説明

ノズル、ノズル・ホルダ、及び/又はチェック・ナットを備えた液体用供給装置のためのノズル・システム

本発明は、ノズルと、該ノズルを供給装置内に固定する装置とを含む、液体用供給装置のためのノズル・システムに関する。この装置は、液体を供給するために、圧力下でノズルを通して液体を押しやる液体リザーバを有する。ノズルは、ホルダにより供給装置上に固定される。ホルダ自体は、例えば、チェック・ナットの形態の第2のホルダによって固定することができ、或いは該チェック・ナット自体をホルダとすることができる。本発明によると、保持装置の外表面の少なくとも一部が微細又はナノ構造化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルと、該ノズルを供給装置内に固定する装置とを含む、液体用供給装置のためのノズル・システムに関する。この装置は、液体を供給するために、圧力下でノズルを通して液体を押しやる液体リザーバを有する。ノズルは、ホルダにより供給装置に固定される。ホルダ自体は、例えば、チェック・ナットの形態の第2のホルダによって固定することができ、又は該チェック・ナット自体をホルダとすることができる。本発明によると、保持装置の外表面の少なくとも一部が、微細又はナノ構造化されている。
【0002】
本発明は、医薬流体を霧状にするための推進薬を含まない装置の一部であることが望ましい。本発明による噴霧器は、例えば、口及び咽頭腔を通して患者の肺に吸入するため、経鼻投与のため、又は目の表面に噴霧するためのエアロゾルの液滴の生成に用いられる。
【背景技術】
【0003】
WO91/14468号は、吸入により投与するための、定量の薬液を推進薬なしで投与する装置を開示する。この装置のさらなる発展が、WO97/12687号に詳細に記載されている。これらの刊行物に特に記載されており、この中に記載されている技術は、本発明の範囲内にあり、Respimat(登録商標)技術と呼ばれる。この用語は、特に、WO97/12687号及びこれに関連した記載の図6a及び図6bによる装置の根底をなす技術に関する。
【0004】
この種の吸入器においては、液体医薬組成物が、リザーバに貯蔵される。液体医薬組成物は、リザーバから、上昇管を通して圧力チャンバ内に運ばれ、そこからノズルに押しやられる。ノズルは、液体入口側と液体出口側とを有する。液体入口側には、開口部があり、これを通して圧力チャンバからの液体がノズルに流入することができる。反対側のノズルの端面では、液体が位置合わせされた2つのノズル孔を通り、該アパーチャを出る液体の噴射が互いにぶつかり合い、これにより霧化される。ノズル孔は、これらが外部環境と直接接触するように吸入器内に配置される。これらの吸入器は、通常、水又は水とエタノールの混合物に基づいた配合物を供給する。これらの吸入器は、治療的に必要とされる投与量の少量の液体配合物を数秒内で霧状にし、治療用吸入に適したエアロゾルを生成することができる。この装置を用いて、エアロゾルの吸入可能な部分が、治療的に有効な量に対応するように、例えば、1回の噴霧動作で、100マイクロリットルより少ない量を霧状にし、20ミクロンより小さい平均粒子サイズを有するエアロゾルを生成することができる。Respimat(登録商標)技術を用いるこれらの噴霧器において、医薬溶液が、500バールまでの高圧によって肺用の低速エアロゾル霧に変換され、患者が吸い込むことができるようになる。
【0005】
わずかな量の液体を、フィルム又は小さな液滴の蓄積として、ノズルの端面、又はノズルのための固定手段の端面、或いはマウスピースの内側上に外側から付着させることができる。この液体の部分は、本明細書の範囲内でマウスピース部分とも呼ばれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
付着される液体の量は、噴霧動作の度に一定である必要はないが、エアロゾル生成中の装置の空間的配向、又は周囲温度、相対的湿度などのような多くの要因によって決まる。一方で、このことは、軽微ではあるものの、患者が摂取するのに利用可能な供給量に幾らかのばらつきをもたらす。付着される液体が、ノズル・システム又はマウスピースの外表面の汚染をもたらすこともあり、このことは、次のエアロゾル霧の医薬品質に悪影響を及ぼすことがある。
【0007】
これらの2つの影響は、Respimat(登録商標)技術を用いる装置において取るに足らないものであるが、こうした影響を最小限にするための品質制御の理由で重要である。
驚いたことに、液体を供給するための装置において、対応する表面が少なくとも部分的に微細又はナノ構造化されている場合には、ノズル・システムの外側に付着された液体の割合を減らし得ることが見出された。
【0008】
本発明の目的は、アトマイザ、吸入器等のような薬液を供給するための装置によって供給される液体の割合のばらつきを減らすことである。
本発明の更に別の目的は、エアロゾル霧からの、薬液を供給するための装置上に付着される液体の割合を減らすことである。
更に別の目的は、Respimat(登録商標)技術を有するアトマイザを用いて、液体の供給量を最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ノズル・システムの外表面の少なくとも一部或いは供給されるエアロゾルと接触する噴霧器の他の構成要素が微細又はナノ構造化された表面を有する、液体噴霧器のためのノズル・システムに関する。少なくとも外に向いているノズルの端面(すなわち、エアロゾル霧が出てくるノズルの側)、及び/又はノズルを保持するための装置の同じように配向された側に、この種の表面構造が与えられる。
最も簡単な場合では、ノズルは、少なくとも1つの開口部を有する多穴プレートである。
【0010】
より複雑な構成を有する他の実施形態は、少なくとも2つの重ね合わせられたプレートからなるノズルに関するものであり、該プレートの少なくとも1つが第2の微細構造を有するので、この重ね合わせられたプレートは、チャネル・システム及び/又はフィルタ・システムに隣接する液体入口を一方の側に定め、この液体入口は、1つ、2つ又はそれ以上の液体出口に通じるようになる。
【0011】
複数のノズル孔を有するノズルの実施形態においては、該ノズル孔の全てが、共通の側に形成されることが好ましい。こうした場合、ノズル孔から出てくる液体の噴射が該ノズル孔の前方で交わるように、該ノズル孔を配向することができる。この種のシステムは、少なくとも2つのアパーチャを有するノズルを必要とする。この種のノズルは、Respimat(登録商標)技術の説明により詳細に記載されている。
【0012】
これらのノズル又は他のノズルは、ノズルが供給装置内の所定位置に保持されるノズル・システムの一部とすることができる。この種のノズル・システムは、ノズルと、各々が端面を有するノズル・ホルダ及び/又はチェック・ナットとからなる。これは、ノズル孔を有するノズルの側から遠ざかるように配向される側であり、すなわち外側に向いている。ノズル・ホルダ又はチェック・ナットの端面の内側は、ノズルの液体出口側と接触しており、これにより該ノズルを該ノズルの液体入口側の方向に固定するために必要とされる力が及ぼされる。ノズル・ホルダ及び/又はチェック・ナットの端面は、エアロゾルがノズルから漏出することができる貫通ボア又は穴を有する。したがって、ノズル孔は、ボア内にあるか又はボアの下方に一直線上に並んでいる。
ボア又は穴は、ノズル孔から連続的に拡大する内部凹部として構成することができる。凹部が漏斗形状、好ましくは円錐形状であるノズル・システムの実施形態は、有利なものである。
【0013】
ノズル本体を出る液体の2つの噴射が交わるように配向された少なくとも2つのノズル孔を有するノズルにおいて、液体の噴射が交わり、霧化されてエアロゾルを形成する衝撃点が、凹部の基部の近くに、すなわちノズル孔の領域内に配置されることが好ましい。こうした場合、凹部は、特に液体が付着される危険性がある領域の1つであることが明らかである。
【0014】
本発明によると、以下の表面、すなわち、
ノズルの液体出口側の外表面及び/又は
ノズル・ホルダの端面の外表面及び/又は
ノズル・ホルダのボア又は穴の側壁及び/又は
チェック・ナットの端面の外表面及び/又は
チェック・ナットのボア又は穴の側壁、
の少なくとも一部が微細又はナノ構造化される。
【0015】
ノズル・ホルダ及び/又はチェック・ナットの拡大凹部又は2つの部分の組み合わせが、微細又はナノ構造化された表面を有することが好ましい。
本発明の範囲内では、エアロゾル霧からの液体が付着される可能性が最も高い、ノズル出口側のこれらの領域及び/又は外表面、並びに随意的にノズル開口部に近い他の表面も、臨界面と呼ぶ。
【0016】
吸入器の場合には、臨界面はマウスピースをも含み、ノズルは、通常、該マウスピースの中に医薬エアロゾルを噴霧し、該医薬エアロゾルを吸入できるようになる。この種のマウスピースは、ノズルを配置する基部上の管状突起部として構成することができる。
【0017】
欧州特許772514号は、本発明により用いられる微細又はナノ構造がどのように見えるかを記載しており、よってこの刊行物の内容をここで援用する。
臨界面がノズル・ホルダ又はチェック・ナットのものである場合には、その表面の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%が微細又はナノ構造化される。
【0018】
代替的に及び/又は付加的に、ノズル出口側の外表面の20%、より好ましくは50%、最も好ましくは少なくとも75%が微細又はナノ構造化される。
【0019】
臨界面がマウスピースの内表面である場合には、この表面もまた、少なくとも20%、より好ましくは50%、最も好ましくは少なくとも75%微細又はナノ構造化することができ。
個々の場合においてどの表面を重要なものと見なすかは、特定の装置によって決まり、簡単な試験によって見出すことができる。
ノズル・ホルダ及び/又はチェック・ナットの臨界面は、微細又はナノ構造化されていることが好ましい。
【0020】
本発明による臨界面の構造化は、少なくとも重要な内表面の領域上に微細又はナノ・スケールの隆起部及び凹部を形成することによって達成される。
隆起部及び凹部は、山、球形、平坦な表面、ウェッジ形状、半球形状等の形態とすることができる。
それらは、例えば、円形の列をなして、蛇行してジグザグに等、不規則に配置し又は配列することができる。
【0021】
表面構造体上の隆起部間の間隔は、0.1ミクロンから200ミクロン、好ましくは0.1ミクロンから100ミクロンの範囲内である。0.1ミクロンから10ミクロンの間隔が好ましいが、0.1ミクロンから1ミクロンの間隔がさらにより好ましい。
隆起部の高さ又は凹部の深さは、0.1ミクロンから100ミクロン、好ましくは0.1ミクロンから50ミクロンの範囲内である。0.1ミクロンから10ミクロンの間隔が最も好ましい。
【0022】
好ましくは、表面構造体の隆起部は、親水性の液滴、例えば水滴が、実際に下にある領域に接触することなく該隆起部から確実に転がり落ちるようにするために互いに十分接近している。同時に、表面構造体の隆起部は、互いに接近し過ぎたものであってはならず、或いは凹部は、液滴と表面との間の表面力が十分な効力を生じるシールされた表面を形成しないように、液滴のサイズに対し、平坦過ぎるものであってもならない。したがって、隆起部の基部からの高さは、該隆起部間の間隔が増加するのに伴って増加することが望ましい。表面は、隆起部間の間隔が0.1ミクロンから100ミクロンであり、0.1ミクロンから50ミクロンの大きさの隆起部を有することが好ましい。
【0023】
0.05ミクロンから0.5ミクロンの周期的長さを有する超顕微鏡的粗さ、及び0.05ミクロンから10ミクロンの周期的長さを有する粗さを重ね合わせることによって得ることができるような、2つの異なるように段階分けされた表面変調を有する構造体が、特に好ましい。
【0024】
好ましくは、臨界面は、疎水性材料又は耐久性のある疎水性仕上げが施された材料からなるか、又はそれらは、そうした材料でコーティングされ、隆起部は、水又は水を含有する洗浄剤では剥離されない。用いられる材料は、プラスチック、金属、セラミックス、ガラス等とすることができる。
【0025】
好ましい材料は、ガラス、及び/又はセラミックス、及び/又は金属、及び/又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、シラン等のようなプラスチックである。プラスチックが好ましいものである。必要であれば、この種のプラスチックには、例えば、乾燥されたときに表面構造を持つか又は形成する別のプラスチック・コーティングを施すこともできる。
【0026】
この種の構造化された表面は、疎水性材料からの製造中に表面構造を形成するか、或いは後で材料を取り去るか又は材料を表面に付加することのいずれかによりもたらすことができる。これらのプロセスには、後続するスタンピング、エッチング、レーザ切除、ガルバニック機械加工、構造化されたフィルムの接着結合、粉末の接着結合、懸濁液の噴霧、昇華物の付着が含まれる。
【0027】
最後に、所望の構造をもつ予め生成された表面上に耐久性のある疎水性表面を引き続き形成することによって、物体上にこの種の自己洗浄表面を形成することが可能である。
後工程で表面を恒久的に疎水性にするための考えられる方法の1つは、予め準備された所望の構造を有する表面を後工程でシラン処理することによるものである。シラン処理は、もともと親水性であるが、最終的には表面がシランの疎水基からなるようにシランの反応基と反応することが可能な如何なる材料上でも実行できる。
【0028】
疎水性ポリマーからの実際の製造中に所望の表面構造をもたらすために、物体は、該所望の表面構造のネガを含むモールドに製造することができる。
乾燥され硬化されたときに所望の表面構造をもたらす、溶液及び/又は分散の形の疎水性ポリマーを適用することも可能である。
そのような構造は、例えば、自己組織化ポリマー又は基本的には艶消し塗料表面の製造から原則的に公知の条件下で形成される。
【0029】
最初から所望の表面構造を形成することが可能でないか又は望ましくない場合は、例えば、後続するスタンピング又はエッチングにより、これを引き続き実行することもできる。スタンピングは、例えば、加熱された又は加熱可能なスタンプを用いて実行できる。エッチングは、化学エッチングについての公知の手段を用いて、又は粗面処理及び本発明に従って用いることができる表面構造をもたらす酸素若しくは他の照射を用いたイオン・エッチング等の物理的方法により、実行できる。
表面構造が形成される方法は、用いられる材料及び所望の微細構造によって決まる。
本発明は、Respimat(登録商標)技術を用いて、噴霧器に用いられることが好ましい。
【0030】
好ましいアトマイザは、本質的に、互いに対して回転可能に取り付けられた下部ハウジング及び上部ハウジングを含み、該ハウジングの上方部分は、好ましくはねじ山又はギアの形態のロッキング・クランプ機構により2つのハウジング部分を回転させることによって張力がかけられ、該ハウジングの上部部分の解放ボタンを押すことによって解放されるばねを有するばねハウジングを含有する。このことが、容器を嵌合できる下端部の中空ピストンに接続されたパワー・テイクオフ・フランジを動かし、その上端部には、弁及び圧力チャンバが見られ、この圧力チャンバは、流体伝達のために、上部ハウジング部分の上方に開いた部分に形成されたノズル又はノズル・システムに接続される。液体は、中空ピストンによって吸引され、圧力チャンバにポンプで送られ、そこから、エアロゾルの形態でノズルを通して排出される。
【0031】
弁本体を有する中空ピストンは、WO97/12687号に開示される装置に対応するものである。この中空ピストンは、ポンプ・ハウジングのシリンダ内に部分的に突出し、該シリンダ内で軸方向に移動できるように配置されている。特定的には図1乃至図4、特に図3、及び記載の関連した部分に説明がなされている。ばねの解放時に、弁本体を有する中空ピストンは、高圧端において、5Mpaから60Mpa(約50バールから600バール)、好ましくは10Mpaから60Mpa(約100バールから600バール)の圧力を、流体すなわち定量の作用物質溶液にかける。
弁本体は、ノズル本体に面する中空ピストンの端部に取り付けられることが好ましい。弁本体は、ノズルを用いて流体を伝達するために接続される。
【0032】
ノズル本体内のノズルは、微細構造化される、すなわちマイクロテクノロジーによって製造されることが好ましい。しかしながら、文脈から明らかなように、この文脈で述べられている微細構造体は、少なくともその機能において本発明による微細構造体と異なる。微細構造化されたノズル本体が、例えば、WO94/07607号又はWO99/16530号に記載されている。別の実施形態が、WO03/097139号に開示されている。ここで全ての文書を援用する。WO94/07607号に関しては、特に図1及び関連した説明を援用する。
【0033】
ノズル本体は、例えば、互いにしっかりと取り付けられた2枚のガラス及び/又はシリコンのシートからなり、これらのシートの少なくとも1枚は、ノズル入口側をノズル出口側に接続する1つ又はそれ以上の微細構造化されたチャネルを有する。ノズル出口側には、2ミクロンから10ミクロンの深さ及び5ミクロンから15ミクロンの幅の少なくとも1つの丸い開口部又は丸くない開口部があり、その深さは、4.5ミクロンから6.6ミクロンであり、長さは、7ミクロンから9ミクロンであることが好ましい。
【0034】
複数のノズル開口部、好ましくは2つのノズル開口部の場合には、ノズル本体におけるノズルの噴霧方向は、互いに平行であってもよいし、又はノズル開口部の方向に互いに対して傾斜していてもよい。出口側に少なくとも2つのノズル開口部を有するノズル本体においては、噴霧方向は、互いに対して20°から160°、好ましくは60°から150°、最も好ましくは70°から100°の角度で傾斜させることができる。
【0035】
ノズル開口部は、10ミクロンから200ミクロンの間隔、より好ましくは10ミクロンから100ミクロンの間隔、最も好ましくは30ミクロンから70ミクロンの間隔で配置されることが好ましい。50ミクロンの間隔が最も好ましい。その結果、噴射方向は、ノズル開口部の領域内で交わる。
【0036】
簡単にするために、ここでノズル本体の基部部分だけがリリーフ状の微細構造体を有するものの、上部部分は有していない実施形態について説明する。他の実施形態においては、状況が逆であるか、又は両方の部分がこれらの微細構造体を有することができる。
【0037】
平坦な表面上の基部部分には、上部部分のほぼ平坦な表面と協働して複数のフィルタ・ルート(フィルタ・チャネル)を形成する1組のチャネルがある。基部部分は、その上部部分が、同じく上部部分により形成される充填チャンバを有することができる。この充填チャンバは、フィルタ・チャネルの前方又は後方に設けることができる。この種の2つの充填チャンバを有することも可能である。フィルタ・チャネルの下流側に設けられた基部部分のほぼ平坦な表面上の別の組のチャネルが、上部部分と協働して、複数のノズル出口ルートを形成する1組のチャネルを形成する。
【0038】
ノズル出口の全断面積は、25平方マイクロメートルから500平方マイクロメートルであることが好ましい。全断面積は、30平方マイクロメートルから200平方マイクロメートルであることが好ましい。
別の実施形態において、ノズル構成は、1つのノズル孔だけを有する。
この種の他の実施形態においては、フィルタ・チャネル及び/又は充填チャンバが省かれる。
【0039】
フィルタ・チャネルは、ジグザグ形状に配置された突起部によって形成されることが好ましい。したがって、例えば、この種のジグザグ構成は、少なくとも2列の突起部によって形成される。多数の列の突起部を形成することもでき、この突起部は、これらの列に対して傾斜された付加的な列を構成するために互いに横方向にオフセットしており、これらの付加的な列がジグザグ構成を形成する。この種の実施形態においては、入口及び出口はそれぞれ、濾過されていない流体又は濾過された流体のための長手方向スロットを有することができ、該スロットの各々は、フィルタと実質的に同じ幅であり、該フィルタの入口側及び出口側の突起部と実質的に同じ高さである。流れの方向に見て、突起部により形成される貫流通路の断面は、流体流の方向と垂直にすることができ、列ごとに減少させることができる。また、フィルタの入口側の近くに配置された突起部は、該フィルタの入口側の近くに配置された突起部より大きいものにすることができる。さらに、基部部分と上部部分との間の間隔は、ノズル入口側からノズル出口側までの領域においてテーパ状にすることができる。最低2列の突起部によって形成されるジグザグ構成は、好ましくは20°から250°の傾斜角αを有する。
ノズル構成のさらなる詳細は、WO94/07607号に見出すことができる。ここで、特にこの発行物、特定的には図1及び関連した説明を援用する。
【0040】
ノズルは、WO97/12683号に記載されているようなエラストマー・スリーブ内に組み込むことができる。最も簡単な形態においては、この種のスリーブは、ノズルを挿入できる開口部を有するリング又は部材である。この開口部は、外表面全体、すなわち好ましくはノズル入口側及びノズル出口側により形成される線形軸と垂直な表面にわたってノズル・ブロックを囲む。スリーブは、ノズルのノズル入口側への液体供給又は液体の供給を妨げないように、上部及び下部が開いている。第2のスリーブ内にこのスリーブを挿入することができる。第1のスリーブの外部形態は、円錐状であることが好ましい。これに応じて、第2のスリーブの開口部が形成される。第1のスリーブは、エラストマーで作ることができる。
上述のように、随意的にスリーブを含むノズルは、該ノズルを中空ピストンの方向に外側から保持するための装置によって固定される。
【0041】
アトマイザのロッキング・クランプ機構は、機械的エネルギーの貯蔵部として、ばねを、好ましくは円筒形の螺旋状圧縮ばねを含む。このばねは、ばね部材としてパワー・テイクオフ・フランジに作用し、その動きは、ロッキング部材の位置によって定められる。パワー・テイクオフ・フランジの移動は、上部止め部及び下部止め部によって正確に制限される。上部ハウジング部分が下部ハウジング部分内のばねハウジングに対して回転されたときに生じる外部トルクによって、例えば、螺旋状摺動ギアのような強化ギアを介して、ばねに張力がかけられることが好ましい。この場合、上部ハウジング部分及びパワー・テイクオフ・フランジは、無変速式又は多段速度式のスプラインギアを含む。
【0042】
係合ロッキング表面を有するロッキング部材が、パワー・テイクオフ・フランジの周りに環状構成で配置される。このロッキング部材は、例えば、本質的に半径方向に弾力的に変形可能なプラスチック又は金属のリングからなる。このリングは、アトマイザの軸と垂直な面内に配置される。ばねに張力がかけられた後、ロッキング部材のロッキング面は、パワー・テイクオフ・フランジの経路内に摺動し、該ばねが解放されるのを防止する。ロッキング部材は、ボタンによって作動される。作動ボタンは、ロッキング部材に接続又は連結される。ロッキング・クランプ機構を作動させるために、作動ボタンは、環状面と平行に、好ましくはアトマイザ内に動かされ、これにより変形可能なリングが該環状面において変形される。ロッキング・クランプ機構の構成の詳細が、WO97/20590号に記載されている。
下部ハウジング部分は、ばねハウジングにわたって軸方向に押され、軸受、スピンドルのための駆動装置、及び流体のための貯蔵容器を覆う。
【0043】
アトマイザが作動されるとき、ハウジングの上部部分が下部部分に対して回転され、該下部部分は、それと一緒にばねハウジングを支える。その一方で、ばねが、螺旋状の摺動ギアによって圧縮され付勢され、クランプ機構が自動的に係合する。回転角度は、例えば、180度のような360度の整数分数であることが好ましい。ばねに張力がかけられると同時に、上部ハウジング部分のパワー・テイクオフ構成要素が所定の距離だけ動かされ、中空ピストンがポンプ・ハウジングのシリンダ内に引っ込められ、その結果、流体の一部がノズルの前方で貯蔵容器から高圧チャンバに吸い込まれる。
必要に応じて、霧化される流体を含有する複数の交換可能な貯蔵容器を次々にアトマイザ内に挿入し、使用してもよい。貯蔵容器は、本発明による水性エアロゾル製剤を含有する。
【0044】
霧化プロセスは、作動ボタンを穏やかに押すことによって開始する。次いで、クランプ機構が経路を開けて、パワー・テイクオフ構成要素が動けるようにする。付勢されたばねがピストンをポンプ・ハウジングのシリンダに押し込む。流体は、噴霧形態でアトマイザのノズルから出る。液体医薬製剤は、600バールまで、好ましくは200バールから300バールの流入圧力でノズル本体に当たり、ノズル開口部を通して吸入可能なエアロゾルに霧化される。エアロゾルの好ましい粒子サイズは、20ミクロンまで、好ましくは3ミクロンから10ミクロンである。
【0045】
10マイクロリットルから50マイクロリットルの容積が供給されることが好ましく、10マイクロリットルから20マイクロリットルの容積がより好ましく、噴霧当たり15マイクロリットルの容積が特に好ましい。
【0046】
構成のさらなる詳細が、PCT出願WO97/12683号及びWO97/20590号に記載されており、これらをここで援用する。
アトマイザ(噴霧器)の構成要素は、その目的に適した材料から構成される。アトマイザのハウジング、及び(機能的に許す限り)他の部分は、射出成形などによりプラスチックで作られることも好ましい。医学的用途の場合は、生理学的に無害な材料が用いられる。
本発明による噴霧器は、円筒形状であり、9cm未満から15cmの長さ及び2cmから4cmの幅の手頃な大きさであることが好ましく、患者がこれをどこへでも携帯することができる。
【0047】
既に述べたように、本発明によると、Respimat(登録商標)型の装置においては、ノズル出口側の外表面、ノズル・ホルダ及び/又はチェック・ナットの部品、並びに随意的に、供給されるエアロゾル霧からの液体が付着される可能性が最も高いノズル開口部に近い他の表面に、ナノ又は微細構造化を施すことができる。付加的に又は代替的に、Respimat(登録商標)装置の他の表面も、本発明によるナノ又は微細構造化を有することができる。これらには、中空ピストンの内表面及び外表面の一部、ノズルを構成する構成要素の内表面、ノズルの微細構造化された内表面の一部、及び他のものが含まれる。
本発明は、水溶液系が霧状にされる全ての種類の液体噴霧器に適用することができる。本発明は、噴霧化に基づく技術にも、この種の噴霧器が用いられる目的にも制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
図1aは、ばねに張力がかけられた状態のアトマイザを通る長手方向断面を示す。図1bは、ばねが解放された状態のアトマイザを通る長手方向断面を示す。
【0049】
上部ハウジング部分(51)は、アトマイザ・ノズルのためのホルダ(53)を端部に取り付けたポンプ・ハウジング(52)を含む。ホルダ内には、拡大凹部(54)及びノズル本体(55)がある。ロッキング・クランプ機構のパワー・テイクオフ・フランジ(56)内に固定された中空ピストン(57)が、ポンプ・ハウジングのシリンダ内に部分的に突出している。端部では、中空ピストンが弁本体(58)を支持する。中空ピストンは、ガスケット(59)によって密封される。上部ハウジング部分内には、ばねが解放されたときにパワー・テイクオフ・フランジが載る止め部(60)がある。ばねに張力がかけられているときにパワー・テイクオフ・フランジが載る止め部(61)が、該パワー・テイクオフ・フランジ上に配置されている。ばねに張力がかけられた後、ロッキング部材(62)が、止め部(61)と上部ハウジング部分の支持体(63)との間を摺動する。作動ボタン(64)がロッキング部材に接続されている。上部ハウジング部分は、マウスピース(65)で終端し、取り外し可能な保護キャップ(66)で閉じられる。
【0050】
圧縮ばね(68)を有するばねハウジング(67)が、上部ハウジング部分上にスナップ嵌め突起(69)及び回転軸受によって回転可能に取り付けられている。下部ハウジング部分(70)がばねハウジング上に押される。霧化される流体(72)のための交換可能な貯蔵容器(71)が、ばねハウジングの内側にある。貯蔵容器はストッパ(73)で閉じられており、このストッパを通して中空ピストンが貯蔵容器内に突出し、その端部を流体(作用物質溶液の供給)に浸す。
【0051】
機械的なカウンタ(随意的)のためのスピンドル(74)が、ばねハウジングの外面に取り付けられている。上部ハウジング部分に面するスピンドルの端部には、駆動ピニオン(75)が配置されている。
【0052】
図2aは、ノズル(55)及びノズル・ホルダを含むシステムの実施形態の部分断面側面図を示す。
内蔵式部品ユニットいわゆるユニブロックとしてのノズル(55)又はノズル・ホルダが、円錐形スリーブ(77)内に取り付けられ、該円錐形スリーブ自体は、ノズル・ホルダ(78)内に配置される。ノズル・ホルダ(78)は、チェック・ナット(79)によってハウジング上に支えられ、ノズル・ホルダは最終的にそこに固定される。
【0053】
同時に、チェック・ナット(79)は、円錐形凹部(81)に係合することなく、ノズル・ホルダ(78)を外側から保持する。凹部(81)は、ノズル孔からの距離が増大するにつれて連続的に外側に広がるという点で、円錐形状である。凹部(81)は、円錐角2θを有する。
チェック・ナット(79)は、外側からノズル・ホルダ(78)に係合しないので、凹部(81)は、もっぱらノズル・ホルダ(78)によって形成される。
【0054】
図2bは、今度は、チェック・ナットが円錐形凹部(81)の一部も形成するという点で図2aと異なる、ノズル・システム(55)の実施形態の部分断面側面図を示す。ノズル・ホルダ(78)からチェック・ナット(79)への移行領域内の凹部(81)において、如何なる種類の段も存在しない。噴霧器の新たな茶道によって、こうした段において蓄積され、マウスピースの一部に寄与する噴霧器の霧の粒子を取り出すことはできない。
【実施例】
【0055】
図3−実施例
図1と同じように、Respimat(登録商標)装置が用いられる。この装置が修正され、図2のものと同じように、ノズル・システムの臨界面すなわち凹部(81)が、Messrs Dyckerhoff社によって製造されたシリコン塗料Lotusan(登録商標)で被覆された。
次に、装置を用いて水性プラセボ溶液が噴霧され、臨界面に付着された液体の量が、被覆されていない装置との比較によって測定される。
様々な角度の円錐形凹部の開口部を備えた多数の装置について、この試験が繰り返される(図3)。
この試験は、滑らかなノズル・システムと比較すると、ノズル・システムの臨界面の微細構造化が、臨界面に付着される液体の量を減少させることを示す。
【0056】
図4は、断面側面図に示される2つのノズル開口部を有するノズル部材(55)の実施形態の詳細の線図である。
ノズル・チャネルのノズル孔(84)を出る噴射が、角度α=90°で衝突点(85)と交わるように、2つのノズル・チャネル(82)が配置される。衝突点(85)は、ノズル孔上に、衝撃高さh=25μmを有する。
【0057】
図5乃至図9は、ノズル・ホルダ及び/又はチェック・ナットの臨界面に付着することができる構造化されたアクリル層を有するポリエステル・フィルムの表面構造の例を示す。フィルム1は、0.5ミクロンの領域の構造をもち、フィルム2は、2ミクロンの領域の構造をもち、フィルム3は、2ミクロンの領域の構造及び10ミクロンの上部構造をもつ。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1a】WO97/12687号の図6aに類似したものであり、本発明による水性エアロゾル製剤を有利に吸入できるRespimat(登録商標)噴霧器を示す。
【図1b】WO97/12687号の図6bに類似したものであり、本発明による水性エアロゾル製剤を有利に吸入できるRespimat(登録商標)噴霧器を示す。
【図2】ノズル・システムの2つの実施形態の部分断面側面図を示す。
【図3】微細構造化されたノズル・システムの実験に基づく例を示す。
【図4】ノズル本体の実施形態の側断面図の線図を示す。
【図5】構造化されたアクリル層を有するポリエステル・フィルムの表面構造を示す。
【図6】構造化されたアクリル層を有するポリエステル・フィルムの表面構造を示す。
【図7】構造化されたアクリル層を有するポリエステル・フィルムの表面構造を示す。
【図8】構造化されたアクリル層を有するポリエステル・フィルムの表面構造を示す。
【図9】構造化されたアクリル層を有するポリエステル・フィルムの表面構造を示す。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体入口側及び液体出口側を有する、液体供給装置のためのノズルであって、前記液体出口側の外表面が微細又はナノ構造化されたことを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記ノズルが少なくとも1つのノズル開口部を有することを特徴とする請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記ノズルが少なくとも2つのノズル開口部を有し、前記少なくとも2つのノズル開口部が、そこから出る液体の噴射が該ノズル開口部の前方で交わるように配向されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記ノズルが少なくとも2つの構造ユニットから形成されたことを特徴とする前記請求項の1項に記載のノズル。
【請求項5】
前記ノズルが少なくとも2つの重ね合わされたプレートから形成され、前記プレートの少なくとも1つが第2の微細構造を有し、一方が他方の上に位置する該プレートは、チャネル・システム及び/又はフィルタ・システムに接続された液体入口を一方の側に定め、前記液体入口が1つ又はそれ以上の出口に通じるようになったことを特徴とする前記請求項の1項に記載のノズル。
【請求項6】
前記ノズルが、互いに向けて配向された少なくとも2つのノズル出口を有することを特徴とする請求項5に記載のノズル。
【請求項7】
ノズルと、貫通ボア又は穴を含み、内側が前記ノズルの前記液体出口側と接触する端面を有するノズル・ホルダとからなり、前記ノズル開口部が、その端面が貫通ボア又は孔を有し、その端面上のノズル・ホルダ又はその液体出口側上の該ノズルと接触する、前記ボアボア及び/又はチェック・ナットの中に或いは下方に配置された、液体供給用装置のためのノズル・システムであって、
前記ノズルの前記液体出口側の外表面、及び/又は
前記ノズル・ホルダの前記端面の外表面、及び/又は
前記ノズル・ホルダの前記ボア又は穴の側壁、及び/又は
前記チェック・ナットの前記端面の外表面、及び/又は
前記チェック・ナットの前記ボア又は穴の側壁、
の少なくとも1つが微細又はナノ構造化されたことを特徴とするノズル・システム。
【請求項8】
ノズル・ホルダが形成され、そのボア又は穴が、前記ノズル開口部から連続的に外側に広がる内部凹部として構築されたことを特徴とする請求項7に記載のノズル・システム。
【請求項9】
チェック・ナットが形成され、そのボア又は穴が、前記ノズル開口部から連続的に外側に広がる内部凹部として構築されたことを特徴とする請求項7に記載のノズル・システム。
【請求項10】
前記ノズル開口部から遠く離れた前記凹部の側部が、微細又はナノ構造化されたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のノズル・システム。
【請求項11】
前記ノズルが、請求項1乃至請求項6に記載のノズルの特徴を有し、前記液体出口側の微細又はナノ構造が随意的なものであることを特徴とする請求項7乃至請求項10の1項に記載のノズル・システム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項6に記載のノズル、又は請求項7乃至請求項11の1項に記載のノズル・システムを含むことを特徴とする液体用供給装置。
【請求項13】
薬液用アトマイザであることを特徴とする請求項12に記載の供給装置。
【請求項14】
前記装置が、互いに対して回転可能に取り付けられた下部ハウジング部分及び上部ハウジング部分を含み、前記ハウジングの上部部分は、好ましくはねじ山又はギアの形態のロッキング・クランプ機構により前記2つのハウジング部分を回転させることによって張力がかけられ、該ハウジングの前記上部部分上の解放ボタンを押すことによって解放されるばねを有するばねハウジングを含み、容器を嵌合できる下端部の中空ピストンに接続されたパワー・テイクオフ・フランジを動かし、その上端部には、弁及び圧力チャンバが見出され、前記圧力チャンバは、流体伝達のために、上部ハウジング部分の上方に開いた部分に形成されたノズル又はノズル・システムに接続されたことを特徴とする請求項12又は請求項13の1項に記載の供給装置。
【請求項15】
前記装置が、吸入器又は薬液のための他の何らかのアトマイザであることを特徴とする請求項12及び請求項13の1項に記載の供給装置。
【請求項16】
請求項1乃至請求項6の1項に記載のノズル、請求項7乃至請求項11の1項に記載のノズル・システム、又は請求項13乃至請求項15の1項に記載の薬液用供給装置において、前記微細又はナノ構造が、
前記ノズルの前記液体出口側の外表面、及び/又は
前記ノズル・ホルダの前記端面の外表面、及び/又は
前記ノズル・ホルダの前記ボア又は穴の側壁、及び/又は
前記チェック・ナットの前記端面の外表面、及び/又は
前記チェック・ナットの前記ボア又は穴の側壁、
のうちの少なくとも1つの上に、0.1ミクロンから100ミクロンの高さ/深さを有する隆起部及び凹部によって形成されたものであることを特徴とするノズル、ノズル・システム、又は薬液用供給装置。
【請求項17】
前記微細又はナノ構造が、隆起部及び凹部によって形成され、前記隆起部と凹部の間の間隔が、0.1ミクロンから200ミクロンの範囲にあることを特徴とする請求項16に記載のノズル、ノズル・システム、又は薬液用供給装置。
【請求項18】
対応する表面の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%が微細又はナノ構造化されたことを特徴とする請求項16又は請求項17の1項に記載のノズル、ノズル・システム、又は薬液用供給装置。
【請求項19】
前記微細又はナノ構造化された表面が、ガラス、及び/又はセラミックス、及び/又は金属、及び/又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、シランなどのプラスチックのような疎水性材料により形成されたことを特徴とする請求項16乃至請求項18の1項に記載のノズル、ノズル・システム、又は薬液用供給装置。
【請求項20】
前記微細又はナノ構造化された表面が、スタンピング、エッチング、レーザ切除、ガルバニ機械加工、構造化されたフィルムとの接着取り付け、粉末の付着、懸濁液での噴霧、昇華物の付着のような、前記表面の減法的な又は加法的な処理により形成されたことを特徴とする請求項16乃至請求項18の1項に記載のノズル、ノズル・システム、又は薬液用供給装置。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−517529(P2007−517529A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504383(P2006−504383)
【出願日】平成16年1月9日(2004.1.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000082
【国際公開番号】WO2004/089551
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)