説明

ネットワークシステム、ノード装置群、コンピュータ装置およびセンサデータ送受信方法

【課題】コンピュータ装置とネットワークを介して接続される複数台のノード装置とそれらのノード装置の各々に接続されるセンサ装置とを含むネットワークシステムにおいて、コンピュータ装置がノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができるネットワークシステムを提供すること。
【解決手段】コンピュータ装置は、複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、情報取得要求を行う。各ノード装置20は、情報取得要求に応じて、複数台のノード装置のセンサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部51と、センサデータ探索部51が取得したセンサデータまたはこのセンサデータに基づいて得られる演算結果データをコンピュータ装置に送信する情報送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はネットワークシステムおよびセンサデータ送受信方法に関し、より詳しくは、複数台のノード装置とそれらのノード装置の各々に無線通信または有線通信を介して接続されるセンサ装置とを含むネットワークシステムおよびセンサデータ送受信方法に関する。
【0002】
また、この発明は、そのようなネットワークシステムを構成するノード装置群およびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、この種のネットワークシステムとしては、例えば、特許文献1(特開2003−85213号公報)の図36に記載のように、コンピュータ装置としての情報処理サーバと複数台のノード装置としての第1乃至第3のセンサターミナルとがネットワークを介して通信可能に接続され、それらのセンサターミナルの各々に1台以上のセンサ装置が無線通信を介して接続可能になっているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−85213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ネットワークシステムでは、例えば、各センサターミナルは、このセンサターミナル自身に接続されたセンサ装置からセンサデータを取得して、このセンサターミナル自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存する。上記情報処理サーバは、ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうちいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のセンサターミナルのうちいずれかのセンサターミナルから取得する。
【0006】
しかしながら、上記ネットワークシステムでは、例えば複数のセンサターミナルに所望のセンサデータが保存されている場合には、上記情報処理サーバは、上記複数のセンサターミナルのそれぞれを特定して上記情報取得要求を行う処理が必要となり、時間がかかるという問題がある。また、新たなセンサターミナルを追加する場合には、上記情報処理サーバにおいてセンサターミナルについての情報を更新する処理が必要となり、手間がかかるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、コンピュータ装置とネットワークを介して接続される複数台のノード装置とそれらのノード装置の各々に接続されるセンサ装置とを含むネットワークシステムにおいて、コンピュータ装置がノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができるネットワークシステムを提供することにある。
【0008】
また、この発明の課題は、そのようなネットワークシステムを構成するノード装置群およびコンピュータ装置、およびセンサデータ送受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明のネットワークシステムは、
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得するネットワークシステムにおいて、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行い、
上記各ノード装置は、
このノード装置自身に対して上記情報取得要求が行われたとき、その情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部と、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する情報送信部と
を有することを特徴とする。
【0010】
本明細書で、「コンピュータ装置」とは、クライアント装置、サーバ装置、ホストコンピュータなどの名称を問わず、ネットワークを介して通信可能なコンピュータを広く指す。
【0011】
また、「ネットワーク」は、有線または無線を問わず、ローカルエリアネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのネットワークを広く指す。
【0012】
なお、上記ネットワークには、上記複数台のノード装置(各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能になっている)に加えて、センサ装置が接続され得ないノード装置(例えばダミーノード装置)が接続されていても良い。
【0013】
また、上記ネットワークには、上記複数台のノード装置(各ノード装置はセンサデータ探索部を有している)に加えて、センサデータ探索部を有しないノード装置が接続されていても良い。
【0014】
また、「センサ装置」とは、センシング機能をもつ装置を広く含み、センサノードを構成するか否かを問わない。
【0015】
この発明のネットワークシステムでは、上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行う。すなわち、上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行う。上記情報取得要求が行われたノード装置のセンサデータ探索部は、上記情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得する。そして、上記ノード装置の情報送信部は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する。
【0016】
このようにした場合、上記コンピュータ装置は、上記ノード装置に対して上記情報取得要求を行うとき、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行うだけでよい。このため、上記複数台のノード装置のそれぞれを特定して上記情報取得要求を行う必要がなく、所望のセンサデータがどのノード装置に保存されているか等の情報を保持する必要がない。したがって、上記コンピュータ装置は、ノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができる。また、上記コンピュータ装置に特別なソフトウェアや設定が必要ではなく、汎用のコンピュータ装置により上記情報取得要求を行うことができる。
【0017】
一実施形態のネットワークシステムでは、上記各ノード装置は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータに基づいて演算を行って演算結果データを求める演算部を有し、上記コンピュータ装置は、上記演算結果データを特定して上記情報取得要求を行い、上記コンピュータ装置によって特定された上記演算結果データを有するノード装置の上記情報送信部は、その演算結果データを上記コンピュータ装置に送信すること特徴とする。
【0018】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記情報取得要求が行われたノード装置の上記情報送信部は、上記演算部が演算した演算結果データを上記コンピュータ装置に送信する。したがって、上記コンピュータ装置は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータに基づいて演算する手間や時間をかけずに、上記演算結果データを入手できる。
【0019】
一実施形態のネットワークシステムでは、上記各ノード装置は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータに基づいてグラフを作成する第1のグラフ作成部を有し、上記コンピュータ装置は、上記グラフのデータを特定して上記情報取得要求を行い、上記コンピュータ装置によって特定された上記グラフのデータを有するノード装置の上記情報送信部は、そのグラフのデータを上記コンピュータ装置に送信すること特徴とする。
【0020】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記情報取得要求が行われたノード装置の上記情報送信部は、上記第1のグラフ作成部が作成したグラフデータを上記コンピュータ装置に送信する。したがって、上記コンピュータ装置は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータに基づいてグラフを作成する手間や時間をかけずに、上記グラフのデータを入手できる。
【0021】
一実施形態のネットワークシステムでは、上記各ノード装置は、上記演算部が演算した上記演算結果データに基づいてグラフを作成する第2のグラフ作成部を有し、上記コンピュータ装置は、上記グラフのデータを特定して上記情報取得要求を行い、上記コンピュータ装置によって特定された上記グラフのデータを有するノード装置の上記情報送信部は、そのグラフのデータを上記コンピュータ装置に送信すること特徴とする。
【0022】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記情報取得要求が行われたノード装置の上記情報送信部は、上記演算結果データから上記第2のグラフ作成部が作成した上記グラフのデータを上記コンピュータ装置に送信する。したがって、上記コンピュータ装置は、上記演算結果データに基づいてグラフを作成する手間や時間をかけずに、上記グラフのデータを入手できる。
【0023】
一実施形態のネットワークシステムでは、上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうち第1のノード装置に対して第1の情報取得要求を行うのと並行して、上記第1のノード装置とは異なる第2のノード装置に対して上記第1の情報取得要求とは異なる第2の情報取得要求を行うこと特徴とする。
【0024】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうち第1のノード装置に対して第1の情報取得要求を行うのと並行して、上記第1のノード装置とは異なる第2のノード装置に対して上記第1の情報取得要求とは異なる第2の情報取得要求を行う。これにより、上記複数台のノード装置の間で、ノード装置の負荷を分散させることができる。したがって、ネットワークシステム全体としてのパフォーマンスを向上できる。
【0025】
なお、本明細書で、ノード装置の「負荷」とは、そのノード装置に含まれたCPU(中央演算処理ユニット)の稼働率、そのノード装置が取り扱うセンサデータの件数や量、上記期間内にそのノード装置がコンピュータ装置へセンサデータを返信する回数、上記期間内にそのノード装置がセンサデータを加工する回数などを広く指す。
【0026】
一実施形態のネットワークシステムでは、
或る長さをもつ期間毎に上記各ノード装置の負荷を検出するノード負荷検出部と、
上記複数台のノード装置の間で上記負荷を平準化するように、上記情報取得要求を受けたノード装置から切り替えて、上記情報取得要求に応えるべきノード装置を設定する負荷平準化部とを備えたことを特徴とする。
【0027】
この一実施形態のネットワークシステムでは、ノード負荷検出部が或る長さをもつ期間毎に上記各ノード装置の負荷を検出する。そして、負荷平準化部が、上記複数台のノード装置の間で上記負荷を平準化するように、上記情報取得要求を受けたノード装置から切り替えて、上記情報取得要求に応えるべきノード装置を設定する。具体的には、上記情報取得要求に応えるべきノード装置は、負荷が最小のノード装置や、負荷が或る閾値以下のノードである。したがって、上記複数台のノード装置の間で負荷を平準化できる。この結果、ネットワークシステム全体としてのパフォーマンスを向上させることができる。例えば、上記コンピュータ装置に対して、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置を介したセンサデータの返信が届きにくいという事態を避けることができる。また、いずれかのノード装置が行う演算の量、ネットワークのトラフィック、各センサ装置が収集するセンサデータ数などの状況が日々刻々変わったとしても、このネットワークシステムは常に良好なパフォーマンスを示すことができる。
【0028】
一実施形態のネットワークシステムでは、
上記負荷平準化部は、上記複数台のノード装置の各々に配置された決定部を含み、
上記複数台のノード装置のうち第3のノード装置に配置された決定部と第4のノード装置に配置された決定部とは、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記負荷を平準化するように、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記情報取得要求に応えるべきノード装置を切り替える決定を行うことを特徴とする。
【0029】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記負荷平準化部は、上記複数台のノード装置の各々に配置された決定部を含む。上記複数台のノード装置のうち第3のノード装置に配置された決定部と第3のノード装置に配置された決定部とは、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記負荷を平準化するように、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記情報取得要求に応えるべきノード装置を切り替える決定を行う。この決定に応じて、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記情報取得要求に応えるべきノード装置が切り替えられる。したがって、例えば上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置が故障した場合であっても、特定のノード装置に機能が集中しているわけではないから、その故障したノード装置以外の他のノード装置によって円滑に上記決定を行うことができる。また、例えば上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置を新モデルに交換する場合であっても、そのノード装置が他のノード装置とは異なる特別の機能をもつことを要求されるわけではないから、迅速に交換を行うことができる。
【0030】
一実施形態のネットワークシステムでは、
上記コンピュータ装置は、このコンピュータ装置と上記情報取得要求がされたノード装置との間の接続について障害を検出する障害検出部と、
上記障害検出部が上記障害を検出したとき、上記複数台のノード装置のうち上記情報取得要求がされたノード装置から切り替えて、そのノード装置以外のいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行う情報取得要求切替部とを有することを特徴とする。
【0031】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記障害検出部がこのコンピュータ装置と上記情報取得要求がされたノード装置との間の接続について障害を検出する。上記障害検出部が上記障害を検出したとき、上記情報取得要求切替部は、上記複数台のノード装置のうち上記情報取得要求がされたノード装置から切り替えて、そのノード装置以外のいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行う。このため、上記障害が検出された場合であっても、上記情報取得要求切替部により、上記情報取得要求がされたノード装置から切り替えて、そのノード装置以外のいずれかのノード装置に対して自動的に上記情報取得要求を行うことができる。したがって、フォールトトレランスを実現できる。
【0032】
一実施形態のネットワークシステムでは、
上記障害検出部は、上記情報取得要求の後、予め定められた時間が経過しても上記情報送信部からデータが送信されなかったとき、上記障害が発生したと判断することを特徴とする。
【0033】
この一実施形態のネットワークシステムでは、上記情報取得要求の後、予め定められた時間が経過しても上記情報送信部から上記コンピュータ装置にデータが送信されてこなかったとき、上記障害検出部は、上記障害が発生したと判断する。したがって、より確実に上記障害を検出できる。
【0034】
この発明のノード装置群は、
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得し、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行うネットワークシステムにおける複数台のノード装置からなるノード装置群であって、
上記各ノード装置は、
このノード装置自身に対して上記情報取得要求が行われたとき、その情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部と、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する情報送信部と
を有することを特徴とする。
【0035】
この発明のノード装置群が含まれたネットワークシステムでは、上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行う。すなわち、上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行う。上記情報取得要求が行われたノード装置のセンサデータ探索部は、上記情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得する。そして、上記ノード装置の情報送信部は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する。
【0036】
このようにした場合、上記コンピュータ装置は、上記ノード装置に対して上記情報取得要求を行うとき、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行うだけでよい。このため、上記複数台のノード装置のそれぞれを特定して上記情報取得要求を行う必要がなく、所望のセンサデータがどのノード装置に保存されているか等の情報を保持する必要がない。したがって、上記コンピュータ装置は、ノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができる。また、上記コンピュータ装置に特別なソフトウェアや設定が必要ではなく、汎用のコンピュータ装置により上記情報取得要求を行うことができる。
【0037】
この発明のコンピュータ装置は、
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得し、
上記各ノード装置は、
このノード装置自身に対して上記情報取得要求が行われたとき、その情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部と、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する情報送信部と
を有するネットワークシステムにおけるコンピュータ装置であって、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行うことを特徴とする。
【0038】
この発明のコンピュータ装置が含まれたネットワークシステムでは、上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行う。すなわち、上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行う。上記情報取得要求が行われたノード装置のセンサデータ探索部は、上記情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得する。そして、上記ノード装置の情報送信部は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する。
【0039】
このようにした場合、上記コンピュータ装置は、上記ノード装置に対して上記情報取得要求を行うとき、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行うだけでよい。このため、上記複数台のノード装置のそれぞれを特定して上記情報取得要求を行う必要がなく、所望のセンサデータがどのノード装置に保存されているか等の情報を保持する必要がない。したがって、上記コンピュータ装置は、ノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができる。また、上記コンピュータ装置に特別なソフトウェアや設定が必要ではなく、汎用のコンピュータ装置により上記情報取得要求を行うことができる。
【0040】
この発明のセンサデータ送受信方法では、
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得するネットワークシステムにおけるセンサデータ送受信方法であって、
上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記コンピュータ装置が上記情報取得要求を行うステップと、
上記情報取得要求が行われたノード装置のセンサデータ探索部が、上記情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するステップと、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを、上記情報取得要求が行われたノード装置の情報送信部が上記コンピュータ装置に送信するステップと
を備えることを特徴とする。
【0041】
この発明のセンサデータ送受信方法では、上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行う。すなわち、上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行う。上記情報取得要求が行われたノード装置のセンサデータ探索部は、上記情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得する。そして、上記ノード装置の情報送信部は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する。
【0042】
このようにした場合、上記コンピュータ装置は、上記ノード装置に対して上記情報取得要求を行うとき、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行うだけでよい。このため、上記複数台のノード装置のそれぞれを特定して上記情報取得要求を行う必要がなく、所望のセンサデータがどのノード装置に保存されているか等の情報を保持する必要がない。したがって、上記コンピュータ装置は、ノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができる。また、上記コンピュータ装置に特別なソフトウェアや設定が必要ではなく、汎用のコンピュータ装置により上記情報取得要求を行うことができる。
【発明の効果】
【0043】
以上より明らかなように、この発明のネットワークシステム、ノード装置群、コンピュータ装置およびセンサデータ送受信方法によれば、コンピュータ装置がノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができるネットワークシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の一実施形態のネットワークシステムの概略構成を示す図である。
【図2】上記ネットワークシステムに含まれたクライアントPC(パーソナルコンピュータ)のブロック構成を示す図である。
【図3】上記ネットワークシステムに含まれたノード装置のブロック構成を示す図である。
【図4】上記ネットワークシステムに含まれたセンサ装置のブロック構成を示す図である。
【図5】上記ネットワークシステムの第1構成例において、上記ノード装置に含まれたCPUとメモリの機能面から表した構成要素を示す図である。
【図6】上記第1構成例において、上記センサ装置に含まれたメモリの機能面から表した構成要素を示す図である。
【図7】上記第1構成例において、上記クライアントPCがセンサデータを取得する動作を説明する図である。
【図8】上記ネットワークシステムの第2構成例において、上記クライアントPCが上記不快指数演算の結果を取得する動作を説明する図である。
【図9】上記第2構成例において、上記ノード装置によって不快指数演算を行う際に必要なセンサデータおよび上記不快指数演算の結果をまとめた図である。
【図10】上記第2構成例において、上記クライアントPCが上記電力量の時系列変化についてのグラフを取得する動作を説明する図である。
【図11A】上記第2構成例において、上記ノード装置によって電力量の時系列変化についてグラフを作成する際に必要なデータをまとめた図である。
【図11B】上記第2構成例において、上記ノード装置によって作成された上記電力量の時系列変化についてのグラフを示す図である。
【図12】上記第2構成例において、上記ノード装置に含まれたCPUとメモリの機能面から表した構成要素を示す図である。
【図13】上記ネットワークシステムの第3構成例において、上記クライアントPCに含まれたCPU(中央演算処理ユニット)の機能面から表した構成要素を示す図である。
【図14】上記クライアントPCと上記クライアントPCから情報取得要求がされたノード装置との間の接続に障害が発生した場合の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0046】
図1は、この発明の一実施形態のネットワークシステム(全体を符号1で示す。)の概略構成を示している。
【0047】
このネットワークシステム1は、コンピュータ装置としての1台のクライアントPC(パーソナルコンピュータ)10と、ノード装置群としての複数台のノード装置20A,20B,20C,…とを含んでいる。クライアントPC10とノード装置20A,20B,20C,…とは、ネットワークとしてのLAN(ローカルエリアネットワーク)2によって互いに通信可能に接続されている。複数台のノード装置20A,20B,20C,…の各々に、1台以上のセンサ装置30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,…が無線通信(この例では、無線LANとしてのWi−Fi(登録商標))を介して接続可能になっている。
【0048】
クライアントPC10は、図2のブロック構成に示すように、CPU(中央演算処理ユニット)11と、メモリ12と、電源部13と、表示部としてのLCD(液晶表示素子)表示部14と、LAN通信部15と、入力部としての入力装置16と、外部記憶装置17とを含んでいる。これらの各構成要素11,12,13,14,15,16,17は、配線19を介して互いに通信可能に接続されている。CPU11は、このクライアントPC10全体の動作を制御する。メモリ12は、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)を含み、各種データを記憶する。電源部13は、各構成要素11,12,14,15,16,17に対して定電圧(5V、12Vなど)で電力を供給する。LCD表示部14は、CPU11による制御に応じて各種画像を表示する。LAN通信部15は、このクライアントPC10がLAN2を介して、ノード装置20A,20B,20C,…、他の図示しないコンピュータ装置、端末装置等と通信するために働く。入力装置16は、キーボードやマウスを含み、ユーザがクライアントPC10に各種情報や指示を入力するために働く。外部記憶装置17は、ハードディスクドライブ、光ディスクなどを含み、クライアントPC10のためのオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトウェア(プログラム)を記憶している。
【0049】
各ノード装置20(ノード装置20A,20B,20C,…を代表して共通の符号20で表す。)は、図3のブロック構成に示すように、CPU21と、メモリ22と、電源部23と、LED(発光ダイオード)表示部24と、情報送信部としてのLAN通信部25と、無線通信部26とを含んでいる。これらの各構成要素21,22,23,24,25,26は、配線29を介して互いに通信可能に接続されている。CPU21は、この例ではクロック周波数1.1GHzで動作し、このノード装置20全体の動作を制御する。メモリ22は、この例ではフラッシュメモリとDRAM(記憶容量512MB)を含み、このノード装置20のためのOS(この例では、Linux(登録商標))やプログラム、各種データを記憶する。電源部23は、各構成要素21,22,24,25,26に対して定電圧(この例では、5V)で電力を供給する。LED表示部24は、電源部23による電力が供給されている期間中はLED(図示せず)を点灯させて、このノード装置20が動作していることを表示する。LAN通信部25は、このノード装置20がLAN2を介して、クライアントPC10や他のノード装置、他の図示しないコンピュータ装置、端末装置等と通信するために働く。無線通信部26は、このノード装置20が無線LANを介して、センサ装置30A,30B,30C,…と通信するために働く。この例では、1台のノード装置20に対して無線LANを介して64台までのセンサ装置が接続可能になっている。
【0050】
図5中に示すように、各ノード装置20のメモリ22は、この無線LANの接続のために、このノード装置20自身を識別するための識別番号(ID)を記憶した自己ID記憶部61を有している。センサデータ記憶部62は、このノード装置20自身に無線LANを介して接続されたセンサ装置からのセンサデータを記憶する。
【0051】
各センサ装置30(センサ装置30A,30B,30C,…を代表して共通の符号30で表す。)は、図4のブロック構成に示すように、CPU31と、メモリ32と、電源部33と、LED表示部34と、センサ接続部35と、無線通信部36とを含んでいる。これらの各構成要素31,32,33,34,35,36は、配線39を介して互いに通信可能に接続されている。センサ接続部35には、このセンサ装置30の用途に応じて、温度センサ41、照度センサ42、流速センサ43、加速度センサ44、圧力センサ45、湿度センサ46、電力量センサ47のうちの一つ、幾つか又は全部が接続される。なお、これらのセンサ41,42,43,44,45,46,47は、センサ装置30の筐体に内蔵されても良いし、センサ装置30の筐体の外部に付設されても良い。CPU31は、このセンサ装置30全体の動作を制御する。メモリ32は、この例ではフラッシュメモリとDRAMを含み、このセンサ装置30のためのプログラムや各種データを記憶する。電源部33は、各構成要素31,32,34,35,36およびセンサ41,42,43,44,45,46,47に対して定電圧(この例では、3V)で電力を供給する。LED表示部34は、複数個のLED(図示せず)を含み、CPU31による制御に応じてそれぞれのLEDを点灯または点滅させる。これにより、LED表示部34は、このセンサ装置30の電源がオンしているか否か、また、いずれかのノード装置20A,20B,20C,…と無線通信を行っているか否か等の各種状態を表示する。センサ接続部35は、温度センサ41、照度センサ42、流速センサ43、加速度センサ44、圧力センサ45、湿度センサ46、電力量センサ47のうち接続されているセンサからセンサデータを、このセンサ装置30に取り込むために働く。これにより、このセンサ装置30は、外部から特段の指示を受けなくても、自律的にセンサデータを取得する。無線通信部36は、このセンサ装置30が無線LANを介して、いずれかのノード装置20A,20B,20C,…と通信するために働く。
【0052】
図6中に示すように、各センサ装置30のメモリ32は、この無線LANの接続のために、このセンサ装置30を識別するための識別番号(ID)を記憶した自己ID記憶部71を有している。センサデータ記憶部72は、このセンサ装置30自身に取り込まれたセンサデータを記憶する。接続先ノードID記憶部73は、このセンサ装置30自身と無線通信を介して接続すべきノード装置(ノード装置20A,20B,20C,…のうちのいずれか一つ)の識別番号(ID)を記憶する。
【0053】
図1の例では、3台のセンサ装置30A,30B,30Cは、無線LANを介してノード装置20Aに接続されている一方、他のノード装置20B,20C,…には接続されていない。2台のセンサ装置30D,30Eは、無線LANを介してノード装置20Bに接続されている一方、他のノード装置20A,20C,…には接続されていない。2台のセンサ装置30F,30G,…は、無線LANを介してノード装置20Cに接続されている一方、他のノード装置20A,20B,…には接続されていない。
【0054】
このような接続構成に応じて、ノード装置20Aは、このノード装置20A自身に無線LANを介して接続されたセンサ装置30A,30B,30Cからセンサデータを取得して、このノード装置20A自身に内蔵されたメモリ22(のセンサデータ記憶部62)に保存する。ノード装置20Bは、このノード装置20B自身に無線LANを介して接続されたセンサ装置30D,30Eからセンサデータを取得して、このノード装置20B自身に内蔵されたメモリ22に保存する。また、ノード装置20Cは、このノード装置20C自身に無線LANを介して接続されたセンサ装置30F,30Gからセンサデータを取得して、このノード装置20C自身に内蔵されたメモリ22に保存する。各ノード装置20A,20B,20C,…は、自身に接続されていないセンサ装置からセンサデータを直接受け取ることはない。
【0055】
クライアントPC10は、LAN2を介して、1台以上のセンサ装置30A,30B,30C,…のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータまたは上記センサデータに基づいて得られる演算結果データを特定して情報取得要求を行う。
【0056】
従来技術の問題点として上述したように、そのような情報取得要求を行う場合、例えば複数台のノード装置20A,20B,20C,…に所望のセンサデータが保存されている場合には、クライアントPC10は、上記複数台のノード装置のそれぞれを特定して上記情報取得要求を行う処理が必要となり、時間がかかるという問題がある。また、新たなノード装置を追加する場合には、クライアントPC10においてノード装置についての情報を更新する処理が必要となり、手間がかかるという問題がある。
【0057】
(第1構成例)
そこで、このネットワークシステム1の第1構成例では、機能面から見ると、図5中に示すように、各ノード装置20のCPU21は、センサデータ探索部51を有している(このセンサデータ探索部51は、ソフトウェアによって構成されている)。
【0058】
各ノード装置20のセンサデータ探索部51は、クライアントPC10からの上記情報取得要求に応じて、各ノード装置20A,20B,20C,…のセンサデータ記憶部62を探索してセンサデータを取得する。そして、各ノード装置20のLAN通信部25(図3参照)は、センサデータ探索部51が取得したセンサデータをクライアントPC10に送信する。また、LAN通信部25は、上記センサデータをクライアントPC10に送信する。
【0059】
次に、図7を用いて、クライアントPC10がセンサデータ取得要求Sをしてから、クライアントPC10に上記センサデータが送信されるまでの流れについて、詳細に説明する(適宜、図4,図5,図6中の符号を用いる)。
【0060】
図7に示すように、ノード装置20AのIDをX(NODE ID=X)、ノード装置20BのIDをY(NODE ID=Y)、ノード装置20CのIDをZ(NODE ID=Z)とする。また、ノード装置20Aのサービスセット識別子(SSID)を1(NODE SSID=1)、ノード装置20BのSSIDを2(NODE SSID=2)、ノード装置20CのSSIDを3(NODE SSID=3)とする。
【0061】
また、センサ装置30AのIDを1(センサ装置ID=1)、センサ装置30BのIDを2(センサ装置ID=2)、センサ装置30DのIDを3(センサ装置ID=3)、センサ装置30FのIDを4(センサ装置ID=4)とする。センサ装置30Aには、温度センサ41と湿度センサ46とが接続されている。また、センサ装置30Bには電力量センサ47、センサ装置30Dには温度センサ41と湿度センサ46と電力量センサ47、センサ装置30Fには電力量センサ47がそれぞれ接続されている。ここで、温度センサ41のセンサ種別IDを1(IDS=1)、湿度センサ46のセンサ種別IDを2(IDS=2)、電力量センサ47のセンサ種別IDを3(IDS=3)とする。
【0062】
センサ装置30A,30Bは、接続先ノードID記憶部73に「NODE SSID=1」を記憶しており、無線LANを介してノード装置20Aに接続されている。また、センサ装置30Dは、接続先ノードID記憶部73に「NODE SSID=2」を記憶しており、無線LANを介してノード装置20Bに接続されている。さらに、センサ装置30Fは、接続先ノードID記憶部73に「NODE SSID=3」を記憶しており、無線LANを介してノード装置20Cに接続されている。また、ノード装置20A,20B,20Cは、それぞれLAN2およびHUB3を介して、お互いに接続され、また、クライアントPC10に接続されている。
【0063】
まず、センサ装置30A,30B,30D,30Fは、それぞれ一定期間毎にセンサデータを測定して、無線LANを介して接続されているノード装置に送信する。
【0064】
次にノード装置20A,20B,20Cは、それぞれ上記センサデータを取得して、メモリ22のセンサデータ記憶部62に保存する。例えば、ノード装置20Aのセンサデータ記憶部62には、「センサ装置ID=1」のセンサ装置30Aにおける「センサ種別IDS=1」のセンサによる「センサデータ1−1−1」および「センサデータ1−1−2」が保存されている。また、「センサ装置ID=1」のセンサ装置30Aにおける「センサ種別IDS=2」のセンサによる「センサデータ1−2−1」および「センサデータ1−2−2」が保存されている。さらに、「センサ装置ID=2」のセンサ装置30Bにおける「センサ種別IDS=3」のセンサによる「センサデータ2−3−1」,「センサデータ2−3−2」,「センサデータ2−3−3」および「センサデータ2−3−4」が保存されている。ここで、「センサデータ」の後の3つの数字は、一番前からこのセンサデータを取得したセンサ装置ID,センサデータのセンサ種別IDS,センサデータを測定した順番を示している。ノード装置20B,20Cのセンサデータ記憶部62にも、それぞれ図7中に示すように、「センサ装置ID=3」のセンサ装置30Dからのセンサデータ、「センサ装置ID=4」のセンサ装置30Fからのセンサデータが保存されている。
【0065】
この状態で、クライアントPC10は、例えばノード装置20A(NODE ID=X)に対して、複数台のノード装置20A,20B,20C,…が各センサ装置30から取得したセンサ種別が「1」(IDS=1)のセンサデータ全ての取得を要求するセンサデータ取得要求Sを行う。ノード装置20Aは、自己ID記憶部61に「NODE ID=X」を記憶していることから、上記センサデータ取得要求Sに応答する。詳しくは、上記センサデータ取得要求Sに対して、ノード装置20Aのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62に保存している「IDS=1」のセンサデータを探索する一方、他のノード装置20B,20Cに対してセンサデータ取得要求Sを行う。
【0066】
上記ノード装置20Aのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62から「センサデータ1−1−1」および「センサデータ1−1−2」を取得する。一方、ノード装置20Bは、ノード装置20Aのセンサデータ取得要求Sに応じて、センサデータ記憶部62の「センサデータ3−1−1」および「センサデータ3−1−2」をLAN通信部25を介してノード装置20Aに送信する。一方、ノード装置20Cは、ノード装置20Aのセンサデータ取得要求Sに対応するセンサデータをセンサデータ記憶部62に保存していないので、「該当データ無し」の応答をLAN通信部25を介してノード装置20Aに送信する。
【0067】
そして、ノード装置20AのLAN通信部25は、「センサデータ1−1−1」および「センサデータ1−1−2」と、「センサデータ3−1−1」および「センサデータ3−1−2」と、「NODE ID=Z,該当データなし」とをクライアントPC10に送信する。クライアントPC10のメモリ12には、それらのデータが得られる。
【0068】
このようにした場合、クライアントPC10は、ノード装置に対して情報取得要求を行うとき、複数台のノード装置20A,20B,20C,…のうちいずれかのノード装置(上の例ではノード装置20A)に対して情報取得要求を行うだけでよい。このため、複数台のノード装置20A,20B,20C,…のそれぞれを特定して情報取得要求を行う必要がなく、所望のセンサデータがどのノード装置に保存されているか等の情報を保持する必要がない。したがって、クライアントPC10は、ノード装置に簡単な処理によって短時間で情報取得要求を行うことができる。また、クライアントPC10に特別なソフトウェアや設定が必要ではなく、クライアントPC10のような汎用のコンピュータ装置により情報取得要求を行うことができる。
【0069】
(第2構成例)
次に、上記ネットワークシステム1の第2構成例について説明する。
【0070】
図12は、上記ネットワークシステム1の第2構成例において、ノード装置20に含まれたCPU21とメモリ22の機能面から表した構成要素を示している。この図12において、図5中の構成要素と同一の構成要素については、図5中の参照番号と同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0071】
この第2構成例では、機能面から見ると、図12中に示すように、各ノード装置20のCPU21は、演算部52と、第1のグラフ作成部および第2のグラフ作成部としてのグラフ作成部53と、自己負荷検出部54と、接続切替決定部55とを有している(これらの演算部52と、グラフ作成部53と、自己負荷検出部54と、接続切替決定部55は、それぞれソフトウェアによって構成されている)。また、各ノード装置20のメモリ22は、自己負荷状況記憶部63を有している。なお、演算部52およびグラフ作成部53については後述する。
【0072】
各ノード装置20の自己負荷検出部54は、或る長さをもつ期間毎にこのノード装置20自身の負荷を検出する。この例では、自己負荷検出部54は、このノード装置20自身の負荷として、或る長さをもつ期間としての5分間のタイムスロットΔt,Δt,…毎に、そのノード装置20に内蔵されたCPU21の稼働率の平均値C11,C12,…を検出する(なお、CPU21の稼働率は、稼働状況に応じて0%から100%までの値をとり得る。)。そして、複数台のノード装置20A,20B,20C,…の自己負荷検出部54が、全体としてノード負荷検出部として働いて、互いに同期してそれぞれ上記タイムスロットΔt,Δt,…毎にそれらのノード装置20A,20B,20C,…の負荷を検出する。
【0073】
各ノード装置20の自己負荷状況記憶部63は、このノード装置20自身の上記検出された負荷を記憶する。そして、複数台のノード装置20A,20B,20C,…の自己負荷状況記憶部63が、互いに同期して、それぞれ上記タイムスロットΔt,Δt,…毎にそれらのノード装置20A,20B,20C,…の負荷を記憶する。
【0074】
この例では、図1中の複数台のノード装置20A,20B,20C,…のうち情報取得要求を受けた第3のノード装置としてのノード装置20AのCPU稼働率(平均値)が上限値(この例では70%)を超えており、情報取得要求を受けていない第4のノード装置としてのノード装置20BのCPU稼働率(平均値)が下限値(この例では30%)を下回っていたものとする。
【0075】
この場合、ノード装置20Aに配置された接続切替決定部55(図12参照)とノード装置20Bに配置された接続切替決定部55とは、それぞれの自己負荷状況記憶部63に記憶された自己負荷状況を知らせ合って、ノード装置20Aとノード装置20Bとの間で負荷を平準化するように、ノード装置20Aとノード装置20Bとの間で上記情報取得要求に応えるべきノード装置を切り替える決定を行う。この例では、情報取得要求を受けたノード装置20Aから切り替えて、上記情報取得要求に応えるべきノード装置として、負荷が最小のノード装置20Bを設定する。したがって、複数台のノード装置(上の例では、ノード装置20Aとノード装置20B)の間で負荷を平準化できる。
【0076】
上記情報取得要求に応えるべきノード装置として設定されたノード装置20Bは、さらに別のノード装置(例えば20Dとする。)と自己負荷状況を知らせ合って、ノード装置20Cとノード装置20Dとの間で負荷を平準化するように、上記情報取得要求に応えるべきノード装置を切り替える決定を行う。このようにして順次、2つのノード装置の間で、上記情報取得要求に応えるべきノード装置を切り替える決定を行う。
【0077】
この結果、ネットワークシステム1全体としてのパフォーマンスを向上させることができる。例えば、クライアントPC10に対して、複数台のノード装置20A,20B,20C,…のうちいずれかのノード装置からの返信が届きにくいという事態を避けることができる。また、無線通信のための電波状態、ネットワークのトラフィック、各センサ装置が収集するセンサデータ数などの状況が日々刻々変わったとしても、このネットワークシステム1は常に良好なパフォーマンスを示すことができる。
【0078】
つまり、クライアントPC10がデータ要求を行ったとき、そのデータ要求に対する応答が或る時には早いが、別の時には遅くなるということがなく、応答時間を均一化できる。したがって、ユーザは、作業計画を立て易くなる。
【0079】
また、このネットワークシステム1では、複数台のノード装置20A,20B,20C,…の間で効果的に負荷を平準化できるので、上記情報取得要求の際に、複数台のノード装置20A,20B,20C,…のうちいずれのノード装置に上記情報取得要求をすべきかを、ユーザが予め設定する必要がない。したがって、ユーザは容易に上記情報取得をすることができる。
【0080】
また、このネットワークシステム1では、例えば複数台のノード装置20A,20B,20C,…のうちいずれかのノード装置が故障した場合であっても、特定のノード装置に機能が集中しているわけではないから、その故障したノード装置以外の他のノード装置によって円滑に決定を行うことができる。また、例えば複数台のノード装置20A,20B,20C,…のうちいずれかのノード装置を新モデルに交換する場合であっても、そのノード装置が他のノード装置とは異なる特別の機能をもつことを要求されるわけではないから、迅速に交換を行うことができる。
【0081】
次に、図8,図9を用いて、図12中に示した演算部52を機能させることによって、クライアントPC10がノード装置に演算結果データを要求して取得する場合について説明する(適宜、図4,6,12中の符号を用いる)。
【0082】
各ノード装置20の演算部52は、センサデータ探索部51が取得したセンサデータに基づいて、上記情報取得要求に応じた演算結果データを演算して得る。そして、各ノード装置20のLAN通信部25(図3参照)は、センサデータ探索部51が取得したセンサデータに基づいて演算部52が演算した結果得られる演算結果データをクライアントPC10に送信する。
【0083】
図8に示すように、センサ装置30A,30B,30D,30F、ノード装置20A,20B,20C、クライアントPC10は、図7と同様に接続されている。ノード装置20A,20B,20Cのセンサデータ記憶部62には、図7と同様に、それぞれセンサデータが保存されている。
【0084】
この状態で、クライアントPC10は、例えば第1のノード装置としてのノード装置20A(NODE ID=X)に対して、センサ装置30A(センサ装置ID=1)およびセンサ装置30D(センサ装置ID=3)を設置した場所付近における不快指数について第1の情報取得要求としての演算結果取得要求Cを行う。具体的には、センサ種別が「1」(IDS=1)であるセンサデータ(温度:T)とセンサ種別が「2」(IDS=2)であるセンサデータ(湿度:H)を指定して、これらのセンサデータに基づいて得られる不快指数の演算結果取得要求Cを行う。ここで、不快指数を算出するための演算式は、
Y=0.81T+0.01H(0.99T-14.3)+46.3 …(1)
である。
【0085】
上記演算結果取得要求Cに応じて、上記ノード装置20Aのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62に保存している「センサ装置ID=1」および「センサ装置ID=3」について、それぞれ「IDS=1」および「IDS=2」であるセンサデータを探索する一方、他のノード装置20B,20Cに対してセンサデータ取得要求Sを行う。
【0086】
上記ノード装置20Aのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62から「センサデータ1−1−1」,「センサデータ1−1−2」,「センサデータ1−2−1」および「センサデータ1−2−2」を取得する。一方、ノード装置20Bは、ノード装置20Aのセンサデータ取得要求Sに応じて、センサデータ記憶部62の「センサデータ3−1−1」,「センサデータ3−1−2」,「センサデータ3−2−1」および「センサデータ3−2−2」をLAN通信部25を介してノード装置20Aに送信する。一方、ノード装置20Cは、ノード装置20Aのセンサデータ取得要求Sに対応するセンサデータをセンサデータ記憶部62に保存していないので、「該当データ無し」の応答をLAN通信部25を介してノード装置20Aに送信する。
【0087】
次に、ノード装置20Aの演算部52は、センサデータ探索部51が取得したセンサデータに基づいて、上記式(1)を用いて不快指数を算出する。この例では、図9に示すように、演算部52は、「センサデータ1−1−1」および「センサデータ1−2−1」からセンサ装置30Aを設置した場所付近における不快指数の演算結果Y1(ID=1)を算出する。また、演算部52は、「センサデータ1−1−2」および「センサデータ1−2−2」から不快指数の演算結果Y2(ID=1)を算出する。さらに、演算部52は、「センサデータ3−1−1」および「センサデータ3−2−1」からセンサ装置30Dを設置した場所付近における不快指数の演算結果Y1(ID=3)を算出する。また、演算部52は、「センサデータ3−1−2」および「センサデータ3−2−2」から不快指数の演算結果Y2(ID=3)を算出する。
【0088】
そして、ノード装置20AのLAN通信部25は、不快指数の演算結果Y1(ID=1),Y2(ID=1),Y1(ID=3)およびY2(ID=3)をクライアントPC10に送信する。
【0089】
次に、図10,図11A,図11Bを用いて、図12中に示したグラフ作成部53を機能させることによって、クライアントPC10がノード装置にグラフのデータを要求して取得する場合について説明する(適宜、図4,6,12中の符号を用いる)。
【0090】
各ノード装置20のグラフ作成部53は、センサデータ探索部51が取得したセンサデータに基づいて、上記情報取得要求に応じたグラフのデータを作成する。そして、各ノード装置20のLAN通信部25(図3参照)は、センサデータ探索部51が取得したセンサデータに基づいてグラフ作成部53が作成したグラフのデータをクライアントPC10に送信する。
【0091】
図10に示すように、センサ装置30A,30B,30D,30F、ノード装置20A,20B,20C、クライアントPC10は、図7と同様に接続されている。ノード装置20A,20B,20Cのセンサデータ記憶部62には、図7と同様に、それぞれセンサデータが保存されている。
【0092】
この状態で、クライアントPC10は、例えば第2のノード装置としてのノード装置20C(NODE ID=Z)に対して、センサ装置30B(センサ装置ID=2),センサ装置30D(センサ装置ID=3)およびセンサ装置30F(センサ装置ID=4)によって測定された電力量の時系列変化を示すグラフについて第2の情報取得要求としてのグラフのデータ取得要求Gを行う。具体的には、センサ種別が「3」(IDS=3)であるセンサデータ(電力量)を指定して、このセンサデータに基づいて得られる電力量の時系列変化を各センサ装置(センサ装置ID=2,3,4)について比較して示すグラフのデータ取得要求Gを行う。
【0093】
上記グラフのデータ取得要求Gに応じて、上記ノード装置20Cのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62に保存している「IDS=3」であるセンサデータを探索する一方、他のノード装置20A,20Bに対して上記センサデータ取得要求を行う。
【0094】
上記ノード装置20Cのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62から「センサデータ4−3−1」,「センサデータ4−3−2」,「センサデータ4−3−3」および「センサデータ4−3−4」を取得する。一方、ノード装置20Aは、ノード装置20Cの上記センサデータ取得要求に応じて、センサデータ記憶部62の「センサデータ2−3−1」,「センサデータ2−3−2」,「センサデータ2−3−3」および「センサデータ2−3−4」をLAN通信部25を介してノード装置20Cに送信する。また、ノード装置20Bは、ノード装置20Cの上記センサデータ取得要求に応じて、センサデータ記憶部62の「センサデータ3−3−1」,「センサデータ3−3−2」,「センサデータ3−3−3」および「センサデータ3−3−4」をLAN通信部25を介してノード装置20Cに送信する。
【0095】
上記センサデータ探索部51が取得したセンサデータは、図11Aに示すように、各測定時刻hhmmss1〜hhmmss4において各センサ装置(センサ装置ID=2,3,4)が測定した電力量である。そして、ノード装置20Cのグラフ作成部53は、図11Bに示すように、上記センサデータから、各センサ装置が測定した電力量の時系列変化を示すグラフを作成する。なお、図11Bでは、横軸が測定時刻hhmmss、縦軸が電力量の測定値をそれぞれ表している。
【0096】
次に、ノード装置20CのLAN通信部25は、図10中に示すように、上記グラフの画像データをクライアントPC10に送信する。したがって、クライアントPC10は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータまたはこのセンサデータに基づいて得られる演算結果データに基づいてグラフを作成する手間や時間をかけずに、上記グラフを入手できる。
【0097】
ここで、クライアントPC10は、図8,図9を用いて説明した第1のノード装置としてのノード装置20Aに対する第1の情報取得要求としての演算結果取得要求Cを行うのと並行して、図10,図11A,図11Bを用いて説明した第2のノード装置としてのノード装置20Cに対する第2の情報取得要求としてのグラフのデータ取得要求Gを行うことができる。このようにした場合、複数台のノード装置(上の例ではノード装置20Aとノード装置20C)の間で、ノード装置の負荷を分散させることができる。したがって、ネットワークシステム全体としてのパフォーマンスを向上できる。
【0098】
(第3構成例)
次に、上記ネットワークシステム1の第3構成例について説明する。
【0099】
図13は、上記ネットワークシステム1の第3構成例において、クライアントPC10に含まれたCPU11の機能面から表した構成要素を示している。CPU11は、障害検出部91と、情報取得要求切替部92とを有している(これらの障害検出部91と、情報取得要求切替部92は、それぞれソフトウェアによって構成されている)。クライアントPC10の障害検出部91は、クライアントPC10と上記情報取得要求がされたノード装置との間の接続について障害を検出する。障害検出部91が上記障害を検出したとき、クライアントPC10の情報取得要求切替部92は、各ノード装置20A,20B,20C,…のうち上記情報取得要求がされたノード装置から切り替えて、そのノード装置以外のいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行う。
【0100】
次に、図14を用いて、クライアントPC10とセンサデータ取得要求Sがされたノード装置20Aとの間の接続について障害が発生した場合に、クライアントPC10がノード装置20Bに対して、センサデータ取得要求Sを行う流れについて説明する(適宜、図5,6,13中の符号を用いる)。
【0101】
図14に示すように、センサ装置30A,30B,30D,30Fと、ノード装置20A,20B,20Cと、クライアントPC10とは、図7と同様に接続されている。ノード装置20A,20B,20Cのセンサデータ記憶部62には、図7と同様に、それぞれセンサデータが保存されている。
【0102】
この状態で、クライアントPC10は、ノード装置20A(NODE ID=X)に対してセンサ種別が「3」(IDS=3)であるセンサデータ取得要求Sを行う。
このとき、クライアントPC10とノード装置20Aとの間のLAN2で断線があったとする。この場合、センサデータ取得要求Sの後、予め定められた時間(例えば1分)が経過してもノード装置20AのLAN通信部25からクライアントPC10にデータが送信されてこないため、クライアントPC10の障害検出部91は、クライアントPC10とノード装置20Aとの間の接続について障害が発生したと判断する。これにより、障害検出部91は、より確実に上記障害を検出できる。
【0103】
上記障害検出部91が上記障害を検出したとき、クライアントPC10の情報取得要求切替部92は、ノード装置20Aから切り替えて、ノード装置20Bに対してセンサデータ取得要求Sを行う。
【0104】
上記ノード装置20Bのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62に保存している「IDS=3」のセンサデータを探索する一方、ノード装置20Cに対してセンサデータ取得要求Sを行う。なお、ノード装置20Aは、上記障害によりノード装置20Bのセンサデータ取得要求Sを受信できない。
【0105】
上記ノード装置20Bのセンサデータ探索部51は、センサデータ記憶部62から「センサデータ3−3−1」,「センサデータ3−3−2」,「センサデータ3−3−3」および「センサデータ3−3−4」を取得する。また、ノード装置20Cは、ノード装置20Bのセンサデータ取得要求Sに応じて、センサデータ記憶部62の「センサデータ4−3−1」,「センサデータ4−3−2」,「センサデータ4−3−3」および「センサデータ4−3−4」をLAN通信部25を介してノード装置20Bに送信する。
【0106】
そして、ノード装置20BのLAN通信部25は、「センサデータ3−3−1」,「センサデータ3−3−2」,「センサデータ3−3−3」および「センサデータ3−3−4」と、「センサデータ4−3−1」,「センサデータ4−3−2」,「センサデータ4−3−3」および「センサデータ4−3−4」と、ノード装置20Aからの応答がない旨を表すデータ「NODE ID=X,無応答」とをクライアントPC10に送信する。
【0107】
このように、この第3構成例では、上記障害が検出された場合であっても、情報取得要求切替部92により、ノード装置20Aから切り替えて、このノード装置20A以外のノード装置20Bに対して自動的にセンサデータ取得要求Sを行う。したがって、フォールトトレランスを実現できる。
【0108】
上述の実施形態では、ネットワークシステム1は、コンピュータ装置として1台のクライアントPC10を含んだが、これに限られるものではない。ネットワークシステム1は、複数台のクライアント装置を含んでも良いし、サーバ装置、ホストコンピュータなど、ネットワークを介して通信可能な様々なコンピュータを含んでも良い。
【0109】
上述の実施形態では、コンピュータ装置としての1台のクライアントPC10と、ノード装置20A,20B,20C,…は、ネットワークとしてのLAN2で接続されているものとしたが、これに限られるものではない。コンピュータ装置とノード装置とをつなぐネットワークは、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのコンピュータネットワークであっても良く、また、有線または無線を問わない。
【0110】
上述の実施形態では、ノード装置20A,20B,20Cは、無線LANを識別するためのSSIDを有していたが、これに限られるものではない。他のネットワークとしてのLANと識別できるものであれば良い。
【0111】
上述の実施形態では、複数台のノード装置20A,20B,20C,…の各々に、1台以上のセンサ装置30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,…が無線LANとしてのWi−Fi(登録商標))を介して接続可能になっていたが、これにかぎられるものではない。ノード装置とセンサ装置とが通信可能に接続されれば良く、また、有線または無線を問わない。
【0112】
上述の実施形態では、ノード装置のグラフ作成部53は、センサ装置30B,30D,30Fが測定したセンサデータからグラフを作成していたが、これに限られるものではない。他のセンサデータや、センサデータに基づいて算出した演算結果からグラフを作成しても良い。
【符号の説明】
【0113】
1 ネットワークシステム
2 LAN
10 クライアントPC
14 LCD表示部
16 入力装置
20,20A,20B,20C ノード装置
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G センサ装置
S センサデータ取得要求
C 演算結果データ取得要求
G グラフのデータ取得要求

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得するネットワークシステムにおいて、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行い、
上記各ノード装置は、
このノード装置自身に対して上記情報取得要求が行われたとき、その情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部と、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する情報送信部と
を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
上記各ノード装置は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータに基づいて演算を行って演算結果データを求める演算部を有し、
上記コンピュータ装置は、上記演算結果データを特定して上記情報取得要求を行い、
上記コンピュータ装置によって特定された上記演算結果データを有するノード装置の上記情報送信部は、その演算結果データを上記コンピュータ装置に送信すること特徴とするネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
上記各ノード装置は、上記センサデータ探索部が取得したセンサデータに基づいてグラフを作成する第1のグラフ作成部を有し、
上記コンピュータ装置は、上記グラフのデータを特定して上記情報取得要求を行い、
上記コンピュータ装置によって特定された上記グラフのデータを有するノード装置の上記情報送信部は、そのグラフのデータを上記コンピュータ装置に送信すること特徴とするネットワークシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のネットワークシステムにおいて、
上記各ノード装置は、上記演算部が演算した上記演算結果データに基づいてグラフを作成する第2のグラフ作成部を有し、
上記コンピュータ装置は、上記グラフのデータを特定して上記情報取得要求を行い、
上記コンピュータ装置によって特定された上記グラフのデータを有するノード装置の上記情報送信部は、そのグラフのデータを上記コンピュータ装置に送信すること特徴とするネットワークシステム。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載のネットワークシステムにおいて、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうち第1のノード装置に対して第1の情報取得要求を行うのと並行して、上記第1のノード装置とは異なる第2のノード装置に対して上記第1の情報取得要求とは異なる第2の情報取得要求を行うこと特徴とするネットワークシステム。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一つに記載のネットワークシステムにおいて、
或る長さをもつ期間毎に上記各ノード装置の負荷を検出するノード負荷検出部と、
上記複数台のノード装置の間で上記負荷を平準化するように、上記情報取得要求を受けたノード装置から切り替えて、上記情報取得要求に応えるべきノード装置を設定する負荷平準化部とを備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のネットワークシステムにおいて、
上記負荷平準化部は、上記複数台のノード装置の各々に配置された決定部を含み、
上記複数台のノード装置のうち第3のノード装置に配置された決定部と第4のノード装置に配置された決定部とは、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記負荷を平準化するように、上記第3のノード装置と上記第4のノード装置との間で上記情報取得要求に応えるべきノード装置を切り替える決定を行うことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一つに記載のネットワークシステムにおいて、
上記コンピュータ装置は、このコンピュータ装置と上記情報取得要求がされたノード装置との間の接続について障害を検出する障害検出部と、
上記障害検出部が上記障害を検出したとき、上記複数台のノード装置のうち上記情報取得要求がされたノード装置から切り替えて、そのノード装置以外のいずれかのノード装置に対して上記情報取得要求を行う情報取得要求切替部とを有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のネットワークシステムにおいて、
上記障害検出部は、上記情報取得要求の後、予め定められた時間が経過しても上記情報送信部からデータが送信されなかったとき、上記障害が発生したと判断することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項10】
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得し、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行うネットワークシステムにおける複数台のノード装置からなるノード装置群であって、
上記各ノード装置は、
このノード装置自身に対して上記情報取得要求が行われたとき、その情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部と、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する情報送信部と
を有することを特徴とするノード装置群。
【請求項11】
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得し、
上記各ノード装置は、
このノード装置自身に対して上記情報取得要求が行われたとき、その情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するセンサデータ探索部と、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを上記コンピュータ装置に送信する情報送信部と
を有するネットワークシステムにおけるコンピュータ装置であって、
上記コンピュータ装置は、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記情報取得要求を行うことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項12】
少なくとも1台のコンピュータ装置と複数台のノード装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、上記複数台のノード装置の各々に1台以上のセンサ装置が無線通信または有線通信を介して接続可能であり、
上記各ノード装置は、このノード装置自身に接続された上記センサ装置からセンサデータを取得して、このノード装置自身に内蔵されたセンサデータ記憶部に保存し、
上記コンピュータ装置は、上記ネットワークを介して、上記1台以上のセンサ装置のうち1台または2台以上のいずれかのセンサ装置からのセンサデータを特定して情報取得要求を行って、上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置から取得するネットワークシステムにおけるセンサデータ送受信方法であって、
上記複数台のノード装置のうちいずれかのノード装置に対して、上記コンピュータ装置が上記情報取得要求を行うステップと、
上記情報取得要求が行われたノード装置のセンサデータ探索部が、上記情報取得要求に応じて、上記複数台のノード装置の上記センサデータ記憶部を探索してセンサデータを取得するステップと、
上記センサデータ探索部が取得したセンサデータを、上記情報取得要求が行われたノード装置の情報送信部が上記コンピュータ装置に送信するステップと
を備えることを特徴とするセンサデータ送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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