説明

ノートパソコン用キャビネット

【課題】品種の異なるキャビネットで箱体の共用化が図れ、ノートパソコンを個別に管理することができ、管理が容易で防犯性が高く、ノートパソコンの充電時に電源コードが邪魔になったり抜き取りが面倒でなく、外観を向上するノートパソコン用キャビネットを提供する。
【解決手段】ノートパソコン用キャビネット1は箱体2に棚板4を複数段に設けて収納部6を形成し、扉11で閉塞して施錠可能にする。各収納部6には電源コンセント9を設けて個別にノートパソコン5の充電ができる。また、近接スイッチ14で扉11の開閉を検出してノートパソコン5の出し入れを遠隔のパソコンで監視する。異常が発生した場合は警報手段17が作動して周囲に知らせるとともに、遠隔のパソコンに警報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台のノートパソコンを収納するためのキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数台のノートパソコンを収納するためのキャビネットは、前面を開口した箱体の高さ方向に複数段に棚板を設けてノートパソコンを収納する収納部を形成し、箱体の前面開口には扉体が開閉自在に設けられ、扉体に設けられた錠で施錠できるようにしていた。また、箱体の前面開口近くに複数のコンセント差込口を備えた縦長の電源コンセントバーが設けられ、棚板にノートパソコンを収納した状態で充電ができるようになっていた(非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】“キャビネット NBCseries”[online]、エレコム株式会社、[平成17年2月25日検索]、インターネット<URL:http://www2.elecom.co.jp/furniture/cabinet/nbc/index.asp>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来のノートパソコン用キャビネットは扉体だけに錠が設けられているのでノートパソコンを個別に管理することができなかった。また、電源コンセントバーに電源プラグを接続して充電をした場合に電源コードが他の収納部の前面に垂れ下がるため、ノートパソコンの出し入れの邪魔になっていたし、電源コンセントバーに多数の電源プラグが接続されていると電源コードが絡まることがあり、目的の電源プラグの抜き取りが煩わしく、外観も損なわれていた。また、ノートパソコンの出し入れの管理が人手に頼っており、防犯上の不安があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載の発明によれば、前面を開口した箱体に複数の収納部を設け、収納部にノートパソコンを個別に収納可能にしたノートパソコン用キャビネットにおいて、箱体に棚板を固定して収納部を形成した場合は箱体の前面開口を扉体で閉塞可能にするとともに、箱体に引出しを設けて収納部を形成した場合は箱体の前面開口を引出しの前面板で閉塞可能にし、箱体の前面開口の閉塞手段を変更可能にしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のノートパソコン用キャビネットにおいて、閉塞手段の開動作をセンサにより検出し、外部に信号を出力して遠隔で閉塞手段の開閉状態を監視できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載のノートパソコン用キャビネットにおいて、箱体に警報手段を設け、閉塞手段が不法に開放されたことをセンサにより検出した場合に外部に警報信号を出力するとともに警報手段が作動することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明によれば、前面を開口した箱体に複数の収納部を設け、収納部にノートパソコンを個別に収納可能にしたノートパソコン用キャビネットにおいて、各収納部に電源コンセントを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、棚板収納式のキャビネットと引出し収納式のキャビネットとで箱体の共用化が図れ、また、引出し収納式のキャビネットにした場合にはノートパソコンを個別に管理することができるという効果がある。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、扉体や引出しの開閉状態をキャビネットから離れた場所でコンピュータにより管理することができ、管理が容易になるという効果がある。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、防犯性が向上するという効果がある。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、ノートパソコンの充電を行う際に電源コードが他のノートパソコンの出し入れの邪魔にならず、電源コードの抜き取りもスムーズに行うことができ、而も外観を向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ノートパソコン用キャビネットは箱体に棚板を複数段に設けて収納部を形成し、扉で閉塞して施錠可能にする。各収納部には電源コンセントを設けて個別にノートパソコンの充電ができる。また、扉の開閉を近接スイッチで検出して遠隔のパソコンで監視する。異常が発生した場合は警報手段が作動して周囲に知らせるとともに、遠隔のパソコンに警報を出力する。
【実施例1】
【0014】
本発明に係るノートパソコン用キャビネットの実施例1を図1〜図4の添付図面に基づいて説明する。
【0015】
ノートパソコン用キャビネット1は、前面を開口した箱体2の内部を仕切り板3で2分割され、仕切り板3の右側空間に複数段に棚板4を設けてノートパソコン5の収納部6を形成している。棚板4は箱体2の左右内側面にL形金具7,7を螺着し、このL型金具7,7間に懸架し螺着固定している。収納部6の最下段は他の収納部5に比べて高さ寸法が大きくとられ、プリンタやプロジェクタや説明書などを収納できるようになっている。また、仕切り板3の左側空間に複数段に奥行き寸法の小さい小物収納部8が形成され、CDやDVDなどが収納できるようになっている。
【0016】
ノートパソコンの収納部6には棚板4の手前側に個別に電源コンセント9が設けられ、この電源コンセント9にノートパソコン5の電源プラグ5aを接続して保管時に充電できるようになっている。電源コンセント9は小物用収納部8の裏側の空間に設けられた端子台10を介して配線されている。
【0017】
箱体2の前面にはノートパソコン5などの収納部6を閉塞する大扉11と、小物用収納部8を閉塞する小扉12とが開閉自在に蝶着され、小扉12を閉塞した状態で大扉11を閉塞すると小扉12の開放端に重なって小扉12が開放できないようになっている。大扉11の開放側にはハンドル13が設けられ、ハンドル13は上下方向に延びたロット棒13aが両扉11,12を閉塞状態で箱体2の天板2a及び底板2bに係脱可能にされ、ハンドル13の錠により両扉11,12を閉塞状態で施錠することができる。
【0018】
このように設けられた大扉11の開放端裏面にはセンサである近接スイッチ14の磁石部14aが取り付けられ、近接スイッチ14のスイッチ部14bが箱体2の夫々の磁石部14aに対向する位置に取り付けられている。箱体2にスイッチ部14bを設けているので大扉11及び小扉12の開閉による衝撃の影響を受けづらく、誤動作や故障を防止でき、また、配線も引き回しやすい。スイッチ部14bは最下段の棚板4の下側空間に設けられた通信装置15に接続され、近接スイッチ14から出力された信号は通信装置15を介して無線LAN16により送信し、キャビネット1から離れた場所にあるパソコン(図示せず)などで信号を受信して大扉11及び小扉12の開閉を監視できるようになっている。箱体2にはブザーやライトなどの警報手段17が設けられ、管理者の許可なく大扉11又は小扉12が不法に開けられた場合は通信装置15が警報手段17を作動させて周囲に知らせるとともに無線LAN16から管理者のパソコンに警報を出力するようになっている。大扉11又は小扉12を開けたい場合は管理者に許可を得てパソコンから警報を解除することで開けることができる。尚、ノートパソコン用キャビネット1から外部への信号の送信方法は無線LANでなく有線であっても良い。
【0019】
以上説明したノートパソコン用キャビネット1はノートパソコン5を一括して管理する場合に用いられるが、以下にノートパソコン5を個別に管理する場合について説明する。
【0020】
ノートパソコン用キャビネット1は箱体2の大扉11を取り外し、棚板4とL形金具7,7を取り外し、仕切り板3と箱体2の右内側面にコ字形金具18,18を螺着し、コ字形金具18,18間に引出し19を前後方向に摺動可能に設けて収納部6を形成し、引出し19の前面板19aで前面開口を閉塞するようになっている。引出し19の前面板19aには錠20が設けられて個別に引出し19を施錠して管理することができる。小物用収納部8の小扉12も錠20が設けられて個別に施錠して管理することができる。
【0021】
また、電源コンセント9は引出し19の内部に引き込まれ、個別にノートパソコン5の充電ができるようになっている。近接スイッチ14は磁石部14aが引出し19の背面板19bに設けられ、スイッチ部14bが箱体2の夫々の磁石部14aに対向する位置に取り付けられて引出し19の開閉を監視できるようになっている。また、小扉12にも近接スイッチ14の磁石部14aが設けられ、箱体2にスイッチ部14bが設けられて開閉を監視できるようになっている。尚、近接スイッチ14の動作については前述の説明と同様である。
【0022】
尚、本実施例において箱体2に小物用収納部8やプリンタなどの大型電気機器の収納部を形成したが、これらは必要に応じて形成すれば良く、また、ノートパソコン5の収納部6も1列多段に形成してあるが複数列多段に形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る棚板式収納のノートパソコン用キャビネットを示す要部を破断した正面図である。
【図2】本発明に係る棚板式収納のノートパソコン用キャビネットの内部構造を示す断面図である。
【図3】本発明に係る引出し型収納のノートパソコン用キャビネットを示す要部を破断した正面図である。
【図4】本発明に係る引出し型収納のノートパソコン用キャビネットの内部構造を示す引出しを引き出した状態の断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ノートパソコン用キャビネット
2 箱体
4 棚板
5 ノートパソコン
6 収納部
9 電源コンセント
11 大扉
12 小扉
13 ハンドル
14 近接スイッチ
15 通信装置
16 無線LAN
17 警報手段
19 引出し
20 錠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面を開口した箱体に複数の収納部を設け、該収納部にノートパソコンを個別に収納可能にしたノートパソコン用キャビネットにおいて、前記箱体に棚板を固定して前記収納部を形成した場合は前記箱体の前面開口を扉体で閉塞可能にするとともに、前記箱体に引出しを設けて前記収納部を形成した場合は前記箱体の前面開口を前記引出しの前面板で閉塞可能にし、前記箱体の前面開口の閉塞手段を変更可能にしたことを特徴とするノートパソコン用キャビネット。
【請求項2】
前記閉塞手段の開動作をセンサにより検出し、外部に信号を出力して遠隔で前記閉塞手段の開閉状態を監視できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のノートパソコン用キャビネット。
【請求項3】
前記箱体に警報手段を設け、前記閉塞手段が不法に開放されたことを前記センサにより検出した場合に外部に警報信号を出力するとともに前記警報手段が作動することを特徴とする請求項2に記載のノートパソコン用キャビネット。
【請求項4】
前面を開口した箱体に複数の収納部を設け、該収納部にノートパソコンを個別に収納可能にしたノートパソコン用キャビネットにおいて、前記各収納部に電源コンセントを設けたことを特徴とするキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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