説明

ネットワークベース管理におけるプロキシ、情報集約、及び仮想マシン情報の最適化のための方法、装置、及びシステム

方法、装置、及びシステムは、管理仮想マシンが、仮想マシンホスト上で他の複数の仮想マシンのためのプロキシとして動作することを可能にする。1つの実施形態において、管理仮想マシンは、ホスト上のそれぞれの仮想マシンに関連するネットワーク管理情報のデータベースを保持してもよい。ホスト上の高度な仮想マシンマネージャは、管理仮想マシンがホスト上の複数の仮想マシンに対する複数の管理メッセージを捕捉できるように、管理仮想マシンにインタフェースを提供してもよい。管理仮想マシンは、データベース内の情報に基づいて、複数のメッセージに応答してもよく、必要不可欠な情報を取得すべく、複数の仮想マシンにクエリーを発行してもよい。1つの実施形態において、管理仮想マシンは、ネットワーク管理メッセージに応答する前に、様々な仮想マシンからの情報を集約してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークベースの資源管理の分野に関し、特に、ネットワークベース管理におけるプロキシ、情報集約、及び仮想マシン情報の最適化のための方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業の成長及び技術の進歩に伴い、企業ネットワークの管理の課題は、ますます困難になっている。より具体的には、資源管理と同様に、例えば、ネットワークのアーキテクチャ及び発展等のネットワーク管理及びシステム管理の様々な側面は、ますます複雑になっている。結果として、管理の複雑さ及びコスト、並びに消費電力及び一般的なネットワークメンテナンスを低減するために、複数の統合サーバの重大な傾向がある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明は、一例によって説明され、添付の図面の形態に制限されない。図面において、同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【0004】
【図1】代表的な仮想マシンホストの一例を示す。
【0005】
【図2】複数の仮想マシンホストを含むネットワーク上の代表的なリモートネットワークベース管理コンソールを示す。
【0006】
【図3】本発明の一実施形態の概観を示す。
【0007】
【図4】本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の複数の実施形態は、ネットワークベース管理におけるプロキシ、情報集約、及び仮想マシン資源情報の最適化のための方法、装置、及びシステムを提供する。本明細書において、"ネットワークベース管理"という用語は、ネットワーク資源(即ち、例えば、複数の携帯電話、複数の携帯端末、複数のパーソナルデータアシスタント(PDA)、複数のラップトップコンピュータ、複数のデスクトップコンピュータ、複数のワークステーション、複数のサーバ、複数のメインフレーム等、及びこれらのデバイス上で実行されるソフトウェア(例えば、複数のオペレーティングシステム及び複数のアプリケーション)等のネットワークに接続された複数の資源のみならず、例えば、ネットワークを構成する複数のルータ等の複数の資源)の様々な種類の管理を含む。さらに、本明細書において、本発明の"1つの実施形態"又は"一実施形態"という言及は、その実施形態に関連して説明される構造又は特性である特別な特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、"1つの実施形態において"、"1つの実施形態によれば"という表現、又は、本明細書の中の様々な箇所における類似の表現は、必ずしも全て同一の実施形態について言及しているわけではない。
【0009】
仮想化技術は、1つのホスト上で複数のパーティションに分離された安全を提供することによって、複数の企業が複数のサーバを統合することを可能にする。図1は、代表的な仮想マシンホストデバイス("デバイス100")の一例を示す。図示されるように、仮想マシンモニタ("VMM150")は、一般的にデバイス上で動作し、("仮想マシン"とも呼ばれる)デバイスプラットホームの1つの(複数の)抽象概念を他のソフトウェアに提供する。VMM150が"ハイパーバイザー"とも呼ばれることが、当業者によく知られている。2つの仮想マシンパーティション("VM105"及び"VM110"、以下"仮想マシン"と総称する)だけが図示されているが、これら複数の仮想マシンは、単に一例にすぎず、追加の複数の仮想マシンがホストに追加されてもよい。VMM150は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はそれらの組み合わせに実装されてもよい(例えば、VMMは、オペレーションシステムによってホストされてもよい)。
【0010】
VM105及びVM110は、それら独自の"ゲストオペレーティングシステム"(即ち、VMM150によってホストされるオペレーティングシステム)及び他のソフトウェア(概念的に"ゲストソフトウェア125"及び"ゲストソフトウェア130"として図示されるゲストオペレーティングシステム及び他のソフトウェア、以下"ゲストソフトウェア"を総称される)を実行する内蔵型プラットホームとしてそれぞれ機能してもよい。それぞれのゲストソフトウェアは、仮想マシンよりはむしろ専用のコンピュータ上で実行しているように動作する。つまり、それぞれのゲストソフトウェアは、様々なイベントを制御してもよく、複数のハードウェア資源へのアクセスを有してもよい。実際に、VMM150は、複数のイベント及び複数のハードウェア資源を根本的に制御し、また、必要に応じて複数の資源をゲストソフトウェアに割り当てる。
【0011】
それぞれの仮想マシンは、また複数のレベル、又は複数の仮想マシンの"再帰(recursion)"を含んでもよい。言い換えれば、それぞれの仮想マシンは、"ゲストVMM"(即ち、VMM150によってホストされるVMM)、及び他のソフトウェアを実行してもよい。したがって、例えば、VM105は、その独自の複数の仮想マシンとの組み合わせで、別のVMMをホストしてもよく、一方で、VM110は、オペレーティングシステムをホストしてもよい。複数の仮想マシン及びVMMの複数の再帰(recursion)が任意の設定において採用されることは、当業者によって容易に理解される。
【0012】
現在、複数のネットワーク資源を監視及び管理するための、ネットワークベース管理ソフトウェアの様々な種類が存在する。図2は、複数のネットワーク管理メッセージを生成可能なネットワークベース管理コンソール("ネットワーク管理サーバコンソール200")と、ホストデータプロセッシングデバイス("デバイス100")と、デバイス100によってホストされる複数の仮想マシン(例えば、VM105及びVM110)とを含む代表的なネットワーク("ネットーワーク250")を示す。デバイス100は、ネットワーク250を介して、他の複数の物理ホスト("デバイス205"、"デバイス210"、及び"デバイス215")に接続される。現在、利用可能なネットワークベース管理ソフトウェアは、ネットワーク上のそれぞれの仮想マシンを独立した構成要素として(多くの場合、分離されたホストとして)取り扱う。したがって、ネットワークが、N個の仮想マシンをそれぞれ実行するM個のホストデバイスを含む場合、ネットワーク管理サーバコンソール200は、ネットワークがM×N個の分離された構成要素で構成されていると見なす。M×N個の仮想的な構成要素を有する複数のネットワークを管理することが、非常に複雑で、顕著な非能率を生じさせることは、当業者によって理解される。例えば、複数のネットワーク管理メッセージは、1つのホストデバイスへ、また1つのホストデバイスから送信される。即ち、デバイス100上で動作している複数の仮想マシンのそれぞれに対して1つ送信される。複数のネットワーク管理メッセージは、これらに限定されないが、複数のシンプルネットワーク管理プロトコル("SNMP")メッセージ、複数のウェブベースエンタープライズ管理("WEBM")メッセージ、複数のインテリジェントプラットホーム管理インタフェース("IPMI")メッセージ、複数のコモンインタフェースモデル("CIM")メッセージ、及び他の複数の分散型管理プロトコルメッセージを含む。
【0013】
一例において、複数のネットワークメッセージに含まれる情報は、それぞれのVMで複製/共有され、及び/又はVMMに知られてもよい。VMMは、例えば、プラットホームシステム時間若しくは地理的な位置を決定する、又はそれぞれの仮想マシンが利用可能なメモリの量を決定する。他の例において、複数のネットワーク管理メッセージは、仮想マシン環境において外見的には不適切又は利用不可能であってよいが、ネットワークベース管理ソフトウェア(例えば、複数の仮想マシンの温度に関するクエリー)に関係がある。VMMは、プラットホームの様々な要素を仮想化したり、仮想化しなかったりするので、仮想マシン内のいくつかの情報は信頼性がない。したがって、例えば、CPUの温度について問い合わせされた場合、デバイス100上のそれぞれの仮想マシンは、同一の情報(即ち、デバイス100の温度)で応答してもよく、また、その情報が、仮想マシン環境において不適切又は利用不可能であれば、複数の仮想マシンのいずれも応答しなくてもよい。例えば、デバイス100は、安全保護のため、温度情報を複数の仮想マシンに提供しないように設定されてもよく、また、VMMは、複数の仮想マシンに複数のエミュレートデバイスについての情報を提供してもよい。一方で、複数のネットワーク管理機能を正確に実行するために、ネットワークベース管理ソフトウェアは、ネットワークの状態についての正確な情報を必要とする。したがって、例えば、実際のハードウェアデバイスのハードウェア要素についてリコールがあった場合、ネットワークベース管理ソフトウェアは、ネットワーク上に存在するハードウェアの物理的なバージョンを識別する必要がある(即ち、単にソフトウェアエミュレートバージョンについての情報だけでなく、複数のソフトウェアエミュレートバージョンは、ハードウェア構成要素の障害のような程度まで、免除されてもよい)。逆に、認可されたソフトウェアドライバを供給するために、物理的なデバイス及び仮想的なデバイスの両方を特定することが必要であってもよい。
【0014】
ネットワーク管理メッセージが送られた場合、応答するために、それぞれの仮想マシンは、コンテキストスイッチを"イン"にされる必要がある。より具体的には、デバイス100が、特定のVM上のゲストソフトウェアに対するメッセージを受信した場合、それぞれのVMは、応答するために、アクティブVMになる必要がある。即ち、VMに関連する状態情報は、VMを実行するために、メモリ及び/又はディスクから読み出される。このプロセスは、デバイス100上のそれぞれの管理可能なVMに対して繰り返し継続してもよい。複数のコンテキストスイッチは、高価であり、システムのパフォーマンスを低下させる。特に、管理される必要がある仮想マシン及び/又はメッセージの数が大きい場合に問題となる。デバイス100上の複数の仮想マシンは、様々な状態(例えば、遊休状態、休止状態等)になるので、特定の複数のコンテキストスイッチは、十分な時間、並びに作動状態及び/又は実行状態に戻るための力を必要とする。結果として、複数の仮想マシンは、高価な複数のコンテキストスイッチ、及び他の復旧費用を避けるために、遊休状態及び/又は一時停止状態に維持される(例えば、休止状態の保存画像を解凍する)。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、専用の仮想マシン(以下、"管理仮想マシン"と称する)は、ホストデバイス上の複数の仮想マシンの全て又はいくつかのサブセットに対するプロキシとして動作する。ホストデバイス上の管理仮想マシンは、ネットワークベース管理ソフトウェアからの複数のメッセージに応答して、情報集約、及び/又は仮想マシンネットワーク資源情報の最適化をする。本発明の複数の実施形態は、様々な仮想マシン環境の中で実施される。例えば、インテルコーポレーションが提供するハードウェア実装、VMウェアコーポレーションが提供するVMウェア等のソフトウェア環境、マイクロソフトコーポレーションが提供する仮想PC/仮想サーバ、及び/又は現在開発中の"Vサーバ"(Version0.28、2003年12月)、"Denali"(2002年、Department of Computer Science and Engineering、The University of Washington)、"Xen"(2003年、Computer Laboratory、University of Cambridge)等の他の新型の仮想化環境の中で実施される。
【0016】
1つの実施形態において、管理仮想マシンは、"VMMアウェア"又は"仮想化アウェア"である。即ち、管理仮想マシンは、仮想マシン環境の中で動作していることを認識し(判断できてもよく、及び/又は情報を与えられてもよい)、そして、例えばホストデバイス上で動作している複数の仮想マシンの状態についてのクエリー等の様々な管理タスクを遂行するために、VMMと共同して動作する。1つの実施形態において、管理仮想マシンは、ホストデバイス上の他の複数の仮想マシンに与えられない特権を持つ仮想マシンとして動作してもよい。他の実施形態において、管理仮想マシンの機能は、本発明の複数の実施形態の精神から逸脱しない範囲において、VMM、及び/又はVMMをホスト可能なオペレーティングシステムに直接的に統合されてもよい。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態の概観を示す。図示されるように、ホストデバイス("デバイス300")は、ネットワーク250を介して、リモートネットワーク管理サーバ200に接続される。デバイス300は、高度VMM350によって管理される複数の仮想マシンを順にホストする。即ち、VMMは、本発明の複数の実施形態を実装するように構成される。以下で、高度VMM350をより詳細に説明する。本発明の1つの実施形態において、VM305及びVM310は、代表的な複数の仮想マシンであり、一方で、デバイス300上の第3の仮想マシン("管理VM325"として図示される)は、管理仮想マシンに指定され、ホスト上の他の複数の仮想マシンのプロキシとして動作する。管理VM325をVM305及びVM310のプロキシとして動作させることによって、複数の管理メッセージよる単なるオーバヘッドの複数のコンテキストスイッチの数を減らすことができる。
【0018】
本発明の1つの実施形態において、管理VM325は、デバイス300上の全ての仮想マシンに関連する情報を有するデータベース"("データベース330")を含んでもよい。したがって、例えば、データベース330は、VM305及びVM310に関連する、様々な種類のネットワーク及びシステムの管理情報を含んでもよく、管理VM325は、定期的に、データベース内の情報をアップデートしてもよい。データベース330が管理VM325内に含まれるように、図3に図示されているが、本発明の複数の実施形態は、そのように限定されない。他の実施形態において、データベース330は、管理VM325が利用可能な様々な他の位置に存在してもよい。
【0019】
リモート管理コンソール200が、ネットワーク管理メッセージをデバイス300に発行した場合、そのメッセージは、管理VM325にインターセプトされてもよく、管理VM325は、そのメッセージに基づいて、適切な処理を決定してもよい。したがって、例えば、1つの実施形態において、クエリーに対する応答に適切な情報が、データベース330内で利用可能な場合、管理VM325は、VM305及び/又は310に代わって、この情報を用いて応答してもよい。他方で、その情報が利用不可能な場合、管理VM325は、複数の仮想マシンのそれぞれから、関連する情報を読み出してもよい。高度VMM350及び/又は管理VM325は、本発明の他の複数の実施形態にしたがって、様々な方法で構成されてもよい。したがって、例えば、高度VMM350及び/又は管理VM325は、1つ以上の仮想マシンに、インターセプトされた複数のネットワーク管理メッセージを送ってもよい。他の方法としては、上述のように、管理VM325は、複数の仮想マシンに代わって応答して(又は、応答しなくて)もよい。さらに、1つ以上の仮想マシンに対するインターセプトされたメッセージは、管理VM325によって、フィルタ処理され、修正され(例えば、編集され及び/又は再整理され)、及び/又は押しつぶされ(削除され)てもよい。
【0020】
様々な実施形態による応答は、また異なってもよい。1つの実施形態において、管理VM325は、情報集約された1つの応答を提供してもよく、一方、他の実施形態において、適切な場合(例えば、仮想マシンにつき1つ)には、複数の応答が提供されてもよい。また、管理VM325は、複数の仮想マシンから発信される複数のメッセージをインターセプトし、その後に、フィルタ処理、修正、押しつぶし(削除)、及び/又はそれらを送信する前に、それら複数のメッセージを情報集約してもよい。後者は、例えば、先のメッセージ、及び/又は、例えば、リモートネットワーク管理サーバ200へのハートビート("私は生きています")ネットワークメッセージ等の、複数の仮想マシンのそれぞれによって生成された複数のメッセージに応答して発生してもよい。本発明の複数の実施形態の精神から逸脱しない範囲において、管理VM325が様々な他の方法で構成されてもよいことは、当業者によって容易に理解される。
【0021】
1つの実施形態においては、管理VM325は、デバイス300上の複数の仮想マシンを、様々な"複数のクラス"に分割し、この情報に基づいて複数のネットワーク管理メッセージに応答してもよい。したがって、例えば、管理VM325は、それぞれの仮想マシンが実行しているオペレーティングシステム(例えば、Windows2000、WindowsXP、Linux、等)に基づいて、複数の仮想マシンを複数のクラスに分割してもよい。本実施形態によれば、管理VM325は、複数の仮想マシンの1つ以上のクラス、及び又は、物理的なマシンに代わって応答してもよい。本発明の複数の実施形態の精神を逸脱しない範囲において、他のそのような複数のクラス又は複数のグループが定義されてもよい。
【0022】
1つの実施形態において、情報は、リモート管理コンソール200に直接提供されてもよい。他の方法としては、上述のように、管理VM325は、リモート管理コンソール200に応答する前に、情報を集約してもよい。したがって、例えば、デバイス300上の全ての仮想マシンの物理的なハードウェアは、そのハードウェアに関連する複数のメッセージ(例えば、CPUの温度を報告するクエリー)が同一であるので、他の複数の仮想マシンから関与されることなく、管理VM325によって処理されてもよい。そのため、リモート管理コンソール200は、他の方法(即ち、同一の物理ホスト上のそれぞれの仮想マシンから応答を受ける方法)より、ネットワークの状態について正確な情報を受けることができる。
【0023】
1つの実施形態において、高度VMM350は、管理VM325に、デバイス300上の複数の仮想マシンのいずれか行き、又はデバイス300自体行きの複数の管理メッセージをトラップさせるべく、インタフェース及び/又は"複数のフック"を含んでもよい。より具体的には、インタフェースは、管理VM325に、スヌープ(即ち、モニタ)させ、及び/又は高度VMM350に問い合わせ、及び/又はデバイス300上のそれぞれの仮想マシンに代えて複数の処理を行う。したがって、例えば、インタフェースは、デバイス300に入ってくる複数のネットワーク管理メッセージをインターセプトする能力、及びデバイス300に代えて応答する能力を含んでもよい(例えば、デバイス300上で動作しているオペレーションシステムへのネットワーク管理メッセージをインタフェース経由で取得してもよく、管理VM325にデバイス300に代えて応答させてもよい)。複数のインタフェース及び/又は"複数のフック"の概念は、当業者によく知られており、さらに、本発明の複数の実施形態を不必要に分かり難くしないために、ここではその記載を省略する。
【0024】
本発明の複数の実施形態の精神から逸脱しない範囲において、ここで記載されたプロキシの機能が様々な方法で実装されることが、当業者によって容易に理解される。したがって、例えば、上記の説明は、デバイス300上の1つの管理VM325を前提としたが、他の実施形態において、デバイス300は、上述したプロキシの機能を提供するために連動して動作する、複数の管理仮想マシン及び/又は複数のパーティションを含んでもよい。さらに他の実施形態において、プロキシの機能は、高度VMM350に実装されてもよい。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態のフローチャートである。以下の動作は、逐次プロセスとして説明されるが、複数の動作の中の多くは、実際には、並行及び/又は同時に実行されてよい。さらに、本発明の複数の実施形態の精神から逸脱しない範囲において、複数の動作に順は、再配列されてよい。401において、ネットワークベース管理サーバは、複数の仮想マシンをホストする1つのホストデバイスに、1つの管理メッセージを送信する。402において、ネットワーク管理メッセージは、ホストデバイス上の管理仮想マシンにインターセプトされる。403において、管理仮想マシンは、データベース内でその情報が管理仮想マシンに利用可能か(そして、アップデートされているか、即ち、コヒーレントであるか)否かを判断するために、メッセージを調査する。利用可能な場合、404において、管理仮想マシンは、ホスト上で(複数の)仮想マシンに代わって適切に処理する(例えば、応答する、応答しない、複数の仮想マシンのうちの1つ以上にメッセージを送る、等)。一方で、ローカルのデータベースが情報を含まない、及び/又は情報が期限切れである場合、405において、管理仮想マシンは、ホスト上のそれぞれの仮想マシンにクエリーを発行する。1つの実施形態において、複数の仮想マシンの一部だけが、問い合わされてもよい。管理仮想マシンは、406において、クエリーに対する複数の応答を収集し、そして、407において、収集された複数の応答を用いてデータベースをアップデートする。管理仮想マシンは、自身のポリシーに基づいて、収集された情報を集約するか否かを決定する。複数の応答が情報集約されるべきであることをポリシーが示す場合、409において、複数の応答は、404におけるネットワークベース管理サーバに適切に応答する前に、情報集約される。一方で、ポリシーが複数の応答を情報集約することを要求しない場合、ネットワーク管理サーバは、404において、複数の仮想マシンに代わって、適切に処理する。
【0026】
本発明の複数の実施形態によるホストは、様々なコンピュータデバイス上に実装されてもよい。本発明の一実施形態によれば、複数のコンピュータデバイスは、本発明の一実施形態を達成するための複数の命令を実行可能な様々な構成要素を含んでもよい。例えば、複数のコンピュータデバイスは、少なくとも1つの機械アクセス可能な媒体を含み、及び/又は少なくとも1つの機械アクセス可能な媒体に結合されてもよい。本明細書において、"機械(マシン)"は、(これに制限されないが、)1つ以上のプロセッサをもつ任意のコンピュータデバイスを含む。本明細書において、機械アクセス可能な媒体は、コンピュータデバイスによってアクセス可能な任意の形式で情報を記憶及び/又は送信する任意の構造を含み、これに制限されないが、追記型/非追記型媒体(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学式記憶媒体、及びフラッシュメモリデバイス)、さらに、電気的、光学的、音響学的、又は信号を伝搬する他の形式(例えば、搬送波、赤外線信号、及びデジタル信号)を含む。
【0027】
一実施形態によれば、コンピュータデバイスは、例えば、1つ以上のプロセッサ等の、様々な他の周知の構成要素を含む。(複数の)プロセッサ及び機械アクセス可能な媒体は、ブリッジ/メモリコントローラを用いて、通信可能に結合され、プロセッサは、機械アクセス可能な媒体に記憶された複数の命令を実行できてもよい。ブリッジ/メモリコントローラは、グラフィックスコントローラに結合され、グラフィックスコントローラは、表示デバイス上の表示データの出力を制御してもよい。ブリッジ/メモリコントローラは、1つ以上のバスに結合されてもよい。1つ以上の要素は、1つのパッケージ上で、又は複数のパッケージ若しくは複数のダイを用いて、プロセッサと共に統合されてもよい。例えば、ユニバーサルシリアルバス("USB")ホストコントローラ等のホストバスコントローラは、(複数の)バスに結合されてもよく、複数のデバイスは、USBに結合されてもよい。例えば、キーボード、マウス等の複数のユーザ入力デバイスは、入力データを提供するためのコンピュータデバイスに含まれてもよい。
【0028】
上述の明細書において、本発明は、具体的で模範的な複数の実施形態を参照して説明された。しかしながら、添付の複数の請求項に記載された本発明の広範な精神及び範囲から逸脱しない範囲で、様々な修正及び変更がそこへ構成されることが理解される。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意義ではなく実例と見なされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仮想マシンホストデバイスを含むネットワーク上に提供される情報を最適化する方法であって、
ネットワークベース管理サーバから、前記ネットワーク上の前記複数の仮想マシンホストデバイスのうちの少なくとも1つへのメッセージをインターセプトする段階と、
前記仮想マシンホストデバイス上で動作している少なくとも1つの仮想マシンの前記情報にアクセスする段階と、
前記少なくとも1つの仮想マシンに代わって、前記メッセージに応答するために前記情報を利用する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記情報にアクセスする段階は、
データベースからの前記情報にアクセスする段階
を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報にアクセスする段階は、
前記少なくとも1つの仮想マシンに要求を発行する段階と、
前記ネットワークベース管理サーバからの複数の前記メッセージに応答するために、前記少なくとも1つの仮想マシンからの応答を利用する段階と
を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの仮想マシンからの前記応答を利用する段階は、
前記ネットワークベース管理サーバからの前記複数のメッセージに応答する前に、前記少なくとも1つの仮想マシンからの応答をフィルタ処理する段階、修正する段階、削除する段階、及び再整理する段階のうちの少なくとも1つ
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの仮想マシンからの前記応答を利用する段階は、
前記ネットワークベース管理サーバからの前記メッセージに応答する前に、前記少なくとも1つの仮想マシンからの前記応答を集約する段階
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記情報にアクセスする段階は、前記情報を取得すべく、仮想マシンマネージャにインタフェースで接続する段階
を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記情報は、前記複数の仮想マシンホストデバイスに関連する資源情報を含むネットワークベース管理情報である
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の仮想マシンホストデバイス上の複数の仮想マシンを、少なくとも1つの仮想マシンのクラスにグルーピングする段階と、
前記仮想マシンホストデバイス上で動作している前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンの前記情報にアクセスする段階と、
前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンに代わって、前記メッセージに応答するために前記情報にアクセスする段階と
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数の仮想マシンホストデバイスを含むネットワーク上に提供される情報を最適化するシステムであって、
前記複数の仮想マシンホストデバイスのうちの少なくとも1つの上で動作する仮想マシンと、
ネットワークベース管理サーバから前記仮想マシンへの複数のメッセージをインターセプトでき、前記仮想マシンに関連する情報にアクセスでき、前記仮想マシンに代わって応答するために前記情報を利用できる管理仮想マシンと
を備えるシステム。
【請求項10】
前記仮想マシンに関連する前記情報を取得できる仮想マシンマネージャ
をさらに備える請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記仮想マシンマネージャは、前記管理仮想マシンを含む
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記管理仮想マシンは、データベースから読み出された情報、及び前記仮想マシンへの複数の問い合わせに対する応答で取得された情報のうちの1つを用いて、前記複数のネットワーク管理メッセージに応答する
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記管理仮想マシンは、前記複数のネットワーク管理メッセージに応答する前に、前記複数の問い合わせに対する応答で取得された前記情報に対して、フィルタ処理、修正、削除、及び再整理のうちの少なくとも1つを行う
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記管理仮想マシンは、前記ネットワークベース管理サーバからの前記複数のメッセージに応答する前に、前記情報を集約する
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記情報は、前記複数の仮想マシンホストデバイスに関連する資源情報を含むネットワークベース管理情報である
請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記管理仮想マシンは、前記複数の仮想マシンホストデバイス上の複数の仮想マシンを、少なくとも1つの仮想マシンのクラスにグルーピングでき、前記仮想マシンホストデバイス上で動作している前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンの前記情報にアクセスでき、前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンに代わって、前記メッセージに応答するために前記情報にアクセスできる
請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
仮想マシンホストデバイスによって提供される情報を最適化する方法であって、
前記仮想マシンホストデバイス上の複数の仮想マシンを、少なくとも1つのクラスにグルーピングする段階と、
ネットワークベース管理サーバから前記少なくとも1つのクラスの複数の仮想マシンへのメッセージをインターセプトする段階と、
前記少なくとも1つのクラスの複数の仮想マシンに前記情報にアクセスする段階と、
前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンに代わって、前記メッセージに応答するために前記情報を利用する段階と
を備える方法。
【請求項18】
前記クラスは、オペレーションシステムの種類に基づくクラス、及びアプリケーションの種類に基づくクラスのうちの1つを含む
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数の仮想マシンホストデバイスを含むネットワーク上に提供される情報を最適化するシステムであって、
前記複数の仮想マシンホストデバイスのうちの少なくとも1つの上で動作する複数の仮想マシンのクラスであって、複数の仮想マシンを有するクラスと、
ネットワークベース管理サーバから前記クラスの複数の仮想マシンへの複数のメッセージをインターセプトでき、前記クラスの複数の仮想マシンに関連する情報にアクセスでき、前記クラスの複数の仮想マシンに代わって応答するために前記情報を利用できる管理仮想マシンと
を備えるシステム。
【請求項20】
前記複数の仮想マシンのクラスは、オペレーションシステムの種類に基づく複数の仮想マシンのクラス、及びアプリケーションの種類に基づく複数の仮想マシンのクラスのうちの少なくとも1つを有する
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
仮想マシンホストデバイス上に存在する管理仮想マシンであって、
前記仮想マシンホストデバイス上に存在し、複数の仮想マシンへの複数のメッセージをインターセプトできるモジュールと、
前記複数の仮想マシンに関連する情報を読み出せるインタフェースと、
前記複数の仮想マシンに代わって前記複数のメッセージに応答するために前記情報を利用できるモジュールと
を備える管理仮想マシン。
【請求項22】
前記情報は、ネットワークベース管理情報であり、前記仮想マシンホストデバイスに関連する資源情報を含む
請求項21に記載の管理仮想マシン。
【請求項23】
前記インタフェースは、仮想マシンマネージャから前記情報を読み出せる
請求項21に記載の管理仮想マシン。
【請求項24】
複数の命令を記憶する機械アクセス可能媒体を備える製品であって、機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
ネットワークベース管理サーバから、ネットワーク上の前記複数の仮想マシンホストデバイスのうちの少なくとも1つへのメッセージをインターセプトする手段、
前記仮想マシンホストデバイス上で動作している少なくとも1つの仮想マシンの情報にアクセスする手段、及び
前記少なくとも1つの仮想マシンに代わって、前記メッセージに応答するために前記情報を利用する手段
として機能させる製品。
【請求項25】
前記機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
データベースからの前記情報にアクセスする手段
としてさらに機能させる請求項24に記載の製品。
【請求項26】
前記機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
前記少なくとも1つの仮想マシンに要求を発行する手段、及び
前記ネットワークベース管理サーバからの複数の前記メッセージに応答するために、前記少なくとも1つの仮想マシンからの応答を利用する手段
としてさらに機能させる請求項24に記載の製品。
【請求項27】
前記機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
前記ネットワークベース管理サーバからの前記複数のメッセージに応答する前に、前記少なくとも1つの仮想マシンからの応答をフィルタ処理、修正、削除、及び再整理する手段のうちの少なくとも1つ
としてさらに機能させる請求項26に記載の製品。
【請求項28】
前記機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
前記ネットワークベース管理サーバからの前記メッセージに応答する前に、前記少なくとも1つの仮想マシンからの前記応答を集約する手段
としてさらに機能させる請求項26に記載の製品。
【請求項29】
前記機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
前記情報を取得すべく、仮想マシンマネージャにインタフェースで接続する手段
としてさらに機能させる請求項24に記載の製品。
【請求項30】
前記機械によって前記命令が実行された場合、前記機械を、
前記複数の仮想マシンホストデバイス上の複数の仮想マシンを、少なくとも1つの仮想マシンのクラスにグルーピングする手段、
前記仮想マシンホストデバイス上で動作している前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンの前記情報にアクセスする手段、及び
前記少なくとも1つのクラスの仮想マシンに代わって、前記メッセージに応答するために前記情報にアクセスする手段
としてさらに機能させる請求項24に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−513405(P2007−513405A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538567(P2006−538567)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041120
【国際公開番号】WO2005/062178
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
2.Linux
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)