説明

ネットワークAVレシーバ装置

【課題】 ネットワークに接続したメディアサーバに蓄積されている楽曲を入力し再生するネットワークAVレシーバ装置において、楽曲を入力しているメディアサーバから楽曲が入力できなくなった場合に、楽曲の再生が中断してしまうことを防止することができるネットワークAVレシーバ装置を提供する。
【解決手段】 ネットワークに接続されている各メディアサーバに記録されている楽曲の楽曲情報を記憶する楽曲情報記憶部と、現在再生している楽曲を入力するメディアサーバの入力状態を検出する入力状態検出部と、制御部とを備え、制御部は、入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、楽曲情報記憶部に記憶したメディアサーバに記録されている楽曲の楽曲情報に基づいて、現在再生中の楽曲データのメディアサーバを他のメディアサーバに記録されている楽曲データに切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してメディアサーバに記録されている楽曲を再生するネットワークAVレシーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ネットワークに接続したメディアサーバに蓄積されている楽曲をネットワーク経由で個々のパーソナルコンピュータやAV機器に入力し再生するネットワークAVシステムが普及している(例えば、特許文献1参照)。このようなネットワークAVシステムにおいては、ネットワーク経由で入力した楽曲をパーソナルコンピュータを介さずにAVレシーバ装置に接続し、AVレシーバによって楽曲を再生するネットワークAVレシーバ装置が知られている。
【0003】
このような、従来のメディアサーバとネットワークAVレシーバ装置を用いたネットワークAVシステムは、多数の楽曲ファイルを蓄積した複数のメディアサーバとLAN(Local Area Network)経由で接続されたクライアント機器としてのAVレシーバ装置を備える。クライアント機器としてのAVレシーバ装置は、再生を希望する楽曲を任意のメディアサーバに要求し、この要求に応じてメディアサーバが要求された楽曲をクライアント機器に送信する。クライアント機器はメディアサーバから送信された楽曲を入力し再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−31494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の従来のネットワークAVレシーバ装置を用いたネットワークAVシステムは、ネットワーク接続された任意のメディアサーバから楽曲を入力し再生している最中に様々な原因でネットワークの接続不良が生じてしまうことがある。このように、ネットワークAVレシーバ装置が任意のメディアサーバから楽曲を入力し再生している最中にネットワーク接続不良が生じると、楽曲のデータを途中から入力することができなくなり、再生途中の楽曲が中断してしまう。
【0006】
従来のネットワークAVレシーバ装置は、前述したような、ネットワークの接続不良に備えて、ある程度の時間分の楽曲データをネットワーク経由で予めダウンロードして一時記憶部に記憶しておき、万一ネットワーク接続不良が生じてしまっても、この間、一時記憶部に記憶しておいた楽曲を再生し続けることで、少々のネットワーク接続不良に対して再生中断を生じさせないようにすることが知られている。しかしながら、例えば、楽曲を入力している任意のメディアサーバ自体にネットワーク障害やサーバ自体の問題が生じた場合は、接続不良が生じてから永続的に楽曲の配信が中断してしまうことがある。このように、楽曲を入力している任意のメディアサーバから永続的に接続が中断してしまうと、ネットワークAVレシーバ装置は、一時記憶部に記憶した楽曲の再生が終了してしまい、結局、楽曲の再生が途中で途切れてしまう。
【0007】
本発明は、ネットワークに接続したメディアサーバに蓄積されている楽曲を入力し再生するネットワークAVレシーバ装置において、楽曲を入力しているメディアサーバから楽曲が入力できなくなった場合に、楽曲の再生が中断してしまうことを防止することができるネットワークAVレシーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1記載の発明は、ネットワークを介してメディアサーバに記録されている楽曲を再生するネットワークAVレシーバ装置において、ネットワークに接続されている各メディアサーバに記録されている楽曲の楽曲情報を記憶する楽曲情報記憶部と、現在再生している楽曲を入力するメディアサーバの入力状態を検出する入力状態検出部と、メディアサーバからの楽曲の入力指示を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、前記楽曲情報記憶部に記憶したメディアサーバに記録されている楽曲の楽曲情報に基づいて、現在再生中の楽曲データのメディアサーバを他のメディアサーバに記録されている楽曲データに切換えることを特徴とする。
【0009】
本願の請求項2記載の発明は、請求項1記載のネットワークAVレシーバ装置において、前記制御部は、前記入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、現在再生中の楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データに切換えることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のネットワークAVレシーバ装置において、前記制御部は、前記入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、現在再生中の楽曲データと同一のテンポの楽曲データに切換えることを特徴とする。
【0011】
本願の請求項4記載の発明は、請求項2記載のネットワークAVレシーバ装置において、前記制御部は、現在再生中の楽曲データのタイムコードと再生中の楽曲と同一の楽曲名の楽曲データのタイムコードに基づいて楽曲データの再生が途中で途切れないよう制御しながら切換えることを特徴とする。
【0012】
本願の請求項5記載の発明は、請求項3記載のネットワークAVレシーバ装置において、前記制御部は、現在再生中の楽曲データのテンポと再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データのテンポに基づいて再生中の楽曲データのテンポと再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データのテンポを合わせて現在再生中の楽曲をフェードアウトさせながら再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲をフェードインさせるよう制御しながら切換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネットワークに接続したメディアサーバに蓄積されている楽曲を入力し再生するネットワークAVレシーバ装置において、楽曲を入力しているメディアサーバから楽曲が入力できなくなった場合に、楽曲の再生が中断してしまうことを防止することができるネットワークAVレシーバ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例であるネットワークAVレシーバ装置を接続する構成を示す図。
【図2】本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)の構成を示すブロック図。
【図3】楽曲情報記憶部108が記憶する楽曲情報の内容の一例を示す図。
【図4】本実施例のAVR1において、ユーザが再生を希望する楽曲を指示し、当該指示された楽曲を再生する動作を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施例であるネットワークAVレシーバ装置を接続する構成を示す図である。
図1に示すように、ネットワークAVレシーバ装置1(以下、AVR1という。)は、HUB2を介してLAN100にネットワーク接続され、このLAN100には第1のメディアサーバ10、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30が接続されている。
【0017】
HUB2は、LAN100経由でネットワーク接続された各メディアサーバから送信される各種データを受信し、この受信した各種データをAVR1に送信したり、また、AVR1から送信された送信データを各メディアサーバに送信する。第1のメディアサーバ10、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30は、それぞれ複数の楽曲データを蓄積し、LAN100経由でネットワーク接続された各ネットワークAVレシーバ装置からの要求に応じて蓄積している楽曲データの内から要求のあった楽曲データを送信する。
【0018】
図2は、本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)の構成を示すブロック図である。
【0019】
AVR1は、入出力部101、楽曲検出部102、楽曲抽出部103、記憶部104、再生部105、入力状態検出部106、制御部107、楽曲情報記憶部108、入力指示部109、操作部110及び表示部111を備える。
【0020】
入出力部101は、HUB2と接続し、LAN100経由でネットワーク接続された各メディアサーバから送信されるデータをHUB2を介して入力し、また、AVR1からLAN100によってネットワーク接続された各メディアサーバに対してHUB2を介して楽曲の送信を要求する指示データを出力する。
【0021】
楽曲検出部102は、入出力部101が入力したデータの中から楽曲に関するデータを検出する。楽曲抽出部103は、楽曲検出部102が検出した楽曲に関するデータから楽曲データ及び楽曲情報を抽出する。記憶部104は楽曲抽出部103が抽出した楽曲データを記憶する。再生部105は、記憶部104に記憶された楽曲データを再生する。再生部105は、スピーカ112と接続し、再生した楽曲データを楽曲信号に変換し、この楽曲信号を増幅してスピーカ112に出力する。スピーカ112は、再生部105から入力した楽曲信号を放音する。
【0022】
入力状態検出部106は、楽曲検出部102が検出し楽曲抽出部103が抽出する楽曲データの入力状態を検出する。制御部107は、楽曲検出部102、楽曲抽出部103、再生部105など、AVR1を構成する各構成部を総括的に制御する。
【0023】
楽曲情報記憶部108は、制御部107の制御により、楽曲抽出部103が抽出した楽曲情報を記憶する。操作部110は、ユーザからの操作に応じて、操作指示信号を制御部107に出力する。制御部107は、操作部110から入力される操作指示信号に応じて、入力指示部109に楽曲データの入力を指示する。また、制御部107は、入力状態検出部106が検出する楽曲データの入力状態を監視し、必要に応じて入力指示部109に楽曲データの入力先及び楽曲データの種類を指示するよう制御する。入力指示部109は、制御部107の制御に基づいて、入出力部101に楽曲データの入力先及び楽曲データの種類を指示する。表示部111は、楽曲情報記憶部108に記憶した楽曲情報を表示し、また、操作部110によって操作指示された内容を表示する。
【0024】
図3は、楽曲情報記憶部108が記憶する楽曲情報の内容の一例を示す図である。
楽曲情報記憶部108は、楽曲抽出部103が抽出した楽曲情報の中から楽曲に関する様々な情報を抽出し、送信先である各メディアサーバ毎に楽曲の情報を記憶する。楽曲情報記憶部108は、楽曲抽出部103が抽出した楽曲情報の中から図3に示すように、楽曲名、アーティスト名、アルバム名及び当該楽曲のテンポを記憶する。
【0025】
図4は、本実施例のAVR1において、ユーザが再生を希望する楽曲を指示し、当該指示された楽曲を再生する動作を示すフローチャート図である。
【0026】
先ず、AVR1は、LAN100及びHUB2を介して、第1のメディアサーバ10.第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30とネットワーク接続を行う(ステップS1)。次に、制御部107は、ユーザが操作部110を操作することによって操作部110から楽曲の再生指示信号が出力されたか否かを監視する(ステップS2)。操作部110から楽曲の再生指示信号が出力された場合、制御部107は、入出力部101、楽曲検出部102、楽曲抽出部103及び楽曲情報記憶部108を制御し、HUB2を介してLAN100経由で接続された各メディアサーバに蓄積されている楽曲データの楽曲情報を入力し、楽曲情報記憶部108に記憶するよう制御する。入出力部101は、制御部107の制御により、HUB2及びLAN100を介してネットワーク接続されているメディアサーバを検出する。楽曲抽出部103は、楽曲検出部102が検出したネットワーク接続されている各メディアサーバに蓄積されている楽曲に関するデータから各メディアサーバ毎の楽曲情報を抽出する。楽曲情報記憶部108は、楽曲抽出部103が抽出した各メディアサーバ毎の楽曲情報を記憶する(ステップS3)。本実施例において、楽曲抽出部103が記憶する各メディアサーバ毎の楽曲情報は図3に示した内容とする。
【0027】
制御部107は、楽曲情報記憶部108による各メディアサーバ毎の楽曲情報の記憶が完了した後、楽曲情報記憶部108に記憶した楽曲情報を参照し、操作部110から再生指示信号により再生指示された楽曲が蓄積されているメディアサーバを検索し、再生指示信号により再生指示された楽曲が蓄積されているメディアサーバの中から任意のメディアサーバ、例えば、第1のメディアサーバ10を選択し、入力指示部109に楽曲データの入力を指示するよう制御する。入力指示部109は、制御部107の制御に基づいて、第1のメディアサーバ10に楽曲データの送信を要求する指示信号を出力する。入出力部101は、入力指示部109が出力した楽曲データの要求指示信号に応じて、HUB2及びLAN100を介して第1のメディアサーバ10に楽曲データの送信を要求する。
【0028】
第1のメディアサーバ10は、AVR1からの楽曲データの要求に応じて蓄積している多数の楽曲データの中から要求のあった楽曲データを送信する。入出力部101は、第1のメディアサーバ10から送信された楽曲データを入力する。記憶部104は、楽曲検出部102及び楽曲抽出部103を介して入出力部101に入力された楽曲データを記憶する。再生部105は、記憶部104に予め定めた一定時間、例えば、10秒間の楽曲データが記憶された後、記憶部104に記憶された楽曲データの再生を開始する(ステップS4)。
【0029】
入力状態検出部106は、楽曲データの再生を開始している間、楽曲検出部102が検出し楽曲抽出部103が抽出する楽曲データの入力状態を検出することによって、LAN100によるネットワークの接続状態や、再生している楽曲データを入力しているメディアサーバの送信状態を監視する(ステップS5)。ステップS5において、再生している楽曲データの入力状態が正常である場合、制御部107は、再生している楽曲データの再生終了が操作部110から指示されたか否か、また、再生している楽曲データが最後まで終了したか否かを監視し(ステップS6)、再生している楽曲データの終了指示があった場合、または、曲の再生が最後まで到達した場合は、再生を終了する(ステップS7)。
【0030】
ステップS5において、楽曲を再生している間に楽曲データの入力状態が正常でなくなった場合、制御部107は、楽曲情報記憶部108に記憶した各メディアサーバ毎の楽曲情報を検索し、現在再生している楽曲データを送信している第1のメディアサーバ10以外のメディアサーバである第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30に蓄積されている楽曲データの中に、現在再生している楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データがあるか否かを検索する(ステップS9)。
【0031】
ステップS9において、現在再生している楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データが、第1のメディアサーバ10以外のメディアサーバ、例えば、第2のメディアサーバ20にある場合、制御部107は、入力指示部109に第2のメディアサーバ20から再生している楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データの入力を指示するよう制御する。入力指示部109は、制御部107の制御に基づいて、再生している楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データの送信を要求する指示信号を第2のメディアサーバ20に出力する。第2のメディアサーバ20は、AVR1からの楽曲データの要求に応じて要求のあった楽曲データを送信する。入出力部101は、第2のメディアサーバ20から送信された楽曲データを入力する(ステップS10)。
【0032】
制御部107は、再生途中である第1のメディアサーバ10からの楽曲データのタイムコードと新たに第2のメディアサーバ20から入力された再生中の楽曲と同一の楽曲データのタイムコードを検出し、楽曲データの再生が途中で途切れないよう制御しながら、再生する楽曲データを第1のメディアサーバ10からの楽曲データから第2のメディアサーバ20からの楽曲データに切換える(ステップS11)。再生する楽曲データの入力先を第1のメディアサーバ10から第2のメディアサーバ20に切換えた後、ステップS5に戻る。
【0033】
ステップS9において、現在再生している楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データが他のメディアサーバに無い場合、制御部107は、楽曲情報記憶部108に記憶した各メディアサーバ毎の楽曲情報を検索し、現在再生している楽曲データを送信している第1のメディアサーバ10以外のメディアサーバである第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30に蓄積されている楽曲データの中に現在再生している楽曲データと同一のテンポの楽曲データがあるか否かを検索する(ステップS12)。
【0034】
ステップS12において、現在再生している楽曲データと同一のテンポの楽曲データが、第1のメディアサーバ10以外のメディアサーバ、例えば、第3のメディアサーバ30にある場合、制御部107は、入力指示部109に第3のメディアサーバ30から再生している楽曲データと同一のテンポの楽曲データの入力を指示するよう制御する。入力指示部109は、制御部107の制御に基づいて、第3のメディアサーバ30に再生している楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データの送信を要求する指示信号を出力する。第3のメディアサーバ30は、AVR1からの楽曲データの要求に応じて要求のあった楽曲データを送信する。入出力部101は、第3のメディアサーバ30から送信された楽曲データを入力する(ステップS13)。
【0035】
制御部107は、再生途中である第1のメディアサーバ10からの楽曲データのテンポと新たに第3のメディアサーバ30から入力された再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データのタイムコードを検出し、楽曲データのテンポと再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データのテンポを合わせるように制御しながら、それまで再生していた第1のメディアサーバ10からの楽曲データの再生音をフェードアウトさせながら、第3のメディアサーバ30からの楽曲データの再生音をフェードインさせ、再生する楽曲データを第1のメディアサーバ10からの楽曲データから第3のメディアサーバ30からの楽曲データに切換える(ステップS14)。再生する楽曲データの入力先を第1のメディアサーバ10から第3のメディアサーバ30に切換えた後、ステップS5に戻る。
【0036】
ステップS12において、現在再生している楽曲データと同一のテンポの楽曲データが他のメディアサーバに無い場合、制御部107は、楽曲情報記憶部108に記憶した各メディアサーバ毎の楽曲情報を検索し、現在再生している楽曲データを送信している第1のメディアサーバ10以外のメディアサーバである第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30に蓄積されている楽曲データの中に現在再生している楽曲データと類似の楽曲データを選択する(ステップS15)。ここで選択する現在再生している楽曲データと類似の楽曲データは、例えば、楽曲情報記憶部108に記憶されている各メディアサーバに蓄積されている楽曲の楽曲情報の中から、例えば、現在再生中の楽曲と同一のアーティスト名の楽曲を選択しても良いし、また、現在再生中の楽曲と同一のアルバム名の楽曲を選択しても良い。また、楽曲情報記憶部108に記憶されている各メディアサーバに蓄積されている楽曲の楽曲情報の中に、例えば、現在再生中の楽曲と同一のアーティスト名の楽曲もなく、また、同一のアルバム名の楽曲もない場合は、予め定めたメディアサーバに記憶されている楽曲を選択しても良い。
【0037】
ステップS13において、例えば、第2のメディアサーバ20に記憶されている現在再生している楽曲データと同一のアーティスト名の楽曲データが、第1のメディアサーバ10以外のメディアサーバ、例えば、第2のメディアサーバ20にある場合、制御部107は、入力指示部109に第2のメディアサーバ20から再生している楽曲データと同一のアーティスト名の楽曲データの入力を指示するよう制御する。入力指示部109は、制御部107の制御に基づいて、第2のメディアサーバ20に再生している楽曲データと同一のアーティスト名の楽曲データの送信を要求する指示信号を出力する。第2のメディアサーバ20は、AVR1からの楽曲データの要求に応じて要求のあった楽曲データを送信する。入出力部101は、第2のメディアサーバ20から送信された楽曲データを入力する(ステップS16)。
【0038】
制御部107は、再生途中である第1のメディアサーバ10からの楽曲データの再生音をフェードアウトさせ、再生音が完全に消えた後、第2のメディアサーバ20からの楽曲データの再生音をフェードインさせ、再生する楽曲データを第1のメディアサーバ10からの楽曲データから第2のメディアサーバ20からの楽曲データに切換える(ステップS17)。再生する楽曲データの入力先を第1のメディアサーバ10から第2のメディアサーバ20に切換えた後、ステップS5に戻る。
【0039】
以上のように、本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、予め、HUB2及びLAN100を介してネットワーク接続された第1のメディアサーバ10、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30に蓄積されている楽曲データの楽曲情報を楽曲情報記憶部108に記憶しておき、ユーザからの楽曲の再生指示に応じて、例えば、第1のメディアサーバ10に蓄積されている楽曲データを再生している間、第1のメディアサーバ10からの楽曲データの入力状態を監視し、第1のメディアサーバ10からの楽曲データの入力状態が悪化した場合、楽曲情報記憶部108に記憶した第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30の楽曲情報を参照して、先ず、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30の中から現在再生中の楽曲と同一の楽曲名の楽曲がある場合は、当該同一の楽曲名の楽曲データを入力して再生中の楽曲が途切れないようにして入力する楽曲データのメディアサーバを切換え、また、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30の中から現在再生中の楽曲と同一の楽曲名の楽曲が無い場合でも、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30の中から現在再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲ある場合は、当該同一のテンポの楽曲データを入力して再生中の楽曲の楽曲データのメディアサーバを切換え、更に、また、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30の中から現在再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲が無い場合でも、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30の中から現在再生中の楽曲と類似の楽曲を入力して再生中の楽曲の楽曲データのメディアサーバを切換える。
【0040】
このことにより、再生している楽曲を入力しているメディアサーバ自体にネットワーク障害やサーバ自体の問題が生じて楽曲を入力しているメディアサーバから永続的に接続が中断してしまっても、楽曲の再生が途中で途切れてしまうことを防止することができる。
【0041】
また、本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、楽曲データを入力するメディアサーバを他のメディアサーバに切換える場合、現在再生中の楽曲と同一の楽曲名の楽曲データが他のメディアサーバにある場合は、当該同一の楽曲名の楽曲データの再生が途中で途切れないようにしながら切換えるため、再生中の楽曲データが途中で途切れることがない。
【0042】
また、本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、現在再生中の楽曲と同一の楽曲名の楽曲データが他のメディアサーバに無い場合でも、再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲を検索し、楽曲のテンポを合わせて再生中の楽曲をフェードアウトさせながら再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲をフェードインさせながら切換えるため、再生させている楽曲を違和感なく切換えることができる。
【0043】
更に、本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、現在再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データが他のメディアサーバに無い場合でも、再生中の楽曲と類似の楽曲を検索し、再生中の楽曲をフェードアウトさせて再生音が完全に消えた後、類似の楽曲をフェードインさせながら切換えるため、再生させている楽曲を違和感なく切換えることができる。
【0044】
本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、HUB2及びLAN100を介して他のメディアサーバとネットワーク接続する構成としたが、他のメディアサーバや他の装置と接続可能であれば、その他の接続構成でも良い。
【0045】
本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、楽曲情報記憶部108に記憶する各メディアサーバが蓄積する楽曲データの楽曲情報を楽曲名、アーティスト名、アルバム名及びテンポとしたが、その他の楽曲情報、例えば、発売年月の情報、売り上げ順位の情報、ジャンル名等、様々な楽曲情報を記憶する構成とし、それらの楽曲情報に基づいて、再生中に切換える楽曲を選択するようにしても良い。
【0046】
本実施例のネットワークAVレシーバ装置1(AVR1)は、第1のメディアサーバ10、第2のメディアサーバ20及び第3のメディアサーバ30とネットワーク接続する構成としたが、更に複数のメディアサーバと接続させる構成としても良いし、特定のメディア機器のみと接続する構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ネットワークを介してメディアサーバに記録されている楽曲を再生するネットワークAVレシーバ装置に有用に用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ネットワークAVレシーバ装置(AVR)、2 HUB、
10 第1のメディアサーバ、20 第2のメディアサーバ、
30 第3のメディアサーバ、100 LAN、
101 入出力部、102 楽曲検出部、103 楽曲抽出部、104 記憶部、
105 再生部、106 入力状態検出部、107 制御部、108 楽曲情報記憶部、
109 入力指示部、110 操作部、111 表示部、112 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してメディアサーバに記録されている楽曲を再生するネットワークAVレシーバ装置において、
ネットワークに接続されている各メディアサーバに記録されている楽曲の楽曲情報を記憶する楽曲情報記憶部と、
現在再生している楽曲を入力するメディアサーバの入力状態を検出する入力状態検出部と、
メディアサーバからの楽曲の入力指示を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、前記楽曲情報記憶部に記憶したメディアサーバに記録されている楽曲の楽曲情報に基づいて、現在再生中の楽曲データのメディアサーバを他のメディアサーバに記録されている楽曲データに切換えることを特徴とするネットワークAVレシーバ装置。
【請求項2】
請求項1記載のネットワークAVレシーバ装置において、
前記制御部は、前記入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、現在再生中の楽曲データと同一の楽曲名の楽曲データに切換えることを特徴とするネットワークAVレシーバ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のネットワークAVレシーバ装置において、
前記制御部は、前記入力状態検出部が現在再生している楽曲データの入力状態が正常でないことを検出した場合、現在再生中の楽曲データと同一のテンポの楽曲データに切換えることを特徴とするネットワークAVレシーバ装置。
【請求項4】
請求項2記載のネットワークAVレシーバ装置において、
前記制御部は、現在再生中の楽曲データのタイムコードと再生中の楽曲と同一の楽曲名の楽曲データのタイムコードに基づいて楽曲データの再生が途中で途切れないよう制御しながら切換えることを特徴とするネットワークAVレシーバ装置。
【請求項5】
請求項3記載のネットワークAVレシーバ装置において、
前記制御部は、現在再生中の楽曲データのテンポと再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データのテンポに基づいて再生中の楽曲データのテンポと再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲データのテンポを合わせて現在再生中の楽曲をフェードアウトさせながら再生中の楽曲と同一のテンポの楽曲をフェードインさせるよう制御しながら切換えることを特徴とするネットワークAVレシーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−211981(P2012−211981A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77056(P2011−77056)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(309039716)株式会社ディーアンドエムホールディングス (37)