説明

ネットワーク装置

【課題】本発明は、各種機器管理情報を安全性を向上させつつ安価に提供するネットワーク装置に関する。
【解決手段】ネットワーク装置100は、XML形式の機器管理情報をHTML形式とは異なる他のXML形式のフォーマットに変換する他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルをXSLT管理サーバ300に登録し、XML形式の機器管理情報を、XSLT管理サーバ300から取得した他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行って当該他のXML形式のフォーマットに変換してパーソナルコンピュータ200a〜200nに出力する。したがって、ネットワーク装置100自体のソフトウェアの更新を行うことなく、XSLT管理サーバ300のXSLTファイルのみを更新することで、ソフトウェア全体として最新の状態を維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置に関し、詳細には、各種機器管理情報を安全性を向上させつつ安価に提供するネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機器においては、それぞれの機器特有のユーザインタフェース機能を備えており、特に、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置等の事務機器においては、LED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid Crystal Display)等の発光素子、様々な種類の操作ボタン及び切換スイッチ等からなるその機器に付随したユーザインタフェース機能を有しているとともに、機器内部にWeb(World Wide Web)アクセス機構を備えて、Web技術を用いて強化・拡張されたユーザインタフェース機能を備えているものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このWeb技術を用いたユーザインタフェース機能は、機器内部にすでに備えているプロセッサ、メモリ、入出力回路等を用いて実現されるため、Webサーバ機能に必要な余分なコスト及び空間を必要としない利点がある。
【0004】
近時、Web技術を応用したRDF(Resource Description Framework)やRSS(RDF Site Summary)等と呼ばれるXML(eXtensible [eXtended] Markup Language:拡張マークアップ言語規約)形式のフォーマットの仕様が策定され、広く一般に公開されている。これらのXML形式のフォーマット仕様は、情報をメタデータとして記述するためのメカニズムであり、機器自体あるいは外部機器が保有する情報の全てまたは情報の概要を外部に提供する手段の一つとして注目されている。
【0005】
そして、従来、内容データとその出力態様を規定する規定情報を含むコンテンツに対して所定の処理を行って出力データを生成するに際して、取得したコンテンツのファイル形式を変換するための第1の変換情報とコンテンツの規定情報に基づいて、第2の変換情報を生成し、コンテンツの内容データと第2の変換情報に基づいて出力データを生成するデータ生成装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
この従来技術は、コンテンツが、表示すべき実体的な内容データと、表示態様を特定するレイアウト情報である規定情報と、を含み、規定情報が効果的な表示を行う上で重要であるが、あくまでも付加的な情報にすぎず、このような付加的な情報である規定情報を用意する負担と、各記述言語にコンテンツを対応させる負担を軽減しつつ出力装置に応じた出力データを生成することを目的としている。
【0007】
【特許文献1】特開平10−149270号公報
【特許文献2】特開2002−312280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術にあっては、機器の状態や動作ログ等の機器の管理を行うための機器管理情報を、安価かつ安全で効率的に、最新のXML形式のフォーマットに変換して外部出力する上で、改良の必要があった。
【0009】
すなわち、XML形式のフォーマットの技術は、比較的新しく、現在では、RSS1.0と呼ばれるフォーマットが普及しているが、Atomのような有望な新しいフォーマットも次々と出現している。このよう状況においては、パーソナルコンピュータ上で動作するソフトウェアであれば、既存のXML形式のフォーマットに修正が発生した場合の対応や新しいフォーマットに追従することは比較的容易であるが、事務機器等の機器のフラッシュROM(Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されて組み込まれたソフトウェアを改訂するには、ソフトウェア全体を一度に更新するか、あるいは、数個に分割されるソフトウェアモジュール毎に更新する手段が取られることが多いが、このような機器に組み込まれたソフトウェアを改訂することは、通常の場合、比較的困難であり、例えば、RSS等を提供する機能を事務機器等の機器に備えても、数ヶ月から数年のうちに陳腐化してしまうおそれがあった。
【0010】
そして、XML形式のフォーマットに変換するソフトウェアは、そのサイズが数百キロバイトから数メガバイトに及ぶことも珍しくないのに対して、XSLTファイルは、高々数十キロバイト程度であり、この小容量のXSLTファイルを更新するためだけに、その他の無関係なモジュールまで同時に更新するのは無駄が多い。また、ソフトウェア更新中に電源が切れる等のトラブルが発生した場合、フラッシュROMに不整合が生じて機器が二度と動作できなくなってしまうような危険性もある。
【0011】
そこで、本発明は、XSLTファイルの修正・変更が発生しても、機器の状態や動作ログ等の機器の管理を行うための機器管理情報を、安価かつ安全で効率的に、最新のXML形式のフォーマットに変換して外部出力するネットワーク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明のネットワーク装置は、所定のネットワークに接続され、機器管理用の機器管理情報をXML形式で生成し、当該XML形式の機器管理情報を、HTML形式に変換するXSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行ってWebブラウザ用のHTML形式に変換して外部出力するネットワーク装置であって、前記XML形式の機器管理情報を前記HTML形式とは異なる他のXML形式のフォーマットに変換する1種類以上の他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルが、外部装置に登録されており、当該外部装置から当該他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得し、前記XML形式の機器管理情報を、当該取得した他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行って当該他のXML形式のフォーマットに変換して外部出力することにより、上記目的を達成している。
【0013】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記ネットワーク装置は、前記ネットワーク上のクライアント端末からのXML形式のフォーマットを指定した前記機器管理情報の取得要求に応じて、前記機器管理情報を当該指定のXML形式のフォーマットに変換して当該クライアント端末に出力するとともに、当該指定のXML形式のフォーマットが前記外部装置に登録されている前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いたフォーマット形式であると、当該外部装置から当該他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得して前記XSLTプロセッシングを実行して前記指定のXML形式のフォーマットに変換し、当該変換した機器管理情報を当該クライアント端末に出力するものであってもよい。
【0014】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記外部装置は、前記ネットワーク上のサーバ装置であり、前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルが、当該サーバ装置の前記クライアント端末で指定される記憶領域に登録されているものであってもよい。
【0015】
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記外部装置は、前記ネットワーク上のXSLTファイル管理サーバ装置であり、当該XSLTファイル管理サーバ装置が、当該サーバ装置の製造元または販売元の提供するサーバソフトウェアの動作するサーバ装置であってもよい。
【0016】
また、例えば、請求項5に記載するように、前記外部装置は、前記ネットワーク上のWebサーバ装置であり、前記ネットワーク装置は、HTTP、FTP等のTCP/IPネットワーク上のプロトコルを用いて当該Webサーバ装置から前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得するものであってもよい。
【0017】
さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記外部装置は、汎用オペレーションシステムの動作するファイル共有サーバ装置であり、前記ネットワーク装置は、SMB等の前記汎用オペレーション上でファイル共有を実現するプロトコルを用いて当該ファイル共有サーバ装置から前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得するものであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のネットワーク装置によれば、XML形式の機器管理情報をHTML形式とは異なる他のXML形式のフォーマットに変換する1種類以上の他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを、外部装置に登録し、XML形式の機器管理情報を、当該外部装置から取得した他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行って当該他のXML形式のフォーマットに変換して外部出力するので、頻繁に修正・変更されるおそれのあるRSS等のXML形式のフォーマットへの変換用の他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを外部装置に登録することで、ネットワーク装置自体のソフトウェアの更新を行うことなく、外部装置のXSLTファイルのみを更新することで、ソフトウェア全体として最新の状態を維持することができ、安価かつ安全で効率的に最新のXML形式のフォーマットに変換・提供して、利用性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1〜図8は、本発明のネットワーク装置の一実施例を示す図であり、図1は、本発明のネットワーク装置の一実施例を適用したネットワークシステム1の概略構成図である。
【0021】
図1において、ネットワークシステム1は、ネットワーク装置100とネットワーク装置100を利用する利用者の使用するクライアント端末としての複数のパーソナルコンピュータ(PC)200a〜200n及び外部装置としてのXSLT管理サーバ300(図3参照)等がLAN(Local Area Network)回線等のネットワークNWで接続されている。
【0022】
ネットワーク装置100は、プロセッサ101、ワークメモリ102、ネットワーク装置100特有のハードウェア(以下、機器特有ハードウェアという。)104、入出力回路105及び大容量記憶装置106等を備えており、入出力回路105にネットワークNWが接続されている。
【0023】
プロセッサ101は、その動作中に必要な各種情報をワークメモリ102を使用してネットワーク装置100の各部を制御してネットワーク装置100としての基本処理を実行するとともに、後述する機器管理情報提供処理を実行する。
【0024】
ワークメモリ102は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、プロセッサ101の動作処理中に必要な各種情報を記憶する。
【0025】
記憶装置103は、書き換え可能なフラッシュROM(Read Only Memory)等が用いられ、大容量記憶装置106は、大容量のハードディスク等が用いられている。記憶装置103は、ネットワーク装置100の基本プログラム、後述する機器管理情報制御プログラム等の各種プログラム(ソフトウェア)及びこれらの各種プログラムを実行するのに必要な各種情報を記憶し、これらのプログラム及び各種情報は、大容量記憶装置106に記憶されていてもよい。記憶装置103または大容量記憶装置106に格納されている複数のプログラムは、個別に更新が可能となっている。
【0026】
機器特有ハードウェア104は、ネットワーク装置100の固有の動作を実行するのに必要な各種ハードウェア、例えば、ネットワーク装置100がファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能等の複数の機能を備えた複合装置であるときには、これらの各種機能を実行するのに必要なハードウェア、例えば、ファクシミリ通信部、プリンタ部、スキャナ部等を備えている。
【0027】
入出力回路105は、各種外部機器、回線、ネットワークNWが接続され、当該外部機器と直接通信し、また、回線やネットワークNWを介して相手装置との間で通信して、各種信号やデータの授受を行う。特に、入出力回路105は、ネットワーク装置100を利用する利用者の使用するクライアントパーソナルコンピュータであるパーソナルコンピュータ200a〜200nの接続されているネットワークNWが接続されており、利用者は、パーソナルコンピュータ200a〜200nを操作して、ネットワークNW及び入出力回路105を介してネットワーク装置100と情報の授受を行ってネットワーク装置100を利用することができる。
【0028】
ネットワーク装置100は、図2に示すようにソフトウェア110と上記ハードウェア120で構成されており、ソフトウェア110は、UNIX(登録商標)、ウィンドウズ(Windows:登録商標)等のオペレーティングシステム(以下、OSという。)上に起動されているサービス層130、アプリケーション層140及びこれらのサービス層130とアプリケーション層140にも属さないXSLTプロセッサ130等で構成されている。
【0029】
サービス層130は、システムサービス131、エンジンサービス132、メモリサービス133、ファックスサービス134及びネットワークサービス135等のサービスモジュールを含んでいる。
【0030】
アプリケーション層220は、コピー、プリンタ、ファックス(FAX)、スキャナ及びWeb等の複合処理に関連するユーザサービスにそれぞれ固有の処理を行うプログラムを含んでおり、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ(以下、アプリケーションのことを、必要に応じて、単に、アプリという。)141と、プリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ142と、ファックス用アプリケーションであるファックスアプリ143及びWebアプリ144等を含んでいる。
【0031】
上記コピーアプリ141は、コピー機能を実現するためのアプリケーションであり、プリンタアプリ142は、プリンタ機能を実現するためのアプリケーションである。また、ファックスアプリ143は、ファクス機能を実現するためのアプリケーションであり、Webアプリ144は、ネットワーク装置1の利用者が自身のパーソナルコンピュータ200a〜200nからWebブラウザまたはSOAPクライアントソフトウェアあるいはRSSリーダー等のクライアントソフトウェアを用いてネットワーク装置1の管理を行うことができるようにHTMLまたはXML形式のインターフェース機能を実現するアプリケーションである。
【0032】
上記システムサービス131、エンジンサービス132、メモリサービス133、ファックスサービス134、ネットワークサービス135等の各サービスは、ハードウェア120を管理して各アプリケーション141〜144にそれぞれの機能を提供するものである。システムサービス131は、ネットワーク装置100全体(操作パネルを含む)の管理を行い、エンジンサービス132は、ネットワーク装置100の画像読込部(スキャナ)及び画像出力部(プロッタ)の管理を行う。また、メモリサービス133は、記憶装置103及び大容量記憶装置106の管理を行い、ファックスサービス134は、ファクシミリ通信部の管理を行う。そして、ネットワークサービス135は、入出力回路105の管理を行う。
【0033】
コピーアプリ141、プリンタアプリ142、ファックスアプリ143の各アプリケーションは、各サービスを介してハードウェア120の機能を利用し、ネットワーク装置1の操作パネルでのユーザインタフェースを利用者に提供する。Webアプリ144は、各サービスを介してハードウェア120の機能を利用し、XSLTプロセッサ150及びネットワークサービス135を介してネットワークNW上のクライアント端末であるパーソナルコンピュータ200a〜200nで動作するソフトウェアに対して、トナー残量やエラー情報等の機器状態やプリンタのジョブ履歴やファックスの通信履歴等の動作ログ等の機器管理情報を提供する。
【0034】
XSLTプロセッサ150は、処理対象のXMLデータにXSLTファイルを掛け合わせてXMLのフォーマットを変換する機能を有し、Webアプリ144の出力するXMLデータと、予めネットワーク装置100の内部に保持しているXSLTファイルまたは後述するXSLT管理サーバ300から取得したXSLTファイルを掛け合わせて、利用者が要求するフォーマットのHTMLまたはXML形式のフォーマットのデータに変換する処理を行う。
【0035】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のネットワーク装置1は、ネットワークNW上のパーソナルコンピュータ200a〜200nの利用者からの要求に応じて、ネットワーク装置100の機器管理情報を利用者の要求に応じたフォーマット形式で提供する。
【0036】
いま、クライアント端末であるネットワークNW上のパーソナルコンピュータ200aから機器管理情報を要求するリクエストがネットワーク装置100にあると、ネットワーク装置100は、当該リクエストに応じて当該リクエストの要求するフォーマット形式のデータに変換して機器管理情報を提供する。
【0037】
すなわち、図3は、ネットワーク装置100が、クライアント端末であるパーソナルコンピュータ200a(図3では、クライアントPCと表示)からの機器管理情報を要求するリクエストを受けて、パーソナルコンピュータ200aにレスポンスを返す際の動作説明図である。なお、図3において、実線矢印は、Webアプリ144がクライアント端末であるパーソナルコンピュータ200aからのリクエストを受けてレスポンスを返す際の基本的な流れを示しており、破線矢印は、XSLTプロセッサ150が指定されたXSLTファイルをXSLTファイル管理サーバ装置400から取得し、一時記憶領域に保存する際の流れを示している。そして、このときのネットワーク装置100での処理フローを図4に示している。
【0038】
いま、図3及び図4において、パーソナルコンピュータ200aからリクエストがあると、当該リクエストをネットワークサービス135を介してWebアプリ144が受け取り、Webアプリ144が、サービス層130から必要な情報(機器管理情報)を取得して、XML形式のデータを生成してXSLTプロセッサ150に渡す。このとき、Webアプリ144は、パーソナルコンピュータ200aからのリクエストに含まれている要求データのフォーマットの種類を解析し、当該フォーマットの種類に応じたXSLTファイルを使用してXSLTプロセッシングを行うようにXSLTプロセッサ150に対して指示する。
【0039】
XSLTプロセッサ150は、ネットワークサービス135を通じて、XSLTファイル管理サーバ装置400から指定されたXSLTファイルをダウンロードして取得し(ステップS101)、記憶装置103または大容量記憶装置106を一時記憶領域として、当該一時記憶領域に保存する(ステップS102)。
【0040】
ここで、XSLTファイル管理サーバ装置400は、図1及び図2には図示していないが、ネットワークNWに接続されていおり、XSLTファイル管理サーバ装置400の製造元または販売元(以下、提供元という。)が提供する専用のサーバソフトウェア(以下、専用サーバソフトウェアという。)が動作しているコンピュータからなるXSLTファイル管理専用のサーバ装置、HTTP(Hyper Text Transfar Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)で通信することができる一般的なWebサーバ装置、あるいは、通常のWindows(登録商標)等のOSで動作しているファイル共有サーバ機能を持ったパーソナルコンピュータ等のファイル共有サーバ装置であってもよい。ネットワーク装置100の利用するXSLTファイル管理サーバ装置400は、ネットワーク装置100全体として一つだけ設定できるようになっていてもよいし、システム状態やプリンタのジョブ履歴等のネットワーク装置100が提供するXML形式のデータの種類及びRSS0.9やRSS1.0等のXML形式のフォーマットの種類の別に応じてそれぞれ別々に設定することができてもよい。後者の場合のネットワーク装置100のXSLT参照先設定画面としては、例えば、図5のように示すことができ、また、専用サーバソフトウェアを用いる場合には、利用者はネットワーク装置100の提供元が提供するXSLTファイルを取得し、専用サーバソフトウェアに登録しておく必要がある。ここで、ネットワーク装置100の提供元がXSLTファイルを提供する方法としては、WebサーバやCD−ROM等の記憶媒体の配布等の方法を用いることができ、XSLTファイルが更新されると、ネットワーク装置100の提供元は、利用者にXSLTファイルが更新されたことを通知し、または、CD−ROM等を配布する。
【0041】
そして、専用サーバソフトウェアでのXSLTファイル登録画面としては、例えば、図6のように示すことができ、図6において、各参照ボタンを押下すると、利用者のパーソナルコンピュータ等のサーバ装置のフォルダの中からファイルを選択するためのダイアログウィンドウが表示され、取得したXSLTファイルを指示して登録することができる。専用サーバソフトウェアではなく、HTTPサーバやFTPサーバ等のWebサーバ装置またはファイル共有サーバ装置を用いる場合には、利用者は利用するサーバ装置の適当なフォルダに取得したXSLTファイルを登録し、図5に示したXSLT参照先設定画面において、XSLTファイルを登録したサーバ装置の名称、フォルダパス等を設定する。
【0042】
再び、図3及び図4において、ネットワーク装置100は、XSLTプロセッサ150が、XSLTファイルをダウンロードして一時記憶領域に保存した後、そのXSLTファイルを用いてWebアプリ144の出力する機器管理情報であるXMLデータと掛け合わせ、すなわち、XSLTプロセッシングを行い(ステップS103)、パーソナルコンピュータ200aからのリクエストに応じたフォーマットのXML形式のデータを生成して、パーソナルコンピュータ200aにレスポンスデータとして送信するようにネットワークサービス135に指示する。
【0043】
ここで、一時記憶領域は、上述のように、揮発記憶装置であるRAM等で構成されている記憶装置103または大容量記憶装置106の記憶領域を用いることができ、XSLTプロセッサ150は、XSLTプロセッシングが終了すると、この一時記憶領域に記憶したXSLTファイルを消去する。
【0044】
そして、ネットワーク装置100がパーソナルコンピュータ200aからのXML形式のフォーマットによる機器管理情報を要求するリクエストを受けて、パーソナルコンピュータ200aにレスポンスを返す際には、Webアプリ144及びXSLTプロセッサ150が、図7のフローチャートに示すように、処理動作を行う。
【0045】
Webアプリ144は、パーソナルコンピュータ200aから機器管理情報を要求するリクエストを受け取ると、その要求に応えるために必要な情報(機器管理情報)を、独自のフォーマットのXML形式のデータで生成する(ステップS201)。このXML形式のデータは、上述のように独自のXMLフォーマットであってもよいし、一般的に知られている何らかのフォーマットであってもよい。
【0046】
次に、Webアプリ144は、パーソナルコンピュータ200aからのリクエストに含まれている要求データのフォーマットの種類を解析し、Webブラウザ向けのHTML形式であるか、RSS0.9のフォーマット形式であるか、RSS1.0のフォーマット形式であるか、Atomのフォーマット形式であるか、あるいは、Webアプリ144がサポートしている上記いずれのフォーマット形式以外のその他のフォーマットであるかをチェックする(ステップS202)。フォーマットの種類は、例えば、図8にその記述例を示すようなリクエストURI(Uniform Resource Identifer)のパスの一部に記述される形式でもよいし、GETやPOST等のHTTPのメソッドの引数として記述される形式であってもよい。
【0047】
Webアプリ144は、ステップS202でのフォーマット解析の結果、要求データのフォーマットがWebブラウザ向けのHTML形式であると、XSLTプロセッサ150に対してWebページ用XSLTファイル(HTML形式に変換するXSLTファイル)を使ってXSLTプロセッシングを行うように指示する(ステップS203)。この際に使用するWebページ用XSLTファイルは、後述するXML形式のデータを生成するケースとは異なり、ネットワーク装置100の内部に搭載されているフラッシュROM等で構成される記憶装置103の中に格納されており、ネットワーク装置100の外部のXSLTファイル管理サーバ300からは取得しない。すなわち、Webページのフォーマットは、RSS等のXML形式のフォーマットとは異なり、通常は更新する必要がないことと、HTML形式で複雑な表組み等で表現されることから、XSLTファイルのサイズが比較的大きくなってしまい、常にネットワークNWを介して取得するのは通信量及び通信の遅延の問題から現実的ではないためである。
【0048】
Webアプリ144は、ステップS202でのフォーマット解析の結果、パーソナルコンピュータ200aからリクエストされたフォーマットが、RSS0.9のフォーマットであると、RSS0.9用XSLTファイル(他XML形式フォーマット変換用XSLTファイル)を使用してXSLTプロセッシングを行うように、XSLTプロセッサ150に指示する(ステップS204)。指示されたXSLTプロセッサは、ネットワーク装置1の設定に従ってRSS0.9用XSLTファイルをXSLTファイル管理サーバ300からダウンロードして一時記憶領域に保存し、保存した他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルであるRSS0.9用XSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行う。
【0049】
Webアプリ144は、ステップS202でのフォーマット解析の結果、パーソナルコンピュータ200aからリクエストされたフォーマットが、RSS1.0のフォーマットであると、RSS1.0用XSLTファイル(他XML形式フォーマット変換用XSLTファイル)を使用してXSLTプロセッシングを行うように、XSLTプロセッサ150に指示し(ステップS205)、また、パーソナルコンピュータ200aからリクエストされたフォーマットが、Atomのフォーマットであると、Atom用XSLTファイル(他XML形式フォーマット変換用XSLTファイル)を使用してXSLTプロセッシングを行うように、XSLTプロセッサ150に指示する(ステップS206)。
【0050】
ここで、これらのXML形式のデータは、コンテンツの概要とコンテンツ本体を参照するためのURI等のポインタ情報等を記述するものであるから、生成されるXMLデータは、上記ステップS203の場合に生成されるWebブラウザ向けのコンテンツの概要と、そのWebページへのURI程度の情報からなる比較的小サイズのデータとなる。
【0051】
このXMLデータを受け取ったパーソナルコンピュータ200aで動作しているRSSリーダー等のソフトウェアは、利用者に対してコンテンツの概要を示すとともに、コンテンツの詳細な情報を参照するための手段を提供するので、利用者は必要に応じてコンテンツの詳細な情報をWebブラウザを用いて参照することができる。
【0052】
パーソナルコンピュータ200aからリクエストされたフォーマットが、Webアプリ144がサポートしている上記いずれかのフォーマットであって上記XSLTプロセッシングを行うと(ステップS203〜S206)、次に、XSLTプロセッシングを行ってパーソナルコンピュータ200aからリクエストされたフォーマットに変換された結果を、クライアント端末であるパーソナルコンピュータ200aにレスポンスとして送信する(ステップS207)。
【0053】
そして、XSLTプロセッサ150は、パーソナルコンピュータ200aからリクエストされたフォーマットが、Webアプリ144がサポートしている上記いずれのフォーマットでもないときには、Webアプリ144は、HTTPのレスポンスのステータスコードにエラーを示すコードを設定して、ネットワークサービス135を介してクライアント端末であるパーソナルコンピュータ200aにレスポンスを送信して、処理を終了する(ステップS208)。
【0054】
なお、上記説明では、ネットワーク装置100のサポートしているXMLフォーマットが、RSS0.9、SS1.0及びAtomの3つであるとして説明したが、ネットワーク装置100のサポートしているXMLフォーマットは、上記3つに限るものではなく、例えば、RSSの他のバージョンやRDF等の類似のフォーマットもサポートしていてもよく、あるいは、RSS0.9またはRSS1.0またはAtomをサポートしていなくてもよい。
【0055】
このように、本実施例のネットワーク装置100は、XML形式の機器管理情報をHTML形式とは異なる他のXML形式のフォーマットに変換する1種類以上の他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを、外部装置であるXSLT管理サーバ300に登録し、XML形式の機器管理情報を、XSLT管理サーバ300から取得した他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行って当該他のXML形式のフォーマットに変換してパーソナルコンピュータ200a〜200nに出力している。
【0056】
したがって、頻繁に修正・変更されるおそれのあるRSS等のXML形式のフォーマットへの変換用の他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルをXSLT管理サーバ300に登録することで、ネットワーク装置100自体のソフトウェアの更新を行うことなく、外部装置であるXSLT管理サーバ300のXSLTファイルのみを更新することで、ソフトウェア全体として最新の状態を維持することができ、安価かつ安全で効率的に最新のXML形式のフォーマットに変換・提供して、利用性を向上させることができる。
【0057】
また、本実施例のネットワーク装置100は、ネットワークNW上のクライアント端末であるパーソナルコンピュータ200a〜200nからのXML形式のフォーマットを指定した機器管理情報の取得要求(リクエスト)に応じて、機器管理情報を当該指定のXML形式のフォーマットに変換して要求元のパーソナルコンピュータ200a〜200nに出力するとともに、当該指定のXML形式のフォーマットがXSLT管理サーバ300に登録されている他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いたフォーマット形式であると、XSLT管理サーバ300から当該他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得してXSLTプロセッシングを実行して指定のXML形式のフォーマットに変換し、当該変換した機器管理情報を要求元のパーソナルコンピュータ200a〜200nに出力している。
【0058】
したがって、クライアント端末であるパーソナルコンピュータ200a〜200nの利用者の利用しやすい形式で、安価かつ安全で効率的に、機器管理情報を提供することができ、利用性をより一層向上させることができる。
【0059】
さらに、本実施例のネットワーク装置100は、外部装置としてのXSLT管理サーバ300は、ネットワークNW上のサーバ装置であり、他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルが、当該サーバ装置のクライアント端末であるパーソナルコンピュータ200a〜200nで指定される記憶領域に登録されていてもよい。
【0060】
したがって、XSLT管理サーバ300のXSLTファイルを最新の状態に保つだけで、ネットワーク装置100内部に記憶されているネットワーク装置100の機能を実現するためのソフトウェアを更新する危険を冒すことなく、ネットワーク装置100が出力するRSS等のXML形式のフォーマットのデータを最新のものにすることができるとともに、各ネットワーク装置100のソフトウェアを一台一台更新することなく、XSLT管理サーバ300のXSLTファイルのみを更新するだけでよく、一台一台更新する手間と危険を減らすことができる。
【0061】
また、本実施例のネットワーク装置100は、外部装置としてのXSLT管理サーバ300が、当該XSLT管理サーバ300の製造元または販売元の提供するサーバソフトウェアの動作するサーバ装置であってもよい。
【0062】
この場合、Webサーバ等のその他のサーバ装置が存在しない利用者環境であっても、XSLTファイル管理サーバ装置300を設置することができる。
【0063】
さらに、本実施例のネットワーク装置100は、外部装置としてのXSLT管理サーバ300が、ネットワークNW上のWebサーバ装置であってもよい。この場合、ネットワーク装置100は、HTTP、FTP等のTCP/IPネットワーク上のプロトコルを用いて当該Webサーバ装置から他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得する。
【0064】
このようにすると、任意の目的に使用できるWebサーバ装置が利用者環境に存在する場合に、サーバ装置の製造元または販売元が専用のサーバソフトウェアを提供していない場合、または、提供しているが利用者がサーバソフトウェアを利用者環境に導入したくない場合に、既存のWebサーバ装置をXSLTファイル管理サーバとして用いることで、簡単かつ容易に機器管理情報を最新のXML形式のフォーマットに変換・提供することができる。
【0065】
また、本実施例のネットワーク装置100は、外部装置が、汎用オペレーションシステムの動作するファイル共有サーバ装置であってもよい。この場合、ネットワーク装置100は、ネットワーク装置300は、SMB等の汎用オペレーション上でファイル共有を実現するプロトコルを用いて当該ファイル共有サーバ装置から他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得する。
【0066】
このようにすると、任意の目的に使用できるファイル共有サーバが利用者環境に存在する場合に、当該サーバ装置の製造元または販売元が専用のサーバソフトウェアを提供していない場合、または、提供しているが利用者がサーバソフトウェアを利用者環境に導入したくない場合に、既存のファイル共有サーバをXSLTファイル管理サーバとして用いることで、簡単かつ容易に機器管理情報を最新のXML形式のフォーマットに変換・提供することができる。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
機器管理情報をXML形式の所定のフォーマットで提供するプリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、複合装置、スキャナ等のネットワーク装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のネットワーク装置の一実施例を適用したネットワークシステムのシステム構成及びネットワーク装置のブロック構成図。
【図2】図1のネットワーク装置のソフトウェア構成図。
【図3】図1のネットワーク装置がパーソナルコンピュータからのリクエストを受けてレスポンスを返す機器管理情報提供処理の説明図。
【図4】図1のネットワーク装置がパーソナルコンピュータからのリクエストを受けてレスポンスを返す機器管理情報提供処理を示すフローチャート。
【図5】図4の機器管理情報提供処理でのXSLTファイルの参照先設定画面の一例を示す図。
【図6】図4の機器管理情報提供処理でのXSLTファイルの登録画面の一例を示す図。
【図7】図1のネットワーク装置がパーソナルコンピュータからのフォーマット指定に基づく機器管理情報提供処理を示すフローチャート。
【図8】図7の機器管理情報提供処理でのフォーマット指定の一例を示す図。
【符号の説明】
【0070】
1 ネットワークシステム
100 ネットワーク装置
101 プロセッサ
102 ワークメモリ
104 機器特有ハードウェア
105 入出力回路
106 大容量記憶装置
110 ソフトウェア
120 ハードウェア
130 サービス層
131 システムサービス
132 エンジンサービス
133 メモリサービス
134 ファックスサービス
135 ネットワークサービス
140 アプリケーション層
141 コピーアプリ
142 プリンタアプリ
143 ファックスアプリ
144 Webアプリ
130 XSLTプロセッサ
200a〜200n パーソナルコンピュータ
300 XSLT管理サーバ
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のネットワークに接続され、機器管理用の機器管理情報をXML形式で生成し、当該XML形式の機器管理情報を、HTML形式に変換するXSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行ってWebブラウザ用のHTML形式に変換して外部出力するネットワーク装置であって、前記XML形式の機器管理情報を前記HTML形式とは異なる他のXML形式のフォーマットに変換する1種類以上の他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルが、外部装置に登録されており、当該外部装置から当該他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得し、前記XML形式の機器管理情報を、当該取得した他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いてXSLTプロセッシングを行って当該他のXML形式のフォーマットに変換して外部出力することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記ネットワーク装置は、前記ネットワーク上のクライアント端末からのXML形式のフォーマットを指定した前記機器管理情報の取得要求に応じて、前記機器管理情報を当該指定のXML形式のフォーマットに変換して当該クライアント端末に出力するとともに、当該指定のXML形式のフォーマットが前記外部装置に登録されている前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを用いたフォーマット形式であると、当該外部装置から当該他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得して前記XSLTプロセッシングを実行して前記指定のXML形式のフォーマットに変換し、当該変換した機器管理情報を当該クライアント端末に出力することを特徴とする請求項1記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記外部装置は、前記ネットワーク上のサーバ装置であり、前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルが、当該サーバ装置の前記クライアント端末で指定される記憶領域に登録されていることを特徴とする請求項2記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記外部装置は、前記ネットワーク上のXSLTファイル管理サーバ装置であり、当該XSLTファイル管理サーバ装置が、当該サーバ装置の製造元または販売元の提供するサーバソフトウェアの動作するサーバ装置であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワーク装置。
【請求項5】
前記外部装置は、前記ネットワーク上のWebサーバ装置であり、前記ネットワーク装置は、HTTP、FTP等のTCP/IPネットワーク上のプロトコルを用いて当該Webサーバ装置から前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得することを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワーク装置。
【請求項6】
前記外部装置は、汎用オペレーションシステムの動作するファイル共有サーバ装置であり、前記ネットワーク装置は、SMB等の前記汎用オペレーション上でファイル共有を実現するプロトコルを用いて当該ファイル共有サーバ装置から前記他XML形式フォーマット変換用XSLTファイルを取得することを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワーク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−18029(P2007−18029A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195687(P2005−195687)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】