臨床で使用可能なMRIシステムは、多くの様々な臨床用途の要求に適合させるために規定することができるこのようなパルスシーケンスのライブラリを記憶している。研究用MRIシステムは、臨床で実績があるパルスシーケンスのライブラリを含み、新しいパルスシーケンスの開発も可能にすることができる。
【0006】
[0006] MRIシステムで取得されるMR信号は、フーリエ空間、すなわち、当技術分野では往々にして「k空間」と呼ばれる空間における被験者の信号サンプルである。各MR測定サイクル、すなわち、パルスシーケンスは通常、そのパルスシーケンスに特徴的なサンプリング軌道に沿ってk空間の一部をサンプリングする。大部分パルスシーケンスは、「スピンワープ」、「フーリエ」、「直線形」、又は「デカルト」スキャンと呼ばれることもあるラスタスキャン様のパターンでk空間をサンプリングする。スピンワープスキャン技術は、MRスピンエコー信号の取得前に可変振幅位相符号化磁場勾配パルスを使用して、この勾配の方向で空間情報を位相符号化する。例えば二次元実現方法(「2DFT」)では、1つの方向で位相符号化勾配Gを適用することによって、空間情報をその方向で符号化し、次に位相符号化方向に直角の方向で、読み出し磁場勾配Gの存在下でスピンエコー信号を取得する。スピンエコー取得中に存在する読み出し勾配は、直交方向に空間情報を符号化する。典型的な2DFTパルスシーケンスでは、像全体を復元できる元となる一組のk空間MRデータを生成するために、位相符号化勾配パルスGの大きさが、測定サイクルのシーケンス、すなわち、スキャン中に取得される「ビュー」でインクリメント(ΔG)される。
【0007】
[0007] 像は、k空間データセットを像空間データセットに変換することによって、取得したk空間データから復元される。このタスクを実行するには多くの様々な方法があり、使用される方法は、k空間データの取得に使用する技術によって決定されることが多い。例えば2D又は3Dスピンワープ取得の結果であるk空間データのデカルトグリッドでは、使用される最も一般的な復元方法は、データセットの2つ又は3つの軸それぞれに沿った逆フーリエ変換(「2DFT」又は「3DFT」)である。放射状k空間データセット及びその変形では、最も一般的な復元方法は、k空間サンプルを「再グリッド化」してk空間サンプルのデカルトグリッドを生成し、次に再グリッド化したk空間データセットで2DFT又は3DFTを実行することを含む。代替方法では、各半径方向投影図の1DFTを実行し、次にフィルタ補正逆投影法を実行することによってランダム空間データセットを像空間に変換することによって、半径方向k空間データセットをランダム空間に変換することもできる。
【0008】
[0008] 機能的磁気共鳴画像法(「fMRI」)技術は、ニューロンの活性を研究するための方法を提供する。従来のfMRIは、機能パラダイムによって誘発されたニューロン活性の増大に伴って局所的に発生する脳血液量、血流、及び酸素化の変化を検出する。MRIシステムは、ある期間にわたって脳からの信号を取得するために使用される。脳がタスクを実行する場合、これらの信号は、実行されるタスクと同時に変調され、脳のどの領域がタスクの実行に関与するかを明らかにする。fMRI時間経過像のシリーズは、機能パラダイムによって誘発される脳活動の変化を見るのに十分なほど速い速度で取得しなければならない。また、ニューロン活性は脳の広く分散した位置で発生することがあるので、各時間フレームで比較的大きい3D量又は多スライス量を取得しなければならない。
【0009】
[0009] 脳撮像技術の進歩とともに、精神障害や医学的障害の病態生理学は、その根底にある個々のニューロン回路にますます関連づけられ始めている。ニューロン回路は、機能的及び解剖学的に相互に接続された特定の脳中枢である。通常、回路は、皮質に接続された皮質下ニューロン中枢を含む。これらの回路の動作方法は完全には明らかになっていないが、複数の精神医学、神経学、及び医学的状態で重要な役割を果たしていることは明らかである。例えば、強迫性障害(「OCD」)及び衝動抑制障害などのOCDスペクトル障害は、眼窩−前頭−視床−線条回路の異常に関連しているようである。同様に、パニック障害、社会不安障害、及びパニックスペクトル障害は、眼窩−前頭皮質、小脳扁桃、帯状束及び海馬を含む回路の異常機能に関連しているようである。外傷後ストレス障害は、前前頭皮質、小脳扁桃、及び海馬の異常に関連しているようである。精神異常は、前前頭皮質−視床−線条及び後頭皮質回路との関連を有しているようである。神経状態に関与する回路も識別されている。例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥーレット症候群、及びチック症候群は、皮質−視床−線条回路に異常を有しているようである。慢性疼痛は、皮質−視床回路に関連する。不眠症は側頭皮質−辺縁系−帯状束回路との関連を有する。医療状態は、特定の神経回路との関係を有しているようである。例えば、肥満及びストレスは、側頭−視床下部回路と関連する。以上の回路に関する簡単な考察及び説明については、「The Brain and Behavior: An Introduction to Behavioral Anatomy」(1999年)でD.L. Clark及びN.N. Boutrosが、「Clinical Neuroimaging in Psychiatry」(Harvard Review of Psychiatry、1995年;2(6):297〜312)でS.L. Rauch他が説明している研究を参照されたい。また、アルコール依存症や喫煙などの物質濫用は、中脳辺縁系のドーパミン報酬路からの活性化を調整することによって緩和することができる。
【0010】
[0010] 機能的MRI(「fMRI」)、ベクトル脳波記録法(「V−EEG」)及び陽電子放射断層撮影法(「PET」)など、脳の活動の急速な変化を評価することができる神経画像処理技術が存在する。これらの技術、特にfMRIは、脳活動のリアルタイムの三次元マップを生成することができる。これらの技術は、様々な精神医学又は神経学的状態の病理学に関わるニューロン回路を研究する科学者にとって価値がある。しかし、これらの回路が確実に活性化されないことにより、研究の進行が遅れている。
【0011】
[0011] 脳内の様々な神経回路間のうまく調整された相互作用が、正常な神経認識挙動及び認知の原因である。外傷が原因であれ、病理学的状態が原因であれ、異常な局所脳機能の結果、広範囲の神経学的及び神経精神医学的障害が生じる。従来の薬理学的アプローチは、神経伝達物質取り込み阻害因子の使用などの神経伝達状態、又は発作抑制に使用する薬物などの細胞興奮性の調整に基づいている。しかし、これらの方法には通常、解剖学的特異性がない。したがって、関心神経回路の特定の構成要素の機能状態を変更することによって、正常な神経生理学的状態を研究するために、局所脳活動の選択的調整が望ましい。局所脳機能を変更する能力は、脳機能を回復/抑制しようとする試みに前例のない機会も提供する。
【0012】
[0012] 最近、ニューロン回路を指向する精神及び神経学的障害を治療する幾つかの新規の方法が導入されている。それらは埋め込んだ電極での深部脳刺激を含み、これはOCD、パーキンソン病、及び癲癇に使用して成功を収めてきた。更に、OCD及び鬱病の治療に使用される脳手術も多少の成功を示している。2001年のNew England Journal of Medicineの656〜663ページ、及びR. M. Roth他の「Current Psychiatry Report」(2001;3(5):366〜372)を参照されたい。これらの方法は、侵襲性であり合併症の可能性があるので、他の治療が失敗した治療抵抗性の状態のために保留されている。しかし、これらの治療の成功は、精神及び神経学的障害の病態生理学における特定の神経回路の重要性を明確にする。更に、ニューロン回路レベルにおける非侵襲的介入方法の開発の重要性も明確にする。
【0013】
[0013] 局所脳機能を調整する手段を提供する目的で、幾つかの侵襲的技術が開発されている。例えば、癲癇及び鬱病の治療には、迷走神経の電気刺激を介して神経伝達物質の放出を調整することによって仲介されると考えられている迷走神経刺激(「VNS」)が使用されている。同様に、深部脳刺激(「DBS」)は、微小電極を外科的に埋め込むことによって電気刺激を標的に送達する。DBSの使用は、視床下核(「STN」)及び内淡蒼球(「GPi」)を介した本態性振戦及びパーキンソン病の治療に関係している。これらの方法は、解剖学的特異性が高くなるが、電極の外科的適用に依拠しているので潜在的な危険因子を伴う。
【0014】
[0014] 最近、経頭蓋磁気刺激(「TMS」)を使用して、ニューロン回路を非侵襲的に評価し、調整することが提案されている。TMS刺激後の脳からの信号は、MRIを使用して読み取ることができる。その例示的方法が、例えば、米国特許第6,198,958号に記載されており、その内容は参照により全体を本明細書に組み込むものとする。この特許で提案されている方法及び装置は現在、診断及び治療目的で精神医学及び神経学にて実現されている。M. S. George他の、「Journal of Neuropsychiatry and Clinical Neuroscience」(1996年秋号)第8巻4号373〜382ページを参照されたい。しかし、この方法には幾つかの問題がある。例えば、TMSは、1〜2センチメートル(「cm」)を超える深さまで脳組織に浸透することができないので、深部脳中枢を刺激しない。また、TMSは1立方センチメートル以上程度の大きい焦点面積を有し、これによって特定のニューロン回路の集束活性化ができない。また、fMRIと一緒にTMSを使用することに問題がある。何故なら、TMSを使用はMRIシステムによって生成される磁場と干渉する磁気信号を生成し、これがfMRI像に悪影響を与えるからである。
【0015】
[0015] ニューロン組織内の電流を変更するために、集束超音波が使用されている。これは、体内のニューロン組織及び他の組織に磁場と超音波場を組み合わせて適用することによって実行されている。以前の方法は、ニューロン組織内の電流の変化が、2つの場の相互作用に由来すると提案している。例えば米国特許第4,343,301号は、頭蓋を含む身体の任意の1つの固定点内で2つの超音波ビームを交差させることによる高エネルギーの生成について記載している。このように超音波を適用しても組織の加熱又は破壊以外の何をするか証明されていないが、同時に電気刺激を受ける脳切片に収束超音波を適用すると、切片内の電流が変化することがあるという最近の証拠がある。しかし、骨密度と骨構造が複雑な結果、2つの超音波ビームが頭蓋内で集束できないので、このような2ビーム装置を脳組織内で集束することは不可能である。
【0016】
[0016] 幾つかの企業が、複数のビームを使用する超音波装置を生産している。例えば、G.T. Clement他の、「Physics in Medicine and Biology」(2000年12月号)第45巻12号3707〜3719ページを参照されたい。コンピュータ多ビーム装置により複数の発生源によって発生した超音波ビームの振幅及び位相を調整することによって、骨内のビーム分散を調整し、脳組織内に超音波を集束させるアルゴリズムを開発することができる。これらの装置は、例えば腫瘍を破壊するための脳内超音波ナイフとして使用される。しかし、これを使用して、周囲の組織を傷つけずに脳回路内の電流及び電磁電流を変更することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
[0017] したがって、ニューロン活性を非侵襲的に変更するシステム及び方法を提供することが望ましい。特に、下にある組織を損傷せずに、局所的かつ可逆的にニューロン活性を非侵襲的に変更するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[0018] 本発明は、集束超音波(「FUS」)のパルスでニューロン回路を局所的、可逆的かつ非侵襲的に変更する方法を提供することによって、上述の欠点を克服する。
【0019】
[0019] 被験者の生体ニューロン回路内の電流を変更する方法を提供することが、本発明の1つの態様である。変更は、磁気共鳴画像(「MRI」)システム、ベクトル脳波記録(「V−EEG」)システム、又は陽電子放射断層撮影(「PET」)システムなどの撮像システムの案内で、FUSパルス(「FUP」)を適用することによって遂行される。FUSパルスの適用は通常、患者が着用するキャップに収容された複数の超音波トランスデューサを介する。これは脳撮像システムの使用と同時である。脳回路に様々な周波数及び位相のFUSパルスを適用すると、撮像装置によって捕捉される信号を発生する。その時に、回路の変化が評価される。これによってFUPの焦点及び位置を調整するか、又は複数の焦点を使用してニューロン回路の最大の変更を達成することができる。回路の変化は、調査、診断及び治療に有用である。
【0020】
[0020] 本発明の別の態様は、FUSパルスの適用により、被験者の精神、神経、及び神経内分泌異常を治療する方法を提供することである。治療は、被験者の所望の位置にFUPを適用することによって遂行され、適用されたFUPは周波数の変動を使用して、組織機能を破壊又は活性化する。FUPパルスの適用中に、撮像システムにより監視する。
【0021】
[0021] 本発明の更に別の態様は、特定の精神、神経、及び神経内分泌異常を診断して治療する方法を提供することである。このような状態の例は、強迫性障害とそのスペクトル、外傷後ストレス障害、鬱病、双極性障害、社会不安障害、精神障害、パニック障害、チック、慢性疼痛症候群、不眠症、慢性疲労症候群、不眠症、ストレス及び肥満、及び当業者に明白な他の状態を含むが、これらに限定されない。
【0022】
[0022] 本発明の更に別の態様は、哺乳動物を治療する方法を提供することであり、該方法は、医薬品を哺乳動物に投与するステップと、医薬品がいつ哺乳動物の標的位置に分布又は到達したかを決定するために、撮像システムで哺乳動物内の医薬品を評価するステップと、標的位置にて医薬品を変性させるために、哺乳動物の標的位置に集束超音波パルス(FUP)を適用するステップと、FUPの適用中に撮像システムからの像で、標的位置から医薬品への反応を評価するステップとを含む。この変性は、例えば化学的活性、組成及び粘度などの医薬品の特性の変化を引き起こすことがある。ある実施形態では、変性は、医薬品を活性型に変化させる。更に、哺乳動物への医薬品の投与及び標的位置における医薬品の変性と組み合わせて、哺乳動物の組織にFUPを適用して治療し、その間を通して撮像システムで組織の活性及び/又は応答を評価すると、本明細書で想定する幾つかの障害を治療する新規の方法が提供される。
【0023】
[0023] 本発明の更に別の態様は、磁気共鳴誘導集束超音波(「MRgFUS」)治療計画を調整する方法を提供することである。例示により、パルス状集束超音波でニューロン活性が変更されている間に機能的MR像が取得される。これらの像を使用して、除去すべき腫瘍を含む領域などの被験者の治療領域への超音波トランスデューサの焦点を評価する。この方法で、標的領域の除去に使用されるFUSビームの適用前に、MRgFUS治療計画の焦点及び他のパラメータを調整することができる。
【0024】
[0024] 本発明の上記及び他の態様及び利点は、以下の説明から明らかになる。説明では添付図面を参照するが、それは本明細書の一部を形成し、本発明の好ましい実施形態の例示により示されている。しかし、このような実施形態は必ずしも本発明の全範囲を表すものではなく、したがって本発明の範囲を解釈するには、特許請求の範囲及び本明細書を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】[0025]MR誘導集束超音波(「MRgFUS」)を実践するために使用される例示的な磁気共鳴画像(「MRI」)システムのブロック図である。
【図2】[0026]本発明を実践する場合に使用される例示的な超音波システムのブロック図である。
【図3】[0027]超音波駆動信号及び2つの対応する集束超音波パルス(「FUP」)駆動信号のグラフ表示である。
【図4】[0028]図3の駆動信号によって生成されるようなFUPの時系列のグラフ表示である。
【図5】[0029]撮像システムとの組み合わせでFUP装置を使用し、被験者に投与された医薬品を変性させる例示的システムを示す。
【図6A】[0030]医薬品を投与する前に本発明による集束超音波を適用することによって誘発され、例示的な脳波計(「EEG」)システムで記録された例示的ニューロン活性応答を示す。
【図6B】[0031]EEGシステムで記録され、本発明による集束超音波の適用によって誘発された、被験者のニューロン活性を変性するのに無効である医薬品の投与後の例示的ニューロン活性応答を示す。
【図6C】[0032]EEGシステムで記録され、本発明による集束超音波の適用によって誘発された、被験者のニューロン活性を変性するのに有効である医薬品の投与後の例示的ニューロン活性応答を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0033] 特に図1を参照すると、磁気共鳴画像(「MRI」)システムに本発明の好ましい実施形態が使用されている。MRIシステムは、ディスプレイ112及びキーボード114を有するワークステーション110を含む。ワークステーション110は、市販のオペレーティングシステムを実行する市販のプログラム可能な機械である処理装置116を含む。ワークステーション110は、スキャン指示をMRIシステムに入力できるようにするオペレータインタフェースを提供する。ワークステーション110は4つのサーバ、すなわち、パルスシーケンスサーバ118、データ取得サーバ120、データ処理サーバ122、及びデータ記憶サーバ123に結合される。ワークステーション110及び各サーバ118、120、122及び123は相互に通信するように接続される。
【0027】
[0034] パルスシーケンスサーバ118は、ワークステーション110からダウンロードされた命令に応答して機能し、勾配システム124及び無線周波数(「RF」)システム126を操作する。指示されたスキャンを実行するために必要な勾配波形が生成されて、勾配システム124に適用され、これがアセンブリ128内の勾配コイルを励起して、位置符号化MR信号に使用される磁場勾配G、G、及びGを生成する。勾配コイルアセンブリ128は、分極磁石132及び全身RFコイル134を含む磁気アセンブリ130の部分を形成する。
【0028】
[0035] RF励起波形がRFシステム126によってRFコイル134に適用されて、指示された磁気共鳴パルスシーケンスを実行する。RFコイル134又は別個の局所コイル(図1には図示せず)によって検出された応答性MR信号をRFシステム126が受信し、パルスシーケンスサーバ118が生成した指令の指示下で増幅、復調、フィルタリング、及びデジタル化する。RFシステム126は、MRパルスシーケンスに使用される多種多様なRFパルスを生成するRF送信器を含む。RF送信器は、パルスシーケンスサーバ118からのスキャン指示及び用法に応答して、所望の周波数、位相及びパルス振幅波形のRFパルスを生成する。発生したRFパルスは、全身RFコイル134に、又は1つ又は複数の局所コイル又はコイルアレイ(図1には図示せず)に適用される。
【0029】
[0036] RFシステム126は、1つ又は複数のRF受信器チャネルも含む。各RF受信器チャネルは、自身が接続されたコイルが受信したMR信号を増幅するRF増幅器、及び受信したMR信号のI及びQ直交成分を検出してデジタル化する検出器を含む。したがって、受信したMR信号の大きさは、任意のサンプリングした点にて、下式のようにI成分とQ成分の2乗の合計の平方根によって決定することができる。
[0037]
【数1】


[0038]受信したMR信号の位相も下式で決定することができる。
[0039]
【数2】

【0030】
[0040] パルスシーケンスサーバ118は任意選択で、生理学的取得制御装置136からの患者データの受信も実行する。制御装置136は、電極からのECG信号又はベローからの呼吸信号などの患者に接続された幾つかの様々なセンサからの信号を受信する。このような信号は通常、パルスシーケンスサーバ118が使用して、スキャンの実行を患者の呼吸又は心拍と同期させる、すなわち、「ゲート制御」する。
【0031】
[0041] パルスシーケンスサーバ118は、患者及び磁気システムの状態に関連する様々なセンサからの信号を受信するスキャンルームインタフェース回路138にも接続される。患者位置決めシステム140が、スキャン中に患者を所望の位置に移動する指令を受信するのも、スキャンルームインタフェース回路138を通る。
【0032】
[0042] RFシステム126が生成してデジタル化されたMR信号サンプルをデータ取得サーバ120が受信する。データ取得サーバ120は、ワークステーション110からダウンロードした命令に応答して動作し、リアルタイムMRデータを受信して、バッファ記憶を提供し、したがってデータのオーバランによって失われるデータはない。スキャンによっては、データ取得サーバ120が、取得したMRデータをデータ処理装置サーバ122に渡す以上のことを少々実行することがある。しかし、スキャンのさらなる実行を制御するために、取得したMRデータから導出された情報を必要とするスキャンでは、データ取得サーバ120は、このような情報を生成して、それをパルスシーケンスサーバ118に伝達するようにプログラムされる。例えば、プリスキャン中にMRデータを取得し、パルスシーケンスサーバ118が実行するパルスシーケンスの較正に使用する。また、ナビゲータ信号をスキャン中に取得して、RF又は勾配システム操作パラメータを調整するか、又はk空間をサンプリングするビューの順序を制御するために使用することができる。更に、データ取得サーバ120を使用して、磁気共鳴血管造影(MRA)スキャンで造影剤の到着を検出するために使用するMR信号を処理することができる。以上のすべての例で、データ取得サーバ102はMRデータを取得し、これをリアルタイムで処理して、スキャンの制御に使用される情報を生成する。
【0033】
[0043] データ処理サーバ122は、データ取得サーバ120からMRデータを受信し、ワークステーション110からダウンロードした命令に従ってこれを処理する。このような処理には、例えば二次元又は三次元の像を生成するための生k空間MRデータのフーリエ変換、復元した像へのフィルタの適用、取得したMRデータの逆投影法像復元の実行、機能的MR像の計算、動作又はフロー像の計算などを含めることができる。
【0034】
[0044] データ処理サーバ122が復元した像はワークステーション110へと戻され、そこに記憶される。リアルタイムの像はデータベースメモリキャッシュ(図示せず)に記憶し、そこからオペレータディスプレイ112又はディスプレイ142に出力することができ、これは主治医が使用するために磁気アセンブリ130の近傍に位置特定される。バッチモードの像又は選択されたリアルタイムの像は、ディスク記憶装置144のホストデータベースに記憶される。このような像を復元し、記憶装置へと転送すると、データ処理サーバ122がワークステーション110のデータ記憶サーバ123に通知する。ワークステーション110は、オペレータが使用して、像を保管する、フィルムを生成する、又はネットワークを介して他の施設に像を送信することができる。
【0035】
[0045] 超音波トランスデューサ160は、例えばキャップに収容され、複数の超音波トランスデューサエレメント、例えば300〜1000個の変換器エレメントを含む。変換器160は、例えばFUS制御システム162を介して制御し、MRIシステムと協調させた多ビーム超音波装置である。変換器160の焦点ゾーンの焦点距離は、例えば米国特許第6,613,004号に説明されているように、変換器160に提供される駆動信号の位相及び/又は振幅を変化させることによって、電子制御される。これらの駆動信号は、超音波トランスデューサ160と通信する駆動回路を含むFUS制御システム162によって、超音波トランスデューサ160に提供される。FUS制御システムは、例えば音響インテンシティ、トーンバーストの継続時間、音波処理の合計継続時間、パルス繰り返し周波数、適用された超音波の周波数、及び変換器160をパルスモードで操作するか、又はビームモードで操作するかなどのパラメータを画定することによって、指示された方法で超音波トランスデューサ160を駆動するようにも構成される。
【0036】
[0046] 図2は、本発明を実践する場合に使用する例示的な独立型集束超音波(「FUS」)システムを示す。図1のMRIシステムと統合された超音波システムと同様に、独立型システムは超音波トランスデューサ200を含み、これは例えばキャップに収容されて、複数の超音波トランスデューサエレメント、例えば300〜1000個の変換器エレメントを含む。変換器200は、例えばFUS制御システム202によって制御される多ビーム超音波装置である。また、FUS制御システムは、超音波トランスデューサ200を上述したようなMRIシステム、ベクトル脳波記録(「V−EEG」)システム又は陽電子放射断層撮影(「PET」)システムなどの撮像システム204と協調するように動作可能である。例示的な多ビーム超音波装置は、いわゆる「超音波ナイフ」である。
【0037】
[0047] 変換器200の焦点ゾーンの焦点距離は、例えば米国特許第6,613,004号に説明されているように、変換器200に提供される駆動信号の位相及び/又は振幅を変化させることによって、電子制御される。これらの駆動信号は、超音波トランスデューサ200と通信する駆動回路を含むFUS制御システム202によって、超音波トランスデューサ200に提供される。FUS制御システムは、例えば音響インテンシティ、トーンバーストの継続時間、音波処理の合計継続時間、パルス繰り返し周波数、適用された超音波の周波数、及び変換器200をパルスモードで操作するか、又はビームモードで操作するかなどのパラメータを画定することによって、指示された方法で超音波トランスデューサ200を駆動するようにも構成される。
【0038】
[0048] 変換器200は、超音波を特異点206に集束することができるFUS制御システム202により調節される。キャップ及び変換器は、非強磁性材料、すなわち、銅のように非常に低い透過率及び残留磁気及びヒステリシスを有する材料で作成することが好ましい。非強磁性材料を使用することで、MRIシステムで取得される像の歪みをもたらす磁場の歪みが減少し、それによりMRIシステムの使用と実質的に同時にFUSパルスを適用することができる。実質的に同時とは、被験者を撮像するためにMRIシステムを使用する前、又はその後の約1ミリ秒から10秒以内にFUSパルスを適用するという意味である。
【0039】
[0049] 以上で検討したように、FUS制御システム202は、焦点、周波数、位相、及び振幅など、超音波トランスデューサ200によって生成されるFUSのパラメータを制御する。使用者と制御システム202との相互作用を通して、変換器200は被験者内の特定位置206で集束超音波パルスを生成することができる。FUSパルス(「FUP」)の例示的パラメータは、深さが2センチメートル以上で直径が0.5〜1000mmである焦点を含む。例えば、変換器200の焦点は、焦点206が深さ約2〜12cm、直径が0.5〜2mmであるように、制御システム202によって設定することができる。位置206は、例えば撮像システム204を使用して識別される。上述したように、制御システム202は、集束超音波の厳密な位置決め及び協調を提供するために撮像システム204と協調する。
【0040】
[0050] FUS制御システム202は、適用される超音波エネルギーの周波数、位相、及び振幅も制御する。次に図3を参照すると、適用されるFUSパルスの駆動パラメータを、2つの異なるパルス輪郭を使用してパルスに形成することができる。例えば、690キロヘルツ(「kHz」)などの所与の超音波エネルギー周波数を有する入力駆動信号300を使用すると、方形波パルス包絡線又は1/2正弦波パルス包絡線を使用して、入力信号300を変調することができる。例示的な代替超音波エネルギー周波数は、1MHz未満の周波数を含む。300Hz未満などの比較的低い周波数は、ニューロン中枢内のニューロンのファイアリングを減少させ、それによりニューロン活性を阻止又は破壊してしまう。逆に、500Hzから5MHzなどの比較的高い周波数は、ニューロン中枢内のニューロンのファイアリングを増加させ、それによりニューロン活性の増加につながる。いずれの場合も、FUSパルスは回路内の生理学的特性を変更する。このことは、FUSパルスが灰白質内のニューロン中枢に、及び白質に適用された場合の両方で生じる。上記入力駆動信号300の変調は、方形波パルス302及び1/2正弦波パルス304をもたらす。これらのパルスの継続時間は、トーンバースト継続時間(「TBD」)、すなわち、FUS制御システム202によって設定された量によって画定される。TBDの例示的な設定は、ニューロン活性を増加させる2〜100ms、及びニューロン活性を減少させる0.1〜2msを含む。
【0041】
[0051] 次に図4を参照すると、例示的方形パルス302及び1/2正弦波パルス304の時系列が図示されている。各時系列は、本発明による被験者の所与の音波処理に対応する。したがって、合計音波処理継続時間(「TSD」)と呼ばれる各音波処理の継続時間が、各時系列を画定し、それによりFUS制御システムによって選択される。TSDの例示的設定は、ニューロン活性の増加を誘発する0.1〜2s、及びニューロン活性の低下を誘発する2sより大きい値を含む。実際には、ニューロン活性の増加を誘発するように他のパラメータが構成されている場合でも、2sより非常に大きいTSDを設定すると、ニューロン組織の遷移過活性を誘発するか、興奮性が低下した後にニューロンが活性化する不応期に組織を導くことができる。更に、ニューロン活性の低下を誘発した場合、2sより非常に大きいTSDを設定すると、適用された音波処理の継続時間を超えて、5秒より長いなど、長期間にわたったニューロン活性の抑制を誘発する。
【0042】
[0052] 1/2正弦波パルス304のTBDは、図3に示すように、パルス304の半値全幅(「FWHM」)と等しくすることができる。パルス繰り返し期間(「PRP」)と呼ばれる、所与の時系列内に各パルス間で経過する継続時間は、FUS制御システム202によって設定されるパルス繰り返し周波数(「PRF」)によって画定される。PRFは、下式のようにPRPに関係づけられる。
[0053]
【数3】

【0043】
[0054] PRFの例示的な設定は、ニューロン活性化を低下させる100〜1000Hz、及びニューロン活性化を増加させる100Hz未満を含む。各パルスは、対応する音響インテンシティ(「AI」)によっても画定され、これはFUS制御システム202によって設定される更に別のパラメータである。各パルスのAIは、超音波トランスデューサ200に供給した電力増幅器に適用される伝達を変調することによって調整される。AIは、音波処理により組織が経験する最大ピーク音圧を決定し、したがって過度の圧力は望ましくない組織の損傷をもたらすことに留意することが重要である。したがって、他の音波処理パラメータを調整する間、AIはほぼ最低レベルに維持される。AIの例示的な設定は、1平方センチメートル当たり10〜350ワット(「W/cm」)を含む。
【0044】
[0055] 例示により、選択された皮質領域でニューロン活性化の減少を誘発するために、焦点深さ8cmで690KHzの超音波エネルギー周波数を選択する。FUSパルスは、9sのTSDの場合、0.5msのTBD、100HzのPRFに対応する10msのPRP、及び50W/cmのAIで適用される。このような一組の例示的設定の結果、選択された皮質領域に頑強な活性化が生じ、その後に10分を超える相対的応答期間中に上述した一時的非活性化が生じる。
【0045】
[0056] 別の例により、感覚運動皮質の励起は、10〜50W/cmの範囲の様々な音響インテンシティにて10HzのPRFで適用される50〜100msのTBDを有するFUSパルスを使用して誘発される。特に、20W/cmの音響インテンシティにて1秒間のTSDにわたって与えられる74msのTBD及び10HzのPRF間隔のパルスは、fMRI像内の測定可能なBOLD信号の頑強で再現可能な増加を誘発する。
【0046】
[0057] 負の最大音圧の推定量であるメカニカルインデックス(「MI」)は、組織への機械的損傷の量を決定する重要な基準である。50W/cmの音響インテンシティは、焦点にて約1.34メガパスカル(「MPa」)の圧力を生成した。これは、1.15というMI値に対応し、これは1.9という軟部組織超音波撮像の現在のFDAの限界より低い。したがって、以上の例で使用されて加えられた音波処理電力はFDAの限界内であり、血液脳関門の破壊又は空洞形成を引き起こすMIよりもはるかに低い。
【0047】
[0058] ニューロン回路のFUPを繰り返し加えると、回路が長期間にわたって、又は永久的に変化する。FUPを使用した回路の変更は、精神、神経及び神経内分泌異常の治療に使用することができる。このような疾患の例は、強迫性障害(及びそのスペクトル)、外傷後ストレス障害、鬱病、双極性障害、社会不安障害、精神障害、パニック障害、チック、慢性疼痛症候群、不眠症、慢性疲労症候群、不眠症、ストレス、肥満、及び当業者に明白な他の状態を含むが、これらに限定されない。これは、fMRI、V−EEG、又はPETなどの特定の脳撮像技術の案内下で、ニューロンの流れ又は場の活性の変化を繰り返し評価して変更することによって実行される。
【0048】
[0059] ニューロン回路内の活性の変化は、FUPを加える前、及びFUPを加える間、及びその後に、fMRIによって生成された脳の像の変化を監視することによって求められる。これらの変化を使用して、脳内のFUP焦点の正確な位置、及び焦点とその周囲の脳中枢との間の機能的接続を決定する。特異点は、コンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンの追加を使用して確認することができ、これは頭蓋及び脳の骨密度及び構造に関する情報を提供する。次に、FUPの焦点を変更して、これを脳の様々な点に配向することができる。
【0049】
[0060] 単一のFUPを単一の生体ニューロン回路に適用することができる。複数のFUPを同じ生体ニューロン回路に適用することができる。また、単一のFUPを複数の生体ニューロン回路に適用することができ、複数のFUPを複数の生体ニューロン回路に適用することができる。
【0050】
[0061] 1つの実施形態では、被験者の組織に集束超音波パルス(FUP)を適用し、適用されたFUPが周波数の変動を使用して、組織機能を破壊するか活性化し、更にFUPの適用中に撮像システムからの組織像を通して組織を監視することによって、被験者の精神、神経、及び神経内分泌異常を治療する方法が提供される。組織は、身体の脳又は他の部分のものでよい。特定の実施形態では、組織は、視床下部又は延髄などの脳領域のものである。FUPの適用及び調整は、撮像システムからの脳の像を通して監視することができる。FUPの適用は、同時に脳領域内の少なくとも1つの他の生体ニューロン回路にも当てはめることができる。
【0051】
[0062] FUPを視床下部、特に視床下部核に適用すると、天然ホルモンの放出を変更させ、視床下部ホルモンの放出の増加又は減少を引き起こすことができる。視床下部ホルモンとは、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、ドーパミン、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、メラトニン、オキシトシン、ソマトスタチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、バソプレシン、及びその混合物のいずれかであってよい。視床下部核は、前核、隆起核又は後核からとすることができる。天然ホルモンの放出の変更は、性的障害、月経異常、糖尿病、成長異常、血圧異常、甲状腺障害、皮膚障害、及び覚醒睡眠サイクル障害などの幾つかの障害の治療に役立つことができる。例えば生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、男性及び女性のテストステロン及びエストロゲンの増加を引き起こすことができ、これはひいては性欲を増大させ、体重減少を引き起こし、エネルギーを増大させ、不安や鬱病を減少させることができる。エストロゲンの増加は、骨粗鬆症を防止し、月経機能不全に伴う生理的及び心理的症状を改善することもできる。成長ホルモンの増加は、ヒトの活力及び背丈の増加及び改善、更に加齢を遅らせるのに役立つことができる。抗利尿ホルモン(ADH)及びオキシトシンの変化は、血圧及び電解質平衡異常を変更することができる。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は甲状腺ホルモンの放出を調整し、TRHレベルの変更は、高血圧及び甲状腺機能低下の症状の治療に役立つことができる。
【0052】
[0063] 神経内分泌と免疫の相互作用は、全体的ストレス応答の活性化を通して間接的に、及び末梢免疫機能に作用する炎症誘発性を通して直接的に、CRHによって調整される。神経免疫学的データは、脳と免疫機能の間のリンクを仲介するには、交感神経系のCRHによる活性化が必須であると実証している。CRHは脳及び脊髄、副腎髄質、精巣、卵巣、胃腸管、膵臓、子宮筋層、子宮内膜、胎盤、及び様々な炎症部位に分布する。従来、視床下部CRHは、抗炎症的に間接的に作用すると見なされてきた。何故なら、視床下部−下垂体−副腎系の最終生成物がコルチゾール、すなわち、周知の抗炎症化合物だからである。したがって、CRHの活性化は免疫に影響し、体外又は合成ホルモン療法の負の副作用を生ぜずに、免疫異常を治療することができる。ホルモンを増加させるという副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの放出の変更は、幾つかの免疫異常の治療に使用することができる。しかし、CRHの減少が他の異常の治療に役立つことがあることも想定される。例えば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの放出が減少した場合、これは日和見炎症及び真菌感染の治療に役立てることができ、更に数種類の癌に有益な影響を与えることができる。
【0053】
[0064] 延髄にFUPを適用すると、交感神経系又は副交感神経系への影響を調整することができる。この実施形態を使用して、腸障害、潰瘍、炎症性腸症候群異常、過敏性腸症候群、不整脈、及び高血圧などの末梢ニューロン障害を治療することができる。
【0054】
[0065] 視床上核は松果体に入り、皮膚の色素沈着及び睡眠覚醒サイクルを調節するホルモンであるメラトニンのレベルを変更することができる。FUPを視床上核に適用することによる松果体の変更は、睡眠と覚醒のサイクルを正常化し、過剰な色素沈着のような何らかの皮膚障害を治療することができる。
【0055】
[0066] 図5は、FUP装置520を撮像システム522と組み合わせて使用して、投与された医薬品524を変性させ、変性した医薬品から身体反応を評価する本発明の実施形態によるシステムを示す。この実施形態では、医薬品524を例えば摂取又は注射により哺乳動物526に投与する治療方法が提供される。医薬品524は、哺乳動物526の標的位置528、例えば脳内の焦点に分配することができる。標的位置は、哺乳動物の脳又は哺乳動物の任意の他の体組織でよい。
【0056】
[0067] 医薬品524が標的位置528に分配されたことが判断されると、FUP530を哺乳動物526の標的位置528に適用し、医薬品524を変性させる。FUP530の適用中及び適用後の医薬品の変性は、撮像システム522からの像で評価することができる。撮像システムは、機能的磁気共鳴画像(fMRI)システム、ベクトル脳波記録法(V−EEG)、及び陽電子放射断層撮影法(PET)で構成されたグループから選択することができる。例えば1つの実施形態では、非毒性又は非活性形態で医薬品を被験者に投与する。医薬品を分配することができ、標的位置に到達すると、FUPを焦点に適用して、医薬品を変性させる。実施形態では、撮像技術を使用し、医薬品が標的位置又は特定の焦点に到達すると、それが脳又は別の体組織内にある場合、それを監視及び/又は案内することができる。1つ又は複数のFUPを必要に応じて適用することができ、撮像システムにより医薬品の変性を評価することができる。FUPの周波数及び位相も変化させ、その後に標的位置に適用されるいかなるFUPも、その焦点を変化させることができる。FUPを標的位置に適用した後の医薬品に対する身体の反応は、撮像システムからの像で評価される。
【0057】
[0068] 例示により、特に図6Aを参照すると、本発明による集束超音波の適用により誘発され、被験者に医薬品を投与する前に、例示的な脳波計(「EEG」)システムで記録された例示的ニューロン活性反応が図示されている。医薬品を被験者に投与した後、上述したように被験者のニューロン活性を示すその後の像を取得する。医薬品が被験者のニューロン活性を変性するのに無効である場合は、図6Bに示すように、ニューロン活性には実質的に変化が生じない。他方で、医薬品が被験者のニューロン活性を変性するのに有効である場合、この変性は、医薬品の投与後に取得された像に明白になる。この性質の例示的な変性が図6Cに図示されている。したがって、本発明の方法は、評価対象が使用する特定の医薬品か、投与される用量かにかかわらず、特定の医薬品の有効性を判断することが望ましい状況に適用することができる。
【0058】
[0069] 変性により、医薬品の特性、すなわち、例えば化学的活性、組成及び粘度で構成されたグループから選択された特性が変化する。特定の実施形態では、変性により医薬品が活性化する。体内の特定の焦点に到達すると、FUPで医薬品を活性化することにより、他の方法では有害な効果を及ぼさずに焦点にアクセスすることができない特定の投薬をより安全な方法で実行することができる。例えば、非活性かつ無毒な形態で、抗ガン剤を注射又は経口摂取することができる。その後、脳腫瘍の位置へと正確に送達されると、薬剤を活性化することができる。次に、FUPを適用して薬剤を活性形態へと変性させ、したがって身体の他の部分で薬剤が毒性になるのを回避する。薬剤の送達及び効果は、画像で観察することができる。同様に、パーキンソン病患者には、活性形態でドーパミン活性化ペプチドなどの薬品を投与し、その後にFUPを使用して基底神経節回路付近で活性化させ、その位置でのみ効果を引き起こすことができる。この送達方法により、ドーパミン作動薬の通常の副作用を起こさずに症状を緩和することができる。別の例では、血液脳関門を越えて薬品を送達するためにこの方法を使用することができる。多くの物質は血液脳関門を迂回することができない。しかし、リポソームタンパク質などの特定のタンパク質は血液脳関門を迂回することができ、したがって医薬品をタンパク質で覆うことにより薬品が関門を通過することができる。薬品が関門を通過すると、適用されたFUPを使用してリポソームタンパク質を破壊することができる。更にこの方法は、脳内又は身体の任意の他の組織内に薬物を送達又は活性化させるために使用することができる。
【0059】
[0070] 300Hz以上の周波数で生成される機械力は、FUPの焦点内にある化学物質の特性を変化させることができる。これらの特性には、例えば化学的活性、組成又は粘度の変化が含まれる。特に、この周波数範囲のFUPを適用すると、タンパク質、RNA、DNA又はペプチドなどの化学的構造を分割することによって、化学的構造を変化させ、活性又は非活性形態にすることができる。化学的特性又は活性の変化は、標的位置で実現させることができ、画像を通して評価することができる。FUPによって活性化した化学物質に対する組織、ニューロン中枢又はニューロン回路の反応も、画像上で観察される。
【0060】
[0071] FUPをfMRI又は他の撮像装置と組み合わせて使用することにより、様々な診断、研究及び治療の利点を提供することができる。本発明を使用して、ニューロン回路の変更に応答する脳の機能マップを生成することができる。正常な被験者の脳内、更に以上で識別されたような様々な神経学的症状を患っている被験者の脳内で、機能的結合性を観察可能にすることもできる。本発明の実施形態は、これらの症状の治療に使用することもでき、一般的に処方されている薬剤と同時に使用してもよい。例えば、哺乳動物への医薬品の投与と組み合わせて哺乳動物の組織にFUPを適用し、標的位置で医薬品を変性させる治療をし、その間を通して撮像システムにより組織の活性及び/又は応答を評価すると、本明細書で想定する幾つかの障害を治療する新規の方法が提供される。
【0061】
[0072] 脳機能マップを開発すると、正常な被験者及び様々な疾病状態の脳の動作に関する理解を大幅に改善することができる。約1から2cmという深さの脳組織しか読み取ることができない経頭蓋磁気シミュレーション(TMS)とは異なり、FUPは例えば脳内2センチメートル以上、約2cmから約12cmと、はるかに深くまで脳組織に到達することができる。更に、FUPは、TMSを使用によって達成可能な約2〜3cmとは対照的に、直径約0.5mmから約2mmしかないエネルギー焦点を生成することもできる。
【0062】
[0073] 本発明の実施形態は、様々な治療の成果の評価に使用することができる。例えば、FUPの適用後に脳の様々な区域の機能をマッピングするなどの脳の機能マップは、特定の治療前後にfMRIを使用して構築することができる。治療後に、特定のニューロン回路の機能反応性が正常な対照のそれと同様である場合、それは治療の有効性の指標とすることができる。同じように、本発明の実施形態を使用して、特定のニューロン区域の活性が特定のレベルにいつ到達したかを判断することができる。FUPを繰り返し適用することで、機能性が正常な対照と同じになるような方法で回路を変更することができる。fMRIで連続的に監視しながら繰り返し適用すると、ニューロン構造及びニューロン回路の機能の正常化を達成する最も効率的、確実かつ迅速な方法を判断するのに役立てることができる。したがって、本発明の実施形態は、パルスの最善の位相、インテンシティ及び周波数、更に上述した症状の診断及び治療のための焦点又は複数の焦点の最善の位置を判断することによって、FUPを更に効率的なものにすることができる。
【0063】
[0074] 例えば、患者に医薬品を投与する前、投与中、及び投与後にfMRIを使用して、脳の機能マップを生成することができる。医薬品の投与後に、特定のニューロン回路の機能反応性が正常な対照のそれと同様であれば、それは薬剤の有効性の指標とすることができる。
【0064】
[0075] 上述したように、FUSシステムは、特定のニューロン中枢又は回路を活性化又は非活性化させるFUSパルス(「FUP」)を生成する。fMRI信号は特定の位置で変更される。この変更を捕捉して、超音波トランスデューサの調整に使用し、以上で詳細に検討した超音波パラメータを変更することにより、焦点の向上、様々な位置、又はニューロン回路への様々な影響を達成する。
【0065】
[0076] 提案されたFUSが仲介する機能調整は、脳腫瘍の画像支援FUS切除と組み合わせて使用することができる。例えば、脳腫瘍(切除の標的)に非常に近い表情豊かな機能区域を、提案の方法で体系的に調節することができ、その後にその機能表現を(リアルタイムのfMRI又は認識タスクによって)監視することができる。調整硬化は一時的に過ぎず、したがってFUS音波処理に影響された重要な機能区域の位置を特定し、したがってその後のFUSが仲介する切除処置中に回避することができる。同時に、処置の安全性も大幅に向上させることができる。
【0066】
[0077] 例えば、図1にあるようなMRIシステムを使用して、超音波ビームの「粗い」案内を実行する。MRIシステムで焦点位置が識別された後、本発明によりFUSシステムを動作させ、その領域のニューロン回路を調整する。これは、焦点の影響を受けるこれらの領域を解明するためにfMRIを実行しながら行われる。次に、ビーム位置の更に微細調整を実行して、FUS切除処置中に切除される健康な組織が実質的にないことを保証することができる。
【0067】
[0078] 本明細書では、バッチ状のパルスで与えられるFUSが神経組織の興奮性を増大させ、減少させることができると説明してきた。所望の効果を与えながら、広範囲の音波処理超音波エネルギーの周波数を利用することができるが、経頭蓋吸収及び反射の効果を考慮すると、音波処理周波数は通常、1MHz未満である。本発明の抑制効果は灰白質組織と白質組織の両方に適用可能であり、神経回路内の白質の結合性を選択的かつ可逆的に破壊することを示唆している。
【0068】
[0079] 本発明を1つ又は複数の好ましい実施形態に関して説明してきたが、明示されたもの以外に多くの同等物、代替物、変形、及び変更が可能であり、本発明の範囲に入ることを認識されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波システムで被験者のニューロン活性を変更する方法であって、
a)集束超音波のパルスを受ける前記被験者内の位置を識別するステップと、
b)前記超音波システムで前記識別位置へと集束超音波のパルスを適用するステップとを含み、集束超音波の各パルスが2〜100ミリ秒(ms)の範囲のトーンバースト継続時間(TBD)を有して、ニューロン活性を増大させるために、約2秒未満の継続時間を有する音波処理期間中に適用され、集束超音波の各パルスが約2ms未満のTBSを有して、ニューロン活性を低下させるために、約2秒を超える継続時間を有する音波処理期間中に適用される、方法。
【請求項2】
前記集束超音波のパルスは、ステップb)にて、ニューロン活性を更に低下させるために、100〜1000ヘルツ(Hz)の範囲の選択されたパルス繰り返し周波数(PRF)で適用され、ニューロン活性を更に増大させるために、約100Hz未満の選択PRFで適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
音波処理期間が約2秒を超える継続時間を有する場合に、100〜1000Hzの範囲の選択PRFで前記集束超音波のパルスを適用すると、ニューロン活性の増大を誘発し、その後にニューロン活性抑制の期間がある、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記集束超音波のパルスは、ステップb)にて、1平方センチメートル当たり10〜350ワット(W/cm)の範囲の音響インテンシティで適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップa)が、
a)i)磁気共鳴画像(MRI)システムで、前記被験者から像データを取得し、
a)ii)前記取得した像データから前記被験者の像を復元し、
a)iii)前記復元した像を使用して前記被験者の前記位置を識別すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
c)ステップb)を実行している間に、撮像システムで前記被験者の像を取得し、前記取得像は、前記適用された集束超音波のパルスによって誘発された前記変更ニューロン活性を示すものであり、
d)医薬品を前記被験者に投与し、
e)前記適用された集束超音波のパルスによって誘発され、前記投与された医薬品に応答して変性したニューロン活性を示す像を取得するために、ステップb)及びc)を繰り返すこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記医薬品の有効性を評価するために、ステップe)で取得した前記像をステップc)で取得した前記像と比較することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記被験者内の前記識別位置は、灰白質と白質のうち少なくとも1つを含むように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
c)ステップb)を実行している間に、撮像システムで、前記適用した集束超音波のパルスによって誘発された前記変更ニューロン活性を示すものである前記取得像を取得し、
d)前記被験者の前記取得像を使用して、前記適用された集束超音波のパルスのパラメータを調整し、
e)前記適用された集束超音波のパルスの前記調整されたパラメータを使用して、ステップb)を繰り返すこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記集束超音波のパルスの前記調整されたパラメータは、前記TBD、前記音波処理期間の前記継続時間、前記集束超音波のパルスが適用されるパルス繰り返し周波数、音響インテンシティ、超音波周波数、焦点深さ及び焦点直径のうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
c)ステップb)を実行している間に、撮像システムで前記被験者の像を取得し、前記取得像が前記適用された集束超音波のパルスによって誘発された前記変更ニューロン活性を示すものであり、
d)前記集束超音波のパルスの繰り返し適用によってニューロン回路が有意に変更されるほど十分な長さの期間にわたって、ステップa)〜c)を繰り返し実行すること、
を更に含み、
精神、神経、及び神経内分泌異常のうち少なくとも1つを治療するように、前記ニューロン回路が変更され、ステップc)で取得した前記像を使用して前記変更ニューロン回路が評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
超音波システムで被験者のニューロン活性を変更する方法であって、
a)集束超音波のパルスを受信するべき前記被験者内の位置を識別するステップと、
b)前記超音波システムで前記識別位置へと、ニューロン活性を低下させるために100〜1000ヘルツ(Hz)の範囲で選択されたパルス繰り返し周波数(PRF)にて、及びニューロン活性を増大させるために約100Hz未満で選択されたPRFにて集束超音波のパルスを適用するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
ステップb)で適用される集束超音波の各パルスの継続時間が、ニューロン活性を更に増大させるために2〜100ミリ秒(ms)の範囲で選択されたトーンバースト継続時間(TBD)、及びニューロン活性を更に低下させるために2ms未満で選択されたTBDを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップb)で適用された集束超音波のパルスの前記継続時間は、ニューロン活性を更に増大させるために約2秒未満で選択された合計音波処理継続時間(TSD)、及びニューロン活性を更に低下させるために約2秒を超える選択TSDを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
約2秒を超えるTSDの場合に100〜1000Hzの範囲の選択PRFで前記集束超音波のパルスを適用すると、ニューロン活性の増大を誘発し、その後にニューロン活性抑制の期間がある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記集束超音波のパルスは、ステップb)にて、1平方センチメートル当たり10〜350ワット(W/cm)の範囲の音響インテンシティで適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
磁気共鳴画像(MRI)システム及び超音波システムで磁気共鳴誘導集束超音波(MRgFUS)治療計画を調整する方法であって、
a)前記MRIシステム内で被験者を位置決めするステップと、
b)治療を受けるべき前記被験者内の位置を識別するステップと、
c)前記識別位置にてニューロン活性を変更するために、前記超音波システムで前記識別位置に集束超音波のパルスを適用するステップと、
d)前記MRIシステムで、及びステップc)と実質的に同時に、前記被験者から機能像データを取得するステップと、
e)前記機能像データを使用して、前記変更されたニューロン活性を示すものである前記被験者の一連の機能像を復元するステップと、
f)前記復元した一連の機能像を使用して、前記MRgFUS治療計画のパラメータを調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
ステップb)は、
b)i)前記MRIシステムで、前記被験者から像データを取得し、
b)ii)前記取得した像データから前記被験者の像を復元し、
b)iii)前記復元した像を使用して前記被験者の前記位置を識別すること、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ステップb)が、
b)i)前記超音波システムで、前記被験者の像を取得し、
b)ii)前記取得した像を使用して前記被験者の前記位置を識別すること、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記MRgFUS治療計画の前記パラメータは、集束超音波を適用する音響インテンシティ、集束超音波の周波数、焦点深さ、及び焦点直径のうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公表番号】特表2013−519495(P2013−519495A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553969(P2012−553969)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2011/024914
【国際公開番号】WO2011/103098
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(505088684)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (18)
【出願人】(501471493)
【Fターム(参考)】