説明

ネットワークシステム及びコンテンツ配信方法

【課題】広告効果を把握することができるネットワークシステム及びコンテンツ配信方法を提供する。
【解決手段】ネットワークシステム1が、携帯端末装置30の利用者が乗車する車両10と、情報を転送する転送サーバ100と、コンテンツを配信する配信サーバ40とを含む。携帯端末装置30と非接触通信を行うことで転送サーバ100にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末装置30に送信する非接触通信装置21a、21bが車両10に設けられる。携帯端末装置30は、非接触通信装置21a、21bから受信したアクセス情報を用いて、転送サーバ100にアクセスする。転送サーバ100は、配信サーバ40によって配信されるコンテンツに携帯端末装置30をアクセスさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム及びコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電車、バス、タクシー又は船舶等の交通機関における客室内には、多くの広告が掲載されている。例えば、電車の場合には、車両内の壁や吊り革の吊り紐部分に広告が掲載されることがある。また、車両の天井から吊るされる中吊り広告と呼ばれる広告媒体が用いられることも多い。このような電車等の交通機関は、多くの人に利用されるので、広告主にとっては、電車の車両内に広告を掲載することで、高い広告効果を得ることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−052572号公報
【特許文献2】特開2010−271467号公報
【特許文献3】特開2007−293049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、交通機関の車両内に広告を掲載する従来手法では、広告効果を把握することができないことが多い。具体的には、上記の従来手法では、車両内に広告を掲載しているだけであるので、乗客が広告を見ているか否かを把握することができない。乗客数によって広告効果を推定することも考えられるが、乗客数の多い交通機関に広告を掲載した場合であっても、多くの乗客に広告が見られているとは限らない。すなわち、乗客数から広告効果を推定しても、広告効果を正確に把握することはできない。
【0005】
一般的に、広告主にとっては、いかにして広告効果を高めるかということが重要な課題となっている。このため、交通機関に広告を掲載している広告主には、広告の効果を把握したいというニーズが存在するが、上記の従来手法では、広告効果を正確に把握することができない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広告効果を把握することができるネットワークシステム及びコンテンツ配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るネットワークシステムは、一つの態様において、携帯端末装置の利用者が乗車する車両と、情報を転送する転送サーバと、コンテンツを配信する配信サーバとを含むネットワークシステムであって、前記車両は、前記携帯端末装置と非接触通信を行うことで前記転送サーバにアクセスするためのアクセス情報を該携帯端末装置に送信する非接触通信装置が乗車中の利用者近傍に設けられ、前記携帯端末装置は、前記非接触通信装置から受信したアクセス情報を用いて、前記転送サーバにアクセスする通信部を有し、前記転送サーバは、前記非接触通信装置によって送信されるアクセス情報と、前記配信サーバによって配信されるコンテンツの所在を示す所在情報とを対応付けて記憶する所在情報記憶部と、前記携帯端末装置の通信部によって用いられたアクセス情報に対応する所在情報を前記所在情報記憶部から取得し、取得した所在情報が示すコンテンツに該携帯端末装置をアクセスさせるアクセス制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るネットワークシステム及びコンテンツ配信方法の一つの態様によれば、広告効果を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施例1における車両の構成例を示す図である。
【図3】図3は、実施例1における吊り革の平面図である。
【図4】図4は、図3のI−I線における断面を模式的に示す図である。
【図5】図5は、実施例1における転送サーバの構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施例1における所在情報記憶部の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施例1におけるネットワークシステムに含まれる各装置及び各サーバ間の処理シーケンスを示す図である。
【図8】図8は、実施例2における転送サーバの構成例を示すブロック図である。
【図9】図9は、実施例2におけるアクセス履歴記憶部の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施例2における利用者情報記憶部の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施例2における位置情報記憶部の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施例2におけるアクセス数記憶部の一例を示す図である。
【図13】図13は、実施例3における転送サーバの構成例を示すブロック図である。
【図14】図14は、実施例3における所在情報記憶部の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施例3における優先情報記憶部の一例を示す図である。
【図16】図16は、実施例3におけるアクセス制御部による処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施例4における転送サーバの構成例を示すブロック図である。
【図18】図18は、実施例4における傾向情報記憶部の一例を示す図である。
【図19】図19は、実施例4における推定部による処理手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、実施例5に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図21】図21は、実施例5における吊り革の平面図である。
【図22】図22は、実施例5におけるコンテンツ表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図23】図23は、実施例5におけるコンテンツ情報記憶部の一例を示す図である。
【図24】図24は、実施例5における転送サーバの構成例を示すブロック図である。
【図25】図25は、実施例6における吊り革の平面図である。
【図26】図26は、図25のII−II線における断面を模式的に示す図である。
【図27】図27は、実施例6における吊り革の平面図である。
【図28】図28は、図27のIII−III線における断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係るネットワークシステム及びコンテンツ配信方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明に係るネットワークシステム及びコンテンツ配信方法が限定されるものではない。例えば、以下の実施例では、電車を例に挙げて本発明に係るネットワークシステム及びコンテンツ配信方法について説明するが、本発明は、電車以外のバスやタクシー等の交通機関にも適用することができる。
【実施例1】
【0011】
[実施例1に係るネットワークシステムの構成例]
まず、図1を用いて、実施例1に係るネットワークシステムについて説明する。図1は、実施例1に係るネットワークシステム1の構成例を示す図である。図1に例示するように、実施例1に係るネットワークシステム1は、電車の車両10と、配信サーバ40と、転送サーバ100とを含む。
【0012】
なお、図1に示した例では、ネットワークシステム1に1台の配信サーバ40が含まれる例を示したが、ネットワークシステム1には、2台以上の配信サーバが含まれてもよい。また、図1に示した例では、ネットワークシステム1に1台の転送サーバ100が含まれる例を示したが、ネットワークシステム1には、2台以上の転送サーバが含まれてもよい。
【0013】
車両10は、公共交通機関等の電車を形成する車両である。図1に示した例では、車両10は、乗車中の利用者近傍に、吊り革20a及び20bが備えられる。吊り革20aは、非接触通信装置21aが設けられ、吊り革20bは、非接触通信装置21bが設けられる。非接触通信装置21a及び21bは、例えば、Felica(登録商標)やMIFARE(登録商標)、もしくはこれらと下位互換性があるNFC(Near Field Communication)等に基づく非接触通信(「近距離無線通信」とも呼ばれる)を行う。
【0014】
なお、非接触通信装置21a又は21bが設けられる吊り革20a及び20bの構造については、後に詳述する。また、車両10に備えられている吊り革20a及び20b等は、同様の構成を有するので、以下では、吊り革20a及び20b等を総称して「吊り革20」と表記する場合がある。また、非接触通信装置21a及び21bについても、同様の構成を有するので、以下では、非接触通信装置21a及び21b等を総称して「非接触通信装置21」と表記する場合がある。
【0015】
このような車両10は、携帯端末装置30を保持する利用者によって乗車されることがある。かかる携帯端末装置30は、例えば、携帯電話機、小型情報処理端末、小型音楽再生装置、携帯テレビ、携帯型ゲーム機等であり、非接触通信を行う機能を有するものとする。
【0016】
転送サーバ100は、各種情報を転送する装置であり、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)リダイレクトを行う。配信サーバ40は、各種コンテンツを配信する装置である。図1に示した例では、配信サーバ40は、HTTP等によって、広告に関するコンテンツを配信するものとする。例えば、配信サーバ40は、商品を写した画像データや商品の機能説明である文字データ等を含むコンテンツを配信したり、商品の購入又は予約を受け付けるショッピングサイト、販売店や飲食店等の商店を紹介する紹介サイト、コンサート等のイベントを告知する告知サイトを形成するHTMLであるコンテンツ等を配信する。なお、以下では、広告に関するコンテンツを単に「広告コンテンツ」と表記する場合がある。
【0017】
このような構成の下、実施例1に係るネットワークシステム1では、車両10に乗車する利用者の携帯端末装置30と、吊り革20に備えられた非接触通信装置21とによって非接触通信が行われた場合に、配信サーバ40が携帯端末装置30に広告コンテンツを配信する。以下に、各装置及び各サーバにおける処理について具体的に説明する。
【0018】
まず、吊り革20に備えられている非接触通信装置21は、自装置の近傍に位置する携帯端末装置30と非接触通信を行うことで、転送サーバ100にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末装置30に送信する。すなわち、車両10に乗車する利用者が、自身の携帯端末装置30を吊り革20に近づけた場合に、携帯端末装置30は、非接触通信装置21からアクセス情報を受信する。なお、アクセス情報とは、例えば、転送サーバ100が提供するウェブサイト(website)のURL(Uniform Resource Locator)等である。
【0019】
そして、携帯端末装置30は、非接触通信装置21からアクセス情報を受信した場合に、かかるアクセス情報を用いて、転送サーバ100にアクセスする。例えば、携帯端末装置30は、非接触通信装置21から受信したアクセス情報を用いて、図示しない基地局等を介して、転送サーバ100にアクセスする。なお、携帯端末装置30は、基地局等を介して転送サーバ100等にアクセスする通信部を有するものとする。
【0020】
そして、転送サーバ100は、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツに携帯端末装置30がアクセスするようにHTTPリダイレクトを行う。これにより、携帯端末装置30は、配信サーバ40から広告コンテンツを受信し、受信した広告コンテンツを液晶ディスプレイ等の表示部に表示する。なお、転送サーバ100は、HTTPリダイレクトを行った場合に、リダイレクト先に関する情報等をログに記憶する。また、配信サーバ40は、広告コンテンツにアクセスされた場合に、アクセスされたことをログに記憶する。
【0021】
このように、実施例1に係るネットワークシステム1では、車両10に乗車する利用者の携帯端末装置30は、吊り革20に備えられた非接触通信装置21の近傍に位置する場合に、非接触通信装置21からアクセス情報を受信することで、転送サーバ100にアクセスする。そして、携帯端末装置30は、転送サーバ100によるHTTPリダイレクトによって、配信サーバ40から広告コンテンツを受信し、かかる広告コンテンツを表示部に表示する。すなわち、車両10に乗車する利用者は、携帯端末装置30を吊り革20に近づけるだけで、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツを閲覧することができる。そして、実施例1に係るネットワークシステム1では、転送サーバ100や配信サーバ40に保持されるログから広告コンテンツにアクセスされた回数を算出することができるので、広告主は、広告効果を正確に把握することができる。
【0022】
また、実施例1に係るネットワークシステム1では、携帯端末装置30の利用者は、車両10の車両内で商品の購入等のアクションを取ることができる。例えば、配信サーバ40がショッピングサイト等に関する広告コンテンツを携帯端末装置30に配信する場合には、携帯端末装置30の利用者は、車両10の車両内でショッピングサイトから商品を購入することができる。
【0023】
また、実施例1に係るネットワークシステム1では、車両10の鉄道会社や、配信サーバ40から携帯端末装置30に配信する広告コンテンツを扱う広告代理店等は、広告主から広告料金を得ることができる。特に、アフィリエイト(affiliate)と呼ばれる広告手法を用いた場合には、携帯端末装置30が配信サーバ40から配信される広告コンテンツにアクセスするたびに、鉄道会社や広告代理店は、広告主から報酬を得ることができる。
【0024】
また、実施例1に係るネットワークシステム1では、広告主は、アクセスされる回数の多い非接触通信装置21から送信されるアクセス情報を、自身が提供する広告コンテンツにHTTPリダイレクトされるように、鉄道会社や広告代理店と契約することで、高い広告効果を得ることができる。
【0025】
以上のように、実施例1に係るネットワークシステム1では、広告主は、広告効果を把握することができるとともに高い広告効果を得ることができ、利用者は、携帯端末装置30を吊り革20に近づけるだけで広告コンテンツを携帯端末装置30の画面上で閲覧することができるとともに車両10内でネットショッピング等を行うことができ、鉄道会社や広告代理店は、広告主から報酬を得ることができる。すなわち、実施例1に係るネットワークシステム1は、広告主、利用者、鉄道会社や広告代理店の三者にとってメリットがある。以下に、このようなネットワークシステム1について詳細に説明する。
【0026】
[車両の構成例]
まず、図2を用いて、図1に示した車両10について説明する。図2は、実施例1における車両10の構成例を示す図である。なお、図2には、電車を形成する1台の車両10を示すが、電車は、図2に例示する車両10を1台以上有してもよい。
【0027】
図2に例示するように、車両10には、座席11a〜11hが設置され、ドア12a〜12fが設けられ、天井から吊り下げられる中吊り広告13a〜13fが設けられる。図2において、座席11a〜11hは、斜線が付された矩形に該当し、ドア12a〜12fは、斜線及び横線が付されていない矩形に該当し、中吊り広告13a〜13fは、横線が付された矩形に該当する。利用者は、ドア12a〜12fから車両10に乗車した場合に、座席11a〜11hに座る場合がある。また、広告主は、中吊り広告13a〜13fに紙による各種広告を掲載することができる。
【0028】
また、車両10には、吊り革20が設けられる。図2において、吊り革20は、円形の図形に該当する。このような吊り革20には、非接触通信装置21が設置される。ここで、図3及び図4を用いて、吊り革20の構造について説明する。図3は、実施例1における吊り革20の平面図である。また、図4は、図3のI−I線における断面を模式的に示す図である。
【0029】
図3に示すように、実施例1における吊り革20は、持ち手部22と、吊り紐23と、カバー24と、広告媒体25とを含む。持ち手部22は、車両10に乗車する利用者の手によって握られる。例えば、持ち手部22は、車両10内において座席11a〜11hに座らずに立っている利用者の手によって握られる。吊り紐23は、一端が車両10の上部に備えられるパイプ等に固定され、他端が持ち手部22に固定される。
【0030】
カバー24は、吊り紐23を覆うプラスチック等の部材であり、内部に非接触通信装置21を有する。広告媒体25は、カバー24上に貼付される紙による広告であり、広告主によって掲載される。図3では、広告媒体25に、『サイトAにアクセス 「タッチ」してください』といった広告が掲載されている例を示している。
【0031】
また、図4に示すように、カバー24は、凸状の前面カバー24aと、凸状の背面カバー24bとが嵌合することにより、吊り紐23を覆う。そして、前面カバー24aと背面カバー24bとが嵌合することで形成されるカバー24の内部空間には、吊り紐23を覆うケース26と、非接触通信装置21とが含まれる。ケース26は、従来の吊り革に一般的に設けられていることが多い。
【0032】
非接触通信装置21は、アンテナ27と、通信回路28と、電力供給部29とを有する。アンテナ27は、携帯端末装置30との間で無線通信により各種情報を送受する。通信回路28は、携帯端末装置30との間で行われる無線通信を制御する。電力供給部29は、通信回路28に電力を供給する部位であり、交換可能な電池等である。例えば、前面カバー24a及び背面カバー24bは開閉可能であり、電力供給部29は、前面カバー24a及び背面カバー24bは開状態である場合に、交換される。
【0033】
このような非接触通信装置21は、ネットワークシステム1の管理者等によって非接触通信装置毎に所定の情報が割り当てられる。例えば、非接触通信装置21aには「001」が割り当てられ、非接触通信装置21bには「002」が割り当てられる。以下では、非接触通信装置21に割り当てられる情報を「割当情報」と表記する。そして、非接触通信装置21は、転送サーバ100にアクセスするための情報として、割当情報を含むアクセス情報を保持する。そして、非接触通信装置21の通信回路28は、自装置の近傍に携帯端末装置30が位置する場合に、かかる携帯端末装置30に対して、割当情報を含むアクセス情報を送信する。
【0034】
例えば、転送サーバ100にアクセスするための情報が「http:AAA・・・」であり、非接触通信装置21に割り当てられている割当情報が「001」であるものとする。かかる場合に、非接触通信装置21は、例えば、「http:AAA・・・001」といったアクセス情報を保持し、自装置の近傍に位置する携帯端末装置30に対して、アクセス情報「http:AAA・・・001」を送信する。
【0035】
ここで、広告主は、吊り革20のカバー24に内在する非接触通信装置21と非接触通信を行うことで配信サーバ40から携帯端末装置30に提供される広告コンテンツに関するコンテンツ情報等を、図3及び図4に示した広告媒体25に掲載してもよい。なお、コンテンツ情報とは、広告コンテンツを説明する文字や図形や写真や絵等である。
【0036】
例えば、携帯端末装置30が、吊り革20のカバー24に内在する非接触通信装置21と非接触通信を行うことで「ショッピングサイトA」にアクセスできるものとする。かかる場合に、ショッピングサイトAの広告主は、図3に例示したように、吊り革20の広告媒体25に、ショッピングサイトAに関するコンテンツ情報や、カバー24に携帯端末装置30を近づけることを利用者に促す情報等を掲載してもよい。
【0037】
同様に、広告主は、携帯端末装置30に提供される広告コンテンツに関するコンテンツ情報等を、図2に例示した中吊り広告13a〜13fに掲載してもよい。例えば、広告主は、中吊り広告13aの近傍に位置する吊り革20に内在する非接触通信装置21と非接触通信を行うことで携帯端末装置30に提供される広告コンテンツに関するコンテンツ情報等を、中吊り広告13aに掲載してもよい。同様に、広告主は、中吊り広告13bの近傍に位置する吊り革20に内在する非接触通信装置21と非接触通信を行うことで携帯端末装置30に提供される広告コンテンツに関する情報等を、中吊り広告13bに掲載してもよい。
【0038】
このように、携帯端末装置30に提供される広告コンテンツに関するコンテンツ情報等を、吊り革20の広告媒体25や中吊り広告13a〜13f等に掲載することで、利用者は、携帯端末装置30を吊り革20に近づけることで、どのような広告コンテンツを受信するかを認識することができる。このため、広告主は、利用者に対するサービスを向上させることができる。
【0039】
[実施例1における転送サーバの構成例]
次に、図5を用いて、図1に示した転送サーバ100について説明する。図5は、実施例1における転送サーバ100の構成例を示すブロック図である。図5に例示するように、実施例1における転送サーバ100は、IF(interface)部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0040】
IF部110は、外部装置との間で各種情報を送受する。例えば、IF部110は、基地局やルータ等を介して、携帯端末装置30によって送信されるアクセス情報を受信する。また、IF部110は、基地局やルータ等を介して、転送先(リダイレクト先)の広告コンテンツ(ウェブサイト)の所在を示す情報等を送信する。
【0041】
入力部120は、各種情報や操作指示を入力するための入力デバイスであり、例えば、数字および文字等を入力するテンキーや、メニュー選択および表示スクロール等に用いられるカーソルキー等である。表示部130は、各種情報を出力する出力デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイである。
【0042】
記憶部140は、各種情報を記憶する記憶デバイスであり、図5に示した例では、所在情報記憶部141を有する。所在情報記憶部141は、非接触通信装置21によって送信されるアクセス情報と、配信サーバ40によって配信されるコンテンツの所在を示す所在情報とを対応付けて記憶する。ここで、図6に、実施例1における所在情報記憶部141の一例を示す。
【0043】
図6に示した例では、所在情報記憶部141は、「アクセス情報」、「所在情報」といった項目を有する。「アクセス情報」は、吊り革20のカバー24に内在する非接触通信装置21によって送信されるアクセス情報を示す。「所在情報」は、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツの所在を示し、例えば、広告コンテンツにアクセスするためのURL等である。
【0044】
図6に例示した「アクセス情報」に記憶されている各種情報のうち、「http:AAA・・・」の部分は、転送サーバ100にアクセスするための情報であり、「http:AAA・・・」以降の「001」や「002」等は、非接触通信装置21に割り当てられている割当情報であるものとする。すなわち、アクセス情報「http:AAA・・・001」は、割当情報「001」が割り当てられている非接触通信装置21によって送信され、アクセス情報「http:AAA・・・002」は、割当情報「002」が割り当てられている非接触通信装置21によって送信される。
【0045】
図6に例示した所在情報記憶部141は、アクセス情報「http:AAA・・・001」に対応付けて、所在情報「http:www.111」を記憶する。これは、転送サーバ100が、アクセス情報「http:AAA・・・001」によりアクセスされた場合に、「http:www.111」にHTTPリダイレクトすることを示している。
【0046】
このような所在情報記憶部141は、管理者等によって予め各種情報が記憶される。例えば、管理者等は、入力部120を用いて各種操作を行うことで、所在情報記憶部141にアクセス情報と所在情報を格納したり、既に所在情報記憶部141に記憶されているアクセス情報と所在情報を更新したりする。
【0047】
図5の説明に戻って、制御部150は、転送サーバ100による処理を制御する制御デバイスであり、図5に示した例では、受信部151と、アクセス制御部152とを有する。受信部151は、外部装置からIF部110を介して各種情報を受信する。かかる受信部151は、IF部110を介して、携帯端末装置30からHTTPリクエストを受信した場合には、かかるHTTPリクエストをアクセス制御部152に出力する。
【0048】
アクセス制御部152は、携帯端末装置30によって用いられたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部141から取得し、取得した所在情報が示す広告コンテンツに携帯端末装置30をアクセスさせる。
【0049】
具体的には、アクセス制御部152は、受信部151からHTTPリクエストを入力された場合に、かかるHTTPリクエストを送信した携帯端末装置30が転送サーバ100にアクセスする際に用いたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部141から取得する。そして、アクセス制御部152は、所在情報記憶部141から取得した所在情報を含むHTTPレスポンスを携帯端末装置30に送信するHTTPリダイレクトを行う。これにより、携帯端末装置30は、アクセス制御部152によって送信された所在情報を受信した場合に、受信した所在情報が示す広告コンテンツにアクセスする。なお、アクセス制御部152は、HTTPリダイレクトを行った場合に、携帯端末装置30が転送サーバ100にアクセスしたアクセス時刻やリダイレクト先となる所在情報等を記憶部140にログとして記憶する。
【0050】
アクセス制御部152による処理について具体例を挙げて説明する。ここでは、所在情報記憶部141に記憶されている各種情報は、図6に示した状態であるものとする。例えば、携帯端末装置30が、割当情報「001」が割り当てられている非接触通信装置21と非接触通信を行うことで、非接触通信装置21からアクセス情報「http:AAA・・・001」を受信し、かかるアクセス情報「http:AAA・・・001」を用いて、転送サーバ100にアクセスしたものとする。
【0051】
かかる場合に、アクセス制御部152は、所在情報記憶部141から、アクセス情報「http:AAA・・・001」に対応する所在情報「http:www.111」を取得する。そして、アクセス制御部152は、取得した所在情報「http:www.111」を携帯端末装置30に送信する。携帯端末装置30は、転送サーバ100のアクセス制御部152から受信した所在情報「http:www.111」にアクセスする。そして、携帯端末装置30は、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツを受信し、受信した広告コンテンツを表示部等に表示する。これにより、携帯端末装置30の利用者は、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツを、表示部等を介して閲覧することができる。
【0052】
なお、携帯端末装置30が、アクセス情報「http:AAA・・・002」やアクセス情報「http:AAA・・・003」を用いて、転送サーバ100にアクセスした場合にも、アクセス制御部152は、所在情報「http:www.111」を携帯端末装置30に送信する。したがって、携帯端末装置30は、上記例と同様に、「http:www.111」にアクセスすることになる。
【0053】
また、例えば、携帯端末装置30が、アクセス情報「http:AAA・・・004」を用いて、転送サーバ100にアクセスしたものとする。かかる場合に、アクセス制御部152は、所在情報記憶部141から、アクセス情報「http:AAA・・・004」に対応する所在情報「http:www.444」を取得し、取得した所在情報「http:www.444」を携帯端末装置30に送信する。かかる場合には、携帯端末装置30は、「http:www.444」にアクセスすることになる。
【0054】
[実施例1に係るネットワークシステムによる処理手順]
次に、図7を用いて、図1に示した各装置及び各サーバによる処理の手順について説明する。図7は、実施例1におけるネットワークシステム1に含まれる各装置及び各サーバ間の処理シーケンスを示す図である。
【0055】
図7に示すように、車両10の吊り革20に内在する非接触通信装置21は、近傍に位置する携帯端末装置30にアクセス情報を送信する(ステップS101)。そして、携帯端末装置30は、非接触通信装置21から受信したアクセス情報を用いて、転送サーバ100にアクセスする(ステップS102)。
【0056】
そして、転送サーバ100は、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、携帯端末装置30からのアクセスを配信サーバ40にHTTPリダイレクトする(ステップS103)。具体的には、転送サーバ100のアクセス制御部152は、携帯端末装置30が転送サーバ100にアクセスする際に用いたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部141から取得し、取得した所在情報を携帯端末装置30に送信する。
【0057】
そして、携帯端末装置30は、転送サーバ100から受信した所在情報が示す配信サーバ40にアクセスする(ステップS104)。配信サーバ40は、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、携帯端末装置30が要求する広告コンテンツを携帯端末装置30に配信する(ステップS105)。なお、携帯端末装置30が要求する広告コンテンツとは、所在情報に依存するものである。例えば、携帯端末装置30が、所在情報「http:www.111」により配信サーバ40にアクセスした場合には、配信サーバ40は、「http:www.111」に対応する広告コンテンツを携帯端末装置30に送信する。
【0058】
そして、携帯端末装置30は、配信サーバ40から配信された広告コンテンツを表示部等に表示する(ステップS106)。これにより、携帯端末装置30の利用者は、配信サーバ40から配信された広告コンテンツを閲覧することができる。
【0059】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係るネットワークシステム1は、携帯端末装置30の利用者が乗車する車両10と、各種情報を転送する転送サーバ100と、コンテンツを配信する配信サーバ40とを含む。そして、車両10は、携帯端末装置30と非接触通信を行うことで転送サーバ100にアクセスするためのアクセス情報をかかる携帯端末装置30に送信する非接触通信装置21が乗車中の利用者近傍に設けられる。また、携帯端末装置30は、非接触通信装置21から受信したアクセス情報を用いて、転送サーバ100にアクセスする。また、転送サーバ100は、非接触通信装置21によって送信されるアクセス情報と、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツの所在を示す所在情報とを対応付けて記憶する所在情報記憶部141と、携帯端末装置30によって用いられたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部141から取得し、取得した所在情報が示す広告コンテンツに携帯端末装置30をアクセスさせるアクセス制御部152とを有する。
【0060】
これにより、実施例1によれば、車両10に乗車する利用者は、携帯端末装置30を吊り革20に近づけるだけで、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツを閲覧することができる。そして、実施例1に係るネットワークシステム1では、転送サーバ100や配信サーバ40に保持されるログから広告コンテンツにアクセスされた回数を算出することができるので、広告主は、広告効果を把握することができる。
【実施例2】
【0061】
次に、実施例2では、配信サーバ40が配信する広告コンテンツへのアクセス数を、吊り革20の位置や利用者に関する利用者情報毎に計数する例について説明する。なお、実施例2に係るネットワークシステムの構成は、図1に示した構成例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
[実施例2における転送サーバの構成例]
まず、図8を用いて、実施例2における転送サーバについて説明する。図8は、実施例2における転送サーバ200の構成例を示すブロック図である。なお、以下では、既に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0063】
図8に例示するように、実施例2における転送サーバ200は、記憶部240と、制御部250とを有する。記憶部240は、アクセス履歴記憶部242と、利用者情報記憶部243と、位置情報記憶部244と、アクセス数記憶部245とを有する。
【0064】
アクセス履歴記憶部242は、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツに、後述するアクセス制御部252が携帯端末装置30をアクセスさせるアクセス制御の履歴情報を記憶する。ここで、図9に、実施例2におけるアクセス履歴記憶部242の一例を示す。
【0065】
図9に示した例では、アクセス履歴記憶部242は、「アクセス時刻」、「端末識別子」、「アクセス情報」、「所在情報」といった項目を有する。「アクセス時刻」は、携帯端末装置30が転送サーバ200にアクセスした時刻を示す。図9では、「アクセス時刻」に、年月日時分が記憶される例を示しているが、「アクセス時刻」には、例えば、年月日時分秒が記憶されてもよいし、年月日が記憶されてもよいし、時分が記憶されてもよい。「端末識別子」は、携帯端末装置30を識別するための情報を示す。かかる「端末識別子」は、携帯端末装置毎に割り当てられる情報であり、「固体番号」等と呼ばれることがある。「アクセス情報」は、携帯端末装置30が転送サーバ200にアクセスする際に用いたアクセス情報を示す。「所在情報」は、後述するアクセス制御部252がHTTPリダイレクトを行った際に用いた所在情報を示す。
【0066】
例えば、図9に例示したアクセス履歴記憶部242は、アクセス時刻「2010年12月1日8時10分」に、端末識別子が「11」である携帯端末装置30が、アクセス情報「http:AAA・・・001」にアクセスし、転送サーバ200が、かかる携帯端末装置30に所在情報「http:www.111」を送信したことを示している。すなわち、この例は、転送サーバ200が「http:AAA・・・001」へのアクセスを「http:www.111」にHTTPリダイレクトしたことを示している。
【0067】
このようなアクセス履歴記憶部242は、後述するアクセス制御部252によって各種情報が格納される。アクセス制御部252によってアクセス履歴記憶部242に各種情報が格納される処理については後述する。
【0068】
図8の説明に戻って、利用者情報記憶部243は、携帯端末装置30の利用者に関する利用者情報を記憶する。ここで、図10に、実施例2における利用者情報記憶部243の一例を示す。図10に示した例では、利用者情報記憶部243は、「端末識別子」、「利用者情報」といった項目を有する。「端末識別子」は、図9に示した端末識別子に対応する。「利用者情報」は、携帯端末装置30の利用者に関する情報を示す。図10に示した例では、「利用者情報」は、「性別」、「年齢」を記憶する。
【0069】
例えば、図10に例示した利用者情報記憶部243は、端末識別子が「11」である携帯端末装置30の利用者は、性別が「女」であり、年齢が「20代(20歳〜29歳)」であることを示している。また、例えば、図10に例示した利用者情報記憶部243は、端末識別子が「12」である携帯端末装置30の利用者は、性別が「男」であり、年齢が「10代(10歳〜19歳)」であることを示している。なお、図10では、利用者情報記憶部243の「年齢」に「10代」や「20代」といった年齢の範囲が記憶される例を示したが、利用者情報記憶部243の「年齢」には、「15歳」や「20歳」といった特定の年齢が記憶されてもよい。
【0070】
このような利用者情報記憶部243に各種情報を格納する手法はいくつか考えられる。例えば、管理者等が、携帯端末装置を管理する管理会社等から利用者情報を取得し、取得した利用者情報を利用者情報記憶部243に格納してもよい。または、転送サーバ200が、携帯端末装置を管理する管理会社等から利用者情報を取得し、取得した利用者情報を利用者情報記憶部243に格納してもよい。または、転送サーバ200が、利用者に性別や年齢等の利用者情報を問い合わせる要求を携帯端末装置30に送信し、かかる要求に応じて利用者に入力された利用者情報を携帯端末装置30から受信し、受信した利用者情報を利用者情報記憶部243に格納してもよい。
【0071】
図8の説明に戻って、位置情報記憶部244は、アクセス情報を送信した非接触通信装置21が車両10に設けられている位置を示す位置情報を記憶する。ここで、図11に、実施例2における位置情報記憶部244の一例を示す。図11に示した例では、位置情報記憶部244は、「アクセス情報」、「位置情報」といった項目を有する。「アクセス情報」は、非接触通信装置21によって送信されるアクセス情報を示す。「位置情報」は、非接触通信装置21が車両10に設けられている位置を示す。
【0072】
なお、上記の通り、割当情報は、非接触通信装置21毎に割り当てられる情報である。すなわち、割当情報は、非接触通信装置21を識別するための識別情報であるともいえる。そして、アクセス情報には割当情報が含まれるので、アクセス情報に含まれる割当情報に基づいて、非接触通信装置21を識別することができる。例えば、アクセス情報「http:AAA・・・001」を送信する非接触通信装置は、割当情報「001」が割り当てられた非接触通信装置であると識別することができる。
【0073】
図11に例示した位置情報記憶部244は、アクセス情報「http:AAA・・・001」を送信する非接触通信装置21が、割当情報「001」を割り当てられており、車両10の1車両目の1番目に設けられていることを示している。また、例えば、図11に例示した位置情報記憶部244は、アクセス情報「http:AAA・・・002」を送信する非接触通信装置21が、割当情報「002」を割り当てられており、車両10の1車両目の2番目に設けられていることを示している。なお、「N車両目のM番目」が示す位置は、予め決められている吊り革20の位置である。
【0074】
このような位置情報記憶部244は、管理者等によって予め各種情報が記憶される。なお、図11に示した例では、位置情報記憶部244が、アクセス情報を記憶する例を示したが、位置情報記憶部244は、アクセス情報の代わりに割当情報を記憶してもよい。図11に示した例を用いて説明すると、位置情報記憶部244は、例えば、割当情報「001」に対応付けて位置情報「1車両1番」を記憶し、割当情報「002」に対応付けて位置情報「1車両2番」等を記憶してもよい。
【0075】
図8の説明に戻って、アクセス数記憶部245は、所在情報毎に、かかる所在情報が示す広告コンテンツに携帯端末装置30がアクセスした回数であるアクセス数を記憶する。ここで、図12に、実施例2におけるアクセス数記憶部245の一例を示す。
【0076】
図12に示した例では、アクセス数記憶部245は、「所在情報」、「時間帯」、「アクセス数」といった項目を有する。「所在情報」は、図9に示した所在情報に対応する。「時間帯」は、時刻の範囲を記憶する。図12に示した例では、「時間帯」は、1時間毎に時刻の範囲を記憶する。「アクセス数」は、アクセス制御部252によってHTTPリダイレクトが行われた回数を示す。言い換えれば、「アクセス数」は、配信サーバ40によって提供されるコンテンツに携帯端末装置30がアクセスした回数を示す。
【0077】
例えば、図12に例示したアクセス数記憶部245は、時刻「0時〜1時」に、携帯端末装置30によって所在情報「http:www.111」にアクセスされた回数が「15回」であることを示している。また、例えば、図12に例示したアクセス数記憶部245は、時刻「7時〜8時」の間に、携帯端末装置30によって所在情報「http:www.111」にアクセスされた回数が「310回」であることを示している。なお、以下で表記する「X時〜Y時」は、「X時00分以降でありY時00分よりも前」の時刻を示すものとする。
【0078】
このようなアクセス数記憶部245は、後述する計数部253によって更新される。なお、図12に示した例では、アクセス数記憶部245が、1時間毎のアクセス数を記憶する例を示したが、これに限られず、アクセス数記憶部245は、例えば、2時間毎のアクセス数や、10分毎のアクセス数等を記憶してもよい。また、アクセス数記憶部245は、車両10の乗客数が多くなることが想定される時間帯については、短い時間毎にアクセス数を記憶し、乗客数が少なくなることが想定される時間帯については、長い時間毎にアクセス数を記憶してもよい。例えば、アクセス数記憶部245は、車両10が運行しない「1時〜5時」についてはアクセス数を記憶せず、「5時〜7時」については30分毎のアクセス数を記憶し、「7時〜9時」については10分毎のアクセス数を記憶し、「9時〜17時」については1時間毎のアクセス数を記憶し、「17時〜1時」については10分毎のアクセス数を記憶してもよい。
【0079】
また、図12に示した例では、アクセス数記憶部245が、所在情報と時間帯とアクセス数とを対応付けて記憶する例を示したが、これに限られない。例えば、アクセス数記憶部245は、所在情報に対応付けて、時刻帯、端末識別子、性別、年齢、位置情報のいずれかの1以上の情報を記憶してもよい。
【0080】
図8の説明に戻って、制御部250は、アクセス制御部252と、計数部253を有する。アクセス制御部252は、図5に示したアクセス制御部152と同様に、携帯端末装置30によって用いられたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部141から取得し、取得した所在情報を携帯端末装置30に送信するHTTPリダイレクトを行う。
【0081】
さらに、アクセス制御部252は、HTTPリダイレクトを行った場合に、HTTPリダイレクトの履歴情報をアクセス履歴記憶部242に格納する。具体的には、アクセス制御部252は、携帯端末装置30が転送サーバ200にアクセスしたアクセス時刻と、かかる携帯端末装置30の端末識別子と、かかる携帯端末装置30が転送サーバ200にアクセスする際に用いたアクセス情報と、かかる携帯端末装置30に送信した所在情報とをアクセス履歴記憶部242に格納する。なお、携帯端末装置30は、転送サーバ200にアクセスする場合に、自装置の端末識別子を転送サーバ200に送信するものとする。
【0082】
例えば、「2010年12月2日8時20分」に、端末識別子が「12」である携帯端末装置30が、アクセス情報「http:AAA・・・005」にアクセスしたものとする。このとき、アクセス制御部252が、アクセス情報「http:AAA・・・005」に対応する所在情報「http:www.555」を携帯端末装置30に送信したものとする。かかる場合に、アクセス制御部252は、図9に例示したように、アクセス時刻「201012020820」と、端末識別子「12」と、アクセス情報「http:AAA・・・005」と、所在情報「http:www.555」とを対応付けて、アクセス履歴記憶部242に格納する。
【0083】
計数部253は、アクセス履歴記憶部242に記憶されている各種情報に基づいて、所在情報毎に、かかる所在情報が示す広告コンテンツにアクセス制御部252がHTTPリダイレクトした回数を計数する。言い換えれば、計数部253は、所在情報毎に、かかる所在情報が示すコンテンツに携帯端末装置30がアクセスしたアクセス数を計数する。なお、実施例2における計数部253は、所在情報毎のアクセス数を、アクセス時刻、端末識別子、利用者情報、位置情報等の少なくとも1以上の項目毎に計数する。そして、計数部253は、計数したアクセス数をアクセス数記憶部245に格納する。
【0084】
以下に、計数部253による計数処理について具体例を挙げて説明する。まず、所在情報毎のアクセス数を所定のアクセス時刻毎に計数する例について説明する。かかる場合に、計数部253は、アクセス履歴記憶部242を検索し、所在情報が同一であり、かつ、アクセス時刻が所定の時間範囲であるレコード数を計数する。例えば、計数部253は、アクセス履歴記憶部242から、アクセス時刻の下4桁が「0700」〜「0759」であり、かつ、所在情報が「http:www.111」であるレコード数を計数する。そして、計数部253は、計数結果を、「7時〜8時」に所在情報「http:www.111」にアクセスされたアクセス数とする。そして、計数部253は、アクセス時刻及び所在情報を変動させて、上記と同様の処理を行い、図12に例示したアクセス数記憶部245に、所在情報、時間帯、アクセス数を対応付けて格納する。
【0085】
続いて、計数部253が、所在情報毎のアクセス数を端末識別子毎に計数する例について説明する。かかる場合に、計数部253は、アクセス履歴記憶部242を検索し、端末識別子毎に、所在情報が同一であるレコード数を計数する。例えば、計数部253は、アクセス履歴記憶部242から、端末識別子が「11」であり、かつ、所在情報が「http:www.111」であるレコード数を計数する。そして、計数部253は、かかる計数結果を、端末識別子が「11」である携帯端末装置30によって所在情報「http:www.111」にアクセスされたアクセス数とする。そして、計数部253は、端末識別子及び所在情報を変動させて、上記と同様の処理を行う。このような場合には、アクセス数記憶部245は、所在情報と端末識別子とアクセス数とを対応付けて記憶し、計数部253は、計数結果をアクセス数記憶部245に格納する。
【0086】
また、計数部253が、所在情報毎のアクセス数を利用者情報毎に計数する例について説明する。ここでは、計数部253は、利用者情報の性別毎にアクセス数を計数するものとする。かかる場合に、計数部253は、アクセス履歴記憶部242に記憶されている端末識別子に対応する性別を利用者情報記憶部243から取得する。このとき、計数部253は、アクセス履歴記憶部242に記憶されている全てのレコードについて、端末識別子に対応する性別を利用者情報記憶部243から取得する。そして、計数部253は、利用者情報記憶部243から取得した性別毎にレコード数を計数し、計数したレコード数をアクセス数とすることで、性別毎のアクセス数を計数する。このような場合には、アクセス数記憶部245は、所在情報と性別とアクセス数とを対応付けて記憶し、計数部253は、計数結果をアクセス数記憶部245に格納する。
【0087】
同様に、計数部253は、アクセス履歴記憶部242に記憶されている各種情報と、利用者情報記憶部243に記憶されている各種情報とに基づいて、所在情報毎のアクセス数を年齢毎に計数することができる。また、計数部253は、アクセス履歴記憶部242に記憶されている各種情報と、位置情報記憶部244に記憶されている各種情報とに基づいて、所在情報毎のアクセス数を吊り革20の位置毎に計数したり、所在情報毎のアクセス数を車両毎に計数することができる。また、例えば、計数部253は、所在情報毎のアクセス数を平日と祝休日とに分けて計数することができる。
【0088】
また、計数部253は、アクセス時刻、端末識別子、利用者情報、位置情報のうち、複数の情報を組み合わせて、組み合わせた情報毎に、アクセス数を計数してもよい。例えば、計数部253は、所在情報と、アクセス時刻と、性別と、年齢とを組み合わせた情報毎に、アクセス数を計数してもよい。この例の場合には、計数部253は、例えば、所在情報毎に、アクセス時刻「7時〜8時」に、性別「男」かつ年齢「20代」の利用者が保持する携帯端末装置30が、所在情報によって示されるコンテンツにアクセスした回数等を計数することができる。
【0089】
また、計数部253は、計数結果を計数部253に記憶する他に、表示部130に計数結果を表示してもよいし、IF部110を介して管理者等の情報処理装置に計数結果を送信してもよいし、図示しないスピーカ等に計数結果を音声として出力してもよい。
【0090】
また、計数部253は、管理者等が入力部120を介して、計数処理を行う旨の指示を行った場合に、計数処理を行ってもよいし、予め決められた時刻に計数処理を行ってもよい。また、計数部253が、所在情報、アクセス時刻、性別、年齢、又はこれらを組み合わせた情報のいずれかの情報毎にアクセス数を計数するかは、管理者等が入力部120を介して設定してもよい。
【0091】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2では、転送サーバ200が、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツにアクセス制御部252が携帯端末装置30をアクセスさせるアクセス制御の履歴情報を記憶するアクセス履歴記憶部242と、アクセス履歴記憶部242に記憶されている履歴情報に基づいて、所在情報毎に、かかる所在情報が示す広告コンテンツに携帯端末装置30がアクセスしたアクセス数を計数する計数部253とを有する。
【0092】
さらに、実施例2では、アクセス履歴記憶部242は、アクセス制御部252が携帯端末装置30をアクセスさせた広告コンテンツの所在情報に対応付けて、かかる携帯端末装置30が転送サーバ200にアクセスしたアクセス時刻、かかる携帯端末装置30を識別するための端末識別子、かかる携帯端末装置30の利用者に関する利用者情報、アクセス情報を送信した非接触通信装置21の位置情報の少なくとも1以上を記憶する。また、計数部253は、アクセス履歴記憶部242に記憶されているアクセス時刻、端末識別子、利用者情報、位置情報の少なくとも1以上の項目毎に、所在情報毎のアクセス数を計数する。
【0093】
このため、実施例2によれば、広告主は、広告効果を詳細に把握することができる。例えば、広告主は、アクセス時刻毎のアクセス数や、携帯端末装置30の端末識別子毎のアクセス数や、利用者情報毎のアクセス数や、吊り革20の位置情報毎のアクセス数を把握することができる。
【実施例3】
【0094】
次に、実施例3では、携帯端末装置30の利用者に関する利用者情報や非接触通信装置21の位置情報等によって、携帯端末装置30に送信する所在情報を変動させる例について説明する。言い換えれば、実施例3では、利用者情報や位置情報等によって、リダイレクト先を変動させる例について説明する。
【0095】
[実施例3における転送サーバの構成例]
まず、図13を用いて、実施例3における転送サーバについて説明する。図13は、実施例3における転送サーバ300の構成例を示すブロック図である。図13に例示するように、実施例3における転送サーバ300は、記憶部340と、制御部350とを有する。記憶部340は、所在情報記憶部341と、優先情報記憶部346とを有する。
【0096】
所在情報記憶部341は、非接触通信装置21によって送信されるアクセス情報と、リダイレクト先となる所在情報の候補とを対応付けて記憶する。ここで、図14に、実施例3における所在情報記憶部341の一例を示す。
【0097】
図14に例示するように、所在情報記憶部341は、「アクセス情報」、「所在情報」といった項目を有する。「アクセス情報」は、非接触通信装置21によって送信されるアクセス情報を示し、図6に例示したアクセス情報と同様である。「所在情報」は、配信サーバ40によって配信される広告コンテンツの所在を示し、図6に例示した所在情報と同様である。ただし、所在情報記憶部341は、アクセス情報に対応付けて、複数の所在情報を有する。例えば、図14に示した所在情報記憶部341は、携帯端末装置30からアクセス情報「http:AAA・・・011」によりアクセスされた場合に、「http:www.101」、又は、「http:www.102」にHTTPリダイレクトすることを示している。
【0098】
図13の説明に戻って、優先情報記憶部346は、携帯端末装置30による転送サーバ300へのアクセスに関係する情報である属性情報に対応付けて、かかる携帯端末装置30に優先的にアクセスさせる広告コンテンツの所在情報である優先所在情報を記憶する。なお、携帯端末装置30による転送サーバ300へのアクセスに関係する属性情報とは、例えば、携帯端末装置30が転送サーバ300にアクセスしたアクセス時刻や、転送サーバ300にアクセスした携帯端末装置30の利用者に関する利用者情報や、携帯端末装置30が転送サーバ300にアクセスする際に用いたアクセス情報を送信した非接触通信装置21の位置情報等を示す。ここで、図15に、実施例3における優先情報記憶部346の一例を示す。
【0099】
図15に示した例では、優先情報記憶部346は、「属性情報」、「優先所在情報」といった項目を有する。「属性情報」は、携帯端末装置30による転送サーバ300へのアクセスに関係する各種情報を示す。図15に示した例では、「属性情報」は、「アクセス時刻」、「性別」、「年代」、「位置情報」を記憶する。「優先所在情報」は、携帯端末装置30に優先的にアクセスさせる広告コンテンツの所在情報を示す。
【0100】
例えば、図15に例示した優先情報記憶部346は、携帯端末装置30から「7時〜8時」にアクセスされた場合には、優先所在情報「http:AAA・・・101」に優先的にアクセスさせることを示している。また、例えば、図15に例示した優先情報記憶部346は、利用者の性別が「女」である携帯端末装置30からアクセスされた場合には、優先所在情報「http:AAA・・・102」に優先的にアクセスさせることを示している。
【0101】
このような優先情報記憶部346は、管理者等によって予め各種情報が記憶される。例えば、「http:AAA・・・101」がスポーツニュースに関する広告コンテンツである場合には、かかる広告コンテンツは、朝の通勤時における男性の利用者に閲覧したいというニーズが存在することが考えられる。このような場合には、管理者等は、図15に例示したように、朝の通勤時に該当するアクセス時刻「7時〜8時」に対応付けて、優先所在情報「http:AAA・・・101」を優先情報記憶部346に格納するとともに、性別「男」に対応付けて、優先所在情報「http:AAA・・・101」を優先情報記憶部346に格納する。このように、管理者等は、広告コンテンツの閲覧ニーズによって、属性情報と優先所在情報とを優先情報記憶部346に格納する。
【0102】
図13の説明に戻って、制御部350は、アクセス制御部352を有する。アクセス制御部352は、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、かかるアクセスに関係する属性情報に対応する優先所在情報を優先情報記憶部346から取得し、取得した優先所在情報が示す広告コンテンツに携帯端末装置30を優先的にアクセスさせる。
【0103】
具体的には、アクセス制御部352は、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、アクセスされたアクセス時刻、かかる携帯端末装置30の利用者の性別又は年代、携帯端末装置30がアクセスに用いたアクセス情報を送信した非接触通信装置21の位置情報等に対応する優先所在情報を優先情報記憶部346から取得する。このとき、アクセス制御部352は、利用者情報記憶部243から、携帯端末装置30から受信した端末識別子に対応する利用者の性別又は年代を取得する。また、アクセス制御部352は、位置情報記憶部244から、携帯端末装置30がアクセスに用いたアクセス情報に対応する位置情報を取得する。
【0104】
そして、アクセス制御部352は、優先情報記憶部346から優先所在情報を取得できた場合には、かかる優先所在情報を携帯端末装置30に送信する。一方、アクセス制御部352は、優先情報記憶部346から優先所在情報を取得できなかった場合には、携帯端末装置30が転送サーバ300へのアクセスに用いたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部341から取得し、取得した所在情報を携帯端末装置30に送信する。このとき、アクセス制御部352は、所在情報記憶部341から複数の所在情報を取得した場合には、いずれの所在情報を携帯端末装置30に送信してもよい。
【0105】
[実施例3におけるアクセス制御部による処理手順]
次に、図16を用いて、アクセス制御部352による処理の手順について説明する。図16は、実施例3におけるアクセス制御部352による処理手順を示すフローチャートである。
【0106】
図16に示すように、アクセス制御部352は、携帯端末装置30からアクセスされた場合に(ステップS201肯定)、アクセスに関係する属性情報に対応する優先所在情報を優先情報記憶部346から取得する(ステップS202)。そして、アクセス制御部352は、優先情報記憶部346から優先所在情報を取得できた場合には(ステップS203肯定)、かかる優先所在情報を携帯端末装置30に送信する(ステップS204)。
【0107】
一方、アクセス制御部352は、優先情報記憶部346から優先所在情報を取得できなかった場合には(ステップS203否定)、携帯端末装置30が転送サーバ300にアクセスする際に用いたアクセス情報に対応する所在情報を所在情報記憶部341から取得し、取得した所在情報のいずれかを携帯端末装置30に送信する(ステップS205)。
【0108】
[実施例3の効果]
上述してきたように、実施例3では、転送サーバ300が、携帯端末装置30による転送サーバ300へのアクセスに関係する情報である属性情報に対応付けて、かかる携帯端末装置30に優先的にアクセスさせるコンテンツの所在情報である優先所在情報を記憶する優先情報記憶部346と、携帯端末装置30から転送サーバ300へのアクセスが行われた場合に、かかるアクセスに関係する属性情報に対応する優先所在情報を優先情報記憶部346から取得し、取得した優先所在情報が示す広告コンテンツに携帯端末装置30をアクセスさせるアクセス制御部352を有する。
【0109】
このため、実施例3によれば、利用者にニーズに見合う広告コンテンツを携帯端末装置30に提供することができる。すなわち、実施例3によれば、広告主は、利用者に対するサービスを向上させることができる。
【実施例4】
【0110】
上記実施例2及び3では、利用者情報記憶部243が管理者等によって更新される例を示した。しかし、利用者情報記憶部243に格納される各種情報は、携帯端末装置30がアクセスする広告コンテンツの種別に基づいて、推定されてもよい。そこで、実施例4では、利用者情報を推定する例について説明する。
【0111】
[実施例4における転送サーバの構成例]
まず、図17を用いて、実施例4における転送サーバについて説明する。図17は、実施例4における転送サーバ400の構成例を示すブロック図である。図17に例示するように、実施例4における転送サーバ400は、記憶部440と、制御部450とを有する。記憶部440は、傾向情報記憶部447を有する。
【0112】
傾向情報記憶部447は、所在情報に対応付けて、かかる所在情報が示す広告コンテンツにアクセスする携帯端末装置30の利用者の傾向を示す傾向情報を記憶する。ここで、図18に、実施例4における傾向情報記憶部447の一例を示す。
【0113】
図18に示した例では、傾向情報記憶部447は、「所在情報」、「種別」、「傾向情報」といった項目を有する。「所在情報」は、図6に示した所在情報に対応する。「種別」は、所在情報が示す広告コンテンツの種別を示す。「傾向情報」は、所在情報が示す広告コンテンツにアクセスする利用者の傾向を示す。図18に例示した「傾向情報」は、利用者情報毎に、コンテンツにアクセスする傾向を数値で記憶する。なお、ここでは、「傾向情報」に記憶されている数値が大きいほど、コンテンツにアクセスすることが多い傾向にあることを示すものとする。
【0114】
例えば、図18に例示した傾向情報記憶部447は、所在情報「http:www.111」が「女性ファッション」に関する広告コンテンツであることを示している。さらに、図18に例示した傾向情報記憶部447は、「http:www.111」には、利用者が女性や20代である携帯端末装置30からアクセスされることが1番多く、次いで、利用者が10代である携帯端末装置30からアクセスされることが多く、利用者が男性である携帯端末装置30からアクセスされることは少ない傾向にあることを示している。
【0115】
図17の説明に戻って、制御部450は、推定部454を有する。推定部454は、アクセス制御部152によって携帯端末装置30がアクセス制御された広告コンテンツの所在情報に対応する傾向情報を傾向情報記憶部447から取得し、取得した傾向情報に基づいて、かかる携帯端末装置30の利用者に関する利用者情報を推定する。言い換えれば、推定部454は、携帯端末装置30がアクセスした広告コンテンツの所在情報に対応する傾向情報に基づいて利用者情報を推定する。
【0116】
具体的には、推定部454は、アクセス履歴記憶部242から、端末識別子毎に所在情報を取得し、取得した所在情報に対応するに傾向情報を傾向情報記憶部447から取得する。そして、推定部454は、取得した全ての傾向情報に基づいて、アクセス履歴記憶部242から取得した所在情報が示す広告コンテンツに最もアクセスすることが多い傾向にある利用者の傾向を推定する。
【0117】
推定部454による推定処理について具体例を挙げて説明する。ここでは、アクセス履歴記憶部242に記憶されている各種情報は、図9に示した状態であるものとする。また、傾向情報記憶部447に記憶されている各種情報は、図18に示した状態であるものとする。かかる場合に、アクセス履歴記憶部242は、例えば、図9に例示したアクセス履歴記憶部242から、端末識別子「11」に対応する所在情報「http:www.111」及び「http:www.444」を取得する。続いて、推定部454は、傾向情報記憶部447から、所在情報「http:www.111」に対応する傾向情報「性別『男』=『0』、性別『女』=『10』、年代『10代』=『5』、年代『20代』=『10』」を取得するとともに、所在情報「http:www.444」に対応する傾向情報「性別『男』=『3』、性別『女』=『0』、年代『10代』=『3』、年代『20代』=『3』」を取得する。
【0118】
そして、推定部454は、取得した傾向情報を利用者情報毎に加算する。すなわち、上記例の場合には、推定部454は、傾向情報記憶部447から取得した2個の傾向情報を利用者情報毎に加算することで、「性別『男』=『3』、性別『女』=『10』、年代『10代』=『8』、年代『20代』=『13』」を得る。そして、推定部454は、性別『男』=『3』と、性別『女』=『10』とを比較して、性別『女』の方が傾向情報の加算値が大きいので、端末識別子が「11」である携帯端末装置30の利用者は女性であると推定する。また、推定部454は、年代『10代』=『8』と、年代『20代』=『13』とを比較して、年代『20代』=『13』の方が傾向情報の加算値が大きいので、端末識別子が「11」である携帯端末装置30の利用者は20代であると推定する。そして、推定部454は、推定した結果を利用者情報記憶部243に格納する。上記例の場合には、推定部454は、端末識別子「11」、性別「女」、年齢「20代」を対応付けて利用者情報記憶部243に格納する。
【0119】
なお、図18では、傾向情報記憶部447が、所在情報と傾向情報とを対応付けて記憶する例を示したが、傾向情報記憶部447は、非接触通信装置21の位置情報と傾向情報とを対応付けて記憶してもよいし、アクセス時刻と傾向情報とを対応付けて記憶してもよい。具体的には、所定の学校の最寄り駅に停車する電車には、かかる学校の生徒が通学時間に乗車することが考えられる。例えば、男子高校Aの最寄り駅Bに停車する電車Cの乗客のうち、通学時間「7時〜8時」の乗客は、ほとんど10代の男性であることが考えられる。この場合には、傾向情報記憶部447は、例えば、非接触通信装置21の位置情報「電車Cの1車両1番」とアクセス時刻「7時〜8時」との組み合わせに対応付けて、傾向情報「性別『男』=『10』、性別『女』=『0』、年代『10代』=『10』、年代『20代』=『0』」を記憶する。これにより、推定部454は、例えば、「7時〜8時」に電車Cからアクセスした携帯端末装置30の利用者が10代の男性であると推定することができる。
【0120】
なお、推定部454は、管理者等が入力部120を介して、推定処理を行う旨の指示を行った場合に、推定処理を行ってもよいし、予め決められた時刻に推定処理を行ってもよい。
【0121】
[実施例4における推定部による処理手順]
次に、図19を用いて、推定部454による処理の手順について説明する。図19は、実施例4における推定部454による処理手順を示すフローチャートである。
【0122】
図19に示すように、推定部454は、推定処理を開始するタイミングになった場合に(ステップS301肯定)、アクセス履歴記憶部242から、端末識別子毎に所在情報を取得する(ステップS302)。なお、ここでいう「推定処理を開始するタイミング」とは、上記の通り、管理者等から推定処理を行う旨の指示を受け付けた場合や、予め決められた時刻になった場合等を示す。
【0123】
そして、推定部454は、取得した所在情報に対応するに傾向情報を傾向情報記憶部447から取得し、取得した全ての傾向情報を集計する(ステップS303)。例えば、推定部454は、傾向情報記憶部447から取得した傾向情報を利用者情報毎に加算する。
【0124】
そして、推定部454は、傾向情報の集計結果に基づいて、アクセス履歴記憶部242から取得した所在情報が示すコンテンツに最もアクセスすることが多い傾向にある利用者の傾向を推定する(ステップS304)。そして、推定部454は、推定結果を利用者情報記憶部243に更新する(ステップS305)。
【0125】
[実施例4の効果]
上述してきたように、実施例4では、転送サーバ400が、所在情報に対応付けて、かかる所在情報が示す広告コンテンツにアクセスする携帯端末装置30の利用者の傾向を示す傾向情報を記憶する傾向情報記憶部447と、アクセス制御部152によって携帯端末装置30がアクセス制御された広告コンテンツの所在情報に対応する傾向情報を傾向情報記憶部447から取得し、取得した傾向情報に基づいて、携帯端末装置30の利用者に関する利用者情報を推定する推定部454とを有する。
【0126】
このため、実施例4によれば、携帯端末装置30を管理する管理会社等から利用者情報を取得できない場合であっても、利用者に利用者情報を入力させることなく、利用者情報を得ることができる。したがって、実施例4における転送サーバ400を実施例2に適用した場合には、利用者に利用者情報を入力させることなく、広告主は、広告効果を詳細に把握することができる。また、実施例4における転送サーバ400を実施例3に適用した場合には、利用者に利用者情報を入力させることなく、利用者にニーズに見合う広告コンテンツを携帯端末装置30に提供することができる。
【実施例5】
【0127】
上記実施例1では、吊り革20の広告媒体25や中吊り広告13a〜13b等の紙による広告に、広告コンテンツに関するコンテンツ情報を掲載する例について示した。しかし、各種情報を表示するディスプレイ等の表示装置に、コンテンツ情報を掲載してもよい。そこで、実施例5では、広告コンテンツに関するコンテンツ情報を表示装置に掲載する例について説明する。
【0128】
[実施例5に係るネットワークシステムの構成例]
まず、図20を用いて、実施例5に係るネットワークシステムについて説明する。図20は、実施例5に係るネットワークシステム2の構成例を示す図である。図20に例示するように、実施例5に係るネットワークシステム2は、車両50と、配信サーバ40と、コンテンツ表示制御装置80と、転送サーバ500とを含む。
【0129】
実施例5における車両50は、吊り革60a及び60bと、中吊りデジタル広告70とが備えられる。吊り革60a及び60bには、各種情報を表示するディスプレイ等の表示装置が設けられる。また、中吊りデジタル広告70は、各種情報を表示するディスプレイ等の表示装置である。なお、吊り革60a及び60b等は、同様の構成を有するので、以下では、吊り革60a及び60b等を総称して「吊り革60」と表記する場合がある。
【0130】
コンテンツ表示制御装置80は、広告コンテンツに関するコンテンツ情報を、吊り革60に設けられた表示装置や中吊りデジタル広告70に表示制御する。なお、コンテンツ表示制御装置80については、後に詳述する。
【0131】
図21に、実施例5における吊り革60の平面図を示す。図21に示すように、実施例5における吊り革60は、持ち手部22と、吊り紐23と、カバー24と、デジタル広告媒体65とを含む。デジタル広告媒体65は、カバー24上に備えられた小型ディスプレイ等の表示装置であり、コンテンツ表示制御装置80による制御によって、広告コンテンツに関するコンテンツ情報を表示制御する。図21に示した例では、デジタル広告媒体65は、『サイトAにアクセス 「タッチ」してください』といったコンテンツ情報を表示している。
【0132】
[実施例5におけるコンテンツ表示制御装置の構成例]
次に、図22を用いて、図20に示したコンテンツ表示制御装置80について説明する。図22は、実施例5におけるコンテンツ表示制御装置80の構成例を示すブロック図である。図22に例示するように、実施例5におけるコンテンツ表示制御装置80は、IF部81と、入力部82と、表示部83と、記憶部84と、制御部85とを有する。
【0133】
IF部81は、外部装置との間で各種情報を送受する。例えば、IF部81は、デジタル広告媒体65や中吊りデジタル広告70に各種情報を送信する。入力部82は、各種情報や操作指示を入力するための入力デバイスであり、例えば、数字および文字等を入力するテンキーや、メニュー選択および表示スクロール等に用いられるカーソルキー等である。表示部83は、各種情報を出力する出力デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイである。
【0134】
記憶部84は、各種情報を記憶する記憶デバイスであり、図22に示した例では、コンテンツ情報記憶部84aを有する。コンテンツ情報記憶部84aは、非接触通信装置21の位置情報と、広告コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報とを対応付けて記憶する。ここで、図23に、実施例5におけるコンテンツ情報記憶部84aの一例を示す。
【0135】
図23に示した例では、コンテンツ情報記憶部84aは、「位置情報」、「コンテンツ情報」といった項目を有する。「位置情報」は、非接触通信装置21が車両50に設けられている位置を示す。「コンテンツ情報」は、広告コンテンツに関する情報を示す。
【0136】
例えば、図23に例示したコンテンツ情報記憶部84aは、1車両目1番目に設けられている吊り革60のデジタル広告媒体65には、「サイトAにアクセス・・・」といったコンテンツ情報が表示されることを示している。また、例えば、図23に例示したコンテンツ情報記憶部84aは、車両50の1車両目4番目に設けられている吊り革60のデジタル広告媒体65には、「サイトBにアクセス・・・」といったコンテンツ情報が表示されることを示している。
【0137】
なお、コンテンツ情報記憶部84aは、中吊りデジタル広告70が車両50に設けられている位置を示す位置情報に対応付けて、コンテンツ情報を記憶してもよい。このようなコンテンツ情報記憶部84aは、管理者等によって予め各種情報が記憶される。例えば、管理者等は、吊り革60に内在する非接触通信装置21と非接触通信を行うことで配信される広告コンテンツに関するコンテンツ情報が、かかる吊り革60のデジタル広告媒体65に表示制御されるように、コンテンツ情報記憶部84aに各種情報を格納する。
【0138】
図22の説明に戻って、制御部85は、表示制御部85aと、更新部85bとを有する。表示制御部85aは、コンテンツ情報記憶部84aに記憶されている各種情報に基づいて、IF部81を介して、車両50内の吊り革60に備えられているデジタル広告媒体65に、コンテンツ情報を表示するように制御する。
【0139】
例えば、コンテンツ情報記憶部84aに記憶されている各種情報が図23に示した状態であるものとする。かかる場合に、制御部85は、コンテンツ情報記憶部84aから、位置情報「1車両1番」とコンテンツ情報「サイトAにアクセス・・・」とを取得し、1車両目の1番目の吊り革60に備えられているデジタル広告媒体65に、「サイトAにアクセス・・・」を表示するように制御する。
【0140】
なお、コンテンツ情報記憶部84aが中吊りデジタル広告70の位置情報に対応付けてコンテンツ情報を記憶する場合には、コンテンツ情報記憶部84aは、かかる位置情報が示す中吊りデジタル広告70に、コンテンツ情報を表示するように制御する。
【0141】
更新部85bは、入力部82を介してコンテンツ情報記憶部84aに記憶されている情報を更新する旨の操作を受け付けた場合に、かかる操作内容に従って、コンテンツ情報記憶部84aに記憶されている情報を更新する。
【0142】
[実施例5における転送サーバの構成例]
次に、図24を用いて、図20に示した転送サーバ500について説明する。図24は、実施例5における転送サーバ500の構成例を示すブロック図である。図24に例示するように、転送サーバ500は、制御部550を有する。かかる制御部550は、更新部555を有する。
【0143】
更新部555は、入力部120を介して所在情報記憶部141に記憶されている情報を更新する旨の操作を受け付けた場合に、かかる操作内容に従って、所在情報記憶部141に記憶されている情報を更新する。
【0144】
[実施例5の効果]
上述してきたように、実施例5では、コンテンツ表示制御装置80が、非接触通信装置21の近傍に設けられたデジタル広告媒体65や中吊りデジタル広告70に、かかる非接触通信装置21から送信されるアクセス情報により携帯端末装置30がアクセスする広告コンテンツに関するコンテンツ情報を表示制御する。具体的には、実施例5では、車両50内の吊り革60にデジタル広告媒体65が設けられ、車両50に中吊りデジタル広告70が設けられ、コンテンツ表示制御装置80が、吊り革60や中吊りデジタル広告70の位置情報に対応付けてコンテンツ情報をコンテンツ情報記憶部84aに記憶し、コンテンツ情報記憶部84aに記憶されている各種情報に基づいて、吊り革60や中吊りデジタル広告70にコンテンツ情報を表示する表示制御する。
【0145】
このため、実施例5によれば、管理者等は、デジタル広告媒体65や中吊りデジタル広告70に表示されるコンテンツ情報をフレキシブルに変更することができる。例えば、管理者等は、広告主の変更等の理由により、転送サーバ500の所在情報記憶部141に記憶されている所在情報を更新する場合がある。すなわち、吊り革60に内在する非接触通信装置21と非接触通信を行うことで配信サーバ40から携帯端末装置30に提供される広告コンテンツが変動することになる。このような場合には、吊り革や中吊り広告に掲載されるコンテンツ情報を変更することになるが、実施例5によれば、管理者等は、コンテンツ表示制御装置80を操作するだけで、デジタル広告媒体65や中吊りデジタル広告70に表示されるコンテンツ情報を変更することができる。
【0146】
なお、上記実施例5において、コンテンツ表示制御装置80の更新部85bと、転送サーバ500の更新部555とは連動して動作してもよい。具体的には、コンテンツ表示制御装置80と転送サーバ500とがネットワークを介して接続され、更新部85bによる更新処理に連動して更新部555が更新処理を行い、その逆に、更新部555による更新処理に連動して更新部85bが更新処理を行う。
【0147】
例えば、更新部555が、図6に例示した所在情報記憶部141の所在情報「http:www.444」を「http:www.555」に更新したものとする。かかる場合には、更新部555は、アクセス情報「http:AAA・・・004」に対応する所在情報を「http:www.555」に更新したことを更新部85bに通知する。かかる通知を受信した更新部85bは、コンテンツ情報記憶部84aに記憶されている各種情報のうち、割当情報が「004」である吊り革60の位置情報に対応するコンテンツ情報を、「http:www.555」に対応するコンテンツ情報に更新する。
【実施例6】
【0148】
上記実施例1では、吊り革20の吊り紐23を覆うケース26上に非接触通信装置21が設けられ、かかる非接触通信装置21を覆うカバー24が設けられる例を示したが、従来から吊り革に一般的に備えられているケース26の内部の非接触通信装置21を構成する部位の一部を内蔵してもよい。そこで、実施例6では、吊り革の他の構造例について説明する。
【0149】
図25及び図26を用いて、実施例6における吊り革の構造について説明する。図25は、実施例6における吊り革の平面図である。また、図26は、図25のII−II線における断面を模式的に示す図である。
【0150】
図25に示すように、実施例6における吊り革90は、持ち手部22と、吊り紐23と、第1ケース96aと、第2ケース96bとを含む。そして、図26に示すように、第1ケース96aの内部には、アンテナ27が設けられる。また、第2ケース96bの内部には、通信回路28及び電力供給部29が設けられる。
【0151】
なお、第1ケース96aは、図4に示したケース26に対応する。上記の通り、第1ケース96aは、従来の吊り革に一般的に設けられていることが多い。すなわち、実施例6における吊り革90は、従来の吊り革に備えられている第1ケース96aを流用し、通信回路28及び電力供給部29が設けられる第2ケース96bを新たに備えるだけで実現することができる。このため、実施例6における吊り革90は、低廉に実現することができる。
【0152】
また、アンテナ27は、コイルにより実現されるため収納スペースを要するが、実施例6における吊り革90は、アンテナ27と、通信回路28及び電力供給部29とを別のケースに収納されるので、アンテナ27の収納スペースが広くなる。この結果、実施例6における吊り革90は、アンテナ27の電波感度を向上させることができるので、非接触通信装置21と携帯端末装置30との無線通信感度を向上させることができる。なお、ここでは、図示することを省略するが、第1ケース96aにアンテナ27及び通信回路28が収納され、第2ケース96bに電力供給部29が収納されてもよい。
【0153】
また、吊り革は、コイル状のアンテナを持ち手部の内部に備えてもよい。図27及び図28を用いて、具体的に説明する。図27は、実施例6における吊り革の平面図である。また、図28は、図27のIII−III線における断面を模式的に示す図である。
【0154】
図27に示すように、実施例6における吊り革900は、吊り紐23と、ケース26と、持ち手部902とを含む。また、図27に示すように、ケース26には、広告媒体25が設けられ、持ち手部902の内部には、コイル状のアンテナ907が設けられる。
【0155】
そして、図28に示すように、ケース26の内部には、通信回路28及び電力供給部29が設けられる。そして、持ち手部902の内部に設けられたアンテナ907は、ケース26内部の通信回路と接続される。
【0156】
このように、吊り革900は、持ち手部902の内部にアンテナ907が設けられ、ケース26に通信回路28及び電力供給部29が収納されることで実現することができる。そして、吊り革900は、アンテナ907が円形の持ち手部902に設けられることで、アンテナ907の電波感度を向上させることができ、その結果、非接触通信装置21と携帯端末装置30との無線通信感度を向上させることができる。なお、図27及び図28に示した例において、アンテナ907と通信回路28とは必ずしも接続されている必要はない。
【0157】
また、コイル状のアンテナ907は、図3に例示した持ち手部22の内部に設けられてもよい。かかる場合には、例えば、吊り紐23と接する持ち手部22の面(持ち手部22の内円部)と、持ち手部22と接する吊り紐23の面とを金属製にすることで、持ち手部22の内部に設けられたアンテナ907と、カバー24の内部に設けられた通信回路28とを接続することができる。このとき、通信回路28及び電力供給部29は、図28に示した例のように、ケース26の内部に設けられてもよい。
【0158】
以上、上記の実施例1〜6によれば、交通機関の車両内に広告を掲載する広告主は、広告効果を把握することができる。
【0159】
なお、上記の記憶部140、240、340、440及び84は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。また、上記の制御部150、250、350、450、550及び85は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、又は、CPU(Central Processing Unit)などの電子回路により実現される。
【実施例7】
【0160】
ところで、本願の開示するネットワークシステム及びコンテンツ配信方法は、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例7では、本願の開示するネットワークシステム及びコンテンツ配信方法の他の実施例について説明する。
【0161】
[優先処理]
上記実施例3では、転送サーバ300が、アクセス時刻、利用者情報、非接触通信装置21の位置情報等に基づいて、優先的にアクセスさせる広告コンテンツを決定する例を示した。しかし、転送サーバは、端末識別子に対応付けて、利用者が乗車する駅や降車する駅を予め登録しておき、利用者が乗降車する駅の近傍に存在する商店に関する広告コンテンツに優先的にHTTPリダイレクトしてもよい。なお、転送サーバは、携帯端末装置30が非接触通信装置21と非接触通信を行う時刻に基づいて、利用者が乗降車する駅を推定してもよい。また、転送サーバは、アクセス履歴記憶部242に記憶されている各種情報に基づいて、利用者の好みを分析するレコメンデーションを行い、利用者が好む傾向になる広告コンテンツに優先的にHTTPリダイレクトしてもよい。
【0162】
[推定処理]
また、上記実施例4では、転送サーバ400が、傾向情報記憶部447に記憶されている傾向情報に基づいて、利用者情報を推定する例を示した。しかし、各駅に非接触通信装置を設置することで、駅に設置された非接触通信装置と非接触通信を行った携帯端末装置30の利用者情報を推定してもよい。例えば、転送サーバは、男子高校Aの最寄り駅Bに設置された非接触通信装置と非接触通信を行った携帯端末装置30の利用者が10代の男性であると推定する。
【0163】
また、各駅に非接触通信装置を設置し、転送サーバは、駅に設置された非接触通信装置と非接触通信を行った携帯端末装置30の利用者が乗降車する駅を推定してもよい。そして、転送サーバは、利用者が乗降車する駅の近傍に存在する商店に関する広告コンテンツに優先的にHTTPリダイレクトしてもよい。
【0164】
[リアルアフィリエイト]
また、商店に非接触通信装置を設置することでリアルアフィリエイトを実現してもよい。具体的には、利用者は、電車内で広告媒体25等を閲覧し、興味がある場合には吊り革20に内在する非接触通信装置21と携帯端末装置30とを非接触通信させることで、所定のサイトに登録する手順までを行い、その後に、商店に設定された非接触通信装置と携帯端末装置30とを非接触通信させることで、アフィリエイトを成立させる。このようなシステムは、利用者を容易に商店へ誘引することができる。
【0165】
[非接触通信装置の設置位置]
また、上記の各実施例では、非接触通信装置21が吊り革20の内部に設置される例を示した。しかし、非接触通信装置21は、吊り革20以外にも、車両内の手すりや内壁に設置されてもよい。
【0166】
[リダイレクト]
また、上記の各実施例では、転送サーバが、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、広告コンテンツの所在情報を携帯端末装置30に送信するHTTPリダイレクトを行う例を示した。しかし、転送サーバは、携帯端末装置30からアクセスされた場合に、携帯端末装置30が用いたアクセス情報に対応する所在情報にアクセスすることで広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツを携帯端末装置30に送信してもよい。
【0167】
[利用者情報]
また、上記の各実施例では、利用者情報の一例として「性別」と「年齢」を示した。しかし、利用者情報には、例えば、「職業」や「出身地」や「趣味」等が含まれてもよい。
【0168】
[適用範囲]
また、上記の実施例1〜6では、互いの実施例を単独で実施する場合を例示したが、これらの実施例は好適に組み合わせて実施することができる。例えば、実施例3における転送サーバ300、実施例4における転送サーバ400及び実施例5における転送サーバ500は、実施例2に示したアクセス履歴記憶部242と計数部253とを有してもよい。また、例えば、実施例4における転送サーバ400及び実施例5における転送サーバ500は、実施例3に示した優先情報記憶部346を有し、アクセス制御部152がアクセス制御部352と同様の処理を行ってもよい。また、例えば、実施例5における転送サーバ500は、実施例4に示した傾向情報記憶部447と推定部454とを有してもよい。
【0169】
[システム構成]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、転送サーバ100、200、300、400及び500は、外部装置としてのストレージ装置等に保持してもよい。また、転送サーバ100、200、300、400及び500は、例えば、表示部130を有しなくてもよい。
【符号の説明】
【0170】
1、2 ネットワークシステム
13a、13b 中吊り広告
20 吊り革
21 非接触通信装置
27 アンテナ
28 通信回路
29 電力供給部
30 携帯端末装置
40 配信サーバ
50 車両
60 吊り革
65 デジタル広告媒体
70 中吊りデジタル広告
80 コンテンツ表示制御装置
81 IF部
82 入力部
83 表示部
84 記憶部
84a コンテンツ情報記憶部
85 制御部
85a 表示制御部
85b 更新部
90 吊り革
96a 第1ケース
96b 第2ケース
100、200、300、400、500 転送サーバ
110 IF部
120 入力部
130 表示部
140、240、340、440 記憶部
141、341 所在情報記憶部
150、250、350、450、550 制御部
151 受信部
152、252、352 アクセス制御部
242 アクセス履歴記憶部
243 利用者情報記憶部
244 位置情報記憶部
245 アクセス数記憶部
253 計数部
346 優先情報記憶部
447 傾向情報記憶部
454 推定部
555 更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置の利用者が乗車する車両と、情報を転送する転送サーバと、コンテンツを配信する配信サーバとを含むネットワークシステムであって、
前記車両は、
前記携帯端末装置と非接触通信を行うことで前記転送サーバにアクセスするためのアクセス情報を該携帯端末装置に送信する非接触通信装置が乗車中の利用者近傍に設けられ、
前記携帯端末装置は、
前記非接触通信装置から受信したアクセス情報を用いて、前記転送サーバにアクセスする通信部を有し、
前記転送サーバは、
前記非接触通信装置によって送信されるアクセス情報と、前記配信サーバによって配信されるコンテンツの所在を示す所在情報とを対応付けて記憶する所在情報記憶部と、
前記携帯端末装置の通信部によって用いられたアクセス情報に対応する所在情報を前記所在情報記憶部から取得し、取得した所在情報が示すコンテンツに該携帯端末装置をアクセスさせるアクセス制御部と
を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記車両は、
前記非接触通信装置が複数設けられ、
前記非接触通信装置は、
非接触通信装置毎に割り当てられる割当情報を含むアクセス情報を前記携帯端末装置に送信し、
前記転送サーバの所在情報記憶部は、
前記割当情報を含むアクセス情報と前記所在情報とを対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記転送サーバは、
前記配信サーバによって配信されるコンテンツに前記アクセス制御部が前記携帯端末装置をアクセスさせるアクセス制御の履歴情報を記憶するアクセス履歴記憶部と、
前記アクセス履歴記憶部に記憶されている履歴情報に基づいて、前記所在情報毎に、該所在情報が示すコンテンツに前記携帯端末装置がアクセスしたアクセス数を計数する計数部と
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記アクセス履歴記憶部は、
前記アクセス制御部が前記携帯端末装置をアクセスさせたコンテンツの所在情報に対応付けて、該携帯端末装置の通信部が前記転送サーバにアクセスしたアクセス時刻、該携帯端末装置を識別するための端末識別子、該携帯端末装置の利用者に関する利用者情報、前記アクセス情報を送信した非接触通信装置が前記車両に設けられている位置を示す位置情報の少なくとも1以上を記憶し、
前記計数部は、
前記アクセス履歴記憶部に記憶されているアクセス時刻、端末識別子、利用者情報、位置情報の少なくとも1以上の項目毎に、前記アクセス数を計数する
ことを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記転送サーバは、
前記携帯端末装置による当該転送サーバへのアクセスに関係する情報である属性情報に対応付けて、該携帯端末装置に優先的にアクセスさせるコンテンツの所在情報である優先所在情報を記憶する優先情報記憶部をさらに有し、
前記アクセス制御部は、
前記携帯端末装置の通信部から当該転送サーバへのアクセスが行われた場合に、該アクセスに関係する属性情報に対応する優先所在情報を前記優先情報記憶部から取得し、取得した優先所在情報が示すコンテンツに該携帯端末装置をアクセスさせる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記優先情報記憶部は、
前記携帯端末装置の通信部が前記転送サーバにアクセスするアクセス時刻、前記転送サーバにアクセスする携帯端末装置を識別するための端末識別子、前記転送サーバにアクセスする携帯端末装置の利用者に関する利用者情報、前記アクセス情報を送信した非接触通信装置が前記車両に設けられている位置を示す位置情報の少なくとも1以上の情報に対応付けて、前記優先所在情報を記憶し、
前記アクセス制御部は、
前記携帯端末装置の通信部からアクセスされた場合に、該通信部からアクセスされたアクセス時刻、該携帯端末装置の端末識別子、該携帯端末装置の利用者に関する利用者情報、該通信部が用いたアクセス情報を送信した非接触通信装置の位置情報に対応する優先所在情報を前記優先情報記憶部から取得し、取得した優先所在情報が示すコンテンツに該携帯端末装置をアクセスさせる
ことを特徴とする請求項5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記転送サーバは、
前記所在情報に対応付けて、該所在情報が示すコンテンツにアクセスする携帯端末装置の利用者の傾向を示す傾向情報を記憶する傾向情報記憶部と、
前記アクセス制御部によって前記携帯端末装置がアクセス制御されたコンテンツの所在情報に対応する傾向情報を前記傾向情報記憶部から取得し、取得した傾向情報に基づいて、該携帯端末装置の利用者に関する利用者情報を推定する推定部と
をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記非接触通信装置の近傍に設けられた表示装置に、該非接触通信装置から送信されるアクセス情報により前記携帯端末装置がアクセスするコンテンツに関するコンテンツ情報を表示制御するコンテンツ表示制御装置
をさらに有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記転送サーバは、
前記非接触通信装置によって送信されるアクセス情報に対応付けて前記アクセス情報記憶部に記憶されている所在情報を、前記コンテンツ表示制御装置によって前記表示装置に表示制御されるコンテンツ情報に対応するコンテンツの所在情報に更新する更新部
をさらに有することを特徴とする請求項8に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記非接触通信装置は、
交通機関の車内に配置された吊り革の吊り紐を覆う第1ケースの内部にアンテナが設けられ、
前記吊り紐を覆う第2ケースの内部に、前記アクセス情報を送信する通信回路と、該通信回路に電力を供給する電力供給部とが設けられる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記非接触通信装置は、
交通機関の車内に配置された吊り革の持ち手部の内部にアンテナが設けられ、
前記吊り革の吊り紐を覆うケースの内部に、前記アクセス情報を送信する通信回路と、該通信回路に電力を供給する電力供給部とが設けられる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のネットワークシステム。
【請求項12】
携帯端末装置の利用者が乗車する車両と、情報を転送する転送サーバと、コンテンツを配信する配信サーバとを含むネットワークシステムにおけるコンテンツ配信方法であって、
前記車両に乗車中の利用者近傍に設けられた非接触通信装置が、
前記携帯端末装置と非接触通信を行うことで前記転送サーバにアクセスするためのアクセス情報を該携帯端末装置に送信する送信ステップを含み、
前記携帯端末装置が、
前記送信ステップにおいて送信されたアクセス情報を用いて、前記転送サーバにアクセスする通信ステップを含み、
前記転送サーバが、
前記非接触通信装置によって送信されるアクセス情報と、前記配信サーバによって配信されるコンテンツの所在を示す所在情報とを対応付けて記憶する所在情報記憶部から、前記通信ステップにおいて用いられたアクセス情報に対応する所在情報を取得し、取得した所在情報が示すコンテンツに該携帯端末装置をアクセスさせるアクセス制御ステップ
を含むことを特徴とするコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−141786(P2012−141786A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294020(P2010−294020)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(502327632)株式会社春光社 (5)
【Fターム(参考)】