説明

ネットワークを介して赤外線信号をリダイレクトする方法、装置及びシステム

本発明によるネットワーク化されたバイパスコントローラは、IR送信機(携帯装置であってもよい)から送信されたIRコードを受信し、そのコントローラは、IRコードを通常通りに処理すること、又は送信されたIRコードについて処理(例えば、コードを、保存されている機能コマンドに変換又は関連付けること)を実行することを行うように構築可能である。本発明によるネットワークバイパスコントローラは、結果のコマンドを、ネットワークを介してデバイスコントローラに送信し、関連する装置における応答/変化を引き起こすようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に装置の制御及びプログラミングに関連し、特有でないIRリモート制御コードを利用してネットワーク層値を制御する方法、装置及びシステムに特に関連する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツを提供する環境において、赤外線(IR)による遠隔制御装置(リモコン)は、コンテンツを提示する装置とやりとりする及び装置を制御するための便利なコントローラである。例えば、ホームシアターの環境において、多くの機器のユニットが一体的なシステムに統合されている。同様に、小売店の環境において、赤外線のリモコンは、(例えば、壁掛けTVのような)広告に使用される表示面のような複数の表示装置とやりとりするための便利なコントローラである。しかしながら、少なくともいくつかのボタンをコントローラに設けることが、ユーザにとって望ましくない状況が多数存在する。例えば、広告する環境において、IRリモコンにおける「電源」ボタンの制御機能を備えることは、ユーザにとって望ましくないかもしれない。ディスプレイがオフにされると、広告する時間や収入を失うことになってしまうからである。
【0003】
さらに、広告する環境の場合、1つより多い数のセットトップボックス(STB)を壁掛けTVに関連付けることができる。1つのIRリモコンによって全てのSTBユニットを制御できるような場所に、全てのSTBユニットを置くことは実用的ではない。したがって、1つのIRリモコンにより、1つより多い数の壁掛けTVのディスプレイを制御することは望ましいことではなく、様々なディスプレイのSTBユニット各々が1つのIRリモコンの動作範囲内にあることも望ましくない。
【0004】
さらに、コンテンツ提供環境(例えば、ホームシアターシステム又は宣伝広告環境)は、単一ベンダによる様々な装置又は様々なベンダによる装置を含む場合がある。例えば、上記の広告環境の場合、壁掛けTVは、単独のベンダによる1つより多い数のモデルのディスプレイを含む場合があり、あるいは様々なベンダによるディスプレイを含む場合がある。場合によっては、複数の装置が単独のベンダによる様々なタイプの装置であるにもかかわらず、又は複数の装置が様々なベンダによる物であるにもかかわらず、1つのリモコンにより、コンテンツ提供環境内の全ての装置を制御できることが望ましい場合もある。
【0005】
さらに、IRリモコンの様々なボタンに様々な機能を割り当て、そのようなIRリモコンの機能を増進することが望ましいシステムもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、統合されたコンテンツ提供環境において、IRリモコン制御信号を制御及び解釈する手段が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態による方法は、
赤外線信号を受信し、
所定の関連付けリストを使用して、受信した前記赤外線信号を制御コマンドに関連付け、
少なくとも1つの再生装置における変化を引き起こす前記制御コマンドを通信するステップ
を有する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例を適用することができるコンテンツ配信システムの上位概念的なブロック図。
【図2】店内広告を提供する店内広告ネットワークの上位概念的なブロック図。
【図3】本発明の一実施例によるネットワークIRバイパスシステムの上位概念的なブロック図。
【図4】本発明の一実施例によるネットワークIRバイパスのための方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例は、特有ではない(non−specific)IR遠隔制御コードを利用して、ネットワーク装置を制御する方法、装置及びシステムを提供することで、従来技術における問題に対処する。
【0010】
本発明の様々な実施例における本発明によるネットワーク化されたバイパスコントローラは、IR送信機(携帯装置であってもよい)から送信されたIRコードを受信し、そのコントローラは、IRコードを通常通りに処理すること、又は送信されたIRコードについて処理(例えば、コードを、保存されている機能コマンドに変換又は関連付けること)を実行することを行うように構築可能である。本発明によるネットワークバイパスコントローラは、結果のコマンドを、ネットワークを介して1つ以上の再生装置に送信することができる。
【0011】
例えば、本発明の一実施例において、本発明による方法は、赤外線信号を受信し、所定の関連付けリストを使用して、受信した赤外線信号を制御コマンドに関連付け、少なくとも1つの再生装置における変化を引き起こす制御コマンドを通信する。
【0012】
本発明の代替実施例において、本発明によるシステムは、赤外線制御信号を通信するリモートコントローラと、赤外線制御信号を受信し、受信した赤外線制御信号を、再生装置及びバイパスコントローラの内の少なくとも1つに通信する再生装置コントローラと、バイパスコントローラとを有し、バイパスコントローラは、通知された赤外線制御信号を受信し、所定の関連付けリストを使用して、受信した赤外線信号を制御コマンドに関連付け、少なくとも1つの関連する再生装置における変化を引き起こすように、制御コマンドを再生装置に通知する。
【0013】
IR送信機(遠隔制御装置)から送信され、本発明によるネットワークバイパスコントローラに通知されるコードは、何らかのネットワーク装置に送信されるコマンドと同じコマンドセットによるものであることを要しないことに留意すべきである。本発明による様々な実施例において、あるベンダによるIR送信機は、任意のベンダの集合に含まれる装置を制御することができる。制御機能は、実際のIRコードコマンドセットによる特定のコマンド機能を超えることができ、異なる又はより広範なルールにマッピングし直すことができる。
【0014】
本発明により教示されるものは、添付図面とともに以下の詳細な説明を考察することで、さらに理解できるであろう。
【0015】
図面は、本発明による概念を説明するためのものであり、本発明を表す唯一の可能な形態を示すわけではないことが、理解されるべきである。理解を促すため、同じ参照番号が使用され、場合によっては、図中の共通する同じ要素を示す。
【0016】
有利なことに、本発明は、特定でないIR遠隔制御コードを利用して、ネットワーク装置を制御する方法、装置及びシステムを提供する。本発明は、主に小売店の広告ネットワークについて説明されるが、本発明の個々の実施例は、本発明の範囲を限定するように取り扱われるべきでない。有利なことに、本発明の概念は、ネットワーク化されたホームシアター環境のような事実上任意のネットワーク化されたコンテンツ提示環境に対して適用可能であることが、当業者に理解されかつ本発明の教示内容から分かるであろう。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例を適用することができるコンテンツ配信システムの上位概念的なブロック図を示す。図1のコンテンツ配信システム100は、図示されているように、少なくとも1つのサーバ110、チューニング/デコード手段のような複数の受信装置(図示の例では、セットトップボックス(STB))1201−120n、セットトップボックス1201−120n各々のディスプレイ1301−130n、及びオーディオ出力装置のような他の受信装置(図示の例では、スピーカシステム)1351−135nを有する。図1のシステム100において、複数のセットトップボックス1201−120n各々が1つのディスプレイにそれぞれ接続されるように図示されているが、本発明の別の実施例では、複数のセットトップボックス1201−120n各々が、1つより多い数のディスプレイに接続されてもよい。さらに、図1のコンテンツ配信システム100では、チューニング/デコード手段は、セットトップボックス120として図示されているが、本発明の代替実施例において、本発明におけるチューニング/デコード手段は、ディスプレイ130に統合されたチューニング/デコード手段や、他のスタンドアローンのチューニング/デコード手段のような、他のチューニング/デコード手段により構築されてもよい。さらに、本発明における受信装置は、オーディオ、ビデオ及び/又はオーディオ/ビデオコンテンツのようなコンテンツを受信することが可能な如何なる装置を含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施例において、図1のコンテンツ配信システム100は、店内の広告ネットワークの一部であってもよい。例えば、図2は、店内広告を提供する店内広告ネットワーク200の上位概念的なブロック図を示す。図2の広告ネットワーク200において、広告ネットワーク200及び配信システム100は、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを使用し、音楽のレコーディング、家庭用ビデオ、製品紹介、宣伝広告及び他のそのようなコンテンツに対する、目録化(カタログ化)、配布、提示及び利用履歴を、娯楽コンテンツ、ニュース及び同様な消費者情報コンテンツとともに店内の設定により提供する。コンテンツは、圧縮された及び圧縮されていないビデオ及びオーディオストリームフォーマット(例えば、MPEG/MPEG4パート10/AVC−H.264、VC−1、ウィンドウズ(登録商標)メディア等)により提供されるコンテンツを含むことができるが、本システムは、そのようなフォーマットを使用することだけに限定されない。
【0019】
本発明の一実施例において、店内広告ネットワーク200及びコンテンツ配信システム100の様々な要素を制御するソフトウェアは、ウィンドウイング(windowing)環境(例えば、MS−ウィンドウズ(登録商標)又はX−ウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステム)及びハイパフォーマンスのコンピュータハードウェアを利用する32ビットオペレーティングシステムを含むことができる。広告システム200は、配信アーキテクチャを利用することができ、セントラル化されたコンテンツ管理及び配信管理を、一実施例では、衛星(あるいは他の方法、例えば、広域ネットワーク(WAN)インターネット、一連のマイクロ波リンク、又は同様な手段)及び店内モジュールを介して提供する。
【0020】
図2に示すように、店内広告ネットワーク200及びコンテンツ配信システム100のためのコンテンツは、広告主202、レコード会社204、映画製作所(映画スタジオ)206又はその他のコンテンツプロバイダ208から提供可能である。広告主202は、製品の製造者、サービスプロバイダ、製造者やサービスプロバイダを代表する広告会社、その他の存在(entity)であってもよい。広告主202からの広告コンテンツは、コマーシャル、「情報(info−mercials)」、製品情報及び製品紹介等を含むオーディオビジュアルコンテンツから構成可能である。
【0021】
レコード会社204は、レコードレーベル(record label)、音楽出版社、ライセンス/出版団体(例えば、BMI又はASCAP)、アーティスト個人、又はそのような音楽関連コンテンツのソースとすることができる。レコード会社204は、音楽クリップ(記録された音楽の短い一部分(セグメント))、音楽ビデオクリップ等のようなオーディオビジュアルコンテンツを提供する。映画製作所206は、映画スタジオ、フィルム製造会社、宣伝係/評論家、その他の映画産業に関連するソースとすることができる。映画製作所206は、映画クリップ、男優や女優の予め録画されたインタビュー、映画評論記事、「舞台裏」準備の様子、及びその他の同様なコンテンツを提供することができる。
【0022】
その他のコンテンツプロバイダ208はビデオ、オーディオ又はオーディオビジュアルコンテンツの他の如何なるプロバイダでもよく、そのビデオ等は、例えば図1のコンテンツ配信システム100により配信及び表示することができる。
【0023】
本発明の一実施例において、コンテンツは、例えば通常の記録媒体(テープ、CD、ビデオ等)を用いてネットワーク管理センタ210(NMC)を介して提供される。NMC210に提供されたコンテンツは、例えばローカル配信システム100に配信するのに適切な形式にコンパイル又は編集され、ローカル配信システムはそのコンテンツをローカルサイトに配信して表示する。
【0024】
NMC210は、受信したコンテンツをディジタル化し、ディジタル化されたデータファイル222の形式でそれをネットワークオペレーションセンタ(NOC)220に提供する。データファイル222はディジタル化されたコンテンツとして言及されているが、データファイルは、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ又は他のそのような情報でもよいことに、留意を要する。NMC210により受信されコンパイルされたコンテンツは、コマーシャル、バンパー(bumper)、グラフィックス、オーディオ等を含む。全てのファイルが一意に識別可能であるようにそれらは命名されていることが好ましい。より具体的には、NMC210は配信パックを形成し、配信パックは、店舗の場所のような特定のサイトを宛先とし、かつスケジュールされた形式で又はオンデマンド形式で1つ以上の店舗に配信される。配信パックは、使用される場合、既にそこに存在している既存のコンテンツを置換又は改善するように意図されたコンテンツを含む(ただし、サイトのシステムが始めて初期化される場合を除く。その場合、配信されるパッケージは、サイトの初期のコンテンツの形式をなす。)。あるいは、ファイルは、別々に圧縮及び転送されてもよいし、あるいは使用される何らかのタイプのストリーミング圧縮プログラム(番組)であってもよい。
【0025】
NOC220は、本実施例の場合、通信ネットワーク225を介して、コマーシャルセールスアウトレット230(commercial sales outlet)におけるコンテンツ配信システム100へ、ディジタル化されたデータファイル222を送信する。通信ネットワーク225は、様々な技術の内の任意のものにより実現可能である。例えば、本発明の一実施例において、衛星リンクを利用して、コマーシャルセールスアウトレット230のコンテンツ配信システム100へ、ディジタル化されたデータファイル222を送信することができる。コンテンツを様々なロケーションにブロードキャストすることで、コンテンツを容易に配信できるようになる。あるいは、インターネットを利用して、オーディオビジュアルコンテンツを配信すること及びコマーシャルセールスアウトレット230からフィードバックを受けることの双方を行ってもよい。本発明の代替実施例において、リースした回線、マイクロ波ネットワーク又は他のそのような手段を利用するような通信ネットワーク225を実現する他の方法が、使用されてもよい。
【0026】
図1のコンテンツ配信システム100のサーバ110は、コンテンツ(例えば、配信パック)を受信することができ、したがって、それらを店内の様々な受信機(例えば、セットトップボックス120、ディスプレイ130及びスピーカシステム135)に配信する。すなわち、コンテンツ配信システム100において、コンテンツは受信されストリーミング用に構築される。ストリーミングは、一緒に又はともに動作するように構築された1つ以上のサーバにより実行可能である。ストリーミングコンテンツは、セールスアウトレット230(例えば、店舗)内の様々な場所や製品用に構成されたコンテンツを含む。例えば、セットトップボックス120、ディスプレイ130及び様々なスピーカシステム135の各々は、セールスアウトレット230内の特定の場所に設けられ、セットトップボックス及びディスプレイ各々の場所から所定の距離の範囲内にある製品に関するコンテンツを表示したりオーディオをブロードキャストするようにそれぞれ構築することができる。
【0027】
ネットワーク化されたホームシアター環境、コンテンツ配信システム100及び店内宣伝広告ネットワーク200等のような上述したネットワーク化されたコンテンツ提供システム及び環境において、IRリモコンのような遠隔制御装置は、そのようなシステムの様々な装置を制御するのに使用可能である。例えば、図1のコンテンツ配信システム100において、IRリモコンは受信装置を制御するのに使用可能であり、受信装置は、チューニング/デコード手段(セットトップボックス(STB)として図示されている)1201−120n、セットトップボックス1201−120n各々のディスプレイ1301−130n、及びその他の受信装置(オーディオ出力装置(スピーカシステムとして図示されている))1351−135n等である。
【0028】
図3は、本発明の一実施例によるネットワーク化されたIRバイパスシステムの上位概念的なブロック図を示す。ネットワークIRバイパスシステム300において、IRリモコンとして図示されているIR送信機は、セットトップボックス(STB)320として図示されているデバイスコントローラへ表示用の制御信号を通知する。本発明の実施例において、STB320は、IR遠隔制御装置310から送信されたIRコードを受信し、STB320は、そのIRコードを通常通りに処理する、あるいはその代わりにIRコードを設定されたネットワークの宛先へ送信することでそのコードを「バイパス又は迂回」する。例えば、図3のネットワークIRバイパスシステム300の場合、STB320はネットワーク330に動作可能に接続されている。本発明の一実施例において、ネットワーク330は、無線又はイーサーネット通信を利用するTCP/IPネットワークにより形成される。STB320が受信したIRコードは、STB320により、ネットワーク330を介してコントローラへ送信される。
【0029】
すなわち、図3に示されているように、バイパスコントローラ340もネットワーク330と通信する。一実施例において、バイパスコントローラ340は、本発明による発明原理を実現するように設けられた汎用コンピュータ又はサーバを有する。本発明の一実施例において、コントローラは、NMC210やNOC220のようなリモートサーバにより形成されてもよいし、あるいは図1のコンテンツ配信システム100のサーバ110のようなローカルサーバにより形成されてもよい。例えば図3に示されているように、バイパスコントローラ340はメモリ342及びIRコードプロセッサ344を含み、メモリ342は、場合によっては受信可能なIRコードのりストと、IRコードに関連付けられている対応する応答(制御コマンド)とを保存し、制御コマンドは、受信したIRコードに応じて1つ以上のデバイスコントローラへ通知されるべきものである。IRコードプロセッサは、保存されている関連付けのリストを利用して、受信した赤外線信号を、再生装置又は再生装置のコントローラへ通知する応答(制御コマンド)に関連付け、その制御コマンドにより、再生装置における意図している応答、反応又は変化を生じさせる。
【0030】
図3のバイパスコントローラ340はアプリケーションソフトウェアを保存及び実行し、アプリケーションソフトウェアは、STB320がネットワーク300を介してバイパスコントローラ340に送信したIRコードが示すアクション(動作又は処理)を、検討する、再構成する、実行する又は実行しない。バイパスコントローラ340は、複数のコードを選別し(フィルタリングし)、一部のコードのアクションを実行する又はどのコードのアクションも実行せず、さらにはIRコードを変換し、代替的なアクションを実行するようにする。さらに、バイパスコントローラ340は、ネットワーク330を介してIRコードをSTB320へ非同期形式で送信し、STB320は、バイパスコントローラ340からのコマンドを無視する、又はそのコマンドがあたかもIR遠隔制御装置310から送信されたかのように応答する。
【0031】
例えば図3の例において、IR遠隔制御装置310は限られた機能しか備えていないかもしれない。例えば、図3のSTB320及びディスプレイ305が小売店の広告ネットワークの一部であり、ディスプレイ305に対するIR遠隔制御装置310によるユーザの制御は制限されており、ユーザは、そのようなシステムの広告機能に対して悪影響を及ぼすことはできない。例えば、本発明の一実施例において、IR遠隔制御装置310のチャネル変更ボタンは、サーバ110/バイパスコントローラ340からディスプレイ305に通知されたオーディオストリーム、ビデオ及び/又はメディアクリップ等の提供されたものの中で、ユーザが切り替えることができるように構築されている。
【0032】
より具体的には、本発明の一実施例において、IR遠隔制御装置310のチャネル変更ボタンを押し下げたことに対するIRコードが、STB320に通知される。STB320は、ネットワーク330を介してIRコードをバイパスコントローラ340へ通知し、バイパスコントローラは、IRコードを解釈し、別の利用可能な広告チャネルを選択し、その広告チャネルは、STB320に通知され、ディスプレイ305のチャネルを実際に変更せずに、ディスプレイ305に表示されるようにする。例えば、本発明の一実施例において、サーバ110は、ディスプレイ130に表示されるように選択可能な2つ以上のビデオ及び/又はオーディオチャネルを提供することができる。例えば、様々なチャネルは、スポーツ番組(例えば、バスケットボールのゲーム、フットボールのゲーム等)、映画番組、情報番組(例えば、ニュース番組、天候チャネル等)等を含みうる。したがって、IR遠隔制御装置310のチャネルアップ(上昇)及びチャネルダウン(下降)のボタンを利用して、サーバ110が提供するコンテンツの様々なチャネルを切り替えることができる。
【0033】
本発明の様々な実施例において、バイパスコントローラ340は、受信したIRコードに応答して、1つ以上のデバイスコントローラへコマンドを送信することができる。例えば、バイパスコントローラ340は、場合によっては受信可能なIRコードのりストと、それらのIRコードに関連づけられている対応する応答とを内蔵メモリ342に保存することができ、その対応する応答は、受信したIRコードに応じて1つ以上のデバイスコントローラへ送信されるべきものである。
【0034】
例えば、本発明の一実施例において、本発明によるIRバイパスシステムは、小売店環境における壁掛けテレビジョン(TV)において実現されてもよい。より具体的には、図1のコンテンツ配信システム100は、壁掛けTVを有するコンテンツ配信システム100でもよい。より具体的には、図1に示されるコンテンツ配信システムは、複数の受信装置を含むことができ、例えば受信装置はチューニング/デコード手段(図示の例では、セットトップボックス(STB))1201−120n、及びセットトップボックス1201−120n各々のディスプレイ1301−130n等である。STB120及びディスプレイ130は、広告用の壁掛けTVを構成する。そのような例の場合、1つのIR遠隔制御装置は、1つ以上のディスプレイ130を制御するように構築可能である。さらにそのような例の場合、関連するSTBは、IR遠隔制御装置からのIRコードのアクションを必ずしも適用する必要はない。その代わり、STBは、受信したIRコマンドを、上述した本発明のコントローラへ送信する。コントローラは、そのコマンドに対して何も行わない、そのコマンドを他の何らかのコマンドに変換する、あるいはコマンドを元のSTB120へ戻す及び/又は1つ以上の他のSTB120へ中継することができる。
【0035】
例えば、上記の本発明の一実施例において(例えば、壁掛けTVの場合において)、ユーザは、関連するIR遠隔制御装置におけるチャネル変更ボタンを押すことができ、関連するチャネル変更IRコードが、少なくとも1つのSTB120に送信可能である。STB120は、IRコードを、図3に関して説明される本発明のバイパスコントローラ340へ通知する。バイパスコントローラ340は受信したIRコードを解釈又は翻訳し、解釈又は翻訳された内容は、代替的なメディアクリップ及び/又はビデオ及びオーディオストリームが、STB120に関連する壁掛けTVの1つ以上のディスプレイ130に表示されるようにSTB120により選択されるべきことであり、そのSTB120はバイパスコントローラ340にIRコードを通知したSTB120である。あるいは、バイパスコントローラ340は受信したIRコードを解釈し、ディスプレイ130に関連する全てのSTB120が、代替的なメディアクリップ及び/又はビデオ及びオーディオストリームを選択することを引き起こし、チャネル変更を行うことができる。すなわち、このような例において、IR遠隔制御装置のチャネル変更ボタンは、(バイパスコントローラ340からディスプレイ130に通知される)提供されたメディアクリップ及び/又はビデオ及びオーディオストリームの中でユーザが切替を行えるようにする。
【0036】
バイパスコントローラ340によるそのような関連付け又は解釈(翻訳)が実行され、本発明によるバイパスコントローラ340におけるメモリ(不図示)に保存される。すなわち、本発明の様々な実施例において、本発明によるコントローラは、IR遠隔制御装置から受信可能なIRコードに対する一群のプロセッサ命令(すなわち、関連付けのリスト)を保存している。このように構成される場合、コントローラは、IRコードのアクション(動作)を必ずしも適用(実行)する必要はなく、その代わり、コントローラは、受信したIRコードに対する所定のリストを参照し、その受信したIRコードに関連付けられているアクション(動作)を実行する。
【0037】
本発明の一実施例において、本発明によるバイパスコントローラ340が実行する解釈又は関連付けは、特定の通信チャネルを介してベンダ固有のコマンドを適用することで実現されてもよい。例えば、本発明の一実施例において、本発明によるIRバイパス機能は、設定されたHDMI通信及びベンダ固有のコマンドを利用して、コンテンツ再生装置の再生機能を制御するために使用可能であり、この点については、「METHOD,APPARATUS AND SYSTEM FOR DISPLAY CONTROL AND OPTIMIZATION」と題し、西暦2006年12月5日付けで出願された米国仮特許出願第60/872908号により教示されており、この出願は後に国際出願されており(PCT/US2007/024811)、この出願の内容全体が本願のリファレンスに組み入れられる。
【0038】
さらに、本発明の発明概念は、IR遠隔制御装置が制御するように意図している異なるモデルや異なるベンダの制御装置/受信機の機能を、IR遠隔制御装置を使って制御することも実現できる。より具体的には、本発明の様々な実施例において、IR遠隔制御装置は、IRコードを、例えばディスプレイ装置である制御装置/受信機へ送信する。制御装置/受信機は、そのIRコードを、上述した本発明によるバイパスコントローラ(例えば、図3のバイパスコントローラ340)に送信する。コントローラは、制御装置/受信機から送信されたIRコードを受信し、IRコードを送信した制御装置/受信機が制御する装置に対して意図されている適切なコマンドに、受信したIRコードを関連付ける記憶済みのデータを参照する。さらに、本発明によるコントローラは、システム内の全ての装置のリスト(すなわち、壁掛けTVのディスプレイ及び制御装置/受信機の全てのモデル及び製造元のリスト)を保存することができる。本発明によるコントローラは、そのように構築されていた場合、受信したIRコードを、制御装置/受信機及び関連する再生装置に適切な各自のコマンドに解釈し、そのコマンドは、制御装置/受信機及び関連する再生装置各々のIRコード機能に影響するものである。
【0039】
さらに具体的には、本発明の様々な実施例において、本発明によるバイパスコントローラは、IR遠隔制御装置からIRコードを受信し、受信したIRコードを解釈し、保存されている関連付けリストを参照することで、意図する装置にIR遠隔制御装置が対応しているか否かによらず、任意のモデル装置又は任意のベンダによる装置を制御することができ、その関連付けリストは、受信したIRコードを、本発明によるバイパスコントローラが意図される装置に通知する適切な信号に変換し、そのIRコードに対してその装置が適切な応答を行うようにする。IR遠隔制御装置(例えば、送信機)により送信され、本発明によるバイパスコントローラバイパスされるコードは、ネットワーク装置に送信されるコマンドと同じコマンドセットの中にあるものである必要はないことに、留意すべきである。なぜなら、本発明による所定の関連付けを参照することで、制御機能は、異なるコマンド又はより拡張されたコマンドに対応づけ直される(リマッピングされる)からである。
【0040】
図4は、本発明の一実施例によるネットワークIRバイパスのための方法を示すフローチャートである。図4の方法400はステップ402から始まり、(例えば、ディスプレイ、スピーカ等のような)再生装置のデバイスコントローラ/受信機により、IRコードが受信され、そのIRコードは、IR遠隔制御装置における制御ボタンを押すことで生成される。次に本方法400はステップ404に進む。
【0041】
ステップ404において、IRコードは、図3のバイパスコントローラ340のような本発明によるネットワークコントローラへ送信される。そして本方法400はステップ406に進む。
【0042】
ステップ406において、コントローラは、所定の関連付けのリストを利用して、IRコードを解釈し、及び/又はIRコードをデバイスコントローラ/受信機へ通知される所望のコマンドに関連付け、そのコマンドにより1つ以上の再生装置における所望の変化が起こる。これについては、上記の本発明による少なくとも1つの例において説明されている。次に本方法400はステップ408に進む。
【0043】
ステップ408において、コントローラは、再生装置用のデバイスコントローラ/受信機へ適切なコマンドを送信する。そして本方法400はステップ410に進む。
【0044】
ステップ410において、デバイスコントローラ/受信機は、受信したコマンドを再生装置に送信し、IR遠隔制御装置において押下された制御ボタンに関連する所望の変化が起こるようにする。そして本方法400は終了する。
【0045】
以上により、固有ではないIR遠隔制御コードを利用してネットワーク装置を制御する方法、装置及びシステムに関する上記の様々な(例示的であって限定的ではないように意図されている)実施例が説明された。これらの教示により、当業者は修正や変形を行うことができることに留意を要する。したがって、開示された本発明による特定の実施例において何らかの変更がなされ、その変更は添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲及び精神に含まれるものであることが、理解されるであろう。上記の説明は本発明に関するいくつもの実施例に関連しているが、本発明の範囲から逸脱せずに、本発明に関する他の別の実施例も当業者にとって自明であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】国際出願第PCT/US2007/024811号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線信号を受信し、
所定の関連付けリストを使用して、受信した前記赤外線信号を制御コマンドに関連付け、
少なくとも1つの再生装置における変化を引き起こす前記制御コマンドを通信するステップ
を有する方法。
【請求項2】
前記赤外線信号が、前記少なくとも1つの再生装置の制御装置により受信される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記制御装置が、受信した前記赤外線信号をバイパスコントローラへ送信する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記赤外線信号が、ネットワークを介して伝送される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記バイパスコントローラが、前記受信した赤外線信号を、該受信した赤外線信号に予め関連付けられているアクションに関連付ける、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの再生装置において所定のアクションがなされるように、前記バイパスコントローラが、制御コマンド前記制御装置に送信する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記赤外線信号は、遠隔制御装置から送信されたものである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの再生装置は、小売店の広告を提示する装置を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記受信した赤外線信号は、前記関連付けリストにより、異なる製造元及びモデルの内の少なくとも1つの再生装置における変化を引き起こす、請求項1記載の方法。
【請求項10】
メモリ及びIRコードプロセッサを有する装置であって、
前記メモリは、当該装置が受信する可能性のあるIRコードのリストと、IRコードに関連付けられている対応する制御コマンドとを保存し、
前記IRコードプロセッサは、前記リストを利用して、受信した赤外線信号を制御コマンドに関連付け、少なくとも1つの再生装置における変化を引き起こすように、前記制御コマンドを前記少なくとも1つの再生装置のコントローラへ送信する、装置。
【請求項11】
当該装置が、バイパスコントローラを有する、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの再生装置の前記コントローラがセットトップボックスを有し、前記少なくとも1つの再生装置がディスプレイを有する、請求項10記載の装置。
【請求項13】
IRコード及び対応する制御コマンドの前記リストが、前記赤外線信号の発信源である遠隔制御装置の機能を制限している、請求項10記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの再生装置の前記コントローラが、異なる製造元及び異なるモデルの内の少なくとも1つの再生装置のコントローラを有する、請求項10記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの再生装置が、異なる製造元及び異なるモデルの内の少なくとも1つの再生装置を有する、請求項10記載の装置。
【請求項16】
赤外線制御信号を送信するIR送信機と、
前記赤外線制御信号を受信し、受信した赤外線制御信号を、再生装置及びバイパスコントローラの内の少なくとも1つに送信する少なくとも1つの再生装置コントローラと、
送信された前記赤外線制御信号を受信し、所定の関連付けリストを使用して、受信した前記赤外線信号を制御コマンドに関連付け、少なくとも1つの関連する再生装置における変化を引き起こすように、前記制御コマンドを前記少なくとも1つの再生装置に送信するバイパスコントローラと
を有するシステム。
【請求項17】
当該システムが、店内の広告ネットワークを有する、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
当該システムが、家庭娯楽ネットワークを有する、請求項16記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの再生装置が、異なるモデル又は異なる製造元の再生装置を含む、請求項16記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの再生装置コントローラが、異なるモデル又は異なる製造元の再生装置コントローラを含む、請求項16記載のシステム。
【請求項21】
1つの再生装置コントローラが、1つより多い再生装置に関連付けられている、請求項16記載のシステム。
【請求項22】
1つの再生装置が、1つより多い再生装置コントローラにより制御可能である、請求項16記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−511553(P2011−511553A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544935(P2010−544935)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/007249
【国際公開番号】WO2009/096928
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】