説明

ネットワークシステム、在不在判断方法、およびコントローラ

【課題】より正確に部屋の中に人がいるか否かを判断することができるネットワークシステム、在不在判断方法、およびコントローラを提供する。
【解決手段】部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサ200Aと、入り口近傍のエリアよりも部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサ200Bと、コントローラ100とを備えるネットワークシステム1が提供される。コントローラ100は、第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信し、第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するための通信インターフェイスと、第1および第2の情報に基づいて、部屋に人がいるか否かを判断するプロセッサとを含む

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人感センサを利用することによって部屋の中に人がいるか否かを判断するためのネットワークシステム、在不在判断方法、およびコントローラの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅やオフィスなどの部屋に人がいるか否かを検知するための人感センサが知られている。そして、人感センサを他の装置のスイッチとして利用する技術も知られている。
【0003】
たとえば、特開2007−227330号公報(特許文献1)には、人感センサ付天井直付け照明器具が開示されている。特開2007−227330号公報(特許文献1)によると、天井直付け照明器具の点灯動作切り替えモードにおいて、通常の常時点灯する保安灯モードに加え、さらに人感センサ待機モードが設けられる。人感センサ待機モードには、感知終了後、保安灯は遅延回路により数十秒間点灯後、徐徐に暗くなり消灯するフェードアウト機能が設けられる。人感センサ部は、照明器具本体の器具本体周縁部に照明器具本体の中心から離れる方向に露出して設けられている。
【0004】
また、特開2009−108488号公報(特許文献2)には、門柱および玄関アプローチ構造が開示されている。特開2009−108488号公報(特許文献2)によると、当該構造は、敷地外部側の正面板材と、建物側の背面板材と、これら正面板材および背面板材間に設けられる門柱用機器とを備える。この門柱用機器は、人感センサと、この人感センサが人体等の発熱を感知した際に点灯する本体照明とを備える。この人感センサの感知エリアは、人感センサおよび正面板材の側端部どうしの延長線と、人感センサおよび背面板材の側端部どうしの延長線との間の範囲内である。これにより、正面板材および背面板材に対して真正面から近づく者は感知せずに、正面板材および背面板材の側方から近づく者だけを感知できる。
【0005】
また、特開2005−222726号公報(特許文献3)には、照明システム及び照明手法が開示されている。特開2005−222726号公報(特許文献3)によると、照明システムは、街路の一部を所定の検知エリアとしこの検知エリア内における人の存在の有無を検知する人感センサと、街路に隣接された建物に設けられ人感センサが人の存在を有と検知したときに動作する照明器具とを備える。照明器具は、動作の変化が検知エリア内にいる人から認識できるとともに照明器具の照射範囲の少なくとも一部の範囲が検知エリア内にいる人から見て死角となるように設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−227330号公報
【特許文献2】特開2009−108488号公報
【特許文献3】特開2005−222726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、人感センサは所定時間以上停止している人を検知できない場合がある。すなわち、部屋の中に人がいるかを判断する場合において、当該部屋の中にいる人が所定時間以上停止している場合には、人感センサを利用しても部屋の中に人がいないと判断されてしまう虞がある。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、より正確に部屋の中に人がいるか否かを判断することができるネットワークシステム、在不在判断方法、およびコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従うと、部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサと、入り口近傍のエリアよりも部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサと、コントローラとを備えるネットワークシステムが提供される。コントローラは、第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信し、第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するための通信インターフェイスと、第1および第2の情報に基づいて、部屋に人がいるか否かを判断するプロセッサとを含む。
【0010】
好ましくは、プロセッサは、第2の人感センサが人を検知したときから、第1の人感センサが人を検知しつつ第2の人感センサが人を検知しないときまでの間、部屋に人がいると判断し、部屋に人がいると判断したときから、第2の人感センサが人を検知するときまでの間、部屋に人がいないと判断する。
【0011】
好ましくは、プロセッサは、第2の人感センサが人を検知すると、部屋に人がいると判断し、第1の人感センサが人を検知しつつ第2の人感センサが人を検知しないと、部屋に人がいないと判断する。
【0012】
好ましくは、プロセッサは、第2の人感センサが人を検知したときから、第1の人感センサが人を検知しつつ第2の人感センサが人を検知しない状態を経た後に、第1の人感センサが人を検知しないときまでの間、部屋に人がいると判断し、部屋に人がいると判断したときから、第1および第2の人感センサの少なくともいずれかが人を検知するときまでの間、部屋に人がいないと判断する。
【0013】
好ましくは、プロセッサは、第1または第2の人感センサが人を検知すると、部屋に人がいると判断し、第1の人感センサが人を検知しつつ第2の人感センサが人を検知しない状態を経た後に、第1および第2の人感センサが人を検知しないと、部屋に人がいないと判断する。
【0014】
好ましくは、第1の人感センサのセンシングエリアと第2の人感センサのセンシングエリアとが重ならない。
【0015】
好ましくは、ネットワークシステムは、部屋内に配置される照明をさらに備える。通信インターフェイスは、照明と通信可能である。プロセッサは、部屋に人がいると判断したときに、通信インターフェイスを介して照明を点灯させ、部屋に人がいないと判断したときに、通信インターフェイスを介して照明を消灯させる。
【0016】
この発明の別の局面に従うと、部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサと、入り口近傍のエリアよりも部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサと、コントローラと、を含むネットワークシステムにおける在不在判断方法が提供される。在不在判断方法は、コントローラが、第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信するステップと、コントローラが、第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するステップと、コントローラが、第1および第2の情報に基づいて、部屋に人がいるか否かを判断するステップとを備える。
【0017】
この発明の別の局面に従うと、部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信し、入り口近傍のエリアよりも部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するための通信インターフェイスと、第1および第2の情報に基づいて、部屋に人がいるか否かを判断するプロセッサとを備える、コントローラが提供される。
【0018】
この発明の別の局面に従うと、部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサと入り口近傍のエリアよりも部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサと通信するための通信インターフェイスと、プロセッサと、を含むコントローラにおける在不在判断方法が提供される。在不在判断方法は、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信するステップと、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するステップと、プロセッサが、第1および第2の情報に基づいて、部屋に人がいるか否かを判断するステップとを備える。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によって、より正確に部屋の中に人がいるか否かを判断することができるネットワークシステム、在不在判断方法、およびコントローラが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係るネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【図2】本実施の形態に係るコントローラ100のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】本実施の形態に係るセンサテーブル101Aを示すイメージ図である。
【図4】本実施の形態に係るコントローラ100のCPU110による処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係るコントローラ100のCPU110による処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【図6】本変形例に係るネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
<ネットワークシステム1の全体構成>
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態に係るネットワークシステム1は、部屋401の入り口(ドア)の付近の天井に配置される人感センサ200Aと、部屋401の中央の天井に設置される人感センサ200Bとを備える。たとえば、人感センサ200A,200Bは、動いている熱源を検知するものである。
【0024】
人感センサ200Aは、部屋401の入り口にいる人を検知する。人感センサ200Bは、部屋401の内部にいる人を検知する。人感センサ200Aのセンシングエリア201Aと人感センサ200Bのセンシングエリア201Bは重ならないことが好ましい。
【0025】
ネットワークシステム1は、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303とを含む。なお、ネットワークシステム1は、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303以外の家電を含んでもよい。
【0026】
ネットワークシステム1は、人感センサ200A,200Bと、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303とを制御するためのコントローラ100を含む。換言すれば、コントローラ100は、有線あるいは無線のネットワークを介して、人感センサ200A,200Bと、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303などとデータ通信が可能である。
【0027】
コントローラ100は、ネットワークとして、たとえば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN(Local Area Network)、またはPLC(Power Line Communications)などを利用する。コントローラ100は、持ち運び可能であってもよいし、テーブル上に載置されたベースに着脱自在であってもよいし、部屋の壁に固設されるものであってもよい。
【0028】
<ネットワークシステム1の動作概要>
次に、本実施の形態に係るネットワークシステム1(特にコントローラ100)の動作概要について説明する。
【0029】
図1を参照して、本実施の形態に係るコントローラ100は、ネットワークを介して、人感センサ200A,200Bから、人を検知したことを示す情報、または人を検知していないことを示す情報などを受信する。
【0030】
コントローラ100は、人感センサ200Bからの情報に基づいて、人感センサ200Bが人を検知すると、部屋401の中に人がいると判断する。あるいは、コントローラ100は、人感センサ200Aからの情報に基づいて、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bの少なくともいずれかが人を検知すると、部屋401の中に人がいると判断してもよい。
【0031】
ここで、部屋401の中に人がいるのに、人感センサ200Bが人を検知しない場合がある。たとえば、部屋401の中の人が動きを止めている場合には、人感センサ200Bが人を検知しない場合がある。
【0032】
そこで、本実施の形態に係るコントローラ100は、部屋401の中に人がいると判断した後は、人感センサ200Bが人を検知しておらず人感センサ200Aが人を検知したときに、部屋401に人がいない(部屋401から人がいなくなった)と判断する。そして、それ以降は、コントローラ100が、人感センサ200Aが人を検知するまで、部屋401に人がいないと判断する。
【0033】
あるいは、コントローラ100は、部屋401の中に人がいると判断した後は、人感センサ200Bが人を検知しておらず人感センサ200Aが人を検知した状態を経てから、人感センサ200A,200Bがともに人を検知しなかったときに、部屋401に人がいない(部屋401から人がいなくなった)と判断する。そして、それ以降は、コントローラ100が、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bの少なくともいずれかが人を検知するまで、部屋401に人がいないと判断する。
【0034】
コントローラ100は、部屋401に人がいると判断した場合に、照明301A,301B、エアコン302、あるいはテレビ303をONする。コントローラ100は、部屋401に人がいないと判断した場合に、照明301A,301B、エアコン302、あるいはテレビ303をOFFする。ただし、コントローラ100は、上記の判断結果に基づいて、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303以外の家電の動作を制御しても良い。
【0035】
このように、本実施の形態に係るネットワークシステム1は、部屋401の入り口のエリアをセンシングするための人感センサ200Aの検知結果と、当該入り口よりも部屋401の内側のエリアをセンシングするための人感センサ200Bと検知結果とに基づいて、部屋401に人がいるか否かを判断するため、より正確に部屋の中に人がいるか否かを判断することができる。
【0036】
以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
【0037】
<コントローラ100のハードウェア構成>
本実施の形態に係るコントローラ100のハードウェア構成の一態様について説明する。図2は、本実施の形態に係るコントローラ100のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0038】
コントローラ100は、メモリ101と、ディスプレイ102と、タブレット103と、ボタン104と、通信インターフェイス105と、スピーカ107、時計108、CPU(Central Processing Unit)110とを含む。
【0039】
メモリ101は、各種のRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)や、ハードディスクなどによって実現される。たとえば、メモリ101は、読取用のインターフェイスを介して利用される、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体などによっても実現される。
【0040】
メモリ101は、CPU110によって実行される制御プログラムとセンサテーブル101Aを記憶する。
【0041】
図3は、本実施の形態に係るセンサテーブル101Aを示すイメージ図である。図3を参照して、センサテーブル101Aは、部屋毎に、部屋IDと、部屋の名前と、当該部屋の入り口をセンシングするための人感センサのIDと、当該人感センサの検知結果と、当該部屋の内側をセンシングするための人感センサのIDと、当該人感センサの検知結果とを格納する。
【0042】
なお、センサテーブル101Aは、部屋毎に配置されている家電を特定するための家電IDを、当該部屋の部屋IDに対応付けて格納することが好ましい。CPU110は、センサテーブル101Aを参照することによって、部屋401に人がいるか否かに基づいて、部屋401に対応する家電(照明301A,301B、エアコン302、テレビ303など)を制御する。
【0043】
図2に戻って、ディスプレイ102は、CPU110によって制御されることによって、人感センサ200A,200Bと、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303の動作状態を表示する。タブレット103は、ユーザの指によるタッチ操作を検出して、タッチ座標などをCPU110に入力する。CPU110は、タブレット103を介して、ユーザからの命令を受け付ける。
【0044】
本実施の形態においては、ディスプレイ102の表面にタブレット103が敷設されている。すなわち、本実施の形態においては、ディスプレイ102とタブレット103とがタッチパネル106を構成する。ただし、コントローラ100は、タブレット103を有していなくともよい。
【0045】
ボタン104は、コントローラ100の表面に配置される。決定キー、方向キー、テンキーなどの複数のボタンがコントローラ100に配置されても良い。ボタン104は、ユーザからの命令を受け付ける。ボタン104は、ユーザからの命令をCPU110に入力する。
【0046】
通信インターフェイス105は、CPU110によって制御されることによって、ネットワークを介して、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303と、その他の家電とデータを送受信する。CPU110は、通信インターフェイス105を利用して、人感センサ200A,200Bともデータを送受信する。上述したように、通信インターフェイス105は、たとえば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLCなどを利用することによって、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303と、その他の家電とデータを送受信する。
【0047】
スピーカ107は、CPU110からの命令に基づいて、音声を出力する。たとえば、CPU110は、音声データに基づいて、スピーカ107に音声を出力させる。
【0048】
時計108は、CPU110からの命令に基づいて、現在の日付や時刻をCPU110に入力する。
【0049】
CPU110は、メモリ101に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、図4または図5に示すような様々な情報処理を実行する。換言すれば、コントローラ100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ101に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0050】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス105を利用することによってダウンロードされて、メモリ101に一旦格納される。CPU110は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ101に格納してから、当該プログラムを実行する。
【0051】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0052】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0053】
より詳細には、本実施の形態に係るCPU110は、通信インターフェイス105を介して、人感センサ200A,200Bから、人を検知したことを示す情報または人を検知していないことを示す情報などを受信する。
【0054】
CPU110は、人感センサ200Bからの情報に基づいて、人感センサ200Bが人を検知すると、部屋401の中に人がいると判断する。CPU110は、部屋401の中に人がいると判断した後は、人感センサ200Bが人を検知しておらず人感センサ200Aが人を検知したときに、部屋401に人がいない(部屋401から人がいなくなった)と判断する。
【0055】
あるいは、CPU110は、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bからの情報に基づいて、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bの少なくともいずれかが人を検知すると、部屋401の中に人がいると判断する。この場合、CPU110は、部屋401の中に人がいると判断した後は、人感センサ200Bが人を検知しておらず人感センサ200Aが人を検知した状態を経てから、(人感センサ200Aが人を検知しておらず人感センサ200Bが人を検知した状態を経ることなく、)人感センサ200A,200Bがともに人を検知しなかったときに、部屋401に人がいない(部屋401から人がいなくなった)と判断する。
【0056】
CPU110は、部屋401に人がいると判断した場合(人がいない状態から人がいる状態へと遷移した場合)に、通信インターフェイス105を介して、照明301A,301B、エアコン302、テレビ303、あるいはその他の家電に、電源ON命令や、強度を強める命令などを送信する。
【0057】
一方、CPU110は、部屋401に人がいないと判断した場合(人がいる状態から人がいない状態へと遷移した場合)に、照明301A,301B、エアコン302、テレビ303、あるいはその他の家電に、電源OFF命令や、強度を弱める命令などを送信する。
【0058】
<コントローラ100における情報処理>
次に、本実施の形態に係るコントローラ100における情報処理について説明する。図4は、本実施の形態に係るコントローラ100のCPU110による処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
図4を参照して、CPU110は、通信インターフェイス105を介して、複数の部屋各々の人感センサ200A,200Bからデータを待ち受ける。あるいは、CPU110は、通信インターフェイス105を介して、複数の部屋各々の人感センサ200A,200Bに検知結果を要求する。以下、CPU110が、複数の部屋のうちの1つの部屋401に関して実行する処理について説明する。CPU110は、複数の部屋のそれぞれについて並行して、あるいは複数の部屋の各々について、以下の処理を実行する。
【0060】
CPU110は、人感センサ200Bからのデータに基づいて、人感センサ200Bが人を検知したか否かを判断する(ステップS102)。CPU110は、人感センサ200Bが人を検知していない場合(ステップS102においてNOである場合)、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0061】
CPU110は、人感センサ200Bが人を検知した場合(ステップS102においてYESである場合)、人感センサ200Bに対応する部屋401に人がいると判断する(ステップS104)。CPU110は、通信インターフェイス105を介して、人感センサ200Bが配置されている部屋401に配置されている家電に、電源ON命令や、強度を強める命令などを送信する(ステップS106)。
【0062】
CPU110は、人感センサ200Aからのデータに基づいて、人感センサ200Aが人を検知したか否かを判断する(ステップS108)。CPU110は、人感センサ200Aが人を検知した場合(ステップS108においてYESである場合)、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0063】
CPU110は、人感センサ200Aが人を検知しなかった場合、すなわち、人感センサ200Aが人を検知しておらず人感センサ200Bが人を検知していると認識した場合(ステップS108においてNOである場合)、人感センサ200Bが人を検知したか否かを判断する(ステップS110)。CPU110は、人感センサ200Bが人を検知した場合(ステップS110においてYESである場合)、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0064】
CPU110は、人感センサ200Bが人を検知しなかった場合(ステップS110においてNOである場合)、人感センサ200Aが人を検知したか否かを判断する(ステップS112)。CPU110は、人感センサ200Aが人を検知しなかった場合(ステップS112においてNOである場合)、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0065】
CPU110は、人感センサ200Aが人を検知した場合、すなわち、人感センサ200Aが人を検知しつつ人感センサ200Bが人を検知していないと認識した場合(ステップS112においてYESである場合)、部屋401に人がいないと判断する(ステップS114)。CPU110は、通信インターフェイス105を介して、人感センサ200Bが配置されている部屋401に配置されている家電に、電源OFF命令や、強度を弱める命令などを送信する(ステップS116)。
【0066】
なお、本実施の形態においては、CPU110は、ステップS108の処理を実行することによって、人が部屋401に完全に入りきったか否かを判断している。しかしながら、人感センサ200Aのセンシングエリア201Aと、人感センサ200のセンシングエリア201Bとが重ならない場合には、ステップS108の処理は実行しなくともよい。
【0067】
<コントローラ100における情報処理の変形例>
次に、コントローラ100における情報処理の変形例について説明する。上記の実施の形態においては、人感センサ200Bのセンシングエリアに人がいるときに部屋401に人がいるものとし、人感センサ200Bのセンシングエリアに人がいないときに部屋401に人がいないものと判断していた。一方、本変形例においては、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bのセンシングエリアに人がいるときに部屋401に人がいるものとし、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bのセンシングエリアに人がいないときに部屋401に人がいないものと判断する。
【0068】
図5は、本実施の形態に係るコントローラ100のCPU110による処理手順の変形例を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理と同様の処理には、同じステップ番号を付し、それらの説明を繰り返さない。
【0069】
図5を参照して、CPU110は、ステップS112の後に、再度、人感センサ200Aが人を検知したか否かを判断してもよい(ステップS113)。この場合、CPU110は、人感センサ200Aが人を検知した場合(ステップS113においてYESである場合)、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0070】
そして、CPU110は、人感センサ200Aが人を検知しなかった場合(ステップS113においてNOである場合)、すなわち、人感センサ200Aが人を検知しつつ人感センサ200Bが人を検知していないと認識してから、人感センサ200Aと人感センサ200Bとが人を検知しないと認識した場合(ステップS113においてYESである場合)、部屋401に人がいないと判断する(ステップS114)。
【0071】
なお、本変形例においては、ステップS102において、CPU110は、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bの少なくともいずれかが人を検知したか否かを判断してもよい。この場合、CPU110は、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bの少なくともいずれかが人を検知した場合、ステップS104からの処理を実行し、人感センサ200Aおよび人感センサ200Bのいずれもが人を検知しなかった場合、ステップS102の処理を繰り返す。
【0072】
<人感センサ200A,200Bのセンシングエリアの変形例>
次に、人感センサ200A,200Bのセンシングエリア201A,2001Bの変形例について説明する。図6は、本変形例に係るネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【0073】
上記の実施の形態では、図1に示したように、ネットワークシステム1は、部屋401の入り口(ドア)の付近の天井に配置される人感センサ200Aと、部屋401の中央の天井に設置される人感センサ200Bとを備えるものであった。そして、人感センサ200Aは、部屋401の入り口を通過する人を検知するものであった。人感センサ200Bは、部屋401の内部にいる人を検知するものであった。
【0074】
一方、本変形例においては、図5に示すように、ネットワークシステム1は、廊下402の天井であって、部屋401の入り口(ドア)の付近に配置される人感センサ200Aと、部屋401の天井であって、部屋の入り口(ドア)付近に設置される人感センサ200Bとを備える。
【0075】
そして、人感センサ200Aは、部屋401の入り口の室外側にいる人を検知する。人感センサ200Bは、部屋401の入り口の室内側にいる人を検知する。人感センサ200Aのセンシングエリア201Aと人感センサ200Bのセンシングエリア201Bは重ならないことが好ましい。
【0076】
このように、ネットワークシステム1は、部屋401を出入りする人が通過するエリアをセンシングする人感センサ200Aと、人感センサ200Aよりも部屋401の内側(奥)に配置される人感センサ200Bとを含む。コントローラ100は、上記の本実施の形態に示した処理と同様の処理によって、人感センサ200A,200Bからの情報に基づいて、人感センサ200A,200Bに対応する部屋401に人がいるか否かを判断する。
【0077】
<その他の実施の形態>
本発明は、コントローラ100と、人感センサ200A,200Bと、照明301A,301Bと、エアコン302と、テレビ303と、その他の家電や他の携帯電話などにプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0078】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0079】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0080】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 ネットワークシステム、100 コントローラ、101 メモリ、101A センサテーブル、102 ディスプレイ、103 タブレット、104 ボタン、105 通信インターフェイス、106 タッチパネル、107 スピーカ、108 時計、110 CPU、200A,200B 人感センサ、201A,201B センシングエリア、301A,301B 照明、302 エアコン、303 テレビ、401 部屋、402 廊下。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサと、
前記入り口近傍のエリアよりも前記部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサと、
コントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信し、前記第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するための通信インターフェイスと、
前記第1および第2の情報に基づいて、前記部屋に人がいるか否かを判断するプロセッサとを含む、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第2の人感センサが人を検知したときから、前記第1の人感センサが人を検知しつつ前記第2の人感センサが人を検知しないときまでの間、前記部屋に人がいると判断し、
前記部屋に人がいると判断したときから、前記第2の人感センサが人を検知するときまでの間、前記部屋に人がいないと判断する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第2の人感センサが人を検知すると、前記部屋に人がいると判断し、
前記第1の人感センサが人を検知しつつ前記第2の人感センサが人を検知しないと、前記部屋に人がいないと判断する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第2の人感センサが人を検知したときから、前記第1の人感センサが人を検知しつつ前記第2の人感センサが人を検知しない状態を経た後に、前記第1の人感センサが人を検知しないときまでの間、前記部屋に人がいると判断し、
前記部屋に人がいると判断したときから、前記第1および第2の人感センサの少なくともいずれかが人を検知するときまでの間、前記部屋に人がいないと判断する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1または第2の人感センサが人を検知すると、前記部屋に人がいると判断し、
前記第1の人感センサが人を検知しつつ前記第2の人感センサが人を検知しない状態を経た後に、前記第1および第2の人感センサが人を検知しないと、前記部屋に人がいないと判断する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記第1の人感センサのセンシングエリアと前記第2の人感センサのセンシングエリアとが重ならない、請求項1から5のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記部屋内に配置される照明をさらに備え、
前記通信インターフェイスは、前記照明と通信可能であって、
前記プロセッサは、
前記部屋に人がいると判断したときに、前記通信インターフェイスを介して前記照明を点灯させ、
前記部屋に人がいないと判断したときに、前記通信インターフェイスを介して前記照明を消灯させる、請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサと、前記入り口近傍のエリアよりも前記部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサと、コントローラと、を含むネットワークシステムにおける在不在判断方法であって、
前記コントローラが、前記第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信するステップと、
前記コントローラが、前記第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するステップと、
前記コントローラが、前記第1および第2の情報に基づいて、前記部屋に人がいるか否かを判断するステップとを備える、在不在判断方法。
【請求項9】
部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信し、前記入り口近傍のエリアよりも前記部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するための通信インターフェイスと、
前記第1および第2の情報に基づいて、前記部屋に人がいるか否かを判断するプロセッサとを備える、コントローラ。
【請求項10】
部屋の入り口近傍のエリアをセンシングするための第1の人感センサと前記入り口近傍のエリアよりも前記部屋の内側のエリアをセンシングするための第2の人感センサと通信するための通信インターフェイスと、プロセッサと、を含むコントローラにおける在不在判断方法であって、
前記プロセッサが、前記通信インターフェイスを介して、前記第1の人感センサからセンシングの結果を示す第1の情報を受信するステップと、
前記プロセッサが、前記通信インターフェイスを介して、前記第2の人感センサからセンシングの結果を示す第2の情報を受信するステップと、
前記プロセッサが、前記第1および第2の情報に基づいて、前記部屋に人がいるか否かを判断するステップとを備える、在不在判断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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